JPH10274554A - 圧力容器の液位測定装置 - Google Patents

圧力容器の液位測定装置

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JPH10274554A
JPH10274554A JP9080430A JP8043097A JPH10274554A JP H10274554 A JPH10274554 A JP H10274554A JP 9080430 A JP9080430 A JP 9080430A JP 8043097 A JP8043097 A JP 8043097A JP H10274554 A JPH10274554 A JP H10274554A
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Japan
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liquid level
pressure vessel
measuring device
amount
pressure
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JP9080430A
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Teruaki Tomizawa
輝昭 富沢
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

Abstract

(57)【要約】 【課題】圧力容器における液相と気相の二相の流入量と
流出量の差から圧力容器内の液位変化を測定して、差圧
式液位計における過渡現象を回避した液位と保有量の測
定により運転員の負担を低減する圧力容器の液位測定装
置を提供する。 【解決手段】請求項1記載の発明に係る圧力容器の液位
測定装置は、加圧された液相2と気相3の二つの相を包
含する原子炉圧力容器1内の液位を測定する圧力容器の
液位測定装置において、前記原子炉圧力容器1内に流入
する液相2と流出する液相2及び気相3(蒸気)の流量
を測定して流入量と流出量との差より圧力容器内の液位
の変化を測定することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】加圧された液相と気相の二つ
の相を包含する圧力容器内の液位測定に係り、特に、沸
騰水型原子炉の液位測定における差圧式液位計を支援す
る圧力容器の液位測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】加圧された液相と気相の二つの相を包含
する圧力容器として、沸騰水型原子炉における原子炉圧
力容器を例にして説明する。図1のブロック構成図に示
すように、原子炉圧力容器1の内部は、約70Kg/cm2
加圧された液相2と気相(蒸気相)3の二つの相を包含
しており、従来は液相面の液位を測定する差圧式液位計
4は、液相2と気相3との差圧から液位を検出するもの
で、原子炉圧力容器1の液相2部と気相3部に接続され
ていて、液面5の位置を計測している。
【0003】沸騰水型原子炉における原子炉圧力容器1
の内部は、運転状態では飽和圧力及び温度で加圧されて
いて、液面5はある一定の位置にバランスしている。原
子炉の運転上から、この液面5を一定の位置に保つこと
は大切なことであり、従って、運転員は原子炉運転のあ
らゆる状況において、液面5を監視することによる注意
を行っている。
【0004】なお、前記液面5を一定の位置に保つため
の制御としては、高度な制御装置を用いて自動調整され
ているが、この調整方法については公知の技術であるこ
とから、ここでは説明を省略する。
【0005】また、前記原子炉圧力容器1には、前記差
圧式液位計4の外に流量調整弁6を介挿すると共に流量
計7を設けた冷却材である水を供給する流入配管8と、
流量計9を設けた気相3(蒸気)が流出する流出配管1
0、及び流出弁11を介挿した流量計のない流出配管12、
流量計がなくポンプ13を介挿した流入配管14と、圧力計
15が接続されている。
【0006】一方、上記のような原子炉圧力容器1の内
