JPH10268684A - ヒートローラおよびヒートローラを用いた定着装置 - Google Patents

ヒートローラおよびヒートローラを用いた定着装置

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JPH10268684A
JPH10268684A JP7756597A JP7756597A JPH10268684A JP H10268684 A JPH10268684 A JP H10268684A JP 7756597 A JP7756597 A JP 7756597A JP 7756597 A JP7756597 A JP 7756597A JP H10268684 A JPH10268684 A JP H10268684A
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JP
Japan
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power supply
supply means
layer
electrode
heat generating
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Application number
JP7756597A
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English (en)
Inventor
Hiroyuki Matsuo
浩之 松尾
Masahiro Aizawa
昌宏 相澤
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication date
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  • Rolls And Other Rotary Bodies (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 抵抗発熱層の全範囲を発熱する場合、電極部
材上のオフセット防止層の温度が電極部材上以外のオフ
セット防止層の温度より極端に低くなることのない、定
着装置などに用いられるヒートローラを提供する。 【解決手段】 円筒状の基板12の外表面にオフセット防
止層13を設けるとともに、基板12の内面に電気絶縁層11
と抵抗発熱層10とを設け、さらに抵抗発熱層10の発熱領
域を基体12の軸方向において分割する複数のリング状の
電極部材14a,14bを基板12内に設け、抵抗発熱層10の最
大発熱領域に電力を供給する第1の給電手段6a,6bと、
電極部材14a,14bに電力を供給する第2の給電手段5a,
5bとを備えてなるヒートローラであって、第1の給電手
段6a,6bの回転を第2の給電手段5a,5bに伝達するため
に、ネジ41a,41bによって第1の給電手段6a,6bと第2
の給電手段5a,5bとを連結する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複写機,ファクシ
ミリ装置あるいはプリンタなどの画像形成部(印字部)に
適用され、トナー像が形成された記録紙などのトナー支
持体を加熱してトナーを溶融することにより、トナー像
をトナー支持体に定着させるためのヒートローラ、およ
びそのヒートローラを用いた定着装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、電気絶縁性のセラミック基体の外
表面に抵抗発熱層を設け、さらにその外表面にオフセッ
ト防止層を設けたヒートローラを使用した定着装置とし
て、特開昭58−221875号公報に記載された構成のものが
知られている。その定着装置の目的は、加熱時間を短縮
することにより省エネルギー化を図り、かつ抵抗発熱層
の設置長さより小さい幅の複数のトナー支持体に対して
連続してトナー定着を行っても、トナー支持体に接触し
ないヒートローラの部分において異常な温度上昇を生じ
ることを防ぐことにある。
【0003】従来のヒートローラについて図8の断面図
を参照して説明する。
【0004】金属からなる回転軸101には、距離をおい
てジャーナル部材102,103が設けられ、さらにジャーナ
ル部材102,103を介して電気的絶縁性を有する円筒状の
基体104が保持されている。回転軸101におけるジャーナ
ル部材102,103の取付部分には、電気的絶縁性を有する
絶縁被膜105が設けられており、さらにジャーナル部材1
02,103の両側部には電気的絶縁部材106を介して隣接す
るように導電性輪部材107,108がそれぞれ配設され、導
電性輪部材107,108は回転軸101に絶縁被膜105を介して
固定されている。
【0005】基体104の両端部には複数の孔(図示せず)
が形成されており、一方、ジャーナル部材102,103の最
外周部には複数の突片(図示せず)が形成されていて、こ
れらの突片が基体104の前記孔に嵌合することによって
ジャーナル部材102,103と基体104とが連結されてい
る。基体104は、耐熱性を有し、熱伝導率が小さく、か
つ熱容量が小さい材質のものが望ましく、本例では電気
絶縁性を有するセラミックによって形成されている。基
体104の外表面にはニクロムまたはタングステンなどの
金属からなる抵抗層109が形成されている。
【0006】抵抗層109の外表面には、テフロンまたは
シリコーンゴムを塗布することによってオフセット防止
層110が形成されている。抵抗層109の内面とジャーナル
部材102,103の前記突片との間には、これらに接触する
ように銅などからなる帯状の電極層111,112が形成さ
れ、さらに抵抗層109の中間部の内面に接触するように
