JPH1028031A - ディジタルフィルタ - Google Patents

ディジタルフィルタ

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JPH1028031A
JPH1028031A JP19977596A JP19977596A JPH1028031A JP H1028031 A JPH1028031 A JP H1028031A JP 19977596 A JP19977596 A JP 19977596A JP 19977596 A JP19977596 A JP 19977596A JP H1028031 A JPH1028031 A JP H1028031A
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signal
filter
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count value
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JP19977596A
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Mitsugi Kobayashi
貢 小林
Yoshinori Suzuki
義則 鈴木
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Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 複数種類の信号が時間多重されてなる入力信
号に対して、入出力段でフォーマット変換を行うことな
くフィルタリングできるようにする。 【解決手段】 フィルタは、縦続接続された遅延素子D
12〜D1と、それぞれ入力信号と遅延素子D1の出力信
号、遅延素子D11と遅延素子D3の各出力信号、遅延素
子D9と遅延素子D5の各出力信号を加算する加算器A
D0〜AD2と、加算器AD0〜AD2の各出力信号と
遅延素子D7の出力信号に対してそれぞれ係数を乗算す
る乗算器MP0〜MP3と、各乗算器MP0〜MP3の
出力を加算する加算器AD3を備えている。各タップ間
における信号の遅延量は、入力信号である4:2:2デ
ィジタルコンポーネント信号中における同種類の信号の
繰り返し周期である2サイクルである。乗算器MP0〜
MP3の係数は各サイクル毎に切り換えられる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、4:2:2ディジ
タルコンポーネント信号のように複数種類の信号が時間
多重されてなる信号あるいは所望のサンプリング周波数
の2以上の整数n倍のサンプリング周波数の信号をフィ
ルタリングするためのディジタルフィルタに関する。
【0002】
【従来の技術】ディジタルフィルタを実現する際の最大
の関心事は乗算器である。なぜならば、乗算器は、他の
回路素子、例えば加算器、遅延素子等に比べ非常に回路
規模が大きく、フィルタ全体の回路規模に対して、乗算
器の占める割合が大きいからである。フィルタの実現に
際して、この乗算器を効率良く使おうという試みが数多
くなされてきた。その一例として、対称係数フィルタの
場合がある。この対称係数フィルタの場合には、フィル
タ係数の対称性を利用して、対称となる係数に対する入
力信号を予め足し合わせておくことにより、乗算器の削
減につなげることができる。
【0003】図16は対称係数フィルタの構成の一例を
示すブロック図である。このフィルタは、縦続接続さ
れ、それぞれ信号を1サイクルずつ遅延する6個の遅延
素子(図ではDと記す。)101〜106と、フィルタ
に対する入力信号d(0)と遅延素子101〜106の
各出力信号d(1)〜d(6)に対してそれぞれ係数c
(0)〜c(6)を乗算する7個の乗算器110〜11
6と、各乗算器110〜116の出力を加算して、出力
信号a(0)として出力する加算器120とを備えてい
る。このフィルタでは、出力信号a(0)は次式のよう
に表される。なお、次式において、Σはiが0から6ま
でについての総和を表す。
【0004】a (0) =Σc (i) d (i)
【0005】ここで、フィルタ係数が対称性を有する場
合、すなわち、c(i)=c(6−i)(ただし、i=
0,1,2)である場合には、図16と同等のフィルタ
を、図17に示すように構成することができる。
【0006】図17に示したフィルタは、縦続接続さ
れ、それぞれ信号を1サイクルずつ遅延する6個の遅延
素子101〜106と、フィルタに対する入力信号d
(0)と遅延素子106の出力信号d(6)を加算する
加算器107と、遅延素子101の出力信号d(1)と
遅延素子105の出力信号d(5)を加算する加算器1
08と、遅延素子102の出力信号d(2)と遅延素子
104の出力信号d(4)を加算する加算器109と、
加算器107〜109の各出力信号と遅延素子103の
出力信号d(3)に対してそれぞれ係数c(0)〜c
(3)を乗算する4個の乗算器130〜133と、各乗
算器130〜133の出力を加算して、出力信号a
(0)として出力する加算器140とを備えている。こ
のフィルタでは、出力信号a(0)は次式のように表さ
れる。なお、次式において、Σはiが0から2までにつ
いての総和を表す。
【0007】 a (0) =Σc (i) {d (i) +d (6−i) }+c (3) d (3)
【0008】このように、図16に示したフィルタでは
乗算器が7個必要であるのに対し、図17に示したフィ
ルタでは乗算器は4個で済み、乗算器を削減することが
できる。
【0009】一方、放送局内のシステムで用いられるデ
ィジタル映像信号の標準フォーマットの1つとして、
4:2:2ディジタルコンポーネント信号があり、これ
は、様々な機器に採用され、幅広く利用されている。こ
の信号は、輝度信号(Y)と2種類の色差信号(Cb,
Cr)からなる信号であり、図19(a)に示すよう
に、各ライン毎にCb,Y,Cr,Y,Cb,Y,C
r,Y,…と1440個のデータが並ぶ。なお、色差信
号Cb,Crは、それぞれ、B(青)信号−Y,R
(赤)信号−Yである。
【0010】また、近年、MPEG(Moving Picture E
xperts Group)規格等の画像圧縮技術の向上により低ビ
ットレート圧縮を行うことが可能となってきた。一般
に、画像圧縮等を行う際に、特に低ビットレート圧縮を
行う場合には、圧縮時の劣化を軽減するために帯域制限
等のフィルタリング処理を行うことが多い。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】ところが、図16また
は図17に示したような従来のフィルタの構成では、一
定期間、同じ意味合いの信号、例えば輝度信号のみを入
力する必要があるため、前述の4:2:2ディジタルコ
ンポーネント信号のように、異なった意味合いを持つ信
号が時間多重されてなる信号をフィルタリングしようと
する場合には、例えばフィルタの入出力段でフォーマッ
ト変換を行う必要があった。
【0012】図18は、フィルタの入出力段でフォーマ
ット変換を行うシステムの構成を示したものである。こ
のシステムは、図19(a)に示したような4:2:2
ディジタルコンポーネント信号を入力して、図19
(b)に示すように、色差信号(Cb,Cr)と輝度信
号(Y)とを分離したフォーマットの信号に変換するフ
ォーマット変換部141と、このフォーマット変換部1
41の出力信号に対してフィルタリングを行うフィルタ
142部と、このフィルタ部142の出力信号を再度フ
ォーマット変換して4:2:2ディジタルコンポーネン
ト信号に変換する再フォーマット変換部143とを備え
ている。
【0013】フィルタ部142を図17に示した構成と
した場合には、フィルタ部142は、図19(b)にお
ける輝度信号Y(0)〜Y(719)が入力されるとき
には7タップ対称係数フィルタとして機能し、図19
(b)における色差信号Cb(0),Cr(0),…,
Cb(319),Cr(319)が入力されるときに
は、係数c(0),c(2)を共に0にすることで、3
タップ対称係数フィルタとして機能する。
【0014】このように、従来のフィルタでは、4:
2:2ディジタルコンポーネント信号のように異なった
意味合いを持つ信号が時間多重されてなる信号をフィル
タリングしようとする場合には、フィルタの入出力段で
フォーマット変換を行う必要があり、回路規模が大きく
なると共に、余分な回路により信号の遅延量が大きくな
るという問題点があった。
【0015】また、従来、ディジタル信号に対してフィ
ルタリングとダウンサンプリングとを行いたい場合に
は、それぞれ別個に行う必要があり、回路規模が大きく
なると共に、信号の遅延量が大きくなるという問題点が
あった。
【0016】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
ので、その第1の目的は、複数種類の信号が時間多重さ
れてなる被フィルタリング信号に対して、入出力段でフ
ォーマット変換を行うことなくフィルタリングを行うこ
とができるようにして、回路規模および信号の遅延量を
小さくすることができるようにしたディジタルフィルタ
を提供することにある。
【0017】また、本発明の第2の目的は、被フィルタ
リング信号に対してフィルタリングとダウンサンプリン
グとを行う場合の回路規模および信号の遅延量を小さく
することができるようにしたディジタルフィルタを提供
することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】請求項1記載のディジタ
ルフィルタは、少なくとも、信号を所定の遅延時間だけ
遅延させる1以上の遅延手段と、信号に対して所定の係
数を乗算する1以上の乗算手段とを含み、これらを用い
て被フィルタリング信号に対して所定の演算を行ってフ
ィルタリングを行うディジタルフィルタにおいて、被フ
ィルタリング信号は、複数種類の信号が時間多重されて
なる信号であり、遅延手段が、被フィルタリング信号中
における同種類の信号の繰り返し周期だけ、信号を遅延
させるように構成したものである。
【0019】請求項5記載のディジタルフィルタは、所
望のサンプリング周波数の2以上の整数n倍のサンプリ
ング周波数の被フィルタリング信号に対してフィルタリ
ングを行うディジタルフィルタであって、少なくとも、
信号をnサイクル分だけ遅延させる1以上の遅延手段と
信号に対して所定の係数を乗算する1以上の乗算手段と
を含み、各サイクル毎に乗算手段における係数を所定の
値に設定して、被フィルタリング信号に対してフィルタ
リングを行うフィルタ部と、このフィルタ部のnサイク
ル分の出力を足し合わせて出力する出力手段とを備えた
ものである。
【0020】請求項6記載のディジタルフィルタは、所
望のサンプリング周波数の2以上の整数n倍のサンプリ
ング周波数の被フィルタリング信号に対してフィルタリ
ングを行うディジタルフィルタであって、少なくとも、
信号をnサイクル分だけ遅延させる縦続接続された複数
の遅延手段とそれぞれ信号に対して所定の係数を乗算す
る複数の乗算手段とを含み、各サイクル毎に使用する遅
延手段の数を切り換えると共に各乗算手段における係数
を所定の値に設定して、被フィルタリング信号に対して
フィルタリングを行うフィルタ部と、このフィルタ部の
nサイクル分の出力を足し合わせて出力する出力手段と
を備えたものである。
【0021】請求項1記載のディジタルフィルタでは、
遅延手段が、被フィルタリング信号中における同種類の
信号の繰り返し周期だけ信号を遅延させるので、遅延手
段の入力信号と出力信号は共に被フィルタリング信号中
における同種類の信号となり、被フィルタリング信号中
の複数種類の信号を、それぞれ独立に、時系列的にフィ
ルタリングすることが可能となる。
【0022】請求項5記載のディジタルフィルタでは、
フィルタ部において、各サイクル毎に乗算手段における
係数を所定の値に設定して、被フィルタリング信号に対
してフィルタリングを行い、出力手段によって、フィル
タ部のnサイクル分の出力を足し合わせて出力するよう
にしたので、被フィルタリング信号に対してフィルタリ
ングを行いながらn:1のダウンサンプリングを行うこ
とが可能となる。
【0023】請求項6記載のディジタルフィルタでは、
フィルタ部において、各サイクル毎に使用する遅延手段
の数を切り換えると共に各乗算手段における係数を所定
の値に設定して、被フィルタリング信号に対してフィル
タリングを行い、出力手段によって、フィルタ部のnサ
イクル分の出力を足し合わせて出力するようにしたの
で、被フィルタリング信号に対してフィルタリングを行
いながらn:1のダウンサンプリングを行うことが可能
となる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら、本発
明の実施の形態を詳細に説明する。
【0025】まず、図3を参照して、本発明の第1の実
施の形態に係るディジタルフィルタが適用されるシステ
ムの一例について説明する。このシステムは、画像デー
タを圧縮して記録あるいは送信するシステムである。こ
のシステムは、入力アナログ画像信号をアナログ−ディ
ジタル(以下、A/Dと記す。)変換するA/D変換器
