JPH10280062A - マグネシウム合金の精製方法 - Google Patents

マグネシウム合金の精製方法

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JPH10280062A
JPH10280062A JP10109197A JP10109197A JPH10280062A JP H10280062 A JPH10280062 A JP H10280062A JP 10109197 A JP10109197 A JP 10109197A JP 10109197 A JP10109197 A JP 10109197A JP H10280062 A JPH10280062 A JP H10280062A
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magnesium alloy
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Shigeru Akiyama
茂 秋山
Hidetoshi Ueno
英俊 上野
Mitsuru Sakamoto
満 坂本
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 難燃性マグネシウム合金を鋳造した場合の機
械的強度を向上させるために、その中に含まれているき
ょう雑物を効果的に除去する方法を提供する。 【解決手段】 マグネシウム合金を溶融状態において、
少なくとも30秒間、圧力0.1〜50Torr程度で
真空脱気することにより、該合金中のきょう雑物を除去
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マグネシウム合金
特にカルシウムを含有する難燃性マグネシウム合金から
きょう雑物を除去して精製する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】マグネシウムやその合金は種々の用途に
用いられており、特にマグネシウム合金は、実用金属材
料中最も軽量である上、切削性が良好で、かつ強度/密
度比が高いことから、航空機材料や自動車材料などとし
て用いられている。そして、このマグネシウム合金とし
ては、例えばMg−Al系、Mg−Mn系、Mg−Zn
系、Mg−Al−Zn系、Mg−Zn−Zr系などが知
られている。
【0003】本発明者らは、先にマグネシウム又は前記
マグネシウム合金にカルシウムを添加することにより、
難燃性マグネシウム合金を製造しうることを見出した
が、このカルシウムを添加すると、酸化物などのきょう
雑物が混入し、マグネシウム合金を鋳造した場合、その
機械的強度を低下させるという問題が生じる。そのた
め、溶融状態の難燃性マグネシウム合金に不活性ガスを
吹き込み、気泡に随伴させて酸化物のようなきょう雑物
を浮上させたり、金網などを用いてろ過したり、あるい
は塩素系又はフッ素系フラックスを用いて、きょう雑物
をその中に取り込むことにより、混入するきょう雑物を
除去することが行われている。
【0004】しかしながら、これらの方法では、難燃性
マグネシウム合金中のきょう雑物を完全に取り除くこと
は困難で、鋳造した場合、その引張り強度の向上はほと
んど認められない。また、このきょう雑物の除去を完全
に行うために、長時間処理すると、流動性が低下して金
網の目詰りを生じたり、フラックス中の塩化物やフッ化
物などによる作業環境の悪化を生じる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
事情のもとで、難燃性マグネシウム合金を鋳造した場合
の機械的強度を向上させるために、その中に含まれてい
るきょう雑物を効果的に除去して、難燃性マグネシウム
合金を精製する方法を提供することを目的としてなされ
たものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、マグネシ
ウム合金からきょう雑物を効果的に除去する方法につい
て鋭意研究を重ねた結果、マグネシウム合金を溶融状態
で真空脱気することにより、意外にも合金中に含まれて
いるガスに随伴してきょう雑物が溶湯表面に浮上し、除
去されることにより、前記目的を達成しうることを見出
し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
【0007】すなわち、本発明は、マグネシウム合金を
溶融状態において、少なくとも30秒間真空脱気するこ
とを特徴とするマグネシウム合金の精製方法を提供する
