JPH10270346A - 位置検出方法及びその装置、並びに露光装置 - Google Patents

位置検出方法及びその装置、並びに露光装置

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JPH10270346A
JPH10270346A JP9088908A JP8890897A JPH10270346A JP H10270346 A JPH10270346 A JP H10270346A JP 9088908 A JP9088908 A JP 9088908A JP 8890897 A JP8890897 A JP 8890897A JP H10270346 A JPH10270346 A JP H10270346A
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JP
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mark
position detection
detection mark
substrate
wafer
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JP9088908A
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Inventor
Naomasa Shiraishi
直正 白石
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Original Assignee
Nikon Corp
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Publication date
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  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 パターン禁止領域をあまり広く設定すること
なく、マークの周期程度以上の位置の不確定さを有する
状態からマーク位置を高精度に検出する。 【解決手段】 レーザ干渉式センサ用のマークであるラ
インアンドスペースパターンを、各ラインの中間でその
両側の部分で周期方向に位置ずれを生じさせた形状のマ
ークが形成された基板W上に、相互に振動数が僅かに異
なる一対の可干渉ビーム(LP、LM)を入射して、マ
ーク近傍上に、振幅分布の周期がPでかつ一定速度で周
期方向に移動する干渉縞LFを形成し、マークから発生
する回折光(LD)の強度を計測するとともに、干渉縞
LFとマークとを周期方向と直交する方向に相対走査
し、その相対走査中の回折光(LD)の強度変化に基づ
いてマークの周期方向と直交する方向の位置を検出す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、位置検出方法及び
その装置、並びに露光装置に係り、更に詳しくはウエハ
等の基板の表面に形成された位置検出マークの位置を検
出する位置検出方法及びその装置、並びにその位置検出
装置をマスクパターン像が形成される感応基板の位置検
出用として具備する露光装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、半導体素子、撮像素子(CC
D等)、液晶表示素子、又は薄膜磁気ヘッド等を製造す
るためのリソグラフィ工程(マスクパターンのレジスト
像を基板上に形成する工程)では、マスク(又はレチク
ル)のパターンを投影光学系を介して、フォトレジスト
が塗布されたウエハ(又はガラスプレート等)上に露光
する投影露光装置(ステッパー等)、あるいはマスクの
パターンを直接ウエハ上に転写するプロキシミティ方式
の露光装置等の露光装置が使用されている。
【0003】例えば、半導体素子は、ウエハ上に多数層
の回路パターンを所定の位置関係で積み重ねて形成され
るので、係る半導体素子の製造工程で用いられる露光装
置で2層目以降の回路パターンをウエハ上に露光する際
には、露光に先立ってマスクとウエハの各ショット領域
内の回路パターンとの位置合わせ(アライメント)を高
精度に行う必要がある。このアライメントを行うため
に、ウエハ上にはそれまでの工程中で位置検出マークと
してのアライメントマーク(ウエハマーク)が形成され
ており、露光装置に装着されたアライメントセンサによ
ってそのアライメントマークの位置を検出することで、
ウエハ上の各ショット領域内の回路パターンの正確な位
置を検出できるようになっている。
【0004】実際のアライメント工程は、ウエハ上の2
から3個の比較的大きなマークをラフに検出し、ショッ
ト配列のおおまかな位置を検出するラフアライメント工
程と、その後にウエハ上の10ヵ所程度のマークを精密
に位置検出するファインアライメント工程との2段階よ
りなる。
【0005】ラフアライメント工程においては、ウエハ
の外形基準等に基づいて数十μmから百μm程度にラフ
に位置決めされたウエハ上のラフアライメントマークの
位置を数μmの精度で検出する。次にファインアライメ
ント工程では、ファインアライメントマークを数nmの
精度で位置検出し、これによりウエハ上のマークの位
置、即ち既存の回路パターンの位置が正確に露光装置の
制御系に認識される。
【0006】従来のアライメントセンサとしては、アラ
イメントマークの近傍にレーザビームを照射かつスキャ
ンし、その散乱・回折光の強度変化に基づいてマーク位
置を検出するもの(レーザビームスキャン式センサ)
と、アライメントマークの近傍に単色光又はブロードバ
ンド光を照射して検出光学系を介してその像を撮像し、
その撮像信号に基づいてマーク位置を検出するもの(結
