JPH10268654A - 画像形成方法 - Google Patents

画像形成方法

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JPH10268654A
JPH10268654A JP10007508A JP750898A JPH10268654A JP H10268654 A JPH10268654 A JP H10268654A JP 10007508 A JP10007508 A JP 10007508A JP 750898 A JP750898 A JP 750898A JP H10268654 A JPH10268654 A JP H10268654A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 再転写時の転写不良やトナー剥がれを防ぎ、
十分に良好な画像を転写媒体に形成する画像形成方法を
提供する。 【解決手段】 支持体上にポリビニルアルコール層を有
する転写材に電子写真方式で転写された画像を一度定着
させ、再度別の転写媒体に転写する画像形成方法におい
て、該転写媒体の表面に、ポリビニルアルコールの表面
張力より、定着されるべきトナーの結着樹脂の表面張力
に近い表面張力を有する樹脂層を設けた画像形成方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真装置、静
電記録装置等の帯電粉体を用いて画像形成を行う装置に
おいて得られた粉体画像を他の最終転写材へ再転写を行
うことが可能な画像形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、移し絵という技術を用いて立体物
に画像を転写することは広く知られており、例えば紙等
の基材上にデキストリンに代表される水溶性の糊を塗工
し、この塗膜上にアクリルインクを用いて必要とされる
画像をスクリーン印刷等で形成し、この画像を有する紙
を水につけてデキストリンを溶かし、水に浮いたアクリ
ルインク画像を陶器等の立体物に水圧によって移し取る
水圧転写法が広く知られている。この方法に用いられる
転写紙を電子写真に直接応用した例として、武藤工業社
製のデンプリンがある。この転写材は、ライスペーパー
上にデキストリンを成膜したものを転写材として作成
し、これを電子写真装置にかけデキストリン表面にトナ
ー像を形成した後、トナー中の樹脂を軟化させることが
可能な有機溶剤にこの転写材を通過させ、トナー像に再
転写の対象となる再転写体への接着力を付与した後に、
この転写材とトナー像が再転写体に正対するように密着
させた後、紙裏面より水を付与してデキストリン膜を溶
解して、トナー像のみの転写を行うものである。
【0003】しかし、このような不透明な紙上に水溶性
塗膜を形成して成る転写材では、再転写の際の位置合わ
せが困難なだけでなく、雰囲気中の水分の影響により、
画像形成前に転写材表面が軟化してしまい、この軟化し
たデキストリンが電子写真装置内の感光ドラム等に付着
するというような問題を生じてしまう。更に、上記のよ
うに空気中の水分に敏感なために水分量に対する伸び縮
みが激しく、転写材の無用な放置カールを生じ、装置内
における通紙搬送性が著しく悪くなってしまう。
【0004】上記2点の問題に対し、特開平4−361
086号公報において、デキストリンに替わり、酢酸ビ
ニルの鹸化物であるポリビニルアルコールを用いた再転
写材の提案がある。ここで提案されている転写材は紙上
にシリコーン樹脂を塗工したものの上に日華化学社製カ
セゾールO−5にシリコーン消泡剤を混ぜたものを塗工
したものであって、再転写自体は電子写真装置にてこの
塗膜上にトナー像を形成した後に、このカセゾール膜を
基材から剥ぎ取り、再転写媒体にトナー像を正対するよ
うに重ね合わせる。
【0005】加熱・加圧を施すことで前述のトナー像中
の樹脂を軟化させ再転写体への接着力を得、冷却した後
にカセゾール膜の裏面よりエチルアルコールの80%水
溶液を付与してカセゾール膜とトナー像の接着力を低下
させ再転写を終了するものである。
【0006】この方法によれば、基材よりトナー像を有
する薄フィルムを剥ぎ取るために略透明フィルムとな
り、位置合わせが容易となる利点がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来例で
