JPH10269308A - 信号処理方法および信号処理装置 - Google Patents

信号処理方法および信号処理装置

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JPH10269308A
JPH10269308A JP9168297A JP9168297A JPH10269308A JP H10269308 A JPH10269308 A JP H10269308A JP 9168297 A JP9168297 A JP 9168297A JP 9168297 A JP9168297 A JP 9168297A JP H10269308 A JPH10269308 A JP H10269308A
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signal
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JP9168297A
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Jun Torikai
潤 鳥飼
Satoru Tani
知 谷
Tsutomu Aoyanagi
力 青柳
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Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ノイズ成分を効率よく、かつ、精度よく低減
させる方法および装置を提供する。 【解決手段】 出力信号の過去の所定時間区間(T1
内の平均値の時間変化率に基づいて出力上限値および出
力下限値を求め、入力信号の値が前記出力上限値以下
で、かつ、前記出力下限値以上のときには前記入力信号
に対応した値を出力信号とし、入力信号の値が前記出力
上限値よりも大きいときには前記出力上限値に対応した
値を出力信号とし、入力信号の値が前記出力下限値より
も小さいときには前記出力下限値に対応した値を出力信
号とすることを特徴とする信号処理方法、および信号処
理装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、信号処理方法およ
び信号処理装置に関し、とくに薄膜の成膜レート測定方
法、薄膜の成膜レート測定装置、薄膜付き基材の製造方
法および薄膜付き基材の製造装置に好適な方法および装
置に関する。さらに詳しくは、信号にノイズが重畳して
いる場合でも原信号の中から必要な情報を残しながらノ
イズを除去する方法、装置およびこの信号処理方法を用
いた高精度な薄膜付き基材の製造方法、製造装置に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】従来よりプラスチック、ガラス等の基材
の上に金属、無機物、あるいはそれらの酸化物を1層な
いし複数層の薄膜として積層したものが、光学的目的や
映像表示目的で広く使用されている。これらの薄膜付き
基材は、真空容器の中で薄膜組成物を母材から蒸発、飛
散させることによって基材上に堆積させて作成されてい
る。
【0003】このような薄膜付き基材を製造するに際
し、薄膜の膜厚を広い面積にわたって精度良く制御する
ために、母材から蒸発、飛散される薄膜組成物の成膜レ
ートを測定する手段として、特開平3−285208号
公報に開示されているような水晶振動式成膜レートセン
サが広く使用されている。
【0004】この水晶振動式成膜レートセンサは、水晶
振動子の固有振動数Fが水晶振動子の上に堆積した物質
の質量によって変化することを利用したものであり、一
定時間毎の水晶振動子の固有振動数Fの変化ΔFを求め
ることにより、単位時間当たりの成膜レートを測定する
ものである。
【0005】この方法では、原理的には高精度な測定が
可能であるが、実際には種々の原因により図2の(a)
に示す様に大きな振幅の高周波ノイズが重畳した測定信
号となっており、光学薄膜の様にnmの単位で膜厚を制
御する必要がある場合には使用できなかった。
【0006】そこで特開昭62−142766号公報や
特開平6−337310号公報に開示されているよう
に、水晶振動式成膜レートセンサは薄膜の成膜レートを
ほぼ一定の値に保つためのモニターとして使用し、所望
の成膜が得られたかどうかの判断は作成中の薄膜付き基
材もしくは、近傍に設置したモニター用基材の透過率お
よび/または反射率を測定して行い、所望の透過率およ
び/または反射率が得られた時点で成膜を中止する方法
が用いられていた。
【0007】しかし、この方法は単数または複数の基材
に対して間欠方式で薄膜を形成するものであり、ロール
状に巻かれた長尺物、たとえば長尺フイルムを巻き返し
ながら連続して薄膜を形成する場合には使用できなかっ
た。すなわち、長尺フイルムのロールから巻き返された
薄膜基材は、ある大きさの開口部を有する成膜粒子飛翔
部を通過することによって基材上に薄膜を形成するもの
