JPH10277364A - 気体清浄化方法および気体清浄化装置 - Google Patents
気体清浄化方法および気体清浄化装置Info
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- JPH10277364A JPH10277364A JP9088263A JP8826397A JPH10277364A JP H10277364 A JPH10277364 A JP H10277364A JP 9088263 A JP9088263 A JP 9088263A JP 8826397 A JP8826397 A JP 8826397A JP H10277364 A JPH10277364 A JP H10277364A
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Abstract
除去することが可能な気体清浄化方法を提供する。 【解決手段】 少なくとも表面がシリカ(SiO2 )か
らなる繊維状物を圧縮して形成したエレメント、または
前記繊維状物を布状または紙状に加工したエレメントで
構成されるフィルタにより気体中の有害な化学的微量成
分および有害なミスト状汚染物を除去することを特徴と
する。
Description
有害微量不純物を除去する気体清浄化方法及びその気体
清浄化装置に関する。
半導体プロセス装置に使用する高純度ガスに関しては、
従来は微粒子濃度の低減が特に重要視され、微粒子除去
用高性能フィルターとしてはHEPAフィルタ、または
ULPAフィルタ、高純度ガスライン用の中空糸セラミ
ックフィルタ等が知られている。
と共に、クリーンルーム中の清浄空気や半導体プロセス
装置用高純度ガス中にppbオーダの有機物があると、
デバイスの特性不良の原因になる。また、塩酸ガスや硫
酸ミスト等がppbオーダでクリーンルーム雰囲気に存
在すると、シリコンウェハの金属汚染や微粒子汚染の原
因になる。このような気体中に存在する有害物質は高性
能微粒子除去用フィルタでは十分に除去することが困難
である。このため、前記高性能微粒子除去用フィルタの
前段に活性炭フィルタやアルカリを添着した活性炭フィ
ルタまたは陰イオン交換フィルタ等の、いわゆるケミン
ルフィルタが使用されている。
は、有害不純物のフィルタエレメントに対する化学吸着
や化学反応現象を利用するものであるため、作用がある
時点で飽和すると共に、吸着作用は飽和の前に急速に低
下する。したがって、高性能微粒子除去用フィルタに比
べて寿命が短く、経済性の点で問題があった。
生できれば経済性に関する欠点を補うことができる。し
かしながら、活性炭エレメントは完全な再生が難しい。
一方、イオン交換型のフィルタは理論的には再生できる
が、再生のために相当量の薬品を必要とする。例えば、
イオン交換型フィルタの場合には、苛性ソーダ液の処理
を必要とし、さらに再生後にこの薬品を除去するために
大量の超純水を必要とし、処理コストが高騰化する。ま
た、フィルタを構成するエレメント以外の支持部材は一
般に耐薬品性を満たさず、実際問題として再生が実施さ
れない原因になっている。
亘って良好に除去することが可能な気体清浄化方法を提
供しようとするものである。本発明は、気体中のアルカ
リ性雰囲気による吸着能力の欠如を前段の陽イオン除去
フィルタで補償して後段のフィルタによる有害物質等の
除去性能を向上させ、かつ後段のフィルタの再生を可能
にした気体清浄化装置を提供しようとするものである。
は、少なくとも表面がシリカ(SiO2 )からなる繊維
状物を圧縮して形成したエレメント、または前記繊維状
物を布状または紙状に加工したエレメントで構成される
フィルタにより気体中の有害な化学的微量成分および有
害なミスト状汚染物を除去することを特徴とするもので
ある。
とも表面がシリカ(SiO2 )からなる繊維状物を圧縮