所定の間隔をおいて銅などからなる帯状の電極層113,1
14が形成されている。電極層113,114は銅などからなる
導線115により導電性輪部材107,108に接続されてい
る。
【0007】ジャーナル部材102,103の外周面に接触す
るように給電ブラシ116,117が配置されており、また導
電性輪部材107,108の外周面に接触するように給電ブラ
シ118,119が配置されている。これらの給電ブラシ116
〜119は電源回路120にそれぞれ接続されている。この電
源回路120は、給電ブラシ116,117に電圧を印加してジ
ャーナル部材102,103および電極層111,112を介して抵
抗層109の全範囲に給電するか、または給電ブラシ118,
119に電圧を印加して導電性輪部材107,108と導線115と
電極層113,114とを介して抵抗層109の中央部分におけ
る所定の範囲のみ給電するものである。
【0008】さらに前記構成において、抵抗層109の長
さを大きな幅のトナー支持体の幅(例えば最大給紙可能
幅)とほぼ同一とし、かつ2つの電極層113,114の設置
間隔を小さい幅のトナー支持体の幅(例えば最小給紙可
能幅)とほぼ同一とし、小さい幅のトナー支持体を定着
する場合には電源回路120により抵抗層109の電極層11
3,114間の部分にのみに給電され、また大きい幅のトナ
ー支持体を定着する場合には電源回路120により抵抗層1
09の全範囲に給電されるように給電制御される。抵抗層
109は給電された範囲の部分のみがジュール熱を発生し
て、この抵抗層109の発熱によりオフセット防止層110に
接触するトナー支持体のトナーが加熱され溶融して、ト
ナー支持体に定着されることになる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記構成の従
来のヒートローラでは、大きな幅のトナー支持体におけ
るトナーを定着するために抵抗層109の全範囲にわたっ
て発熱させようとしても、電極層113,114上の抵抗層10
9において、電極層113,114の抵抗値が抵抗層109の抵抗
値に比べて極端に小さいために、ほとんどの電流が電極
層113,114を流れてしまい、電極層113,114上の抵抗層
109はほとんど発熱しない。その結果、電極層113,114
上のオフセット防止層110上の温度が、他の部位のオフ
セット防止層110の温度より極端に低くなる。
【0010】このため、電極層113,114の位置における
トナー支持体上のトナーが完全に溶融せずにトナー支持
体に定着しなかったり、基体104の軸方向におけるトナ
ー支持体上のトナーに定着むらを生じたりするという問
題があった。
【0011】本発明は、従来技術における前記課題を解
決するためになされたものであり、抵抗発熱層をその全
範囲にわたって発熱させる場合に、電極層上のオフセッ
ト防止層上の温度が他の部位のオフセット防止層の温度
よりも極端に低くなることのないヒートローラおよびヒ
ートローラを用いた定着装置を提供することを目的とす
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明は、ヒートローラを、高熱伝導性を有する円
筒状基体と、この円筒状基体の外表面に設けられたオフ
セット防止層と、前記円筒状基体の内面に設けられた電
気絶縁層と、この電気絶縁層の内面に設けられた抵抗発
熱層と、この抵抗発熱層の内部に設けられ、前記抵抗発
熱層の発熱領域を前記基体の軸方向に分割する高導電性
を有する複数のリング状電極部材と、前記抵抗発熱層の
最大発熱領域に電力を供給する第1の給電手段と、前記
リング状電極部材に電力を供給する第2の給電手段と、
第1の給電手段と第2の給電手段との間に設けられた電
気絶縁性を有する電極支持部材と、第1の給電手段の回
転を第2の給電手段に伝達する伝達手段によって構成し
たことにより、最大発熱領域の抵抗発熱層を発熱する場
合、高熱伝導性の円筒状基体において電極部材と接触し
ていない抵抗発熱層から発熱される熱を、ヒートローラ
の中心軸方向に移動させて、リング状電極部材上のオフ
セット防止層の温度が、それ以外のオフセット防止層よ
りも極端に低下するのを防止することができ、かつリン
グ状電極部材と第2の給電手段とが接触部分において円
周方向のずれを生じさせないように回転するので、前記
ずれによって生起しやすいスパークによるリング状電極
部材と第2の給電手段における損傷およびノイズの発生
を防止することができて、リング状電極部材の幅を狭く
することができるため、さらにリング状電極部材上のオ
フセット防止層の温度低下の防止を図ることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1記載の発明は、
高熱伝導性を有する円筒状基体と、この円筒状基体の外
表面に設けられたオフセット防止層と、前記円筒状基体
の内面に設けられた電気絶縁層と、この電気絶縁層の内
面に設けられた抵抗発熱層と、この抵抗発熱層の内部に
設けられて抵抗発熱層の発熱領域を前記円筒状基体の軸
方向において分割する高導電性を有する複数のリング状
電極部材と、前記抵抗発熱層の最大発熱領域に電力を供
給する第1の給電手段と、前記リング状電極部材に電力
を供給する第2の給電手段とを備え、前記第1の給電手
段と第2の給電手段との間に電気絶縁性を有する電極支
持部材を設けたヒートローラであって、前記第1の給電
手段の回転を前記第2の給電手段に伝達する伝達手段を
第1の給電手段に設けたことを特徴とする。
【0014】そして、このヒートローラの構成によれ
ば、抵抗発熱層を最大発熱領域で発熱させる場合、リン
グ状電極部材と接触していない抵抗発熱層で発生した熱
を、高伝導性の円筒状基体内でヒートローラの中心軸方