ものである。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明方法は、マグネシウム又は
Mg−Al系、Mg−Mn系、Mg−Zn系、Mg−L
i系、Mg−Al−Zn系、Mg−Zn−Zr系、Mg
−Ce−Zr系などの公知の合金に対して、カルシウム
を0.1〜10重量%程度の割合で添加したものに対し
て、特に効果的であるが、カルシウムを含まないものに
対しても同じように用いることができる。
【0009】本発明においては、このマグネシウム合金
を、溶融状態において真空脱気するが、その際のマグネ
シウム合金の溶湯温度は、合金の種類に応じて適宜選定
されるが、通常700〜800℃の範囲である。また、
真空度については特に制限はないが、合金中のガスに随
伴させてきょう雑物を溶湯表面に効果的に浮上させるに
は50Torr以下の圧力が好ましい。しかし、あまり
真空度を高くしても、その割には効果の向上はみられ
ず、むしろ装置面で経済的に不利となるので、圧力の下
限は0.1Torr程度とするのがよい。真空脱気時間
は30秒間以上が必要であり、30秒間未満ではきょう
雑物は十分に除去されない。また、真空脱気時間があま
り長すぎても無意味であり、したがって、好ましい真空
脱気時間は30秒〜20分間の範囲で選ぶのが有利であ
る。
【0010】この真空脱気処理により、マグネシウム合
金中のきょう雑物は、合金中に含まれているガスに随伴
して溶湯表面に浮上し、取り除かれるので、この溶湯を
金型に流し込み鋳造したものは、機械的強度が向上す
る。また、耐食性の向上も期待できる。
【0011】
【発明の効果】本発明によれば、マグネシウム合金特に
カルシウムを含む難燃性マグネシウム合金からきょう雑
物を容易に取り除くことができ、その結果、該マグネシ
ウム合金を鋳造した場合、機械的強度が向上する。
【0012】
【実施例】次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説
明する。
【0013】比較例 ステンレス鋼製るつぼに、ダイカスト用マグネシウム合
金AZ91(Al 9重量%、Zn0.7重量%含有)
を入れたのち、蓋をし、これを700℃の電気炉中で加
熱し、マグネシウム合金を溶解させた。次いで、溶湯表
面の酸化物を取り除いたのち、カルシウムをマグネシウ
ム合金に対して、1、2及び5重量%の割合でそれぞれ
添加し、棒でかきまぜながら混合し、難燃性マグネシウ
ム合金とした。その後、5分間保持したのち、溶湯表面
の不純物を取り除いてから、舟型の金型に700℃の溶
湯を流し込み鋳造した。
【0014】次に、この鋳造材料を440℃で24時間
溶体化処理したのち、旋盤で引張り試験用の試験片に加
工し、引張り試験を行った。その結果を表1に示す。各
試験片の破断面を観察すると、いずれもきょう雑物の混
入がみられた。
【0015】実施例 比較例と同様にして、マグネシウム合金を溶解し、これ
にカルシウムを1、2及び5重量%の割合でそれぞれ添
加して難燃性マグネシウム合金としたのち、5分間保持
した。次いで、溶湯の入ったステンレス鋼製るつぼを鉄
製の真空容器に入れ、ロータリーポンプで1Torrま
で減圧し、この圧力下で2分間保持して真空脱気を行っ
た。その後、再度るつぼを電気炉に入れ、溶湯温度を高
め、舟型の金型に700℃の溶湯を流し込み鋳造した。
以下、比較例と同様にして溶体化処理を行ったのち、試
験片を作製し、引張り試験を行った。結果を表1に示
す。各試験片の破断面を観察すると、いずれもきょう雑
物の混入はみられなかった。
【0016】
【表1】
【0017】表1から分かるように、実施例のものは、
いずれも対応する比較例のものに比べて、引張り強度が
向上している。以上の結果、マグネシウム合金を溶融状
態において真空脱気することにより、きょう雑物が容易
に除去され、引張り強度が向上した健全な鋳物となるこ
とが分かる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マグネシウム合金を溶融状態において、
    少なくとも30秒間真空脱気することを特徴とするマグ
    ネシウム合金の精製方法。
  2. 【請求項2】 0.1〜50Torrの圧力下で脱気す
    る請求項1記載のマグネシウム合金の精製方法。
JP10109197A 1997-04-02 1997-04-02 難燃性マグネシウム合金の精製方法 Ceased JP3284232B2 (ja)

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