JPH10278256A - インクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェット記録装置

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JPH10278256A
JPH10278256A JP9082949A JP8294997A JPH10278256A JP H10278256 A JPH10278256 A JP H10278256A JP 9082949 A JP9082949 A JP 9082949A JP 8294997 A JP8294997 A JP 8294997A JP H10278256 A JPH10278256 A JP H10278256A
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JP
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ink
pulse
piezoelectric element
minute
voltage
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JP9082949A
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Inventor
Hideo Yasutomi
英雄 保富
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Minolta Co Ltd
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Minolta Co Ltd
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Publication date
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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 生産コストを低減させることができるインク
ジェットプリンタを提供する。 【解決手段】 本インクジェットプリンタは、パルス電
圧を印加して圧電素子を駆動することにより、画像デー
タに応じた複数の大きさのインクドロップを飛翔させて
画像を記録する。本インクジェットプリンタの制御部か
ら画像データに対応して圧電素子に印加されるパルス電
圧350は、複数の微小パルス351、352を含んで
いる。これらの微小パルスの数を画像データに応じて増
減させることによって、大きさの異なるインクドロップ
が飛翔され画像の階調が表現される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェット記
録装置に関し、特に、圧電素子を用いてインクドロップ
を飛翔させることにより画像を記録するインクジェット
記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、インクジェットプリンタのプ
リントヘッドに圧電素子(PZT)を用いたものが知ら
れている。このようなプリントヘッドでは、圧電素子に
画像データに応じたパルス電圧が印加され、このパルス
電圧の印加によって生じる圧電素子のひずみにより、所
定の容器(インクチャンネル)内のインクが加圧され、
インクチャンネルに設けられたノズルから記録シートに
向かってインクドロップが飛翔する。記録シート上に
は、これらのインクドロップの飛翔によって画像データ
に基づいた画像が形成される。
【0003】上述のようなインクジェットプリンタで
は、圧電素子に印加するパルス電圧のパルス振幅を変化
させることにより圧電素子に大きさの異なるひずみを生
じさせ、飛翔させるインクドロップの液適量が調節され
る。このようにインクドロップの液滴量を調節すること
により、記録シートに付着するインクのドット径を複数
得ることができる。これらの複数のドット径のうち、ド
ット径の大きいものは画像の濃い部分を表現し、ドット
径の小さいものは画像の淡い部分を表現する。
【0004】図15は、このような従来のインクジェッ
トプリンタでのインクのドット径の制御を説明するため
の図である。図15(a)は圧電素子に印加されるパル
ス電圧を示す図であり、図15(b)はこのパルス電圧
に対応するインクのドットを示す図である。
【0005】図15(a)では、縦軸を電圧、横軸を電
圧印加開始からの時間とする座標上に電圧印加開始時間
をそろえてパルス電圧の波形を表示し、図15(b)で
は、実際のドット径の大きさに対応するスケールをドッ
トとともに表示する。また、図15(a)に示すパルス
