JPH10269908A - 真空バルブ - Google Patents

真空バルブ

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JPH10269908A
JPH10269908A JP7118297A JP7118297A JPH10269908A JP H10269908 A JPH10269908 A JP H10269908A JP 7118297 A JP7118297 A JP 7118297A JP 7118297 A JP7118297 A JP 7118297A JP H10269908 A JPH10269908 A JP H10269908A
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JP7118297A
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English (en)
Inventor
Yoshikata Kagenaga
宜賢 影長
Yoshimitsu Niwa
芳充 丹羽
Kumi Uchiyama
工美 内山
Kenji Watanabe
憲治 渡辺
Mitsutaka Honma
三孝 本間
Hiromichi Somei
宏通 染井
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】安定した遮断性能が得られ、また遮断性能が向
上する真空バルブを提供することにある。 【解決手段】各通電軸の軸方向端面に複数の通電棒を円
環状に配置し、通電棒の先端に接触子を設け、通電軸と
接触子の間に磁性体を設け、該磁性体の配置は、接触子
の接触面に平行な平面に投影したとき、通電軸中心から
通電棒までの最短距離を半径とする領域の外側におい
て、対向する磁性体の少なくとも一部領域が重なるよう
に配置した真空バルブ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば真空遮断器
に使用され、特に電極構造を改良し遮断性能を向上させ
た真空バルブに関する。
【0002】
【従来の技術】従来の真空バルブの一例として、図11
に示すように、絶縁容器101の両端開口部を蓋体10
2a,102bにより閉塞した真空容器103内に、以
下に述べる固定側通電軸(以下単に通電軸と称する)1
06、可動側通電軸(以下単に通電軸と称する)10
7、接触子(固定側接触子)41、接触子(可動側接触
子)51、コイル電極42,52、ベローズ108、ア
ークシールド109が収納配置されている。
【0003】すなわち、通電軸106の一方の端部を蓋
体102aに貫通固定し、他方の端部に接触子41を固
着し、接触子41の背面側にコイル電極42を配置固定
してある。また、通電軸107の一方の端部を蓋体10
2bに摺動可能に貫挿し、他方の端部に接触子51を固
着し、接触子51の背面側にコイル電極52を配置固定
してある。
【0004】通電軸107の蓋体102bから外部に突
出している端部は、図示しない操作機構により連結さ
れ、通電軸107、接触子51、コイル電極52が共に
軸方向に移動可能になっており、これにより接触子51
は接触子41に対して接触または開離できるようにして
ある。
【0005】また、真空容器103内であって蓋体10
2bと通電軸107との間には、真空容器103内を真
空気密に保持しかつ通電軸107の軸方向への移動を可
能とするためのベローズ108が設けられる。さらに、
真空容器103内であって各接触子104,105およ
び通電軸106,107を包囲するように絶縁筒101
ならびに蓋体102a,102bにアークシールド10
9が固定されている。
【0006】以上のような構成の真空遮断器は、通常両
接触子41,51が接触し通電状態となる。この状態か
らの動作により通電軸107が図中矢印M方向に移動す
ると、接触子51が固定接触子41から開離し、両接触
子51,41間にはアークが発生する。このアークは陰
