JPH10270670A - 薄膜半導体の製造方法 - Google Patents

薄膜半導体の製造方法

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JPH10270670A
JPH10270670A JP9073790A JP7379097A JPH10270670A JP H10270670 A JPH10270670 A JP H10270670A JP 9073790 A JP9073790 A JP 9073790A JP 7379097 A JP7379097 A JP 7379097A JP H10270670 A JPH10270670 A JP H10270670A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来のSOI構造による薄膜半導体の製造方
法における材料の損失、膜厚の高精度の制御等の課題の
解決を図る。 【解決手段】 半導体基体11表面を陽極化成処理工程
を経て、分離層が形成された多孔質層12を形成する工
程と、半導体膜13の成膜工程と、この半導体膜を有す
る半導体基体を、半導体膜側において支持基板15とア
ニールによって接合する接合工程と、分離層によって、
支持基板15に接合された半導体膜134を、上記半導
体基体11から分離する分離工程とを経て薄膜半導体を
製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、いわゆるSOI(S
emiconductor on Insulator)構造による薄膜半導体を得
る場合に適用して好適な薄膜半導体の製造方法に係わ
る。
【0002】
【従来の技術】例えば各種単体半導体装置、例えばトラ
ンジスタ、発光素子、太陽電池、更にこれら半導体素子
が複数形成されてなる半導体集積回路等の半導体装置を
構成する場合において、しばしばSOI構造等の薄膜半
導体構造をとする。
【0003】このようなSOI構造の薄膜半導体を製造
する方法としては、例えば2枚の半導体基板の、例えば
一方の半導体基板に絶縁層を形成して置き、この絶縁層
を介して両半導体基板を接合して一方の半導体基板を所
要の厚さに研磨してこの肉薄化された半導体基板による
薄膜半導体が形成されたSOI型の薄膜半導体を得る方
法等が知られている。しかしがら、この方法によるとき
は、半導体基板の研磨による材料の損失が大であるこ
と、また薄膜化の厚さの制御に問題が生じる。
【0004】あるいは、2枚の半導体基板の接合による
ものの、その一方の基板に予め所要の深さに酸素のイオ
ン注入層を形成し、両半導体基板の接合後にアニールを
施すことによってこのイオン注入層において分離すると
いう方法の提案もなされている。しかしながら、この方
法によるときは、薄膜半導体の厚さが、イオン注入の深
さに依存することから、比較的膜厚の大きい薄膜半導体
を得難いとか、イオン注入に伴う製造装置が大掛かりに
なる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
例えば薄膜半導体および薄膜半導体装置等を、容易に、
量産的に製造することのできる方法を先に例えば特願平
9−53354号出願、特願平9−63135号出願等
において提供した。これらの方法は、半導体基体表面に
高多孔率層を分離層とする多孔質層、あるいは空洞層に
よる分離層を形成し、この分離層における分離によって
薄膜半導体等を得るというものである。
【0006】本発明においては、この方法による特徴に
加え、さらに上述した従来のSOI構造による薄膜半導
体の製造方法における諸問題、すなわち材料の損失、膜
厚の高精度の制御等の課題の解決を図った薄膜半導体の
製造方法を提供する。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明においては、半導
体基体表面を陽極化成処理工程を経て、分離層が形成さ
れた多孔質層を形成する工程と、半導体膜の成膜工程
と、この半導体膜を有する半導体基体を、上記半導体膜
側において支持基板とアニールによって接合する接合工
程と、分離層によって、上記支持基板に接合された半導
体膜を、上記半導体基体から分離する分離工程とを経て
薄膜半導体を製造する。
【0008】上述した本発明方法によれば、半導体基体
表面自体を陽極化成によって変化させて分離層を形成す
るものであるので、分離層の形成を容易に、大掛かりな
装置を必要とせずに形成することができる。
【0009】また、本発明方法においては、最終的に形
成する薄膜半導体は、半導体膜によって構成されるもの
であり、この成膜による半導体膜の厚さの制御は高精度
をもって行うことができることから、最終的に得る薄膜
半導体の厚さは、過不足なく十分に薄く、あるいはいわ
ゆる厚膜半導体と称される程度に厚い膜厚とすることも
できる。
【0010】また、本発明方法によれば、半導体基体
に、分離層の形成を行い、これの上に半導体膜の成膜を
なすものであるので、半導体基体を研磨して薄膜化する
場合おける半導体材料の損失、すなわち無駄を回避する
ことができる。
【0011】さらに、この半導体基体は、半導体膜の分
離後においては、他の半導体基体上に形成された半導体
膜に対する支持基板として用いることができ、全く材料