1と、このA/D変換器1の出力データに対して帯域制
限等のフィルタリング処理を行うフィルタ部2と、この
フィルタ部2の出力データを圧縮する圧縮部3と、この
圧縮部3の出力データを磁気テープ,ハードディスク,
光ディスク等の記録メディアに記録する記録部4と、圧
縮部3の出力データをLAN(ローカル・エリア・ネッ
トワーク),衛星等の通信メディアに対して送信する送
信部5とを備えている。このシステムでは、入力アナロ
グ画像信号は、A/D変換部1でディジタルデータに変
換され、このデータに対してフィルタ処理部2でフィル
タリング処理が行われ、フィルタリング処理後のデータ
が圧縮部3によって圧縮され、記録部4によって記録メ
ディアに記録されたり、送信部5によって通信メディア
に対して送信されたりする。本実施の形態に係るディジ
タルフィルタ(以下、単にフィルタという。)は、例え
ば、図3に示したシステムにおけるフィルタ部2に用い
られる。
【0026】本実施の形態に係るフィルタは、奇数タッ
プ対称係数フィルタの例である。一般に(2N−1)タ
ップフィルタの演算式は、フィルタ係数をc (i) 、デ
ータ列をd (i) とすると、次式で表される。なお、次
式において、Σはiが0から2(N−1)までについて
の総和を表す。
【0027】Σc (i) d (i) …(1)
【0028】このとき、乗算器は2N−1個必要であ
る。係数がセンタタップ(入力側から(N−1)番目の
タップ)に対して対称であるとしたとき、つまりc
(0) =c(2 (N−1) ),c (1) =c(2 (N−
1) −1),c (2) =c(2 (N−1) −2),…,
c (i) =c(2 (N−1) −i)のとき、上の式は、
次式のように変形することができる。なお、次式におい
て、左辺の最初のΣはiが0から(N─1)−1までに
ついての総和を表し、左辺の2番目のΣはiがNから2
(N−1)までについての総和を表し、右辺のΣはいず
れもiが0から(N─1)−1までについての総和を表
している。
【0029】 Σc (i) d (i) +Σc (i) d (i) +c (N−1) d (N−1) =Σc (i) d (i) +Σc (i) d(2 (N−1) −i) +c (N−1) d (N−1) =Σc (i) {d (i) +d(2 (N−1) −i)} +c (N−1) d (N−1)
【0030】上式から、N個の乗算器を用いて(2N−
1)タップ対称係数フィルタを実現することができるこ
とが分かる。
【0031】本実施の形態が適用されるシステムでは、
例えば16個の乗算器を使用するが、説明の簡略化のた
めに、本実施の形態では、乗算器の数を4個として説明
する。この場合、N=4であり、また、対称係数である
ので、c (0) =c (6) ,c (1) =c (5) ,c
(2) =c (4) となり、(1)式は次式のようにな
る。なお、次式において、最初のΣおよび2番目のΣは
共にiが0から(4−1)−1までについての総和を表
し、3番目のΣはiが0から2までについての総和を表
している。
【0032】 Σc (i) d (i) =Σc (i) {d(i)+d(2 (4−1) −i)} +c (4−1) d (4−1) =Σc (i) {d (i) +d (6−i) }+c (3) d (3)
【0033】この式から分かるように4個の乗算器で7
タップ対称係数フィルタを実現することができる。本実
施の形態に係るフィルタは、このように4個の乗算器を
用いて構成された7タップ対称係数フィルタの例であ
る。
【0034】図1は本発明の第1の実施の形態に係るフ
ィルタの構成を示すブロック図である。本実施の形態に
係るフィルタは、それぞれ信号を1サイクルずつ遅延す
る縦続接続された12個の遅延素子D12〜D1を備えて
いる。フィルタに対するディジタルの入力信号すなわち
被フィルタリング信号は遅延素子D12に入力されるよう
になっている。ここで、遅延素子D12の入力信号をd
(12)、各遅延素子D12〜D1の出力信号をそれぞれd
(11)〜d(0)とする。
【0035】本実施の形態に係るフィルタは、更に、入
力信号d(12)と遅延素子D1の出力信号d(0)を加
算する加算器AD0と、遅延素子D11の出力信号d(1
0)と遅延素子D3の出力信号d(2)を加算する加算
器AD1と、遅延素子D9の出力信号d(8)と遅延素
子D5の出力信号d(4)を加算する加算器AD2と、
加算器AD0〜AD2の各出力信号と遅延素子D7の出
力信号d(6)に対してそれぞれ係数c(0)〜c
(3)を乗算する4個の乗算器MP0〜MP3と、各乗
算器MP0〜MP3の出力を加算して、フィルタの出力
信号a(0)として出力する加算器AD3とを備えてい
る。
【0036】本実施の形態に係るフィルタは、更に、各
サイクル毎に、各乗算器MP0〜MP3における係数c
(0)〜c(3)を切り換える係数切り換え手段として
のタイミング発生部10を備えている。このタイミング
発生部10は、入力信号の先頭でカウント値が0に初期
化されると共に1サイクル毎にカウント値を1ずつイン
クリメントするステータスカウンタ11と、各係数c
(0)〜c(3)として選択的に使用される複数の数値
を入力し、ステータスカウンタ11のカウント値に応じ
て、これらの数値の中から各係数c(0)〜c(3)と
して使用する数値を選択して各乗算器MP0〜MP3に
与える係数選択部12とを有している。このタイミング
発生部10では、入力信号の先頭で、ステータスカウン
タ11のカウント値を0に初期化し、1サイクル毎にカ
ウント値を1ずつインクリメントしていく。係数選択部
12は、下記の表1に従って、ステータスカウンタ11
のカウント値の下位2ビットの状態により、各乗算器M
P0〜MP3に与える係数を選択し出力する。係数は、
輝度信号Yに対してはCY(0)=CY(6),CY
(1)=CY(5),CY(2)=CY(4),CY
(3)の4種類、色差信号Cbに対してはCCb(0)
=CCb(2),CCb(1)の2種類、色差信号Cr
に対してはCCr(0)=CCr(2),CCr(1)
の2種類である。なお、表中、2’b00,2’b0
1,2’b10,2’b11はそれぞれステータスカウ
ンタ11のカウント値の下位2ビットが2進数表示で0
0,01,10,11であることを表している。
【0037】
【表1】
【0038】本実施の形態に係るフィルタでは、入力信
号d(12)である被フィルタリング信号として、4:
2:2ディジタルコンポーネント信号が入力される。こ
の4:2:2ディジタルコンポーネント信号は、大きく
分けて、輝度信号と色差信号の2種類の信号が時間多重
された信号である。この信号において、同種類の信号の
繰り返し周期は2サイクルである。そこで、本実施の形
態に係るフィルタでは、各タップ間で、4:2:2ディ
ジタルコンポーネント信号中における同種類の信号の繰
り返し周期すなわち2サイクル分、信号を遅延させるよ
うに、各タップ間に1サイクルずつ遅延する遅延素子を
2個ずつ設けている。従って、本実施の形態に係るフィ
ルタでは、各タップ間における2個の遅延素子が、本発
明における一つの遅延手段を構成している。
【0039】次に、図2のタイミングチャートを参照し
て、本実施の形態に係るフィルタの動作について説明す
る。図2は、ステータスカウンタ11の状態と各信号d
(12)〜d(0),a(0)との関係を示したものであ
る。
【0040】図1における入力信号d (12) は、前述の
ように4:2:2ディジタルコンポーネント信号であ
る。なお、図2では、4:2:2ディジタルコンポーネ
ント信号中の輝度信号Yと2つの色差信号Cb,Cr
を、それぞれ時系列的にY(0),Y(1),Y
(2),…、Cb(0),Cb(1),Cb(2),
…、Cr(0),Cr(1),Cr(2),…と表して
いる。この信号は、図2のタイミングチャートに示した
通り、遅延素子D12,D11,…,D2,D1によってそ
れぞれ1サイクルずつ遅延され、各遅延素子D12,D1
1,…,D2,D1より、出力信号d(11),d(1
0),…,d(1),d(0)が出力される。
【0041】タイミング発生部10では、入力信号d
(12) の先頭(Cb(0))で、ステータスカウンタ1
1のカウント値を0に初期化し、1サイクル毎にカウン
ト値を1ずつインクリメントしていく。係数選択部12
は、前記の表1に従って、ステータスカウンタ11のカ
ウント値の下位2ビットの状態により、各乗算器MP0
〜MP3に与える係数を選択し出力する。
【0042】加算器AD0には、信号d(12)と信号d
(0)が入力され、加算された後、加算結果が乗算器M
P0に入力され、係数c(0)と乗算された後に加算器
AD3に入力される。加算器AD1には、信号d(10)
と信号d(2)が入力され、加算された後、加算結果が
乗算器MP1に入力され、係数c(1)と乗算された後
に加算器AD3に入力される。加算器AD2には、信号
d(8)と信号d(4)が入力され、加算された後、加
算結果が乗算器MP2に入力され、係数c(2)と乗算
された後に加算器AD3に入力される。信号d(6)は
乗算器MP3に入力され、係数c(3)と乗算された後
に加算器AD3に入力される。加算器AD3は、以上の
4個の乗算器MP0,MP1,MP2,MP3の乗算結
果を加算し、出力信号a(0)を出力する。以上をまと
めると以下の演算式になる。なお、次式において、Σは
iが0から2までについての総和を表している。
【0043】 a (0) =c (0) ×{d (0) +d (12) } +c (1) ×{d (2) +d (10) } +c (2) ×{d (4) +d (8) } +c (3) ×d (6) =Σc (i) ×{d (2i) +d (12−2i) }+c (3) ×d (6) …(2)
【0044】本実施の形態に係るフィルタでは、各タッ
プ間で、4:2:2ディジタルコンポーネント信号中に
おける同種類の信号の繰り返し周期である2サイクルだ
け、信号を遅延させているので、各サイクルにおいて、
乗算器MP0〜MP3において0以外の係数が乗算され
る信号は全て同種類の信号となる。また、各サイクルに
おいて、各乗算器MP0〜MP3の係数は、各乗算器M
P0〜MP3に入力される信号の種類に応じた値に切り
換えられる。従って、本実施の形態に係るフィルタで
は、4:2:2ディジタルコンポーネント信号中の輝度
信号Yと色差信号Cb,Crは、それぞれ独立に、時系
列的にフィルタリングされる。
【0045】例えば、図2のタイミングチャートにおい
て、ステータスカウンタ11のカウント値が13のとき
をみると、d (12) =Y (6) ,d (10) =Y (5) ,
d (8) =Y (4) ,d (6) =Y (3) ,d (4) =
Y (2) ,d (2) =Y (1) ,d (0) =Y (0) と
なる。このとき、ステータスカウンタ11のカウント値
の下位2ビットが2’b01なので、各乗算器MP0,
MP1,MP2,MP3の係数c(0),c(1),c
(2),c(3)は、輝度信号Y用の係数CY(0)=
CY(6),CY(1)=CY(5),CY(2)=C
Y(4),CY(3)となり、前記の演算式(2)か
ら、出力信号a (0) は、次のようになる。なお、次式
において、Σはiが0から2までについての総和を表し
ている。
【0046】 a (0) =AY (3) =ΣCY (i) ×{Y (i) +Y (6−i) }+CY (3) ×Y (3) =CY (0) ×{Y (0) +Y (6) } +CY (1) ×{Y (1) +Y (5) } +CY (2) ×{Y (2) +Y (4) } +CY (3) ×Y (3)
【0047】これは、本実施の形態に係るフィルタが、
輝度信号Yに対して7タップ対称係数フィルタとして機
能していることを意味する。
【0048】色差信号Cbについても同様に、例えば、
ステータスカウンタ11のカウント値が14のときをみ
ると、d(12)=Cr(3),d(10)=Cb(3),
d(8)=Cr(2),d(6)=Cb(2),d
(4)=Cr(1),d(2)=Cb(1),d(0)
=Cr(0)となる。このとき、ステータスカウンタ1
1のカウント値の下位2ビットが2’b10なので、各
乗算器MP0,MP1,MP2,MP3の係数c
(0),c(1),c(2),c(3)は、色差信号C
b用の係数0,CCb(0)=CCb(2),0,CC
b(1)となり、演算式(2)から、出力信号a (0)
は、次のようになる。
【0049】ACb (2) =CCb (0) ×{Cb
(1) +Cb (3) }+CCb (1) ×Cb (2)
【0050】これは、本実施の形態に係るフィルタが、
輝度信号Cbに対しての3タップ対称係数フィルタとし
て機能していることを意味する。
【0051】色差信号Crについても同様に、例えば、
ステータスカウンタ11のカウント値が16のときをみ
ると、d(12)=Cb(4),d(10)=Cr(3),
d(8)=Cb(3),d(6)=Cr(2),d
(4)=Cb(2),d(2)=Cr(1),d(0)
=Cb(1)となる。このとき、ステータスカウンタ1
1のカウント値の下位2ビットが2’b00なので、各
乗算器MP0,MP1,MP2,MP3の係数c
(0),c(1),c(2),c(3)は、色差信号C
r用の係数0,CCr(0)=CCr(2),0,CC
