JPH10272753A - インクジェット式製版印刷版の作成方法 - Google Patents

インクジェット式製版印刷版の作成方法

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JPH10272753A
JPH10272753A JP9063799A JP6379997A JPH10272753A JP H10272753 A JPH10272753 A JP H10272753A JP 9063799 A JP9063799 A JP 9063799A JP 6379997 A JP6379997 A JP 6379997A JP H10272753 A JPH10272753 A JP H10272753A
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JP
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group
ink
resin
plate
image
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Application number
JP9063799A
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English (en)
Inventor
Kazuo Ishii
一夫 石井
Hiroyuki Oishi
博幸 大石
Eiichi Kato
栄一 加藤
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH10272753A publication Critical patent/JPH10272753A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 鮮明な画像の印刷物を多数枚印刷可能とする
インクジェット式製版印刷版の作成方法を提供する。 【解決手段】 本発明は、耐水性支持体上に、画像受理
層を有する平版印刷用原版の、画像受理層上に、油性イ
ンクを静電界を利用して吐出させてインクジェット方式
で画像を形成する製版方法において、前記耐水性支持体
として、少なくとも前記画像受理層直下の部分が1010
Ωcm以下の固有電気抵抗値を有する支持体を用いること
を特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェット記
録方式を用いた平版印刷版の作成方法に関し、さらに詳
細には、油性インクを使用した製版画質および印刷画質
が良好なインクジェット式製版印刷版の作成方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】最近の事務機器の発達とOA化の進展に
伴い、軽印刷分野において、耐水性支持体上に画像受理
層を有する直描型平版印刷原版に種々の方法で製版、即
ち画像形成を行い印刷版を作成するオフセット平版印刷
方式が普及している。
【0003】従来の直描型平版印刷用版材は、耐水性支
持体上に画像受理層を設けたものでであり、このような
直描型平版印刷用原版上に油性インクを用いて、タイプ
ライターまたは手書きによって親油性画像を形成する
か、あるいは熱転写プリンターでインクリボンから画像
を熱溶融転写することで親油性画像を形成し、必要に応
じて非画像部の親水化処理等を行い印刷版とする方法が
知られている。
【0004】しかし、このような方法で作成された印刷
版は、画像部の機械的強度が不十分であるため、印刷中
に画像部の欠落を生じてしまう。
【0005】また、上記の直描型平板印刷原版を、イン
クジェットプリンターにより製版することも行われてお
り、このとき分散媒を水とした水性インクも用いられて
いるが、水性インクでは版材上の画像に滲みが生じたり
乾燥が遅いために描画速度が低下するという問題があっ
た。このような問題を軽減するために、分散媒を非水溶
媒とした油性インクを用いる方法が特開昭54−117
203号に開示されている。
【0006】しかし、この方法はインクを細いノズルか
ら吐出しているために、吐出部で目詰まりを起こしやす
い。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の問題
点に着目してなされたものであり、その目的は、鮮明な
画像の印刷物を多数枚印刷可能とするインクジェット式
製版印刷版の作成方法を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的は、下記
(1)〜(3)の本発明により達成される。 (1) 耐水性支持体上に、画像受理層を有する平版印
刷用原版の、画像受理層上に、油性インクを静電界を利
用して吐出させてインクジェット方式で画像を形成する
製版方法において、前記耐水性支持体として、少なくと
も前記画像受理層直下の部分が1010Ωcm以下の固有電
気抵抗値を有する支持体を用いることを特徴とするイン
クジェット式製版印刷版の作成方法。 (2) 前記耐水性支持体として、支持体全体の固有電
気抵抗値が1010Ωcm以下の支持体を用いる上記(1)
のインクジェット式製版印刷版の作成方法。 (3) 前記油性インクが固有電気抵抗109 Ωcm以上
かつ誘電率3.5以下の非水溶媒中に、少なくとも常温