の無駄を回避できるものである。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明においては、上述したよう
に、半導体基体表面を陽極化成処理工程を経て、互いに
多孔率(ポロシティ)が異なる2層以上の層からな分離
層が形成された多孔質層を形成する工程と、半導体膜の
成膜工程と、この半導体膜を有する半導体基体を、半導
体膜側において支持基板とアニールによって接合する接
合工程と、分離層によって、支持基板に接合された半導
体膜を、半導体基体から分離する分離工程とを経て支持
基板上に半導体膜が形成された、いわゆるSOI構造の
薄膜半導体を製造する。
【0013】支持基板が導電性を有する場合において、
支持基板と、これに接合される半導体膜との間に、絶縁
層を介在させて置き、支持基板と半導体膜との絶縁性を
保持する。この絶縁層は、半導体膜の表面の熱酸化によ
って形成することができる。
【0014】また、上述した分離工程後には、半導体膜
に残された多孔質層を除去する工程を採ることができ
る。この多孔質層の除去を行う場合おいては、多孔質層
と半導体膜との間に、この半導体膜とエッチング性を異
にする材料膜を介在させて、薄膜半導体を構成する半導
体膜を確実に残して多孔質層の除去を行う。
【0015】上述した半導体基体表面を陽極化成処理工
程を経て、分離層が形成された多孔質層を形成する工程
と、半導体膜の成膜工程と、この半導体膜を有する半導
体基体を、半導体膜側において支持基板とアニールによ
って接合する接合工程と、分離層によって、支持基板に
接合された半導体膜を、半導体基体から分離する分離工
程とを経て支持基板上に半導体膜が形成された薄膜半導
体を製造する方法をそれぞれ適用した少なくとも第1お
よび第2の製造工程を採り、第1の製造工程における半
導体膜の分離がなされた半導体基板を、第2の製造工程
における支持基板として用いるようにすることができ
る。
【0016】このように、半導体膜の分離がなされた半
導体基板を、他の薄膜半導体の製造方法における支持基
板として用いる場合において、この半導体基板に残され
た多孔質層を除去する。
【0017】上述した少なくとも第1および第2の製造
工程を採る場合において、少なくとも上記第1の製造工
程における半導体基板として両面研磨がなされた半導体
基板を用いて一方の研磨面に上記陽極化成処理工程を経
て分離層を有する多孔質層を形成し、第2の製造工程に
おける支持基板として、上記第1の製造工程において用
いられ半導体膜と分離された半導体基板を用い、この半
導体基板の他方の研磨面を、第2の製造工程における上
記半導体基板の上記半導体膜を有する側の面への接合面
とする方法を採ることができる。
【0018】本発明方法で用いられる半導体基体、およ
び成膜される半導体膜は、Si,GaAs,GaP,G
aN,SiGeによって構成することができ、半導体基
体はこれらの単結晶あるいは多結晶体によって、また成
膜される半導体膜は単結晶膜、多結晶膜、非晶質膜等と
することができる。しかしながら、成膜される半導体膜
を、単結晶膜とするときは、半導体基体と成膜される半
導体膜は、互いに同一系統の材料もしくは格子定数が同
等の材料によって構成することが好ましい。
【0019】半導体基体に対する陽極化成は、フッ化水
素とエタノールを含有する電解溶液中、あるいはフッ化
水素とメタノールを含有する電解溶液中で行うことがで
きる。
【0020】この陽極化成は、公知の方法、例えば伊藤
らによる表面技術Vol.46,No.5,pp.8〜
13,1995〔多孔質Siの陽極化成〕に示された方
法によることができる。すなわち、例えば図1にその概
略構成図を示す2重セル法で行うことができる。この方
法は、第1および第2の槽1Aおよび1Bを有する2槽
構造の電解溶液槽1が用いられる。そして、両槽1Aお
よび1B間に多孔質層を形成すべき半導体基体11を配
置し、両槽1Aおよび1B内に、直流電源2が接続され
た対の白金電極3Aおよび3Bの各一方が配置される。
電解溶液槽1の第1および第2の槽1Aおよび1B内に
は、それぞれ例えばフッ化水素HFとエタノールC2
5 OHとを含有する電解溶液4、あるいはフッ化水素H
FとメタノールCH3 OHとを含有する電解溶液4が収
容され、第1および第2の槽1Aおよび1Bにおいて電
解溶液4に半導体基体11の両面が接触するように配置
され、かつ両電極3Aおよび3Bが電解溶液4に浸漬配
置される。そして、半導体基体11の多孔質層を形成す
べき表面側の槽1A内の電解溶液4に浸漬されている電
極3A側を負極側として、直流電源2が接続されて両電
極3Aおよび3B間に通電がなされる。このようにする
と、半導体基体11側を陽極側、電極3Aを陰極側とす
る給電がなされ、これにより、半導体基体11の電極3
A側に対向する表面が侵蝕されて多孔質化する。
【0021】この2槽セル法によるときは、オーミック
電極を半導体基体に被着形成することが不要となり、こ
のオーミック電極から不純物が半導体基体に導入するこ
とが回避される。
【0022】陽極化成は、上述した2槽セル法による場
合に限られるものではなく、例えば図2に概略構成図を
示す単槽セル法によることもできる。この例では単槽の
電解溶液槽1が設けられ、その例えば底面に設けた開口