電圧の波形の上側に示す番号 〜 は、図15(b)に
示すドットに付された番号 〜 にそれぞれ対応する。
さらに、図16は、図15(a)に示すパルス電圧のパ
ルス振幅と、図15(b)に示すドットのドット径との
関係を示す図である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図1
5、図16を参照して明らかなように、より大きな径を
有するドットを得るためには、より大きなパルス振幅を
有するパルス電圧を圧電素子に印加する必要がある。
【0007】このため、ドライバICを用いて圧電素子
を駆動し大径のドットを印字させるには、ドライバIC
の耐電圧を上昇させなくてはならない。また、このよう
な駆動回路ではパルス振幅を変化させる回路が必要とな
り、この回路のためのスペースが多く割かれている。こ
れらの耐電圧の高いドライバIC、スペースを多く割く
パルス振幅を変化させる回路等は生産コストを増大させ
る原因となっている。
【0008】本発明は、これらのような問題点を解決す
るためになされたもので、その目的は、ドット径変調を
行なうインクジェットヘッドを、駆動回路を複雑化させ
ることなく、また、安定したドットの吐出が可能なよう
に構成することを目的とする。また、その結果として、
生産コストを低減させることができさらに小型化された
ドット径変調が可能なインクジェット記録装置を提供す
ることである。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、電圧を印加して圧電素子を駆動することにより複数
の大きさのインクドロップを飛翔させて画像を記録する
インクジェット記録装置であり、圧電素子に印加する電
圧のパルスの数によってインクドロップの複数の大きさ
を制御することを特徴としている。
【0010】請求項1に記載の発明によると、インクド
ロップの複数の大きさは圧電素子に印加される電圧のパ
ルスの数によって制御される。これにより、従来のよう
に耐電圧の高いドライバIC、スペースを多く割くパル
ス振幅を変化させる回路等を用いる必要がなくなる。結
果として、回路全体の小型化が可能となり、また、高電
圧を使用しないことで回路周辺からの発熱を防止するこ
とができ、駆動回路や圧電素子の特性を安定化させるこ
とができる。また、最終的に上記の結果として、生産コ
ストを低減させることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しつつ、本発明
における第1の実施の形態であるインクジェットプリン
タについて説明する。
【0012】図1は、本発明における第1の実施の形態
であるインクジェットプリンタ1の概略構成を示す斜視
図である。
【0013】インクジェットプリンタ1は、用紙やOH
Pシートなどの記録媒体である記録シート2に印字を行
なう、インクジェット方式のプリントヘッドであるイン
クジェットヘッド3と、インクジェットヘッド3を保持
するキャリッジ4と、キャリッジ4を記録シート2の記
録面に平行に往復移動させるための揺動軸5、6と、キ
ャリッジ4を揺動軸5、6に沿って往復駆動する駆動モ
ータ7と、駆動モータ7の回転をキャリッジ4の往復運
動に変えるためのタイミングベルト9、アイドルプーリ
8とを含んでいる。
【0014】また、インクジェットプリンタ1は、記録
シート2を搬送経路に沿って案内するガイド板を兼ねる
プラテン10と、プラテン10との間の記録シート2を
抑えて浮きを防止する紙押さえ板11と、記録シート2
を排出するための排出ローラ12、拍車ローラ13と、
インクジェットヘッド3のインクを吐出するノズル面を
洗浄しインク吐出不良を良好な状態に回復させる回復系
14と、記録シート2を手動で搬送するための紙送りノ
ブ15とを含んでいる。
【0015】記録シート2は、図示しない手差しあるい
はカットシートフィーダ等の給紙装置によって、インク
ジェットヘッド3とプラテン10とが対向する記録部へ
送り込まれる。この際、図示しない紙送りローラの回転
量が制御され、記録部への搬送が制御される。
【0016】インクジェットヘッド3には、インク飛翔
用のエネルギ発生源として圧電素子(PZT)が用いら
れる。圧電素子には電圧が印加され、ひずみが生じる。
このひずみは、インクで満たされたチャンネルの容積を
変化させる。このチャンネルの容積の変化により、チャ
ンネルに設けられたノズルからインクが吐出され、記録
シート2への記録が行なわれる。
【0017】キャリッジ4は、駆動モータ7、アイドル
プーリ8、タイミングベルト9により、記録シート2を
横方向に主走査し、キャリッジ4に取り付けられたイン
クジェットヘッド3は1ライン分の画像を記録する。1
ライン分の記録が終わるごとに、記録シート2は縦方向
に送られ副走査され、次のラインが記録される。