像式センサ)と、格子状のアライメントマークに対し一
対のレーザビームを入射し、マーク上に干渉縞を生じさ
せ、マークから生ずる回折光の強度変化に基づいてマー
ク位置を検出するもの(レーザ干渉式センサ)の3通り
が存在する。
【0007】この内、レーザビームスキャン式センサ
や、結像式センサを使用する場合は、検出対象とするマ
ークと検出アルゴリズムを変更するだけで、上記ラフ及
びファインの両アライメントに使用することが可能であ
る反面、レーザビームスキャン式センサは、マーク以外
の部分からも散乱光等が生じる表面あれウエハ等の検出
には不向きであり、また、結像式センサは撮像素子の能
力による検出限界がある。これに対し、レーザ干渉式セ
ンサには、上記のような欠点がなく、その再現性や精度
が高く、さらには表面形状の荒れたウエハに対しても高
精度の位置検出が可能であるため、今後の主流方式とな
っていくと考えられている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、レーザ
干渉式センサは、その検出対象のマークが数μm程度の
周期を有する繰り返しパターンに限定されるため、位置
検出に先立って予めマークの位置をその周期の半分程度
の精度で認識しておくことが必須である。このため、レ
ーザ干渉式センサは、上記ウエハの外形基準等に基づい
て数十μmから百μm程度にラフに位置決めされ、マー
クの周期程度以上の位置の不確定さを有する状態からマ
ーク位置を検出する必要のあるラフアライメントには使
用できなかった。従って、レーザ干渉式センサを搭載す
る露光装置では、別途ラフアライメント用のセンサを装
備したり、あるいはウエハの外形を基準とする高精度か
つ高価なウエハ位置決め機構を装備する必要があり、装
置の高価格化や大型化の原因となっていた。
【0009】勿論、レーザ干渉式センサの検出対象であ
るラインアンドスペースパターンから成るマークを用い
て、通常の検出方向と直交する方向にマークとレーザビ
ームとを相対走査し、その時の回折光の強度変化に基づ
いてスライス法等によりマークの位置を検出することも
考えられるが、かかる場合には、マークにレーザビーム
が掛からない位置からマーク上を通過して再度マークに
レーザビームが掛からない位置まで、レーザビームを相
対走査する必要があることから、マーク以外のパターン
を形成してはならない領域(パターン禁止領域)を最低
でもマークの長さの3倍、例えば150μm程度確保し
なければならいという不都合があった。
【0010】本発明はかかる事情の下になされたもの
で、請求項1に記載の発明の目的は、パターン禁止領域
をあまり広く設定することなく、位置検出マークの周期
程度以上の位置の不確定さを有する状態からマーク位置
を高精度に検出することが可能な位置検出方法を提供す
ることにある。
【0011】また、請求項2及び3に記載の発明は、パ
ターン禁止領域をあまり広く設定することなく、しかも
位置検出マークの周期程度以上の位置の不確定さを有す
る状態からマーク位置を高精度に検出することが可能な
位置検出装置を提供することにある。
【0012】また、請求項4に記載の発明の目的は、ラ
フアライメント工程とファインアライメント工程で同一
の位置検出装置によりマーク位置を高精度に検出するこ
とができる露光装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、基板(W)上に形成された位置検出マークの位置を
検出する位置検出方法であって、第1方向に伸びる線状
パターンが前記第1方向と直交する第2方向に周期Pで
繰り返されるラインアンドスペースパターンから成る第
1マーク(M1)と、当該第1マーク(M1)に対し前
記第1方向に隣接し前記第2方向には所定量ずれて配置
された前記第1マーク(M1)とほぼ同一のラインアン
ドスペースパターンから成る第2マーク(M2)とを含
む位置検出マーク(SM)が予め形成された基板(W)
を用意し、前記基板(W)上に相互に振動数が異なる一
対の可干渉ビーム(LP、LM)を入射して、前記位置
検出マーク(SM)上に、前記第2方向の振幅分布の周
期がPでかつ一定速度で前記第2方向に移動する干渉縞
(LF)を形成し、前記位置検出マーク(SM)から発
生する回折光(LD)の強度を検出するとともに、前記
干渉縞(LF)と前記位置検出マーク(SM)とを前記
第1方向に相対走査し、その相対走査中の前記回折光
(LD)の強度変化に基づいて前記位置検出マーク(S
M)の前記第1方向の位置を検出する。
【0014】これによれば、干渉縞(LF)と位置検出
マーク(SM)との第1方向への相対走査に伴い、位置
検出マーク(SM)から発生する回折光(LD)の強
度,ありはその交流成分は、干渉縞が第1マーク(M
1)部分に掛かる面積と第2マーク(M2)部分に係る
面積とに応じて次第に変化する。この場合、干渉縞がマ
ーク(M1)部分に掛かる面積と第2マーク(M2)部
分に係る面積とが同じになったとき、第1マーク(M
1)と第2マーク(M2)の両者から発生する回折光
(LD)の強度,あるいはその交流成分は、両マーク
(M1、M2)の周期方向の位置ずれのために相殺さ
れ、最も弱くなる(極小値となる)。この相対走査中の
回折光(LD)の強度,あるいはその交流成分の変化に
基づいて、上記極小値を見つけることにより、位置検出
マーク(SM)の第1方向の位置が検出される。この場
合において、干渉縞が第1マーク(M1)部分に掛かる
面積と第2マーク(M2)部分に係る面積とが同じにな
る前後のみで干渉縞(LF)と位置検出マーク(SM)
とを相対走査すれば足りるので、マーク(SM)の外部
にまで相対走査領域を設定する必要がなく、従って、パ
ターン禁止領域をあまり広く設定する必要がない。ま
た、上記のマーク位置の検出は、最初に干渉縞(LF)
の一部が位置検出マーク(SM)に掛かる程度に基板