r(1)となり、演算式(2)から、出力信号a (0)
は、次のようになる。
【0052】ACr (2) =CCr (0) ×{Cr
(1) +Cr (3) }+CCr (1) ×Cr (2)
【0053】これは、本実施の形態に係るフィルタが、
輝度信号Crに対しての3タップ対称係数フィルタとし
て機能していることを意味する。このように、本実施の
形態に係るフィルタは、4:2:2ディジタルコンポー
ネント信号中の輝度信号Yに対しては7タップ対称係数
フィルタとして機能し、色差信号Cb,Crに対しては
3タップ対称係数フィルタとして機能することとなる。
【0054】以上説明したように、本実施の形態に係る
フィルタによれば、各タップ間における信号の遅延量
を、4:2:2ディジタルコンポーネント信号中におけ
る同種類の信号の繰り返し周期である2サイクルとする
と共に、各サイクル毎に、各乗算器MP0〜MP3の係
数を、各乗算器MP0〜MP3に入力される信号の種類
に応じた値に切り換えるようにしたので、4:2:2デ
ィジタルコンポーネント信号に対して、フィルタの入出
力段でフォーマット変換を行うことなく、フィルタリン
グを行うことができ、回路規模および信号の遅延量を小
さくすることができる。また、各サイクル毎に各乗算器
MP0〜MP3の係数を切り換えるようにしたので、
4:2:2ディジタルコンポーネント信号中における各
種類の信号に対して、それぞれ異なるフィルタ特性に設
定することができる。
【0055】次に、本発明の第2の実施の形態に係るフ
ィルタについて説明する。入力信号の先頭部分および終
端部分では、フィルタ中の全ての乗算器に対してデータ
が揃わない状態が発生する。このような状態のときに
は、フィルタにおいて正確な演算を行うことができず、
その結果、例えば、信号の両端部分においてリンギング
等が生じ、問題となっていた。本実施の形態に係るフィ
ルタは、このような問題を解決するために、入力信号の
両端部分のフィルタリング時にリンギング等が生じない
ようにする端点処理を行うことができるようにした奇数
タップ対称係数フィルタの例である。
【0056】図4は本実施の形態に係るフィルタの構成
を示すブロック図である。本実施の形態に係るフィルタ
は、基本的な構成は第1の実施の形態に係るフィルタと
同様であるが、更に、入力信号中の輝度信号および2種
類の色差信号についてそれぞれ両端のデータを保持する
保持手段としての3個のラッチ素子L0,L1,L2
と、入力信号の両端部分のフィルタリング時に、入力信
号に基づかないデータを、ラッチ素子L0,L1,L2
によって保持されたデータに置き換える置換手段として
の3つのセレクタ(図ではSelと記す。)S0,S
1,S2とを備えると共に、第1の実施の形態における
タイミング発生部10の代わりに、セレクタS0,S
1,S2を制御する機能を有するタイミング発生部20
を設けた点が異なっている。
【0057】本実施の形態に係るフィルタでは、フィル
タに対する入力信号は、ラッチ素子L0,L1,L2の
各入力端と、セレクタS1の一方の入力端とに入力され
るようになっている。セレクタS0は、ラッチ素子L
0,L1,L2の各出力L(0),L(1),L(2)
のいずれかを選択して出力信号Sel(0)として出力
し、この出力信号Sel(0)は、セレクタS1の一方
の入力端と、セレクタS2の一方の入力端とに入力され
るようになっている。セレクタS1は、フィルタに対す
る入力信号とセレクタS0の出力信号Sel(0)のい
ずれかを選択し、遅延素子D12および加算器AD0に対
する入力信号d(12)として出力するようになってい
る。セレクタS2は、遅延素子D5と遅延素子D4との
間に介装され、セレクタS0の出力信号Sel(0)と
遅延素子D5の出力信号d(4S)のいずれかを選択
し、遅延素子D4および加算器AD2に対する入力信号
d(4)として出力するようになっている。
【0058】タイミング発生部20は、入力信号の先頭
でカウント値が0に初期化されると共に1サイクル毎に
カウント値を1ずつインクリメントするステータスカウ
ンタ21と、各乗算器MP0〜MP3の各係数c(0)
〜c(3)として選択的に使用される複数の数値を入力
し、ステータスカウンタ21のカウント値に応じて、こ
れらの数値の中から各係数c(0)〜c(3)として使
用する数値を選択して各乗算器MP0〜MP3に与える
係数選択部22と、ステータスカウンタ21のカウント
値に応じて、ラッチ素子L0,L1,L2を制御するた
めの制御信号l(0),l(1),l(2)およびセレ
クタS0,S1,S2を制御するための制御信号s
(0),s(1),s(2)を発生する制御信号発生部
23とを有している。
【0059】次に、図5のタイミングチャートを参照し
て、本実施の形態に係るフィルタにおける入力信号の先
頭部分に対する端点処理について説明する。図5は、ス
テータスカウンタ21の状態と入力信号および各信号d
(12),d(10),d(8),L(0)〜L(2),d
(6),d(4S),Sel(0),d(4),d
(2),d(0),a(0)との関係を示したものであ
る。
【0060】この先頭部分に対する端点処理では、ま
ず、ラッチ素子L0,L1,L2によって、輝度信号お
よび2種類の色差信号に対する先頭のデータY(0),
Cb(0),Cr(0)をラッチする。具体的には、ス
テータスカウンタ21のカウント値が0のときに、制御
信号発生部23が制御信号l(0)を出力し、ラッチ素
子L0がCb(0)をラッチする。更に、ステータスカ
ウンタ21のカウント値が1のときに、制御信号発生部
23が制御信号l(1)を出力し、ラッチ素子L1がY
(0)をラッチする。更に、ステータスカウンタ21の
カウント値が2のときに、制御信号発生部23が制御信
号l(2)を出力し、ラッチ素子L2がCr(0)をラ
ッチする。
【0061】制御信号発生部23は、下記の表2に従っ
て、ステータスカウンタ21のカウント値の下位2ビッ
トに応じて、制御信号s(0)を出力し、セレクタS0
はその制御信号s(0)に従ってラッチ素子L0,L
1,L2の出力L(0),L(1),L(2)を選択し
て、出力信号Sel(0)とする。
【0062】
【表2】
【0063】セレクタS2は、ステータスカウンタ21
のカウント値に応じて制御信号発生部23の出力する制
御信号s(2)に従って、セレクタS0の出力信号Se
l(0)と遅延素子D5の出力信号d(4S)のいずれ
かを選択し、遅延素子D4および加算器AD2に対して
信号d(4)を出力する。セレクタS2は、具体的に
は、ステータスカウンタ21のカウント値が3から7ま
での間、セレクタS0の出力信号Sel(0)を選択出
力し、それ以外は遅延素子D5の出力信号d(4S)を
選択出力する。
【0064】このような処理を行うことにより、フィル
タに対する入力信号の先頭部分において、遅延素子D4
以降に入力信号に基づいたデータが揃わないときに、入
力信号に基づかないデータが、ラッチ素子L0,L1,
L2によって保持されたデータに置き換えられ、この置
き換えられたデータに基づいてフィルタ演算が行われ
る。
【0065】例えば、ステータスカウンタ21のカウン
ト値が6のときのフィルタ演算を考えてみる。このと
き、図5より、d(12)=Cr(1),d(10)=Cb
(1),d(8)=Cr(0),d(6)=Cb(0)
となる。また、ステータスカウンタ21のカウント値の
下位2ビットが2’b10なので、セレクタS0はラッ
チ素子L2の出力Cr(0)を選択する。また、ステー
タスカウンタ21のカウント値が6で、3から7までの
間にあるので、セレクタS2はセレクタS0の出力Cr
(0)を出力する。よって、d(4)=Cr(0)とな
る。また、このとき、d(2)=Cb(0)である。ま
た、ステータスカウンタ21のカウント値の下位2ビッ
トが2’b10なので、Cbに対する係数0,CCb
(0),0,CCb(1)が乗算器MP0,MP1,M
P2,MP3に対してそれぞれ出力される。このときの
フィルタの演算式は以下のようになる。
【0066】ACb (0) =CCb (0) ×{Cb
(0) +Cb (1) }+CCb (1) ×Cb (0)
【0067】図2と比較すると分かるが、これは色差信
号Cbについて、センタタップに対して入力信号の先頭
部分の端点処理が行われていることを表す。
【0068】輝度信号については、ステータスカウンタ
21のカウント値が7のときについて考える。このと
き、図5より、d(12)=Y(3),d(10)=Y
(2),d(8)=Y(1),d(6)=Y(0)とな
る。ステータスカウンタ21のカウント値の下位2ビッ
トが2’b11なので、セレクタS0はラッチ素子L1
の出力Y(0)を選択する。また、ステータスカウンタ
21のカウント値が7で、3から7までの間にあるの
で、セレクタS2はセレクタS0の出力Y(0)を選択
し、結果としてd(4)=Y(0)となる。また、この
とき、d(2)=Y(0),d(0)=Y(0)であ
る。またステータスカウンタ21のカウント値の下位2
ビットが2’b11なので、Yに対する係数CY
(0),CY(1),CY(2),CY(3)が乗算器
MP0,MP1,MP2,MP3に対してそれぞれ出力
される。このときのフィルタの演算式は以下のようにな
る。
【0069】AY (0) =CY (0) ×{Y (0) +Y
(3) }+CY (1) ×{Y (0) +Y (2) }+CY
(2) ×{Y(0)+Y (1) }+CY (3) ×Y
(0)
【0070】これは輝度信号Yについて、センタータッ
プに対して入力信号の先頭部分の端点処理が行われてい
ることを表す。
【0071】同様に色差信号Crについては、ステータ
スカウンタ21のカウント値が8のときについて考える
と、このときのフィルタの演算式は以下のようになる。
【0072】ACr (0) =CCr (0) ×{Cr
(0) +Cr (1) }+CCr (1) ×Cr (0)
【0073】これは色差信号Crについて、センタータ
ップに対して入力信号の先頭部分の端点処理が行われて
いることを表す。
【0074】次に、図6のタイミングチャートを参照し
て、本実施の形態に係るフィルタにおける入力信号の終
端部分に対する端点処理について説明する。図6は、ス
テータスカウンタ21の状態と入力信号および各信号L
(0)〜L(2),Sel(0),d(12),d(1
0),d(8),d(6),d(4),d(2),d
(0),a(0)との関係を示したものである。
【0075】この終端部分に対する端点処理では、ま
ず、ステータスカウンタ21のカウント値が1436の
ときに、制御信号発生部23が制御信号l(0)を出力
し、ラッチ素子L0がCbについての終点データである
Cb(359)をラッチする。更に、ステータスカウン
タ21のカウント値が1439のときに、制御信号発生
部23が制御信号l(1)を出力し、ラッチ素子L1が
Yについての終点データであるY(719)をラッチす
る。更に、ステータスカウンタ21のカウント値が14
38のときに、制御信号発生部23が制御信号l(2)
を出力し、ラッチ素子L2がCrについての終点データ
であるCr(359)をラッチする。
【0076】先頭部分に対する端点処理のときと同様
に、制御信号発生部23は、前記の表2に従って、ステ
ータスカウンタ21の下位2ビットに応じて、制御信号
s(0)を出力し、セレクタS0はその制御信号s
(0)に従ってラッチ素子L0,L1,L2の出力L
(0),L(1),L(2)を選択して、出力信号Se
l(0)とする。
【0077】セレクタS1は、制御信号発生部23の出
力する制御信号s(1)に従って、セレクタS0の出力
信号Sel(0)と入力信号のいずれかを選択し、遅延
素子D12および加算器AD0に対して信号d(12)を出
力する。セレクタS1は、具体的には、ステータスカウ
ンタ21のカウント値が1440から1445までの
間、セレクタS0の出力信号Sel(0)を選択出力
し、それ以外は入力信号を選択して出力する。ただし、
ステータスカウンタ21のカウント値が1444のとき
は、信号Sel(0)と入力信号のどちらを選んでもフ
ィルタの機能としては問題はない。これは、このとき、
色差信号Crについて、信号d(12)に対する乗算器M
P0の係数が0になっていることによる。
【0078】このような処理を行うことにより、フィル
タに対する入力信号の終端部分において、入力信号に基
づかないデータが、ラッチ素子L0,L1,L2によっ
て保持されたデータに置き換えられ、この置き換えられ
たデータに基づいてフィルタ演算が行われる。
【0079】例えば、ステータスカウンタ21のカウン
ト値が1442のときのフィルタ演算を考えてみる。こ
のとき、ステータスカウンタ21のカウント値の下位2
ビットが2’b10なので、セレクタS0はラッチ素子
L2の出力Cr(359)を選択する。更に、ステータ
スカウンタ21のカウント値が1442で、1440か
ら1445までの間にあるので、セレクタS1はセレク
タS0の出力を選択し、結果としてd(12)=Cr(3
59)となる。また、このとき、図6より、d(10)=
Cb(359),d(8)=Cr(359),d(6)
=Cb(359),d(4)=Cr(358),d
(2)=Cb(358),d(0)=Cr(357)で
ある。また、ステータスカウンタ21のカウント値の下
