JPH10281559A - 燃焼装置の排気構造 - Google Patents

燃焼装置の排気構造

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JPH10281559A
JPH10281559A JP9679797A JP9679797A JPH10281559A JP H10281559 A JPH10281559 A JP H10281559A JP 9679797 A JP9679797 A JP 9679797A JP 9679797 A JP9679797 A JP 9679797A JP H10281559 A JPH10281559 A JP H10281559A
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JP
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exhaust
cover
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board
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JP9679797A
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Tetsuo Ueda
哲生 上田
Daisuke Koshimizu
大介 越水
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Gastar Co Ltd
Original Assignee
Gastar Co Ltd
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  • Housings, Intake/Discharge, And Installation Of Fluid Heaters (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 燃焼排ガスの流れをよくし、騒音の低減が可
能な燃焼装置の排気構造に関する。 【解決手段】 排気トップ20は、互いに独立した主排
気口23と副排気口26を有している。雨返しボード3
0は、排気トップ20の排気トップ20側に形成された
突出部12の内部空間を、上部空間12aと下部空間1
2bとに仕切り、その先端縁が主排気口23の底面に接
している。これにより、排ガスの経路は、互いに独立し
た主排気路60と副排気路70とに別れる。主排気路6
0では、排ガスは、雨返しボード30の下面に沿って後
方に移動し、雨返しボード30の後端を回り込み、雨返
しボード30の上面と排気カバー10の上壁との間を通
り、上記上部空間12aを通って主排気口23に至る。
副排気路70では、排ガスは、雨返しボード30の下面
に沿って前方へ移動し、上記下部空間12bを通って副
排気口26に至る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、燃焼装置の排気構
造に関する。
【0002】
【従来の技術】燃焼装置例えばガス給湯装置には屋外に
設置して使用されるタイプのものがある。このタイプの
燃焼装置において、燃焼機器本体の上に設置される排気
構造は、燃焼機器本体の上端開口を覆いこの上端開口に
連なる排気室を形成する排気カバーと、この排気カバー
の前方に設けられた排気トップとを備えている。この排
気カバー内の排気室には、排気トップに向かって低くな
るように傾斜した雨返しボードが設置されている。この
雨返しボードは、排気トップの排気口から雨水が侵入す
るのを防止し、この雨水によりバーナが腐食したり水滴
の膜によりバーナの炎孔がふさがって点火時の燃焼に悪
影響を及ぼすのを防止している。
【0003】上記構成において、燃焼排ガスは、熱交換
部の上端開口から上昇して排気カバーの排気室に至る
が、ここで、雨返しボードの下面にあたり、この下面に