向に移動させて、リング状電極部材上のオフセット防止
層における温度が、周囲のオフセット防止層における温
度より極端に低くなることを防止することができ、その
結果、トナー支持体上のトナーがトナー支持体に定着し
なかったり、トナー支持体上のトナーに定着むらが生じ
たりするという問題を解消することができる。しかも、
第1の給電手段の回転を第2の給電手段に伝達する伝達
手段を第1の給電手段に設けたことにより、リング状電
極部材と第2の給電手段との円周方向に回転する角速度
を等しくできるため、リング状電極部材の幅を狭くして
もリング状電極部材と第2の給電手段は接触部分におけ
る円周方向にずれが生じないために、スパーク発生など
の不具合の発生を防止することができ、よって、リング
状電極部材の幅を狭くしても不具合は生じないので、オ
フセット防止層における温度低下をさらに効果的に防止
することができる。
【0015】請求項2記載の発明は、請求項1記載の発
明において、第2の給電手段が、一端がリング状電極部
材の内面に接続された複数のバネからなる電極と、これ
らの複数の電極の他端に接続された電極軸とからなるこ
とを特徴とし、この構成により、第2の給電手段を容易
にヒートローラに取り付けることができ、かつ第2の給
電手段を取り付ける際に、抵抗発熱層を損傷させてしま
うことを防止することができる。
【0016】請求項3記載の発明は、請求項1記載の発
明において、伝達手段が、金属製ネジと、第2の給電手
段と接触するように設けられた電気絶縁性物質とからな
ることを特徴とし、この構成により、第1の給電手段と
第2の給電手段との電気絶縁を低コストの手段によって
確保することができる。
【0017】請求項4記載の発明は、高熱伝導性を有す
る円筒状基体と、この円筒状基体の外表面に設けられた
オフセット防止層と、前記円筒状基体の内面に設けられ
た電気絶縁層と、この電気絶縁層の内面に設けられた抵
抗発熱層と、この抵抗発熱層の内部に設けられて抵抗発
熱層の発熱領域を前記円筒状基体の軸方向において分割
する高導電性を有する複数のリング状電極部材と、前記
抵抗発熱層の最大発熱領域に電力を供給する第1の給電
手段と、前記リング状電極部材に電力を供給する第2の
給電手段とを備え、第1の給電手段と第2の給電手段と
の間に電気絶縁性を有する電極支持部材を設けたヒート
ローラであって、前記第1の給電手段の回転を前記電極
支持部材に伝達するために前記電極支持部材の一部に第
1の駆動伝達手段を設け、前記電極支持部材の回転を前
記第2の給電手段に伝達するために第2の給電手段の一
部に第2の駆動伝達手段を設けたことを特徴とし、この
構成により、請求項1記載の発明の作用効果に加えて、
伝達手段を挿入するのための孔などを第1の給電手段に
設ける必要がないので、摺動接点と第1の給電手段との
接触位置の自由度が広がり、かつ第1の給電手段,第2
の給電手段および電極支持部材をヒートローラの内部に
配置することが容易となる。
【0018】請求項5記載の発明は、高熱伝導性を有す
る円筒状基体と、この円筒状基体の外表面に設けられた
オフセット防止層と、前記円筒状基体の内面に設けられ
た電気絶縁層と、この電気絶縁層の内面に設けられた抵
抗発熱層と、この抵抗発熱層の内部に設けられて抵抗発
熱層の発熱領域を前記円筒状基体の軸方向において分割
する高導電性を有する複数のリング状電極部材と、前記
抵抗発熱層の最大発熱領域に電力を供給する第1の給電
手段と、前記リング状電極部材に電力を供給する第2の
給電手段とを備えたヒートローラと、前記第1の給電手
段と前記第2の給電手段に電力を供給する電力供給手段
とを備えた定着装置であって、前記リング状電極部材に
より分割された前記抵抗発熱層における消費電力が最大
発熱領域の前記抵抗発熱層における消費電力以下になる
ように、前記第2の給電手段と前記電力供給手段との間
に予備発熱体を設けたことを特徴とし、この構成によ
り、リング状電極部材により分割された抵抗発熱層の分
割領域のみを加熱しても、最大発熱領域時の電流以下と
なるので、不要輻射やノイズの発生を抑えることができ
る。
【0019】請求項6記載の発明は、請求項5の記載に
おいて、予備発熱体によって、リング状電極部材により
分割された抵抗発熱層の分割領域のヒートローラ部分を
加熱するようにしたことを特徴とし、この構成により、
予備発熱体の熱エネルギーを無駄に消費することなく、
熱利用の効率化を図ることができる。
【0020】以下、本発明の好適な実施形態を図面に基
づいて説明する。
【0021】(実施の形態1)図1は本発明の第1実施
の形態を説明するための定着装置における概略構成図、
図2は図1のヒートローラの構成を示すための断面図で
ある。
【0022】図1に示すように、トナー支持体上のトナ
ーを熱と圧力で定着するためのヒートローラ1は、ヒー
トローラ軸受2によって保持されている。ここでヒート
ローラ軸受2は、耐熱性かつ滑性の樹脂あるいはベアリ
ングなどによって構成されている。図1には図示してい
ないが、ヒートローラ1のいずれか一方の端部に駆動ギ
ヤが設置されており、その駆動ギヤによりヒートローラ
1が回転駆動される。ヒートローラ1には加圧ローラ3
が接触しており、これによりトナー支持体を挾むことに
なるニップ部が形成されている。加圧ローラ3は、例え
ば鉄などの金属からなる中心軸体3aと、中心軸体3aの周
囲に設けられた耐熱性を有する弾性体3bとにより構成さ
れている。弾性体3bとしては、シリコーンやフッ素など
からなる耐熱性のゴムが用いられる。さらに耐摩耗性を
上げるために、これらのゴム上にテトラフルオロエチレ
ンとパーフルオロアルキルビニルエーテルの共重合体
(PFA)などの耐熱性樹脂を被覆してもよい。
【0023】図2に示すように、円筒状の抵抗発熱層10
の両端には、大径円筒部6a-a,6b-aと小径円筒部6a-b,
