JPH10275724A - 磁気ヘッド用非磁性材料 - Google Patents

磁気ヘッド用非磁性材料

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JPH10275724A
JPH10275724A JP9096449A JP9644997A JPH10275724A JP H10275724 A JPH10275724 A JP H10275724A JP 9096449 A JP9096449 A JP 9096449A JP 9644997 A JP9644997 A JP 9644997A JP H10275724 A JPH10275724 A JP H10275724A
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JP
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mol
coo
cao
magnetic
nio
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JP9096449A
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English (en)
Inventor
Nobuyuki Yamada
信行 山田
Kenichi Tsunoda
健一 角田
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Proterial Ltd
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Hitachi Metals Ltd
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Publication date
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  • Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 磁気ヘッド用として磁気テープ等の媒体と摺
動しても面荒れを引き起こさず、かつ高密度な非磁性材
料を得ること。 【解決手段】 LaO3/2 35〜45、CoO 15
〜40、NiO 2〜20、CaO 5〜15、TiO
2 10〜30mol%の組成からなり、断面で見て全
面積の85%以上が面荒れを起こさない相で構成されて
いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は高密度磁気記録の磁
気ヘッドとして用いられる非磁性材料に関するものであ
る。特に、熱膨張係数の大きい薄膜磁性材料を製膜して
得られる、媒体との摺動性に優れた磁気ヘッド用非磁性
材料に関する。
【0002】
【従来の技術】磁気テープやディスク媒体と接触して記
録再生を行う磁気ヘッドとしてたとえば特開平3ー28
722号公報に記されているように非磁性材料の基板上
に磁性薄膜をスパッタ等で製膜して作成される磁気ヘッ
ドは高密度記録を達成するための磁気ヘッドとして有用
であることが知られている。係る磁気ヘッドはFe-Al-S
i、Co系非晶質、Fe系結晶質等の高飽和磁束密度の合金
磁性材料をスパッタ等の薄膜形成手段を用いて製膜し、
この薄膜を磁気ギャップを介して相対峙させて作成され
る。このような磁気ヘッドを作成する上で、薄膜を製膜
する基板材料としてはMn-Znフェライトの様な磁性材料
を用いるメタルインギャップ型と非磁性材料を用いるラ
ミネート型の二種類がある。前者はフェライトを磁気回
路の一部として用いるために高い再生出力が得られる。
一方、後者は基板が非磁性のために、磁気ヘッドのイン
ダクタンスが小さく高周波での記録再生に適することお
よびバルクハウゼンノイズがフェライトより小さな合金
磁性材料のみで構成されることから、低ノイズヘッドを
容易に作成できることが特徴である。
【0003】ところでこの様な非磁性材料を基板とする
場合には、合金薄膜材料の熱膨張係数が比較的大きいた
めに、製膜中は温度が上昇し製膜後室温に冷却される過
程で合金薄膜に著しい応力が加わる。この応力のため膜
の磁気特性が劣化することが知られている。従って、こ
の現象を避けるためには非磁性基板材料としても大きな
熱膨張係数を有することが必要である。非磁性材料とし
てはCaTiO3、MnO-NiO、およびLaO-CoO系材料が知られて