位2ビットが2’b10なので、Cbに対する係数0,
CCb(0),0,CCb(1)が乗算器MP0,MP
1,MP2,MP3に対してそれぞれ出力される。この
ときのフィルタの演算式は以下のようになる。
【0080】ACb (359) =CCb (0) ×{Cb
(358) +Cb (359) }+CCb (1) ×Cb
(359)
【0081】これは色差信号Cbについて、センタータ
ップに対して入力信号の終端部分の端点処理が行われて
いることを表す。
【0082】輝度信号については、ステータスカウンタ
21のカウント値が1445のときを考える。このと
き、ステータスカウンタ21のカウント値の下位2ビッ
トが2’b01なので、セレクタS0はラッチ素子L1
の出力Y(719)を選択する。更に、ステータスカウ
ンタ21のカウント値が1445で、1440から14
45までの間にあるので、セレクタS1はセレクタS0
の出力を選択し、結果としてd(12)=Y(719)と
なる。また、このとき、図6より、d(10)=Y(71
9),d(8)=Y(719),d(6)=Y(71
9),d(4)=Y(718),d(2)=Y(71
7),d(0)=Y(716)である。また、ステータ
スカウンタ21のカウント値の下位2ビットが2’b0
1なので、Yに対する係数CY(0),CY(1),C
Y(2),CY(3)が乗算器MP0,MP1,MP
2,MP3に対してそれぞれ出力される。このときのフ
ィルタの演算式は以下のようになる。
【0083】AY (719) =CY (0) ×{Y (71
6) +Y (719) }+CY (1) ×{Y (717) +
Y (719) }+CY (2) ×{Y (718) +Y (7
19) }+CY (3) ×Y (719)
【0084】これは輝度信号Yについて、センタータッ
プに対して入力信号の終端部分の端点処理が行われてい
ることを表す。
【0085】同様に色差信号Crについては、ステータ
スカウンタ21のカウント値が1444のときについて
考えると、このときのフィルタの演算式は以下のように
なる。
【0086】ACr (359) =CCr (0) ×{Cr
(358) +Cr (359) }+CCr (1) ×Cr
(359)
【0087】これは色差信号Crについて、センタータ
ップに対して入力データの終端部分の端点処理が行われ
ていることを表す。
【0088】以上説明したように、本実施の形態に係る
フィルタによれば、4:2:2ディジタルコンポーネン
ト信号について先頭部分および終端部分の端点処理が可
能となり、入力信号の両端部分のフィルタリング時にお
けるリンギング等の問題の発生を防止することができ
る。本実施の形態におけるその他の構成、動作および効
果は第1の実施の形態と同様である。
【0089】次に、本発明の第3の実施の形態に係るフ
ィルタについて説明する。本実施の形態に係るフィルタ
は、奇数タップ対称係数2:1ダウンサンプリングフィ
ルタの例である。2:1ダウンサンプリングフィルタ
は、例えば輝度信号について27MHzでA/D変換し
たデータに対して、ダウンサンプリングを行って13.
5MHzに変換し、4:2:2ディジタルコンポーネン
ト信号にする場合等に用いられる。よって、本実施の形
態に係るフィルタに対する入力信号(被フィルタリング
信号)は4:2:2ディジタルコンポーネント信号では
ない。
【0090】図7は本実施の形態に係るフィルタの構成
を示すブロック図である。本実施の形態に係るフィルタ
は、基本的な構成は第1の実施の形態に係るフィルタと
同様であるが、更に、各サイクル毎に使用する遅延素子
の数を切り換えるために、遅延素子D5の出力信号d
(4S)と遅延素子D7の出力信号d(6)のいずれか
を選択して、遅延素子D4および加算器AD2に対する
入力信号d(4)として出力するセレクタS3と、加算
器AD3の出力信号a(0)を1サイクル分遅延する遅
延素子D0と、この遅延素子D0の出力信号a(1)と
加算器AD3の出力信号a(0)とを加算してフィルタ
の出力信号a(2)として出力する加算器AD4とを備
えると共に、第1の実施の形態におけるタイミング発生
部10の代わりにタイミング発生部30を設けた点が異
なっている。
【0091】タイミング発生部30は、入力信号の先頭
データでカウント値が0に初期化されると共に1サイク
ル毎にカウント値を1ずつインクリメントするステータ
スカウンタ31と、各乗算器MP0〜MP3の各係数c
(0)〜c(3)として選択的に使用される複数の数値
を入力し、ステータスカウンタ31のカウント値に応じ
て、これらの数値の中から各係数c(0)〜c(3)と
して使用する数値を選択して各乗算器MP0〜MP3に
与える係数選択部32と、ステータスカウンタ31のカ
ウント値に応じて、セレクタS3を制御するための制御
信号s(3)を発生する制御信号発生部33とを有して
いる。
【0092】本実施の形態に係るフィルタでは、乗算器
MP0〜MP3における係数は、13タップ対称係数で
あるので、CC(0)=CC(12),CC(1)=CC
(11),CC(2)=CC(10),CC(3)=CC
(9),CC(4)=CC(8),CC(5)=CC
(7),CC(6)の7種類があり、下記の表3に従っ
て、ステータスカウンタ31の下位1ビットに応じて、
乗算器MP0,MP1,MP2,MP3に対して選択出
力される。なお、表中、1’b0,1’b1はそれぞれ
ステータスカウンタ31のカウント値の下位1ビットが
2進数表示で0,1であることを表している。
【0093】
【表3】
【0094】セレクタS3は、ステータスカウンタ31
のカウント値の下位1ビットに従って制御信号発生部3
3から出力される制御信号s(3)によって、遅延素子
D7の出力信号d(6)と遅延素子D5の出力信号d
(4S)のいずれかを選択し、遅延素子D4および加算
器AD2に対する入力信号d(4)を出力する。セレク
タS3は、具体的には、ステータスカウンタ31のカウ
ント値の下位1ビットが0のときに信号d(4S)を選
択し、1のときに信号d(6)を選択する。
【0095】図7に示した構成において、遅延素子D0
および加算器AD4を除いた部分が本発明におけるフィ
ルタ部に対応し、遅延素子D0および加算器AD4が、
このフィルタ部のnサイクル分(本実施の形態では2サ
イクル分)の出力を足し合わせて出力する出力手段に対
応する。
【0096】次に、図8のタイミングチャートを参照し
て、本実施の形態に係るフィルタの動作について説明す
る。図8は、ステータスカウンタ31の状態と各信号d
(12),d(10),d(8),d(6),d(4S),
d(4),d(2),d(0),a(0)〜a(2)と
の関係を示したものである。
【0097】ステータスカウンタ31のカウント値の下
位1ビットが0のときには、セレクタS3は信号d(4
S)を選択するので、遅延素子D0および加算器AD4
を除いたフィルタ部は、第1の実施の形態に係るフィル
タと同様に、7タップ対称係数フィルタとして機能す
る。一方、ステータスカウンタ31のカウント値の下位
1ビットが1のときには、セレクタS3は信号d(6)
を選択するので、遅延素子D5,D6は使用されず、フ
ィルタ部は、6タップ対称係数フィルタとして機能す
る。フィルタ部における2サイクル分のフィルタ演算の
結果は、遅延素子D0および加算器AD4によって加算
されて、フィルタの出力信号a(2)として出力される
ので、本実施の形態に係るフィルタは、13タップ対称
係数フィルタとして機能する。なお、このフィルタで
は、ステータスカウンタ31のカウント値の下位1ビッ
トが0のときに13タップ対称係数フィルタとしてのフ
ィルタ演算結果が得られ、ステータスカウンタ31のカ
ウント値の下位1ビットが1のときには意味のない結果
が得られる。
【0098】以下、本実施の形態に係るフィルタの動作
を具体的に説明する。まず、ステータスカウンタ31の
カウント値が(2n+5)のときについて説明する。こ
のとき、入力信号はX(2n+5)で、これが遅延素子
D12,加算器AD0の入力信号d(12)となる。この
信号は、各遅延素子D12〜D1により1サイクルずつ遅
延され、遅延素子D10,加算器AD1の入力信号d(1
0)はX(2n+3)となり、同様に遅延素子D8,加
算器AD2の入力信号d(8)はX(2n+1)とな
る。このとき、信号d(6)はX(2n−1)、信号d
(4S)はX(2n−3)となるが、ステータスカウン
タ31のカウント値の下位1ビットが1であるので、セ
レクタS3は信号d(6)を選択し、遅延素子D4,加
算器AD2に対してX(2n−1)を出力する。以下、
遅延素子D4〜D1に従って、遅延素子D2,加算器A
D1の入力信号d(2)はX(2n−3)、加算器AD
0の入力信号d(0)はX(2n−5)となる。
【0099】また、ステータスカウンタ31のカウント
値の下位1ビットが1であるので、乗算器MP0,MP
1,MP2,MP3の係数は、それぞれ表3より、CC
(1)=CC(11),CC(3)=CC(9),CC
(5)=CC(7),0となる。よって、加算器AD3
の出力信号a(0)は、次式のようになる。
【0100】a(0)=CC (1) ×{X (2n−5)
+X (2n+5) }+CC (3) ×{X (2n−3) +
X (2n+3) }+CC (5) ×{X (2n−1) +X
(2n+1) }
【0101】同様に、ステータスカウンタ31のカウン
ト値が (2n+6) のときについて説明する。このと
き、入力信号はX (2n+6) で、これが遅延素子D1
2,加算器AD0の入力信号d(12)となる。この信号
は、各遅延素子D12〜D1により1サイクルずつ遅延さ
れ、遅延素子D10,加算器AD1の入力信号d(10)は
X(2n+4)となり、同様に遅延素子D8,加算器A
D2の入力信号d(8)はX(2n+2)となる。この
とき、信号d(6)はX(2n)、信号d(4S)はX
(2n−2)となるが、ステータスカウンタ31のカウ
ント値の下位1ビットが0であるので、セレクタS3は
信号d(4S)を選択し、遅延素子D4,加算器AD2
に対してX(2n−2)を出力する。以下、遅延素子D
4〜D1に従って、遅延素子D2,加算器AD1の入力
信号d(2)はX(2n−4)、加算器AD0の入力信
号d(0)はX(2n−6)となる。
【0102】また、ステータスカウンタ31の下位1ビ
ットが0であるので、乗算器MP0,MP1,MP2,
MP3の係数は、それぞれ表3より、CC(0)=CC
(12),CC(2)=CC(10),CC(4)=CC
(8),CC(6)となる。よって、加算器AD3の出
力信号a(0)は、次式のようになる。
【0103】a(0)=CC (0) ×{X (2n−6)
+X (2n+6) }+CC (2) ×{X (2n−4) +
X (2n+4) }+CC (4) ×{X (2n−2) +X
(2n+2) }+CC (6) ×X (2n)
【0104】一方、加算器AD3の出力信号a(0)
は、遅延素子D0によって1サイクル分遅延される。ま
た、加算器AD4は、加算器AD3の出力信号a(0)
と遅延素子D0の出力信号a(1)とを加算し、フィル
タの出力信号a(2)を出力する。
【0105】いま、ステータスカウンタ31のカウント
値が(2n+6)のときについて考えると、加算器AD
3の出力は、上式のようになる。このとき、遅延素子D
0の出力信号a(1)は、ステータスカウンタ31のカ
ウント値が(2n+5)のときの加算器AD3の出力と
同じであり、次式のようになる。
【0106】CC (1) ×{X (2n−5) +X (2n
+5) }+CC (3) ×{X (2n−3) +X (2n+
3) }+CC (5) ×{X (2n−1) +X (2n+
1) }
【0107】よって、ステータスカウンタ31のカウン
ト値が (2n+6) のときの加算器AD4の出力信号a
(2)は、次式のようになる。
【0108】a(2)=CC (0) ×{X (2n−6)
+X (2n+6) }+CC (1) ×(X (2n−5) +
X (2n+5) )+CC (2) ×(X (2n−4) +X
(2n+4) )+CC (3) ×(X (2n−3) +X
(2n+3) )+CC (4) ×(X (2n−2) +X
(2n+2) )+CC (5) ×(X (2n−1) +X
(2n+1) )+CC (6) ×X (2n)
【0109】この式は、13タップ対称係数フィルタの
演算式である。このように、本実施の形態に係るフィル
タでは、ステータスカウンタ31のカウント値の下位1
ビットが0のときに、13タップ対称係数フィルタの演
算出力が得られる。ちなみに、ステータスカウンタ31
のカウント値の下位1ビットが1のときは、意味のない
結果が得られる。このように、本実施の形態に係るフィ
ルタは、2サイクル周期で13タップ対称係数フィルタ
の演算出力が得られるので、入力信号に対してフィルタ
リングと2:1ダウンサンプリングとを行っていること
になる。
【0110】以上説明したように本実施の形態に係るフ
ィルタによれば、4個の乗算器AD0〜AD3を用いて
13タップ対称係数2:1ダウンサンプリングフィルタ
を構成でき、入力信号に対してフィルタリングとダウン
サンプリングとを行う場合の回路規模および信号の遅延
量を小さくすることができる。本実施の形態におけるそ
の他の構成および動作は第1の実施の形態と同様であ
る。