1Hに対向して、陽極化成を行う半導体基体11が、O
リング5を介して液密に衝合して配置される。電解溶液
槽1内には電解溶液4が収容されて、底部に配置された
半導体基体11の陽極構成を行う面に電解溶液4が接触
するようになされる。槽1内の電解溶液4中には、例え
はPt電極板より成る一方の電極3Aが浸漬される。半
導体基体11の裏面には例えばカーボン電極より成る他
方の電極3Bが、できるだけ陽極化成を行う面の全域に
亘って対向するように面接触して配置される。そして、
電解溶液4中に浸漬された電極3A側を負極側として、
両電極3Aおよび3B間に直流電源2が挿入されて、通
電がなされる。このようにする場合においても、半導体
基体11の電極3Aと対向する側の面が陽極化成され
る。
【0023】そしてこの陽極化成における条件の選定に
より、形成される多孔質層の構造が変化するものであ
り、これによってこれの上に形成する半導体膜の結晶性
および剥離性が変化する。
【0024】また、上述の陽極化成において、光遮断を
なして暗所において行うときは、多孔質層の表面の凹凸
を小とすることができる。したがって、これの上に半導
体膜のエピタキシャル成長を行うときは、結晶性に優れ
たエピタキシャル成長を行うことができる。
【0025】本発明方法においては、前述したように、
多孔率を異にする2層以上の層からなる多孔質層を形成
するものであり、この場合、陽極化成処理において、電
流密度が異なる2段階以上の多段階陽極化成法を採用す
る。具体的には、表面に多孔率が低いすなわち口径の小
さい微細孔による比較的緻密な低多孔率の多孔質層を作
製するため、まず、低電流密度で第1陽極化成を施す。
多孔質層の膜厚は時間に比例するので、所望する膜厚に
なるような時間で陽極化成を行う。その後、かなり高い
電流密度で第2陽極化成を行えば、最初に形成された低
多孔率の多孔質層によって少くとも表面層が形成され、
これより下側(内側)に多孔率の大きい高多孔率の多孔
層が形成される。すなわち、少くとも多孔率の低い低多
孔率質層と、多孔率の高い高多孔率層を有する多孔質層
が形成される。
【0026】あるいは、最初に低電流密度の第1陽極化
成を行い、次いで第1陽極化成よりもやや高い電流密度
の第2陽極化成を行い、更にこれより高い電流密度の第
3の陽極化成の3段階の陽極化成によって多孔質層の形
成を行うことができる。このように、3段階とする陽極
化成を行う場合、第1陽極化成で形成される多孔率が低
い表面層はそのまま低い多孔率を保ち、第2陽極化成で
多孔率がやや高い中間多孔率層、すなわちバッファー層
が、表面層より下側(内側)、すなわち多孔質層の表面
から半導体基体との界面寄り側に形成され、更に第3陽
極化成で中間多孔率層の中間部もしくはこれの下に、例
えば分離層となる高多孔率層が形成される。
【0027】多孔質層を形成した後は、常圧あるいは減
圧における水素ガス雰囲気中あるいは真空中で加熱する
とか、He,Ne,Ar,K等の第8族元素ガス中で加
熱することが好ましい。また、この加熱工程の前に、多
孔質層を熱酸化することが好ましい。
【0028】この多孔質層は、その結晶性を維持したま
ま多孔質される。したがって、この多孔質層上に、材料
膜として、例えば半導体膜をエピタキシャル成長によっ
て成膜することができる。材料膜、例えば半導体膜の成
膜は、MOCVD(有機金属化学的気相成長法)、CV
D(化学的気相成長)法、MBE(分子線エピタキシ
ー)法、スパッタリング等によることができ、単結晶、
多結晶、非晶質の各膜として形成することができるし、
更に、例えば非晶質膜として形成して後、アニールによ
って、多結晶もしくは単結晶化することができる。ま
た、この半導体膜は、単層の半導体膜によって構成する
こともできるが、太陽電池を構成する場合等において
は、2層以上の複層半導体膜とすることができる。
【0029】このように、半導体基体上にエピタキシャ
ル成長した材料膜、例えば半導体膜を半導体基体から剥
離するが、この剥離に先立って半導体膜上に、例えば支
持基板フレキシブル樹脂シート等による支持基板を接合
してこの支持基板と半導体膜とを一体化した後、半導体
膜を支持基板と共に、半導体基体から、この半導体基体
に形成した多孔質層を介して剥離することができる。
【0030】この支持基板は、フレキシブルシートに限
られるものでなくガラス基板、樹脂基板あるいは例えば
所要のプリント配線がなされたフレキシブル、もしくは
剛性、いわゆる堅い(リジッド)な透明プリント基板に
よって構成することもできるものである。
【0031】一方、残された半導体基体は、再び上述し
た薄膜体、例えば薄膜半導体の製造に繰り返して使用さ
れる。また、この繰り返し使用されて薄くなった半導体
基体は、これ自体を薄膜半導体として用いることができ
る。
【0032】尚、本発明においては、各温度はパイロメ
ータによって測定したものである。
【0033】次に、本発明を、実施例を挙げて説明す
る。しかしながら、本発明は、この実施例に限定される
ものではない。各実施例における電解溶液を構成するH
Fは49%溶液、C2 5 OHは工業エタノールを用い
た。
【0034】〔実施例1〕図3および図4の製造工程図
を参照して説明する。この実施例においては、高濃度に
ボロンBがドープされて、比抵抗例えば0.01〜0.