(W)を位置制御できれば足りるので、基板(W)が設
計値から位置検出マーク(SM)の周期程度以上にずれ
ていても、換言すれば位置検出マーク(SM)の周期程
度以上の位置の不確定さを有する状態からでも開始する
ことができ、しかもマーク上に干渉縞を生じさせ、マー
クから生ずる回折光の強度,あるいはその交流成分の変
化に基づいてマーク位置を検出するものであるため、高
精度な検出が可能である。
【0015】請求項2に記載の発明は、基板(W)上に
形成された位置検出マークの位置を検出する位置検出装
置であって、前記基板(W)上に、第1方向に伸びる線
状パターンが前記第1方向と直交する第2方向に周期P
で繰り返されるラインアンドスペースパターンから成る
第1マーク(M1)と、当該第1マーク(M1)に対し
前記第1方向に隣接し前記第2方向には所定量ずれて配
置された前記第1マーク(M1)とほぼ同一のラインア
ンドスペースパターンから成る第2マーク(M2)とを
含む位置検出マーク(SM)が予め形成され、前記基板
(W)上に相互に振動数が異なる一対の可干渉ビーム
(LP、LM)を入射して、前記位置検出マーク(S
M)上に、前記第2方向の振幅分布の周期がPでかつ一
定速度で前記第2方向に移動する干渉縞(LF)を形成
する干渉縞発生手段(10〜15)と;前記位置検出マ
ーク(SM)から発生する回折光(LD)を受光してそ
の強度信号を出力する受光手段(16)と;前記干渉縞
(LF)と前記位置検出マーク(SM)とを前記第1方
向に相対走査する相対走査手段(WST)と;前記相対
走査中に、前記受光手段(16)から出力される強度信
号の変化に基づいて前記位置検出マーク(SM)の前記
第1方向の位置を算出する算出手段(26)とを有す
る。
【0016】これによれば、干渉縞発生手段(10〜1
5)では、基板(W)上に相互に振動数が異なる一対の
可干渉ビーム(LP、LM)を入射して、位置検出マー
ク(SM)上に、第2方向(マーク(SM)の周期方
向)の振幅分布の周期がPでかつ一定速度で前記第2方
向に移動する干渉縞(LF)を形成する。これにより、
位置検出マーク(SM)から回折光(LD)が発生し、
受光手段(16)ではこの回折光(LD)を受光してそ
の強度信号(回折光の強度に応じた電気信号)を出力す
る。そして、相対走査手段(WST)では干渉縞(L
F)と位置検出マーク(SM)とを第1方向に相対走査
し、この相対走査中に、算出手段(26)では受光手段
(16)から出力される強度信号の変化に基づいて位置
検出マーク(SM)の第1方向の位置を算出する。
【0017】この場合も、請求項1に記載の発明の場合
と同様に、干渉縞(LF)と位置検出マーク(SM)と
の第1方向への相対走査に伴い、位置検出マーク(S
M)から発生する回折光(LD)の強度,あるいはその
交流成分が、干渉縞が第1マーク(M1)部分に掛かる
面積と第2マーク(M2)部分に係る面積とに応じて次
第に変化し、干渉縞(LF)が第1マーク(M1)部分
に掛かる面積と第2マーク(M2)部分に係る面積とが
同じになったとき、第1マーク(M1)と第2マーク
(M2)の両者から発生する回折光(LD)の強度,あ
るいはその交流成分は、両マーク(M1、M2)の周期
方向の位置ずれのために相殺され、最も弱くなる(極小
値となる)ので、算出手段(26)では、この相対走査
中の受光手段(16)から出力される強度信号が上記極
小値となる位置を見つけることにより、位置検出マーク
(SM)の第1方向の位置を検出する。従って、請求項
1に記載の発明の場合と同様の理由により、パターン禁
止領域をあまり広く設定する必要がなく、また、上記の
マーク位置の検出は、最初に干渉縞の一部が位置検出マ
ークに掛かる程度に基板を最初に位置制御できれば足
り、位置検出マークの周期程度以上の位置の不確定さを
有する状態からでも検出を開始することができ、しかも
マーク上に干渉縞を生じさせ、マークから生ずる回折光
の強度,あるいはその交流成分の変化に基づいてマーク
位置を検出するものであるため、高精度な検出が可能で
ある。
【0018】この場合において、請求項3に記載の発明
の如く、前記第1マークと前記第2マークとの前記第2
方向のずれ量Dは、前記周期Pと任意の整数nに対し
て、 P×(6n+1)/6≦D≦P×(6n+5)/6 を満足することが望ましい。ずれ量Dがこの範囲外とな
る場合には、検出精度が低くなるからである。
【0019】請求項4に記載の発明は、マスク(R)に
形成されたパターンの像を感応基板(W)上に形成する
露光装置であって、請求項2に記載の位置検出装置を前
記感応基板(W)の位置検出用として具備することを特
徴とする。
【0020】これによれば、感応基板上に請求項2に記
載の位置検出マークを予め形成することにより、位置検
出装置を用いて、位置検出マークの周期程度以上の位置
の不確定さを有する状態からでも検出を開始することが
できるので、該位置検出装置による感応基板(W)のい
わゆるラフアライメントが可能となる。また、この位置
検出装置は、マーク上に干渉縞を生じさせ、マークから
生ずる回折光の強度変化に基づいてマーク位置を検出す
るものであるからいわゆるファインアライメントにも適
したものであるとともにマーク位置を高精度に検出でき
るものである。従って、ラフアライメント工程とファイ
ンアライメント工程で同一の位置検出装置によりマーク
位置を高精度に検出することが可能となる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を図1
ないし図5に基づいて説明する。
【0022】図1にはTTL(Through The Lens)方式
のアライメント光学系を備えた一実施形態に係る露光装
置100の構成が概略的に示されている。この露光装置
100は、ステップ・アンド・リピート方式の縮小投影
型露光装置(いわゆるステッパー)である。