であるから、固定した一点で薄膜付き基材もしくは、近
傍に設置したモニター用基材の透過率および/または反
射率を測定しても、その測定値は開口部を通過してしま
った薄膜基材上の薄膜の厚みを含めて積分された測定値
であり、現在の成膜レートの測定値としては意味を持た
なかった。
【0008】また、特公平7−51753号公報には、
イオンプレーティングの手法を用いてロール状の長尺フ
イルムを巻き返しながら薄膜を形成する方法が開示され
ているが、膜厚制御の具体的手法については何ら記載が
ない。
【0009】つまり、ロール状の長尺フイルムを巻き返
しながら薄膜を形成するには、水晶振動式成膜レートセ
ンサを用いてそのS/Nを向上させて膜厚を制御する必
要があるが、従来の技術ではS/Nの向上が望めず、高
精度に膜厚を制御することができなかった。
【0010】また、従来、信号に重畳したノイズの除去
方法として種々の方法があった。時間的に継続して測定
され収集されたデータに対しては、前後複数のデータの
平均値を求める移動平均法や、フーリエ変換した後に低
周波成分のみを取り出してフーリエ逆変換する周波数領
域法等があり、位相遅れを発生させずにSN比を向上で
きるために広く用いられている。
【0011】一方、測定した値を用いて実時間でプロセ
スを制御するような場合には、過去のデータしか使用で
きないために、過去の複数データの平均値を求める移動
平均法や、1次遅れ、2次遅れ等の低周波通過(ローパ
ス)フィルター法が多く用いられていた。
【0012】この過去のデータを用いる移動平均法やロ
ーパスフィルター法は、通過させたい信号の周波数成分
の上限値と、除去したいノイズの周波数成分の下限値と
が近い場合には、ノイズの低減効果が低かったり、通過
した信号に遅れが発生したりして望ましい効果が得られ
なかった。
【0013】例えば、図2の(a)に示すような信号1
01があり、この信号はゆっくりした低周波の信号成分
と、細かい周期ではあるがそれほど振幅は大きくない中
周波の信号成分と、中周波の信号成分よりは高い周波数
でしかも振幅が大きいノイズ成分とから構成されている
とする。いまこの信号の内、高周波のノイズ成分を除去
するためにローパスフィルター法を用いる場合を考えて
みる。
【0014】ノイズ成分の振幅が大きいために、ノイズ
を低下させるためにはローパスフィルターの折点周波数
を低く設定するか、高次のローパスフィルターを用いる
しかない。しかし、ローパスフィルターの折点周波数を
低く設定した場合には、図2の(b)に示す処理信号1
02のように、信号の中で残したい低周波の信号成分と
中周波の信号成分の振幅も低下してしまい、正しい信号
が得られなかった。
【0015】また、高次のローパスフィルターを用いた
場合には、図2の(c)に示す処理信号103のよう
に、信号の中で残したい低周波の信号成分と中周波の信
号成分の振幅低下は抑えられるが、位相の遅れが大き
く、正しい信号が得られなかった。
【0016】これらの信号成分の振幅が低下したり、遅
れが発生した信号を用いて制御を行なうと応答が遅れて
安定せず、ひどいときには系全体が発振して制御不能に
陥る場合もあった。
【0017】また、残したい信号成分の振幅低下や位相
の遅れを発生させずにノイズを抑える別の手段として、
移動平均値に基づく上下限制限の手法も知られている。
【0018】これは、入力信号の過去の一定期間の平均
値を基に上限値と下限値を設け、上限値と下限値を実時
間で更新しながら、入力信号が上限値と下限値の間にあ
る場合は入力信号をそのまま出力信号とし、入力信号が
上限値より大きい場合には上限値を出力信号とし、入力
信号が下限値より小さい場合には下限値を出力信号とす
るものである。
【0019】例えば、図2の(a)に示す信号に移動平
均値に基づく上下限制限を行なうと、図2の(d)に示
す処理信号104のように、低周波の信号成分の振幅変
化が小さい部分では原信号の形は保ったまま高周波数の
ノイズ成分の振幅が低下しているが、低周波成分の信号
の振幅変化が大きい部分では信号の変化が制限されて大
きな遅れを発生させ、正しい信号が得られていないこと
が判る。これを避けるためには上下限制限の幅を広くす
ればよいが、そうするとノイズ除去の効果が無くなって
しまう。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、上記
欠点を解消し、不都合を生じることなく精度良く所望の
信号処理を行うことができる方法および装置、とくにロ
ール状に巻かれた長尺物を巻き返しながら薄膜を形成す
るに際し、高精度に膜厚を制御できる方法および装置を
提供することにあり、さらに詳しくは信号成分とノイズ
成分の周波数が近い場合でも遅れを伴わずに効率よくノ
イズを低減させる方法、装置およびそれを用いた高精度
な膜厚付き基材の製造方法、製造装置を提供することに
ある。
【0021】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の信号処理方法は、出力信号の過去の所定時