で固体かつ疎水性の樹脂粒子を分散したものである上記
(1)または(2)のインクジェット式製版印刷版の作
成方法。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て詳細に説明する。本発明は、耐水性支持体上に設けら
れた画像受理層に、油性インクを静電界によって吐出す
るインクジェット法で画像を形成することを特徴とし、
得られた平版印刷版は、鮮明な画像を多数枚印刷するこ
とが可能である。
【0010】上記耐水性支持体は、導電性を有するもの
であることが好ましく、少なくともその画像受理層の直
下の部分が1010Ωcm以下の固有電気抵抗値を有するも
のであることが好ましい。上記の固有電気抵抗値は、よ
り好ましくは108 Ωcm以下であり、その値は、限りな
く零であってもよい。
【0011】支持体の画像受理層の直下の部分に上記の
ような導電性を持たせるには、紙、フィルム等の基体上
に、カーボンブラック等の導電性フィラーと結着剤から
なる層を塗布したり、金属箔を貼り付けたり、金属を蒸
着したりする方法があげられる。
【0012】一方、支持体全体が導電性を有するものと
しては、塩化ナトリウムなどを含浸させた導電性紙、カ
ーボンブラック等の導電性フィラーを混入させたプラス
チックフィルム、アルミニウムなどの金属板等があげら
れる。
【0013】導電性が上記の範囲であれば、帯電したイ
ンク滴が画像受理層上に付着した際に該インク滴の電荷
が速やかに接地面を通して消失するために、乱れを生じ
ない鮮明な画像が形成される。
【0014】なお、固有電気抵抗値(体積固有電気抵抗
値または比電気抵抗値とも呼ばれる)の測定はJIS
K−6911に基づきガード電極を設けた3端子法で行
った。
【0015】さらに、本発明では、支持体の画像受理層
に隣接する側の表面の平滑性をベック平滑度で300
(秒/10cc)以上に規制することによって、画像再
現性および耐刷性をさらに向上させることができる。こ
のような向上効果は、画像受理層表面の平滑性が同じで
あっても得られるものであり、支持体表面の平滑性が増
すことで画像部と画像受理層との密着性が向上したため
と考えられる。
【0016】ここで、ベック平滑度とは、ベック平滑度
試験機により測定することができる。ベック平滑度試験
機とは、高度に平滑に仕上げられた中央に穴のある円形
のガラス板上に、試験片を一定圧力(1kg/cm2 )で押
しつけ、減圧下で一定量(10cc)の空気が、ガラス
面と試験片との間を通過するのに要する時間を測定する
ものである。
【0017】また、本発明に用いられる油性インクは、
好ましくは電気抵抗109 Ωcm以上かつ誘電率3.5以
下の非水溶媒を分散媒とし、少なくとも常温(15℃〜
35℃)で固体かつ疎水性の樹脂粒子が分散されたもの
である。このような分散媒を用いることによって、油性
インクの電気抵抗が適正に制御されて電界によるインク
の吐出が適正となり画質が向上する。また、上記のよう
な樹脂を用いることによって画像受理層との親和性が増
し、良好な画質が得られるとともに耐刷性が向上する。
【0018】さらに、本発明の製版印刷版の作成方法に
ついて説明する。まず、本発明に供せられる導電性を有
する耐水性支持体について説明する。はじめに、支持体
全体が導電性を有するものについて説明する。例えば基
体に塩化ナトリウムなどを含浸させた導電性原紙を用
い、その両面に耐水性を有する導電性層を設けることに
より得られる。
【0019】本発明において、基体として用いられる原
紙としては、例えば木材パルプ紙、合成パルプ紙、木材
パルプ紙と合成パルプ紙の混抄紙をそのまま用いること
ができる。また原紙の厚さとしては80μm 〜200μ
m が好ましい。
【0020】次に導電層の形成について説明する。導電
性層の形成は、導電性フィラーと結着剤を含む層を上記
導電性紙の両面に塗布することにより達成される。塗布
される導電性層の厚さは、5μm 〜20μm が好まし
い。
【0021】導電性フィラーとしては、粒子状のカーボ
ンブラック、グラファイト、例えば銀、銅、ニッケルな
どの金属粉、酸化スズ粉末、フレーク状のアルミまたは
ニッケル、繊維状の炭素、真鍮、アルミ、銅、ステンレ
スなどがあげられる。
【0022】一方、結着剤として使用される樹脂として
は、各種の樹脂が適宜選択して用いられる。具体的に
は、疎水性樹脂としては、例えばアクリル系樹脂、塩化
ビニル系樹脂、スチレン系樹脂、スチレン−ブタジエン
系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、
塩化ビニリデン系樹脂、酢酸ビニル系樹脂等が挙げら
れ、親水性樹脂としては例えばポリビニルアルコール系
樹脂、セルロール系誘導体、でんぷんおよびその誘導
体、ポリアクリルアミド系樹脂、スチレン無水マレイン
酸系共重合体等が挙げられる。
【0023】導電性層を形成する他の方法として、導電
性の薄膜をラミネートすることがあげられる。導電性薄
膜としては、例えば金属箔、導電性プラスチックフィル
ムなどを用いることができる。さらに具体的には、金属
箔ラミネート材としてアルミ箔、導電性プラスチックフ
ィルムのラミネート材としては、カーボンブラックを混
入したポリエチレン樹脂などがあげられる。アルミ箔と
しては、硬質および軟質のどちらでも良く、厚みは5μ
m 〜20μm が好ましい。
【0024】カーボンブラックを混入したポリエチレン
