JPH10278644A - 車両用衝撃吸収シートの衝撃吸収方法および車両用衝撃吸収シート - Google Patents

車両用衝撃吸収シートの衝撃吸収方法および車両用衝撃吸収シート

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JPH10278644A
JPH10278644A JP9662797A JP9662797A JPH10278644A JP H10278644 A JPH10278644 A JP H10278644A JP 9662797 A JP9662797 A JP 9662797A JP 9662797 A JP9662797 A JP 9662797A JP H10278644 A JPH10278644 A JP H10278644A
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JP
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seat back
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shock absorbing
seat
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JP9662797A
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English (en)
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Hiromitsu Ogasawara
絋充 小笠原
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Tachi S Co Ltd
Original Assignee
Tachi S Co Ltd
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60NSEATS SPECIALLY ADAPTED FOR VEHICLES; VEHICLE PASSENGER ACCOMMODATION NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B60N2/00Seats specially adapted for vehicles; Arrangement or mounting of seats in vehicles
    • B60N2/24Seats specially adapted for vehicles; Arrangement or mounting of seats in vehicles for particular purposes or particular vehicles
    • B60N2/42Seats specially adapted for vehicles; Arrangement or mounting of seats in vehicles for particular purposes or particular vehicles the seat constructed to protect the occupant from the effect of abnormal g-forces, e.g. crash or safety seats
    • B60N2/427Seats or parts thereof displaced during a crash
    • B60N2/42709Seats or parts thereof displaced during a crash involving residual deformation or fracture of the structure

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  • Aviation & Aerospace Engineering (AREA)
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  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Chair Legs, Seat Parts, And Backrests (AREA)
  • Seats For Vehicles (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 衝撃エネルギーの吸収能力を高めることによ