沿って雨返しボードの後端に至り、この後端を回り込
み、さらに雨返しボードの上面と排気カバーの上壁との
間を通って排気トップの排気口から排出される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記燃焼排ガスは、す
べて雨返しボードの後端を回り込んで排出される構成で
あり、上昇して雨返しボードの前端近傍に至った排ガス
は、雨返しボードの中央または後端近傍に至った排ガス
に行く手を遮られる形になり、排ガスの排出が円滑でな
かった。また、燃焼装置のバーナとして予混合バーナを
用いると、共鳴が発生しやすくまた、予混合バーナに近
い濃淡燃焼バーナを用いても比較的共鳴音が発生しやす
かった。振動燃焼や共鳴(共振)は、従来の燃焼装置で
ごく一般的に使用されていたバーナであるブンゼンバー
ナにおいてもまれに発生していたが、濃淡燃焼バーナを
用いると、発生しやすくなったことは事実である。
【0005】振動燃焼や共鳴(共振)現象のメカニズム
について簡単に述べる。バーナにおける燃焼とは、化学
反応に伴う熱発生であり、その発生速度はごく短い時間
スケールで見れば、そもそも絶えず変動しているもので
ある。バーナを大気に開放した状態での燃焼において
は、この変動は一般的には問題とならないが、ほぼ閉じ
られた燃焼室内での燃焼においては、この熱発生速度の
変動が、燃焼室内の圧力変動をもたらし、ひいてはバー
ナへ供給される燃料や燃焼用空気の量に変動をもたらす
ことになる。通常はこの変動は微細なものであり、振動
燃焼等に発展することはない。つまり、発熱速度の変動
を起点として見た場合、燃料や燃焼用空気の量に変動を
もたらすことはするが、各々が収束する現象として繰り
返されるに過ぎない。しかし、燃料や燃焼用空気の供給
系統から排気通路までも含めた燃焼装置の、流路系およ
び音響系としての特性がある条件を満たす場合には、燃
料や燃焼用空気の量の変動がさらに発熱速度変動にフィ
ードバックする自励振動系を構成することになり、振動
燃焼や共鳴(共振)現象を引き起こす。その振動条件と
しては、理論的な基礎式として、Rayleighの条件が古く
から知られているが、ごくごく単純な構造の装置に適用
できるのみであり、実機の燃焼装置に応用して事前に振
動しない設計にしておくことは不可能といっても過言で
はない。
【0006】実機、例えばガス給湯装置においては、開
発、試験段階において振動燃焼や共鳴が発生すると、燃
焼用空気供給系、燃料ガス供給系、バーナ、燃焼室(熱
交換器)、排気部等の構造をその都度変更して、試行錯
誤的に振動条件からずらすということが行われている。
例えばバーナに関しては、保炎(バーナでの火炎の保持
状態)を良好にすることを実施したりするが、逆にむし
ろ保炎を多少悪化させたほうが振動が止まるケースもあ
る。また、従来から、予混合バーナを使用すると、振動
燃焼を引き起こし易いということは経験的に知られてい
た。前述した、ガス給湯装置に近年一般的に使用され始
めた濃淡燃焼バーナは、原理的には濃および淡の予混合
バーナを組み合わせているためか、従来より振動燃焼や
共鳴現象が発生しやすくなっているようである。結果と
して、開発、試験段階において振動燃焼や共鳴が発生す
る率が以前より増し、それに対しては前述の試行錯誤的
な対策をとっているのであるが、以前よりさらに多大な
労力と時間を要しているのが現状である。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、燃焼
機器本体の上端開口を覆ってこの上端開口と連なる排気
室を形成する排気カバーと、この排気カバーの前方に設
けられた排気トップと、排気室内に設置され排気トップ
に向かって低くなるように傾斜した雨返しボードとを備
えた燃焼装置の排気構造において、上記排気トップに
は、主排気口とその下方に位置する副排気口とが独立し
て形成され、上記燃焼機器本体からの燃焼排ガスが辿る
経路は、上記雨返しボードの下面に沿い雨返しボードの
後端を回り込んで雨返しボードの上面と排気カバーの上