間区間(T1 )内の平均値の時間変化率に基づいて出力
上限値を求め、入力信号の値が前記出力上限値以下のと
きには前記入力信号に対応した値を出力信号とし、入力
信号の値が前記出力上限値よりも大きいときには前記出
力上限値に対応した値を出力信号とすることを特徴とす
る方法からなる。
【0022】また、本発明に係る信号処理方法は、出力
信号の過去の所定時間区間(T1 )内の平均値の時間変
化率に基づいて出力下限値を求め、入力信号の値が前記
出力下限値以上のときには前記入力信号に対応した値を
出力信号とし、入力信号の値が前記出力下限値よりも小
さいときには前記出力下限値に対応した値を出力信号と
することを特徴とする方法からなる。
【0023】また、本発明に係る信号処理方法は、出力
信号の過去の所定時間区間(T1 )内の平均値の時間変
化率に基づいて出力上限値および出力下限値を求め、入
力信号の値が前記出力上限値以下で、かつ、前記出力下
限値以上のときには前記入力信号に対応した値を出力信
号とし、入力信号の値が前記出力上限値よりも大きいと
きには前記出力上限値に対応した値を出力信号とし、入
力信号の値が前記出力下限値よりも小さいときには前記
出力下限値に対応した値を出力信号とすることを特徴と
する方法からなる。
【0024】また、本発明に係る信号処理装置は、信号
の入力手段と、出力信号の過去の所定時間区間(T1
内の平均値の時間変化率に基づいて出力上限値を求める
出力上限値算出手段と、入力信号の値が前記出力上限値
以下のときには前記入力信号に対応した値を出力信号と
し、入信号の値が前記出力上限値よりも大きいときには
前記出力上限値に対応した値を出力信号とする出力手段
とを備えていることを特徴とするものからなる。
【0025】また、本発明に係る信号処理装置は、信号
の入力手段と、出力信号の過去の所定時間区間(T1
内の平均値の時間変化率に基づいて出力下限値を求める
出力下限値算出手段と、入力信号の値が前記出力下限値
以上のときには前記入力信号に対応した値を出力信号と
し、入力信号の値が前記出力下限値よりも小さいときに
は前記出力下限値に対応した値を出力信号とする出力手
段とを備えていることを特徴とするものからなる。
【0026】また、本発明に係る信号処理装置は、信号
の入力手段と、出力信号の過去の所定時間区間(T1
内の平均値の時間平均率に基づいて出力上限値および出
力下限値を求める出力上限値算出手段および出力下限値
算出手段と、入力信号の値が前記出力上限値以下で、か
つ、前記出力下限値以上のときには前記入力信号に対応
した値を出力信号とし、入力信号の値が前記出力上限値
よりも大きいときには前記出力上限値に対応した値を出
力信号とし、入力信号の値が前記出力下限値よりも小さ
いときには前記出力下限値に対応した値を出力信号とす
る出力手段とを備えていることを特徴とするものからな
る。
【0027】上記のような方法および装置においては、
前記出力上限値を、前記出力信号の前記所定時間区間
(T1 )と等しいかまたはより長い平均化時間区間(T
2 )内の平均値に対応する値と前記時間平均率とに基づ
いて定める、あるいは、前記出力下限値を、前記出力信
号の前記所定時間区間(T1 )と等しいかまたはより長
い平均化時間区間(T2 )内の平均値に対応する値と前
記時間変化率とに基づいて定めることができる。
【0028】また、本発明に係る薄膜の成膜レート測定
方法は、上記いずれかの信号処理方法の入力信号とし
て、薄膜が形成される水晶振動子の固有振動数に対応す
る信号を用いて信号処理し、得られた出力信号に基づい
て前記薄膜の成膜レート測定値を求めることを特徴とす
る方法からなる。
【0029】また、本発明に係る薄膜の成膜レート測定
装置は、上記いずれかの信号処理装置の入力信号とし
て、薄膜が形成される水晶振動子の固有振動数に対応す
る信号を用いて信号処理し、得られた出力信号に基づい
て前記薄膜の成膜レート測定値を求めることを特徴とす
るものからなる。
【0030】また、本発明に係る薄膜付き基材の製造方
法は、真空槽内に配置された蒸発源に基材を対向して配
置し、前記蒸発源から成膜粒子を飛翔させ、水晶振動子
式成膜レート測定装置の水晶振動子に該成膜粒子を堆積
させながら該水晶振動子式成膜レート測定装置の出力信
号を入力信号として上記いずれかの信号処理方法により
信号処理し、得られた出力信号が所望の値となるように
制御することを特徴とする方法からなる。
【0031】この方法においては、前記基材として長尺
のロール状に巻かれたものを用い、前記基材を前記ロー
ルから巻き戻しながら連続して前記成膜粒子にさらすよ
うにすることができる。
【0032】また、本発明に係る薄膜付き基材の製造方
法は、真空槽と、該真真空槽内に配置された蒸発源と、
該蒸発源に対向配置される基材の支持手段と、前記蒸発
源から飛翔する成膜粒子が水晶振動子に堆積するように
配置された水晶振動子式成膜レート測定装置と、上記い
ずれかの信号処理装置と、前記水晶振動子式成膜レート