の液面5は、液相2や気相3のエネルギーバランスの変
化に対して、敏感な挙動を示す特徴を持っている。一例
を図2の特性曲線図で示すように、(a)は流出弁11の
開閉状態で、(b)はこの時の差圧式液位計4の指示値
である。
【0007】流出弁11を開放して気相3を、原子炉圧力
容器1から流出配管12により、図示しない原子炉施設内
のタンクに排出すると、原子炉圧力容器1内の気相3の
圧力が低下する。この時に、一定の位置を保っていた液
面5からは新たな蒸発が生じるので、差圧式液位計4の
指示値は、図2(b)のように初期値LS0に対して、当
初は一時的に液面が上昇するような指示を行う。
【0008】前記により一時的に液面が上昇する現象を
液面のスウエリングと称し、以下同様に呼ぶが、前記差
圧式液位計4においては、液相2と気相3との差圧によ
り液位を計測していることから、前記スウエリングによ
る液面の上昇を検出するためである。
【0009】このことは、測定方式からすると正しいこ
とであるが、沸騰水型原子炉の運転に際しては、原子炉
圧力容器1内の炉心冷却の健全性を監視をする点から、
原子炉圧力容器1が内包する液相2である、冷却材の量
が大切なパラメターとされている。
【0010】従って、前記差圧式液位計4の液位測定に
よる運転員の監視では、前記図2(b)に示すスウエリ
ングによる液面5の一時的に上昇の指示値が提示される
ことから、この一時的にせよ液面5の上昇は、運転員に
は液相2である冷却材の量が増加したかのように思わせ
る。
【0011】しかし本当は、図2(c)の原子炉圧力容
器1内の水の保有量変化の曲線に示すように、流出弁11
の開放により冷却材である水が気相3として流出するこ
とから減少し、この保有量変化に対して図2(d)に示
す保有水量から演算される液位の曲線は、初期値L0 よ
りもΔLだけ低下した値で示される。
【0012】なお、前記図2(b)の差圧式液位計4が
示す液面5の指示値は、原子炉圧力容器1内のエネルギ
ーバランスの変化が短時間の内に納まり安定すると、初
期値LS0よりもΔLだけ低下した値で、原子炉圧力容器
1内の液相2である冷却材の量を示すものとなる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】原子炉圧力容器1内に
おける液面5の計測に際しては、上記スウエリングによ
る液面の一時的な上昇の外に、原子炉圧力容器1の圧力
変化により、液相2に含有される蒸気の泡(ボイド)が
消滅して、液面5が一時的に減少する等の現象がある。
これらの場合に差圧式液位計4においては、過渡的に運
転員が誤解を受けるような情報を与える支障がある。
【0014】勿論運転員は、事前の訓練において原子炉
圧力容器1内の各種事象の因果関係を把握していること
から、一時的な液位変化は大きな問題にはならないが、
これらの経過を常に監視している運転員にとっては、前
記過渡的な現象が安定することを確認するまでは、十分
に留意する必要があることから大きな負担となってい
た。
【0015】本発明の目的とするところは、圧力容器に
おける液相と気相の二つの相の流入量と流出量の差から
圧力容器内の液位変化を測定することで、差圧式液位計
における過渡現象を回避した液位と保有量の測定によ
り、運転員の負担を低減する圧力容器の液位測定装置を
提供することにある。
【0016】
【課題を解決するのための手段】上記目的を達成するた
め請求項1記載の発明に係る圧力容器の液位測定装置
は、加圧された液相と気相の二つの相を包含する圧力容
器内の液位を測定する圧力容器の液位測定装置におい
て、前記圧力容器内に流入する液体と流出する液体及び
気体(蒸気)の流量を測定して流入量と流出量との差よ
り圧力容器内の液位の変化を測定することを特徴とす
る。圧力容器における液相及び気相の流入量と流出量の
差から、過渡的現象の影響を受けずに圧力容器内の液位
の変化を測定する。
【0017】請求項2記載の発明に係る圧力容器の液位
測定装置は、請求項1において、弁が介挿されて流量計
を設置していない圧力容器に接続された配管からの流出
量を前記弁の開放時間と圧力容器における気相圧力によ
り演算することを特徴とする。弁が介挿されて流量計を