して形成したエレメント、または前記繊維状物を布状ま
たは紙状に加工したエレメントで構成されるフィルタ
と、陽イオン除去フィルタとを具備したことを特徴とす
るものである。
詳細に説明する。この方法は、少なくとも表面がシリカ
(SiO2 )からなる繊維状物を圧縮して形成したエレ
メント、または前記繊維状物を布状または紙状に加工し
たエレメントで構成されるフィルタを用い、このフィル
タに気体を通過させることにより前記気体中の有害な化
学的微量成分および有害なミスト状汚染物を除去する。
なる前記繊維状物としては、例えば加熱溶融した石英イ
ンゴットを素材として酸水素炎中で吹き飛ばすことによ
って作製されたウール状物が代表的である。
が0.1〜12μm、さらに好ましくは0.1〜3μm
であることが望ましい。前記ウール状物の各繊維は、純
度がAl10ppm以下、他の金属元素が1ppm以下
であることが好ましいが、高純度あることに拘るもので
はない。
なる前記繊維状物の他の例としては、表層にシリカ(S
iO2 )が焼結させた耐熱性繊維からなるものが挙げら
れる。前記耐熱性繊維としては、例えばアルミナ繊維、
カーボン繊維などが挙げられる。前記繊維状物は、予め
耐熱性繊維をシート状に加工した後、シリカ(SiO
2 )を表面に付着して焼結することが好ましい。このよ
うな繊維状物は、単一の成分からなる場合に限らず、数
種の繊維を混紡してもよい。焼結されたシリカは、必ず
しも高純度である必要がなく、目的に応じて副成分を加
えることが望ましい場合もある。
ンベンチ、クリーンボックス等の雰囲気を清浄化するに
は、少なくとも表面がシリカ(SiO2 )からなる繊維
を布状に織るか、または紙状に漉いて比重約0.1位の
エレメントとし、これを平板状のまま、または波型にし
てフィルタを構成する。このエレメントは、他のケミカ
ルフィルタに比べて遥かに高流速で使用することが可能
である。
いて、装置直前に使用するフィルタとしては石英ガラス
で作られた円筒状ガラスフィルタの瀘過板上に圧縮した
ウール状石英を配置し、必要に応じてその後段に孔寸法
が0.1μm程度の微粒子除去用セラミックフィルタを
配置することが好ましい。このような形態の清浄化装置
も高流速で使用することが可能である。
めのシリコンウェハまたはシリコン酸化膜に接する気体
を清浄化するのに最も適する。半導体製造工場のクリー
ンルーム環境に放置されたウェハ表面の有機物を分析す
ると、シリコン面でもシリコン酸化膜面でも汚染有機物
の大部分がジオクチルフタレート(DOP)で、次に環
状シロキ酸やレジスト塗布前処理剤HMDS(ヘキサメ
チルジシラザン)の分解物トリメチルシラノ一ル等があ
り、比較的僅かな種類に限られる。
機物はトルエン、キシレン、鎖状炭化水素、アミン類等
であって、これらはシリコン表面やシリコン酸化膜表面
には殆ど吸着しない。したがって、クリーンルーム雰囲
気中の有機物を活性炭フィルタで除去すると、シリコン
表面やシリコン酸化膜表面に吸着しない有機物までも吸
着して、寿命を縮める。
少なくとも表面がシリカ(SiO2)であるため、シリ
コン表面やシリコン酸化膜表面に吸着し易いDOP等の
有機物を全て選択的に吸着除去し、吸着し難い前述した
有機物は通過させる。その結果、効率的な吸着がなされ
る。
する気体の風速を大きくしても対象有機物に対する吸着
性能が低下しない。通常、ケミカルフィルタは関口形状
がHEPAフィルターに合わせて60cm×60cm程
度の寸法を有し、クリーンルームに要求される風速が
0.5m/秒程度であるため、10m3 /分程度の風速
が必要である。ケミカルフィルタのエレメント自体は気
流が速くなると、除去性能が低下するため、エレメント
をプリーツ型とし瀘過面積を大きくしている。この瀘過
面積としては、通常5〜10m2 を必要としている。し
たがって、瀘過面積当たりの処理気体量は0.1〜0.