【0111】図9は本発明の第4の実施の形態に係るフ
ィルタの構成を示すブロック図である。本実施の形態に
係るフィルタは、偶数タップ対称係数フィルタの例であ
る。本実施の形態に係るフィルタは、それぞれ信号を1
サイクルずつ遅延する縦続接続された14個の遅延素子
D12〜D7,D6A,D6B,D6〜D1を備えてい
る。フィルタに対するディジタルの入力信号すなわち被
フィルタリング信号は遅延素子D12に入力されるように
なっている。ここで、遅延素子D12の入力信号をd(1
2)、各遅延素子D12〜D8,D7,D6A,D6B,
D6〜D1の出力信号をそれぞれd(11)〜d(7),
d(6A),d(6B),d(6S),d(5)〜d
(0)とする。本実施の形態に係るフィルタは、更に、
遅延素子D6Bと遅延素子D6との間に介装され、遅延
素子D7の出力信号d(6A)と遅延素子D6Bの出力
信号d(6S)のいずれかを選択し、遅延素子D6に対
する入力信号d(6)として出力するセレクタS4を備
えている。
【0112】本実施の形態に係るフィルタは、更に、入
力信号d(12)と遅延素子D1の出力信号d(0)を加
算する加算器AD0と、遅延素子D11の出力信号d(1
0)と遅延素子D3の出力信号d(2)を加算する加算
器AD1と、遅延素子D9の出力信号d(8)と遅延素
子D5の出力信号d(4)を加算する加算器AD2と、
遅延素子D7の出力信号d(6A)と遅延素子D6Bの
出力信号d(6S)を加算する加算器AD5と、加算器
AD0〜AD2,AD5の各出力信号に対してそれぞれ
係数c(0)〜c(3)を乗算する4個の乗算器MP0
〜MP3と、各乗算器MP0〜MP3の出力を加算し
て、フィルタの出力信号a(0)として出力する加算器
AD3とを備えている。
【0113】本実施の形態に係るフィルタは、更に、各
サイクル毎に、各乗算器MP0〜MP3における係数c
(0)〜c(3)を切り換えると共に、セレクタS4を
制御するための制御信号s(4)を発生するためのタイ
ミング発生部40を備えている。このタイミング発生部
40は、入力信号の先頭でカウント値が0に初期化され
ると共に1サイクル毎にカウント値を1ずつインクリメ
ントするステータスカウンタ41と、各係数c(0)〜
c(3)として選択的に使用される複数の数値を入力
し、ステータスカウンタ41のカウント値に応じて、こ
れらの数値の中から各係数c(0)〜c(3)として使
用する数値を選択して各乗算器MP0〜MP3に与える
係数選択部42と、ステータスカウンタ41のカウント
値に応じて制御信号s(4)を発生する制御信号発生部
43とを有している。このタイミング発生部40では、
入力信号の先頭で、ステータスカウンタ41を0に初期
化し、1サイクル毎にカウント値を1ずつインクリメン
トしていく。係数選択部42は、下記の表4に従って、
ステータスカウンタ41のカウント値の下位2ビットの
状態により、各乗算器MP0〜MP3に与える係数を選
択し出力する。係数は、輝度信号Yに対してはCY
(0)=CY(7),CY(1)=CY(6),CY
(2)=CY(5),CY(3)=CY(4)の4種
類、色差信号Cbに対してはCCb(0)=CCb
(3),CCb(1)=CCb(2)の2種類、色差信
号Crに対してはCCr(0)=CCr(3),CCr
(1)=CCr(2)の2種類である。
【0114】
【表4】
【0115】次に、図10のタイミングチャートを参照
して、本実施の形態に係るフィルタの動作について説明
する。図10は、ステータスカウンタ41の状態と各信
号d(12),d(10),d(8),d(6A),d(6
B),d(6S),d(6),d(4),d(2),d
(0),a(0)との関係を示したものである。
【0116】図9における入力信号d(12)は、4:
2:2ディジタルコンポーネント信号である。この信号
は、図10のタイミングチャートに示した通り、各遅延
素子によってそれぞれ1サイクルずつ遅延される。
【0117】タイミング発生部40では、入力信号d
(12) の先頭(Cb(0))で、ステータスカウンタ4
1のカウント値を0に初期化し、1サイクル毎にカウン
ト値を1ずつインクリメントしていく。係数選択部42
は、前記の表4に従って、ステータスカウンタ41のカ
ウント値の下位2ビットの状態により、各乗算器MP0
〜MP3に与える係数を選択し出力する。
【0118】セレクタS4は、ステータスカウンタ41
のカウント値の下位1ビットに応じて制御信号発生部4
3が出力する制御信号s(4)に従って、遅延素子D7
の出力信号d(6A)と、遅延素子D6Bの出力信号d
(6S)のいずれかを選択し、遅延素子D6に対する入
力信号d(6)を出力する。具体的には、セレクタS4
は、ステータスカウンタ41のカウント値の下位1ビッ
トが0のとき、遅延素子D7の出力信号d(6A)を選
択し、下位1ビットが1のとき、遅延素子D6Bの出力
信号d(6S)を選択する。
【0119】このような制御を行うことで、ステータス
カウンタ41のカウント値の下位1ビットが1のときに
は、加算器AD0〜AD2,AD5の全ての入力信号が
輝度信号Yとなり、ステータスカウンタ41のカウント
値の下位1ビットが0のときには、加算器AD0,AD
2の全ての入力信号が色差信号Cbまたは色差信号Cr
となる。
【0120】加算器AD0には、信号d(12)と信号d
(0)が入力され、加算された後、加算結果が乗算器M
P0に入力され、係数c(0)と乗算された後に加算器
AD3に入力される。加算器AD1には、信号d(10)
と信号d(2)が入力され、加算された後、加算結果が
乗算器MP1に入力され、係数c(1)と乗算された後
に加算器AD3に入力される。加算器AD2には、信号
d(8)と信号d(4)が入力され、加算された後、加
算結果が乗算器MP2に入力され、係数c(2)と乗算
された後に加算器AD3に入力される。加算器AD5に
は、信号d(6A)と信号d(6S)が入力され、加算
された後、加算結果が乗算器MP3に入力され、係数c
(3)と乗算された後に加算器AD3に入力される。加
算器AD3は、以上の4個の乗算器MP0,MP1,M
P2,MP3の乗算結果を加算し、出力信号a(0)を
出力する。以上をまとめると以下の演算式になる。
【0121】 a (0) =c (0) ×{d (0) +d (12)} +c (1) ×{d (2) +d (10) } +c (2) ×{d (4) +d (8) } +c (3) ×{d (6A) +d (6S) } …(3)
【0122】本実施の形態に係るフィルタでは、各サイ
クルにおいて、乗算器MP0〜MP3において0以外の
係数が乗算される信号は全て同種類の信号となる。ま
た、各サイクルにおいて、各乗算器MP0〜MP3の係
数は、各乗算器MP0〜MP3に入力される信号の種類
に応じた値に切り換えられる。従って、本実施の形態に
係るフィルタでは、4:2:2ディジタルコンポーネン
ト信号中の輝度信号Yと色差信号Cb,Crは、それぞ
れ独立に、時系列的にフィルタリングされる。
【0123】例えば、図10のタイミングチャートにお
いて、ステータスカウンタ41のカウント値が15のと
きを考える。このとき、d (12) =Y (7) ,d (10)
=Y(6) ,d (8) =Y (5) ,d (6A) =Y (4)
,d (6S) =Y (3) となる。また、信号d(6)
については、ステータスカウンタ41のカウント値の下
位1ビットが1なのでセレクタS4は遅延素子D6Bの
出力信号d (6S) =Y (3) を選択し、結果としてY
(3) となる。また、このとき、d (4) =Y(2) ,
d (2) =Y (1) ,d (0) =Y (0) である。この
とき、ステータスカウンタ41のカウント値の下位2ビ
ットが2’b11なので、各乗算器MP0,MP1,M
P2,MP3の係数c(0),c(1),c(2),c
(3)は、輝度信号Y用の係数CY(0)=CY
(7),CY(1)=CY(6),CY(2)=CY
(5),CY(3)=CY(4)となる。その結果、前
記の演算式(3)から、出力信号a (0) は、次のよう
になる。
【0124】AY (3) =CY (0) ×{Y (0) +Y
(7) }+CY (1) ×{Y (1) +Y (6) }+CY
(2) ×{Y (2) +Y (5) }+CY (3) ×{Y
(3) +Y (4) }
【0125】これは、本実施の形態に係るフィルタが、
輝度信号Yに対して8タップ対称係数フィルタとして機
能していることを意味する。
【0126】色差信号Cbについても同様に、例えば、
ステータスカウンタ41のカウント値が12のときを考
える。このとき、d(12)=Cb(3),d(10)=C
r(2),d(8)=Cb(2),d(6A)=Cr
(1),d(6S)=Cb(1)となる。信号d(6)
については、ステータスカウンタ41のカウント値の下
位1ビットが0なのでセレクタS4は遅延素子D7の出
力信号d (6A) =Cr(1) を選択し、結果としてC
r (1) となる。また、このとき、d (4) =Cb
(1) ,d (2) =Cr (0) ,d (0) =Cb (0)
である。また、ステータスカウンタ41の下位2ビット
が2’b00なので、各乗算器MP0,MP1,MP
2,MP3の係数c(0),c(1),c(2),c
(3)は、色差信号Cb用の係数CCb(0)=CCb
(3),0,CCb(1)=CCb(2),0となる。
その結果、前記の演算式(3)から、出力信号a (0)
は、次のようになる。
【0127】ACb (1) =CCb (0) ×{Cb
(0) +Cb (3) }+CCb (1) ×{Cb (1) +
Cb (2) }
【0128】これは、本実施の形態に係るフィルタが、
色差信号Cbに対して4タップ対称係数フィルタとして
機能していることを意味する。
【0129】色差信号Crについても同様に、例えば、
ステータスカウンタ41のカウント値が14のときを考
える。このとき、d(12)=Cr(3),d(10)=C
b(3),d(8)=Cr(2),d(6A)=Cb
(2),d(6S)=Cr(1)となる。信号d(6)
については、ステータスカウンタ41のカウント値の下
位1ビットが0であるので、セレクタS4は遅延素子D
7の出力信号d (6A)=Cb (2) を選択し、結果と
してCb (2) となる。また、このとき、d (4) =C
r (1) ,d (2) =Cb (1) ,d (0) =Cr
(0) である。また、ステータスカウンタ41のカウン
ト値の下位2ビットが2’b10なので、各乗算器MP
0,MP1,MP2,MP3の係数c(0),c
(1),c(2),c(3)は、色差信号Cr用の係数
CCr(0)=CCr(3),0,CCr(1)=CC
r(2),0となる。その結果、前記の演算式(3)か
ら、出力信号a(0) は、次のようになる。
【0130】ACr (1) =CCr (0) ×{Cr
(0) +Cr (3) }+CCr (1) ×{Cr (1) +
Cr (2) }
【0131】これは、本実施の形態に係るフィルタが、
色差信号Crに対して4タップ対称係数フィルタとして
機能していることを意味する。
【0132】このように、本実施の形態に係るフィルタ
は、4:2:2ディジタルコンポーネント信号中の輝度
信号Yに対しては8タップ対称係数フィルタとして機能
し、色差信号Cb,Crに対しては4タップ対称係数フ
ィルタとして機能することとなる。本実施の形態におけ
るその他の構成、動作および効果は第1の実施の形態と
同様である。
【0133】以下で説明するように、上記第4の実施の
形態に係るフィルタの構成を若干変更することで、第2
または第3の実施の形態と同様に、端点処理を行うこと
のできる偶数タップ対称係数フィルタ(第5の実施の形
態)および奇数タップ2:1ダウンサンプリングフィル
タ(第6の実施の形態)を構成することができる。
【0134】図11は本発明の第5の実施の形態に係る
フィルタの構成を示すブロック図である。本実施の形態
に係るフィルタは、基本的な構成は第4の実施の形態に
係るフィルタと同様であるが、更に、入力信号中の輝度
信号および2種類の色差信号についてそれぞれ両端のデ
ータを保持する保持手段としての3個のラッチ素子L
0,L1,L2と、入力信号の両端部分のフィルタリン
グ時に、入力信号に基づかないデータを、ラッチ素子L
0,L1,L2によって保持されたデータに置き換える
置換手段としての3つのセレクタS0,S1,S2とを
備えると共に、第4の実施の形態におけるタイミング発
生部40の代わりに、セレクタS0,S1,S2を制御
する機能を有するタイミング発生部50を設けた点が異
なっている。
【0135】本実施の形態に係るフィルタでは、フィル
タに対する入力信号は、ラッチ素子L0,L1,L2の
各入力端と、セレクタS1の一方の入力端とに入力され
るようになっている。セレクタS0は、ラッチ素子L
0,L1,L2の各出力L(0),L(1),L(2)
のいずれかを選択して出力信号Sel(0)として出力
し、この出力信号Sel(0)は、セレクタS1の一方
の入力端と、セレクタS2の一方の入力端とに入力され
るようになっている。セレクタS1は、フィルタに対す
る入力信号とセレクタS0の出力信号Sel(0)のい
ずれかを選択し、遅延素子D12および加算器AD0に対
する入力信号d(12)として出力するようになってい