設置していない配管からの流出量を、介挿された弁の開
放時間と圧力容器における気相圧力により演算する。
【0018】請求項3記載の発明に係る圧力容器の液位
測定装置は、請求項1において、ポンプが介挿されて流
量計を設置していない圧力容器に接続された配管からの
流入量を前記ポンプの回転状態により定めると共に、前
記回転状態による補正により演算することを特微とす
る。ポンプが介挿されて流量計を設置していない配管か
らの流入量を、ポンプの回転状態により定めて、前記回
転状態によの補正することで演算する。
【0019】請求項4記載の発明に係る圧力容器の液位
測定装置は、請求項1において、圧力容器内の圧力変化
及び液位変化が安定している時に前記圧力容器に設置し
た差圧式液位計の示す液位を初期値として、この初期値
に流入量と流出量との差を圧力容器の断面積で除すこと
により演算した液位変化量を加減演算して液位測定を行
うことを特徴とする。圧力容器内の液位測定を、圧力及
び液位の変化が安定している時、流入量と流出量との差
を圧力容器の断面積で除して得た液位変化量を加減演算
して行う。
【0020】請求項5記載の発明に係る圧力容器の液位
測定装置は、請求項1において、圧力容器への流入量の
演算に際して流入する液体に前記圧力容器内の温度に対
応する密度補正を加えて液位測定を行うことを特徴とす
る。圧力容器に保有した液相の温度と異なる温度の液体
を外部から供給する際に、温度による密度換算を行うこ
とにより、高精度の液位が得られる。
【0021】請求項6記載の発明に係る圧力容器の液位
測定装置は、請求項1において、演算された液位と流入
量と流出量との差である前記圧力容器内の液体保有量の
増減変化及び差の大小の判定を文字及び色識別等で表示
する表示装置を設けたことを特徴とする。液位測定装置
で演算した液位及び、流入量と流出量との差である圧力
容器内の液体保有量の増減変化、さらに差の大小の判定
結果等を文字や色識別等により表示装置にて表示する。
【0022】請求項7記載の発明に係る圧力容器の液位
測定装置は、請求項6の表示装置において、円グラフと
して圧力容器内の液体保有量の増加を時計方向廻り、減
少は反時計廻りで表示すると共に、その大小を色識別す
ることを特徴とする。表示装置において、円グラフによ
り圧力容器内の液体保有量の増減を時計、反時計廻りで
表示すると共に、その大小を色識別する。
【0023】請求項8記載の発明に係る圧力容器の液位
測定装置は、請求項6の表示装置において、タンク形状
として流入量と流出量をそれぞれの方向の矢印で表示し
て各矢印内に流入量あるいは流出量を表示すると共に、
液位を増減方向の矢印とこの矢印内に流入量と流出量と
の差である圧力容器内の液体の保有量の増減変化を表示
することを特徴とする。
【0024】表示装置において、タンク形状とした圧力
容器の流入量と流出量、及び保有量の増減変化と液位を
それぞれの方向の矢印で表示すると共に、各矢印内に流
入量等を表示する。
【0025】請求項9記載の発明に係る圧力容器の液位
測定装置は、請求項6の表示装置において、液位の時間
的変化を示す形態として液位測定の演算結果から演算開
始時が起点で、この起点において差圧式液位計の示す液
位を初期値とすると共に、この初期値からの液位変化を
時間的変化として表示することを特徴とする。表示装置
において、液位測定装置による計測初期値からの液位変
化を時間的変化として表示する。
【0026】請求項10記載の発明に係る圧力容器の液位
測定装置は、請求項9の表示装置において、近未来の液
位の変化予測範囲を表示することを特徴とする。表示装
置において、計測初期値からの時間的変化による液位変
化と共に、近未来における液位の変化予測範囲を表示す
る。
【0027】請求項11記載の発明に係る圧力容器の液位
測定装置は、請求項1において、液位測定の演算開始に
切替える監視モード選択スイッチを備えたことを特徴と
する。監視モード選択スイッチにより、液位測定装置の
作動開始と停止の切り替えを行う。
【0028】
【発明の実施の形態】本発明の一実施の形態について図
面を参照して説明する。なお、上記した従来技術と同じ
構成部分については、同一符号を付して詳細な説明を省
略する。第1実施の形態は、圧力容器におけるスウエリ