って、後突時の衝撃により受ける着座者のダメージを一
層軽減する。 【構成】 一連の衝撃吸収孔40(40-1 〜40-4) と係合ピ
ン42との組み合わせからなる衝撃吸収素子44を、シート
バックフレーム14の後傾範囲にわたって作用可能に設け
ている。そして、係合ピン42による衝撃吸収孔40(40-1
〜40-4) の順次の段階的な破断変形により生じるこの衝
撃吸収素子44からの抵抗力を、回動アーム24に対する後
傾の際にシートバックフレーム14に付与することによっ
て、後突の際の衝撃エネルギーを吸収可能としている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、後突時における
衝撃エネルギーを吸収して、この衝撃からの着座者の保
護をはかる車両用衝撃吸収シートの衝撃吸収方法および
車両用衝撃吸収シートに関する。
【0002】
【従来の技術】自動車等の車両用シートにおいては、自
動車等の後方からの衝突、いわゆる後突時における着座
者の保護が、近年の注目課題となっている。そして、た
とえば、シートバックフレームの一部やリクライニング
装置等の一部に、強度の弱い部分、いわゆる強度脆弱部
を設け、後突時等の過大な衝撃エネルギーがシートに入
力されたとき、この強度脆弱部における座屈変形等によ
ってシートバックを強制的に後傾させ、この後傾による
衝撃エネルギーの吸収によって着座者に加わる衝撃を低
減させる、いわゆる衝撃吸収シートが、自動車等の車両
用シートとして提供されている。
【0003】このような衝撃吸収シートとして、たとえ
ば、特開平07−132767号公報に開示の構成が知られてい
る。この公知の構成においては、リクライニング装置の
ブラケットの一部に、蛇行した補強リブ部が設けられ、
この補強リブ部での座屈変形を伴うシートバックの後傾
によって、後突時における衝撃エネルギーの吸収をはか
っている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した補
強リブ等のような強度脆弱部においては、衝撃の発生の
もとで一旦変形し始めるとその変形抵抗は小さくなると
いう特性を持っている。つまり、後突の際の衝撃が作用
すると、シートバックフレームの強度脆弱部での座屈変
形がその開始から直ちに完了しようとするため、シート
バックフレームの後傾が高速になりやすい。
【0005】そのため、公知の構成においては、強度脆
弱部での座屈変形に伴ったシートバックの後傾過程にお
ける衝撃エネルギーの吸収能力が小さくなる虞れがあ
り、吸収しきれない残留エネルギーにより、着座者がダ
メージを受けることも考えられる。
【0006】この発明は、衝撃エネルギーの吸収能力を
高めることによって、後突時の衝撃により受ける着座者
のダメージを一層軽減する車両用衝撃吸収シートの衝撃
吸収方法および車両用衝撃吸収シートの提供を目的とし
ている。
【0007】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に、この発明の車両用衝撃吸収シートの衝撃吸収方法に
よれば、回動アームに対するシートバックフレームの後
傾角度の増加に従って発生抵抗力の減少する所定の衝撃
吸収素子を、シートバックフレームの後傾範囲にわたっ
て強度脆弱部とは別に設けている。そして、この衝撃吸
収素子からの抵抗力を回動アームに対する後傾の際にシ
ートバックフレームに付与することによって、後突の際
の衝撃エネルギーを対応範囲にわたって吸収する。ま
た、この衝撃吸収素子によって、シートバックフレーム
の後傾量を規定可能とする。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながらこの発
明の実施の形態について詳細に説明する。
【0009】図1、図2に示すように、この発明の実施
の一形態に係る車両用衝撃吸収シート10においては、シ
ートバック12の骨格を形成するシートバックフレーム14
のサイドブラケット16が、取り付けボルト18と、この取
り付けボルトの前部に位置するリベット20とによる2点
止めのもとで、リクライニング装置22の回動アーム24に
一体的に連結されている。
【0010】シートバックフレーム14は、たとえば、そ
の側端部をなす左右一対のサイドブラケット16と、この
サイドブラケットの上部に一体的に固定された略コ字形
状のパイプフレーム26との組み合わせを有し、左右のサ
イドブラケットの背部間を上下の連結部材28で連結して
組み立てられている。そして、左右のサイドブラケット