測定装置の出力信号を前記信号処理装置の入力手段に伝
達する信号伝達手段と、前記信号処理装置の出力値が所
望の値となるように制御する制御手段とを備えてなるこ
とを特徴とするものからなる。
【0033】さらに、本発明に係る薄膜付き基材は、真
空槽内に配置された蒸発源に基材を対向して配置し、前
記蒸発源から成膜粒子を飛翔させ、水晶振動子式成膜レ
ート測定装置の水晶振動子に該成膜粒子を堆積させなが
ら該水晶振動子式成膜レート測定装置の出力信号を入力
信号として上記いずれかの信号処理方法により信号処理
し、得られた出力信号が所望の値となるように制御する
ことにより製造されるものである。
【0034】本発明において、出力上限値、出力下限値
は出力信号の過去の所定時間区間内の平均値の時間変化
率に基づいて定めるが、これらのパラメータは次のよう
な考え方に基づいて決定される。
【0035】上下限制限によりノイズ除去を行う場合、
図3の(a)に示す信号111のように生の測定信号を
レコーダ等に記録し、後から信号の中心を通る中心曲線
112を定め、該中心曲線112の上下に一定幅で上下
制限帯を設けるのが理想的である。
【0036】しかし、実時間で信号処理をする場合は過
去のデータしかなく、過去の所定時間区間内に平均値を
求めて現在のデータとするしか手段がないために、図3
の(b)に示すように理想的な中心曲線112より遅れ
を持った平均値曲線113となる。この平均値曲線11
3の上下に一定幅で上下限制限帯114、115を設け
ると、図3の(b)に示すように平均値曲線113の傾
き(時間変化率)が正の部分では上限値114までの許
容幅が狭くなり、平均値曲線113の傾き(時間変化
率)が負の部分では下限値115までの許容幅が狭くな
っていることが判る(狭幅部分:116、117)。
【0037】このため、平均値曲線113の傾き(時間
変化率)がある一定値を越えると、入力信号が上下限制
限帯の外に飛び出し、図3の(c)に示す処理信号11
8のように、上下限信号処理をされた出力信号は大きな
時間遅れを持った変化の小さな偽の信号になってしま
う。
【0038】これを防ぐためには、平均値曲線の傾き
(時間変化率)に応じて上下限幅を調整してやればよ
い。この調整は平均値曲線の傾き(時間変化率)に応じ
て連続して行なってもよいし、平均値曲線の傾き(時間
変化率)を数段階に分けてその段階に応じた上下限幅を
設定してやってもよい。
【0039】次に出力信号の過去の所定時間区間内の平
均値を求めるための該所定時間区間T2 は、信号に含ま
れる低周波と中周波の信号成分は余り振幅が低下せず
に、高周波のノイズ成分は振幅が低下するように、中周
波の信号成分の周期の1/2以下、かつ、高周波ノイズ
成分の周期の5倍以上の時間に設定するのが好ましい。
但し、中周波の信号成分と高周波のノイズ成分の周波数
が1ケタ以上離れていない場合には中周波の信号成分の
周期の1/2以下に設定すればよい。
【0040】また、該時間変化率は平均値曲線から求め
ればよいが、より細かい変化に対応させるために、T2
とは異なる所定時間区間T1 に基づいた平均値曲線より
求めてもよい。この場合T1 はT2 と等しいか、T2
1/2以上であることが好ましい。
【0041】上下限幅は任意に設定してよいが、幅を広
くするとノイズ除去の効果が低減し、幅を狭くすると入
力信号が上下限制限帯の外に飛び出し易くなるので、実
際の信号波形に応じて設定してやる必要がある。
【0042】ある時点での平均値曲線の傾き(時間変化
率)をKとすると、K・T2 /2が理想的な中心曲線と
実際に求めた平均値曲線との偏差にあたるので、上下限
幅はK・T2 /2以上、3・K・T2 /2以下に設定す
るのが好ましい。
【0043】また、本発明において時間変化率を求める
ための平均値曲線は、入力信号ではなく、出力信号を基
に求めているが、これは入力信号には高周波のノイズ成
分が含まれており、入力信号の所定時間区間内の平均値
はノイズの影響を受けて理想的な平均値曲線よりずれが
生じるからである。
【0044】しかし、ノイズの影響が小さい場合や、上
下限幅を大きめに設定する場合には出力信号ではなく入
力信号を基に平均値曲線を求めてもよい。
【0045】また、該上下限信号処理を実施した信号
は、上下限制限を受けた部分が切り取られて台形状にな
っている部分が発生するので、この後のローパスフィル
ターを通して信号波形を滑らかにするのが好ましい。
【0046】本発明において薄膜とは、Al、Al2
3 、Zn、ZnO、Sn、SnO2、Si、SiO2
Ti、TiO2 、MgF2 、ZrO2 、In、ITO
(インジュウム錫酸化物)等の母材を単独または複合し
て蒸発または飛散させることによって基材上に堆積させ
たものをいう。
【0047】また、本発明で言う基材とは、平面上のガ
ラス板、プラスチック板、レンズ等の曲面を有する部
材、および高分子フイルム等の薄膜が形成されるべき面
を有する部材をいう。
【0048】ここで、高分子フイルムとは有機高分子を
溶融押し出しして、必要に応じ長手方向および/または