極例えば接触子51側からの金属蒸気の発生により維持
され、電流がゼロ点(零点)に達すると金属蒸気の発生
が止まってアークが維持できなくなり、遮断が完了す
る。
【0007】ところで、上記両接触子41,51間に発
生するアークは、遮断電流が大きいとアーク自身により
生じた磁場と外部回路の作る磁場との相互作用により著
しく不安定な状態となる。その結果アークは接触子面上
を移動し、接触子が電極に取り付けられ一体化している
時には、アークは電極面上にも移動している場合もあ
る、接触子(電極)の端部或いは周辺部に片寄りその部
分を局部的に過熱し、多量の金属蒸気を放出させて、真
空容器103内の真空度を低下させる。その結果、真空
遮断器の遮断性能は低下する。
【0008】従来この対策として、接触子41,51の
背面側にコイル電極42,52を設けていた。コイル電
極42,52は、それぞれを流れる自己電流の円周方向
成分により、接触子41,51のギャップ間に発生する
アークに対して平行な縦方向磁界を印加し、これにより
アーク期間中のプラズマの拡散を抑制し、接触子41,
51の消耗を小さくすることでアークを安定化させる様
にしていた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】以上のような電極構造
とした場合では、接触子41,51の背面側のコイル電
極42,52に電流Iが流れると、両接触子41,51
間には接触子面に対して垂直方向に磁界が発生する。こ
の縦磁界により、遮断時において両接触子41,51間
に点弧するアークは拘束される。従って、アーク分布は
両接触子41,51間の磁力線と同様になるが、この分
布は必ずしも均一でなく、平行でない上特に各接触子4
1,51の端部近傍に於いては、接触子面に対して垂直
に点弧しないばかりか、アークが接触子空間から外部に
はみ出す現象が発生し、予定する遮断性能が得られない
場合もある。
【0010】この様にこれまでに接触子やこれを搭載し
た電極構造の様々な改善が行われているが、或るものは
遮断性能が十分でなかったり、他のものはコスト高であ
ったりした。本発明の目的は、安定した遮断性能が得ら
れ、また遮断性能が向上する真空バルブを提供すること
にある。
【0011】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
請求項1に対応する発明は、絶縁容器の両端部に蓋体が
取り付けられ、その内部を真空密にした真空容器と、前
記各蓋体を貫通し、前記真空容器内部に端部が対向し、
少なくとも一方が進退自在に取り付けられた一対の通電
軸と、前記各通電軸の軸方向端面にほぼ円環状に配置さ
れ基端が前記通電軸に接合される複数の通電棒と、前記
各通電棒の先端であって前記通電軸毎に電気的に接続さ
れた接触子と、前記通電軸と前記接触子の間に設けられ
た磁性体と、前記磁性体の配置を前記接触子の接触面に
平行な平面に投影したとき、前記通電軸の中心から前記
通電棒までの最短距離を半径とする領域の外側におい
て、対向する磁性体の少なくとも一部領域が重なるよう
に配置したことを特徴とする真空バルブである。
【0012】請求項1に対応する発明によれば、対向す
る磁性体間の距離が短くなりギャップ間に発生する軸方
向の磁束密度が高くなり、この結果、アークを安定化さ
せ、接触子の消耗を抑制するため遮断性能が向上する。
【0013】前記目的を達成するため請求項2に対応す
る発明は、絶縁容器の両端部に蓋体が取り付けられ、そ
の内部を真空密にした真空容器と、前記各蓋体を貫通
し、前記真空容器内部に端部が対向し、少なくとも一方
が進退自在に取り付けられた一対の通電軸と、前記各通
電軸の軸方向端面にほぼ円環状に配置され基端が前記通
電軸に接合される複数の通電棒と、前記各通電棒の先端
であって前記通電軸毎に電気的に接続された接触子と、
前記通電軸と前記接触子の間に設けられた磁性体と、前
記各通電軸に対応して設けられ、互いに対向する2つの
前記磁性体の位置関係を、前記磁性体の前記通電棒に近