02Ωcmとされた単結晶Siによるウエファ状の半導
体基体11を用意した(図3A)。
【0035】そして、この半導体基体11の表面を暗所
中で陽極化成して半導体基体11の表面に多孔質層を形
成した。この場合図1で説明した2槽構造の陽極化成装
置を用い、第1および第2の槽1Aおよび1B内にH
F:C2 5 OH=1:1による電解溶液を注入した。
そして電解溶液中に浸漬配置したPt電極3Aおよび3
B間に直流電源2によって電流を流した。
【0036】先ず、電流密度1mA/cm2 の低電流で
8分間通電した。このようにすると、その微細孔の口径
が小さい緻密な多孔質の表面層12Sが形成される(図
3B)。一旦通電を止めた後、電流密度7mA/cm2
で8分間通電した。このように最初に行った陽極化成に
比し高い電流の通電による陽極化成を行うと、表面層1
2Sの微細孔に比し口径が大きい、表面層12Sに比し
て多孔率が高い中間多孔率層12Mによるバッファ層
が、表面層12Sの下層すなわち表面層12Sより内側
に表面層12Sの面に沿って形成される(図3C)。更
に、一旦通電を止めた後、更に高電流密度の80mA/
cm2 の高電流密度で0.3秒間の通電を行い、その後
1分間の通電停止を行って、再び80mA/cm2 の電
流密度で0.3秒間の通電を行い、その後1分間の通電
停止を行って、更に再び80mA/cm2 の電流密度で
0.3秒間の通電を行った。このようにすると、中間多
孔率層12M内に、すなわち中間多孔率層12Mによっ
て上下に挟み込まれた位置に、この中間多孔率層12M
に比して高い多孔率とされた高多孔率層12Hすなわち
分離層が中間層12Mの面方向に沿って形成された(図
3D)。このようにして、表面層12Sと、中間多孔率
層12Mと、高多孔率層12Hとの重ね合せによる多孔
質層12が形成された。
【0037】この多孔質層12が形成された半導体基体
11を、常圧Siエピタキシャル成長装置内で先ず、H
2 雰囲気中でアニールした。このアニールは、室温から
1030℃までの加熱昇温時間を約20分とし、その後
この1030℃に約30分間保持して行った。このH2
中アニールにより、多孔質層12の表面は平坦で滑らか
になった。また、このアニールによって多孔率層12H
と中間多孔率層12Mとの界面付近の分離強度が一層弱
められ、確実な分離がなされる分離層となった。
【0038】その後、上述のアニール温度1030℃か
ら1000℃に降温して、SiH4ガスと、B26
スとを供給してCVD(化学的気相成長)法によるSi
のエピタキシャル成長を4分間行って多孔質層12の表
面層12S上に、厚さ約1.1μmで不純物濃度が約1
×1019atoms/cm3 の高濃度のp型すなわちp+ による
半導体層による材料膜33を成膜し、続いてこれの上
に、同様のエピタキシャル成長によるが、そのB26
によるボロンBの低濃度ドープによるエピタキシャル成
長を4分間行って材料膜33上に、厚さ1.1μmで不
純物濃度が約1×1016atoms/cm3 の半導体膜13を成
膜する(図4A)。この材料膜33は、半導体膜13と
は、後述する多孔質層12のエッチャントのKOHに対
するエッチング性が相違するものであり、このエッチャ
ントに対し、半導体膜13より十分高いエッチング性を
有する。
【0039】その後、半導体膜13の表面を熱酸化して
絶縁層14を形成し、これの上にSi基板による支持基
板15を接合する(図4B)。この接合は、支持基板1
5としてのSi基板をアルカリ洗浄を行って表面を親水
性にして、SiO2 絶縁層14上に衝合し、拡散炉すな
わち加熱炉中で、N2 雰囲気中で1100℃、30分間
のアニールを行った。これによって、半導体基体11と
Si支持基板15とが接合合体された。
【0040】支持基体11と、半導体基体11とを引き
離す応力を外部から加える。このようにすると、脆弱な
分離層、すなわち高多孔率層12Hにおいて、分離(剥
離)が生じ、半導体膜13が、半導体基体11より支持
基板15と共に分離される(図4C)。
【0041】その後、支持基板15に一体化された半導
体膜13上に残された多孔質層12をエッチング除去す
る。このエッチングはKOH水溶液によって行うことが
できる。このエッチャントは、Si多孔質層12と、上
述の高濃度p+ 層による材料膜33がエッチングされ、
この材料膜33に比しKOHエッチャントに対してエッ
チング性が低いp- 層による半導体膜13が、残されて
外部に露呈する(図4D)。このようにして露呈された
半導体膜13の表面は、平滑性にすぐれたエッチング面
となる。
【0042】このようにして支持基板15上に絶縁層1
4を介して半導体膜13を有するSOI構造の薄膜半導
体23を得た。
【0043】〔実施例2〕この実施例においては、それ
ぞれ実施例1と同様の一連の製造工程を採る第1の製造
工程と、第2の製造工程とを行う。そして、第1の製造
工程において、半導体膜13の分離がなされて残された
図4Cに示す半導体基体11に対し、これの上に残され
た多孔質層12を例えばKOHエッチャントによって除
去し、研磨して、この半導体基体11を、第2の製造工
程における図4Bで示す支持基板15として用いて、そ
の研磨面を半導体膜13のSiO2 絶縁層14に、実施
例1で説明したと同様の方法によって接合する。そし
て、実施例1で説明したと同様の方法を採って、この第
2の製造工程によって図4Dに示すSOI構造の薄膜半
導体を得る。
【0044】尚、この実施例2において、陽極化成がな
される半導体基体11として、予め両面が研磨された半
導体基体11を用いることによって、第1の製造工程に
おいて、半導体膜13の分離がなされて残された図4C
に示す半導体基体11を、第2の製造工程における図4
Bで示す支持基板15として用いるに当たり、その陽極
化成がなされず、しかもすでに研磨のなされた側の研磨
面を半導体膜13のSiO2 絶縁層14に、実施例1で
説明したと同様の方法によって接合することができる。
このように、両面研磨した半導体基体11を構成する場
合、その陽極化成処理は、図2で説明した単槽の陽極化
成処理装置を用いることによって、多孔質膜の形成面と
は反対側の研磨面の表面性をより良好に保持できる。
【0045】〔実施例3〕この実施例においては、実施
例1と同様に、比抵抗例えば0.01〜0.02Ωcm
とされた単結晶Siによるウエファ状の半導体基体11
を用意し(図3A)、暗所中で図1で説明した2槽構造
の陽極化成装置を用い、第1および第2の槽1Aおよび
1B内にHF:C2 5 OH=1:1による電解溶液を
注入して電極3Aおよび3B間に直流電源2によって電
流を流した。
【0046】この場合においても、先ず、電流密度1m
A/cm2 の低電流で8分間通電して微細孔の口径が小
さい緻密な多孔質の表面層12Sを形し(図3B)、一
旦通電を止めた後、電流密度7mA/cm2 で8分間通
電した。このようにして表面層12Sの微細孔に比し口
径が大きい、表面層12Sに比して多孔率が高い中間多
孔率層12Mによるバッファ層を、表面層12Sの下層
すなわち表面層12Sより内側に表面層12Sの面に沿
って形成する(図3C)。更に、一旦通電を止めた後、
更に高電流密度の80mA/cm2 の高電流密度で0.