樹脂のラミネートは押し出しラミネート法が好ましい。
押し出しラミネート法とは、ポリオレフィンを熱溶融
し、これをフィルムにしてから直ちに原紙に圧着後、冷
却してラミネートする方法であり、種々の装置が知られ
ている。ラミネート層の厚みは、10μm 〜30μm が
好ましい。支持体全体が導電性を有するものとして、基
体として導電性を有するプラスチックフィルムや、金属
板を用いる場合は、耐水性が満たされていればそのまま
で使用できる。
【0025】導電性を有するプラスチックフィルムとし
ては、例えば炭素繊維やカーボンブラック等の導電性フ
ィラーを混入させたポリプロピレン、ポリエステルフィ
ルムなどが、また金属板としては、アルミニウムなどが
使用できる。基体の厚みは80μm 〜200μm が好ま
しい。80μm 未満では印刷版としての強度が不足し、
200μを超えると描画装置内での搬送性などのハンド
リング性が低下する。
【0026】次に、導電性を有する層を設ける構成につ
いて説明する。耐水性基体として、厚みが80μ〜20
0μの耐水性処理を施した紙、プラスチックフィルムあ
るいは金属箔をラミネートした紙またはプラスチックフ
ィルム等を用いることができる。
【0027】該基体上に導電性層を形成する方法として
は、上記の支持体全体が導電性を有する場合で述べた方
法が使用できる。すなわち該基体の一つの面に導電性フ
ィラーと結着剤を含む層を厚さ5μm 〜20μm で塗布
する、または金属箔、あるいは導電性を有するプラスチ
ックフィルムをラミネートすることにより得られる。
【0028】上記以外の方法として、例えばプラスチッ
クフィルムにアルミ、スズ、パラジュウム、金などの金
属蒸着膜を設けても良い。
【0029】以上のようにして固有電気抵抗が1010Ω
cm以下の導電性を有する耐水性支持体を得ることができ
る。
【0030】この耐水性支持体上に画像受理層を設け
る。設けられる画像受理層の厚さは5〜30μm の範囲
が適当である。
【0031】画像受理層としては、無機顔料と結着剤か
らなる親水性層、あるいは不感脂化処理によって親水化
が可能になる層を用いることができる。
【0032】親水性の画像受理層に用いられる無機顔料
は、クレー、シリカ、炭化カルシウム、酸化亜鉛、酸化
アルミニウム、硫酸バリウムなどを用いることができ
る。また結着剤としてはポリビニルアルコール、澱粉、
カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロ
ース、ガゼイン、ゼラチン、ポリアクリル酸塩、ポリビ
ニルピロリドン、ポリメチルエーテル−無水マレイン酸
共重合体等の親水性結着剤が使用できる、また、必要に
応じて耐水性を付与するメラミンホルマリン樹脂、尿素
ホルマリン樹脂、その他架橋剤を添加してもよい。
【0033】一方、不感脂化処理をして用いる画像受理
層としては、例えば酸化亜鉛と疎水性結着剤を用いる層
があげられる。
【0034】本発明に供される酸化亜鉛は、例えば日本
顔料技術協会編「新版顔料便覧」319頁、(株)誠文
堂、(1968年刊)に記載のように、酸化亜鉛、亜鉛
華、湿式亜鉛華あるいは活性亜鉛華として市販されてい
るもののいずれでもよい。
【0035】即ち、酸化亜鉛は、出発原料および製造方
法により、乾式法としてフランス法(間接法)、アメリ
カ法(直接法)および湿式法と呼ばれるものがあり、例
えば、正同化学(株)、堺化学(株)、白水化学
(株)、本荘ケミカル(株)、東邦亜鉛(株)、三井金
属工業(株)等の各社から市販されているものが挙げら
れる。
【0036】また結着剤として用いる樹脂として、具体
的には、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、スチレン−
ブタジエン共重合体、スチレン−メタクリレート共重合
体、メタクリレート共重合体、アクリレート共重合体、
酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール、アルキド
樹脂、エポキシ樹脂、エポキシエステル樹脂、ポリエス
テル樹脂、ポリウレタン樹脂等が挙げられる。
【0037】これらの樹脂は単独で用いてもよいし2種
以上を併用してもよい。
【0038】画像受理層における樹脂の含有量は、樹脂
/酸化亜鉛の重量比で示して9/91〜20/80とす
ることが好ましい。
【0039】酸化亜鉛の不感脂化は、従来よりこの種の
不感脂化処理液として、フェロシアン塩、フェリシアン
塩を主成分とするシアン化合物含有処理液、アンミンコ
バルト錯体、フィチン酸およびその誘導体、グアニジン
誘導体を主成分としたシアンフリー処理液、亜鉛イオン
とキレートを形成する無機酸あるいは有機酸を主成分と
した処理液、あるいは水溶性ポリマーを含有した処理液
等が知られている。
【0040】例えば、シアン化合物含有処理液として、
特公平44−9045号、同46−39403号、特開
昭52−76101号、同57−107889号、同5
4−117201号等に記載のものが挙げられる。
【0041】以下に本発明に用いられる油性インクにつ
いて説明する。本発明に供される油性インクは、電気抵
抗109 Ωcm以上かつ誘電率3.5以下の非水溶媒中
に、少なくとも常温で固体かつ疎水性の樹脂粒子を分散
してなるものである。
【0042】本発明に用いる電気抵抗109 Ωcm以上、