幅方向に延伸、冷却、熱固定を施したフイルムであり、
有機高分子としてはポリエチレン、ポリプロピレン、ポ
リエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6ナフ
タレート、ナイロン6、ナイロン4、ナイロン66、ナ
イロン12、ポリ塩化ビニール、ポリ塩化ビニリデン、
ポリビニルアルコール、全芳香族ポリアミド、ポリスル
フォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリフェニレン
オキサイド等が挙げられる。
【0049】また、これらの有機高分子(有機重合体)
は他の有機重合体を少量共重合したり、ブレンドしたり
してもよい。
【0050】さらに、この有機高分子には公知の添加
剤、例えば紫外線吸収剤、帯電防止剤、可塑剤、滑剤、
着色剤等が添加されていてもよい。
【0051】本発明に好適に用いられる高分子フイルム
は、本発明の目的を損なわない限りにおいて、薄膜層を
積層するに先行して該フイルムをコロナ放電処理、グロ
ー放電処理、その他の表面粗面化処理を施してもよく、
また公知のアンカーコート処理、印刷、装飾等が施され
ていてもよい。
【0052】本発明に好適に用いられる高分子フイルム
は、その厚さとして5〜500μmの範囲が好ましく、
さらに好ましくは8〜300μmの範囲である。
【0053】また、基材上に薄膜を堆積させる方法とし
ては、電子ビーム加熱法、抵抗加熱法、高周波誘導加熱
法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、CV
D法等が用いられる。
【0054】さらに、蒸発源は一つに限定するものでは
なく、フイルムの幅方向に複数設置してもよい。このと
きには成膜レート測定装置を蒸発源に対応させて複数設
置することは言うでもない。
【0055】また、反応性ガスとして酸素、窒素、水蒸
気等を導入したり、オゾン、イオンアシスト等を用いる
反応性蒸着を適用することもできる。
【0056】
【発明の実施の形態】次に、本発明の原理と共に実施の
形態を図面を参照して説明する。図1は本発明による信
号処理方法の一実施形態を示すブロック図であり、信号
処理部1は、上下限制限部11、移動平均演算部12、
傾き演算部13、上下限幅演算部14、上下限値演算部
15より構成されている。
【0057】いま信号処理部1への入力信号をx
(t)、出力信号をy(t)とし、まず各部の機能を順
に説明する。
【0058】(1)上下限制限部11 入力信号x(t)と上下限値演算部15で定める上限値
UL、下限値LLによって出力信号y(t)を式(1)
に従って定める。式(1): y(t)=UL 但し、x(t)>UL y(t)=x(t) 但し、LL=<x(t)=<U
L y(t)=LL 但し、x(t)<LL
【0059】(2)移動平均演算部12 出力信号y(t)の時刻t−T1 から時刻tまでの平均
値を求めY1 (t)とする。
【0060】(3)傾き演算部13 出力信号y(t)の時刻t−T2 から時刻tまでの平均
値を求めY2 (t)とし、該平均値Y2 (t)の時間変
化分を求めΔY2 (t)とする。但し、T1 >=T2
【0061】(4)上下限幅演算部14 概時間変化分ΔY2 (t)の大きさに応じて上限幅U
W、下限幅LWを式(2)に従って定める。 式(2): UW=U1 但し、ΔY2 (t)>A UW=U2 但し、ΔY2 (t)<=A LW=L1 但し、ΔY2 (t)<B LW=L2 但し、ΔY2 (t)>=B ここで、U1、U2、L1、L2、A、Bは別に定める
定数。
【0062】(5)上下限値演算部15 (1)で求めた平均値Y1 (t)と、(4)で定めた上
限幅UW、下限幅LWによって上限値UL、下限値LL
を式(3)に従って定める。 式(3): UL=Y1 (t)+UW LL=Y1 (t)−LW
【0063】次に入力信号x(t)として図2の(a)
に示す信号を、図1の信号処理部1に入力した場合を説
明する。
【0064】入力信号x(t)の内、高周波成分は上下
限制限部11によって制限され、図2の(e)に示す処
理信号105のように、原信号の形は保ったまま高周波
数のノイズ成分の振幅が低下した出力信号y(t)とな
る。
【0065】出力信号y(t)の過去T1 時間の平均値
1 (t)が移動平均演算部12で算出されると共に、
過去T2 時間の平均値Y2 (t)が傾き演算部13で算
出される。さらに傾き演算部13では平均値Y2 (t)
の時間変化分ΔY2 (t)が算出される。
【0066】ここで求まった平均値Y1 (t)と時間変
化分ΔY2 (t)により上下限幅演算部14が上限幅U
W、下限幅LWを算出する。
【0067】ここでは、時間変化分ΔY2 (t)が別に
定める定数Aより大きければUW=U1、A以下であれ
ばUW=U2とすると共に、時間変化分ΔY2 (t)が
別に定める定数Bより小さければLW=L1、B以上で
あればLW=L2とする。
【0068】ここで求まった上限幅UW、下限幅LWは