い方の外周側先端部側面どうしの距離が、前記通電棒か
ら遠い方の側面どうしの距離よりも短かくなるように配
置したことを特徴とする真空バルブである。
【0014】請求項2に対応する発明によれば、対向す
る2つの磁性体において、円周方向で通電棒に最も近い
磁性体側面どうしの距離を、通電棒から最も遠い磁性体
側面どうしの距離よりも短くすることで磁性体間に発生
する軸方向の磁束密度が高くなり、遮断性能が向上す
る。
【0015】前記目的を達成するため請求項3に対応す
る発明は、前記磁性体は前記通電棒に対応して複数個備
えたものであって、該各磁性体と該通電棒を、前記通電
軸毎に一体化したことを特徴とする請求項1または請求
項2記載の真空バルブである。
【0016】請求項3に対応する発明によれば、磁性体
を一体形状にすることで部品点数が減りより簡素な構造
にすることができる。前記目的を達成するため請求項4
に対応する発明は、前記接触子または前記接触子と前記
導電棒の間に設けられる電極板の少なくとも一方におい
て、前記磁性体と重ならない位置にスリットを形成した
ことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載
の真空バルブである。
【0017】請求項4に対応する発明によれば、接触子
または電極板の少なくとも一方にスリットを設けること
により、接触子または電極板中に発生する渦電流を抑制
し電流に対する磁束の位相遅れを小さくすることがで
き、これにより電流ピーク時の磁束密度が高くなるとと
もに電流零点時の残留磁束を小さくなるために遮断性能
が向上する。
【0018】前記目的を達成するため請求項5に対応す
る発明は、前記磁性体は複数の磁性薄板を重ねて構成し
たことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記
載の真空バルブである。
【0019】請求項5に対応する発明によれば、磁性薄
板を重ねて構成することにより磁性体中を通る磁束によ
り磁性体内に発生する損失を低減し通電時の磁性体の発
熱を抑制することができる。
【0020】前記目的を達成するため請求項6に対応す
る発明は、前記磁性体と前記通電軸との間に、軸方向の
磁界を発生する縦磁界コイルを設けて、前記接触子の中
心部の磁束密度より前記接触子の外周側の磁束密度が高
くなるようにしたことを特徴とする請求項1〜請求項5
のいずれかに記載の真空バルブである。
【0021】請求項6に対応する発明によれば、接触子
の中心部の磁束密度よりも接触子の外周部の磁束密度を
高くすることによりアークを接続子表面に広げ、遮断性
能を向上することができる。
【0022】前記目的を達成するため請求項7に対応す
る発明は、前記縦磁界コイルに、前記接触子とを電気的
に接続する接続子を備え、前記通電棒の機能を兼用させ
たことを特徴とする請求項6記載の真空バルブである。
【0023】請求項7に対応する発明によれば、接続子
に通電棒を兼ねさせることにより部品点数が少なく構造
が簡素になる。前記目的を達成するため請求項8に対応
する発明は、前記接続子の厚さt1と前記磁性体の厚さ
t2との関係がt1>t2になることを特徴とする請求
項7記載の真空バルブである。
【0024】請求項8に対応する発明によれば、磁性体
と接触子との間に空間を設けることができるため磁性体
中に流れる電流を抑制することができ、よりギャップ間
の磁束密度を高くすることができる。
【0025】前記目的を達成するため請求項9に対応す
る発明は、前記接続子の厚さをt1、前記磁性体の厚さ
をt2としたときに、前記磁性体と接する部分の前記縦
磁界コイルに、t1+t3>t2を満たすt3の深さの
窪みを設けることを特徴とする請求項6記載の真空バル
ブである。
【0026】請求項9に対応する発明によれば、磁性体
と接触子との間に空間を設けることができるため磁性体
中に流れる電流を抑制することができ、よりギャップ間