16の背部間に、S ばね等からなる架設弾性支持部材30が
架設、張設されるとともに、このS ばね等の前面に、ウ
レタンフォーム材等からなるシートパッド(図示しな
い)が配置され、その全体を表皮等よりなるトリムカバ
ー(図示しない)で被覆することによって着座者の上
体、特に胸部ないし腰部を背後から弾性的に支持可能と
するシートバック12が形成されている。
【0011】なお、図2に示すように、S ばね等(架設
弾性支持部材)30の各端末は、たとえば、サイドブラケ
ット16の背面部の部分的な切起しによって形成された係
止片32により係止、保持される。
【0012】図1、図2に示すように、たとえば、補強
板34が、溶接等による固着によって、シートバックフレ
ームのサイドブラケット16の内面に一体的に設けられ、
この補強板の後部位置の内面に、固着ナット(図示しな
い)が溶接等によって一体的に固定されている。そし
て、この固着ナットへの取り付けボルト18の螺着、およ
び、その前部におけるリベット20のカシメによって、シ
ートバックフレームのサイドブラケット16は、リクライ
ニング装置の回動アーム24に対して一体的に連結されて
いる。
【0013】なお、リクライニング装置22としては公知
のものが利用でき、このリクライニング装置自体はこの
発明の趣旨でないため、ここでは詳細に説明しない。こ
の種のリクライニング装置22として、たとえば、特開昭
62−026008号公報に開示のものが例示できる。
【0014】また、図2に示すように、シートバックフ
レーム14は、たとえば、筒状体としてなる左右一対のス
テーブラケット36をパイプフレーム26の上端に一体的に
有して形成され、このステーブラケットを介して、着座
者の頭部を支持するヘッドレスト(図示しない)がシー
トバックフレーム、つまりはシートバック12の上端に装
着可能となっている。
【0015】ここで、図1、図2に示すように、この衝
撃吸収シート10においては、シートバックフレームのサ
イドブラケット16の側面部に、たとえば、三角形状の拡
孔38が形成されている。この拡孔38は、後突の際の衝撃
の入力のもとで座屈変形する強度脆弱部として機能可能
に、着座者の上体の可撓部位、つまりは腰椎に相当する
高さに合わせて設けられる。
【0016】そして、この発明の実施の一形態において
は、たとえば、略楕円形の一連の衝撃吸収孔40-1〜40-4
が、この拡孔38の前部で取り付けボルト18を中心とする
ほぼ円弧上に配設されている。図1を見るとわかるよう
に、この一連の衝撃吸収孔40-1〜40-4の穿孔ピッチ、つ
まり、衝撃吸収孔40-1、40-2 間の穿孔ピッチL1、衝撃吸
収孔40-2、40-3 間の穿孔ピッチL2および衝撃吸収孔40-
3、40-4 間の穿孔ピッチL3は、L1>L2>L3の関係とし
て、下方に行くに従って、つまりはシートバックフレー
ム14の後傾の増大に従って狭くなるように設定されてい
る。
【0017】更に、リベット20より高い剛性を持つ係合
ピン42が、衝撃吸収孔40(40-1 〜40-4) に係合可能な係
合部材として、最上段の衝撃吸収孔40-1への挿通を伴っ
て、回動アーム24に一体的に突設され、この係合ピンと
一連の衝撃吸収孔40(40-1 〜40-4) との組み合わせが、
シートバックフレーム14の後傾の際にシートバックフレ
ームに抵抗力を付与する衝撃吸収素子44として、この発
明の実施の一形態における衝撃吸収シート10に設けられ
ている。
【0018】このような構成の衝撃吸収シート10におい
て、自動車の後突が発生すると、その衝撃に起因して後
方移動した着座者の上体からの荷重を、まず、図1に示
す初期状態のシートバックフレーム14で受ける。そし
て、その荷重が拡孔38の剛性を越えると、この拡孔での
座屈変形が生じ、これによって、シートバックフレーム
14の変形、後傾が開始される(図3参照)。
【0019】すると、次に、シートバックフレーム14
は、リベット20のせん断を伴う取り付けボルト18を中心
とした後方への回動により後傾しようとする。ここで、
この発明の実施の一形態においては、回動アームの係合
ピン42が、サイドブラケットの衝撃吸収孔40-1への挿通
を伴って配設されているため、シートバックフレーム14
が取り付けボルト18を中心として後傾しようとすると、
その荷重が係合ピンを介して衝撃吸収孔40-1、40-2 間の
障壁に作用し、この障壁を変形、破断して、つまりは衝
撃吸収孔40-1を破断変形して、図3に示すように、係合
ピンは最上段の衝撃吸収孔40-1から次段の衝撃吸収孔40
-2に移動する。つまり、シートバックフレーム14は、後