【0018】記録シート2にはこのように画像が記録さ
れ、記録部を通過した記録シート2は、その搬送方向下
流側に配置された排出ローラ12とこれに一定の圧力で
接するされる拍車ローラ13とによって排出される。
【0019】次に、図2〜図5を用いて、インクジェッ
トヘッド3とその周辺の構成とを説明する。
【0020】図2〜図4は、インクジェットヘッド3の
構成を説明するための図である。図2はインクジェット
ヘッド3のノズルを有する面の平面図であり、図3は図
2のIII−III線断面図であり、図4は図3のIV
−IV線断面図である。
【0021】インクジェットヘッド3は、ノズルプレー
ト301、隔壁302、振動板303、基板304を一
体に重ねた構成となっている。
【0022】ノズルプレート301は、金属またはセラ
ミックなどからなり、ノズル307を有し、表面318
には撥インク層を有する。隔壁302には、薄肉フィル
ムが使用されており、ノズルプレート301と振動板3
03との間に固定されている。
【0023】また、ノズルプレート301と隔壁302
との間には、インク305を収容する複数のインクチャ
ンネル306と、各インクチャンネル306をインク供
給室308に連結するインクインレット309が形成さ
れている。インク供給室308は図示しないインクタン
クに接続されており、インク供給室308内のインク3
05はインクチャンネル306へと供給される。
【0024】振動板303には、各インクチャンネル3
06に対応した複数の圧電素子313が含まれる。振動
板303の加工は、まず、振動板303が配線部317
を有する基板304に絶縁接着剤で固定され、その後、
ダイシングによりセパレート溝315、316が形成さ
れ振動板303が分断されることにより行なわれる。ま
た、この分断によって各インクチャンネル308に対応
する圧電素子313と、隣接する圧電素子313との間
に位置する圧電素子柱部314と、これらを囲む周囲壁
310とが分離される。
【0025】基板304上の配線部317は、アースに
接続されインクジェットヘッド3内の圧電素子313に
共通に接続される共通電極側配線部311とインクジェ
ットヘッド3内の各圧電素子313に個別に接続される
個別電極側配線部312とを有する。この基板304上
の共通電極側配線部311は圧電素子313内の共通電
極に接続され、個別電極側配線部312は圧電素子31
3内の個別電極に接続される。
【0026】これらのような構成のインクジェットヘッ
ド3の動作は、インクジェットプリンタ1の制御部によ
ってコントロールされる。制御部のヘッド吐出駆動部1
05(図6参照)からは、圧電素子313内部に設けら
れた共通電極と個別電極との間に、印字信号である所定
の電圧が印加され、圧電素子は隔壁302を押す方向に
変形する。圧電素子313の変形は隔壁302に伝えら
れ、これによりインクチャンネル306内のインク30
5が加圧され、ノズル307を介してインクドロップが
記録シート2(図1参照)に向かって飛翔する。
【0027】図5は、キャリッジ4周辺の構成を説明す
るための斜視図である。キャリッジ4周辺には、インク
を収容し通気口404を有するインクカートリッジ40
3と、インクカートリッジ403を収納するケーシング
401、ケーシング蓋405と、インクカートリッジ4
03を着脱可能にしつつインクをインクジェットヘッド
3に受給するインク受給ピン402と、ケーシング蓋4
05を閉じた際ケーシング401にケーシング蓋405
を固定するための付勢クラッチ406、付勢クラッチ止
め407と、インクカートリッジ403を収納する向き
(矢印D3の向き)とは反対の向きにインクカートリッ
ジ403を押しつつインクカートリッジ403をケーシ
ング蓋406とともに保持する板ばね408とが含まれ
る。図に示す矢印D1方向にキャリッジ4が移動するこ
とにより記録シートは主走査され、矢印D2方向にイン
クドロップは吐出される。
【0028】インクカートリッジ403内のインクに
は、溶剤として水を80.9%、多価アルコール/ジエ
チレングリコールを11.0%、増粘剤/ポリエチレン
グリコール#400を2.5%含み、色剤として染料/
Bayer BK−SPを4.6%含み、添加剤として
界面活性剤/オルフィンE1010を0.8%、pH調
整剤/NaHCO3を0.2%含むものを用いる。ま
た、この組成を有するインク305は25[℃]におい
て表面張力36[dyn/cm]、粘度2.0[cp]
であり、記録紙(記録シート2)にはエプソン社製スー
パーファイン紙を用いる。
【0029】続いて、インクジェットプリンタ1の制御
部について説明する。図6は、インクジェットプリンタ
1の制御部の構成を説明するためのブロック図である。
【0030】インクジェットプリンタ1の制御部は、C