2l/cm2 である。
速で活性炭フィルタに空気を流すと、市販品ではDOP
の除去率は80%程度に低下する。これに対し、本発明
のウール状石英のエレメントでは1cm2 当たり0.7
l/分の流速にしてもDOPに対しほぼ100%の捕集
率が得られる。したがって、本発明に用いるフィルタは
瀘布面積を活性炭エレメントの1/5に縮小することが
できるため、フィルタの使用形態として必ずしもプリー
ツ構造とする必要がない。また、構造が簡単になるた
め、エレメントをフィルタ筐体(収納部材)に固定する
に際し、有機系シール剤等の使用を避けることも可能と
なる。
タは有機溶剤、例えばアセトンでリンスすることにより
吸着した有機物は容易に除去できる。この際、予めフィ
ルタの支持部材をアルミニウム等の耐溶剤性のあるもの
で形成すれば、エレメントを筐体から分離せずに容易に
再生することができる。
塩酸の吸着が多い。硫酸や塩酸を含む洗浄剤でシリコン
ウェハを洗浄した時は硫黄(S)や塩素(Cl)の吸着
が1015atoms/cm2 に達することがある。した
がって、本発明に使用する表面がシリカ(Si02 )か
らなる繊維の表面は同程度の吸着がなされることが考え
られる。前述した比重0.1、厚さ4mmのフィルタエ
レメントとして平均直径3μmのウール状石英を用いた
場合、このエレメント布1cm2 当たりのウ一ルの全表
面積は800cm2 と計算される。したがって、前記フ
ィルタエレメントはシリコン表面と同程度の吸着能力が
あるとすると、8×1017分子/cm2、即ち1.3μ
モル吸着できることになる。実際には、後述する実施例
で示すように例えば硫酸ミストに対し、ウール状石英を
用いたフィルタは1cm2 当たり16μモル捕集しても
除去率が低下しない。塩酸ガスに対しても同様の傾向に
ある。
とも表面がシリカ(SiO2 )からなる繊維状物を圧縮
して形成したエレメント、または前記繊維状物を布状ま
たは紙状に加工したエレメントで構成されるフィルタ
は、シリコン表面並びにシリコン酸化膜表面を汚染する
分子に対して有効な除去効果を有するのみならず、その
吸着による除去能力はシリコン表面吸着量から計算され
る量より桁違いに大きいという特徴を有する。この値は
陰イオン交換フィルタやアルカリ添着活性炭フィルタ等
の瀘布エレメントに匹敵するレベルである。
純水でリンスして乾燥するだけで再生が可能であり、フ
ィルタを分解することなく再生できる便利さがある。た
だし、本発明に用いるフィルタはアミンやアンモニア等
の陽イオン型の不純物に対しては効果が少ない。この種
の汚染物は、シリコン表面に酸を吸着していない場合に
は吸着しいくいが、シリコンウェハやその上の各種膜を
選択エッチングするためのマスクとして用いる化学増幅
型レジストの現像には有害である。したがって、陽イオ
ン交換フィルタまたは添着型の陽イオン除去フィルタを
少なくとも表面がシリカ(SiO2 )からなる繊維状物
を圧縮して形成したエレメント、または前記繊維状物を
布状または紙状に加工したエレメントで構成されるフィ
ルタの前段(上流)に配置して気体清浄化装置を構成
し、この後段に精密微粒子除去フィルタを配置すること
によって、半導体デバイス製造プロセスに有害な有機
物、陰イオン、陽イオンの全てを除去した超清浄環境を
実現することができる。このような目的を達成するため
には従来のケミカルフィルタとしては陽イオン除去フィ
ルタ、陰イオン除去フィルタ、活性炭フィルタの3段構
造が必要であるが、本発明によれば2段構造で済み、ス
ペースファクタと圧力損失を改善することができる。
表面がHF処理を受けても短時間で自然酸化膜が成長さ
れるので、シリコンウェハ表面と熱酸化やCVDで形成
されたシリコン酸化膜表面とは、セラミック系のSiO
2 の表面と吸着現象に関して同質と考えられる。シリコ
ン表面と酸化膜表面は、雰囲気からの吸着に関し類似し
た選択性を有しているため、雰囲気中のこれらの表面に
活性な有害不純物のみに対し、同様の選択性を有する少
なくとも表面がSiO2 からなる本発明に用いる繊維状
物は効果的な除去を行うことができる。単位面積当たり
吸着量に関しては、ウェハ酸化膜表面より本発明に用い
る繊維表面の方がはるかに大きい点と、酸性不純物に対
する選択的効果については、明確な説明ができない。い
ずれにしても、本発明は有意義な吸着選択性と吸着面積
からの予測よりはるかに大きい吸着能力に支えられてい
る。
陽イオン交換除去フィルタを前段に配置して捕捉する組
み合わせにより、塩のミストが多い場合でもこのエレメ
ントで酸性化し、酸性不純物に効果のある本発明に用い
るエレメントとで相乗的除去効果が得られる。