かつ誘電率3.5以下の非水溶媒として好ましくは直鎖
状もしくは分岐状の脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素、
または芳香族炭化水素、およびこれらの炭化水素のハロ
ゲン置換体がある。例えばオクタン、イソオクタン、デ
カン、イソデカン、デカリン、ノナン、ドデカン、イソ
ドデカン、シクロヘキサン、シクロオクタン、シクロデ
カン、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、ア
イソパーE、アイソパーG、アイソパーH、アイソパー
L(アイソパー;エクソン社の商品名)、シェルゾール
70、シェルゾール71(シェルゾール;シェルオイル
社の商品名)、アムスコOMS、アムスコ460溶剤
(アムスコ;スピリッツ社の商品名)等を単独あるいは
混合して用いる。なお、このような非水溶媒の電気抵抗
の上限値は1016Ωcm程度であり、誘電率の下限値は
1.9程度である。
【0043】用いる非水溶媒の電気抵抗を上記範囲とす
るのは、電気抵抗が低くなると、インクの電気抵抗が適
正にならず、電界によるインクの吐出が悪くなるからで
あり、誘電率を上記範囲とするのは、誘電率が高くなる
とインク中で電界が緩和されやすくなり、これによりイ
ンクの吐出が悪くなりやすくなるからである。
【0044】上記の非水溶媒中に、分散される樹脂粒子
としては、35℃以下の温度で固体で非水溶媒との親和
性のよい疎水性の樹脂の粒子であればよいが、更にその
ガラス転移点が−5℃〜110℃もしくは軟化点33℃
〜140℃の樹脂(P)が好ましく、より好ましくはガ
ラス転移点10℃〜100℃もしくは軟化点38℃〜1
20℃であり、さらに好ましくはガラス転移点15℃〜
80℃、もしくは軟化点38℃〜100℃である。
【0045】このようなガラス転移点もしくは軟化点の
樹脂を用いることによって、印刷原版の画像受理層表面
と樹脂粒子との親和性が増し、また印刷原版上での樹脂
粒子同士の結合が強くなくなるので、画像部と画像受理
層との密着性が向上し、耐刷性が向上する。これに対
し、ガラス転移点もしくは軟化点が低くなっても高くな
っても画像受理層表面と樹脂粒子の親和性が低下した
り、樹脂粒子同士の結合が弱くなってしまう。
【0046】樹脂(P)の重量平均分子量Mwは、1×
103 〜1×106 であり、好ましくは5×103 〜8
×105 、より好ましくは1×104 〜5×105 であ
る。
【0047】このような樹脂(P)として具体的には、
オレフィン重合体および共重合体(例えばポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリイソブチレン、エチレン−酢
酸ビニル共重合体、エチレン−アクリレート共重合体、
エチレン−メタクリレート共重合体、エチレン−メタク
リル酸共重合体等)、塩化ビニル共重合体(例えば、ポ
リ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体等)、
塩化ビニリデン共重合体、アルカン酸ビニル重合体およ
び共重合体、アルカン酸アリル重合体および共重合体、
スチレンおよびその誘導体の重合体ならびに共重合体
(例えばブタジエン−スチレン共重合体、イソプレン−
スチレン共重合体、スチレン−メタクリレート共重合
体、スチレン−アクリレート共重合体等)、アクリロニ
トリル共重合体、メタクリロニトリル共重合体、アルキ
ルビニルエーテル共重合体、アクリル酸エステル重合体
および共重合体、メタクリル酸エステル重合体および共
重合体、イタコン酸ジエステル重合体および共重合体、
無水マレイン酸共重合体、アクリルアミド共重合体、メ
タクリルアミド共重合体、フェノール樹脂、アルキド樹
脂、ポリカーボネート樹脂、ケトン樹脂、ポリエステル
樹脂、シリコン樹脂、アミド樹脂、水酸基およびカルボ
キシル基変性ポリエスエテル樹脂、ブチラール樹脂、ポ
リビニルアセタール樹脂、ウレタン樹脂、ロジン系樹
脂、水素添加ロジン樹脂、石油樹脂、水素添加石油樹
脂、マレイン酸樹脂、テルペン樹脂、水素添加テルペン
樹脂、クロマン−インデン樹脂、環化ゴム−メタクリル
酸エステル共重合体、環化ゴム−アクリル酸エステル共
重合体、窒素原子を含有しない複素環を含有する共重合
体(複素環として例えば、フラン環、テトラヒドロフラ
ン環、チオフェン環、ジオキサン環、ジオキソフラン
環、ラクトン環、ベンゾフラン環、ベンゾチオフェン
環、1,3−ジオキセタン環等)、エポキシ樹脂等が挙
げられる。
【0048】本発明の油性インクにおける分散された樹
脂粒子の含有量は、インク全体の0.5〜20wt%とす
ることが好ましい。含有量が少なくなるとインクと印刷
原版の画像受理層との親和性が得られにくくなって良好
な画像が得られなくなったり、耐刷性が低下したりする
などの問題が生じやすくなり、一方、含有量が多くなる
と均一な分散液が得られにくくなったり、吐出ヘッドで
のインクの目詰まりが生じやすく、安定なインク吐出が
得られにくいなどの問題がある。
【0049】本発明に供される油性インク中には、前記
の分散樹脂粒子とともに、製版後の版を検版する等のた
めに着色成分として色材を含有させることが好ましい。
【0050】色材としては、従来から油性インク組成物
あるいは静電写真用液体現像剤に用いられている顔料お
よび染料であればどれでも使用可能である。
【0051】顔料としては、無機顔料、有機顔料を問わ