6b-bとを有する第1の給電手段6a,6bにおける大径円筒
部6a-a,6b-aがそれぞれ嵌挿されている。第1の給電手
段6a,6bの中心軸上には、第1の給電手段6a,6bの小径
円筒部6a-b,6b-b内に挿入された電極支持部材9a,9bに
よって支持された状態で第2の給電手段5a,5bが設けら
れている。また第1の給電手段6a,6bの小径円筒部6a-
b,6b-bにはネジ孔6a-c,6b-cが設けられ、電極支持部
材9a,9bには、伝達手段としてのネジ41a,41bが貫通で
きるように貫通孔9a-a,9b-aが設けられている。そし
て、ネジ41a,41bが第1の給電手段6a,6bの小径円筒部
6a-b,6b-bに対してネジ孔6a-c,6b-cから螺入され、こ
のネジ41a,41bにより第1の給電手段6a,6bと第2の給
電手段5a,5bとが連結される。第2の給電手段5a,5bに
おける抵抗発熱層10の内部に位置する端部には、リング
状の電極部材14a,14bが設けられており、電極部材14
a,14bの外表面は導電性の接着剤を介して抵抗発熱層10
の内面に接触して固定されている。
【0024】第1の給電手段6a,6bにおける小径円筒部
6a-b,6b-bの外周面には、電力供給手段4にそれぞれ接
続されている摺動接点8a,8bが接触しており、また第1
の給電手段6a,6bより外部に突出している第2の給電手
段5a,5bの外周面には、電力供給手段4にそれぞれ接続
されている摺動接点7a,7bが接触している。一方の摺動
接点7bと電力供給手段4間には直列に予備発熱体40が接
続されている。また他方の摺動接点7aは電力供給手段4
に直接接続されている。
【0025】抵抗発熱層10はトナー支持体上のトナーを
溶融するためにヒートローラ1を加熱するためのもので
ある。抵抗発熱層10は、ニクロム,タングステン,モリ
ブデン,パラジウム銀またはパラジウム銀と鉛ガラスの
混合材料、あるいはこれら材料を組み合わせた材料から
なり、その厚みは5μm〜200μm程度である。
【0026】第1の給電手段6a,6bは、抵抗発熱層10の
最大発熱領域を発熱するために電力を供給するためのも
のであり、高導電性を有する銅,黄銅,真鍮,銅合金,
銀合金などの金属材料から構成される。第1の給電手段
6a,6bをヒートローラ1に対して安定して固定し、かつ
ヒートローラ1の中心軸と第1の給電手段6a,6bの中心
軸とを合わせるためには、第1の給電手段6a,6bと抵抗
発熱層10との接触幅を広くする方が好ましい。その幅は
2〜20mm程度である。
【0027】また第1の給電手段6a,6bとヒートローラ
1における抵抗発熱層10との固定方法としては、第1の
給電手段6a,6bと抵抗発熱層10との間に導電性の接着剤
を挿入して固定したり、ネジによって固定する方法があ
る。
【0028】電極部材14a,14bは、抵抗発熱層10の発熱
領域を後述する基体12の軸方向に分割するためのもので
あり、高導電性の銅,真鍮などや、それらに銀,ニッケ
ルなどの他の金属を混ぜた合金材料からなる。本例の場
合には、電極部材14a,14bの厚みは5〜300μmであり、
幅は0.1〜10mm程度である。電極部材14a,14bの材料と
しては、特に銅系の金属が好ましい。
【0029】第2の給電手段5a,5bは、電極部材14a,1
4bにより分割された抵抗発熱層10の発熱領域を発熱させ
るためのものであり、高導電性を有する銅,黄銅,真
鍮,銅合金,銀合金などの金属材料から構成される。第
2の給電手段5a,5bと電極部材14a,14bの固定方法は、
第2の給電手段5a,5bと電極部材14a,14bとの間に導電
性の接着剤を介在させて固定する。
【0030】電極支持部材9a,9bは、電気絶縁性,耐熱
性および剛性を有するポリイミド,ポリフェニレンスル
フィドなどの耐熱性樹脂や、ガラス,セラミックスなど
の無機物材料からなる。
【0031】伝達手段としてのネジ41a,41bは、第1の
給電手段6a,6bの回転を第2の給電手段5a,5bに伝達す
るために両者を連結するためのものである。第1の給電
手段6a,6bおよび第2の給電手段5a,5bはそれぞれ導電
性材料であるため、第1の給電手段6aと第2の給電手段
5aおよび第1の給電手段6bと第2の給電手段5bとは電気
的に絶縁されていなければならないので、ネジ41a,41b
は少なくとも耐熱性の電気絶縁性物質を用いて、第1の
給電手段6aと第2の給電手段5aおよび第1の給電手段6b
と第2の給電手段5bの電気絶縁を確保している。
【0032】伝達手段について図4を用いて具体的に説
明する。図4(a),(b)は第1の給電手段6b,電極支持部
材9b,第2の給電手段5bおよびネジ41bの設置構成を示
す拡大断面図である。
【0033】図4(a)の構成では、伝達手段としてのネ
ジ41bは、その全体が耐熱性の電気絶縁性のポリイミ
ド,ポリフェニレンスルフィドなどの樹脂からなってお
り、そのネジ41bは、ネジ孔6b-cに螺入されて電極支持
部材9bの貫通孔9b-aを突き抜けて、第1の給電手段6bか
ら第2の給電手段5bを締め付けることによって、第1の
給電手段6bと第2の給電手段5bとを連結して、第1の給
電手段6bの回転を第2の給電手段5bに伝えるようにして
いる。
【0034】図4(b)の構成は、伝達手段をポリイミ
ド,ポリフェニレンスルフィドなどの樹脂からなる耐熱
性の電気絶縁体42と金属製のネジ41bとから構成したも
のであり、電気絶縁体42を電極支持部材9bの貫通孔9b-a
に挿入した後、金属製のネジ41bを第1の給電手段6bの
ネジ孔6b-cに螺入して、電気絶縁体42を介して第2の給
電手段5bを押圧することによって、第1の給電手段6bと
第2の給電手段5bとを連結して、第1の給電手段6bの回
転を第2の給電手段5bに伝えるようにしている。