3秒間の通電を行い、その後1分間の通電停止を行っ
て、再び80mA/cm2 の電流密度で0.3秒間の通
電を行い、その後1分間の通電停止を行って、更に再び
80mA/cm2 の電流密度で0.3秒間の通電を行っ
た。このようにすると、中間多孔率層12M内に、すな
わち中間多孔率層12Mによって上下に挟み込まれた位
置に、この中間多孔率層12Mに比して高い多孔率とさ
れた高多孔率層12Hすなわち分離層が中間層12Mの
面方向に沿って形成された(図3D)。このようにし
て、表面層12Sと、中間多孔率層12Mと、高多孔率
層12Hとの重ね合せによる多孔質層12が形成され
た。
【0047】この多孔質層12が形成された半導体基体
11を、この実施例においては、80Torrの減圧エピタ
キシャル成長装置を用いて雰囲気中でアニールした。こ
のアニールは、室温から1030℃までの加熱昇温時間
を約20分とし、その後この1030℃に約30分間保
持して行った。このH2 中アニールにより、多孔質層1
2の表面は平坦で滑らかになった。また、このアニール
によって多孔率層12Hと中間多孔率層12Mとの界面
付近の分離強度が一層弱められ、確実な分離がなされる
分離層となった。
【0048】その後、上述のアニール温度から900℃
に降温して、SiH4 ガスと、GeH4 ガスとを供給し
てCVD法によるSiGe層による材料膜33を形成し
た。そして、続いて供給ガスとしてSiH4 ガスと、B
26 ガスとに変更してエピタキシャル成長を行ってボ
ロンBの低濃度ドープによる不純物濃度が約1×1016
atoms/cm3 の半導体膜13をエピタキシャル成長によっ
て成膜する(図4A)。この材料膜33は、半導体膜1
3とは、後述する多孔質層12のエッチャントのフッ硝
酸に対するエッチング性が相違するものであり、このエ
ッチャントに対し、半導体膜13より十分高いエッチン
グ性を有する。
【0049】その後、半導体膜13の表面を熱酸化して
絶縁層14を形成し、これの上にSi基板による支持基
板15を接合する(図4B)。この接合は、支持基板1
5としてのSi基板をアルカリ洗浄を行って表面を親水
性にして、SiO2 絶縁層14上に衝合し、拡散炉すな
わち加熱炉中で、N2 雰囲気中で1100℃、30分間
のアニールを行った。これによって、半導体基体11と
Si支持基板15とが接合合体された。
【0050】支持基体11と、半導体基体11とを引き
離す応力を外部から加える。このようにすると、脆弱な
分離層、すなわち高多孔率層12Hにおいて、分離(剥
離)が生じ、半導体膜13が、半導体基体11より支持
基板15と共に分離される(図4C)。
【0051】その後、支持基板15に一体化された半導
体膜13上に残された多孔質層12をエッチング除去す
る。このエッチングはフッ硝酸によって行うことができ
る。このエッチャントは、Si多孔質層12と、上述の
SiGe層による材料膜33がエッチングされ、この材
料膜33に比しKOHエッチャントに対してエッチング
性が低いp- 層による半導体膜13が、残されて外部に
露呈する(図4D)。このようにして露呈された半導体
膜13の表面は、やや平滑性に劣ることから、この場
合、化学研磨によって表面の平滑化を行うことができ
る。
【0052】このようにして支持基板15上に絶縁層1
4を介して半導体膜13を有するSOI構造の薄膜半導
体23を得た。
【0053】〔実施例4〕この実施例においても、それ
ぞれ実施例3と同様の一連の製造工程を採る第1の製造
工程と、第2の製造工程とを行う。そして、第1の製造
工程において、半導体膜13の分離がなされて残された
図4Cに示す半導体基体11に対し、これの上に残され
た多孔質層12を例えばKOHエッチャントによって除
去し、研磨して、この半導体基体11を、第2の製造工
程における図4Bで示す支持基板15として用いて、そ
の研磨面を半導体膜13のSiO2 絶縁層14に、実施
例1で説明したと同様の方法によって接合する。そし
て、実施例1で説明したと同様の方法を採って、この第
2の製造工程によって図4Dに示すSOI構造の薄膜半
導体を得る。
【0054】尚、この実施例4においても、陽極化成が
なされる半導体基体11として、予め両面が研磨された
半導体基体11を用いることによって、第1の製造工程
において、半導体膜13の分離がなされて残された図4
Cに示す半導体基体11を、第2の製造工程における図
4Bで示す支持基板15として用いるに当たり、その陽
極化成がなされず、しかもすでに研磨のなされた側の研
磨面を半導体膜13のSiO2 絶縁層14に、実施例1
で説明したと同様の方法によって接合することができ
る。この場合においても、図2の陽極化成処理装置を用
いることができる。
【0055】また、上述した実施例では、多孔質層12
に高多孔率層12Hによる分離層を形成し、多孔質層1
2上に半導体膜13の成膜を行った場合であるが、陽極
化成の条件の選定と、さらにその後のアニール条件との
選定によって、多孔質層を形成して後に、この多孔質層