壁とを通り主排気口に至る主排気路と、雨返しボードの
下面に沿い前方に移動して副排気口に至る副排気路とに
別れ、これら主排気路と副排気路との間が遮断されてい
ることを特徴とする。
【0008】請求項2の発明は、請求項1に記載の燃焼
装置の排気構造において、上記雨返しボードの前端縁が
上記排気トップの主排気路の底面に接することにより、
上記主排気路と副排気路との間が遮断されていることを
特徴とする。請求項3の発明は、請求項2に記載の燃焼
装置の排気構造において、上記排気カバーは、燃焼機器
本体から前方へ突出する突出部を有し、この突出部の前
端に上記排気トップが取り付けられ、この突出部の内部
空間が、上記雨返しボードの前端部により上下に分割さ
れ、その上部空間が上記主排気路の一部となり、その下
部空間が上記副排気路の一部となることを特徴とする。
【0009】請求項4の発明は、請求項3に記載の燃焼
装置の排気構造において、上記排気トップは、トップ本
体と、このトップ本体に取り付けられたトップカバーと
を有し、トップ本体は、上記主排気口を画成する筒部
と、この筒部の後端開口周縁に形成された鍔部とを有
し、上記トップ本体の筒部の底壁とトップカバーの底部
との間には、上記副排気路の一部となる連通空間が形成
され、このトップカバーの底部には、この連通空間と外
部とを連通させる上記副排気口が形成され、上記トップ
本体の鍔部が上記排気カバーの突出部の前端開口周縁に
形成された鍔部にパッキンを介して連結され、上記排気
カバーの下側の鍔部と上記トップ本体の下側の鍔部の間
において、上記パッキンがこれら鍔部の上縁より下に位
置することにより、これら鍔部とパッキンとで凹部が画
成され、上記トップカバーの下側の鍔部には、この凹部
と上記排気トップの連通空間とを連通させる連通口が形
成され、上記副排気路は、上記突出部の下部空間,凹
部,連通口,連通空間を順に経て副排気口に至る通路に
より構成されていることを特徴とする。
【0010】請求項5の発明は、燃焼機器本体の上端開
口を覆ってこの上端開口と連なる排気室を形成する排気
カバーと、排気室内に設置され排気トップに向かって低
くなるように傾斜したボードとを備えた燃焼装置の排気
構造において、上記排気カバーは、燃焼機器本体から前
方へ突出する突出部を有し、この突出部の内部空間が、
上記ボードの先端部により上下に分割され、上記燃焼機
器からの燃焼排ガスが辿る経路は、上記ボードの後端を
回り込んで上記ボードの上面と排気カバーの上壁とを通
り排気カバーの突出部の上部空間から排出される第1排
気路と、上記ボードの下面に沿い排気カバーの突出部の
下部空間から排出される第2排気路とに別れていること
を特徴とする。請求項6の発明は、請求項5に記載の燃
焼装置の排気構造において、上記排気カバーの突出部の
前端には、中空のジョイントを介して煙突が連結されて
おり、上記ボードの前端部が上記ジョイントの内部空間
に入り込んでいることを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を図1
〜図4を参照して説明する。図1に示すように、ガス給
湯装置(燃焼装置)はハウジング1を備えている。この
ハウジング1は、ハウジング本体1aと、フロントカバ
ー1b(ハウジングの正面壁)とを有している。ハウジ
ング1内には、燃焼機器本体2が収容されている。この
燃焼機器本体2は、下から順にファン(図示しない)と
燃焼部3と熱交換部4を連結することによって構成され
ている。燃焼部3は例えばガス濃度の高い状態で燃焼を
行うバーナエレメントとガス濃度の低い状態で燃焼を行
うバーナエレメントとを交互に配置することにより構成
され、いわゆる濃淡燃焼を実行できるようになってい
る。図2に示すように、熱交換部4は、断面四角形をな
すフレーム5に、多数のフィン6を紙面と直交する方向
に並べ、このフィン6に受熱管7を貫通させることによ
り構成されている。このフレーム5の上端周縁には、鍔
部5aが形成されている。
【0012】上記燃焼機器本体2の上には本発明の特徴
部をなす排気構造8が設置されている。この排気構造8