【0035】図1,図2において、摺動接点7a,7b,8
a,8bは、第1の給電手段6a,6bおよび第2の給電手段5
a,5bとに対して耐摩耗性と高導電性を有するタフピッ
チ銅,リン青銅,黄銅,カーボン,銀合金などの材料か
らなる。
【0036】抵抗発熱層10の外表面には、電気絶縁層11
を介して円筒状の基体12が設けられている。この基体12
の外表面には公知のようにオフセット防止層13が形成さ
れている。
【0037】電気絶縁層11は、抵抗発熱層10と基体12と
を電気的に絶縁するためのものであり、ポリイミドやポ
リフェニレンスルフィドなどの200℃以上の耐熱性樹脂
やガラス,セラミックスなどの無機物からなる。そして
電気絶縁層11は、熱伝導率の高い材料が好ましく、かつ
厚みの薄い方がよい。例えば電気絶縁層11の厚みは10μ
m〜200μm程度であって、好ましくは20μm〜100μm程度
がよい。材質としては、特にポリイミド樹脂が好まし
い。
【0038】基体12は抵抗発熱層10で発生した熱をオフ
セット防止層13に伝導するためのものである。この場
合、抵抗発熱層10の一部分の発熱量が少なくても、基体
12は、その周囲の抵抗発熱層10において発生した熱をオ
フセット防止層13に伝導する。これによって抵抗発熱層
10の前記一部分上のオフセット防止層13における温度低
下が防止される。
【0039】基体12は、高熱伝導性および剛性を有する
材料、具体的には熱伝導率が30W/(m*K)以上の鉄,ニッ
ケル,アルミ,銅または銀、もしくはこれらを組み合わ
せた材料からなり、特にアルミが好ましい。基体12の外
径は8mm〜60mm程度であり、厚みは0.3mm〜2.5mm程度で
ある。加熱の立ち上がり時間を短くするという観点で
は、基体12の厚みは1.5mm未満がよい。また基体12の長
さは使用される最大のトナー支持体の幅以上であればよ
い。
【0040】例えば、A3縦サイズに対応し、電力が1
kWであって、かつ立ち上がり時間を20秒以下にするに
は、アルミ製の基体12の場合には、基体12の外径は35mm
以下で、かつ基体12の厚みは1.3mm以下となる。
【0041】オフセット防止層13は、トナーと直接接触
し、トナー全体を溶融し、かつトナー支持体に定着する
ためのものである。オフセット防止層13は、耐熱性およ
びトナーとの離型性を有し、かつ熱伝導率が高い材料、
具体的には、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE),
PFA,フッ素ゴムなどのフッ素系樹脂およびシリコー
ンゴムを含むシリコーン系樹脂などや、これらの材料に
カーボンを混合したものからなる。オフセット防止層13
の厚みは10μm〜500μm程度である。オフセット防止層1
3の材料としては、特にPTFEが好ましく、また厚み
は5μm〜50μmが好ましい。
【0042】予備発熱体40は、電極部材14a,14b間の抵
抗発熱層10に直列に接続して、電極部材14a,14b間の抵
抗発熱層10の抵抗値を、最大発熱領域(第1の給電手段6
a,6bとの間)の抵抗発熱層10における抵抗値以上の抵抗
値にするためのものであり、ニクロム,タングステン,
モリブデン,パラジウム銀,パラジウム銀と鉛ガラスの
混合材料、またはこれら材料を組み合わせた材料、ある
いはハロゲンランプからなる。
【0043】例えば、最大発熱領域の抵抗発熱層10の抵
抗値が10オームであって、電極部材14a,14b間の抵抗発
熱層10の抵抗値が7オームであれば、予備発熱体40の抵
抗値は3オーム以上の抵抗値のものを用いる。また予備
発熱体40は、図2に示すように、電極部材14a,14b間の
ヒートローラ1を加熱するように配置することが好まし
い。
【0044】次に、前記構成の定着装置の動作につい
て、図1,図2を参照しながら説明する。
【0045】まず、小さいサイズ(例えば、A6縦〜A
4縦サイズ)のトナー支持体上におけるトナーをトナー
支持体に定着させる場合(トナー支持体は、ほぼヒート
ローラ1の中央を通過する)について説明する。
【0046】図2に示すように、電極部材14a,14b間の
離間距離が、小さいサイズのトナー支持体の幅以上の距
離に設定されている(本例ではA4サイズの幅210mmに10
mmを加えて220mmとしている)。まず、電力供給手段4か
ら摺動接点7aに電力が供給され、摺動接点7aから第2の
給電手段5aを介して電極部材14aに電力が給電され、さ
らに電極部材14aから抵抗発熱層10に電力が給電され
る。また同様に逆側においては、電力供給手段4から予
備発熱体40に電力が供給され、摺動接点7bから第2の給
電手段5bを介して電極部材14bに電力が給電され、さら
に電極部材14bから抵抗発熱層10に電力が給電される。
【0047】このようにして、電極部材14a,14b間の抵
抗発熱層10と予備発熱体40とを発熱させる。このとき電
極部材14a,14b間の抵抗発熱層10と予備発熱体40に流れ
る電流は、最大発熱領域の抵抗発熱層10に流れる電流以
下である。また予備発熱体40において、その長さは電極
部材14a,14b間の距離に等しくし、また図2のように電
極部材14a,14b間を加熱することが好ましい。
【0048】このように、第2の給電手段5bに対して直
列に接続された予備発熱体40を備えたことにより、電極
部材14a,14bにより分割された抵抗発熱層10の分割領域
のみを加熱しても、電極部材14a,14b間の抵抗発熱層10
と予備発熱体40に流れる電流は、最大発熱領域の抵抗発
熱層10に流れる電流以下であるので、無駄な輻射やノイ
ズの発生を抑えることができる。しかも予備発熱体40を
用いて電極部材14a,14bにより分割された抵抗発熱層10
の分割領域におけるヒートローラ1部分を加熱するた