【0023】露光装置100は、露光用の照明光でマス
クとしてのレチクルRを照明する照明光学系IOP、照
明光学系IOPの下方でレチクルRを保持するレチクル
ステージRST、レチクルステージRSTの下方に配置
された投影光学系15、投影光学系15の下方で感応基
板(及び基板)としてのウエハWを保持して2次元移動
するウエハステージWST、アライメント光学系(10
〜14、16、17)及び装置全体を統括的に制御する
主制御装置18等を備えている。
【0024】照明光学系IOPは、例えばコリメータレ
ンズ、フライアイレンズ等から成る照度均一化光学系、
リレーレンズ系、レチクルブラインド、コンデンサレン
ズ等(いずれも図示省略)を含んで構成され、不図示の
光源からの照明光によりほぼ均一な照度でレチクルR上
のレチクルブラインドで規定された所定の矩形領域を上
方から照明する。照明光としては、例えばKrFエキシ
マレーザ光やArFエキシマレーザ光等のエキシマレー
ザ光、銅蒸気レーザやYAGレーザの高調波、あるいは
超高圧水銀ランプからの紫外域の輝線(g線、i線等)
等が用いられる。
【0025】レチクルステージRST上にはその下面に
回路パターン(微細パターン)等が描画されたレチクル
Rが、例えば真空吸着により固定されている。また、こ
のレチクルステージRSTは、レチクルRの位置決めの
ため、照明光学系IOPの光軸(後述する投影光学系1
5の光軸に一致)に垂直な平面内で2次元的に(X軸方
向及びこれに直交するY軸方向及びXY平面に直交する
Z軸回りの回転方向に)微少駆動可能に構成されてい
る。
【0026】前記投影光学系15は、レチクルステージ
RSTの図1における下方に配置され、その光軸(照明
光学系の光軸に一致)の方向がZ軸方向とされ、ここで
は両側テレセントリックな光学配置となるように光軸方
向に沿って所定間隔で配置された複数枚のレンズエレメ
ントから成る屈折光学系が使用されている。この投影光
学系15は所定の投影倍率、例えば1/5(あるいは1
/4)を有する縮小光学系である。このため、照明光学
系IOPからの照明光によってレチクルRが照明される
と、このレチクルRを通過した照明光により、投影光学
系15を介してレチクルRの回路パターンの縮小像が表
面にフォトレジストが塗布されたウエハW上に形成さ
れ、このようにしてレチクルR上の微細パターンがウエ
ハW上に露光転写される。
【0027】ウエハステージWSTは、不図示のベース
上を、例えば不図示のリニアモータ等の駆動系によりX
軸方向(図1における左右方向)及びこれに直交するY
軸方向(図1における紙面直交方向)に移動可能に構成
されている。このウエハステージWST上には、ウエハ
テーブル6が載置され、このウエハテーブル6上に不図
示のウエハホルダを介してウエハWが真空吸着等によっ
て固定されている。
【0028】ウエハテーブル6は、ウエハステージWS
T上にXY方向に位置決めされた状態で取り付けられて
いる。このウエハテーブル6上にはレーザ干渉計8から
のレーザビームを反射する移動鏡7が固定され、外部に
配置されたレーザ干渉計8により、ウエハテーブル6の
XY面内での位置、すなわちウエハWの位置が例えば
0.01μm程度の分解能で常時検出されている。
【0029】ここで、実際には、ウエハテーブル6上に
はY軸方向に直交する反射面を有する移動鏡とX軸方向
に直交する反射面を有する移動鏡とが設けられ、これに
対応してレーザ干渉計もY軸方向位置計測用干渉計とX
軸方向位置計測用干渉計とが設けられているが、図1で
はこれらが代表的に移動鏡7、レーザ干渉計8として示
されている。ウエハテーブル6の位置情報は主制御装置
18に送られ、主制御装置18では前記位置情報に基づ
いて不図示の駆動系を介してウエハステージWSTを位
置制御する。
【0030】ウエハW上には、それまでの工程で形成さ
れた回路パターンが形成されておりレチクルパターンの
転写に際しては、この既存パターンと新たに転写するパ
ターンの位置関係を正確に合わせる必要がある。このた
め、一般にウエハW上には、既存の回路パターンの位置
を検出するためのラフアライメント及びファインアライ
メント用の位置検出マークが形成されている。
【0031】図2には、ウエハW上に形成されたラフア
ライメント用の位置検出マークSMが示されている。こ
の位置検出マークSMは、図2中上の上下方向(第1方
向)に伸びる線状パターンが、第1方向と直交する第2
方向(図2中左右方向)に、周期Pで繰り返されるいわ
ゆるラインアンドスペースパターンから成る第1マーク
M1と、第1マークM1と同様の形状のパターンで、第
1マークM1と第1方向に近接して、かつ第2方向には
距離Dだけずれて配置される第2マークM2とから成
る。ここでは、ずれ量Dは両マークM1、M2の周期P
の1/4であるものとする。
【0032】すなわち、この位置検出マークSMの形状
は、レーザ干渉式センサ用のファインアライメントマー
クとして通常用いられるマーク(ラインアンドスペース
パターン)に対して、各ラインの中間でその上下方向で
距離Dだけ位置ずれを生じせしめたマークに相当する。
また、周期Pも通常のファインマークと同様の数μmか
ら十数μm程度となっている。位置検出マークSMの全
体の大きさとしては、ここでは、一例として第1方向の
長さVが例えば70μm程度で、第2方向の長さHが例
えば150μm程度であるものとするが、勿論これに限
らず他のどのような大きさのマークを使用しても構わな
い。
【0033】前記アライメント光学系は、ウエハW上の
位置検出マークSM(及び不図示のファインアライメン
ト用の位置検出マーク)を検出するための光学系であ
る。このアライメント光学系は、レーザ光源10、周波
数シフター11、整形レンズ群12,13、折り曲げミ
ラー14、ミラー17、及び受光手段としてのフォトデ
ィテクタ16を含んで構成されている。