ず、印刷の技術分野で一般に用いられているものを使用
することができる。具体的には、例えば、カーボンブラ
ック、カドミウムレッド、モリブデンレッド、クロムイ
エロー、カドミウムイエロー、チタンイエロー、酸化ク
ロム、ビリジアン、チタンコバルトグリーン、ウルトラ
マリンブルー、プルシアンブルー、コバルトブルー、ア
ゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、キナクリドン系顔
料、イソインドリノン系顔料、ジオキサジン系顔料、ス
レン系顔料、ペリレン系顔料、ペリノン系顔料、チオイ
ンジゴ系顔料、キノフタロン系顔料、金属錯体顔料、等
の従来公知の顔料を特に限定することなく用いることが
できる。
【0052】染料としては、アゾ染料、金属錯塩染料、
ナフトール染料、アントラキノン染料、インジゴ染料、
カーボニウム染料、キノンイミン染料、キサンテン染
料、シアニン染料、キノリン染料、ニトロ染料、ニトロ
ソ染料、ベンゾキノン染料、ナフトキノン染料、フタロ
シアニン染料、金属フタロシアニン染料、等の油溶性染
料が好ましい。
【0053】これらの顔料および染料は、単独で用いて
もよいし、適宜組み合わせて使用することも可能である
が、インク全体に対して0.01〜5重量%の範囲で含
有されることが望ましい。
【0054】これらの色材は、分散樹脂粒子とは別に色
材自身を分散粒子として非水溶媒中に分散させてもよい
し、分散樹脂粒子中に含有させてもよい。含有させる場
合、顔料などは分散樹脂粒子の樹脂材料で被覆して樹脂
被覆粒子とする方法などが一般的であり、染料などは分
散樹脂粒子の表面部を着色して着色粒子とする方法など
が一般的である。
【0055】本発明の非水溶媒中に、分散された樹脂粒
子、更には着色粒子等を含めて、これらの粒子の平均粒
径は0.05μm 〜5μm が好ましい。より好ましくは
0.1μm 〜1.0μm であり、更に好ましくは0.1
μm 〜0.5μm の範囲である。この粒径はCAPA−
500(堀場製作所(株)製商品名)により求めたもの
である。
【0056】本発明に用いられる非水系分散樹脂粒子
は、従来公知の機械的粉砕方法または重合造粒方法によ
って製造することができる。機械的粉砕方法としては、
必要に応じて、樹脂粒子とする材料を混合し、溶融、混
練を経て従来公知の粉砕機で直接粉砕して、微粒子と
し、分散ポリマーを併用して、更に湿式分散機(例えば
ボールミル・ペイントシェーカー、ケデイミル、ダイノ
ミル等)で分散する方法、樹脂粒子成分となる材料と、
分散補助ポリマー(または被覆ポリマー)を予め混練し
て混練物とした後粉砕し、次に分散ポリマーを共存させ
て分散する方法等が挙げられる。具体的には、塗料また
は静電写真用液体現像剤の製造方法を利用することがで
き、これらについては、例えば、植木憲二監訳「塗料の
流動と顔料分散」共立出版(1971年)、「ソロモン、塗
料の科学」、「Paint and Surface Coating Theory and
Practice 」、原崎勇次「コーティング工学」朝倉書店
(1971年)、原崎勇次「コーティングの基礎科学」槙書
店(1977年)等の成書に記載されている。
【0057】また、重合造粒法としては、従来公知の非
水系分散重合方法が挙げられ、具体的には、室井宗一監
修「超微粒子ポリマーの最新技術」第2章、CMC出版
(1991年)、中村孝一編「最近の電子写真現像システム
とトナー材料の開発・実用化」第3章、(日本科学情報
(株)1985年刊)、K.E.J.Barrett 「Dispersion Polyme
rization in Organic Media」John Wiley(1975 年) 等の
成書に記載されている。
【0058】通常、分散粒子を非水溶媒中で分散安定化
するために、分散ポリマーを併用する。分散ポリマーは
非水溶媒に可溶性の繰り返し単位を主成分として含有
し、かつ平均分子量が、重量平均分子量Mwで1×10
3 〜1×106 が好ましく、より好ましくは5×103
〜5×105 の範囲である。
【0059】本発明に供される分散ポリマーの好ましい
可溶性の繰り返し単位として、下記一般式(I)で示さ
れる重合成分が挙げられる。
【0060】
【化1】
【0061】一般式(I)において、X1 は−COO
−、−OCO−または−O−を表す。
【0062】Rは、炭素数10〜32のアルキル基また
はアルケニル基を表し、好ましくは炭素数10〜22の
アルキル基またはアルケニル基を表し、これらは直鎖状
でも分岐状でもよく、無置換のものが好ましいが、置換
基を有していてもよい。
【0063】具体的には、デシル基、ドデシル基、トリ
デシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデ
シル基、エイコサニル基、ドコサニル基、デセニル基、
ドデセニル基、トリデセニル基、ヘキサデセニル基、オ
クタデセニル基、リノレル基等が挙げられる。
【0064】a1 およびa2 は、互いに同じでも異なっ
ていてもよく、好ましくは水素原子、ハロゲン原子(例
えば、塩素原子、臭素原子等)、シアノ基、炭素数1〜
3のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピ
ル基等)、−COO−Z1 または−CH2 COO−Z1
〔Z1 は、水素原子または置換されていてもよい炭素数