ング等による過渡的な液面変化の影響を受けない液位測
定である。
【0029】図1のブロック構成図に示すように、圧力
容器である原子炉圧力容器1には、液相2として冷却材
である水を供給するものとして、流量計7が設置されて
流量調整弁6を介挿した流入配管8で流量I1 とするも
のと、ポンプ13を介挿した流量計が設置されてない流入
配管14で、流量I2 とする二つの配管が接続されてい
る。
【0030】また、気相(蒸気)3を外部に取り出すも
のとして、流量計9が設置された流出配管10で流量O1
とするものと、流出弁11を介挿した流量計が設置されて
ない流出配管12で、流量O2 とする二つの配管が接続さ
れている。なお、前記液相2部及び気相3部に対して差
圧式液位計4が、また、気相3部には圧力計15が接続さ
れている。
【0031】さらに、前記各流量計7,9と差圧式液位
計4、及び圧力計15と流量調整弁6、流出弁11とポンプ
13等の各機器における各種情報信号を入力して、原子炉
圧力容器1における冷却材の流出量及び流入量や、液位
及び保有量等を各種演算する液位測定装置16が設けられ
ている。また、前記液位測定装置16には、各種演算の結
果を表示する、たとえばCRT等の表示装置17を備えて
構成されている(請求項1)。
【0032】次に、上記構成による作用について説明す
る。前記流出配管12に介挿された流出弁11は、開閉いず
れかの開度で作動するが、この時に流出配管12から流出
する蒸気量は、次の式(1)で示すように、流出弁11の
弁開を示す1.0 と、圧力計15の計測圧の値の√を掛け合
わせて近似的に求めることができる。なお、ここでPは
圧力計15による計測圧の値である(請求項2)。
【0033】O2 =1.0 ×√P …(1)
【0034】沸騰水型原子炉の場合に、原子炉圧力容器
1から前記流量計9を経由して流出配管10に流れる気相
3(蒸気)(流量:O1 )は、図示しないタービン発電
機へ送られるが、通常、これによる冷却材である水の消
費を、流量調整弁6と流量計7を経由して流入配管8に
より冷却材(流量:I1 )の補給を行う。この時に前記
原子炉圧力容器1における液面5は、流量調整弁6によ
り自動制御されていて、流量O1 と流量I1 は、それぞ
れ流量計9と流量計7により精度良く計測できる。
【0035】また流量I2 は、原子炉圧力容器1内にポ
ンプ13により流入配管14から一定量が注入されるもので
あり、その流入量である流量I2 は、ポンプ13の起動中
である時は、次の式(2)で示すように、1.0 (停止
中:0.0 )を示す係数と、ポンプ13の回転状態における
定数PQを掛けることにより得られる(請求項3)。
【0036】I2 =1.0 ×PQ …(2)
【0037】なお以上は、原子炉圧力容器1に出入りす
る流体として、それぞれ二つの配管によることを例にし
て説明したが、その数の大小は本発明の本質ではなく、
それぞれ出入りする流体の流量をある精度で測定する。
あるいは、近似的に演算で求めるようにすることが重要
である。
【0038】次に、上記各種機器からの各種情報信号を
入力した液位測定装置16における圧力容器の液位の演算
方法について、図3のフローチャートにより説明する。
なお、ここで演算回数をnとし、n=1,2,3,……
で、その演算の時間間隔をΔtとする。
【0039】最初にn=0と設定され(ステップ
1 )、液位測定装置16を使用するときには、監視モー
ド選択スイッチ18をオンする(S2 )と、圧力の変化判
定(S3 )及び液位の変化判定(S4 ) により、前記圧
力計15及び差圧式液位計4の情報信号から、その変化が
小さい時は演算回数n=0時の判定(S5 )ヘ進む。
【0040】しかし、その変化が大きい時には、それぞ
れ「圧力変化中」の表示(S6 )と、「液位変化中」の
表示(S7 )を表示装置17において表示すると共に、本
液位測定装置16における演算は進行しない。前記
(S5 )における判定では、n=0の時のみ(S8 )に
て、これから演算しようとする演算液位Lの初期設定を
次の式(3)により行う。
【0041】Lの初期値L0 =LS0 …(3)
【0042】ここでLS0は、この時に前記差圧式液位計