め、予備発熱体40の熱エネルギーを無駄に消費すること
なく、熱利用の効率化が図れる。
【0049】その後、オフセット防止層13の温度が所定
の温度(例えば180℃)になるまで電力を抵抗発熱層10お
よび予備発熱体40に給電し、トナー支持体をヒートロー
ラ1と加圧ローラ3とのニップ間に通して、ヒートロー
ラ1の熱と圧力によりトナー支持体上のトナーをトナー
支持体に定着させる。トナー支持体がヒートローラ1と
加圧ローラ3とのニップ間を通過しているときは、、オ
フセット防止層13の温度が一定温度範囲(例えば170〜19
0℃)に入るように制御される。
【0050】次に、大きいサイズ(例えば、B4縦〜A
3縦サイズ)のトナー支持体上におけるトナーをトナー
支持体に定着させる場合について説明する。
【0051】第1の給電手段6a,6b間の距離は、大きい
サイズのトナー支持体の幅以上の距離に設定する(本例
では290mm+10mm=300mm)。まず電力供給手段4から摺動
接点8a,8bのみに電力を供給する。これにより摺動接点
8a,8bから第1の給電手段6a,6bに電力が給電され、第
1の給電手段6a,6bを介して抵抗発熱層10の最大発熱領
域に電力が給電されて抵抗発熱層10の全面で熱が発生す
る。その後の動作は、前述した小さいサイズのトナーを
トナー支持体に定着させる場合と同様であるため、その
説明は省略する。
【0052】図3は図2の電極部材付近における電流と
熱の流れを説明するための断面図である。電極部材14
a,14bは高導電性の材料からなるため、電極部材14a,1
4b上の抵抗発熱層10近傍にはほとんど電流15が流れな
い。その結果、電極部材14a,14b上の抵抗発熱層10では
ほとんど熱が発生せず、電極部材14a,14b上のオフセッ
ト防止層13の温度が周囲のオフセット防止層13の温度よ
り極端に低くなるおそれがある。このため、電極部材14
a,14bの位置におけるトナー支持体上のトナーが完全に
は溶融せず、トナー支持体上のトナーがトナー支持体に
定着しなかったり、トナー支持体上のトナーに定着むら
が生じてしまうという問題がある。
【0053】そこで、本実施の形態においては、基体12
に高熱伝導性の材料を用いることにより、電極部材14
a,14bと接触していない抵抗発熱層10において発生した
熱を、基体12内においてヒートローラ1の中心軸方向に
移動させている(図3の矢印16)。これより電極部材14
a,14b上のオフセット防止層13の温度が、周囲のオフセ
ット防止層13の温度より極端に低くなることを防止する
ことができる。
【0054】また電極部材14a,14b上のオフセット防止
層13における温度低下をさらに防止するためには、基体
12に高熱伝導性の材料を用い、さらに電極部材14a,14b
の幅を可能な限り狭くした方がよい。それに伴って第2
の給電手段5a,5bと電極部材14a,14bとの接触幅が狭く
なる。このようにすることによって第2の給電手段5a,
5bと電極部材14a,14bとの摩擦力も小さくなり、ヒート
ローラ1が回転して第2の給電手段5a,5bが共に回転し
たとき、摺動接点7a,7bにより第2の給電手段5a,5bの
回転を抑える制動力が働くため、その制動力が第2の給
電手段5a,5bと電極部材14a,14bとの摩擦力よりも大に
なったときに、電極部材14a,14bと第2の給電手段5a,
5bとの接触部に滑りが生じ、そのときに生じるスパーク
の発生によって電極部材14a,14bおよび第2の給電手段
5a,5bにおいて損傷やノイズが発生してしまうおそれが
ある。
【0055】そこで、本実施の形態においては、第1の
給電手段6a,6bの回転を第2の給電手段5a,5bに伝達す
るネジ(伝達手段)41a,41bを備えることにより、電極部
材14a,14bと第2の給電手段5a,5bとにおける円周方向
に回転する角速度を等しくすることができる。したがっ
て、電極部材14a,14bと第2の給電手段5a,5bとの接触
部の円周方向のずれを生じさせることがないため、前述
したスパークによる電極部材14a,14bと第2の給電手段
5a,5bの損傷およびノイズの発生を防止することができ
る。また、伝達手段41a,41bを、図4(b)に示すよう
に、電気絶縁体42と金属製ネジ41bとによって構成する
ことにより、コストダウンを図ることができる。
【0056】なお、以上の説明では、抵抗発熱層10にお
ける発熱する分割領域を電極部材14aと電極部材14bとの
間であるとして説明したが、第1の給電手段6aと電極部
材14aとの間の抵抗発熱層10、または第1の給電手段6a
と電極部材14bとの間の抵抗発熱層10、または第1の給
電手段6bと電極部材14aとの間の抵抗発熱層10、あるい
は第1の給電手段6bと電極部材14bとの間の抵抗発熱層1
0のように、第1の給電手段6a,6b間における抵抗発熱
層10の最大発熱領域より小さい発熱領域はすべて分割領
域である。
【0057】また電極部材14a,14bを1対のみを示した
が、トナー支持体のサイズに応じて、さらに多くの電極
部材の対をヒートローラ1の内部に設けてもよい。
【0058】また抵抗発熱層10が、ヒートローラ1の内
面に全面にわたって設けられているが、ヒートローラ1
の円周方向において部分的に抵抗発熱層10を除去して抵
抗値を調整した抵抗発熱層を用いてもよい。さらに抵抗
発熱層10に、ヒートローラ1の中心軸方向においてヒー
トローラ1の両端部の温度が高くなるように抵抗値分布
を持たせてもよい。
【0059】また予備発熱体40を、抵抗発熱層10の発熱
領域を分割する電極部材14aあるいは電極部材14bのいず
れかに接続するようにしたが、予備発熱体40を接続する
部材としては、連続した抵抗発熱層を分割する形態のも
の(例えば板状や矩形状など)であれば、本発明の適用範
囲である。