は、転写媒体にトナーとの相性があまりよくない金属や
タイル類等の陶器やガラス等の場合、再転写時の加熱及
び加圧の方法が非常に難しく、転写媒体に対してトナー
が転写しにくい、再転写後のトナーが簡単に取れる等の
再転写性が悪いため十分な再転写性画像が得られなかっ
た。
【0008】本発明に係わる目的は、再転写時の転写不
良やトナー剥がれを防ぎ、十分に良好な画像を転写媒体
に形成する画像形成方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、支
持体上にポリビニルアルコール層を有する転写材に電子
写真方式で転写された画像を一度定着させ、再度別の転
写媒体に転写するカラー画像形成方法において、該転写
媒体の表面に、ポリビニルアルコールの表面張力より、
定着されるべきトナーの結着樹脂の表面張力に近い表面
張力を有する樹脂層を設けたことを特徴とする画像形成
方法である。
【0010】本発明においては、転写媒体の表面にトナ
ーと相溶性のある樹脂層を有することにより、再転写時
の転写不良やトナー剥がれを防ぎ、十分に良好な画像を
転写媒体に形成するものである。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の実施例を図面を用いて以
下に説明する。
【0012】図1は本発明に用いる電子写真用移し絵転
写材1の層構成を示す概略断面図である。11は転写材
1を塗工する基材であって中質あるいは上質の普通紙、
あるいはこれらの紙の片面または両面に目留め用の樹脂
塗工を行ったコート紙、更にはポリエチレンテレフタレ
ート(PET)等の耐熱フィルムが用いられる。紙の場
合、坪量は30g/m2 以上が好ましく、45g/m2
以上がより好ましい。30g/m2 未満の紙では、塗工
樹脂膜を厚くしても電子写真装置における搬送性が確保
されにくい。また、坪量は200g/m2 以下が好まし
く、150g/m2 以下がより好ましい。200g/m
2 を越えると、原紙の剛性が高過ぎるため、搬送性が不
良になり易い。また、この原紙は、電子写真装置におけ
る良好な画像転写性を維持するために、塩化ナトリウム
等の無機塩を0.2〜4重量%添加され、その体積抵抗
値が20℃、65%RH環境下、24時間放置で109
〜1014Ω・cmに調整されていることが好ましい。ま
た、ベースにフィルム素材を用いる場合も、搬送性の観
点から2軸延伸耐熱性タイプのPETフィルムの場合
で、その厚さが50μm以上が好ましく、75μm以上
150μm以下がより好ましい。更に、このフィルムに
ついても図面上のB面にカチオン系またはノニオン系の
界面活性剤からなる帯電防止層を施し、その表面固有抵
抗が108 〜1012Ω/□(20℃、65%RH)に調
整されていることが好ましい。
【0013】12は接着層であって、後で塗工される離
型層13及び転写層14が電子写真装置内で容易に剥が
れることを防止するために設けられている。用いられる
素材としては、水性アクリルエマルジョン、水溶性アク
リル、水溶性ポリエステル、6.6ナイロン、ポリアク
リロニトリル等が挙げられる。紙が基材の場合、上記素
材が全て使用可能であるが、PET等の樹脂フィルムの
場合、その基材材料によって十分な接着力を得るべく選
別すべきである。PET等の場合、水溶性ポリエステル
が好ましく、更には塗膜形成時に塩化アンモニウムの添
加により塗膜乾燥後の耐水性が向上するタイプが好まし
い。
【0014】次に、13は離型層であって主体をポリ酢
酸ビニルの鹸化物であるポリビニルアルコールからな
り、その鹸化度が90%以上のものが好ましい。また、
鹸化度が90%未満のポリビニルアルコールを用いる場
合は、離型剤として少量の水溶性シリコーン樹脂を混入
させたものを用いることも可能である。但し、鹸化度が
60%未満のポリビニルアルコールは、耐水性の面で使
用することが困難である。
【0015】また、離型層13と接着層12の相互の材
料選択はその接着力によっても影響され、少なくとも電
子写真装置における搬送力によって剥がれることがない
ように接着強度として90°剥離で1.5g/cm以上
であることが好ましく、後述する転写層14と離型層1
3からなる再転写フィルム層を基材から剥ぎ取る際にフ
ィルムの破れを生じないように4g/cm以下が好まし
い。