PU101と、RAM102と、ROM103と、デー
タ受信部104と、ヘッド吐出駆動部105と、ヘッド
移動駆動部106と、紙送りモータ駆動部107と、回
復系モータ駆動部108と、各種センサ部109とを含
んでいる。
【0031】全体を制御するCPU101は、必要に応
じてRAM102を用い、ROM103に記憶されてい
るプログラムを実行する。このプログラムには、ホスト
コンピュータ等に接続され記録すべき画像データを受信
する、データ受信部104から読み込まれる画像データ
に基づいて、ヘッド吐出駆動部105、ヘッド移動駆動
部106、紙送りモータ駆動部107、各種センサ部1
09を制御し記録シート2上に画像を記録するための部
分と、必要な際に、回復系モータ駆動部108、各種セ
ンサ部109を制御しインクジェットヘッド3のノズル
面を良好な状態に回復させるための部分とが含まれる。
【0032】CPU101の制御に基づいて、ヘッド吐
出駆動部105はインクジェットヘッド3の圧電素子3
13を駆動し、ヘッド移動駆動部106はインクジェッ
トヘッド3を保持するキャリッジ4を移動させる駆動モ
ータ7を駆動し、紙送りモータ駆動部107は紙送りロ
ーラを駆動する。また、CPU101の制御に基づい
て、回復系モータ駆動部108は、インクジェットヘッ
ド3のノズル面を良好な状態に回復させるために必要な
モータ等を駆動する。
【0033】図7は、ヘッド吐出駆動部105の構成と
動作とを説明するための図である。ヘッド吐出駆動部1
05は、ランプ波形用放電回路201と、反転回路20
2と、反転増幅回路203とを含んでいる。画像信号に
応じた入力信号である信号Vはランプ波形用放電回路2
01と反転回路202とによって信号V0とされ、信号
V0は反転増幅回路203によって出力信号である信号
Vhとされる。信号Vhが圧電素子に印加されることに
より、圧電素子が駆動される。
【0034】信号Vは階調に関わらず一定の振幅を有す
る矩形状のパルス電圧であり、画像ソースの階調に応じ
た画像データである。図7には1つのパルスを有する信
号Vに対応して1つの(微小)パルスを有する信号Vh
を示しているが、階調数が大きくなるに従って信号Vに
含まれる矩形状のパルスの数は増加され、信号Vhに含
まれる微小パルスの数も信号Vに応じて増加される。こ
こでは、信号Vは10階調を有するものとし、信号Vと
この信号Vが反転された信号V0のパルス振幅は5
[V]、信号Vhのパルス振幅は8[V]とする。
【0035】256階調を有する画像ソースにはインク
ジェットプリンタ1のデータ受信部104に接続される
パソコンのデバイスドライバ等によって階調補正、ディ
ザ処理などが施され、10階調を有する画像データとさ
れた後、階調に応じて微小パルスを複数含む信号Vh
(以下では、パルス電圧Vhともいう)へと変換され
る。
【0036】図8は、上述のようなパルス電圧Vhを説
明するための図である。図8(a)は実際に圧電素子に
印加されるパルス電圧Vhの概略を示す図であり、図8
(b)はこのパルス電圧Vhの詳細を説明するための図
である。
【0037】画像データに対応するパルス電圧Vh35
0は、一定の周期で圧電素子に印加され、1つの画像デ
ータに対応するパルス電圧Vh350に含まれる微小パ
ルスの数は、画像ソースの階調数の大小に従って増減さ
れる。パルス電圧Vh350に含まれる微小パルス35
1、352は同じ波形を有し、2[μsec]で立ち上
げられ、8[V]のパルス振幅が3[μsec]の間保
たれた後、5[μsec]で立ち下げられる。1つのパ
ルスと次のパルスまでの時間間隔は8〜10[μse
c]である。この値は、プリントされる画像の階調数に
応じて数μsecから20μsec付近まで変化させ調
整させることができる。
【0038】以上のようにして圧電素子に印加されるパ
ルス電圧Vhにより、次に図9、図10に説明するよう
なインクドロップが飛翔する。
【0039】図9は、上述のような微小パルスを複数含
むパルス電圧Vhによるインクドロップのノズルからの
飛翔を説明するための図である。図9(a)はパルス電
圧Vhに含まれる微小パルスの数が1である場合のイン
クドロップの飛翔を示す図であり、図9(b)はパルス
電圧Vhに含まれる微小パルスの数が3である場合のイ
ンクドロップの飛翔を示す図である。
【0040】パルス電圧Vhに含まれる微小パルスの数
が1である場合、図9(a)に示すように、圧電素子が
パルス電圧に応じて駆動されることにより、ノズル30
7からインク溜りを1つ有する飛翔インク柱360が形
成され、インクドロップが飛翔する。パルス電圧Vhに
含まれる微小パルスの数が3である場合、図9(b)に
示すように、圧電素子がパルス電圧に応じて駆動される
ことにより、ノズル307からインク溜りを3つ有する
飛翔インク柱361が形成され、インクドロップが飛翔