突の際における衝撃の作用のもとで、衝撃吸収孔40-1、4
0-2 間の穿孔ピッチL1に応じた量に拡孔38での座屈変形
に起因する後傾量を加えた角度だけ、一旦後傾する。
【0020】衝撃吸収孔40-2に移行した係合ピン42は、
衝撃の作用に伴うシートバックフレーム14の後傾によっ
て衝撃吸収孔40-2、40-3 間の障壁に押し付けられ、この
障壁の変形、破断を行う、上述した動作と同様の動作に
より、次段の衝撃吸収孔40-3に移動するとともに、同様
に、衝撃吸収孔40-3、40-4 間の障壁の変形、破損を伴っ
て、最下段の衝撃吸収孔40-4に順次移動する(図4参
照)。
【0021】このように、後突の際の衝撃がシートバッ
クフレーム14に入力されると、拡孔38の座屈変形、およ
び、リベット20のせん断を伴ったシートバックフレーム
の後傾により、係合ピン42は衝撃吸収孔40(40-1 〜40-
4)の破断変形を伴って、各衝撃吸収孔を順次下方に移
動する。そして、このような動作においては、シートバ
ックフレーム14に作用した衝撃エネルギーが、拡孔38で
の座屈変形、リベット20の破断、および、上下で隣接す
る衝撃吸収孔40(40-1 〜40-4) 間の障壁、つまりは穿孔
ピッチL1〜L3での障壁の変形、破断を伴ったシートバッ
クフレームの後傾の都度、順次吸収される。
【0022】つまり、衝撃の作用に伴う強度脆弱部の座
屈変形のみによって衝撃エネルギーを吸収しようとする
公知の構成と異なり、この発明の車両用衝撃吸収シート
の衝撃吸収方法においては、後突の際の衝撃に起因する
シートバックフレーム14の後傾を、一連の衝撃吸収孔40
(40-1 〜40-4)と係合ピン42との組み合わせからなる衝
撃吸収素子44からの抵抗力のもとで規制しているため、
シートバックフレームの急激な後傾は防止される。
【0023】そして、後突の際の衝撃エネルギーを、係
合ピン42での衝撃吸収孔40(40-1 〜40-4) の破断変形を
伴うシートバックフレーム14の断続的な後傾の際に順次
吸収するとともに、その吸収範囲が、シートバックフレ
ームの後傾範囲にわたるため、この発明の衝撃吸収方法
によれば、衝撃エネルギーの吸収能力が高まり、着座者
の保護効果の向上により、着座者のダメージが一層低減
される。
【0024】そして、この発明においては、衝撃の作用
のもとで拡孔38での座屈変形およびリベット20のせん断
が生じ、この後の、取り付けボルト18を中心としたシー
トバックフレーム14の後傾のもとで、係合ピン42による
衝撃吸収孔40(40-1 〜40-4)の破断変形を行うため、シ
ートバックフレームの後傾開始荷重の明確化が容易に可
能となる。従って、衝撃吸収孔40(40-1 〜40-4) と係合
ピン42とによる衝撃吸収動作の誤動作が確実に防止でき
る。
【0025】また、衝撃吸収孔40(40-1 〜40-4) の穿孔
ピッチL1〜L3は、下方に行くに従って狭くなっている。
つまり、段階的に吸収されて小さくなる衝撃エネルギー
に応じた抵抗力をその位置の障壁に確保可能としている
ため、衝撃エネルギーの段階的な吸収を適切に可能とす
る衝撃吸収孔40が、この穿孔ピッチL1〜L3の変化によっ
て容易に得られる。
【0026】そして、この発明の実施の一形態における
車両用衝撃吸収シート10によれば、上記の衝撃吸収方法
が適切に遂行でき、後突の際の衝撃エネルギーの効率的
な吸収により、着座者の保護効果の向上が確実にはから
れる。
【0027】ここで、図4を見るとわかるように、最下
段の衝撃吸収孔40-4は、係合ピン42での押し付けのもと
で変形、破断可能な程度の障壁をその下部にもはや持た
ないため、最下段の衝撃吸収孔に移行した係合ピン42
は、この衝撃吸収孔の周縁に係止されて当該孔内に保持
される。つまり、以降のシートバックフレーム14の後傾
の阻止により、シートバックフレームの過剰な後傾に起
因する着座者のダメージの増大、および、シートからの
飛び出し等が確実に防止され、この点からも、着座者の
安全性が向上する。
【0028】また、この発明においては、着座者の可撓
部分である腰椎に相当する高さに拡孔38を設け、この拡
孔での座屈変形を伴ってシートバックフレームを後傾さ
せている。つまり、着座者の腰椎部分に相当する高さの
この拡孔部分が、シートバックフレーム14の後傾の際の
変曲点となるため、着座者の腰椎部分に集中しやすい衝
撃エネルギーの吸収がより効果的に行える。
【0029】更に、この発明においては、シートバック
フレームのサイドブラケット16の内面に補強板34を設
け、この補強板を介して取り付けボルト18、リベット20
を挿通しているため、リベットに対するサイドブラケッ