いる。特に、薄膜材料としてFe-Al-Siの様に熱膨張係数
が150×10-7/℃を越えるような材料を製膜する上ではと
りわけ大きな熱膨張係数を有する基板材料が必要であ
る。この様な材料としてはLaO-CoO系が大きな熱膨張係
数を有することから、好ましい材料である。LaO-CoO系
材料としては特開平6-329463号公報にLa2O3がLaO3/2
算で5〜50mol%、CoOが50〜95mol%、あるいはLaOとCoO
の量は異なるがこれらに5〜47.5mol%のNiO、1〜9mol%
のCaOを加えた組成、あるいは5〜45mol%のCaO、5〜45m
ol%のTiO2を加えた組成のものが記されている。また、
LaO-CoO系が大きな熱膨張係数を有しているものの、結
晶粒が大きくボイド等の欠陥も多いことから、上記の様
なLaO、CoO以外の第3元素を加えることにより改良さ
れ、かつ実用的な 110〜 200×10-7/℃の熱膨張係数
が得られると述べてある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記の様にLaO-CoOに
第3元素としてNiO、TiO2、CaOを加えた組成として特開
平6-329463号公報では(1)LaO3/2 5〜50mol%、CoO 50
〜95mol% でペロプスカイト型のLaCoO3相と岩塩構造
のCoO相の2相混合(以下mol%は省略して数値のみを記
す)(2)LaO3/2 20〜45、CaO 5〜20、残部CoO (3)LaO
3/2 30〜45、CaO5〜20、CoO 50 (4)LaO3/2 20〜4
5、SrO 2〜15,残部CoO (5)LaO3/2 35〜45、SrO 5〜
15、CoO 50 (6)上記(1)および(3)にCoNiO2を複合させ
る(7)LaO3/ 2 5〜45、NiO 23〜47.5、CoO 27.5〜50
(8)LaO3/2 4〜36、CaO 1〜9、NiO5〜45、CoO 50
(9)LaO3/2 5〜45、CoO 5〜45、CaO 5〜45、TiO2 5
〜45でLaCoO3相およびCaTiO3相の2相で構成されるもの
が記されている。この組成の非磁性材料を用いて磁気ヘ
ッドを作成し、磁気テープと接触させ耐久試験を行った
ところ、これらの組成のものでは基板材料に面荒れをを
生じ、これに起因すると思われる再生出力の低下が認め
られ、高い信頼性を要求されるような磁気ヘッド用の非
磁性基板材料としては不適切であることが判明した。ま
た磁気ヘッド用の基板としては高密度であることが要求
されるが、これらの組成では焼結体の中に空孔が多かっ
た場合があった。本発明はこの様な長時間耐久試験後も
面荒れや再生出力の低下を招かないように改良するこ
と、さらに上記の様な密度が低いという欠点を改良する
事を目的とした。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記のような問題点を解
決するため発明者はLaO3/2-CoO系について鋭意検討した
結果、テープとの摺動時に面荒れを生じるのは結晶組織
が単相でなく複合組織であることから、特に特定相が起
因となって面荒れを引き起こすことを見いだした。組成
について詳細に調べた所、LaO3/2-CoO-CaO-TiO2-NiOの
5元素を同時に含み、かつこれらの量を適切に選択する
ことにより単一組織に近い非磁性材料が得られ、これら
単一組織のものでは面荒れが著しく減少する事が判明し
た。さらに、この5元系において各々の量を選択するこ
とで空孔が減少する。以下に実施例を掲げて詳述する。
【0006】(実施例1)市販の酸化物、炭酸塩La
2O3、CoO、CaCO3、TiO2、NiOを所定の割合で秤量し、樹
脂を内張りにしたボルーミル中で4時間混合した。 こ
の粉末を酸化アルミの容器に入れ、電気炉中で900〜120
0℃好ましくは1100℃で2時間仮焼を行った。次に、同
じボールミルを用いて24時間粉砕した。その粉砕粒度を
測定したところほぼ1ミクロンであった。この粉砕粉に
バインダーを加え、造粒成形し、空気中、1400〜1450℃
で焼成後、1350℃1500気圧でHIP処理をして所望の非
磁性材料を得た。
【0007】この様にして作成した試料を用いて室温か
ら600℃に至る間の平均熱膨張係数および試料を研磨し
た後、SEMで断面のミクロ組織を観察し図1に示した
ような黒色に見える相の面積割合を求めた。表1にその
結果を示す。
【0008】
【表1】 注:組成はいずれもmol%で表す。