する。
【0041】このように、圧電素子にパルス電圧Vhが
印加されると、パルス電圧Vhに含まれる微小パルスに
応じた数のインク溜りを有する飛翔インク柱が形成され
て、インクドロップが飛翔する。
【0042】図10は、上述のようなパルス電圧Vhに
含まれる微小パルスの数と、このパルス電圧Vhを圧電
素子に印加することにより、記録シートに付着するドッ
トの径との関係を示す図である。これらの印字には図5
とともに説明したインクと記録紙とを用いており、付着
ドット径のデータは、圧電素子を200[kHz]の駆
動周波数で駆動し、この圧電素子を有するインクジェッ
トヘッドから記録紙上に100ドット印字した際、記録
紙上に付着したドット径を読み取り平均したものであ
る。なお、圧電素子には、1層当たり22[μm]の素
子を20層積層したものを用いている。また、駆動周波
数はプリントされる画像の階調数と、圧電素子の駆動回
路や情報伝達系などの能力とから決定されるものであ
り、ここに示した数値に限定されるものではない。
【0043】微小パルスを1つ含むパルス電圧Vhが圧
電素子に印加されると、これに応じて約32[μm]の
ドットが記録シートに印字される。微小パルスの数を1
から徐々に増加させていくと、微小パルスの数が5、6
程度となるまでは、微小パルスの数を1増加させるごと
に、記録シートに付着するドットの径は約10[μm]
増加する。微小パルスの数を7から10へと増加させて
いくと、微小パルスの数を1増加させるごとに、付着ド
ット径はその増分を徐々に小さくしながらも増加してい
く。さらに、微小パルスの数を11、12、…と増加さ
せていくと、付着ドット径は約110[μm]で収束し
ていく。
【0044】これらのようにして、微小パルスを複数含
むパルス電圧を圧電素子に印加し、微小パルスの数によ
りこの圧電素子によって飛翔されるインクドロップの径
を制御することによって、従来のように耐電圧の高いド
ライバIC、スペースを多く割くパルス振幅を変化させ
る回路等を用いる必要がなくなり、生産コストを低減さ
せることができる。
【0045】さらに、従来のインクジェットプリンタで
の圧電素子を駆動するためのこれらの回路では、用いら
れる電圧が高いため、高い電力が消費され、回路周辺で
の温度が上昇し動作が不安定となることがあったが、本
発明のパルス電圧を用いる圧電素子の駆動回路は、高い
電圧を必要とせず、回路周辺で消費される電力が小さ
く、温度上昇により回路の動作が不安定になるというこ
とがなくなる。
【0046】以下、第2〜第12の実施の形態であるイ
ンクジェットプリンタの、インクジェットヘッドの圧電
素子に印加されるパルス電圧について説明する。これら
の説明においては、パルス電圧の波形以外の、インクジ
ェットプリンタの全体構成、インクジェットヘッドの構
成、制御部の構成等は、第1の実施の形態であるインク
ジェットプリンタ1と同様であるものとし説明を省略す
る。
【0047】また、以下においては、第1〜第12の実
施の形態であるインクジェットプリンタの、インクジェ
ットヘッドの圧電素子に印加されるパルス電圧の波形を
それぞれ波形1〜波形12とする。以下の波形では、微
小パルスの数は3または4である場合を示しているが、
これらは勿論画像データの階調に応じて変化される。
【0048】図11は、波形2、波形3を説明するため
の図である。図11(a)は波形2を説明するための図
であり、図11(b)は波形3を説明するための図であ
る。
【0049】波形1に比較して、波形2のパルス振幅の
継続時間は短く、波形3のパルス振幅の継続時間は長い
が、これらの波形を用いることもできる。また、図11
(b)の拡大図に示すように、これらの波形2、波形3
では、パルスの立ち上がりが終了する際なだらかに電圧
が変化される(以下、波形4〜波形12について同様で
ある)。このようになだらかに電圧を変化させることに
よって、吐出されるインクドットに伴って発生するサテ
ライトドットやドットの途切れを防止することができ、
これらのようにパルス振幅の継続時間を調節することに
より、記録シートに付着するドットの径を調整すること
ができる。
【0050】図12は、波形4〜波形6を説明するため
の図である。図12(a)は波形4を説明するための図
であり、図12(b)は波形5を説明するための図であ
り、図12(c)は波形6を説明するための図である。
【0051】波形4は、画像データに対応して印加され
るパルス電圧の連続する微小パルスのうち、最も早く印
加される微小パルス501のパルス振幅を他の微小パル
ス502、503よりも大きくしたものである。波形5
は、画像データに対応して印加されるパルス電圧の連続
する微小パルスのうち、最も早く印加される微小パルス
511のパルス振幅の継続時間を他の微小パルス51