上下限値演算部15に入力され、上限値ULと下限値L
Lが算出される。そして、求まった上限値ULと下限値
LLは上下限制限部11の設定値として入力され、次の
入力信号x(t+Δt)の上下限制限演算に使用され
る。
【0069】時間変化分ΔY2 (t)の大きさに応じて
上限幅UW、下限幅LWの大きさを変化させているの
で、入力信号x(t)の低周波成分の振幅変化が大きな
部分でも信号の変化が制限させることなく、遅れを発生
させずに高周波のノイズ成分の振幅を低下させることが
できる。
【0070】次に、本発明による薄膜付き基材の製造装
置の実施の形態を図面を参照して説明する。図4は、本
発明による薄膜付き基材の製造装置の一実施形態を示す
ものである。蒸着室31は真空槽32によって大気と遮
断され、図示しない真空ポンプによって1×10-3〜1
Paの真空度に保たれている。
【0071】蒸着室31内には蒸発源33、電子銃3
4、水晶振動式成膜レートセンサ35、フイルム4の送
り出し手段36、フイルム4の巻取手段37が設けられ
ている。蒸着室31外には本発明による信号処理部1お
よび蒸着システム全体の制御部2が設けられている。さ
らに、水晶振動式成膜レートセンサ35の測定出力が信
号処理部1に入力され、信号処理部1の出力が前記制御
部2に入力されている。また、前記制御部2より電子銃
34への制御信号が出力されている。
【0072】ここで水晶振動式成膜レートセンサ35
は、水晶振動子の固有振動数Fが水晶振動子の上に堆積
した物質の質量によって変化することを利用したもので
あり、一定時間毎の水晶振動子の固有振動数Fの変化Δ
Fを求めることにより、単位時間当たりの成膜レートを
測定するものである。原理的には高精度な測定が可能で
あるが、実際には種々の原因により大きな振幅の高周波
ノイズが重畳した測定信号となっている。
【0073】さて、薄膜を形成する基材であるフイルム
4は連続的にフイルムの送り出し手段36より一定速度
で送り出され、フイルムの巻取手段37によって巻き取
られる。
【0074】このとき、電子銃34より放射された電子
ビームによって蒸発源33の表面から薄膜を構成すべき
金属分子、金属酸化物分子等が放出され、移動中のフイ
ルム4の表面に堆積する。
【0075】薄膜が形成される部分はある大きさの開口
部を有するので、形成された薄膜の厚みは蒸発源33か
ら放出される分子の単位時間当たりの割合と、フイルム
4の移動速度との関数となる。
【0076】フイルム4の上に形成される薄膜の厚み分
布を長手方向に一定にするためには、蒸発源33から放
出される分子の単位時間当たりの割合を測定して所望の
値に制御する必要がある。
【0077】蒸発源33から放出される分子の単位時間
当たりの割合は水晶振動式成膜レートセンサ35によっ
て測定され、重畳している大きな振幅の高周波ノイズは
信号処理部1によって除去され、正しい測定信号として
前記制御部2に入力される。
【0078】前記制御部2においては、公知のPID制
御方式等により、成膜レートが所望の値になるように電
子銃34への入力パワーを制御する。
【0079】このような構成によって長手方向に均一な
厚み分布を有する薄膜をフイルム4の上に形成すること
ができる。
【0080】
【実施例】次に、本発明を実施例に基づいて説明する。 実施例1 図2の(a)のノイズが重畳した原信号に対して移動平
均時間T1 =T2 =10秒、U1=6%、U2=3%、
L1=−6%、L2=−3%、A=10%/秒B=−1
0%/秒として本発明によるデータ処理を行なった。そ
の結果図2の(e)に示すように、高周波成分のみが除
去された信号を得ることができた。
【0081】実施例2 幅500mm、厚さ150μmのポリエチレンテレフタ
レートフイルムを真空中で巻き返しながら、SiO2
連続して蒸着した。その結果を図5に示す。水晶振動式
成膜レートセンサの出力をPIDコントローラに入力
し、電子銃の出力を制御したが、水晶振動式成膜レート
センサ(本実施例では、互いに設置位置の異なる2つの
水晶振動子No.1、No.2を用いた。)の出力に大
振幅のノイズが重畳し、これに応答して電子銃への制御
出力にもパルス状の変化が発生し、形成された薄膜の膜
厚分布も大きかった。そこで、水晶振動式成膜レートセ
ンサの出力を本発明によるデータ処理を通してノイズ除
去を行なった後に、PIDコントローラに入力した(信
号処理のパラメータは実施例1に同じ)。
【0082】その結果、電子銃への制御出力に乗ってい
たパルス状の変化が無くなると共に、水晶振動式成膜レ
ートセンサの出力に重畳していた大振幅のノイズが大幅
に低減したことが判る。つまり、従来の制御において
は、水晶振動式成膜レートセンサの出力に重畳していた
ノイズに電子銃への制御出力が応答していただけではな
く、実際に成膜レートが変化し、この変化を制御するた
めに逆動作の修正がかかるという発振現象が発生してい
たことが判る。本発明による制御では、このような不都
合の発生が見事に防止されている。