【0060】(実施の形態2)次に本発明の第2実施の
形態について説明する。第2実施の形態におけるヒート
ローラの構成が前記第1実施の形態におけるヒートロー
ラと異なる点は、 第2の給電手段を、一端が電極部材の内面に接続され
た複数のバネからなる電極と、複数の電極の他端に接続
された電極軸とから構成する点と、 伝達手段の伝達構成が電極支持部材を介して第1の給
電手段の回転を第2の給電手段に伝える構成である点で
ある。
【0061】図5(a),(b)は本発明の第2実施の形態に
おける第2の給電手段5bをヒートローラ1に設置する方
法を示す断面図であって、図5において左右対称である
左側半分は省略した。また以下において、図1〜図4を
参照して説明した部材と対応する部材には同一符号を付
して詳しい説明は省略する。
【0062】図5(a),(b)において、27はヒートローラ
1を断面して示した部分、28は筒状の電極部材設置手
段、29は電極部材押出手段、30はバネ材からなる弾性の
電極、31は電極軸であり、電極部材設置手段28の外径は
電極部材14bの内径より小さい。また第2の給電手段5b
は電極30と電極軸31とからなる。電極30は、リン青銅,
黄銅などの高導電性の金属材料、または形状記憶合金単
体、あるいは形状記憶合金と銅などの金属とを張り合わ
せた構成である。電極軸31はリン青銅,黄銅などの高導
電性の金属材料からなる。
【0063】第2の給電手段5bのヒートローラ1への装
着方法について説明する。まず、電極部材設置手段28内
には、第2の給電手段5bがその電極30の外径が縮められ
た状態で図5(a)のように設置されている。そして、図
5(a)に示す矢印方向に電極部材設置手段28を取り除い
たとき、電極部材14bと電極30とが接触する位置まで、
電極部材設置手段28および電極部材押出手段29をヒート
ローラ1内部に挿入する。したがって、図5(a)の状態
から、電極部材押出手段29を固定したままで電極部材押
出手段29に対して電極部材設置手段28を矢印の方に引き
出すことによって、電極部材14bと電極30とが接続する
ことになる。その後、電極部材設置手段28と電極部材押
出手段29とをヒートローラ1内部から引き出すことによ
って、図5(b)に示す接続状態にすることができる。
【0064】このように第2の給電手段5bを、その一端
が電極部材14bの内面に電気的に接続された複数のバネ
からなる電極30と、この複数の電極30の他端に連結され
た電極軸31とからなる構成にすることによって、第2の
給電手段5bを容易にヒートローラ1内に取り付けること
ができ、かつ取り付けの際に抵抗発熱層10に損傷を与え
てしまうことを防止することができる。
【0065】図6は本発明の第2実施の形態における伝
達手段を示す給電手段の拡大断面図、図7は図6の給電
手段の側面図である。左右対称であるので左側部分は省
略した。電極支持部材9bの外側の一部に、図7に示すよ
うに、第1の駆動伝達手段としての第1のくさび部44が
設けられている。第1のくさび部44の形状は第1の給電
手段6bの回転に対して電極支持部材9bの回転が従動でき
る形状であればいかようなものであってもよく、図示し
たように直方体形状のものが一般的である。また第1の
給電手段6bの小径円筒部6b-bにおける内面には、第1の
くさび部44が嵌挿される溝46が設けられている。
【0066】さらに第2の給電手段5bの外側の一部に
も、第2の駆動伝達手段としての第2のくさび部45が設
けられている。第2のくさび部45の形状は電極支持部材
9bの回転に第2の給電手段5bの回転が従動できる形状で
あればいかようなものであってもよい。また電極支持部
材9bの内面に第2のくさび部45が嵌挿される溝47が設け
られている。
【0067】このような構成を採用することにより、ヒ
ートローラ1に接合している第1の給電手段6bの回転力
が第1のくさび部44によって連結された電極支持部材9b
に伝達されて、電極支持部材9bと第1の給電手段6bとが
同じ角速度で回転でき、さらに電極支持部材9bの回転力
が第2のくさび部45によって第2の給電手段5bに伝達さ
れて、第2の給電手段5bと電極支持部材9bとが同じ角速
度で回転することができるようになる。したがって、ヒ
ートローラ1に接合している電極部材14bと第2の給電
手段5bとの角速度が等しくなり、よって、電極部材14b
と第2の給電手段5bとの接触部において円周方向のずれ
を生じさせないので、スパークによる電極部材14bと第
2の給電手段5bとにおける損傷およびノイズの発生を防
止することができる。
【0068】第2実施の形態における構成は、特に図5
に示した第2の給電手段5bのように電極部材14bと電極3
0との摩擦力が弱い構成には有効であり、また前記第1
実施形態のように第1の給電手段6bに伝達手段としての
ネジ41b用のネジ孔を設ける必要がないので、摺動接点8
bと第1の給電手段6bとにおける接触位置設定の自由度
が高くなり、しかもネジの取り付けが不要になることか
ら、第1の給電手段6b,第2の給電手段5bおよび電極支
持部材9bをヒートローラ1内部に配置することが容易に
なる。
【0069】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、最大発熱
領域の抵抗発熱層を発熱する場合、高熱伝導性の基体に
より、電極部材と接触していない抵抗発熱層から発熱さ
れる熱をヒートローラの中心軸方向に移動させて、電極
部材上のオフセット防止層の温度が、それ以外のオフセ
ット防止層の部位における温度より極端に低下するのを
防止することができる。
【0070】また、電極部材の幅を狭くしても電極部材
と第2の給電手段との接触部分の円周方向のずれを生じ
させないので、スパークによる電極部材と第2の給電手