【0034】これによれば、レーザ光源10から発せら
れた光束が周波数シフター11で一対の光束LP,LM
に分割されるとともに双方の光束LP,LMの振動数が
僅かに異ならされる。この周波数シフター11は、例え
ば回折格子の刻まれたパターンを回転させるもの(回転
ラジアルグレーティング)によって構成したり、ビーム
スプリッタと2つのAOM(音響光学素子)とによって
構成したりすることができる。また、両光束に与える振
動数差ΔFは、数十キロヘルツから数百キロヘルツ程度
とする。
【0035】周波数シフター11より発生した一対の光
束LP,LMは、整形レンズ群12,13、折り曲げミ
ラー14を介して投影光学系15に入射して、ウエハW
上で集光され、相互に干渉する。これにより、ウエハW
上に干渉縞LFが形成されるが、この場合、入射光束L
P、LMには振動数差ΔFが与えられているので、干渉
縞LF(の振幅分布)は振動数差ΔFに応じた速度で位
置検出マークSM上で第2方向(X軸方向に)移動す
る。すなわち、本実施形態では、レーザ光源10、周波
数シフター11、整形レンズ群12,13、折り曲げミ
ラー14、投影光学系15によって干渉縞発生手段が構
成されている。また、このときの干渉縞LFの周期方
向、すなわち前記第2方向は、例えばX軸方向(図1中
の左右方向)であるものとする。
【0036】また、ウエハW上に形成される上記干渉縞
LFの周期は、両光束LP、LMのウエハWへの入射角
を調整することで、具体的には周波数シフター11から
発生する両光束の間隔や平行度、あるいは整形レンズ群
12,13を調整することで所望の値に設定することが
できる。ここでは、干渉縞LFが、図3(A)に示され
るように、位置検出マークSMのラインアンドスペース
パターンと平行で、かつ振幅分布の周期が位置検出マー
クSMの周期Pと等しくなるように両光束LP、LMの
ウエハWへの入射角が調整されているものとする。図3
(A)において破線は、図3(B)に示される干渉縞L
Fの振幅分布の+のピーク位置を表し、2点鎖線は振幅
分布の−のピーク位置を表す。
【0037】ここでは、干渉縞LFのウエハW上(位置
検出マークSM上)での大きさは、第1方向(図3
(A)中上下方向)についてLV、第2方向(図3
(A)中左右方向)についてLHであり、それぞれ位置
検出マークSMの大きさV、Hより小さいものとする。
【0038】そして、この時ウエハW上に形成されたマ
ークSMからの回折光LDは、投影光学系15及び折り
曲げミラー14、整形レンズ群12.13を介してミラ
ー17に至り、ここで反射されてフォトディテクタ16
にて検出され、光強度に応じた電気信号(強度信号)S
に光電変換される。この場合、入射光束LP,LMに
は、周波数シフター11により振動数差ΔFが与えられ
ているので、回折光LDの強度もその振動数差に等しい
周波数ΔFで強弱を繰り返す。従って、強度信号Sは、
周波数ΔFの交流成分を有する信号である。この強度信
号Sは、主制御装置18に送られるようになっている。
なお、図1においては、強度信号の位相差に基づく位置
検出マークの周期方向(通常の検出方向)の位置の検出
の基準となる周波数ΔFの基準信号を発生する参照格子
等の図示は省略されている。
【0039】前記主制御装置18は、ソリッドステート
リレー(SSR)20、バンドパスフィルタ(BPF)
22、ローパスフィルタ(LPF)24及びCPU(中
央演算処理装置)26等を含んで構成されている。この
内、バンドパスフィルタ22は、フォトディテクタ16
から出力される回折光LDの強度に応じた光電信号Sの
周波数ΔFの交流成分を抽出する役目を有する。また、
ローパスフィルタ24は、回折光LDの強度に応じた光
電信号Sの直流成分(上記周波数ΔFより圧倒的に低周
波の成分)のみを抽出する役目を有する。本実施形態で
は、半導体スイッチの一種であるソリッドステートリレ
ー20の出力先が、CPU26によってバンドパスフィ
ルタ22、ローパスフィルタ24のいずれかに切り換え
られ、この結果フォトディテクタ16からの光電信号S
の交流成分又は直流成分がCPU26に入力されるよう
になっている。ここで、CPU26への信号の取り込み
は、クロック信号に同期して上記交流成分、直流成分を
A/D変換する不図示のA/D変換器を介して行われ
る。すなわち、上記交流成分、直流成分は、不図示の内
部メモリ内の各アドレスにディジタルデータとして順次
格納される。なお、CPU26によるソリッドステート
リレー20の切り換えについては後述する。
【0040】このような位置検出装置(アライメント光
学系(10〜14、16、17)及び主制御装置18)
の構成そのものは、主制御装置18の内部にSSR、B
PF、LPFが設けられている点を除けば、従来のレー
ザ干渉式センサのいわゆるTTL(Through The Lens)
タイプと何等変わりはない。ただし、本実施形態では次
のような方法により、従来のレーザ干渉式センサでは不
可能であったラフアライメントを実現する。以下、この
ラフアライメントの方法について説明する。
【0041】ウエハWがウエハテーブル6上にロードさ
れ、例えばその外形を基準としてウエハテーブル6上に
数十μmから百μm程度にラフに位置決めされると、主
制御装置18内のCPU26では、予め不図示のコンソ
ール等から入力された位置検出マークSMの設計上のウ
エハ座標系上の位置情報に基づいてウエハステージWS
Tに移動指令を出し、レーザ干渉計8の出力をモニタし
つつ、位置検出マークSMを干渉縞LFの位置に、上記
数十μmから百μm程度の精度で設定させる。
【0042】このときの位置検出マークSMと干渉縞L
Fとの位置関係の一例が図4(A)に示されている。こ
のとき、干渉縞LFは、主にマークM2上に照射され、
マークM2より発生する回折光LDがフォトディテクタ
16によって検出され、その強度に応じた光電信号S