の下層側に、複数の柱状体が分散されて連結された分離
層となる空洞層と、これの上に単結晶半導体層とを発生
させた半導体基体11に対して半導体膜の成膜を行う方
法を採ることができる。
【0056】この場合、単結晶半導体層上の多孔質層上
に例えば半導体膜の成膜を行って空洞層による分離層に
よって半導体膜を半導体基体から分離するとか、あるい
は多孔質層をエッチング除去して、この多孔質層の除去
によって外部に露呈した単結晶半導体層に、半導体膜の
エピタキシャル成長を行って、この半導体膜を、上述の
空洞層による分離層において分離する。
【0057】このようにして、例えば薄膜半導体、SO
I構成による薄膜半導体を得る場合等において、上述し
た本発明を適用することができる。
【0058】この場合においても、分離によって残され
た半導体基体11を、支持基板として用いることができ
る。この場合の一実施例を実施例5として図5を参照し
て説明する。
【0059】〔実施例5〕先ず、半導体基体、例えば高
濃度にボロンBがドープされて、比抵抗例えば0.01
〜0.02Ωcmとされた単結晶Siによる両面が研磨
されたウエファ状半導体基体11を用意した(図5
A)。
【0060】そして、この半導体基体11に対して多段
階陽極化成を行って半導体基体11の表面に多孔質層を
形成した。この実施例においては、図2で説明した1槽
構造の陽極化成装置を用いて陽極化成を暗所で行った。
この場合、電解溶液は、HF:C2 5 OH=1:1を
用いた。そして、両電極3Aおよび3B間に直流電流を
通電した。
【0061】先ず、電流密度を、0mA/cm2 から1
mA/cm2 へと約1分掛けて傾斜的に増加させて行
き、この1mA/cm2 の低電流で8分間通電する低電
流通電を行った。これにより多孔率が低い多孔質の表面
層12Sが形成された。次に、電流密度を、1mA/c
2 から7mA/cm2 へと約30秒掛けて傾斜的に増
加させて行き、この7mA/cm2 の中電流で8分間通
電する中電流通電を行った。これにより多孔率が表面層
12Sに比しては高い中間多孔率層12Mが形成された
多孔質層12が形成された(図5B)。
【0062】次に、電流密度を、先の両通電電流密度よ
り高い80mA/cm2 に高めて0.3秒間通電し、そ
の後通電を停止して1分間経過して後、再び80mA/
cm2 に高めて0.3秒間通電し、更にその後通電を停
止して1分間経過して後、更に80mA/cm2 に高め
て0.3秒間の通電する間欠的高電流通電を行った。そ
の後、この半導体基体を常圧Siエピタキシャル成長装
置によって、H2 雰囲気中で熱処理すなわちアニールし
た。このアニールは、室温から1120℃に約20分間
掛けて昇温し、この温度で約50分間保持した。このよ
うにすると、多孔質層12の表面層12Sの表面が平坦
で滑らかになり、多孔質層12内の、多孔質層と半導体
基体11との界面側に位置して、多孔質層12の面に沿
って広がる空洞層40が発生するとともに、空洞層40
上に単結晶半導体層41が生じた(図5C)。この空洞
層40には、複数の柱状体42が、分散して植立するよ
うに発生していわば半導体基体11の界面に対して単結
晶半導体層41を半導体基体11に対して連結する連結
柱として機能すると共に、空洞層40に所要の分離性を
保持する分離層として機能を奏せしめる。
【0063】その後、多孔質層12を、HClによって
エッチングして単結晶半導体層41を外部に露呈する
(図5D)。このように外部に露呈した単結晶半導体層
41上に、例えばSiによる半導体膜13をエピタキシ
ャル成長する。そして、このSi半導体膜13の表面
に、絶縁層14を、例えばSi半導体膜13の表面熱酸
化によって形成する(図5E)。そして、この絶縁層1
4上にSi基体による支持基板15の接合を行う(図5
F)。この接合は、例えば予めSi支持基板15をアル
カリ洗浄して表面を親水性としておき、これを絶縁層1
4が形成された半導体膜13上に合致させ、この状態
で、例えば拡散炉において、H2 雰囲気中で1000
℃、30分のアニールを行うことによって接合すること
ができる。
【0064】その後、支持基板15に接合された半導体
膜13を単結晶半導体層41と共に、脆弱な空洞層40
の破壊によって半導体基体11から分離する(図5
G)。このようにすると、支持基板15に絶縁層14を
介して半導体膜13および単結晶半導体層41が接合さ
れたSOI構造の薄膜半導体が形成されるとともに、こ
れと分離された上述の空洞層40より下層の半導体基体
11S1 が分離される。
【0065】このようにして、図5A〜図5Gで説明し
た一連の工程による製造工程の複数を、順次直列的に、
あるいは並列的に行う。つまり、図5A〜図5Gで説明
した一連の工程による第1の製造工程と、同様に図5A
〜図5Gで説明した一連の工程による他の第2の製造工
程、更に同様に図5A〜図5Gで説明した一連の工程に
よる他の第3の製造工程・・・を行うものであり、この
場合、第1の製造工程における図5Fで示した支持基板