22以下の炭化水素基(例えば、アルキル基、アルケニ
ル基、アラルキル基、脂環式基、アリール基等)を表
す〕を表す。
【0065】Z1 は、具体的には、水素原子のほか、炭
化水素基を表し、好ましい炭化水素基としては、炭素数
1〜22の置換されてもよいアルキル基(例えば、メチ
ル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘプチル基、
ヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシ
ル基、トリデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル
基、オクタデシル基、エイコサニル基、ドコサニル基、
2−クロロエチル基、2−ブロモエチル基、2−シアノ
エチル基、2−メトキシカルボニルエチル基、2−メト
キシエチル基、3−ブロモプロピル基等)、炭素数4〜
18の置換されてもよいアルケニル基(例えば、2−メ
チル−1−プロペニル基、2−ブテニル基、2−ペンテ
ニル基、3−メチル−2−ペンテニル基、1−ペンテニ
ル基、1−ヘキセニル基、2−ヘキセニル基、4−メチ
ル−2−ヘキセニル基、デセニル基、ドデセニル基、ト
リデセニル基、ヘキサデセニル基、オクタデセニル基、
リノレル基等)、炭素数7〜12の置換されてもよいア
ラルキル基(例えば、ベンジル基、フェネチル基、3−
フェニルプロピル基、ナフチルメチル基、2−ナフチル
エチル基、クロロベンジル基、ブロモベンジル基、メチ
ルベンジル基、エチルベンジル基、メトキシベンジル
基、ジメチルベンジル基、ジメトキシベンジル基等)、
炭素数5〜8の置換されてもよい脂環式基(例えば、シ
クロヘキシル基、2−シクロヘキシルエチル基、2−シ
クロペンチルエチル基等)、および炭素数6〜12の置
換されてもよい芳香族基(例えば、フェニル基、ナフチ
ル基、トリル基、キシリル基、プロピルフェニル基、ブ
チルフェニル基、オクチルフェニル基、ドデシルフェニ
ル基、メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、ブト
キシフェニル基、デシルオキシフェニル基、クロロフェ
ニル基、ジクロロフェニル基、ブロモフェニル基、シア
ノフェニル基、アセチルフェニル基、メトキシカルボニ
ルフェニル基、エトキシカルボニルフェニル基、ブトキ
シカルボニルフェニル基、アセトアミドフェニル基、プ
ロピオアミドフェニル基、ドデシロイルアミドフェニル
基等)が挙げられる。
【0066】分散ポリマーにおいて一般式(I)で示さ
れる繰り返し単位とともに、他の繰り返し単位を共重合
成分として含有してもよい。他の共重合成分としては、
一般式(I)の繰り返し単位に相当する単量体と共重合
可能な単量体よりなるものであればいずれの化合物でも
よい。
【0067】分散ポリマーにおける一般式(I)で示さ
れる重合体成分の存在割合は、好ましくは50重量%以
上であり、より好ましくは60重量%以上である。
【0068】これらの分散ポリマーの具体例としては、
実施例で使用されている分散安定用樹脂(Q−1)等が
挙げられ、また市販品(ソルプレン1205、旭化成
(株)製)を用いることもできる。
【0069】分散ポリマーは、前記の樹脂(P)粒子を
乳化物(ラテックス)等として製造するときには重合に
際し予め添加しておくことが好ましい。
【0070】分散ポリマーを用いるときの添加量はイン
ク全体に対し0.05〜4wt%程度とする。
【0071】本発明の油性インク中の分散樹脂粒子およ
び着色粒子(あるいは色材粒子)は、好ましくは正荷電
または負荷電の検電性粒子である。
【0072】これら粒子に検電性を付与するには、湿式
静電写真用現像剤の技術を適宜利用することで達成可能
である。具体的には、前記の「最近の電子写真現像シス
テムとトナー材料の開発・実用化」139〜148頁、
電子写真学会編「電子写真技術の基礎と応用」497〜
505頁(コロナ社、1988年刊)、原崎勇次「電子写
真」16(No. 2)、44頁(1977年)等に記載の検電
材料および他の添加剤を用いることで行なわれる。
【0073】具体的には、例えば、英国特許第8934
29号、同第934038号、米国特許第112239
7号、同第3900412号、同第4606989号、
特開昭60−179751号、同60−185963
号、特開平2−13965号等に記載されている。
【0074】上述のような荷電調節剤は、担体液体であ
る分散媒1000重量部に対して0.001〜1.0重
量部が好ましい。更に所望により各種添加剤を加えても
よく、それら添加物の総量は、油性インクの電気抵抗に
よってその上限が規制される。即ち、分散粒子を除去し
た状態のインクの電気抵抗が109 Ωcmより低くなると
良質の連続階調像が得られ難くなるので、各添加物の添
加量を、この限度内でコントロールすることが必要であ
る。
【0075】次に、前記した平板印刷原版(以下「マス
ター」とも称する)上に画像を形成する方法を説明す
る。このような方法を実施する装置系としては例えば図
1に示すものがある。
【0076】図1に示す装置系は油性インクを使用する
インクジェット記録装置1を有するものである。
【0077】図1のように、まず、マスター2に形成す
べき画像(図形や文章)のパターン情報を、コンピュー
タ3のような情報供給源から、パス4のような伝達手段