(図4(D)参照)が主制御装置18に供給される。
【0043】続いて主制御装置18内のCPU26で
は、ウエハステージWSTをY軸方向(第1方向)に移
動させるとともに、レーザ干渉計8の出力とフォトディ
テクタ16の出力をモニタする。この場合、主制御装置
18内のCPU26では、後述するように、光電信号S
がBPF22に送出されるようにSSR20を切り換え
て、BPF22を介してフォトディテクタ16の出力で
ある光電信号Sの交流成分をモニタする。
【0044】ウエハステージWSTの移動に伴って、位
置検出マークSMと干渉縞LFの位置関係は、図4
(B)、(C)のように変化し、それに応じて信号Sも
図4(E)、(F)のように変化する。この内、図4
(B)に示される状態、すなわち干渉縞LFが位置検出
マークSMの第1マークM1と第2マークM2の双方
に、ほぼ同面積だけ照射される状態になると、第1マー
クM1と第2マークM2の両者から発生する回折光LD
の強度に応じた光電信号Sの交流成分(及び直流成分
も)は、両マークM1、M2の周期方向の位置ずれDの
ために相殺され、他の状態(図4(A),(C)に示さ
れる状態)よりも弱くなる。すなわち、図4(E)中の
交流成分ACbと図4(D)中の交流成分ACa、図4
(F)中の交流成分ACcとを比べると明らかなよう
に、交流成分ACbがもっとも小さく、同様に図4
(E)中の直流成分DCbと図4(D)中の直流成分D
Ca、図4(F)中の直流成分DCcとを比べると明ら
かなように、直流成分DCbがもっとも小さくなってい
る。
【0045】従って、ウエハステージWSTの所定量の
移動の度毎、たとえばレーザ干渉計8からのパルス信号
の入力のタイミング毎に信号Sの交流成分(又は直流成
分)をサンプリングすれば、図5に示されるような回折
光の強度変化を示す波形が得られる。この図5におい
て、横軸はウエハステージWSTの位置であり、また縦
軸は回折光LDの強度変化、すなわち信号Sの交流成分
(又は直流成分)を示す信号Sigの大きさである。従
って、この関係から、信号Sigが極小となるウエハス
テージWSTの位置SPを検出することで、位置検出マ
ークSMの第1方向(Y軸方向)の位置を検出すること
が可能となり、これによりラフアライメントが可能とな
る。ここで、位置SPの検出は、例えばスライス法によ
り容易に行なうことができる。なお、図5中のA、B、
C点は、図4(A)、(B)、(C)の状態での信号S
igの値をそれぞれ示す。
【0046】上記位置検出マークSMの位置検出(ラフ
アライメント)は、上記のように回折光LDの強度に対
応する信号Sの交流成分に基づいて行なっても、あるい
は信号Sの直流成分に基づいて行なっても良い。但し、
本実施形態の場合は、前述したずれ量Dが、マークM
1、M2の周期Pの1/4倍であるから、干渉縞LFが
位置検出マークSMの第1マークM1と第2マークM2
の双方に、同面積だけ照射される状態となる上記位置S
Pでは、交流成分は理論上零となるので、交流成分、す
なわち周波数ΔFの成分に基づいて行なった方が、より
明確にマーク位置に対する信号変化を検出することがで
き、マークの検出特性に優れる。従って、主制御装置1
8内のCPU26では、上述したラフアライメントのた
めの計測中は、BPF22に信号Sが送出されるように
SSR20を切り換え、図5に示されるような回折光の
強度変化に対応する信号Sigの波形を得て、上記スラ
イス法等により位置検出マークSMの第1方向(Y軸方
向)の位置を検出する。
【0047】同様の理由により、ずれ量DがピッチPの
3/4倍であるときも光電信号Sの交流成分(周波数Δ
F成分)を使用してラフアライメントを行なうことが望
ましい。両マークM1,M2が共に周期Pで繰り返され
るパターンであることから、ずれ量Dに、周期Pの整数
倍だけ加算されても実質的には等価なマークが得られる
ため、結果的には、ずれ量Dが周期Pの(4n+1)/
4倍程度、あるいは(4n+3)/4倍程度であるとき
は、周波数DF成分を使用してラフアライメントを行な
うことが望ましい。
【0048】これと反対に、位置検出マークSMを構成
する第1マークM1と第2マークM2との周期方向(第
2方向)へのずれ量Dが、マークの周期Pの(2n+
1)/2倍程度であるときには、干渉縞LFが位置検出
マークSMの第1マークM1と第2マークM2の双方
に、同面積だけ照射される状態となる上記位置SPで
は、理論上直流成分が零となるので、信号Sの直流成分
に基づいて位置検出マークSMの位置検出を行なった方
が、より明確にマーク位置に対する信号変化を検出する
ことができ、マークの検出特性に優れる。
【0049】また、使用する位置検出マークSMの上記
周期方向へのずれ量Dは、上記のP×(2n+1)/2
や、P×(4n+1)/4またはP×(4n+3)/4
に限定される訳ではなく、それを含んだ P×(6n+1)/6≦D≦P×(6n+5)/6 (Pは前記周期P,nは任意の整数) の範囲内であれば十分にラフアライメントに使用するこ
とができる。
【0050】この反対に、上記ずれ量Dが、周期Pの1
/6より小さい場合や、5/6より大きい場合には、十
分な検出能力を得られない。
【0051】なお、ウエハWがウエハテーブル6上に位
置決めされる際の精度や、位置検出マークSM及び干渉
縞LFの大きさによっては、ウエハWがロードされた状
態で、干渉縞LFが位置検出マークSMとは全く異なる
位置に投影されてしまう恐れもあるが、このような問題
は、第2方向についてはラフアライメントマークのサイ
ズHを大きめに設定しておくことで、第1方向について
はマーク検出時のウエハステージWSTの走査範囲を広
めに設定することで解決できる。
【0052】走査範囲を広めに設定すると、回折光LD
の強度とウエハステージWSTの位置との関係は、図5