する。 <ウール状石英およびSiO2 膜形成繊維の作製>ウー
ル状の石英は、加熱溶融した円柱状石英インゴットを細
棒にした後、0.2mmほどの細線にまで加熱して引伸
ばす。この線を酸水素炎中に連続的に導入して、高速の
燃焼ガスにより吹き飛ばしてウール状とし、このウール
状物を金網で回収する。この場合、ウール状繊維の線径
は酸水素炎の速さと母材の細線の直径に依存し、0.1
μmから12μmのものが得られる。この実施例では、
平均3μmのものを作製した。これらはそのまま圧縮
し、また厚さ約4mmの布として使用した。
に塩酸を添加して加水分解し、これをエタノ一ルで均一
ゾルとした後pHを低下させてシリカゲルに変え、この
中に耐熱性繊維であるアルミナ繊維を浸漬した。つづい
て、加温乾燥した後1200〜1400℃で繊維面にS
iO2 膜を焼結することによりSiO2 膜形成繊維は、
にSiO2 膜を焼結させることにより作製した。SiO
2 膜の厚さは自由に制御することができるが、この実施
例では約0.2μmとした。次いで、前記SiO2 膜形
成繊維を用いて厚さ約2mmのシートとした。
さ4mmの瀘布から直径3cmの円板を各3枚ずつ切り
出して以下に説明する吸着捕集性能のテスト試料とし
た。
活性炭瀘布とから直径3cmの円板を各3枚ずつ切り出
して以下に説明する吸着捕集性能のテスト試料とした。
まず、ジオクチルフタレート(DOP)に対する捕集性
能を調べるために、14C標識DOPを合成し、図1、図
2に示す試験装置を用いてRIトレーサ法により吸着捕
集性能を測定した。
C標識DOP発生器である。前記発生器1は、内部に配
置されたガラスビーズ充填層と、この充填層に含浸され
た14C−DOP液を気化する機構とを備えている。一端
が図示しない高圧空気ボンベに連結された空気供給管3
は、他端が前記混合器2に連結されている。互いに隣接
して配列された第1、第2の吸収容器41 、42 は、前
記発生器1に隣接して配置されている。DOP吸収液5
1 、52 は、前記各吸収容器41 、42 内にそれぞれ収
容されている。ゴム栓61 、62 は、前記各吸収容器4
1 、42 の開口部付近に嵌着されている。長尺細管7
1 、72 は、前記各ゴム栓61 、62 に下端が前記DO
P吸収液51 、52 内まで達するようにそれぞれ挿着さ
れている。短尺細管81 、82 は、前記各ゴム栓61 、
62 に下端が前記吸収液51 、52の上方位置するよう
にそれぞれ挿着されている。前記第1吸収容器41 の短
尺細管81 と前記第2吸収容器42 の長尺細管72 と
は、配管9により連結されている。前記第2吸収容器4
2 内のガスは、その短尺細管82 に連結された配管10
を通して外部に放出される、前記混合器2と前記第1吸
収容器41 の長尺細管71 とを連結する配管11には、
試料ホルダ12が介装されている。この試料ホルダ12
は、ガス導入穴13と連通し、内周面にネジ切り加工が
施された円柱状の収納穴14を有する円錐台形状の試料
保持容器15と、この保持容器15にOリング16を介
して気密に固定されたガス導出穴17を有する円錐台形
状の蓋体18とを備えている。前述したフィルタである
3枚の円板状試料191 〜193 は、前記試料保持容器
15の収納穴14内に収納され、かつ前記収納穴14に
螺着された円筒状係止部材20により前記収納穴14内
に固定されている。
による実施例1、比較例1のフィルタ性能の試験を説明
する。まず、DOP発生器1を作動して気化した14C−
DOPを混合器2に導入すると共に、図示しない高圧空
気ボンベから空気を空気供給管3を通して前記混合器2
に供給して前記14C−DOPガスと所定の割合で混合し
た。このガスを配管11を通して試料ホルダ12内に導
入し、その中の3枚の円板状試料191 〜193 を通過
させた後、第1、第2の吸収容器42 のDOP吸収液5
1 、52 を通過させ、配管10から外部に放出した。
までの配管11は実際には可能な限り短くしてあるの
で、前記試料ホルダ12内の1枚目の試料191 表面に
到達した14C−DOPガスは3枚の試料191 〜193
に捕捉されたものと、2つの吸収液51 、52 に捕捉さ
れたものの総和としてよい。RIトレーサ法であるか
ら、それぞれの捕捉14C−DOPの放射能量を全部の放
射能量の和で除して%で表示し、各試料並びに各吸収液
のDOP捕集率とした。各試料の放射能量は、試料をイ
メージングプレート(IP)で露光してその読取装置に
より求めた。また、各吸収液の放射能量は吸収液を液体
シンチレーターで測定して求めたものである。