は、排気カバー10と、排気カバー10の前端に設けら
れた排気トップ20と、排気カバー10内に設置された
雨返しボード30とを備えている。排気トップ20は、
フロントカバー1bに形成された開口1xから外部に突
出している。
【0013】上記排気カバー10は、上記熱交換部4の
上端開口を覆ってこの上端開口と連なる排気室11を形
成するものであり、その前方が熱交換部4から突出し、
この突出部12の前端が開口されている。図3に最も良
く示されているように、排気カバー10は、カバー本体
15と、第1補助板16と第2補助板17とで構成され
ている。カバー本体15は、下部と前部が開口した箱形
状をなしている。この下部開口の周縁および前部開口の
周縁には、鍔部15a,15bが形成されている。第1
補助板16は、その前後縁がカバー本体15に固定され
た状態で、カバー本体15の上壁に沿って配置されてお
り、排気室11の湾曲した上面を画成するようになって
いる。
【0014】上記第2補助板17は、排気カバー10の
突出部12の底壁となるものであり、図2,図3に示す
ように、水平板部17aと、この水平板部17aの前縁
から下方に延びる垂直板部17bと、この垂直板部17
aから斜めに延びる取付板部17cとを有している。後
述するように、水平板部17a,垂直板部17bは、排
気カバー10の取付用鍔部としての役割を担う。取付板
部17cには、水受け板19が取り付けられている。上
記水平板部17aは、前部17a1と、これより幅の狭
い後部17a2とからなり、両者の間には、段17xが
形成されている。後部17a2は前部17a1より板厚分
だけ上方に位置しており、その幅は、上記カバー本体1
5の内寸幅より僅かに小さい程度になっている。
【0015】上記第2補助板17は、水平板部17aの
前部17a1の両端を、カバー本体15の鍔15aの前
端部にスポット溶接することにより、カバー本体15に
固定されている。この状態で、水平板部17aの後部1
7a2は、カバー本体15の両側壁間に入りこんでお
り、この後部17a2の下面と、カバー本体15の鍔1
5aは、面一をなしている。これら面一をなす第2補助
板17の水平板部17aの後部17a2とカバー本体1
5の鍔15aは、ガス漏れ防止用のパッキン40を介し
て熱交換部4のフレーム5の鍔部5aに連結されてい
る。
【0016】図1,図2に示すように、上記排気カバー
10の熱交換部4への連結状態において、第2補助板1
7の水平板部17aの後部17a2は、フレーム5から
水平に後方に延びている。すなわち、この後部17a2
の延出部は、熱交換部4の上端開口の一部を覆ってい
る。
【0017】上記パッキン40は、フレーム5の鍔5a
に対応して四角形をなしており、その左右両辺の内側に
は、鍔部5aから張り出した張出部41が形成されてい
る。この張出部41は、図4に示されているように、上
記第2補助板17の水平板部17aの後部17a2の延
出部とカバー本体15の鍔部15aとの間の隙間を覆う
ようになっている。このように第2補助板17に延出部
を設けて、カバー本体15との間の隙間を長くしたこ
と、およびこの長い隙間をパッキン40の張出部41で
覆ったことにより、万一この隙間に水が侵入しても、燃
焼機器本体2の内部へ落下するのを確実に防止すること
ができる。
【0018】図1,図2に示すように、上記排気トップ
20は、トップ本体21と、トップカバー22とを備え
ている。トップ本体21は、筒部21aと、この筒部2
1aの後端開口周縁に形成された鍔部21bとを有して
いる。この筒部21aにより、主排出口23が画成され
ている。この主排出口23には、排気を円滑にするため
の1枚または複数のルーバ24が配置されており、この
ルーバ24の左右両端が筒部21aの両側壁に固定され
ている。トップカバー22は、ほぼ筒形状をなす遮蔽部
22aとその後端開口周縁に形成された鍔部22bとを
有している。この鍔部22bが鍔部21bにスポット溶
接されることにより、トップカバー22がトップ本体2
1に固定されている。