に示したSigに比べ、その左端及び右端で信号強度が
両側に向かって減衰していくことになる。しかし、その
場合にも信号Sigの極小値の位置を検出すれば良いこ
とに変わりはない。
【0053】実際の露光装置では、直交する2方向につ
いて、ウエハWの位置を正確に計測する必要があるの
で、アライメント光学系(10〜14、16、17)は
直交する2方向の検出用に2組装備される。また、位置
検出マークSMも少なくとも2つ以上のマークがウエハ
W上に相互に90度回転して配置されることになる。そ
して、上記実施形態の如く一方のマークSMを第1方向
についてラフアライメントした後、他方の90度回転し
て配置されたマークを第2方向についてラフアライメン
トする。これにより、ウエハWのラフアライメントが完
了する。あるいは、ウエハW上の別の位置に設けられた
さらに別のマークSMをラフアライメントすることで、
ウエハWの面内回転を検出することも可能である。
【0054】ところで、ウエハWへの重ね合わせ露光の
ためには、上述したラフアライメント工程に続いてウエ
ハWをファインアライメントする必要がある。ファイン
アライメントに際しては、ウエハW上に別途設けられて
いる通常のレーザ干渉式センサ用のファインアライメン
トマーク(通常のラインアンドスペースパターン)の周
期方向の位置を、上記の位置検出装置(10〜18)に
より、従来のレーザ干渉式センサと同様に、交流成分
(ΔF成分)を用いて、基準となる参照信号との位相差
に基づいて、検出すれば良い。
【0055】なお、ラフアライメントに用いる位置検出
マークSM中の第1マークM1と第2マークM2の少な
くとも一方の、周期方向と直交する方向(第1方向)の
長さを、干渉縞LFの同方向の長さより長く設定してお
けば、位置検出マークSMをファインアライメントマー
クとしても使用することができ、ウエハW上のマークス
ペースの低減に効果的である。
【0056】これまでの説明から明らかなように、本実
施形態では、ウエハステージWSTによって相対走査手
段が構成され、また、CPU26によって算出手段が構
成されている。
【0057】以上説明したように、本実施形態による
と、従来のレーザ干渉式センサでは実現困難であった、
位置検出マークの周期程度以内の精度を有するラフアラ
イメントが、位置検出装置(TTL(Through The Len
s)方式のアライメント光学系(10〜16)及び主制
御装置18)によって実現可能となるとともに、位置検
出マークSMとして、ラフアライメントの際の検出方向
である第1方向の長さVが70μm程度のマークを用い
るので、前述した従来例の所で説明した場合のようにパ
ターン禁止領域を150μmも設定する必要がない。こ
のため、原理的に高精度なレーザ干渉式センサである位
置検出装置のみを露光装置に装備すれば、従来のレーザ
干渉式センサを備えた露光装置の如く、ラフアライメン
トセンサを別途装備する必要がなくなり、装置のコスト
ダウンや小型化が図れるというメリットがある。
【0058】また、ラフアライメントの機能を実現する
に際して、装置構成上は従来のレーザ干渉式センサに対
して何等変更が不要で、マーク検出処理のアルゴリズム
を僅かに変更するだけで足りるので、既に半導体工場等
で稼動中の露光装置に対しても僅かな改良によりラフア
ライメント機能を追加できるといったメリットもある。
【0059】さらには、ラフアライメント用のマークを
ある程度の大きさ以上とすれば、ファインアライメント
マークとして併用することも可能であり、ウエハ上でア
ライメントマークが占める面積をトータルで減少するこ
とができるというメリットがある。
【0060】なお、上記実施形態では、2光束LP,L
MをウエハWに入射してその回折光LDを受光するレー
ザ干渉式センサの構成について説明したが、本発明に係
る位置検出方法に用いられる位置検出マークSM及びそ
の位置の検出原理は、これに限らず、例えば、1本の光
束をウエハWに入射して、その位置検出マークSMから
の回折光のうちの少なくとも2つを、その光路差、すな
わち位相関係を時間とともに変化させつつ干渉させて受
光するような構成のレーザ干渉式センサを備えた装置に
も同様に適用できる。このようなレーザ干渉式センサの
構成例は、例えば、”SPIE Vol.633 Optical Microlith
ography V (1986)”のP60〜P67等に開示されて
いる。かかるレーザ干渉式センサであっても、受光した
光量信号の直流成分または交流成分に基づいて、上記と
同様にラフアライメントを行なうことができる。位相関
係の変化は、例えばEO(電気光学素子)を使用した
り、1/2または1/4波長板等を回転させることで生
じさせることができる。
【0061】また、上記実施形態では、本発明がTTL
(Through The Lens)方式の位置検出装置に適用された
場合について説明したが、本発明に係る位置検出方法及
びその装置の適用範囲がこれに限定されるものではな
く、例えばさらにレチクルをも介してアライメントを行
なうTTR(Through The Reticle )方式の位置検出装
置に適用したり、専用のアライメント光学系を使用する
オフ・アクシス方式の位置検出装置に適用することもで
きる。更に本発明は、露光装置用のアライメントセンサ
のみならず、種々の測定装置用の位置検出装置にも同様
に適用できるものである。
【0062】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に記載の
発明によれば、パターン禁止領域をあまり広く設定する
ことなく、位置検出マークの周期程度以上の位置の不確
定さを有する状態からマーク位置を高精度に検出するこ
とができる優れた位置検出方法が提供される。
【0063】また、請求項2及び3に記載の発明によれ
ば、パターン禁止領域をあまり広く設定することなく、