4により検出された液位値で、この値は、前記監視モー
ド選択スイッチ18がオフされるまで記憶が保持される
が、その後は(S9 )における演算回数の設定で、一回
目の演算のためにn=1と設定として、前記(S5 )に
おける判定により、演算回路19において一回目の演算
(S10)を行う。
【0043】はじめに、原子炉圧力容器1へ流入する量
I(1) は、次の式(4)で求められる。ここで、I
1 (1) は、流量計7の一回目演算時(n=1)の計測値
で、I2(1) は、上記式(2)より1.0 ×PQである。
【0044】 I(1) =I1 (1) +I2 (1) …(4)
【0045】この液位測定装置16における演算は、演算
の開始指令をした監視モード選択スイッチ18がオフされ
るまで継続し、演算回数n=1,2,3,……とサイク
リックに行われる。ここで簡単化のために、n回目の演
算で表記すると原子炉圧力容器1へ流入する量I(n)
は、次の式(5)のようになる。
【0046】 I(n) =I1 (n) +I2 (n) …(5)
【0047】同様にして、原子炉圧力容器1から流出す
る量O(n) は、次の式(6)で求められる。
【0048】 O(n) =O1 (n) +O2 (n) …(6)
【0049】次に、原子炉圧力容器1の液位の変動をも
たらす原子炉圧力容器1に対する流入量と流出量との差
D(n) を求めると、次の式(7)のようになる。
【0050】 D(n) =I(n) −O(n) …(7)
【0051】図4の特性曲線図で、(a)の曲線20で示
す原子炉圧力容器1内の冷却材の保有量は、各演算回数
毎にD(1) ,D(2) ,D(3) ,……D(n) となり、この
値に各回の演算時間間隔を乗じることにより、原子炉圧
力容器1に対して出入りする冷却材の容積を求めること
ができる。ここでは、説明の簡単化のために、演算時間
間隔を一定値Δtとするが、このΔtは、任意に可変す
ることが可能であり、この演算時間間隔を短くすること
により演算精度は向上する。
【0052】本発明における最終目的である原子炉圧力
容器1における液位の変化量ΔLは、冷却材の流入量I
(n) と流出量O(n) との差D(n) に時間を乗じて求めら
れた冷却材の保有体積量を、圧力容器の断面積Aで除す
ることにより求めることができる。また、液位の演算開
始から時間(Δt×n)の間に、原子炉圧力容器1に出
入りする冷却材の容積の変化Dtは、次の式(8)のよ
うになる。
【0053】 Dt(n) =D(1) ×Δt+D(2) ×Δt…+D(n) ×Δt …(8)
【0054】従って、時間(Δt×n)における液位初
期値からの原子炉圧力容器1の演算液位Lの変化量ΔL
は、次の式(9)で求められる(請求項4)。
【0055】 ΔL(n) =Dt(n) /A …(9)
【0056】これにより、原子炉圧力容器1の液位Lを
絶対値で表現すると、次の式(10)のようになる。
【0057】 L=L0 +ΔL(n) =LS0+ΔL(n) …(10)
【0058】このL0 ,LS0は、前記した通り演算液位
Lの初期値であり、以上のようにして、演算回路19にお
いて求められた演算液位Lは、実時間軸で示すと図4
(b)の曲線21に示すようになる。また、前記演算回路
19にて求められた、保有量変化D(n) の正負の判定と保
有量変化D(n) 及び演算液位Lは、表示装置17において
表示される(S11)。
【0059】なお、沸騰水型原子炉の場合は、原子炉圧
力容器1に前記流入配管8から供給される純水である冷
却材(流量:I1 (n) )の入口部における温度は、一般
に約200 ℃である。しかし、原子炉圧力容器1内の温度
は約290 ℃である。このことから、外部から供給されて
保有量を維持する液相2においては、液面5の液位への
影響を評価する場合に、温度による密度換算することに
より、より高精度の液位を求めることができる。なお、
前記流入配管14からの冷却材(流量:I2 (n) )につい
ても同様である(請求項5)。
【0060】従って、前記演算回路19において、この密
度補正を行う場合に、密度補正後の圧力容器への流入量
Id(n) は、密度補正係数α,βとして次の式(11)で
求められる。