【0009】表1の結果から分かるように、試料1〜9
でいずれも熱膨張係数が120×10-7/℃以上であり、かつ
黒色相の割合が15%以下に減少している。なお、空孔率
は0.2%以下と高密度である。これに対し参考例では、
熱膨張係数は大きいものの、いずれも黒色相が著しく多
い。また、空孔が大きい。参考例3はNiOを含まない特
開平6-329463号公報に記載の組成、参考例4はNiOは含
むがCaO、TiO2を含まない上記特許に記載の組成であ
る。
【0010】表1に示した幾つかの試料について黒色相
の組成をSEM-EDXを用いて分析した。結果を表2に示
す。
【0011】
【表2】 実際の分析に当たっては黒色部の大きさが数ミクロンの
ため、主に黒色部を分析しているが、周囲を一部分析し
ている可能性もあるため、微量に検出されている元素に
ついては明確ではない。いずれにせよ表1でLaO3/2、Co
O、NiOを含む試料、LaO3/2、CoO、NiO、CaO、TiO2全て
を含む試料はCoNiに富む相が、そしてNiOを含まない組
成のものはCoO相が検出された。
【0012】本発明のような5元素系がどのような相を
生成するかは複雑と思われ、特開平6-329463にも説明は
ないが、黒色相の成分分析結果から推測すると以下のよ
うであると考えられる。すなわち、NiOを含まない場合
にはCoO単独の黒色相が生成される。これはLaO3/2-CoO
系に特有の現象である。CoO単独相は大気中に放置した
場合不安定で磁気ヘッドに用いた場合、相の脱落など信
頼性に問題を生じ易いと推察される。一方、NiOを含ん
だ場合とかつ同時にCaO、TiO2を含むとCoOの代わりに黒
色相としてはCo、Niに富む相が生成される。Co,Niに富
む相は大気中でも比較的安定な相で120℃、2気圧の飽
和水蒸気下で24時間試験しても相の変化が観察されなか
った。従って、黒色相を含む場合はCoOの生成に注意
し、Co,Ni相を生成させるように組成を吟味する必要が
ある。
【0013】LaO3/2-CoO-NiO-CaO-TiO2の5元系で表1
の実施例の組成範囲から外れると、CoO-NiO相の生成量
が面積比率で15%以上になり、実施例3で述べるよう
に、面荒れを生じひいては再生出力の低下を招き好まし
くない。面積比で15%以下の得られる適切な組成範囲は
次のようである。すなわち、LaO3/2が35mol%より少ない
と黒色相が増える。また、45mol%より多くても黒色相は
増大する。これはCoNiからなる黒色相を生成しないため
に、La03/2、CaO、TiO2と共にCoO、NiOが単一相を生成
するのであるが、この際LaO3/2に過不足が生じると単一
相生成の成分的バランスが損なわれるためと考えられ
る。
【0014】同様に、CaO、TiO2がそれぞれ5、10mol%
より少ないと焼結性が著しく悪くなり、高密度化でき
ず、逆に多いと今度はCaTiO3相を生成してクラックを生
じ易く好ましくない。また、実施例3で述べるように、
CaOは熱膨張係数を変化させるので、多く加えると目的
とする120×10-7/℃以上の熱膨張係数が得られないとい
う不都合がある。
【0015】NiOはとりわけ本発明にとって重要な元素
であることは今までの説明から理解できよう。すなわ
ち、生成する黒色相として大気中で不安定な従来のCoO
相に代わり、安定でかつその生成量を制御しやすいCoNi
相を生成させるためである。CaO、TiO2は加える量を適
切に選択すれば、特にLaO3/2とCaOが相まって黒色では
ない単一相を生成する。黒色相の減少にはとりわけ、La
O3/2とCaOを加えて45〜50mol%の場合に著しい(表1、
試料番号3、6)更に、好ましいのはCaOとTiO2の比率
が1:2の場合(試料番号4、5、8、9)である。
【0016】(実施例2)表1中の試料番号2(黒色相
15%)、9(2%)および参考例3(60%)を用いて図2
に示す磁気ヘッドを作成した。磁気ヘッドはこれらの基
板の上に飽和磁束密度1.1T、1MHzにおける比透磁率
1,000、熱膨張係数165×10-7/℃のFe-Al-Si膜を8ミク
ロンの厚さにスパッタした。この場合、高周波での透磁
率の低下を避けるため、1層を2ミクロンとして中間に
0.1ミクロンの酸化珪素膜を絶縁層としてスパッタし
た積層構造とした。磁気ギャップはSiO2をスパッタする
ことで0.3ミクロンに形成した。かかる磁気ヘッドを用
い市販のVTRテープを用いて接触させ毎秒6.5mの相対速
度で摺動させ、120時間の耐久試験を行った。