を通し、油性インクを使用するインクジェット記録装置
1に供給する。記録装置1のインクジェット記録用ヘッ
ド10は、その内部に油性インクを貯え、記録装置1内
にマスター2が通過すると、前記情報に従い、インクの
微小な液滴をマスター2に吹き付ける。これにより、マ
スター2に前記パターンでインクが付着する。
【0078】こうしてマスター2に画像を形成し終え、
製版マスター(製版印刷原版)を得る。
【0079】図1の装置系におけるようなインクジェッ
ト記録装置の構成例を図2および図3に示す。図2およ
び図3では図1と共通する部材は共通の符号を用いて示
している。
【0080】図2はこのようなインクジェット記録装置
の要部を示す概略構成図であり、図3はヘッドの部分断
面図である。
【0081】インクジェット記録装置に備えられている
ヘッド10は、図2、図3に示されるように、上部ユニ
ット101と下部ユニット102とで挟まれたスリット
を有し、その先端は吐出スリット10aとなっており、
スリット内には吐出電極10bが配置され、スリット内
には油性インク11が満たされた状態になっている。
【0082】ヘッド10では、画像のパターン情報のデ
ジタル信号に従って、吐出電極10bに電圧が印加され
る。図2に示されるように、吐出電極10bに対向する
形で対向電極10cが設置されており、対向電極10c
上にはマスター2が設けられている。電圧の印加によ
り、吐出電極10bと、対向電極10cとの間には回路
が形成され、ヘッド10の吐出スリット10aから油性
インク11が吐出され対向電極10cに設けられたマス
ター2上に画像が形成される。
【0083】吐出電極10bの幅は、高画質の画像形
成、例えば印字を行うためにその先端はできるだけ狭い
ことが好ましい。
【0084】例えば油性インクを図3のヘッド10に満
たし、先端が20μm 幅の吐出電極10bを用い、吐出
電極10bと対向電極10cの間隔を1.5mmとして、
この電極間に3KVの電圧を0.1ミリ秒印加すること
で40μm のドットの印字をマスター2上に形成するこ
とができる。
【0085】
【実施例】以下に実施例を示して、本発明を詳細に説明
するが、本発明の内容がこれらに限定されるものではな
い。まず、インク用樹脂粒子(PL)の製造例について
示す。
【0086】製造例1 樹脂粒子(PL−1)の製造 下記構造の分散安定用樹脂(Q−1)10g 、酢酸ビニ
ル100g およびアイソパーH384g の混合溶液を窒
素気流下攪拌しながら温度70℃に加温した。重合開始
剤として2,2’−アゾビス(イソバレロニトリル)
(略称A.I.V.N.)0.8g を加え、3時間反応
した。開始剤を添加して20分後に白濁を生じ、反応温
度は88℃まで上昇した。更に、この開始剤0.5g を
加え、2時間反応した後、温度を100℃に上げ2時間
攪拌し未反応の酢酸ビニルを留去した。冷却後200メ
ッシュのナイロン布を通し、得られた白色分散物は重合
率90%で平均粒径0.23μm の単分散性良好なラテ
ックスであった。粒径はCAPA−500(堀場製作所
(株)製)で測定した。
【0087】
【化2】
【0088】上記白色分散物の一部を、遠心分離機(回
転数1×104 r.p.m.、回転時間60分)にかけて、沈
降した樹脂粒子分を、捕集・乾燥した。樹脂粒子分の重
量平均分子量(Mw:ポリスチレン換算GPC値)は2
×105 、ガラス転移点(Tg)は38℃であった。
【0089】実施例1〜7 基体として秤量100g/m2の上質紙を用い、基体の一方
の面に下記組成のバック層用塗料をワイヤーバーを用い
て塗布して、乾燥塗布量12g/m2のバック層を設けた
後、バック層の平滑度が50(秒/10cc)程度にな
るようにカレンダー処理を行った。
【0090】 〈バックコート層用塗料〉 ・カオリン(50%水分散液) 200部 ・ポリビニルアルコール水溶液(10%) 60部 ・SBRラテックス(固形分50%、Tg0℃) 100部 ・メラミン樹脂(固形分80%、スミレッツレジンSR−613) 5部 次いで、基体の他方の面に下記組成のアンダー層用塗料
A〜G(表1に詳細を示した)をワイヤーバーを用いて
塗布して、乾燥塗布量10g/m2のアンダー層を設けた
後、アンダー層の平滑度は1500(秒/10cc)程
度になるようにカレンダー処理を行った。このようにし
て得られた耐水性支持体7種を、表1に示すように塗布
量A〜Gに対応して、各々支持体サンプルNo.01〜
No.07とした。
【0091】
【表1】
【0092】<アンダー層用塗布> ・カーボンブラック(30%水分散液) ・クレー(50%水分散液) ・SBRラテックス(固形分50%、Tg25℃) ・メラミン樹脂(固形分80%、スミレッツレジンSR
−613) 上記の各成分を表1に示す組成で混合し、全体の固形分
濃度が25%となるように水を加えてアンダー層用塗料
A〜Gの塗布液とした。
【0093】1)アンダー層の固有電気抵抗値 アンダー層の固有電気抵抗値の測定は、以下のようにし
て行った。アンダー層用塗料A〜Gを、充分に脱脂洗浄
したステンレス板上に各々塗布し、乾燥塗布量10g/
m2の塗膜とした。得られた7種のサンプルについて、そ
の固有電気抵抗値をJISK−6911に基づきガード
電極を設けた3端子法で測定した。結果は表2中に示し
た。
【0094】
【表2】
【0095】次いで支持体サンプルNo.01〜No.