【0016】次に、転写層14について述べると、この
層は、電子写真装置によってトナー像Tを受け取り、少
なくとも加熱によって再転写工程に入るまでの間トナー
像を保持し、かつ、再転写時には、十分なトナー剥離性
能を有することが求められている。また、従来技術に比
べ十分な耐水性を有することも要求されている。すなわ
ち、再転写時の溶剤浸透性を確保しつつ、耐水性が優れ
ていることが必要である。具体的には、ポリ酢酸ビニル
を95%以上鹸化したポリビニルアルコールに、ポリ酢
酸ビニルを90%以下低鹸したポリビニルアルコールを
混合して転写層を形成する。混合率は固型分比率とし
て、95%以上の高鹸化度ポリビニルアルコールの含有
率が10重量%以上であることが好ましく、より好まし
くは25重量%以上である。10重量%未満では、90
%以下の低ケン度ポリビニルアルコールの特性である水
溶性特性が強く現れることとなり、高温環境下で表層の
溶け出しが発生し、電子写真装置内の部材を汚染する可
能性がある。更に、高鹸化度ポリビニルアルコールが7
5重量%を越えると、膜自体を形成する直鎖高分子の配
列がセルロース膜のように規則性が高くなるため、空気
中の水分量の変化に対する膜の収縮が大きくなる可能性
がある。すなわち、高鹸化度ポリビニルアルコールは固
型分比率として25〜75重量%がより好ましい。ま
た、この転写層14には電子写真転写性の確保のためシ
リカ粉末等の無機白色顔料を添加してもよい。
【0017】各層の膜厚について、接着層12は分裂剥
離が発生しないよう薄層であることが好ましく、2〜1
0μmが好ましい。2μm未満ではムラを生じ易く、1
0μmを越えると層内剥離を生じ易い。
【0018】離型層13は、転写層14のプライマー層
的役割とこの層と接着層12との界面で十分な剥離を達
成する役割りがあり、その厚さは2〜6μmが好まし
い。6μmを越えるとこの層の水分による収縮が強く現
れてカールを生じ易く、2μm未満ではムラが発生し易
い。
【0019】転写層14の膜厚は、10μm以上が好ま
しい。これより薄くなると基材からの剥離時にフィルム
の破れを生じる等の強度不足が発生し易い。また、50
μm以下が好ましい。これより厚くなると剥離後のフィ
ルムが硬くなり、再転写時において曲面追従性が低下し
易い。
【0020】次に、本発明に用いる移し絵転写材に適応
可能な電子写真用トナーについて詳述する。基本的に、
スチレン−アクリル共重合体、スチレン−ブタジエン共
重合体、エポキシ、ポリエステル等の樹脂を主体とする
バインダー樹脂にカーボンブラックの他、イエロー、シ
アン、マゼンタ等の染顔料を含む電子写真用カラートナ
ーが使用可能である。このようなカラートナーを使用す
ることによりカラー画像を形成することができる。その
中でも特に、以下に示すカラートナーは、本発明による
カラー画像形成方法の効果をより引き出すことが可能な
ものである。
【0021】このカラー電子写真装置用のトナー粉は、
熱を印加した際の溶融性及び混色性が良いことが必要
で、軟化点が低く、かつ、溶融時間の短いシャープメル
ト性のトナーが好ましい。
【0022】シャープメルトなトナーを使用することに
より、複写物の色再現範囲を広め、原稿の多色カラー像
に忠実なカラーコピーを良好に得ることができる。
【0023】このようなシャープメルトなトナーは、例
えばポリエステル樹脂またはスチレン−アクリル樹脂の
ようなバインダー樹脂、着色剤(染料、昇華性染料)、
荷電制御剤等を溶融混練、粉砕、分級してトナーを製造
する。必要とあれば、トナーに各種外添剤を添加する外
添工程を付加してもよい。
【0024】カラートナーは定着性及びシャープメルト
性を考慮すると、バインダー樹脂としてポリエステル樹
脂を使用したものが好ましい。シャープメルト性ポリエ
ステル樹脂はジオール化合物とジカルボン酸とから合成
される分子の主鎖にエステル結合を有する高分子化合物
である。特に、次式
【0025】
【外1】 (式中、Rはエチレンまたはプロピレン基であり、x,
yは各々1以上の正の整数であり、かつx+yの平均値
は2〜10である。)で代表されるビスフェノール誘導
体またはその置換体をジオール成分とし、2価以上のカ
ルボン酸またはその酸無水物またはその低級アルキルエ
ステルとからなるカルボン酸成分(例えばフマル酸、マ
レイン酸、無水マレイン酸、フタル酸、テレフタル酸、