【0019】上記トップカバー22の遮蔽部22aは、
トップ本体21の筒部21aより大きく形成されてお
り、両者の間には空間が形成されている。この空間の前
方は、遮蔽部22aの折り曲げられた壁によって塞がれ
ている。特に、筒部21aの底壁と遮蔽部22aの底部
との間の空間部分は、後述の作用をなす連通空間25と
して提供される。遮蔽部22aの底部には、この連通空
間25と外部とを連ねる副排気口26が形成されてい
る。また、トップ本体21の鍔部21bには、連通空間
25と連なる連通口27が形成されている。
【0020】上記排気トップ20は排気カバー10に固
定される。すなわち、排気カバー10のカバー本体15
の鍔部15bと第2補助板17の垂直板部17bにパッ
キン50を介してトップ本体21の鍔部21bが連結さ
れる。なお、パッキン50の下側の部位は、垂直板部1
7b,鍔部31bの上縁から下方に位置して配置されて
おり、これらパッキン50と垂直板部17b,鍔部31
bとで、凹部55が形成されている。
【0021】上記雨返しボード30は、排気トップ20
に向かって低くなるように傾斜しており、その左右両端
が排気カバー10に固定されている。雨返しボード30
は、例えば下板31と上板32との間に耐熱繊維製のマ
ット33を挟むことにより構成されており、上板32に
は複数の穴32aが形成されている。雨返しボード30
の後端は、排気カバー10から離れている。
【0022】上記雨返しボード30の先端部は、排気カ
バー10の第2補助板17から上方に離れている。これ
により、排気カバー10の突出部12の内部空間は、上
部空間12aと下部空間12bに別れている。下部空間
12bは、上部空間12aに比べて流通断面積は小さ
い。雨返しボード30の下板31は、排気トップ20の
主排気口23まで延びており、その先端縁が、トップ本
体21の筒部21aの底壁(主排気口23の底面)に接
している。
【0023】上記構成の燃焼装置では、燃焼部3で燃焼
が行われ、その燃焼熱により熱交換部4の受熱管7を通
る水が加熱されて湯となる。燃焼排ガスは、熱交換部4
を通り排気室11の下部に至る。ここで排ガスの経路は
2つに別れる。排ガスの大部分は、雨返しボード30の
下面に沿って後方に移動してその後端を回り込み、雨返
しボード30の上面と排気カバー10の上壁(第1補助
板16)との間を通り、突出部12の上部空間12aを
通って、主排気口23から排出される。この経路が、主
排気路60(第1排気路)となる。
【0024】他方、雨返しボード30の前端(排気トッ
プ20側の端)近傍では、上記主排気通路60を通ら
ず、雨返しボード30の下面に沿って前方へ進み、上記
突出部12の下部空間12a,凹部55を通り、さらに
排気トップ20の連通口27,連通空間25を通って副
排出口26から排出される。この経路が副排気路70
(第2排気路)となる。ただし、この副排気通路70を
通る排気ガス量は全体の約5%以下であり、排気通路と
しての役割よりは、雨返しボード30の下面での排気ガ
ス滞留によって生じる圧力上昇(圧力振動)を逃がす大
気開放通路と表現した方が正しいかもしれない。しか
し、大気圧への開放通路であっても排気が流れるので、
上述したように、排ガスは、二手に別れて互いに独立し
た主排気通路60と副排気通路70を経、互いに独立し
た主排気口23,副排気口26から排出されるので、雨
返しボード30の下面において排ガスの滞留がなく、排
ガスを円滑に外部に排出することができる。
【0025】上記構成のガス給湯装置では、燃焼部4で
発生する燃焼音等に基づく騒音も低減できる。これは、
燃焼音の音波の伝播経路も、上記主排気路60と副排気
路70とに別れ、雨返しボード30の下方での相互干渉
が減じられ、しかも両経路からの音波が外部へ出るまで
相互干渉しないためである。このため、相互干渉に基づ
く共鳴(共振)現象を防止し、騒音で特に問題となる共
鳴、共振に基づく騒音の低減を図ることができる。
【0026】次に、従来の装置との騒音比較実験につい
て説明する。比較される従来のガス給湯装置を図5に示