る。セレクタS2は、遅延素子D5と遅延素子D4との
間に介装され、セレクタS0の出力信号Sel(0)と
遅延素子D5の出力信号d(4S)のいずれかを選択
し、遅延素子D4および加算器AD2に対する入力信号
d(4)として出力するようになっている。
【0136】タイミング発生部50は、入力信号の先頭
でカウント値が0に初期化されると共に1サイクル毎に
カウント値を1ずつインクリメントするステータスカウ
ンタ51と、各乗算器MP0〜MP3の各係数c(0)
〜c(3)として選択的に使用される複数の数値を入力
し、ステータスカウンタ51のカウント値に応じて、こ
れらの数値の中から各係数c(0)〜c(3)として使
用する数値を選択して各乗算器MP0〜MP3に与える
係数選択部52と、ステータスカウンタ51のカウント
値に応じて、ラッチ素子L0,L1,L2を制御するた
めの制御信号l(0),l(1),l(2)およびセレ
クタS0,S1,S2を制御するための制御信号s
(0),s(1),s(2)を発生する制御信号発生部
53とを有している。
【0137】次に、図12のタイミングチャートを参照
して、本実施の形態に係るフィルタにおける入力信号の
先頭部分に対する端点処理について説明する。図12
は、ステータスカウンタ51の状態と入力信号および各
信号d(12),d(10),d(8),d(6A),d
(6S),d(6),L(0)〜L(2),d(4
S),Sel(0),d(4),d(2),d(0),
a(0)との関係を示したものである。
【0138】この先頭部分に対する端点処理では、ま
ず、ラッチ素子L0,L1,L2によって、輝度信号お
よび2種類の色差信号に対する先頭のデータY(0),
Cb(0),Cr(0)をラッチする。具体的には、ス
テータスカウンタ51のカウント値が0のときに、制御
信号発生部53が制御信号l(0)を出力し、ラッチ素
子L0がCb(0)をラッチする。更に、ステータスカ
ウンタ51のカウント値が1のときに、制御信号発生部
53が制御信号l(1)を出力し、ラッチ素子L1がY
(0)をラッチする。更に、ステータスカウンタ51の
カウント値が2のときに、制御信号発生部53が制御信
号l(2)を出力し、ラッチ素子L2がCr(0)をラ
ッチする。
【0139】制御信号発生部53は、表2に従って、ス
テータスカウンタ51のカウント値の下位2ビットに応
じて、制御信号s(0)を出力し、セレクタS0はその
制御信号s(0)に従ってラッチ素子L0,L1,L2
の出力L(0),L(1),L(2)を選択して、出力
信号Sel(0)とする。
【0140】セレクタS2は、ステータスカウンタ51
のカウント値に応じて制御信号発生部53の出力する制
御信号s(2)に従って、セレクタS0の出力信号Se
l(0)と遅延素子D5の出力信号d(4S)のいずれ
かを選択し、遅延素子D4および加算器AD2に対する
入力信号d(4)を出力する。セレクタS2は、具体的
には、ステータスカウンタ51のカウント値が4から9
までの間、セレクタS0の出力信号Sel(0)を選択
出力し、それ以外は遅延素子D5の出力信号d(4S)
を選択出力する。ここで、ステータスカウンタ51のカ
ウント値が8のときは、セレクタS2において信号Se
l(0)と信号d(4S)のどらちを選択してもフィル
タの機能としては問題はない。これは、このとき、信号
Sel(0)と信号d(4S)が共にCb(0)となる
ためである。実際、ステータスカウンタ51のカウント
値の下位2ビットが2’b00なのでセレクタS0の出
力Sel(0)がCb(0)であり、図12より信号d
(4S)もCb(0)となる。
【0141】このような処理を行うことにより、入力信
号の先頭部分において、遅延素子D4以降にデータが揃
わないときに、入力信号に基づかないデータがラッチ素
子L0,L1,L2によって保持されたデータに置き換
えられ、この置き換えられたデータに基づいてフィルタ
演算が行われる。
【0142】例えば、ステータスカウンタ51のカウン
ト値が8のときのフィルタ演算を考えてみる。このと
き、図13より、d(12)=Cb(2),d(10)=C
r(1),d(8)=Cb(1),d(6A)=Cr
(0),d(6S)=Cb(0)となる。ステータスカ
ウンタ51のカウント値の下位2ビットが2’b00な
ので、セレクタS0はラッチ素子L0の出力Cb(0)
を出力する。このとき、セレクタS2の入力Sel
(0),d(4S)は、共にCb(0)となる。よっ
て、セレクタS2の出力信号d(4)はCb(0)とな
る。また、このとき、d(2)=Cr(0),d(0)
=Cb(0)である。また、ステータスカウンタ51の
カウント値の下位2ビットが2’b00なので、Cbに
対する係数CCb(0),0,CCb(1),0が乗算
器MP0,MP1,MP2,MP3に対して出力され
る。このときのフィルタの演算式は以下のようになる。
【0143】ACb (0) =CCb (0) ×{Cb
(0) +Cb (2) }+CCb (1) ×{Cb (0) +
Cb (1) }
【0144】図10の場合と比較すると分かるが、これ
は色差信号Cbについて、センタタップに対して入力信
号の先頭部分の端点処理が行われていることを表す。
【0145】輝度信号については、ステータスカウンタ
51のカウント値が9のときについて考える。このと
き、図12より、d(12)=Y(4),d(10)=Y
(3),d(8)=Y(2),d(6A)=Y(1),
d(6S)=Y(0)となる。ステータスカウンタ51
のカウント値の下位2ビットが2’b01なので、セレ
クタS0はラッチ素子L1の出力Y(0)を出力する。
また、ステータスカウンタ51のカウント値が9で、4
から9までの間にあるので、セレクタS2はセレクタS
0の出力を選択し、結果としてd(4)=Y(0)とな
る。また、このとき、d(2)=Y(0),d(0)=
Y(0)である。また、ステータスカウンタ51の下位
2ビットが2’b01なので、Yに対する係数CY
(0),CY(1),CY(2),CY(3)が乗算器
MP0,MP1,MP2,MP3に対して出力される。
このときのフィルタの演算式は以下のようになる。
【0146】AY (0) =CY (0) ×{Y (0) +Y
(4) }+CY (1) ×{Y (0) +Y (3) }+CY
(2) ×{Y (0) +Y (2) }+CY (3) ×{Y
(0) +Y (1) }
【0147】これは、輝度信号Yについて、センタタッ
プに対して入力信号の先頭部分の端点処理が行われてい
ることを表す。
【0148】また、色差信号Crについては、ステータ
スカウンタ51のカウント値が10のときについて考え
る。図12より、このときのフィルタの演算式は以下の
ようになる。
【0149】ACr (0) =CCr (0) ×{Cr
(0) +Cr (2) }+CCr (1) ×{Cr (0) +
Cr (1) }
【0150】これは、色差信号Crについて、センタタ
ップに対して入力信号の先頭部分の端点処理が行われて
いることを表す。
【0151】次に、図13のタイミングチャートを参照
して、本実施の形態に係るフィルタにおける入力信号の
終端部分に対する端点処理について説明する。図13
は、ステータスカウンタ51の状態と入力信号および各
信号L(0)〜L(2),Sel(0),d(12),d
(10),d(8),d(6A),d(6S),d
(6),d(4),d(2),d(0),a(0)との
関係を示したものである。
【0152】この終端部分に対する端点処理では、ま
ず、ステータスカウンタ51のカウント値が1436の
ときに、制御信号発生部53が制御信号l(0)を出力
し、ラッチ素子L0がCbについての終点データである
Cb(359)をラッチする。更に、ステータスカウン
タ51のカウント値が1439のときに、制御信号発生
部53が制御信号l(1)を出力し、ラッチ素子L1が
Yについての終点データであるY(719)をラッチす
る。更に、ステータスカウンタ51のカウント値が14
38のときに、制御信号発生部53が制御信号l(2)
を出力し、ラッチ素子L2がCrについての終点データ
であるCr(359)をラッチする。
【0153】先頭部分に対する端点処理のときと同様
に、制御信号発生部53は、表2に従って、ステータス
カウンタ51の下位2ビットに応じて、制御信号s
(0)を出力し、セレクタS0はその制御信号s(0)
に従ってラッチ素子L0,L1,L2の出力L(0),
L(1),L(2)を選択して、出力信号Sel(0)
とする。
【0154】セレクタS1は、制御信号発生部53の出
力する制御信号s(1)に従って、セレクタS0の出力
信号Sel(0)と入力信号のいずれかを選択し、遅延
素子D12および加算器AD0に対する入力信号d(12)
を出力する。セレクタS1は、具体的には、ステータス
カウンタ51のカウント値が1440から1447まで
の間、セレクタS0の出力信号Sel(0)を選択出力
し、それ以外は入力信号を選択して出力する。
【0155】このような処理を行うことにより、入力信
号の終端部分において、入力信号に基づかないデータが
ラッチ素子L0,L1,L2によって保持されたデータ
に置き換えられ、この置き換えられたデータに基づいて
フィルタ演算が行われる。
【0156】例えば、ステータスカウンタ51のカウン
ト値が1444のときのフィルタ演算を考えてみる。こ
のとき、ステータスカウンタ51のカウント値の下位2
ビットが2’b00なので、セレクタS0はラッチ素子
L0の出力Cb(359)を選択する。更に、ステータ
スカウンタ51のカウント値が1444で、1440か
ら1447までの間にあるので、セレクタS1はセレク
タS0の出力を選択し、結果としてd(12)=Cb(3
59)となる。また、このとき、図13より、d(10)
=Cr(359),d(8)=Cb(359),d(6
A)=Cr(359),d(6S)=Cb(359),
d(6)=Cr(359),d(4)=Cb(35
9),d(2)=Cr(358),d(0)=Cb(3
58)である。また、ステータスカウンタ51のカウン
ト値の下位2ビットが2’b00なので、Cbに対する
係数CCb(0),0,CCb(1),0が乗算器MP
0,MP1,MP2,MP3に対してそれぞれ出力され
る。このときのフィルタの演算式は以下のようになる。
【0157】ACb (359) =CCb (0) ×{Cb
(358) +Cb (359) }+CCb (1) ×{Cb
(359) +Cb (359) }
【0158】これは、色差信号Cbについて、センタタ
ップに対して入力信号の終端部分の端点処理が行われて
いることを表す。
【0159】輝度信号については、ステータスカウンタ
51のカウント値が1447のときのフィルタ演算を考
える。このとき、ステータスカウンタ51のカウント値
の下位2ビットが2’b11なので、セレクタS0はラ
ッチ素子L1の出力Y(719)を選択する。更に、ス
テータスカウンタ51のカウント値が1447で、14
40から1447までの間にあるので、セレクタS1は
セレクタS0の出力を選択し、結果としてd(12)=Y
(719)となる。また、このとき、図13より、d
(10)=Y(719),d(8)=Y(719),d
(6A)=Y(719),d(6S)=Y(719),
d(4)=Y(718),d(2)=Y(717),d
(0)=Y(716)となる。また、このとき、ステー
タスカウンタ51のカウント値の下位2ビットが2’b
11なので、Yに対する係数CY(0),CY(1),
CY(2),CY(3)が乗算器MP0,MP1,MP
2,MP3に対してそれぞれ出力される。このときのフ
ィルタの演算式は以下のようになる。
【0160】AY (719) =CY (0) ×{Y (71
6) +Y (719) }+CY (1) ×{Y (717) +
Y (719) }+CY (2) ×{Y (718) +Y (7
19) }+CY (3) ×{Y (719) +Y (719)
【0161】これは輝度信号Yについて、センタタップ
に対して入力信号の終端部分の端点処理が行われている
ことを表す。
【0162】同様に色差信号Crについては、ステータ
スカウンタが1446のときについて考えると、このと
きのフィルタの演算式は以下のようになる。
【0163】ACr (359) =CCr (0) ×{Cr
(358) +Cr (359) }+CCr (1) ×{Cr
(359) +Cr (359) }
【0164】これは色差信号Crについて、センタータ
ップに対して入力データの終端部分の端点処理が行われ
ていることを表す。
【0165】以上説明したように、本実施の形態に係る
フィルタによれば、偶数タップ対称係数フィルタにおい
て、4:2:2ディジタルコンポーネント信号について
先頭部分および終端部分の端点処理が可能となり、入力
信号の両端部分のフィルタリング時におけるリンギング
等の問題の発生を防止することができる。本実施の形態
におけるその他の構成、動作および効果は第4の実施の
形態と同様である。
【0166】次に、本発明の第6の実施の形態に係るフ
ィルタについて説明する。本実施の形態に係るフィルタ
は、奇数タップ対称係数2:1ダウンサンプリングフィ
ルタの例である。2:1ダウンサンプリングフィルタ
は、例えば輝度信号について27MHzでA/D変換し
たデータに対して、ダウンサンプリングを行って13.