【0017】図3および4に耐久試験を行った後の非磁
性基板のSEM写真を示す。図3は本発明の試料番号9の
試料、図4は従来の参考例3の試料である。従来例では
白色相の部分にテープと摺動した際に生じた傷が多く見
られ、著しい面荒れを生じているのが観察される。一方
本発明の試料番号9では傷や面荒れは認められない。SE
M写真から判断して、従来例で黒色部は硬度が大きいと
考えられ、このためテープと接触しても磨耗しない。一
方、白色部は硬度が低いため磨耗が進み、結果として白
色部のみが磨耗して面荒れを生じる。本発明では単層に
近いため、全体が均一に磨耗するので面荒れが生じな
い。
【0018】さらに耐久試験前後の磁気ヘッドの再生出
力を測定した結果を表3に示す。
【0019】
【表3】 このように本発明では摺動耐久試験後も面荒れがないの
で再生出力の低下が殆どない。しかし、従来例では著し
い出力低下が認められる。従って、黒色相の少ない単一
相に近い本発明材料が磁気ヘッド材料として有用なこと
が分かる。
【0020】(実施例3)特開平6-329463号公報にはLa
03/2-CoO系が熱膨張係数が大きいことが示されており、
本発明のLaO3/2-CoO-NiO-CaO-TiO2もこれら2元素を含
むため熱膨張係数が大きいことが推定される。表1には
一部その事実が示されている。非磁性材料としては大き
な熱膨張係数とりわけ120×10-7/℃以上のものが要求さ
れる。本発明のLaO3/2-CoO-Ni0-CaO-TiO2では、これら
の含有量の選択で熱膨張係数を制御できるが、そのうち
でも特にCaOの含有量を適切に選択することで広い範囲
で所望の熱膨張係数を得ることが可能である。
【0021】図5はNiO量を2mol%−LaO3/2(50-X)−CaOX
−TiO22X−残りをCoOmol%とした組成でCaO量をX量変化
させ、実施例1と同様の条件で作成した試料の熱膨張係
数である。CaO15mol%以下で120×10-7/℃以上の値が得
られ、かつ5mol%以上で220×10-7/℃以下の所望の値が
得られる。このように本材料は要求される熱膨張係数の
値を広く満足できる。
【0022】
【発明の効果】本発明の材料を用いれば長時間の耐久試
験を行っても面荒れのないかつ再生出力の低下が少ない
磁気ヘッドを得ることが出来るという大きな効果があ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の1実施例における試料の顕微鏡
写真。
【図2】図2は実施例2で示した耐久試験、再生出力測
定に供した磁気ヘッドの構成を示す外観図。
【図3】図3は本発明の実施例9の試料の顕微鏡写真。
【図4】図4は従来の参考例3の試料の顕微鏡写真。
【図5】図5は本発明のLaO3/2-CoO-NiO-CaO-TiO2にお
けるCaO量と熱膨張係数の関係
【符号の説明】
1 白色相、2 黒色相、3非磁性材料、4 非磁性材
料、5 高飽和磁束密度の磁性膜、6 高飽和磁束密度
の磁性膜、7 磁気ギャップ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 LaO3/2 35〜45、CoO 15〜40、NiO 2
    〜20、CaO 5〜15、TiO2 10〜30 mol%および不可避
    の不純物からなる組成であることを特徴とする磁気ヘッ
    ド用非磁性材料。
  2. 【請求項2】 LaO3/2 とCaOの合計が45〜50 mol%で
    あることを特徴とする特許請求項1に記載の磁気ヘッド
    用非磁性材料。
  3. 【請求項3】 CaOとTiO2の比がおよそ1:2であるこ
    とを特徴とする特許請求項2に記載の磁気ヘッド用非磁
    性材料。
  4. 【請求項4】 室温から600℃に至る平均熱膨張係数が1
    20〜220×10-7/℃であることを特徴とする特許請求項1
    〜3のいずれかに記載の磁気ヘッド用非磁性材料。
JP9096449A 1997-03-31 1997-03-31 磁気ヘッド用非磁性材料 Withdrawn JPH10275724A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2013150779A1 (ja) * 2012-04-06 2013-10-10 日本特殊陶業株式会社 酸化物焼結体及びそれを用いた配線基板

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