JPH10267914A - 2型真性糖尿病の処置 - Google Patents

2型真性糖尿病の処置

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JPH10267914A
JPH10267914A JP10049656A JP4965698A JPH10267914A JP H10267914 A JPH10267914 A JP H10267914A JP 10049656 A JP10049656 A JP 10049656A JP 4965698 A JP4965698 A JP 4965698A JP H10267914 A JPH10267914 A JP H10267914A
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amylin
insulin
glucose
diabetes
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JP10049656A
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Garth J S Cooper
ガース・ジェームズ・スミス・クーパー
Howard E Greene
ホワード・イー・グリーン
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Abstract

(57)【要約】 【課題】アミリン・アンタゴニストのスクリーニング方
法を提供すること。 【解決手段】試験すべき化合物を、インシュリンの存在
下または非存在下およびグルコースの存在下、摘出した
筋肉または筋肉細胞およびアミリンと一緒にし、筋肉ま
たは筋肉細胞がグルコースの取り込み増加を示すか否か
を測定するか、試験すべき化合物を、グルコースの存在
下、摘出したランゲルハンス島または島B細胞およびア
ミリンと一緒にし、ランゲルハンス島または島B細胞が
インシュリン産生の増加を示すか否かを測定するか、ま
たは試験すべき化合物を、アミリンまたは抗アミリン抗
体に対して指向した抗イディオタイプ抗体の存在下、抗
アミリン抗体と一緒にし、抗アミリン抗体をアミリンま
たは抗イディオタイプ抗体に置換するか否かを測定す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この出願は、1988年1月
11日付けのアメリカ合衆国出願第142447号の一
部継続出願である。この発明は、医学分野、さらに特定
すれば、インシュリン非依存性または2型真性糖尿病の
処置に関するものである。
【0002】
【従来の技術および発明への序論】真性糖尿病は、ヒト
に影響を及ぼす重大な代謝性疾患のうちで最も多い疾患
である。それは、インシュリン作用の相対的または絶対
的欠如の結果として生ずる、慢性過血糖症状態、すなわ
ち血液中における過糖状態として定義され得る。インシ
ュリンは、すい臓のランゲルハンス島内のB細胞により
産生および分泌されるペプチドホルモンである。インシ
ュリンは、グルコース利用、蛋白合成並びに中性脂質の
形成および貯蔵を促進する。それは、一般に筋肉中への
ブドウ糖の導入に必要とされる。グルコース(ブドウ
糖)または「血糖」は、通常1リットル当たり約0.8
−1.2グラム(4.0−7.0ミリモル)の濃度で人体
に存在し、ヒトおよび多くの他の生物における炭水化物
エネルギーの主供給源である。過剰のグルコースは、本
質的にポリマー化したグルコースである澱粉様物質であ
る、グリコーゲンとして体内(特に肝臓および筋肉)に
貯蔵される。グリコーゲンは、体の要求を満たすべく必
要に応じてグルコースに代謝される。
【0003】グルコースは、通常インシュリンの分泌お
よび生合成の両方を刺激する。しかしながら、このグル
コース刺激インシュリン分泌に加えて、基礎インシュリ
ン分泌、すなわちグルコースまたはインシュリン分泌を