5MHzに変換し、4:2:2ディジタルコンポーネン
ト信号にする場合等に用いられる。よって、本実施の形
態に係るフィルタに対する入力信号(被フィルタリング
信号)は4:2:2ディジタルコンポーネント信号では
ない。
【0167】図14は本実施の形態に係るフィルタの構
成を示すブロック図である。本実施の形態に係るフィル
タは、基本的な構成は第4の実施の形態に係るフィルタ
と同様であるが、以下の点で異なっている。すなわち、
本実施の形態に係るフィルタでは、第4の実施の形態に
おけるセレクタS4は設けられておらず、新たに、各サ
イクル毎に使用する遅延素子の数を切り換えるために、
遅延素子D5の出力信号d(4S)と遅延素子D6Bの
出力信号d(6S)のいずれかを選択して、遅延素子D
4および加算器AD2に対する入力信号d(4)として
出力するセレクタS3と、遅延素子D6Bと加算器AD
5との間に介装され、センタタップへの加算を制御する
ために、遅延素子D6Bの出力信号d(6S)と信号
“0”のいずれかを選択して、加算器AD5に対する入
力信号d(6)として出力するセレクタS5と、加算器
AD3の出力信号a(0)を1サイクル分遅延する遅延
素子D0と、この遅延素子D0の出力信号a(1)と加
算器AD3の出力信号a(0)とを加算してフィルタの
出力信号a(2)として出力する加算器AD4とを備え
ると共に、第4の実施の形態におけるタイミング発生部
40の代わりにタイミング発生部60が設けられてい
る。
【0168】タイミング発生部60は、入力信号の先頭
データでカウント値が0に初期化されると共に1サイク
ル毎にカウント値を1ずつインクリメントするステータ
スカウンタ61と、各乗算器MP0〜MP3の各係数c
(0)〜c(3)として選択的に使用される複数の数値
を入力し、ステータスカウンタ61のカウント値に応じ
て、これらの数値の中から各係数c(0)〜c(3)と
して使用する数値を選択して各乗算器MP0〜MP3に
与える係数選択部62と、ステータスカウンタ61のカ
ウント値に応じて、セレクタS3,S5を制御するため
の制御信号s(3),s(5)を発生する制御信号発生
部63とを有している。
【0169】本実施の形態に係るフィルタでは、乗算器
MP0〜MP3における係数は、15タップ対称係数で
あるので、CC(0)=CC(14),CC(1)=CC
(13),CC(2)=CC(12),CC(3)=CC
(11),CC(4)=CC(10),CC(5)=CC
(9),CC(6)=CC(8),CC(7)の8種類
があり、下記の表5に従って、ステータスカウンタ61
の下位1ビットに応じて、乗算器MP0,MP1,MP
2,MP3に対して選択出力される。
【0170】
【表5】
【0171】セレクタS3は、ステータスカウンタ61
のカウント値の下位1ビットに従って制御信号発生部6
3から出力される制御信号s(3)によって、遅延素子
D6Bの出力信号d(6S)と遅延素子D5の出力信号
d(4S)のいずれかを選択し、遅延素子D4,加算器
AD2に対する入力信号d(4)を出力する。セレクタ
S3は、具体的には、ステータスカウンタ61のカウン
ト値の下位1ビットが0のときに信号d(4S)を選択
し、1のときに信号d(6S)を選択する。
【0172】セレクタS5は、ステータスカウンタ61
のカウント値の下位1ビットに従って制御信号発生部6
3から出力される制御信号s(5)によって、遅延素子
D6Bの出力信号d(6S)と信号“0”のいずれかを
選択し、加算器AD5に対する入力信号d(6)を出力
する。セレクタS5は、具体的には、ステータスカウン
タ61のカウント値の下位1ビットが0のときに信号d
(6S)を選択し、1のときに信号“0”を選択する。
【0173】図14に示した構成において、遅延素子D
0および加算器AD4を除いた部分が本発明におけるフ
ィルタ部に対応し、遅延素子D0および加算器AD4
が、このフィルタ部のnサイクル分(本実施の形態では
2サイクル分)の出力を足し合わせて出力する出力手段
に対応する。
【0174】次に、図15のタイミングチャートを参照
して、本実施の形態に係るフィルタにの動作について説
明する。図15は、ステータスカウンタ61の状態と入
力信号および各信号d(12),d(10),d(8),d
(6A),d(6S),d(6),d(4S),d
(4),d(2),d(0),a(0)〜a(2)との
関係を示したものである。
【0175】ステータスカウンタ61のカウント値の下
位1ビットが0のときには、セレクタS3は信号d(4
S)を選択するので、遅延素子D0および加算器AD4
を除いたフィルタ部は、第4の実施の形態に係るフィル
タと同様に、8タップ対称係数フィルタとして機能す
る。一方、ステータスカウンタ61のカウント値の下位
1ビットが1のときには、セレクタS3は信号d(6
S)を選択するので、遅延素子D5,D6は使用され
ず、フィルタ部は、7タップ対称係数フィルタとして機
能する。フィルタ部における2サイクル分のフィルタ演
算の結果は、遅延素子D0および加算器AD4によって
加算されて、フィルタの出力信号a(2)として出力さ
れるので、本実施の形態に係るフィルタは、15タップ
対称係数フィルタとして機能する。なお、このフィルタ
では、ステータスカウンタ61のカウント値の下位1ビ
ットが0のときに15タップ対称係数フィルタとしての
フィルタ演算結果が得られ、ステータスカウンタ61の
カウント値の下位1ビットが1のときには意味のない結
果が得られる。
【0176】以下、本実施の形態に係るフィルタの動作
を具体的に説明する。まず、ステータスカウンタ61の
カウント値が(2n+7)のときについて説明する。こ
のとき、入力信号はX(2n+7)で、これが遅延素子
D12,加算器AD0の入力信号d(12)となる。信号
は、各遅延素子により1サイクルずつ遅延され、遅延素
子D10,加算器AD1の入力信号d(10)はX(2n+
5)となり、同様に遅延素子D8,加算器AD2の入力
信号d(8)はX(2n+3)、遅延素子D6A,加算
器AD5の入力信号d(6A)はX(2n+1)とな
る。このとき、ステータスカウンタ61のカウント値の
下位1ビットが1であるので、セレクタS5は信号
“0”を選択し、加算器AD5の入力信号d(6)とす
る。信号d(6S)はX(2n−1)、信号d(4S)
はX(2n−3)となるが、ステータスカウンタ61の
下位1ビットが1であるので、セレクタS3は信号d
(6S)を選択し、遅延素子D4,加算器AD2に対し
てX(2n−1)を出力する。以下、遅延素子D4〜D
1に従って、遅延素子D2,加算器AD1の入力信号d
(2)はX(2n−3)、加算器AD0の入力信号d
(0)はX(2n−5)となる。
【0177】また、ステータスカウンタ61のカウント
値の下位1ビットが1であるので、乗算器MP0,MP
1,MP2,MP3の係数は、それぞれ表5より、CC
(1)=CC(13),CC(3)=CC(11),CC
(5)=CC(9),CC(7)となる。よって、加算
器AD3の出力信号a(0)は、次式のようになる。
【0178】a(0)=CC (1) ×{X (2n−5)
+X (2n+7) }+CC (3) ×{X (2n−3) +
X (2n+5) }+CC (5) ×{X (2n−1) +X
(2n+3) }+CC (7) ×X (2n+1)
【0179】同様に、ステータスカウンタが (2n+
8) のときについて説明する。このとき、入力信号はX
(2n+8) で、これが遅延素子D12,加算器AD0の
入力信号d(12)となる。信号は、各遅延素子により1
サイクルずつ遅延され、遅延素子D10,加算器AD1の
入力信号d(10)はX(2n+6)となり、同様に遅延
素子D8,加算器AD2の入力信号d(8)はX(2n
+4)、遅延素子D6A,加算器AD5の入力信号d
(6A)はX(2n+2)となる。ステータスカウンタ
61のカウント値の下位1ビットが1であるので、セレ
クタS5は信号d(6S)を選択し、結果として加算器
AD5の入力はX(2n)となる。信号d(6S)はX
(2n)、信号d(4S)はX(2n−2)となるが、
ステータスカウンタ61のカウント値の下位1ビットが
0であるので、セレクタS3は信号d(4S)を選択
し、遅延素子D4,加算器AD2に対してX(2n−
2)を出力する。以下、遅延素子D4〜D1に従って、
遅延素子D2,加算器AD1の入力信号d(2)はX
(2n−4)、加算器AD0の入力信号d(0)はX
(2n−6)となる。
【0180】また、ステータスカウンタ61の下位1ビ
ットが0であるので、乗算器MP0,MP1,MP2,
MP3の係数は、それぞれ表5より、CC(0)=CC
(14),CC(2)=CC(12),CC(4)=CC
(10),CC(6)=CC(8)となる。よって、加算
器AD3の出力信号a(0)は、次式のようになる。
【0181】a(0)=CC (0) ×{X (2n−6)
+X (2n+8) }+CC (2) ×{X (2n−4) +
X (2n+6) }+CC (4) ×{X (2n−2) +X
(2n+4) }+CC (6) ×{X (2n) +X (2n
+2) }
【0182】一方、加算器AD3の出力信号a(0)
は、遅延素子D0によって1サイクル分遅延される。ま
た、加算器AD4は、加算器AD3の出力信号a(0)
と遅延素子D0の出力信号a(1)とを加算し、フィル
タの出力信号a(2)を出力する。
【0183】いま、ステータスカウンタ61のカウント
値が(2n+8)のときについて考えると、加算器AD
3の出力は、上式のようになる。このとき、遅延素子D
0の出力信号a(1)は、ステータスカウンタ61のカ
ウント値が(2n+7)のときの加算器AD3の出力と
同じであり、次式のようになる。
【0184】CC (1) ×{X (2n−5) +X (2n
+7) }+CC (3) ×{X (2n−3) +X (2n+
5) }+CC (5) ×{X (2n−1) +X (2n+
3) }+CC (7) ×X (2n+1)
【0185】よって、ステータスカウンタ61のカウン
ト値が (2n+8) のときの加算器AD4の出力信号a
(2)は、次式のようになる。
【0186】a(2)=CC (0) ×{X (2n−6)
+X (2n+8) }+CC (1) ×{X (2n−5) +
X (2n+7) }+CC (2) ×{X (2n−4) +X
(2n+6) }+CC (3) ×{X (2n−3) +X
(2n+5) }+CC (4) ×{X (2n−2) +X
(2n+4) }+CC (5) ×{X (2n−1) +X
(2n+3) }+CC (6) ×{X (2n) +X (2n
+2) )+CC (7) ×X (2n+1)
【0187】この式は、15タップ対称係数フィルタの
演算式である。このように、本実施の形態に係るフィル
タでは、ステータスカウンタ61のカウント値の下位1
ビットが0のときに、15タップ対称係数フィルタの演
算出力が得られる。ちなみに、ステータスカウンタ61
のカウント値の下位1ビットが1のときは、意味のない
結果が得られる。このように、本実施の形態に係るフィ
ルタは、2サイクル周期で15タップ対称係数フィルタ
の演算出力が得られるので、入力信号に対してフィルタ
リングと2:1ダウンサンプリングとを行っていること
になる。
【0188】以上説明したように本実施の形態に係るフ
ィルタによれば、4個の乗算器AD0〜AD3を用いて
15タップ対称係数2:1ダウンサンプリングフィルタ
を構成でき、入力信号に対してフィルタリングとダウン
サンプリングとを行う場合の回路規模および信号の遅延
量を小さくすることができる。本実施の形態におけるそ