しかも位置検出マークの周期程度以上の位置の不確定さ
を有する状態からマーク位置を高精度に検出することが
できるという従来にない優れた位置検出装置を提供する
ことができる。
【0064】また、請求項4に記載の発明によれば、ラ
フアライメント工程とファインアライメント工程で同一
の位置検出装置によりマーク位置を高精度に検出するこ
とができ、これにより従来のレーザ干渉式センサを備え
た露光装置の如く、ラフアライメントセンサを別途装備
する必要がなくなり、装置のコストダウンや小型化を図
ることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施形態に係る露光装置の概略構成を示す図
である。
【図2】図1のウエハ上に形成された位置検出マークの
一例を示す図である。
【図3】(A)は干渉縞を示す平面図、(B)は(A)
の干渉縞の振幅分布を示す線図である。
【図4】図2の位置検出マークを用いてラフアライメン
トを行なう方法について説明するための図であって、
(A)〜(C)は位置検出マークと干渉縞の相対走査の
様子を示す図、(D)〜(F)は(A)〜(C)の状態
にそれぞれ対応する光電信号を示す図である。
【図5】回折光の強度変化を横軸をウエハステージ位置
として示す図である。
【符号の説明】
10 レーザ光源(干渉縞発生手段の一部) 11 周波数シフター(干渉縞発生手段の一部) 12、13 整形レンズ群(干渉縞発生手段の一部) 14 折り曲げミラー(干渉縞発生手段の一部) 15 投影光学系(干渉縞発生手段の一部) 16 フォトディテクタ(受光手段) 26 CPU(算出手段) W ウエハ(基板、感応基板) M1 第1マーク M2 第2マーク SM 位置検出マーク LM、LP 可干渉ビーム LF 干渉縞 LD 回折光 WST ウエハステージ(相対走査手段)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に形成された位置検出マークの位
    置を検出する位置検出方法であって、 第1方向に伸びる線状パターンが前記第1方向と直交す
    る第2方向に周期Pで繰り返されるラインアンドスペー
    スパターンから成る第1マークと、当該第1マークに対
    し前記第1方向に隣接し前記第2方向には所定量ずれて
    配置された前記第1マークとほぼ同一のラインアンドス
    ペースパターンから成る第2マークとを含む位置検出マ
    ークが予め形成された基板を用意し、 前記基板上に相互に振動数が異なる一対の可干渉ビーム
    を入射して、前記位置検出マーク上に、前記第2方向の
    振幅分布の周期がPでかつ一定速度で前記第2方向に移
    動する干渉縞を形成し、前記位置検出マークから発生す
    る回折光の強度を検出するとともに、前記干渉縞と前記
    位置検出マークとを前記第1方向に相対走査し、その相
    対走査中の前記回折光の強度変化に基づいて前記位置検
    出マークの前記第1方向の位置を検出する位置検出方
    法。
  2. 【請求項2】 基板上に形成された位置検出マークの位
    置を検出する位置検出装置であって、 前記基板上に、第1方向に伸びる線状パターンが前記第
    1方向と直交する第2方向に周期Pで繰り返されるライ
    ンアンドスペースパターンから成る第1マークと、当該
    第1マークに対し前記第1方向に隣接し前記第2方向に
    は所定量ずれて配置された前記第1マークとほぼ同一の
    ラインアンドスペースパターンから成る第2マークとを
    含む位置検出マークが予め形成され、 前記基板上に相互に振動数が異なる一対の可干渉ビーム
    を入射して、前記位置検出マーク上に、前記第2方向の
    振幅分布の周期がPでかつ一定速度で前記第2方向に移
    動する干渉縞を形成する干渉縞発生手段と;前記位置検
    出マークから発生する回折光を受光してその強度信号を
    出力する受光手段と;前記干渉縞と前記位置検出マーク
    とを前記第1方向に相対走査する相対走査手段と;前記
    相対走査中に、前記受光手段から出力される強度信号の
    変化に基づいて前記位置検出マークの前記第1方向の位
    置を算出する算出手段とを有する位置検出装置。
  3. 【請求項3】 前記第1マークと前記第2マークとの前
    記第2方向のずれ量Dは、前記周期Pと任意の整数nに
    対して、 P×(6n+1)/6≦D≦P×(6n+5)/6 を満足することを特徴とする請求項2に記載の位置検出
    装置。
  4. 【請求項4】 マスクに形成されたパターンの像を感応
    基板上に形成する露光装置であって、 請求項2に記載の位置検出装置を前記感応基板の位置検
    出用として具備することを特徴とする露光装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008021984A (ja) * 2006-06-20 2008-01-31 Asml Netherlands Bv 角度分解したスペクトロスコピーリソグラフィの特性解析方法および装置
US7619738B2 (en) 2002-09-20 2009-11-17 Asml Netherlands B.V. Marker structure for optical alignment of a substrate, a substrate including such a marker structure, an alignment method for aligning to such a marker structure, and a lithographic projection apparatus

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