2、513よりも長くしたものである。波形6は、画像
データに対応して印加されるパルス電圧の連続する微小
パルスのうち、最も早く印加される微小パルス521の
立ち上がり時間を他の微小パルス522、523よりも
短くしたものである。
【0052】圧電素子に対して、ある微小パルス(以
下、第1パルスということがある)と第1パルスとは別
の微小パルス(以下、第2パルスということがある)と
を続けて印加する場合、第1パルスはインクの揺れ(イ
ンク表面の波)が小さい状態か全くない状態かから圧電
素子に印加されるのに対して、第2パルスは第1パルス
によってインクが吐出された直後でインクの揺れがある
状態から圧電素子に印加される。このため、第1パルス
の波形と第2パルスの波形とが同じものである場合、第
1パルスを圧電素子に印加することによって吐出される
インクと第2パルスを圧電素子に印加することによって
吐出されるインクとを比較すると、第1パルスを圧電素
子に印加することによるインク吐出量は、第2パルスを
圧電素子に印加することによるインク吐出量より多い。
【0053】このように同じ波形の微小パルスを続けて
印加してもこれによって吐出されるインクのドットは異
なることがあるために、図10に示した微小パルスの数
とドットの径との関係を示すグラフの、微小パルスの数
が小さい部分での関係のリニアリティが崩れることにな
り、濃度再現が正しく行なわれないことがある。
【0054】そこで、波形4〜波形6のように、第1パ
ルスのみのパルス振幅を大きくしたりパルス振幅の継続
時間を長くしたり立ち上がり時間を短くしたりして、イ
ンクをより多く吐出させる第1パルスを有する波形を用
いることによって、インクの揺れにかかわらず各微小パ
ルスにおいてのインク吐出量を均一に保つようにするこ
とができる。
【0055】また、これらのような波形4〜波形6の特
徴である、パルス電圧の第1パルスの、パルス振幅を大
きくするという要素、パルス振幅の継続時間を長くする
という要素、立ち上がり時間を短くするという要素を複
合して有するパルスを用いることも可能である。
【0056】図13は、波形7〜波形10を説明するた
めの図である。図13(a)は波形7を説明するための
図であり、図13(b)は波形8を説明するための図で
あり、図13(c)は波形9を説明するための図であ
り、図13(d)は波形10を説明するための図であ
る。
【0057】波形7は、画像データに対応して印加され
るパルス電圧の連続する微小パルスのうち、第1パルス
のみのパルス振幅を大きくしパルス振幅の継続時間を長
くしたものである。波形8は、画像データに対応して印
加されるパルス電圧の連続する微小パルスのうち、第1
パルスのみのパルス振幅を大きくし立ち上がり時間を短
くしたものである。波形9は、画像データに対応して印
加されるパルス電圧の連続する微小パルスのうち、第1
パルスのみのパルス振幅の継続時間を長くし立ち上がり
時間を短くしたものである。また、波形10は、画像デ
ータに対応して印加されるパルス電圧の連続する微小パ
ルスのうち、第1パルスのみのパルス振幅を大きくしパ
ルス振幅の継続時間を長くし立ち上がり時間を短くした
ものである。
【0058】これらの波形7〜波形10を用いることに
よって、波形4〜波形6を用いることにより得られる各
微小パルスによるインク吐出量の均一化という効果が増
大される。
【0059】次に示すように、微小パルス振幅の後に、
極性を逆転させた小さなパルスを印加することもでき
る。
【0060】図14は、波形11、波形12を説明する
ための図である。図14(a)は波形11を説明するた
めの図であり、図14(b)は波形12を説明するため
の図である。
【0061】波形11は、3つの微小パルス531と、
これらの微小パルス531よりパルス振幅が1/12程
度大きい微小パルス532と、極性を逆転させパルス振
幅の大きさが微小パルス531の1/5程度である後パ
ルス533とからなる。波形12は、微小パルス541
と、微小パルス541よりパルス振幅が1/12程度小
さい2つの微小パルス542と、微小パルス541とパ
ルス振幅の大きさが等しい微小パルス振幅543と、極
性を逆転させパルス振幅の大きさが微小パルス542の
1/5程度である後パルス544とからなる。
【0062】ドットを連続して印字する場合、先に印字
されるドットに対応するインクドロップを吐出した後に
インクの揺れが残っていると、次に印字されるドットに
対応するインクドロップの吐出に影響を生ずる。インク
の揺れは時間の経過とともに自然に減衰していくが、こ
のような減衰を待っていたのでは駆動周波数を低下させ
ることとなってしまう。
【0063】これらの波形11、12のように後パルス
533、544をそれぞれ用いると、画像データに対応
する微小パルス531、あるいは、微小パルス541と