07上に、下記組成の分散液を乾燥後塗布量として6g
/m2となるように画像受理層を設けてそれぞれ平版印刷
版用原版サンプルNo.1〜No.7とした。
【0096】画像受理層、塗布液 乾式酸化亜鉛100g、下記構造の結着樹脂(B−1)
3.0g、結着樹脂(B−2)17.0g、安息香酸
0.15gおよびトルエン155gの混合物を湿式分散
機ホモジナイザー(日本精機(株)製)を用いて回転数
6×103rpmで3分間分散した。
【0097】
【化3】
【0098】以上のように作成した平版印刷用原版のサ
ンプルNo.1〜No.7を用いて、パソコン出力を描
画できるグラフテック社製サーボ・プロターDA840
0を改造し、ペン・プロッター部に図2に示したインク
吐出ヘッドを装着し、1.5mmの間隔をおいた対向電極
上に設置された平版印刷版用原版に下記内容の油性イン
ク(IK−1)を用いて印字を行ない製版した。製版に
際しては、印刷用原版サンプルNo.1〜No.7の画
像受理層直下に設けられたアンダー層と対向電極を、銀
ペーストを用いて電気的に接続した。
【0099】〈油性インク(IK−1)〉ドデシルメタ
クリレート/アクリル酸共重合体(共重合比;95/5
重量比)を10g 、ニグロシン10g およびシェルゾー
ル71の30g をガラスビーズとともにペイントシェー
カー(東京精機(株)製)に入れ、4時間分散し、ニグ
ロシンの微小な分散物を得た。
【0100】インク用樹脂粒子の製造例1の樹脂粒子
(PL−1)6g (固体分量として)、上記ニグロシン
分散物を2.5g 、FOC−1400(日産化学(株)
製、テトラデシルアルコール)15g 、およびオクタデ
セン−半マレイン酸オクタデシルアミド共重合体0.0
8g をアイソパーGの1リットルに希釈することにより
黒色油性インクを作成した。
【0101】次に、上記のように製版した後、不感脂化
処理液(ELP−E2:富士写真フイルム(株)製商品
名)を全自動印刷機(AM−2850、エーエム社
(株)製商品名)のエッチャー部に入れ、湿し水とし
て、不感脂化処理液(SICS)を蒸留水で4倍に希釈
した溶液を、湿し水受皿部に入れ、オフセット印刷用墨
インキを用い、印刷機に製版物を通して印刷を行なっ
た。
【0102】このようにして得られた製版物の描画画像
の画質を以下のようにして評価した。結果を表3に示
す。
【0103】
【表3】
【0104】2)製版画質 得られた製版物の描画画像を光学顕微鏡により、200
倍の倍率で観察して評価した。表中には◎、○、×で表
示する。 ◎ 描画画像に全く問題がなく、細線や細文字も非常に良好 ○ 描画画像に問題がなく、細線や細文字も良好 × 細線や細文字に欠落や滲みがあり、不良
【0105】3)印刷画質 得られた印刷物の画像を上記製版画質と同様の方法で評
価した。
【0106】4)耐刷性 印刷物の地汚れもしくは画像の欠落が目視で判別できる
までの印刷枚数を調べた。
【0107】表2の固有電気抵抗値を参考にして、表3
の結果について考察する。
【0108】固有電気抵抗値が1012〜1011Ωcmと大
きい原版サンプルNo.1〜No.2は画像が欠けた
り、滲んだりする。また滲みの結果として描画画像の樹
脂層が薄くなるために耐刷性が低く、一方固有電気抵抗
値が108 〜103 Ωcmと小さい原版サンプルNo.4
〜No.7は画像に全く問題がなく、細線や細文字も非
常に良好である。耐刷性も高い。
【0109】すなわち、画像受理層直下の支持体アンダ
ー層の導電性が高いほど、製版画質および印刷画質が良
好となることを示している。
【0110】
【発明の効果】本発明によれば、鮮明な画像の印刷物が
得られ、かつ耐刷性に優れた印刷版を作成することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いる装置系の一例を示す概略構成図
である。
【図2】本発明に用いるインクジェット記録装置の要部
を示す概略構成図である。
【図3】本発明に用いるインクジェット記録装置のヘッ
ドの部分断面図である。
【符号の説明】
1 インクジェット記録装置 2 マスター 3 コンピューター 4 パス 10 ヘッド 10a 吐出スリット 10b 吐出電極 10c 対向電極 11 油性インク 101 上部ユニット 102 下部ユニット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B41M 5/00 B41J 3/04 101Z

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 耐水性支持体上に、画像受理層を有する
    平版印刷用原版の、画像受理層上に、油性インクを静電
    界を利用して吐出させてインクジェット方式で画像を形
    成する製版方法において、前記耐水性支持体として、少
    なくとも前記画像受理層直下の部分が1010Ωcm以下の
    固有電気抵抗値を有する支持体を用いることを特徴とす
    るインクジェット式製版印刷版の作成方法。
  2. 【請求項2】 前記耐水性支持体として、支持体全体の
    固有電気抵抗値が1010Ωcm以下の支持体を用いる請求
    項1のインクジェット式製版印刷版の作成方法。
  3. 【請求項3】 前記油性インクが固有電気抵抗109 Ω
    cm以上かつ誘電率3.5以下の非水溶媒中に、少なくと
    も常温で固体かつ疎水性の樹脂粒子を分散したものであ
    る請求項1または2のインクジェット式製版印刷版の作
    成方法。
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