トリメリット酸、ピロメリット酸等)とを少なくとも共
縮重合したポリエステル樹脂がシャープな溶融特性を有
するのでより好ましい。
【0026】シャープメルト性ポリエステル樹脂の軟化
点は60〜120℃が好ましい。このシャープメルト性
のポリエステル樹脂をバインダー樹脂として含有するト
ナーの軟化点特性を図2に示す。
【0027】フローテスターCFT−500形(島津製
作所製)を使用し、ダイ(ノズル)の直径0.5mm、
厚さ1.0mmとして50kgの押出荷重を加え初期設
定温度80℃で、予熱時間300秒の後、5℃/分の速
度で等速昇温した時描かれるトナーのプランジャー降下
量−温度曲線(以後軟化S字曲線という)を求める。試
料となるトナーは1〜3g精秤した微粉末を用い、プラ
ンジャー断面積は10cm2 とする。軟化S字曲線は図
2のようなカーブとなる。等速昇温するに従い、トナー
は徐々に加熱され流出が開始される(プランジャー降下
A→B)。更に昇温すると溶融状態となったトナーは大
きく流出し(B→C→D)プランジャー降下が停止し終
了する(D→E)。
【0028】S字曲線の高さHは全流出量を示し、H/
2のC点に対応する温度T0 はそのトナーの軟化点を示
す。
【0029】このようなシャープメルト性のトナーまた
は樹脂とは、溶融粘度が105 cpを示す時の温度をT
1 、5×104 cpを示す時の温度をT2 としたとき、 T1 =90〜150℃ |ΔT|=|T1 −T2 |=5
〜30℃ の条件を満たす樹脂のことをいう。
【0030】これらの温度−溶融粘度特性を有するシャ
ープメルト性のトナーまたは樹脂は加熱されることによ
り極めてシャープに粘度低下を起こすことが特徴であ
る。このような粘度低下が最上部トナー層と最下部トナ
ー層との適度な混合を生じせしめ、更にトナー層自体の
透明性を急激に増加させ、良好な減色混合を起こすもの
である。
【0031】次に、本発明に係わる転写媒体側に用いら
れる樹脂について詳述する。この樹脂は、カラー画像を
形成するトナーと同じ、あるいは同程度の表面張力であ
ることが必要である。トナーと同程度の表面張力をもつ
ということは、表面のぬれと接着の理論(Zisma
n)からトナーが転写材の表面の樹脂に引っ付き易いと
いうことを意味する。
【0032】選択の範囲としては、例えばトナーの結着
樹脂にポリエステル樹脂を用いた場合、表面張力は20
dyne/cmである。それに対して転写材側の表面に
用いる樹脂としては、表面張力が20±10dyne/
cmのポリエステル樹脂、ポリトリフルオロエチレン樹
脂、ポリビニルフロライド樹脂、アクリル樹脂、エポキ
シ樹脂、シリコン樹脂、フッ素樹脂等のうち、室温もし
くは加熱により硬化可能な樹脂等が使用できる。
【0033】転写材側に設けられる樹脂層の厚さは、用
いられるトナーの粒径によって異なるが、画像上トナー
粒子が転写するためには、トナー粒径の1/2の厚さで
あることがが好ましく、これより薄くなるとトナーが転
写しにくくなる。但し、トナー粒径の3倍より厚くなる
と逆に転写材とトナーと樹脂層とのが別々に分かれてし
まい易い。
【0034】本発明において、トナーの平均粒径は下記
方法に基づいて測定した値をいう。
【0035】測定装置としてコールターカウンターTA
−II型(コールター社製)を用い、個別分布、体積分
布、個数平均及び体積平均を出力するインターフェイス
(日科機製)及びCX−1パーソナルコンピューター
(キヤノン製)を接続し電解液は1級塩化ナトリウムを
用いて1%NaCl水溶液を調製する。
【0036】測定法としては前記電界水溶液100〜1
50ml中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアル
キルベンゼンスルホン酸塩を0.1〜5ml加え、更に
測定試料を0.5〜50mg、好ましくは2〜20mg
加える。
【0037】試料を懸濁した電解液は超音波分散器で約
1〜3分間分散処理を行い、前記コールターカウンター
TAII型により、アパチャーとして100μmアパチャ
ーを用いて2〜40μmの粒径を有する粒子の粒度分布
を測定して体積平均粒径を求める。
【0038】本発明に用いられる、トナーと同程度の表
面張力を有する樹脂層の作成方法としては、前述転写材
上にメタノール、エタノール等のアルコールまたはメチ