【0083】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば以下
に述べるような効果を得ることができる。簡単な校正に
より、信号成分とノイズ成分の周波数が近い場合でも遅
れを伴わずに効率よくノイズを低減させることができ
る。
【0084】また、本発明を薄膜の成膜レート測定、制
御に用いれば膜厚分布を均一にし、安定した生産を行う
ことができ、品質向上、収率向上、コストダウンが可能
となる。
【0085】さらに、水晶振動式成膜レートセンサは水
晶振動子の上に蒸発物が堆積することによる固有振動数
の変化を測定するものであるが、堆積物が増えるに従っ
て重畳するノイズが増大して、使用できなくなるという
問題があったが本発明によるデータ処理を用いれば少々
のノイズが重畳していても安定に測定できるために、水
晶振動式成膜レートセンサの長寿命化の効果もある。こ
れは単に水晶振動式成膜レートセンサのランニングコス
トを下げるだけでなく、水晶振動式成膜レートセンサの
寿命が律則となって長尺のフイルムを連続して蒸着でき
なかったものが可能となり、大幅の収率向上、コストダ
ウンが実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る信号処理方法の一実施態様を示す
ブロック図である。
【図2】従来方法および本発明に係る信号処理によるノ
イズ低減方法を示す信号波形図である。
【図3】従来の信号処理方法における欠点を説明するた
めの信号波形図である。
【図4】本発明に係る薄膜付き基材の製造装置の一実施
態様を示す概略構成図である。
【図5】本発明に係る薄膜付き基材の製造装置を用いて
SiO2 を蒸着したときの測定データチャートである。
【符号の説明】
1 信号処理部 2 蒸着システム全体の制御部 4 フイルム 11 上下限制御部 12 移動平均演算部 13 傾き演算部 14 上下限幅演算部 15 上下限値演算部 31 蒸着室 32 真空槽 33 蒸発源 34 電子銃 35 水晶振動式成膜レートセンサ 36 フイルムの送り出し手段 37 フイルムの巻取手段

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 出力信号の過去の所定時間区間(T1
    内の平均値の時間変化率に基づいて出力上限値を求め、
    入力信号の値が前記出力上限値以下のときには前記入力
    信号に対応した値を出力信号とし、入力信号の値が前記
    出力上限値よりも大きいときには前記出力上限値に対応
    した値を出力信号とすることを特徴とする信号処理方
    法。
  2. 【請求項2】 出力信号の過去の所定時間区間(T1
    内の平均値の時間変化率に基づいて出力下限値を求め、
    入力信号の値が前記出力下限値以上のときには前記入力
    信号に対応した値を出力信号とし、入力信号の値が前記
    出力下限値よりも小さいときには前記出力下限値に対応
    した値を出力信号とすることを特徴とする信号処理方
    法。
  3. 【請求項3】 出力信号の過去の所定時間区間(T1
    内の平均値の時間変化率に基づいて出力上限値および出
    力下限値を求め、入力信号の値が前記出力上限値以下
    で、かつ、前記出力下限値以上のときには前記入力信号
    に対応した値を出力信号とし、入力信号の値が前記出力
    上限値よりも大きいときには前記出力上限値に対応した
    値を出力信号とし、入力信号の値が前記出力下限値より
    も小さいときには前記出力下限値に対応した値を出力信
    号とすることを特徴とする信号処理方法。
  4. 【請求項4】 前記出力上限値を、前記出力信号の前記
    所定時間区間(T1)と等しいかまたはより長い平均化
    時間区間(T2 )内の平均値に対応する値と前記時間平
    均率とに基づいて定めることを特徴とする、請求項1ま
    たは3に記載の信号処理方法。
  5. 【請求項5】 前記出力下限値を、前記出力信号の前記
    所定時間区間(T1)と等しいかまたはより長い平均化
    時間区間(T2 )内の平均値に対応する値と前記時間変
    化率とに基づいて定めることを特徴とする、請求項2ま
    たは3に記載の信号処理方法。
  6. 【請求項6】 信号の入力手段と、出力信号の過去の所
    定時間区間(T1 )内の平均値の時間変化率に基づいて
    出力上限値を求める出力上限値算出手段と、入力信号の
    値が前記出力上限値以下のときには前記入力信号に対応
    した値を出力信号とし、入力信号の値が前記出力上限値
    よりも大きいときには前記出力上限値に対応した値を出
    力信号とする出力手段とを備えていることを特徴とする
    信号処理装置。
  7. 【請求項7】 信号の入力手段と、出力信号の過去の所
    定時間区間(T1 )内の平均値の時間変化率に基づいて
    出力下限値を求める出力下限値算出手段と、入力信号の