の磁束密度を高くすることができる。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。 <第1の実施形態>図1〜図3は本発明の第1の実施形
態を説明するための図であり、図1はその要部である通
電軸と接触子部分のみを示す分解斜視図であり、図2は
可動側接触子と固定側接触子を向かい合わせた時に固定
側通電軸の端部から軸方向に透視した図であり、図3は
図1の通電軸を接触子側から軸方向に見た図である。
【0028】本実施形態は、図11の従来の真空バルブ
の固定側通電軸106、接触子41、コイル電極42な
らびに可動側通電軸107、接触子51、コイル電極5
2の構成を次のように、通電軸1、通電棒2(2A,2
B)、磁性体3(3A,3B)、接触子4により構成し
たものである。
【0029】すなわち、通電軸1としては、軸方向端部
(接触子4が取付けられる端部)を径大部に形成したも
のを使用し、通電軸1の端面に円柱状であってその直径
の小さい複数個(ここでは4個)の通電棒2を、円環状
に配置固着する。
【0030】磁性体3は、磁性板をほぼL字形に成形し
たものであり、該磁性体3を通電棒2と同一個数だけ準
備し、各磁性体3を各通電棒2に近接した状態に配置
し、通電軸1の端面に固着する。各通電棒2と各磁性体
3の軸方向端面に、円板状の接触子4を固着する。
【0031】以上述べた構成は、例えば固定側とする
と、可動側の構成もほぼ同様に構成する。図2では、通
電棒2を2A,2Bとし、このうち2Aは固定側通電棒
を表し、2Bは可動側通電棒を表している。また、磁性
体3を,3Bとし、3Aは固定側磁性体を表し、3Bは
可動側磁性体を表している。
【0032】図2から明らかなように、磁性体3A,3
Bの形状を接触子に平行な平面に投影したとき、通電軸
3A(3B)の端面の中心(電極中心)から通電棒2A
(2B)までの最短距離を半径とする領域の外側におい
て、対向する磁性体3B(3A)の少なくとも一部領域
が重なるように配置する必要がある。図2のaはその重
なり領域を示し、bは通電軸1の軸方向端部の外周面
(電極端)を示している。
【0033】このように構成したものにおいて、図3に
示すように通電棒2に軸方向の電流が流れると、通電棒
2の周辺に円周方向の磁束34が発生し、磁性体3中を
磁束が通る。この場合磁性体3中を通る磁束を33とし
て示してある。これは、通電棒2の周辺に配置された磁
性体3には、図のように磁極N31,磁極S32が形成
されているためである。この磁性体3は閉ループ形状に
なっていないためにその端部が磁極の働きをする。この
ような作用は、固定側も可動側も、同様に磁性体3の端
部に磁極が発生する。
【0034】このため磁極間に軸方向の磁束を発生す
る。このとき対向する磁性体3の形状を電極面に平行な
平面に投影したとき、電極中心から通電棒までの最短距
離を半径とする領域の外側において、軸方向に透視した
(軸方向に対向する)磁性体3の少なくとも一部領域が
aに示すように重なるように配置されている。このた
め、対向する磁性体3間の距離が短くなり、磁性体3間
のギャップに発生する軸方向の磁束密度が高くなる。こ
れによりアークを安定化させ、接触子の消耗を抑制する
ため遮断性能が向上する。このことは、図10のように
構成した例に比べて優れている。
【0035】図10は本出願人が先に出願した真空バル
ブの一例を示す分解斜視図であり、ギャップ間に軸方向
磁界を発生させるために、磁性体30を通電軸1の軸方
向端面に、円環状に複数の通電棒2に固着し、この通電
棒2の内周側であって通電軸1の軸方向端面に固着した
構成である。
【0036】図10のように構成することにより、通電
棒2に流れる電流により通電棒2周辺に発生する磁束が
磁性体中を通り、磁性体3の空隙部において磁束の向き
が対向する電極の磁性体3に向かって曲げられることに
より、対向する電極のギャップ間においてアークに平行
な磁束を発生させ、これにより簡素な構造で接触子4上
の広い領域において縦磁界を発生し遮断性能に優れた小
型で軽量な真空バルブを得ることができる。