ルエチルケトン、アセトン等のケトン類からなる揮発性
有機溶剤に前述のトナーと同程度の表面張力をもつ樹脂
層を形成するための樹脂を溶解し、転写材の形状からバ
ーコート法、ディップ法、スプレー法、スピンコート法
等の方法から最適に塗布し、乾燥する方法がある。
【0039】(実施例1)家庭用のタイル(INAX社
製)の光沢のある面側に、フローテスターCFT−50
0形(島津製作所社製)で得られる軟化点S字曲線上の
C点で規定されている軟化点110℃のシャープメルト
性のポリエステル樹脂(表面張力約20dyne/c
m)をアセトンに溶かした溶液をスプレー法により塗布
し、乾燥後の厚さで10μmになるように樹脂層を形成
した。
【0040】次に、図1に示す移し絵転写材1の転写層
14上にキヤノン社製の電子写真装置CLC700で画
像を出力し、そのトナー(平均粒径8μm、結着樹脂の
表面張力20dyne/cm)を載せた転写層14と接
着層12から容易に剥離できるように設けられた離型層
13とを基材11から引き剥がし、トナー像を載せた部
分を下にして、転写対象物(転写媒体)の転写層側に被
せる。その上から約100℃で10秒間ホットプレスを
行う。その際に、タイルとポリビニルアルコール層の間
に空気が入り込むため、表面上のエアー抜きをシルボン
紙等で擦って行う。これらの作業を2〜3回繰り返して
行う。これらの作業が終ったあと、水約20%、エチル
アルコール約80%の混合溶液で転写層14を軟化させ
る。そうすることで、トナー像Tが転写媒体のタイルに
約100%転写され十分に良好な画像を得た。
【0041】用いた移し絵転写材の各層の厚さおよび構
成材料は次の通りである。
【0042】樹脂層の表面張力はトナー像が転写される
前における値である。
【0043】樹脂層、トナーの結着樹脂および転写層の
各樹脂の表面張力は、ぬれ指数標準液(ダイキンファイ
ンケミカル製)を用いて測定された。即ち、測定しよう
とする樹脂をシート状にし、このシートの上に、ぬれ指
数標準液(表面張力値がわかっている液)をスポイトで
一滴たらす。この一操作をナンバーがつけてあるぬれ指
数標準液のナンバーの小さい順に行い、液滴の接触角
(θ)を各々のぬれ指数標準液について測定する。co
sθの値はぬれ指数標準液の表面張力の値に対して反比
例の関係にあるから、測定された接触角と表面張力の値
との関係から、cosθ=1のときの表面張力の値を算
出することができる。この算出された表面張力値をもっ
て、樹脂の表面張力値とした。
【0044】(比較例1)転写媒体のタイルの上に樹脂
層を形成しなかった以外、実施例1と同様に再転写を行
った。しかし、転写媒体側にトナーが50%しか転写さ
れないし、また転写された部分についてもトナーがすぐ
に剥がれてしまった。
【0045】(実施例2)転写媒体の表面にポリトリフ
ルオロチエン樹脂(表面張力22dyne/cm)の層
を形成した以外、実施例1と同様に再転写を行った。そ
うすることで、トナー像Tが転写媒体のタイルに約10
0%転写され十分に良好な画像を得た。
【0046】(比較例2)転写媒体の表面にポリエチレ
ンテレフタレート樹脂(表面張力43dyne/cm)
を使用する以外、実施例1と同様に再転写を行う。転写
側にトナーが80%しか転写されない。
【0047】(実施例3)転写媒体の表面にスチレン−
アクリル樹脂(表面張力30dyne/cm)層を形成
し、トナーの結着樹脂にスチレンアクリル樹脂(表面張
力30dyne/cm)を用いた以外、実施例1と同様
に再転写を行った。そうすることで、トナー像Tが転写
媒体のタイルに約100%転写され十分に良好な画像を
得た。
【0048】(比較例3)転写媒体の表面にポリヘキサ
メチレンアジパミド樹脂(表面張力46dyne/c
m)層を形成した以外、実施例3と同様に再転写を行
う。転写媒体側にトナーが80%しか転写されなかっ
た。
【0049】
【表2】
【0050】(実施例4)転写媒体の表面にポリ塩化ビ
ニリデン樹脂(表面張力40dyne/cm)を形成
し、トナーの結着樹脂にスチレンアクリル樹脂(表面張
力30dyne/cm)を用いた以外、実施例1と同様
に再転写を行った。そうすることで、トナー像Tが転写
媒体のタイルに約100%転写され十分に良好な画像を
得た。
【0051】(実施例5)転写媒体の表面にポリエステ
ル樹脂(表面張力20dyne/cm)を形成し、トナ