す。この図5において、本実施形態に対応する構成部に
は同番号を付してその詳細な説明を省略する。本実施形
態と大きく異なる点は、排気トップ20が単一の排気口
23を有し、雨返しボード30の先端縁が排気カバー1
0の突出部12の底壁に接していることである。したが
って、すべての燃焼排ガスは図の矢印で示すように雨返
しボード30の後端を回り込んで排気口23から排出さ
れる。
【0027】比較される本実施形態と図5の従来の装置
は、ともに32号型である。比較実験は、種々の燃焼条
件(異なる空気比)について行った。空気比とは、完全
燃焼をするために理論的に必要とする空気量に対する実
際の空気量(ファン送風量)の比を意味し、この空気比
が大きいほど空気量が多い。
【0028】図6は全周波数帯域での合計騒音値を測定
した結果を表す。この図6から、線Aで示す本実施形態
の装置の騒音レベルが、線Bで示す従来装置より、あら
ゆる燃焼条件において、低いことが分かる。図7は、周
波数が125Hzでの騒音値を測定した結果を表す。特
にこの周波数近傍で、共鳴(共振)現象の解決が図ら
れ、本実施形態の装置の騒音低減効果がはっきり現れる
ことが分かる。図8は空気比1.42での異なる周波数
での騒音値を示している。この図からも明らかなよう
に、100Hz程度の共鳴(ブーン、ボボボという低い
騒音)の防止に、本発明は威力を発揮している。なお、
高い周波数での発振(キーンという高い騒音)では、顕
著な効果は見られないが、これはパッキン等で除去可能
である。
【0029】話は変わるが、風を伴って雨が降っている
時には、雨水が主排気口23から吹き込まれることがあ
る。しかし雨水は、傾斜した雨返しボード30よって、
その後端にまで至らず、雨返しボード30の後端を越え
て燃焼部3へと落下するのを防止できる。なお、雨水
が、雨返しボード30に当たっても、上板32の穴32
aからマット33によって吸収される。このマット33
で受け止められた雨水は、マット33の繊維を伝わって
下方へ流れ、上板32と下板31の先端間の隙間を通
り、排気トップ20の筒部21aの底壁の上面を流れ
て、外部へと排出される。
【0030】雨返しボード30の先端縁は排気トップ2
0の筒部21aの底壁に当たっているが、両者の間はシ
ールされていないので、ここから雨水が排気室11に向
かって侵入することがある。しかし、この雨水は、凹部
55でトラップされるので、第2補助板17を介して燃
焼機器本体2に向かって進むのを禁じられる。この凹部
55でトラップされた雨水は、連通口27,連通空間2
5を介して、副排気口26から外部へ排出される。この
説明から明らかなように、副排気路70の一部、すなわ
ち凹部55,連通口27,連通空間25は、排ガスの通
路となるばかりでなく、水排出用の通路となり、副排気
口26は水抜き穴としても機能する。
【0031】上記実施形態において、第2補助板17の
水平板部17aは、熱交換部4のフレーム5から内方に
延出されなくてもよい。この場合、水平板部17aは、
熱交換部4の上端開口の一部を覆わない。
【0032】上記実施形態の装置は屋外設置型のもので
あるが、この装置と大部分共通の構造で屋内設置にする
こともできる。図8を参照しながら説明すると、上記実
施形態の排気トップの代わりに、箱形状の中空のジョイ
ント80が排気カバー10に取付られている。このジョ
イント80には屋外に導出される煙突90が取り付けら
れている。
【0033】詳述すると、上記ジョイント80は後側に
筒部81を有し、この筒部の後端開口周縁に鍔部81a
が形成されている。この鍔部81aが上記排気カバー1
0のカバー本体15の鍔15bと第2補助板17の垂直
板部17bにパッキン50を介して連結されている。本
実施形態では、上記雨返しボード30は、雨返しの役割
を担わず、端なるボードとして提供される。このボード
30の先端部は、排気カバー10の突出部12の空間を
上部空間12aと下部空間12bに仕切り、その先端は
ジョイント80の内部空間まで延びている。
【0034】図9の実施形態でも、主排気路60’(第