促進する他の成分のレベルによる刺激の不存在下に、
「絶食時」または断食時レベルを越えたレベルのインシ
ュリンが循環系へ放出される生物学的プロセスが存在す
る。インシュリンの正常基礎(または絶食時)レベルは、
普通約10−16μU/ml(または440−700ピコ
モル/L)であり、約4.0−5.5ミリモル/Lの正常
絶食時グルコースレベルの時に見出される。正常絶食時
レベルのグルコースよりも高いグルコース量により刺激
されるインシュリン分泌のレベルは、非糖尿病患者にお
いて320μU/ml(または14ナノモル/L)に達する
か、またはこれを越え得る。
【0004】通常グリコーゲンは、基礎速度、すなわち
グルコース刺激インシュリン分泌の不存在下に進行する
合成速度でグルコースから合成される。正常基礎速度の
インシュリン分泌において、事実、総グリコーゲン合成
の約90パーセントはインシュリンにより直接的には刺
激されないと思われる。勿論、インシュリン刺激グリコ
ーゲン合成は正常発生するものであり、最大グルコース
刺激インシュリン分泌速度において、総グリコーゲン合
成の約70パーセントは直接インシュリン刺激により誘
発される。
【0005】真性糖尿病に伴う過血糖症は、インシュリ
ンのレベルが比較的低いかまたは存在しないことによ
る、グルコースの不充分な利用および蛋白質からのグル
コースの過剰生産の両方の結果である。いわゆる2型糖
尿病では、例えば、最大グルコース刺激インシュリンレ
ベルは、一般的には約90μU/ml(4.0ナノモル/
L)より高くは上昇しない。
【0006】真性糖尿病は、一連のホルモン誘発代謝異
常のみならず、目、神経、腎臓および血管に関連する長
期合併症並びに細胞基底膜の濃厚化を含む病変を特徴と
する。これらの糖尿病合併症には、早発性アテローム性
動脈硬化症、毛細管間糸球体硬化症、網膜症および神経
障害がある。糖尿病における死亡および身体障害の主因
は、冠状動脈疾患である。ガルシア MJ、マクナマラ
PM、ゴードン T、カネル WE、『モービディティー
・アンド・モータリティー・イン・ダイアベティックス
・イン・ザ・フラミンガム・ポピュレーション。シック
スティーン・イヤー・フォロー-アップ。』、「ダイアベ
ーツ」(1974年)34:105−111。この刊行物およ
びこの明細書に示されている他の全ての参考文献を引用
して説明の一部とする。
【0007】症候的真性糖尿病の診断は難しくはない
が、無症候性疾患の検出は多数の問題を生じ得る。診断
は、普通、絶食時高血糖の証明により確認され得る。境
界例では、よく知られているグルコース寛容性試験が普
通は適用される。しかしながら、経口グルコース寛容性
試験は、恐らく多様な原因によるストレス(エピネフリ
ンホルモンの放出を通して伝えられる)が異常応答を誘
発し得るため、糖尿病についてかなりの程度まで過大診
断することを示す証拠もある。これらの問題点を明らか
にするため、ナショナル・インスティテューツ・オブ・
ヘルスのナショナル・ダイアベーツ・データ・グループ
は、経口グルコース攻撃後の糖尿病の診断基準を推奨し
ている。ナショナル・ダイアベーツ・データ・グルー
プ: 『クラシフィケーション・アンド・ダイアグノシ
ス・オブ・ダイアベーツ・メラタス・アンド・アザー・
カテゴリーズ・オブ・グルコース・イントレランス』、
「ダイアベーツ」(1979)28:1039。
【0008】一般的集団における真性糖尿病の発病頻度
は、確実には確かめにくいが、この疾患は1000万を
越えるアメリカ人に影響を与えていると考えられる。一
般的に真性糖尿病は制御され得るだけであって、治癒は
不可能である。近年、「真性糖尿病」という包括的語句
に含まれる一連の相異なる症候群の存在することが明ら
かにされた。これらの症候群は、臨床的徴候およびそれ
らの遺伝パターンの両方が相異する。真性糖尿病という
語は、上記特性を呈する一連の高血糖状態に適用される
ものと考えられる。