トの補強により、取り付けボルトを中心とした後傾に起
因するリベットのせん断が確実に得られる。また、この
補強板34は、取り付けボルト18に対するサイドブラケッ
ト16の補強も兼ねるため、取り付けボルトの回りでの変
形を伴うことなく、衝撃の作用に起因するシートバック
フレームの円滑な後傾が確保できる。
【0030】ここで、発明の実施の形態においては、衝
撃吸収孔40(40-1 〜40-4) を略楕円形状として具体化し
ているが、係合ピン42の挿通可能な形状であれば足りる
ため、これに限定されず、たとえば、略円形、略四角
形、略菱形等のような他の形状としてもよい。
【0031】また、この発明の実施の形態においては、
一連の衝撃吸収孔40が4個として具体化されているが、
この数はこれに限定されず、たとえば、3個、5個等の
他の数としてもよい。
【0032】ところで、この発明の車両用衝撃吸収シー
トの実施の別形態を、図5または図6に示す。この衝撃
吸収シート110 においては、上下方向に延びたテーパ状
衝撃吸収溝46と連結ボルト48との組み合わせが衝撃吸収
素子44として設けられている。
【0033】図5、図6を見るとわかるように、この衝
撃吸収シート110 においては、シートバックフレーム11
4 のサイドブラケット116 が、取り付けボルト18と、こ
の取り付けボルトの前部上方に位置する連結ボルト48と
による2点止めのもとで、リクライニング装置の回動ア
ーム24に一体的に連結されている。なお、取り付けボル
ト18は、サイドブラケット116 の内面に固着された固着
ナット50に螺着される。
【0034】そして、連結ボルト48は、たとえば、回動
アームサイドから、挿通孔52を介してサイドブラケット
116 に挿通され、サイドブラケットに内方において、ナ
ット54が螺着される。なお、サイドブラケットの挿通孔
52は、サイドブラケットの内面サイドにカーリング縁の
突設された、いわゆるカーリング孔として形成されてい
る。
【0035】ここで、この発明の実施の別形態において
は、サイドブラケットの挿通孔52の下部に、上下方向に
延びたテーパ状衝撃吸収溝46が設けられている、テーパ
状衝撃吸収溝46は、たとえば、連結ボルト48とほぼ同一
径を下端部の最大幅とするとテーパ形状の長孔として、
取り付けボルト18を中心とするほぼ円弧状に穿孔されて
いる。
【0036】このような構成の衝撃吸収シート110 にお
いて、自動車の後突が発生すると、その衝撃に起因して
後方移動した着座者の上体からの荷重を、まず、図5に
示す初期状態のシートバックフレーム114 で受ける。そ
して、その荷重が拡孔38の剛性を越えると、この拡孔で
の座屈変形が生じ、これによって、シートバックフレー
ム14の変形、後傾が開始される(図7参照)。
【0037】すると、シートバックフレーム114 は、取
り付けボルト18を中心とした回動のもとで後傾しようと
し、このとき、挿通孔54に挿通された連結ボルト48が当
該挿通孔下部の障壁を変形、破断して、図7に示すよう
に、テーパ状衝撃吸収溝46の上端部に移動する。つま
り、衝撃を受けたシートバックフレーム114 は、拡孔38
での座屈変形に起因する後傾量に挿通孔54の下部の障壁
幅に応じた後傾量を加えた角度だけ、一旦後傾する。
【0038】ここで、テーパ状衝撃吸収溝46は、連結ボ
ルト48の径とほぼ同一の溝幅を最大幅として下端部に有
するテーパ状に形成されているため、下端部より上方部
分の溝幅は連結ボルトの径より狭くなっている。つま
り、テーパ状衝撃吸収溝46の上端部に移動した連結ボル
ト48は、衝撃の作用に伴う、取り付けボルト18を中心と
したシートバックフレーム114 の後傾によって、テーパ
状衝撃吸収溝を上端部から拡幅変形させながら下端部方
向に移動する(図8参照)。
【0039】このように、後突の際の衝撃がシートバッ
クフレーム114 に入力されると、拡孔38の座屈変形を伴
ったシートバックフレームの後傾により、連結ボルト48
は障壁の変形、破断を経て、拡幅変形を伴いながらテー
パ状衝撃吸収溝46を下方に移動する。そして、連結ボル
ト48がテーパ状衝撃吸収溝46を拡幅変形しながら移動す
る際の抵抗力が、後傾に対する規制力してシートバック
フレーム114 に付与されるため、後突の際の衝撃エネル
ギーが、シートバックフレームの後傾のもとで徐徐にか
つ無段階に吸収される。
【0040】つまり、この実施の別形態における衝撃吸
収シート110 においても、衝撃吸収素子44による抵抗力
の付与によって、シートバックフレーム114 の後傾が規
制されるため、シートバックフレームの急激な後傾は防