m2 当たりO.3l/分とし、混合した14C−DOPの
濃度を0.1ppbとした時、各試料及び吸着液の14C
−DOPの捕集率を下記表1に示す。
ィルタエレメントは空気中の有機物を速い流速で除去す
るのに適することがわかる。また、14C−DOPを十分
に捕捉したエレメント試料を円筒型ガラスフィルタの瀘
過板面上に置き、アセトンで10回リンスした。その結
果、試料はまったく放射能を示さなくなった。アセトン
は蒸留による再生精製が容易であるから、本発明のエレ
メントは有機物汚染しても再生使用が容易である。
こっていることを確認した高純度のアルゴンを配管を通
してステンレス製小箱の中に放出させ、この箱の中にシ
リコンウェハを放置し、Arを1l/分の流速で24時
間流した。前記シリコンウェハとしては、SC−1(N
H4 OH:H2 O2 :H2 O=1容:1容:5容)洗浄
により水滴接触角が約2.5゜に親水性化したものを用
いた。その後、前記ウェハの水滴接触角を測定した。そ
の結果、13゜になり、ウェハ面が著しく有機汚染した
ことがわかった。
過板上に、前述し方法で作製したウール状石英を見掛け
比重が0.1、厚さ約3cmになるように圧縮して詰め
込んだ。このフィルタの円筒状口を気体導入管を有する
蓋で密栓し、前記フィルタの末端には0.01μmの孔
サイズのセラミックフィルタを接続した。前記導入管に
アルゴン配管に接続した。アルゴンを前記微粒子除去フ
ィルタを通して前記小箱の中に放出させ、同様の親水性
ウェハを同条件で放置した。その結果、前記ウェハの水
滴接触角は全く変化しなかった。
フィルタは瀘布面積が10m2 で総イオン交換容量は硫
酸では1.6モル程度である。このフィルタは、16μ
モル/cm2 に相当する。本発明のフィルターは硫酸ミ
ストの除去に効果があるので、この寿命を35Sで標識し
た硫酸ミストを用いてトレーサ法により調べた。
枚を同様に図2に示す試料ホルダにセットし、図1の発
生器からこのRI標識硫酸ミストを発生させ、同様の実
験を行った。硫酸ミストを含む空気の流速は同じく瀘布
cm2 当たり0.3l/分としたが、35S標識硫酸の濃
度は約3.5ppmとし、6時間、即ち16μモル/c
m2 の条件で流した後、3個の試料の捕捉した硫酸量の
比をIPによる測定から求め、放射線量により計算し
た。その結果、1枚目の試料で98%、2枚目の試料で
2%が捕捉され、3枚目の試料には全く硫酸は到達して
いないことがわかった。
除去できることから、再度、前記3枚の試料を同じ順序
で試料ホルダにセットし、3枚目の側から空気と逆向き
に80℃に加熱した超純水を10分流した後、温風を流
して乾燥させ、前述したのと同様に硫酸ミストを含む空
気を16μモル/cm2 の条件で流して実験を行った。
その結果、1枚目の試料で95%、2枚目の試料で5%
捕捉され、3枚目の試料には全く到達しなかった。
の16μモル/cm2 の条件で流す実験を行った。その
結果、1枚目の試料で97%、2枚目の試料で3%捕捉
され、3枚目の試料には全く到達しなかった。
体中の陰イオンに対し十分な除去効果があると共に、試
料ホルダに取付けた試料(フィルタ)に単に超純水処理
を行うだけで有効な再生ができることがわかる。
ミナ繊維シートから直径3cmの試験用試料を3枚切り
出し、前述した図1、図2に示す試験装置を用いて実施
例1と同様の試験を行った。ただし、RI標識化合物の
発生は36Clで標識化した塩酸とした。濃度は10pp
bとし、空気の流速は1cm2 当たり0.7l/分と高
速にし、10時間後、同様なIPによる放射線測定で捕
捉率を求めた。1枚目の試料では97%、2枚目の試料
では3%、3枚目の試料では0%で、HClガスに対し
ても本発明のフィルタエレメントは有効で、しかも高流
速の気体に対し、十分な捕捉率で不純物除去ができるこ
とがわかった。
トは、雰囲気中のアンモニアやアミンのような陽イオン
に対しては吸着能力が弱い。特に、気体が高流速の場合
には著しく劣る。なお、実施例の36Clで標識した塩酸
の代わりに14Cで標識したモノメチルアミンを用い、そ
の濃度を0.1ppbと低くした以外、全く同条件の評
価を行った。その結果、1枚目の試料で56%、2枚目
の試料で35%、3枚目の試料で9%であった。このよ
うな不純物はシリコン表面に比較的吸着し難いのと同様
である。ただし、半導体製造プロセスとしては陽イオン
を嫌う場合もある。その対応策として、アンモニアとト
リメチルシラノ一ル等の分解によって発生するヘキサメ
チルジシラザン(HMDS)プロセス用クリーンベンチ
に本発明を適用した場合について、図3のクリーンベン
チ断面の概略図で示す。