15を、これより前、あるいは一部並行して行った他の
上述したと同様の一連の工程で分離された半導体基体1
1s0 によって構成する。そして、第2の一連の工程に
おける図5Fで示した支持基板15を、これより前、あ
るいは平行して行った第1の一連の工程で分離された半
導体基体11s1 によって構成する。
【0066】このようにして、他の一連の製造工程で生
じた半導体基体11の残されたすなわち分離によって生
じた半導体基体11s(11s0 ,11s1 ・・・)
を、支持基板15として利用するものである。
【0067】しかしながら、支持基板15は、上述した
ような1回の図5A〜図5Gで説明した一連の工程によ
って発生した半導体基体を用いる場合に限られるもので
はなく、分離された半導体基体11sを再び初期の半導
体基体11として用いて複数回の上述の一連の作業を行
って所要の厚さに減少した半導体基体11sに関して支
持基板15として利用することもできる。
【0068】尚、本発明における空洞層40および単結
晶半導体層41の形成のアニールは、常圧あるいは減圧
におけるH2 ガス雰囲気中でのアニールのみならず、前
述したように、真空中、あるいはHe,Ne,Ar,K
r等の周期律表において第8族元素ガス中でのアニール
によることができる。
【0069】上述の陽極化成において、大電流通電、長
時間通電等によって半導体例えばSiの基体側からの剥
離が生じ、このSiくずが電解液槽に付着する場合があ
る。この場合は、基体11をとり出して後、電解液に換
えて槽内にフッ硝酸を注入することによって不要なSi
等の半導体くずをエッチング除去することができる。
【0070】また、上述した各例においては半導体膜1
3の半導体基体11からの分離を、互いに引き離す外力
を与えて剥離した場合であり、この場合前述したように
真空吸着によって行うことができる。また、あるいは超
音波振動によって空洞層や高多孔率層による分離層にお
ける分離をすることができる。
【0071】また、陽極化成を、フッ化水素とエタノー
ルを含有する電解溶液、あるいは、フッ化水素とメタノ
ールの混合液中で行うことにより、多孔質層を容易に形
成することができる。この場合、陽極化成の電流密度を
変える際に、この電解溶液の組成も変えることにより、
多孔率の調整範囲が更に大きくなる。
【0072】また、陽極化成中に光を照射することによ
る、多孔質層の表面の凹凸の発生が著しくなり、エピタ
キシャル半導体膜の結晶性が悪くなるが、上述の実施例
におけるように、陽極化成を暗所で行うことにより、こ
の凹凸を軽減ないしは回避できて、良好な結晶性を有す
るエピタキシャル半導体膜を形成することができる。
【0073】また、半導体膜13として、シリコンSi
膜を成膜する場合、表面平滑性にすぐれたSi膜を得る
にはSi供給の原料ガスとしては塩素系ガスのSiCl
4 ,SiHCl3 ,Si2 2 Cl2 等による成膜が好
ましく、例えば太陽電池におけるよう受光効率を高める
ために表面に微細凹凸を発生させるには、半導体膜の成
膜に先立ってHClによるエッチングを行って後、シラ
ン系ガスSiH4 ,S2 6 等による成膜を行うことが
好ましい。また、本発明製造方法によれば、多孔質層の
形成とアニールによって分離層の形成を行うものである
が、この多孔質層の形成条件や、アニール条件の選定に
よって、分離層の強度を選定できることから、半導体基
板の使用目的に応じて、その分離強度を容易、かつ確実
に選定することができる。
【0074】尚、上述した例では、支持基板15とし
て、Si基板を用いた場合であるが、例えば実施例1、
実施例3において他の基板、例えばフレキシブル樹脂基
板、もしくは剛性(リジッド)を有する絶縁基板等を用
いることができる。しかしながら、支持基板15を、半
導体膜13と同一材料によって構成するときは、その熱
膨張率が同等であることによる熱歪みによる撓みや剥離
の発生を回避できる利点がある。
【0075】また、上述した各実施例において、その半
導体膜13に、各種半導体素子等の回路素子を形成する
ことによって薄膜半導体構成による半導体集積回路装置
を構成するとか、半導体膜13を複数の例えば導電型を
異にする複数の半導体層が積層された複合半導体層構成
とすることによって太陽電池を構成することもできるな
ど本発明製造方法によれば、各種の半導体装置を製造す
る場合に適用することができる。
【0076】上述した本発明方法によれば、半導体基体
表面自体を陽極化成によって変化させて分離層を形成す
るものであるので、分離層の形成を容易に、大掛かりな
装置を必要とせずに形成することができる。
【0077】また、本発明方法においては、最終的に形
成する薄膜半導体は、半導体膜によって構成されるもの
であり、この成膜による半導体膜の厚さの制御は高精度
をもって行うことができることから、最終的に得る薄膜
半導体の厚さは、過不足なく十分に薄く、あるいはいわ
ゆる厚膜半導体と称される程度に厚い膜厚とすることも
できる。
【0078】また、本発明方法によれば、半導体基体