止される。そして、衝撃吸収素子44によるシートバック
フレーム114 の後傾の際の抵抗によって、後突の際の衝
撃エネルギーが徐徐にかつ無段階に吸収されるため、こ
の衝撃吸収シート110においても、上記と同様な、シー
トバックフレームの後傾範囲にわたる衝撃エネルギーの
吸収により、上記の衝撃吸収方法が適切に遂行でき、衝
撃エネルギーの吸収能力の改善により、着座者の保護効
果が向上し、着座者のダメージが一層低減される。
【0041】ここで、図5、図6に示すように、このよ
うなテーパ状衝撃吸収溝46においては、連結ボルト48の
径より長幅の受溝56を、その上端部に連続して設けるこ
とが好ましい。このような構成よれば、この受溝56が、
挿通孔52からテーパ状衝撃吸収溝46の上端部への連結ボ
ルト48の移動の際のガイドとなるため、挿通孔からテー
パ状衝撃吸収孔46への連結ボルトの移動が円滑、容易に
行える。
【0042】なお、発明の実施の形態においては、自動
車に装着される衝撃吸収シートを例示しているが、自動
車に適するとはいえ、これに限定されず、たとえば、電
車等の他の車両のシートに、この発明を応用してもよ
い。
【0043】上述した発明の実施の形態は、この発明を
説明するためのものであり、この発明を何等限定するも
のでなく、この発明の技術範囲内で変形、改造等の施さ
れたものも全てこの発明に包含されることはいうまでも
ない。
【0044】
【発明の効果】上記のように、この発明に係る車両用衝
撃吸収シートの衝撃吸収方法によれば、後突の際の衝撃
エネルギーを、衝撃吸収素子により、シートバックフレ
ームの後傾範囲にわたって徐徐に吸収するため、衝撃エ
ネルギーの吸収能力が高まり、着座者の保護効果の向上
により、着座者のダメージが一層低減される。
【0045】また、衝撃吸収素子が、シートバックフレ
ームの後傾の増大に従って発生抵抗を減少させるもので
あるため、徐徐に吸収されて小さくなる衝撃エネルギー
に応じた抵抗力が適切に確保できる。従って、衝撃エネ
ルギーの効果的な吸収が容易に可能となる。
【0046】そして、この発明の車両用衝撃吸収シート
によれば、いずれの構成においても、上記の衝撃吸収方
法が適切に遂行でき、後突の際の衝撃エネルギーの効率
的な吸収により、着座者の保護効果の向上が確実にはか
られる。
【0047】また、衝撃吸収孔、テーパ状衝撃吸収溝の
いずれにおいても、その最下位置では係合部材となる係
合ピン、連結ボルトが係止、保持されるため、以降のシ
ートバックフレームの後傾は阻止される。そのため、シ
ートバックフレームの過剰な後傾に起因する着座者のダ
メージの増大、および、シートからの飛び出し等が確実
に防止され、この点からも、着座者の安全性が向上す
る。
【0048】更に、着座者の可撓部分である腰椎に相当
する高さに拡孔を設け、この拡孔部分を、シートバック
フレームの後傾の際の変曲点としているため、着座者の
腰椎部分に集中しやすい衝撃エネルギーの吸収がより効
果的に行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】初期状態における、この発明の実施の一形態に
係る車両用衝撃吸収シートの一部判断の概略側面図であ
る。
【図2】図1に示す車両用衝撃吸収シートの一部破断の
概略分解斜視図である。
【図3】後突による衝撃の入力時における、図1に示す
車両用衝撃吸収シートの作動図である。
【図4】後突による衝撃の入力後における、図1に示す
車両用衝撃吸収シートの作動図である。
【図5】初期状態における、この発明の実施の別形態に
係る車両用衝撃吸収シートの一部破断の概略側面図であ
る。
【図6】図5に示す車両用衝撃吸収シートの一部破断の
概略分解斜視図である。
【図7】後突による衝撃の入力時における、図5に示す
車両用衝撃吸収シートの作動図である。
【図8】後突による衝撃の入力後における、図5に示す
車両用衝撃吸収シートの作動図である。
【符号の説明】
10、110 車両用衝撃吸収シート 12 シートバック 14 シートバックフレーム 16 サイドブラケット(側端部) 18 取り付けボルト 20 リベット 22 リクライニング装置 38 拡孔(強度脆弱部) 40(40-1 〜40-4) 衝撃吸収孔 42 係合ピン(係合部材) 44 衝撃吸収素子 46 テーパ状衝撃吸収溝 48 連結ボルト(係合部材) 56 受溝

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 強度脆弱部の抗力を越える衝撃の発生時
    における、リクライニング装置の回動アームに対するシ
    ートバックフレームの後傾のもとで、後突の際の衝撃エ