22から送られた無塵空気はプロセス環境23を経てプ
ロセスで発生した汚染ガスを伴い、グレーティング24
から送風機25によりプリーツ型エレメントを有する陽
イオン交換繊維フィルタ26に送られる。このフィルタ
26は、引出式の枠に納められており、寿命がなれば把
手27によりべンチ21後方のユーティリティ領域より
随時交換できるようになっている。陽イオンが除去され
た空気は、前記ベンチ21内を上昇して斜めに保持され
た平板状あるいは波板状の本発明のSiO2 繊維布エレ
メントフィルタ28に達する。ここで有機物と陰イオン
が除かれ、再びULPAフィルタ22に到達して空気は
循環する。なお、図3中の29は寿命となった前記フィ
ルタ28を再生した別のフイルタに交換するための後方
扉である。
前方扉30を閉じ、スピンナーによりウェハにヘキサメ
チルジシラザン(HMDS)を塗布した後、0.5m/
秒の流速で3分間空気を循環させ、プロセス環境23の
空気をインピンジャーでサンプリングし、陰イオン、陽
イオンの分析を行った。HCl、H2 SO4 、NH3の
全てにおいて0.1ppb以下であり、また親水性シリ
コンウェハを使った前述した水滴接触角テストでも全く
角度の変化はなかった。したがって、半導体製造プロセ
スに有害な空気中不純物に関する限りは、超清浄環境が
得らていることがわかった。
法によれば、半導体デバイス製造工程でシリコンウェハ
表面や酸化膜ウェハ表面に吸着汚染しやすい雰囲気中の
不純物だけを選択的に除去することができるため、極め
て除去効率が高く、かつフィルタ寿命の点でも有利であ
る。
清浄化効果が強く、しかも通常の活性炭フィルタや陰イ
オン除去用のフィルタが早い流速の気体に対して除去効
果が劣るのに対し、高流速での除去性能が著しく改善さ
れ、エレメント面積を1/5に縮小しても良好な除去能
力を維持することができる。
2 )からなる繊維状物に吸着した有機物は少量の有機溶
剤で除去でき、また陰イオンは超純水だけで除去できる
ため、清浄化能力が劣化してもこの方法で容易に最初の
性能まで再生できる。したがって経済性にも優れてい
る。硫酸や塩酸あるいは油性有機物に対して強い除去能
力があるので、利用分野は半導体分野には限らない利点
もある。
試験装置を示す概略図。
す断面図。
浄環境用クリーンベンチを示す概略図。
Claims (5)
- 【請求項1】 少なくとも表面がシリカ(SiO2 )か
らなる繊維状物を圧縮して形成したエレメント、または
前記繊維状物を布状または紙状に加工したエレメントで
構成されるフィルタにより気体中の有害な化学的微量成
分および有害なミスト状汚染物を除去することを特徴と
する気体清浄化方法。 - 【請求項2】 前記フィルタは、半導体用シリコンまた
はシリコン酸化膜表面に接する気体を処理することを特
徴とする請求項1記載の気体清浄化方法。 - 【請求項3】 少なくとも表面がシリカ(SiO2 )か
らなる繊維状物は、加熱溶融した石英インゴットを素材
として酸水素炎中で吹き飛ばすことによって作製された
ウール状物であることを特徴とする請求項1または2記
載の気体清浄化方法。 - 【請求項4】 少なくとも表面がシリカ(SiO2 )か
らなる繊維状物は、表層にシリカ(SiO2 )が焼結さ
せた耐熱性繊維からなることを特徴とする請求項1また
は2記載の気体清浄化方法。 - 【請求項5】 少なくとも表面がシリカ(SiO2 )か
らなる繊維状物を圧縮して形成したエレメント、または
前記繊維状物を布状または紙状に加工したエレメントで
構成されるフィルタと、陽イオン除去フィルタとを具備
したことを特徴とする気体清浄化装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP08826397A JP3711376B2 (ja) | 1997-04-07 | 1997-04-07 | 気体清浄化方法および気体清浄化装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP08826397A JP3711376B2 (ja) | 1997-04-07 | 1997-04-07 | 気体清浄化方法および気体清浄化装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10277364A true JPH10277364A (ja) | 1998-10-20 |
JP3711376B2 JP3711376B2 (ja) | 2005-11-02 |
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