ーの結着樹脂にスチレンアクリル樹脂(表面張力30d
yne/cm)を用いた以外、実施例1と同様に再転写
を行った。そうすることで、トナー像Tが転写媒体のタ
イルに約100%転写され十分に良好な画像を得た。
【0052】
【発明の効果】以上説明したように、支持体上にポリビ
ニルアルコール層を有する転写材に電子写真方式で転写
された画像を一度定着させ、再度別の転写媒体に転写す
るカラー画像形成方法において、該転写媒体の表面に、
ポリビニルアルコールの表面張力より、定着されるべき
トナーの結着樹脂の表面張力に近い表面張力を有する樹
脂層を設けることで、再転写時の転写不良を防ぎ、十分
に良好な画像を転写媒体に形成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で用いる移し絵転写材の概略断面図であ
る。
【図2】本発明に好ましく用いられるトナーの溶解特性
図である。
【符号の説明】
1 移し絵転写材 11 基材 12 接着層 13 離型層 14 転写層 T トナー像
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成10年5月15日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0043
【補正方法】変更
【補正内容】
【0043】樹脂層、トナーの結着樹脂及び転写層の各
樹脂の表面張力は、ぬれ指数標準液(ダイキンファイン
ケミカル製)を用いて測定された。即ち、測定しようと
する樹脂をシート状にし、このシートの上にぬれ指数標
準液をスポイトで一滴たらし、液滴の接触角(θ)を測
定する。この測定をぬれ指数標準液のナンバーの小さい
順、即ち、表面張力の小さい順から行い、その結果を、
横軸をぬれ指数標準液の表面張力値、縦軸をcosθと
してプロットする。得られるグラフは右下がりの直線と
なる。この直線グラフから、θ=0となるときの値、即
ち、cosθ=1のときの指数標準液の表面張力値を読
み取り樹脂の表面張力とした。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上にポリビニルアルコール層を有
    する転写材に電子写真方式で転写された画像を一度定着
    させ、再度別の転写媒体に転写する画像形成方法におい
    て、該転写媒体の表面に、ポリビニルアルコールの表面
    張力より、定着されるべきトナーの結着樹脂の表面張力
    に近い表面張力を有する樹脂層を設けたことを特徴とす
    る画像形成方法。
  2. 【請求項2】 定着されるべきトナーの結着樹脂の表面
    張力と樹脂層の表面張力の差が、10dyne/cm以
    内である請求項1記載の画像形成方法。
  3. 【請求項3】 樹脂層を形成する樹脂の色が透明あるい
    は白である請求項1記載の画像形成方法。
  4. 【請求項4】 樹脂層の厚さがトナーの平均粒径の半分
    以上3倍以下である請求項1記載の画像形成方法。
  5. 【請求項5】 樹脂層を形成する樹脂が硬化性樹脂であ
    る請求項1記載の画像形成方法。
  6. 【請求項6】 硬化性樹脂がポリエステル樹脂、ポリト
    リフルオロエチレン樹脂、ポリビニルフロライド樹脂、
    アクリル樹脂、エポキシ樹脂、シリコン樹脂、およびフ
    ッ素樹脂から選ばれる樹脂である請求項5記載の画像形
    成方法。
  7. 【請求項7】 ポリビニルアルコール層が離型層と転写
    層に分かれている請求項1記載の画像形成方法。
  8. 【請求項8】 離型層の厚さが2〜6μmである請求項
    7記載の画像形成方法。
  9. 【請求項9】 転写層の厚さが10〜50μmである請
    求項7記載の画像形成方法。
  10. 【請求項10】 電子写真方式で転写された画像がカラ
    ー画像である請求項1〜9のいずれかの請求項に記載の
    画像形成方法。
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JP2020034836A (ja) * 2018-08-31 2020-03-05 株式会社沖データ 画像形成装置および画像形成方法

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