    ネルギーを吸収可能とする車両用衝撃吸収シートにおい
    て、 上記回動アームに対する上記シートバックフレームの後
    傾角度の増加に従って発生抵抗力の減少する所定の衝撃
    吸収素子を、シートバックフレームの後傾範囲にわたっ
    て上記強度脆弱部とは別に設け、この衝撃吸収素子から
    の抵抗力を回動アームに対する後傾の際にシートバック
    フレームに付与することによって、後突の際の衝撃エネ
    ルギーを対応範囲にわたって吸収するとともに、この衝
    撃吸収素子によって、シートバックフレームの後傾量を
    規定する車両用衝撃吸収シートの衝撃吸収方法。
  2. 【請求項2】 回動アームに突設された係合部材と、シ
    ートバックフレームの後傾に従って穿孔ピッチの狭くな
    る一連の衝撃吸収孔との組み合わせを衝撃吸収素子と
    し、シートバックフレームの後傾に伴う、係合部材での
    衝撃吸収孔の断続的な破断変形によって、衝撃エネルギ
    ーを段階的に吸収する請求項1記載の車両用衝撃吸収シ
    ートの衝撃吸収方法。
  3. 【請求項3】 回動アームに突設された係合部材と、シ
    ートバックフレームの後傾に従って溝幅を多くとも係合
    部材の径まで広くしたテーパ状衝撃吸収溝との組み合わ
    せを衝撃吸収素子とし、シートバックフレームの後傾に
    伴う、係合部材でのテーパ状衝撃吸収溝の継続的な拡幅
    変形によって、衝撃エネルギーを無段階に吸収する請求
    項1記載の車両用衝撃吸収シートの衝撃吸収方法。
  4. 【請求項4】 取り付けボルトと;この取り付けボルト
    の前部に位置するリベットと;による、着座者の腰椎に
    相当する高さに設けた拡孔の下方位置での2点止めのも
    とで、シートバックフレームのサイドブラケットが、リ
    クライニング装置の回動アームに一体的に連結され、 前記拡孔の前部に、上下並設の一連の衝撃吸収孔が、下
    方に行くに従って穿孔ピッチを段階的に狭めて配置され
    るとともに、前記リベットより高い剛性を持つ係合ピン
    が、前記一連の衝撃吸収孔のうちの最上段への挿通を伴
    って、前記回動アームに一体的に突設され、 後突の際の衝撃が前記シートバックフレームに入力した
    とき、拡孔での座屈変形およびリベットのせん断を伴
    う、前記取り付けボルトを中心としたシートバックフレ
    ームの後傾により、一連の衝撃吸収孔間の障壁を係合ピ
    ンで断続的に順次破断して、後突の際の衝撃エネルギー
    を段階的に吸収するとともに、一連の衝撃吸収孔の最下
    段における係合ピンの係止、保持により、シートバック
    フレームの以降の後傾を規制可能とした車両用衝撃吸収
    シート。
  5. 【請求項5】 シートバックフレームの内面に補強板が
    固着され、この補強板を介して、取り付けボルト、リベ
    ットがそれぞれ挿通された請求項4記載の車両用衝撃吸
    収シート。
  6. 【請求項6】 着座者の腰椎に相当する高さに設けた拡
    孔の下方に位置する取り付けボルトと;この取り付けボ
    ルトの前部上方に位置する連結ボルトと;による2点止
    めのもとで、シートバックフレームのサイドブラケット
    が、リクライニング装置の回動アームに一体的に連結さ
    れ、 下方に行くに従って少なくとも前記連結ボルトとほぼ同
    一径まで溝幅の拡がる上下方向のテーパ状衝撃吸収溝
    が、連結ボルトの挿通される前記サイドブラケットの挿
    通孔の下部に、所定幅の障壁を介して形成され、 後突の際の衝撃が前記シートバックフレームに入力した
    とき、拡孔での座屈変形を伴う、前記取り付けボルトを
    中心としたシートバックフレームの後傾により、前記連
    結ボルトで前記挿通孔の下部障壁を破断させて、当該連
    結ボルトをテーパ状衝撃吸収溝の上端部から進入させ、
    このテーパ状衝撃吸収溝の拡幅変形を伴った当該溝内で
    の連結ボルトの移動により、後突の際の衝撃エネルギー
    を連続的に吸収するとともに、テーパ状衝撃吸収溝の下
    端部における連結ボルトの係止、保持により、シートバ
    ックフレームの以降の後傾を規制可能とした車両用衝撃
    吸収シート。
  7. 【請求項7】 テーパ状衝撃吸収溝の上端部が、連結ボ
    ルトの径より長幅の受溝を連続して有する請求項6記載
    の車両用衝撃吸収シート。
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