に、分離層の形成を行い、これの上に半導体膜の成膜を
なすものであるので、半導体基体を研磨して薄膜化する
場合おける半導体材料の損失、すなわち無駄を回避する
ことができる。
【0079】さらに、この半導体基体は、半導体膜の分
離後においては、他の半導体基体上に形成された半導体
膜に対する支持基板として用いることができ、全く材料
の無駄を回避できるものである。
【0080】
【発明の効果】上述したように、本発明方法によれば、
分離層の形成を容易に、大掛かりな装置を必要とせずに
形成することができる。また、薄膜半導体の厚さは、過
不足なく十分に薄く、あるいはいわゆる厚膜半導体と称
される程度に厚い膜厚とすることもできる。また、本発
明方法によれば、半導体基体に、分離層の形成を行い、
これの上に半導体膜の成膜をなすものであるので、半導
体基体を研磨して薄膜化する場合おける半導体材料の損
失、すなわち無駄を回避することができる。さらに、こ
の半導体基体は、半導体膜の分離後においては、他の半
導体基体上に形成された半導体膜に対する支持基板とし
て用いることができ、全く材料の無駄を回避できるもの
である。したがって、本発明製造方法によればコストの
低減化をはかることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法に用いる陽極化成装置の一例の断面
図である。
【図2】本発明方法に用いる陽極化成装置の他の例の断
面図である。
【図3】A〜Dは本発明方法の一例の工程図(その1)
である。
【図4】A〜Dは本発明方法の一例の工程図(その2)
である。
【図5】A〜Gは本発明方法の他の一例の工程図であ
る。
【符号の説明】
1 電解溶液槽、1A 第1の槽、1B 第2の槽、2
直流電源、3A,3B 電極、4 電解溶液、11
半導体基体、12 多孔質層、12S 表面層、12M
中間多孔率層、12H 高多孔率層、13 半導体
膜、15 支持基板、40 空洞層、41 単結晶半導
体層、42 柱状体

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体基体表面を陽極化成処理工程を経
    て、分離層が形成された多孔質層を形成する工程と、 半導体膜の成膜工程と、 該半導体膜を有する半導体基体を、上記半導体膜側にお
    いて支持基板とアニールによって接合する接合工程と、 上記分離層によって、上記支持基板に接合された半導体
    膜を、上記半導体基体から分離する分離工程とを有する
    ことを特徴とする薄膜半導体の製造方法。
  2. 【請求項2】 上記支持基板と、これに接合される上記
    半導体膜との間に、絶縁層を介在させたことを特徴とす
    る請求項1に記載の薄膜半導体の製造方法。
  3. 【請求項3】 上記分離工程後に、上記半導体膜に残さ
    れた多孔質層を除去する工程を有することを特徴とする
    請求項1に記載の薄膜半導体の製造方法。
  4. 【請求項4】 上記多孔質層と上記半導体膜の間に、該
    半導体膜とエッチング性を異にする材料膜を介在させる
    ことを特徴とする請求項3に記載の薄膜半導体の製造方
    法。
  5. 【請求項5】 上記絶縁物の形成を、上記半導体膜の表
    面熱酸化によって形成することを特徴とする請求項2に
    記載の薄膜半導体の製造方法。
  6. 【請求項6】 少なくとも請求項1に記載の薄膜半導体
    の製造方法による第1の製造工程と、 上記請求項1に記載の薄膜半導体の製造方法による第2
    の製造工程とを有し、 上記第1の製造工程における半導体膜の分離がなされた
    半導体基板を、上記第2の薄膜半導体の製造方法におけ
    る支持基板として用いることを特徴とする請求項1に記
    載の薄膜半導体の製造方法。
  7. 【請求項7】 上記第1の製造工程において半導体膜の
    分離がなされた半導体基板を、これに残された多孔質層
    を除去して、上記第2の製造方法における支持基板とし
    て用いることを特徴とする請求項1に記載の薄膜半導体
    の製造方法。
  8. 【請求項8】 少なくとも請求項1に記載の薄膜半導体
    の製造方法による第1の製造工程と、 上記請求項1に記載の薄膜半導体の製造方法による第2
    の製造工程とを有し、 少なくとも上記第1の製造工程における半導体基板とし
    て両面研磨がなされた半導体基板を用いて一方の研磨面
    に上記陽極化成処理工程を経て分離層を有する多孔質層
    を形成し、 上記第2の製造工程における上記支持基板として、上記
    第1の製造工程において用いられ上記半導体膜と分離さ
    れた半導体基板を用い、該半導体基板の他方の研磨面
    を、上記第2の製造工程における上記半導体基板の上記
    半導体膜を有する側の面への接合面としたことを特徴と
    する請求項1に記載の薄膜半導体の製造方法。
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