    値が前記出力下限値以上のときには前記入力信号に対応
    した値を出力信号とし、入力信号の値が前記出力下限値
    よりも小さいときには前記出力下限値に対応した値を出
    力信号とする出力手段とを備えていることを特徴とする
    信号処理装置。
  8. 【請求項8】 信号の入力手段と、出力信号の過去の所
    定時間区間(T1 )内の平均値の時間平均率に基づいて
    出力上限値および出力下限値を求める出力上限値算出手
    段および出力下限値算出手段と、入力信号の値が前記出
    力上限値以下で、かつ、前記出力下限値以上のときには
    前記入力信号に対応した値を出力信号とし、入力信号の
    値が前記出力上限値よりも大きいときには前記出力上限
    値に対応した値を出力信号とし、入力信号の値が前記出
    力下限値よりも小さいときには前記出力下限値に対応し
    た値を出力信号とする出力手段とを備えていることを特
    徴とする信号処理装置。
  9. 【請求項9】 前記出力上限値を、前記出力信号の前記
    所定時間区間(T1)と等しいかまたはより長い平均化
    時間区間(T2 )内の平均値に対応する値と前記時間変
    化率とに基づいて定める出力上限値算出手段を備えてい
    ることを特徴とする、請求項6または8に記載の信号処
    理装置。
  10. 【請求項10】 前記出力下限値を、前記出力信号の前
    記所定時間区間(T1 )と等しいかまたはより長い平均
    化時間区間(T2 )内の平均値に対応する値と前記時間
    変化率とに基づいて定める出力下限値算出手段を備えて
    いることを特徴とする、請求項7または8に記載の信号
    処理装置。
  11. 【請求項11】 請求項1ないし5のいずれかに記載の
    信号処理方法の入力信号として、薄膜が形成される水晶
    振動子の固有振動数に対応する信号を用いて信号処理
    し、得られた出力信号に基づいて前記薄膜の成膜レート
    測定値を求めることを特徴とする、薄膜の成膜レート測
    定方法。
  12. 【請求項12】 請求項6ないし10のいずれかに記載
    の信号処理装置の入力信号として、薄膜が形成される水
    晶振動子の固有振動数に対応する信号を用いて信号処理
    し、得られた出力信号に基づいて前記薄膜の成膜レート
    測定値を求めることを特徴とする、薄膜の成膜レート測
    定装置。
  13. 【請求項13】 真空槽内に配置された蒸発源に基材を
    対向して配置し、前記蒸発源から成膜粒子を飛翔させ、
    水晶振動子式成膜レート測定装置の水晶振動子に該成膜
    粒子を堆積させながら該水晶振動子式成膜レート測定装
    置の出力信号を入力信号として請求項1ないし5のいず
    れかに記載の信号処理方法により信号処理し、得られた
    出力信号が所望の値となるように制御することを特徴と
    する、薄膜付き基材の製造方法。
  14. 【請求項14】 前記基材として長尺のロール状に巻か
    れたものを用い、前記基材を前記ロールから巻き戻しな
    がら連続して前記成膜粒子にさらすことを特徴とする、
    請求項13に記載の薄膜付き基材の製造方法。
  15. 【請求項15】 真空槽と、該真真空槽内に配置された
    蒸発源と、該蒸発源に対向配置される基材の支持手段
    と、前記蒸発源から飛翔する成膜粒子が水晶振動子に堆
    積するように配置された水晶振動子式成膜レート測定装
    置と、請求項6ないし10のいずれかに記載の信号処理
    装置と、前記水晶振動子式成膜レート測定装置の出力信
    号を前記信号処理装置の入力手段に伝達する信号伝達手
    段と、前記信号処理装置の出力値が所望の値となるよう
    に制御する制御手段とを備えてなることを特徴とする、
    薄膜付き基材の製造装置。
  16. 【請求項16】 真空槽内に配置された蒸発源に基材を
    対向して配置し、前記蒸発源から成膜粒子を飛翔させ、
    水晶振動子式成膜レート測定装置の水晶振動子に該成膜
    粒子を堆積させながら該水晶振動子式成膜レート測定装
    置の出力信号を入力信号として請求項1ないし5のいず
    れかに記載の信号処理方法により信号処理し、得られた
    出力信号が所望の値となるように制御することにより製
    造される薄膜付き基材。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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JP2015201599A (ja) * 2014-04-10 2015-11-12 信越半導体株式会社 偏芯評価方法及びエピタキシャルウェーハの製造方法

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