【0061】 Id(n) =I1 (n)×α+I2 (n) ×β …(11)
【0062】これにより、先に式(7)で求めた流入量
と流出量との差D(n)=I(n)−O(n)は、次の
式(12)を用いることにより、温度の相違による密度の
影響を受けない、より高精度の液位について求めること
ができる。
【0063】 D(n) =Id(n) −O(n) …(12)
【0064】なお、以上の演算回路19における演算によ
り求めた結果の液位と、流入量と流出量との差である保
有量の増減変化、及び差の大小の判定等は、各種文字や
数字及び色識別等で、運転員において確認と判別が容易
な表現方法により、表示装置17の例えばCRT画面とし
て(S11)、監視を行う運転員に提供される(請求項
6)。
【0065】以下は前記表示装置17における監視及び確
認が容易な各種の表示形態例で、第2実施の形態は請求
項7に係り、図5の画面図に示すように、流入量と流出
量との差D(n) (単位の例:Ton/Hr)を円グラフ
22で示すもので、流入量と流出量との差D(n) の大小と
その増減に従い指針23が回転し、増加の場合は時計方向
に、減少の場合は反時計方向に動く。
【0066】また、円グラフ22上には時計方向及び反時
計方向に単位の目盛りが記されてあり、さらに、例えば
前記目盛りの小さい部分から大きくなるに従い、色彩が
安息感的な緑色から順次、黄色、橙色、刺激的な赤色
と、運転員に注意を喚起するイメージの色彩に変化する
ように構成している。
【0067】これにより、監視している運転員は、流入
量と流出量との差D(n) の大小と増減の変化が、目盛り
に対する指針23の位置により絶対値で確認できると共
に、増減変化の大小を色彩により併せて明確に識別する
ことができる。即ち、緑色部分では、流入量と流出量と
の差D(n) に変化がないか、または変化が微少であるこ
とを示し、差D(n) が大きくなるに従って赤色となり、
液位の変化への影響度も大きくなることが色彩のイメー
ジで分かり易く提示される。
【0068】このため運転員は、それぞれの色彩が有す
るイメージから、単に圧力容器における流入量と流出量
との差D(n) の変化の大小だけでなく、その影響度ある
いは重要度について、視覚における緑色から赤色までの
色彩刺激からも、より適確に感受させることができる。
【0069】第3実施の形態は請求項8に係り、図6の
画面図に示すように、圧力容器をタンク24の形状とする
と共に、圧力容器への流入量I(n) と流出量O(n) (単
位の例:Ton/Hr)を、タンク24に入る矢印25とタ
ンク24から出る矢印26の内部に表示する。
【0070】また、タンク24の液面上には、前記流入量
と流出量との差D(n) を増加の場合は上方向、減少の場
合は下方向を示す矢印27の中に表示すると共に、さら
に、差D(n) を圧力容器の断面積Aで除した液位の上昇
/下降率を次の式(13)で求めて、「液位上昇率+2cm
/秒」のように液位変化率表示28を行うように構成して
いる。
【0071】 液位の上昇/下降率=±D(n) /A …(13)
【0072】これにより、画面に具現化された圧力容器
において、流入量と流出量及び増減の状況が、その絶対
値等の詳細情報と共に提供されるので、運転員による監
視と確認が容易となる。
【0073】第4実施の形態は請求項9,10に係り、図
7の画面図に示すように、圧力容器における液位の時間
的変化をグラフ(表示例は曲線図)にして、その曲線29
により表示する。また、横軸の演算回数n×Δtは時間
を示すことから、曲線29は、そのまま液位の時間的変化
表示となる。従って、曲線29により、各時間(Δt×
n)経過における液位変化が表示するように構成してい
る(請求項9)。
【0074】さらに、前記曲線29の特徴は、時間(Δt
×3)が現在であるとすると、これより先の時間(Δt
×n)における液位変化範囲の予測表示ができるように
構成されている(請求項10)。
【0075】上記構成による作用としては、液位の変化
量を示す曲線29は、横軸の演算回数n×Δtは時間を示
すことから、圧力容器における液位の初期値から各時間
(Δt×3)経過における液位変化を表示する。さら
に、ここで時間(Δt×3)における増加最大予測値x