の他の構成および動作は第4の実施の形態と同様であ
る。
【0189】なお、本発明は上記各実施の形態に限定さ
れず、例えば、各実施の形態では4個の乗算器を使用し
たが、本発明は、乗算器の数は4個に限らず、それより
も少ない場合、多い場合のいずれにも適用することがで
きる。
【0190】また、第1,第2,第4および第5の各実
施の形態では、被フィルタリング信号を、4:2:2デ
ィジタルコンポーネント信号としたが、本発明は、これ
以外の、複数種類の信号が時間多重されてなる信号にも
適用することができる。4:2:2ディジタルコンポー
ネント信号は、大きく分けて輝度信号と色差信号の2種
類の信号が時間多重された信号であるので、第1,第
2,第4および第5の各実施の形態では、各タップ間の
遅延量を2サイクル分としたが、被フィルタリング信号
がN種類の信号が時間多重されてなる信号の場合には、
各タップ間の遅延量をNサイクル分とすれば良い。
【0191】また、第3および第6の各実施の形態で
は、被フィルタリング信号を2:1ダウンサンプリング
する例を挙げたが、nを3以上の整数としてn:1ダウ
ンサンプリングするようにフィルタを構成しても良い。
この場合には、各タップ間の遅延量をnサイクル分と
し、各サイクル毎に乗算器の係数を切り換え、nサイク
ル分の出力を足し合わせて出力するようにすれば良い。
【0192】また、上記各実施の形態では、入力信号お
よび入力信号を所定時間ずつ遅延した複数の信号に対し
て乗算器で所定の係数を乗算し、各乗算器の出力を加算
器で加算してフィルタの出力とするように構成したが、
フィルタの演算式が同じになれば他の構成でも良い。例
えば、信号を所定時間ずつ遅延する遅延素子と加算器と
をこの順番で交互に縦続接続し、入力信号を複数の乗算
器に入力し、一つの乗算器の出力を初段の遅延素子に入
力すると共に、他の乗算器の出力をそれぞれ別個の加算
器に入力し、最終段の加算器の出力をフィルタと出力と
するように構成しても良い。
【0193】また、各実施の形態では対称係数フィルタ
の例を挙げたが、本発明は非対称係数のフィルタにも適
用することができる。また、各実施の形態ではFIR
(有限インパルス応答)フィルタの例を挙げたが、本発
明はIIR(無限インパルス応答)フィルタにも適用す
ることができる。
【0194】
【発明の効果】以上説明したように請求項1ないし4の
いずれかに記載のディジタルフィルタによれば、遅延手
段が、被フィルタリング信号中における同種類の信号の
繰り返し周期だけ、信号を遅延させるようにしたので、
遅延手段の入力信号と出力信号は共に被フィルタリング
信号中における同種類の信号となり、被フィルタリング
信号中の複数種類の信号を、それぞれ独立に、時系列的
にフィルタリングすることが可能となり、その結果、複
数種類の信号が時間多重されてなる被フィルタリング信
号に対して、入出力段でフォーマット変換を行うことな
くフィルタリングを行うことができ、回路規模および信
号の遅延量を小さくすることができるという効果を奏す
る。
【0195】また、請求項2記載のディジタルフィルタ
によれば、乗算手段における係数を、乗算手段に入力さ
れる信号の種類に応じて切り換える係数切り換え手段を
備えたので、請求項1記載のディジタルフィルタの効果
に加え、被フィルタリング信号中の各種類の信号に対し
て、それぞれ異なるフィルタ特性に設定することができ
るという効果を奏する。
【0196】また、請求項4記載のディジタルフィルタ
によれば、被フィルタリング信号中における各種類の信
号についてそれぞれ両端のデータを保持する保持手段
と、被フィルタリング信号の両端部分のフィルタリング
時に、被フィルタリング信号に基づかないデータを保持
手段によって保持されたデータに置き換える置換手段と
を備えたので、請求項1記載のディジタルフィルタの効
果に加え、被フィルタリング信号の両端部分のフィルタ
リング時にリンギング等が生じないようにする端点処理
が可能となるという効果を奏する。
【0197】また、請求項5記載のディジタルフィルタ
によれば、フィルタ部において各サイクル毎に乗算手段
における係数を所定の値に設定して、被フィルタリング
信号に対してフィルタリングを行い、出力手段によって
フィルタ部のnサイクル分の出力を足し合わせて出力す
るようにしたので、被フィルタリング信号に対してフィ
ルタリングを行いながらダウンサンプリングを行うこと
が可能となり、被フィルタリング信号に対してフィルタ
リングとダウンサンプリングとを行う場合の回路規模お
よび信号の遅延量を小さくすることができるという効果
を奏する。
【0198】また、請求項6記載のディジタルフィルタ
によれば、フィルタ部において各サイクル毎に使用する
遅延手段の数を切り換えると共に各乗算手段における係
数を所定の値に設定して、被フィルタリング信号に対し
てフィルタリングを行い、出力手段によってフィルタ部
のnサイクル分の出力を足し合わせて出力するようにし
たので、被フィルタリング信号に対してフィルタリング
を行いながらダウンサンプリングを行うことが可能とな
り、被フィルタリング信号に対してフィルタリングとダ
ウンサンプリングとを行う場合の回路規模および信号の
遅延量を小さくすることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るフィルタの構
成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係るフィルタの動
作を説明するための説明図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係るフィルタが適
用されるシステムの一例を示すブロック図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態に係るフィルタの構
成を示すブロック図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態に係るフィルタにお
ける入力信号の先頭部分に対する端点処理を説明するた
めの説明図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態に係るフィルタにお
ける入力信号の終端部分に対する端点処理を説明するた
めの説明図である。
【図7】本発明の第3の実施の形態に係るフィルタの構
成を示すブロック図である。
【図8】本発明の第3の実施の形態に係るフィルタの動
作を説明するための説明図である。
【図9】本発明の第4の実施の形態に係るフィルタの構
成を示すブロック図である。
【図10】本発明の第4の実施の形態に係るフィルタの
動作を説明するための説明図である。
【図11】本発明の第5の実施の形態に係るフィルタの
構成を示すブロック図である。
【図12】本発明の第5の実施の形態に係るフィルタに
おける入力信号の先頭部分に対する端点処理を説明する
ための説明図である。
【図13】本発明の第5の実施の形態に係るフィルタに
おける入力信号の終端部分に対する端点処理を説明する
ための説明図である。
【図14】本発明の第6の実施の形態に係るフィルタの
構成を示すブロック図である。
【図15】本発明の第6の実施の形態に係るフィルタの
動作を説明するための説明図である。
【図16】対称係数フィルタの構成の一例を示すブロッ
ク図である。
【図17】対称係数フィルタの構成の他の例を示すブロ
ック図である。
【図18】フィルタの入出力段でフォーマット変換を行
うシステムの構成を示すブロック図である。
【図19】図18に示したシステムの動作を説明するた
めの説明図である。
【符号の説明】
D1〜D12…遅延素子、AD0〜AD3…加算器、MP
0〜MP3…乗算器、10…タイミング発生部、11…
ステータスカウンタ、12…係数選択部

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも、信号を所定の遅延時間だけ
    遅延させる1以上の遅延手段と、信号に対して所定の係
    数を乗算する1以上の乗算手段とを含み、これらを用い
    て被フィルタリング信号に対して所定の演算を行ってフ
    ィルタリングを行うディジタルフィルタにおいて、 前記被フィルタリング信号は、複数種類の信号が時間多
    重されてなる信号であり、 前記遅延手段は、前記被フィルタリング信号中における
    同種類の信号の繰り返し周期だけ、信号を遅延させるこ
    とを特徴とするディジタルフィルタ。
  2. 【請求項2】 前記乗算手段における係数を、乗算手段
    に入力される信号の種類に応じて切り換える係数切り換
    え手段を備えたことを特徴とする請求項1記載のディジ
    タルフィルタ。
  3. 【請求項3】 前記被フィルタリング信号は、4:2:
    2ディジタルコンポーネント信号であることを特徴とす
    る請求項1記載のディジタルフィルタ。
  4. 【請求項4】 前記被フィルタリング信号中における各
    種類の信号についてそれぞれ両端のデータを保持する保
    持手段と、被フィルタリング信号の両端部分のフィルタ
    リング時に、被フィルタリング信号に基づかないデータ
    を前記保持手段によって保持されたデータに置き換える
    置換手段とを備えたことを特徴とする請求項1記載のデ
    ィジタルフィルタ。
  5. 【請求項5】 所望のサンプリング周波数の2以上の整
    数n倍のサンプリング周波数の被フィルタリング信号に
    対してフィルタリングを行うディジタルフィルタであっ
    て、 少なくとも、信号をnサイクル分だけ遅延させる1以上
    の遅延手段と信号に対して所定の係数を乗算する1以上
    の乗算手段とを含み、各サイクル毎に前記乗算手段にお
    ける係数を所定の値に設定して、前記被フィルタリング
    信号に対してフィルタリングを行うフィルタ部と、 このフィルタ部のnサイクル分の出力を足し合わせて出
    力する出力手段とを備えたことを特徴とするディジタル
    フィルタ。
  6. 【請求項6】 所望のサンプリング周波数の2以上の整
    数n倍のサンプリング周波数の被フィルタリング信号に
    対してフィルタリングを行うディジタルフィルタであっ
    て、 少なくとも、信号をnサイクル分だけ遅延させる縦続接
    続された複数の遅延手段とそれぞれ信号に対して所定の
    係数を乗算する複数の乗算手段とを含み、各サイクル毎
    に使用する遅延手段の数を切り換えると共に各乗算手段
    における係数を所定の値に設定して、前記被フィルタリ
    ング信号に対してフィルタリングを行うフィルタ部と、 このフィルタ部のnサイクル分の出力を足し合わせて出
    力する出力手段とを備えたことを特徴とするディジタル
    フィルタ。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001051672A (ja) * 1999-08-05 2001-02-23 Neucore Technol Inc 画像処理装置
US8189932B2 (en) 2006-05-16 2012-05-29 Sony Corporation Image processing apparatus and image processing method
WO2012157427A1 (ja) * 2011-05-17 2012-11-22 日本電気株式会社 ディジタルフィルタ回路

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