【0037】しかし、図10の構造の場合対向する磁性
体の相対的な組み合わせの角度によりその発生する磁界
分布が大きく異なり、組み合わせ方によっては所定の磁
界を発生できない場合があり、性能が安定しないという
問題がある。また、電極径が大きくなると磁性体により
発生する軸方向磁束だけではアークを安定化させるため
に必要な磁束密度を得ることができず、接触子表面を十
分に利用できないという問題がある。
【0038】<第2の実施形態>図4は本発明の真空バ
ルブの第2の実施形態を説明するための磁性体間の位置
関係を示す図である。前述した第1の実施形態と類似し
たもので、対向する2つの固定側磁性体3Aと可動側磁
性体3Bの位置関係を、磁性体3A,3Bの通電棒2
A,2Bに近い方の側面どうしの距離L1が、遠い方の
側面どうしの距離L2よりも短くなるように配置してい
る。これ以外の点は、前述した第1の実施形態と同一で
ある。
【0039】このように構成することにより、L1間に
発生する磁束密度が大きくなるため、電極端部の軸方向
磁束密度が高くなり接触子端部までアークを広げること
ができる。これにより接触子4を有効に利用することが
可能となり,遮断性能が向上する。
【0040】<第3の実施形態>図5は本発明の真空バ
ルブの第3の実施形態を説明するための磁性体間の位置
関係を示した図であり、図5(a)は、複数個の固定側
磁性体35Aを一体化し、また複数の可動側磁性体35
Bを一体化し、かつこの一体化した磁性体35A,35
Bの突出部どうしが図4の位置関係を保つように組み合
わたものである。このように構成することにより、対向
する2つの磁性体35A,35Bにおいて、円周方向で
通電棒に最も近い磁性体側面どうしの距離を、通電棒か
ら最も遠い磁性体側面どうしの距離よりも短くすること
で磁性体間に発生する軸方向の磁束密度が高くなり、遮
断性能が向上する。
【0041】図5(b)は、複数個の固定側磁性体35
Aを一体化し、また複数の可動側磁性体35Bを一体化
し、磁性体35A,35Bの配置を前記接触子の接触面
に平行な平面に投影したとき、前記通電軸の中心から前
記通電棒までの最短距離を半径とする領域の外側におい
て、対向する磁性体の少なくとも一部領域(図5(b)
のa部分)が重なるように配置したものである。
【0042】このように配置したことにより、対向する
磁性体35A,35B間の距離が短くなりギャップ間に
発生する軸方向の磁束密度が高くなり、この結果、アー
クを安定化させ、接触子の消耗を抑制するため遮断性能
が向上する。
【0043】<第4の実施形態>図6は本発明の真空バ
ルブの第4の実施形態を説明するための接触−子の片側
の透視図であり、本実施形態では接触子4に磁性体35
の突出部と重ならない位置にスリット41を設けてい
る。これにより接触子4に垂直な方向の磁束が発生する
ために接触子4中に流れる渦電流を低減することがで
き、電流に対する磁束の位相遅れを小さくすることでが
きる。また、スリット41の位置が磁性体35の突出部
と重ならないため、磁性体35によりスリット41部が
短絡されることを防いでいる。
【0044】図6の例では、接触子4にスリット41を
形成したが、場合によっては接触子と通電棒の間に配設
される電極板(図示せず)にスリットを形成したり、あ
るいは接触子4と該電極板の少なくとも一方に形成して
も同様な効果が得られる。
【0045】<第5の実施形態>図7は本発明の真空バ
ルブの第5の実施形態の磁性体を示す斜視図であり、前
述した各実施形態は、いずれも磁性体はソリッド状のも
のを使用した場合である。
【0046】具体的には、図7に示す実施形態では磁性
体36としてプレス加工により得られる磁性薄板を多数
重ねた積層体で構成したものである。これにより通電棒
2に流れる電流によってその周囲に発生する磁束が、磁
性体36内を通る際に磁性体36内部に発生する渦電流
を低減するため、損失、発熱を抑制することができる。
【0047】<第6の実施形態>図8は本発明の真空バ
ルブの第6の実施形態の片側の接触子および通電軸の接