微小パルス542によって生じるインクチャンネル内の
インクの揺れを抑制することができ、次の画像データに
対応するパルス電圧を早く圧電素子に印加することがで
きるようになる。これによって、印字速度を上昇させる
ことができる。
【0064】また、圧電素子に最後に印加される微小パ
ルスの直後に後パルスを印加すると、インク表面は吐出
する方向とは反対の方向に急激に引き込まれるため、イ
ンク表面からのインクドロップの離脱が早くなり吐出量
が小さくなることがある。1つのドットに対応して最後
に圧電素子に印加される微小パルス532、543のパ
ルス振幅を大きくしているのは、それぞれ、後パルス5
33、544によって、微小パルス532、543によ
るインクの吐出量が減少することを防止するためであ
る。
【0065】さらに、階調数が大きくなる(パルス数が
増える)と、ノズル周辺へのインクの供給が追いつかな
くなることがある。そのため、一定の階調以上では最後
の微小パルスに対応するインク吐出量を増やす必要があ
る。上述のように最後の微小パルスのパルス振幅を大き
くすることは、ノズル周辺へのインクの供給を早める効
果もある。このような効果は特に10階調を超える場合
に有効であるが、図4に示すように階調4の場合でも、
より厳密にドット径を制御するために有効である。
【0066】以上のようにして、必要に応じ、画像デー
タに対応して最初に印加される微小パルスを調整した
り、逆極性のパルスを印加したりしつつ、微小パルスを
複数含むパルス電圧を圧電素子に印加し、微小パルスの
数によりこの圧電素子によって飛翔されるインクドロッ
プの径を制御することによって、従来のように耐電圧の
高いドライバIC、スペースを多く割くパルス振幅を変
化させる回路等を用いる必要がなくなり、生産コストを
低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における第1の実施の形態であるインク
ジェットプリンタの概略構成を示す斜視図である。
【図2】インクジェットヘッド3のノズルを有する面の
平面図である。
【図3】図2のIII−III線断面図である。
【図4】図3のIV−IV線断面図である。
【図5】キャリッジ4周辺の構成を説明するための斜視
図である。
【図6】インクジェットプリンタ1の制御部の構成を説
明するためのブロック図である。
【図7】ヘッド吐出駆動部105の構成と動作とを説明
するための図である。
【図8】パルス電圧Vhを説明するための図である。
【図9】微小パルスを複数含むパルス電圧Vhによるイ
ンクドロップのノズルからの飛翔を説明するための図で
ある。
【図10】パルス電圧Vhに含まれる微小パルスの数
と、このパルス電圧Vhを圧電素子に印加することによ
り、記録シートに付着するドットの径との関係を示す図
である。
【図11】波形2、波形3を説明するための図である。
【図12】波形4〜波形6を説明するための図である。
【図13】波形7〜波形10を説明するための図であ
る。
【図14】波形11、波形12を説明するための図であ
る。
【図15】従来のインクジェットプリンタでのインクの
ドット径の制御を説明するための図である。
【図16】図15(a)に示すパルス電圧のパルス振幅
と、図15(b)に示すドットのドット径との関係を示
す図である。
【符号の説明】
1 インクジェットプリンタ 3 インクジェットヘッド 105 ヘッド吐出駆動部 304 基板 305 インク 307 ノズル 313 圧電素子 350 パルス電圧Vh 351、352 パルス電圧Vhに含まれる微小パルス

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電圧を印加して圧電素子を駆動すること
    により複数の大きさのインクドロップを飛翔させて画像
    を記録する、インクジェット記録装置であって、 前記圧電素子に印加する電圧のパルスの数によって前記
    インクドロップの複数の大きさを制御することを特徴と
    する、インクジェット記録装置。
JP9082949A 1997-04-01 1997-04-01 インクジェット記録装置 Pending JPH10278256A (ja)

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JP9082949A JPH10278256A (ja) 1997-04-01 1997-04-01 インクジェット記録装置

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Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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