段とにおける損傷およびノイズの発生を防止することが
できる。したがって、不具合を生じることなく電極部材
の幅を狭くすることが可能になるので、電極部材上のオ
フセット防止層の温度低下をより確実に防止することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施の形態を説明するための定着
装置の概略構成図である。
【図2】図1のヒートローラの構成を示すための断面図
である。
【図3】図2の電極部材付近における電流と熱の流れを
説明するための断面図である。
【図4】本発明の第1実施の形態における伝達手段を説
明するための要部の拡大断面図である。
【図5】本発明の第2実施の形態における第2の給電手
段をヒートローラに設置する方法を説明するための断面
図である。
【図6】本発明の第2実施の形態における伝達手段を示
す給電手段の拡大断面図である。
【図7】図6の給電手段の側面図である。
【図8】従来のヒートローラの断面図である。
【符号の説明】
1…ヒートローラ、 2…ヒートローラ軸受、 3…加
圧ローラ、 4…電力供給手段、 5a,5b…第2の給電
手段、 6a,6b…第1の給電手段、 6a-c,6b-c…ネジ
孔、 7a,7b,8a,8b…摺動接点、 9a,9b…電極支持
部材、 9a-a,9b-a…貫通孔、 10…抵抗発熱層、 11
…電気絶縁層、 12…基体、 13…オフセット防止層、
14a,14b…電極部材、 15…電流、 16…熱の流れ、
28…電極部材設置手段、 29…電極部材押出手段、
30…電極、 31…電極軸、 40…予備発熱体、 41a,4
1b…ネジ(伝達手段)、 42…電気絶縁体、 44…第1の
くさび部(第1の駆動伝達手段)、 45…第2のくさび部
(第2の駆動伝達手段)。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高熱伝導性を有する円筒状基体と、この
    円筒状基体の外表面に設けられたオフセット防止層と、
    前記円筒状基体の内面に設けられた電気絶縁層と、この
    電気絶縁層の内面に設けられた抵抗発熱層と、この抵抗
    発熱層の内部に設けられて抵抗発熱層の発熱領域を前記
    円筒状基体の軸方向において分割する高導電性を有する
    複数のリング状電極部材と、前記抵抗発熱層の最大発熱
    領域に電力を供給する第1の給電手段と、前記リング状
    電極部材に電力を供給する第2の給電手段とを備え、前
    記第1の給電手段と第2の給電手段との間に電気絶縁性
    を有する電極支持部材を設けたヒートローラであって、 前記第1の給電手段の回転を前記第2の給電手段に伝達
    する伝達手段を第1の給電手段に設けたことを特徴とす
    るヒートローラ。
  2. 【請求項2】 前記第2の給電手段が、一端が前記リン
    グ状電極部材の内面に接続された複数のバネからなる電
    極と、これらの複数の電極の他端に接続された電極軸と
    からなることを特徴とする請求項1記載のヒートロー
    ラ。
  3. 【請求項3】 前記伝達手段が、金属製ネジと、前記第
    2の給電手段と接触するように設けられた電気絶縁性物
    質とからなることを特徴とする請求項1記載のヒートロ
    ーラ。
  4. 【請求項4】 高熱伝導性を有する円筒状基体と、この
    円筒状基体の外表面に設けられたオフセット防止層と、
    前記円筒状基体の内面に設けられた電気絶縁層と、この
    電気絶縁層の内面に設けられた抵抗発熱層と、この抵抗
    発熱層の内部に設けられて抵抗発熱層の発熱領域を前記
    円筒状基体の軸方向において分割する高導電性を有する
    複数のリング状電極部材と、前記抵抗発熱層の最大発熱
    領域に電力を供給する第1の給電手段と、前記リング状
    電極部材に電力を供給する第2の給電手段とを備え、第
    1の給電手段と第2の給電手段との間に電気絶縁性を有
    する電極支持部材を設けたヒートローラであって、 前記第1の給電手段の回転を前記電極支持部材に伝達す
    るために前記電極支持部材の一部に第1の駆動伝達手段
    を設け、前記電極支持部材の回転を前記第2の給電手段
    に伝達するために第2の給電手段の一部に第2の駆動伝
    達手段を設けたことを特徴とするヒートローラ。
  5. 【請求項5】 高熱伝導性を有する円筒状基体と、この
    円筒状基体の外表面に設けられたオフセット防止層と、
    前記円筒状基体の内面に設けられた電気絶縁層と、この
    電気絶縁層の内面に設けられた抵抗発熱層と、この抵抗
    発熱層の内部に設けられて抵抗発熱層の発熱領域を前記
    円筒状基体の軸方向において分割する高導電性を有する
    複数のリング状電極部材と、前記抵抗発熱層の最大発熱
    領域に電力を供給する第1の給電手段と、前記リング状
    電極部材に電力を供給する第2の給電手段とを備えたヒ
    ートローラと、 前記第1の給電手段と前記第2の給電手段に電力を供給
    する電力供給手段とを備えた定着装置であって、 前記リング状電極部材により分割された前記抵抗発熱層
    における消費電力が最大発熱領域の前記抵抗発熱層にお
    ける消費電力以下になるように、前記第2の給電手段と
    前記電力供給手段との間に予備発熱体を設けたことを特
    徴とする定着装置。
  6. 【請求項6】 前記予備発熱体によって、前記リング状
    電極部材により分割された前記抵抗発熱層の分割領域の
    ヒートローラ部分を加熱するようにしたことを特徴とす
    る請求項5記載の定着装置。
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