合部の断面図を示している。本実施形態では、通電軸1
と接触子4の間に、図5のように通電軸と磁性体を一体
化した磁性体35を配設することは、図5の実施形態と
同様であるが、これ以外に通電軸1と通電棒(図示せ
ず)の間に縦磁界コイル7と中心補強8を設けた、接触
子4と縦磁界コイル7を電気的に接続するための前述の
通電棒の機能を兼ねた接続子6を設けたものである。こ
の場合、接続子6の厚さt1よりも磁性体35の厚さt
2の方を小さくしてある。
【0048】このように構成することにより磁性体35
により発生する磁束だけではアークを安定化させるのに
磁束密度が不足であっても、縦磁界コイル7による軸方
向の磁束と合成することで、十分な磁束密度を確保する
ことができる。
【0049】また、この合成磁界は電極中心部より電極
外周部の方が磁束密度が高く、そのため大電流遮断時で
もアークを接触子全体に均一に広げることが可能なため
遮断性能が向上する。
【0050】さらに、この構造では接続子6が通電棒の
機能を兼ねているため部品点数を減らし構造を簡素化す
ることができる。また、接続子6の厚さt1よりも磁性
体35の厚さt2の方が小さいため、縦磁界コイル7か
ら磁性体35を通って電極板(縦磁界コイル7に有する
もの)5に分流する電流を抑制することができ、より磁
束密度を高くすることができる。
【0051】<第7の実施形態>図9は本発明の真空バ
ルブの第7の実施形態の片側の接触子および通電軸の接
合部の断面図を示している。本実施形態は、図8の実施
形態と類似しており、縦磁界コイル7の接続子6に近接
する面に窪み71が設けてある。この窪み71の深さを
t3、接続子6の厚さをt1、磁性体3の厚さをt2と
すると、次のような関係を満たすように構成されてい
る。
【0052】窪み71の深さt3とt1、t2の関係が t1+t3>t2 を満たすように構成されている。このため磁性体3と電
極板5とは接触しない。これにより電極板5に設けられ
たスリット51を磁性体3が短絡することが無いため、
渦電流を低減し遮断性能が向上する。
【0053】
【発明の効果】本発明によれば、次のような作用効果が
得られる。すなわち、磁性体を用いて軸方向磁束を発生
させる電極において、ギャップ間に安定して高い軸方向
磁束密度を発生させることができ、よりアークを安定化
させることができる。また、磁性体による磁束だけでは
磁束密度が不足する場合はこれに縦磁界コイルを組み合
わせることでアークを安定化させるとともに、電極中心
より電極外周部の軸方向磁束密度を高くすることでアー
クを接触子表面に一様に広げ、アーク処理面積を増加
し、真空バルブの遮断性能を向上することができる。そ
のため従来に比べ同遮断容量の真空バルブを小型軽量
化、簡略化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の真空バルブの第1の実施形態を説明す
るための分解斜視図。
【図2】図1の可動側接触子と固定側接触子を向かい合
わせた時に固定側通電軸の端部から可動側を軸方向に透
視した図。
【図3】図1の通電軸を接触子側から軸方向に見た図。
【図4】本発明の真空バルブの第2の実施形態を説明す
るための磁性体間の位置関係を示した図。
【図5】本発明の真空バルブの第3の実施形態を説明す
るための磁性体間の位置関係を示した図。
【図6】本発明の真空バルブの第4の実施形態を説明す
るための接触子の片側の透視図。
【図7】本発明の真空バルブの第5の実施形態の磁性体
を示す斜視図。
【図8】本発明の真空バルブの第6の実施形態の片側の
接触子および通電軸の接合部の断面図。
【図9】本発明の真空バルブの第7の実施形態の片側の
接触子および通電軸の接合部の断面図。
【図10】本発明に対して先願である発明を説明するた
めの電極の斜視図。
【図11】従来の真空バルブの一例を示す断面図。
【符号の説明】
1…通電軸 2…通電棒 3…磁性体 4…接触子 5…電極板 6…接続子 7…縦磁界コイル