%、及び減少最大予測値y%とすると、時間(Δt×
n)での液位予測値を、次の式(14)及び式(15)によ
り求めることができる。
【0076】 最大値L(Δt×n)=L(3) +D(Δt×3)×(1.0 +x/100)×(Δ t×n−Δt×3)/A …(14) 最小値L(Δt×n)=L(3) +D(Δt×3)×(1.0 −y/100)×(Δ t×n−Δt×3)/A …(15)
【0077】なお、この式(14)及び式(15)で用いた
増加最大予測値xと、減少最大予測値yは、固定値また
は、他の計測パラメータから決定される可変値とするこ
とができる。従って、液位の時間的変化を前記曲線29の
延長線上にて、最大予測値を破線30で、また最小予測値
を破線31で示すことにより、この破線30,31の間を液位
の予測範囲として得ることができる。
【0078】このように、圧力容器において液位の時間
的変化を連続して確認することは、運転管理の点から重
要であり、かつ、液位変化の将来予測が可能なことは圧
力容器の運転状態を監視する運転員にとって極めて有効
な要素である。
【0079】第5実施の形態は請求項11に係り、図3に
示す監視モード選択スイッチ18は、これをオン、オフす
ることにより、本液位測定装置の作動を開始、あるいは
停止するように構成している。
【0080】通常は前記差圧式液位計4により圧力容器
における液位測定と、この液位情報信号による保有量等
の各種情報を監視しているが、前記のようにスウエリン
グや蒸気泡(ボイド)の消滅が発生すると、液面5に一
時的な変化が生じる。
【0081】この際に、運転員による監視モード選択ス
イッチ18の操作により、前記差圧式液位計4と併せて本
液位測定装置による前記一時的変化に影響されない、正
確で安定した液位とこれに応じた圧力容器における各種
情報を、容易に得ることができる。また、前記差圧式液
位計4の検出する一時的な変化により、自動的に切り替
えて適時に本液位測定装置の作動を開始させることもで
きる。
【0082】
【発明の効果】以上本発明によれば、圧力容器内におい
てスウエリング等に代表される液面の一時的な変化が発
生した場合でも、このような一過性の事象を知る必要が
ない場合には、運転員は従来の差圧式液位計のみによる
液位測定で誤解を受けることなく、運転監視をすること
ができるので、負担が大幅に低減すると共に、監視及び
運転管理の信頼性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る圧力容器の液位測定装置のブロッ
ク構成図。
【図2】本発明に係る流出弁の開閉による差圧式液位計
の指示値等の特性曲線図。
【図3】本発明に係る液位測定装置のフローチャート。
【図4】本発明に係る演算回路における特性曲線図で、
(a)は保有量、(b)は演算液位を示す。
【図5】本発明に係る第1実施の形態で保有量変化を示
す表示画面図。
【図6】本発明に係る第2実施の形態で保有量変化を示
す表示画面図。
【図7】本発明に係る第3実施の形態で液位変化を示す
表示画面図。
【符号の説明】
1…原子炉圧力容器、2…液相、3…気相(蒸気相)、
4…差圧式液位計、5…液面、6…流量調整弁、7,9
…流量計、8,14…流入配管、10,12…流出配管、11…
流出弁、13…ポンプ、15…圧力計、16…液位測定装置、
17…表示装置、18…監視モード選択スイッチ、19…演算
回路、20…保有量の曲線、21…演算液位の曲線、22…円
グラフ、23…指針、24…タンク、25…入の矢印、26…出
の矢印、27…差の増加又は減少の矢印、28…液位変化率
表示、29…液位変化の曲線、30…液位の最大予測値(破
線)、31…液位の最小予測値(破線)。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加圧された液相と気相の二つの相を包含
    する圧力容器内の液位を測定する圧力容器の液位測定装
    置において、前記圧力容器内に流入する液体と流出する
    液体及び気体(蒸気)の流量を測定して流入量と流出量
    との差より圧力容器内の液位の変化を測定することを特
    徴とする圧力容器の液位測定装置。
  2. 【請求項2】 前記圧力容器の液位測定装置において、