1排気路)と、副排気路70’(第2排気路)が形成さ
れる。主排気路60’では、排ガスは、ボード30の下
面に沿って後方に移動し、ボード30の後端を回りこん
で、ボード30の上面と排気カバー10の上壁との間を
通り、排気カバー10の突出部12の上部空間12aを
経てジョイント80の内部空間に入り込む。副排気路7
0’では、排ガスは、ボード30の下面に沿って前方へ
移動し、突出部12の下部空間12bを経てジョイント
80の内部空間に入り込む。したがって、この実施形態
でも、大気圧に開放することはできないが、滞留を防
ぎ、排ガスを円滑に排出できるとともに、騒音を低減す
ることができる。なお、ボード30の先端がジョイント
80の内部空間に入り込んでいるため、より一層これら
の効果を高めることができる。
【0035】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明に
よれば、互いに独立した主排気路と副排気路を形成し、
これらを通る排ガスを排気トップの主排気口と副排気口
から別々に排出したので、排ガスを円滑に排出すること
ができる。また、ほぼ閉じられていた燃焼室構造を改善
し、雨返しボードで行く手を遮られた部分を大気圧に開
放する通路を設け、主排気通路とは合流させることなく
相互干渉を防ぎつつ、排気が滞留することによって発生
する共鳴の防止を図ることができ、騒音を低減すること
ができる。請求項2の発明によれば、雨返しボードの先
端縁を排気トップまで延ばし、その主排気口の底面に接
するようにしたので、簡単な構成でありながら、主排気
路と副排気路との間を遮断することができる。請求項3
の発明によれば、排気カバーに設けられた突出部を雨返
しボードで仕切ることにより、簡単な構造で主排気路と
副排気路の一部を形成することができる。請求項4の発
明によれば、副排気路の一部を水排出用の通路として活
用することができ、副排気口を水抜き穴としても活用す
ることができ、簡単な構成でありながら、燃焼機器本体
に対する雨水侵入を防止できる。請求項5の発明によれ
ば、排気カバーの突出部の内部空間をボードで上下に仕
切ることにより、簡単な構成で互いに独立した主排気路
と副排気路を形成することができ、排ガスの円滑な排出
と騒音低減効果を得ることができる。請求項6の発明に
よれば、屋内設置態様で用いられ、ジョイントの内部空
間にボードの先端を入り込ませたことにより、排ガスの
円滑な排出と騒音低減効果をより一層高めることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態をなす排気構造を備えた燃
焼装置を示す縦断面図である。
【図2】同排気構造の要部を拡大して示す縦断面図であ
る。
【図3】同排気構造の排気カバーとパッキンとを示す斜
め下方から見た分解斜視図である。
【図4】同排気カバーとパッキンの底面図である。
【図5】従来の排気構造を示す図1相当図である。
【図6】異なる空気比での本発明と従来の排気構造の騒
音値の比較データを示すグラフである。
【図7】異なる空気比で特殊周波数での本発明と従来の
排気構造の騒音値の比較データを示すグラフである。
【図8】空気比一定の条件で、異なる周波数での本発明
と従来の排気構造の騒音値の比較データを示すグラフで
ある。
【図9】本発明の他の実施形態を示す図1相当図であ
る。
【符号の説明】
2 燃焼機器本体 4 燃焼部 5 熱交換部 8 排気構造 10 排気カバー 11 排気室 12 突出部 12a 上部空間 12b 下部空間 15a,15b 鍔部 17b 垂直板部(鍔部) 20 排気トップ 21 トップ本体 21a 筒部 21b 鍔部 22 トップカバー 23 主排気口 25 連通空間 26 副排気口 27 連通口 30 雨返しボード(ボード) 50 パッキン 55 凹部 60,60’ 主排気路(第1排気路) 70,70’ 副排気路(第2排気路) 80 ジョイント 90 煙突

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】燃焼機器本体の上端開口を覆ってこの上端