フロントページの続き (72)発明者 渡辺 憲治 東京都府中市東芝町1番地 株式会社東芝 府中工場内 (72)発明者 本間 三孝 東京都府中市東芝町1番地 株式会社東芝 府中工場内 (72)発明者 染井 宏通 東京都府中市東芝町1番地 株式会社東芝 府中工場内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁容器の両端部に蓋体が取り付けら
    れ、その内部を真空密にした真空容器と、 前記各蓋体を貫通し、前記真空容器内部に端部が対向
    し、少なくとも一方が進退自在に取り付けられた一対の
    通電軸と、 前記各通電軸の軸方向端面にほぼ円環状に配置され基端
    が前記通電軸に接合される複数の通電棒と、 前記各通電棒の先端であって前記通電軸毎に電気的に接
    続された接触子と、 前記通電軸と前記接触子の間に設けられた磁性体と、 前記磁性体の配置を前記接触子の接触面に平行な平面に
    投影したとき、前記通電軸の中心から前記通電棒までの
    最短距離を半径とする領域の外側において、対向する磁
    性体の少なくとも一部領域が重なるように配置したこと
    を特徴とする真空バルブ。
  2. 【請求項2】 絶縁容器の両端部に蓋体が取り付けら
    れ、その内部を真空密にした真空容器と、 前記各蓋体を貫通し、前記真空容器内部に端部が対向
    し、少なくとも一方が進退自在に取り付けられた一対の
    通電軸と、 前記各通電軸の軸方向端面にほぼ円環状に配置され基端
    が前記通電軸に接合される複数の通電棒と、 前記各通電棒の先端であって前記通電軸毎に電気的に接
    続された接触子と、 前記通電軸と前記接触子の間に設けられた磁性体と、 前記各通電軸に対応して設けられ、互いに対向する2つ
    の前記磁性体の位置関係を、前記磁性体の前記通電棒に
    近い方の外周側先端部側面どうしの距離が、前記通電棒
    から遠い方の側面どうしの距離よりも短かくなるように
    配置したことを特徴とする真空バルブ。
  3. 【請求項3】 前記磁性体は前記通電棒に対応して複数
    個備えたものであって、該各磁性体と該通電棒を、前記
    通電軸毎に一体化したことを特徴とする請求項1または
    請求項2記載の真空バルブ。
  4. 【請求項4】 前記接触子または前記接触子と前記導電
    棒の間に設けられる電極板の少なくとも一方において、
    前記磁性体と重ならない位置にスリットを形成したこと
    を特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の真
    空バルブ。
  5. 【請求項5】 前記磁性体は複数の磁性薄板を重ねて構
    成したことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか
    に記載の真空バルブ。
  6. 【請求項6】 前記磁性体と前記通電軸との間に、軸方
    向の磁界を発生する縦磁界コイルを設けて、前記接触子
    の中心部の磁束密度より前記接触子の外周側の磁束密度
    が高くなるようにしたことを特徴とする請求項1〜請求
    項5のいずれかに記載の真空バルブ。
  7. 【請求項7】 前記縦磁界コイルに、前記接触子とを電
    気的に接続する接続子を備え、前記通電棒の機能を兼用
    させたことを特徴とする請求項6記載の真空バルブ。
  8. 【請求項8】 前記接続子の厚さt1と前記磁性体の厚
    さt2との関係が t1>t2 になることを特徴とする請求項7記載の真空バルブ。
  9. 【請求項9】 前記接続子の厚さをt1、前記磁性体の
    厚さをt2としたときに、前記磁性体と接する部分の前
    記縦磁界コイルに t1+t3>t2 を満たすt3の深さの窪みを設けることを特徴とする請
    求項7記載の真空バルブ。
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