    弁が介挿されて流量計を設置していない圧力容器に接続
    された配管からの流出量を前記弁の開放時間と圧力容器
    における気相圧力により演算することを特徴とする請求
    項1記載の圧力容器の液位測定装置。
  3. 【請求項3】 前記圧力容器の液位測定装置において、
    ポンプが介挿されて流量計を設置していない圧力容器に
    接続された配管からの流入量を前記ポンプの回転状態に
    より定めると共に、前記回転状態による補正により演算
    することを特微とする請求項1記載の圧力容器の液位測
    定装置。
  4. 【請求項4】 前記圧力容器の液位測定装置において、
    圧力容器内の圧力変化及び液位変化が安定している時に
    前記圧力容器に設置した差圧式液位計の示す液位を初期
    値として、この初期値に流入量と流出量との差を圧力容
    器の断面積で除すことにより演算した液位変化量を加減
    演算して液位測定を行うことを特徴とする請求項1記載
    の圧力容器の液位測定装置。
  5. 【請求項5】 前記圧力容器の液位測定装置において、
    圧力容器への流入量の演算に際して流入する液体に前記
    圧力容器内の温度に対応する密度補正を加えて液位測定
    を行うことを特徴とする請求項1記載の圧力容器の液位
    測定装置。
  6. 【請求項6】 前記圧力容器の液位測定装置において、
    演算された液位と流入量と流出量との差である前記圧力
    容器内の液体保有量の増減変化及び差の大小の判定を文
    字及び色識別等で表示する表示装置を設けたことを特徴
    とする請求項1記載の圧力容器の液位測定装置。
  7. 【請求項7】 前記表示装置は、円グラフとして圧力容
    器内の液体保有量の増加を時計方向廻り、減少は反時計
    廻りで表示すると共に、その大小を色識別することを特
    徴とする請求項6記載の圧力容器の液位測定装置。
  8. 【請求項8】 前記表示装置は、タンク形状として流入
    量と流出量をそれぞれの方向の矢印で表示して各矢印内
    に流入量あるいは流出量を表示すると共に、液位を増減
    方向の矢印とこの矢印内に流入量と流出量との差である
    圧力容器内の液体の保有量の増減変化を表示することを
    特徴とする請求項6記載の圧力容器の液位測定装置。
  9. 【請求項9】 前記表示装置は、液位の時間的変化を示
    す形態として液位測定の演算結果から演算開始時が起点
    で、この起点において前記差圧式液位計の示す液位を初
    期値とすると共に、この初期値からの液位変化を時間的
    変化として表示することを特徴とする請求項6記載の圧
    力容器の液位測定装置。
  10. 【請求項10】 前記表示装置は、近未来の液位の変化
    予測範囲を表示することを特徴とする請求項9記載の圧
    力容器の液位測定装置。
  11. 【請求項11】 前記圧力容器の液位測定装置におい
    て、液位測定の演算開始に切替える監視モード選択スイ
    ッチを備えたことを特徴とする請求項1記載の圧力容器
    の液位測定装置。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013108810A (ja) * 2011-11-18 2013-06-06 Toshiba Corp 原子炉水位計測システム
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JP2016170047A (ja) * 2015-03-12 2016-09-23 株式会社東芝 原子炉圧力容器内水位推定装置および原子炉圧力容器内水位推定方法
KR20190108850A (ko) * 2018-03-15 2019-09-25 한국원자력연구원 급수 계통 모사 장치 및 급수 계통 모사 시스템
CN113432667A (zh) * 2021-05-21 2021-09-24 中广核研究院有限公司 液位测量装置及方法

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