    開口と連なる排気室を形成する排気カバーと、この排気
    カバーの前方に設けられた排気トップと、排気室内に設
    置され排気トップに向かって低くなるように傾斜した雨
    返しボードとを備えた燃焼装置の排気構造において、 上記排気トップには、主排気口とその下方に位置する副
    排気口とが独立して形成され、 上記燃焼機器本体からの燃焼排ガスが辿る経路は、上記
    雨返しボードの下面に沿い雨返しボードの後端を回り込
    んで雨返しボードの上面と排気カバーの上壁とを通り主
    排気口に至る主排気路と、雨返しボードの下面に沿い前
    方に移動して副排気口に至る副排気路とに別れ、これら
    主排気路と副排気路との間が遮断されていることを特徴
    とする燃焼装置の排気構造。
  2. 【請求項2】上記雨返しボードの前端縁が上記排気トッ
    プの主排気路の底面に接することにより、上記主排気路
    と副排気路との間が遮断されていることを特徴とする請
    求項1に記載の燃焼装置の排気構造。
  3. 【請求項3】上記排気カバーは、燃焼機器本体から前方
    へ突出する突出部を有し、この突出部の前端に上記排気
    トップが取り付けられ、この突出部の内部空間が、上記
    雨返しボードの前端部により上下に分割され、その上部
    空間が上記主排気路の一部となり、その下部空間が上記
    副排気路の一部となることを特徴とする請求項2に記載
    の燃焼装置の排気構造。
  4. 【請求項4】上記排気トップは、トップ本体と、このト
    ップ本体に取り付けられたトップカバーとを有し、トッ
    プ本体は、上記主排気口を画成する筒部と、この筒部の
    後端開口周縁に形成された鍔部とを有し、 上記トップ本体の筒部の底壁とトップカバーの底部との
    間には、上記副排気路の一部となる連通空間が形成さ
    れ、このトップカバーの底部には、この連通空間と外部
    とを連通させる上記副排気口が形成され、 上記トップ本体の鍔部が上記排気カバーの突出部の前端
    開口周縁に形成された鍔部にパッキンを介して連結さ
    れ、 上記排気カバーの下側の鍔部と上記トップ本体の下側の
    鍔部の間において、上記パッキンがこれら鍔部の上縁よ
    り下に位置することにより、これら鍔部とパッキンとで
    凹部が画成され、 上記トップカバーの下側の鍔部には、この凹部と上記排
    気トップの連通空間とを連通させる連通口が形成され、 上記副排気路は、上記突出部の下部空間,凹部,連通
    口,連通空間を順に経て副排気口に至る通路により構成
    されていることを特徴とする請求項3に記載の燃焼装置
    の排気構造。
  5. 【請求項5】燃焼機器本体の上端開口を覆ってこの上端
    開口と連なる排気室を形成する排気カバーと、排気室内
    に設置され排気トップに向かって低くなるように傾斜し
    たボードとを備えた燃焼装置の排気構造において、 上記排気カバーは、燃焼機器本体から前方へ突出する突
    出部を有し、この突出部の内部空間が、上記ボードの先
    端部により上下に分割され、 上記燃焼機器からの燃焼排ガスが辿る経路は、上記ボー
    ドの後端を回り込んで上記ボードの上面と排気カバーの
    上壁とを通り排気カバーの突出部の上部空間から排出さ
    れる第1排気路と、上記ボードの下面に沿い排気カバー
    の突出部の下部空間から排出される第2排気路とに別れ
    ていることを特徴とする燃焼装置の排気構造。
  6. 【請求項6】上記排気カバーの突出部の前端には、中空
    のジョイントを介して煙突が連結されており、上記ボー
    ドの前端部が上記ジョイントの内部空間に入り込んでい
    ることを特徴とする請求項5に記載の燃焼装置の排気構
    造。
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