【0009】真性糖尿病は、一次および二次の2つの基
本的範ちゅうに分類され、グルコース寛容性の障害を含
み、そしてそれは、経口グルコース負荷後の異常に高い
血中グルコース・レベルを伴う状態として定義され得、
この場合、上昇度は糖尿病の診断を行うには不充分であ
る。この範ちゅうに含まれる人は、正常なグルコース寛
容性を示す人と比べて絶食時高血糖または症候的糖尿病
発現の危険性が高いが、個々の患者においてその経過を
予測することはできない。事実、幾つかの大規模な研究
は、グルコース寛容性障害を示す大部分の患者(約75
パーセント)が糖尿病を発現しないことを示している。
ジャレット RJ、キーン H、フラーJH、マッカート
ニー M、『ワーセニング・トゥダイアベーツ・イン・
メン・ウィズ・インペアード・グルコース・トレランス
(「ボーダーライン・ダイアベーツ」)』、「ダイアベト
ロジア」(1979)16:25−30参照。
【0010】一次真性糖尿病は、 1.インシュリン依存性真性糖尿病(IDDMまたは1
型)2.インシュリン非依存性真性糖尿病(NIDDM
または2型) a.非肥満2型 b.肥満2型 c.若年者の成人期発症糖尿病(MODY) を含む。
【0011】二次真性糖尿病は、 1.すい臓疾患、 2.インシュリン作用の一次欠如以外のホルモン異常
(例、クッシング病、先端巨大症、クロム親和性細胞
腫)、 3.薬剤または化学物質誘発、 4.インシュリン・レセプター異常、 5.遺伝性症候群、 6.その他 に対して続発性の真性糖尿病を含む。ただし、二次真性
糖尿病の範ちゅうは、影響された個体の絶対数の点で、
少なくとも西側諸国では一次真性糖尿病の範ちゅうより
も著しく重要性に劣るものである。また、多くの場合穏
やかな無症候性一次糖尿病は二次疾患により明白にされ
得るが、上記二次原因のいずれかと関連のある異常な炭
水化物代謝の発現は、必ずしも潜在的糖尿病の存在を示
していない。
【0012】2型またはインシュリン非依存性糖尿病
は、この出願における現関心事である。インシュリン抵
抗は、2型糖尿病の特徴であり、インシュリンの作用に
対する末梢組織の正常な代謝応答の不全として定義され
得る。言い替えれば、それは、インシュリンの存在が普
通より劣る生物学的応答を生じさせる状態である。臨床
的には、インシュリン抵抗は、正常または高いインシュ
リン・レベルにもかかわらず、正常または高い血中グル
コース・レベルが存続している場合に存在する。それは
本質的にはグリコーゲン合成阻害を示し、それにより基
礎またはインシュリン刺激グリコーゲン合成のいずれか
一方または両方が正常レベルより下に低減化される。2
型糖尿病に存在する高血糖が、ときどき食餌療法または
充分な体重減少により打ち消され、明らかに、インシュ
リンに対する末梢組織の感受性が回復し得るという事実
が立証する通り、インシュリン抵抗は2型糖尿病におい
て主要な役割を演じる。2型糖尿病における高血糖には
少なくとも2つの原因がある。
【0013】1.活性化されるべきグルコース貯蔵の欠
如--グリコーゲンとしての炭水化物の貯蔵は、各回摂取
カロリー負荷が容易に即時代謝要求を越え得るため、断
続的炭水化物摂取の結果として起こり得ることが知られ
ている。短期的には、貯蔵は、血しょうからグルコース
を取除く手段を提供する。最近のデータは、即時グルコ
ース処理の部位は骨格筋であることを示している。キャ
ッツ LD、グリックマン MG、ラポポート S、フェ
ランニニ E、デ・フロンゾ RA、『スプランクニック
・アンド・ペリフェラル・ディスポーザル・オブ・オー
ラル・グルコース・イン・マン』、「ダイアベーツ」(19
83)、32:675頁参照。炭水化物の投与中に2型糖
尿病において活性化されるべきグルコース貯蔵の欠如に
より、グルコースの組織取り込みは低下することから、
これはインシュリン抵抗に誘導する主要障害であり得
る。リリオッハ S、モット DM、ザワズキー JK、
ヤング AA、アボット WG、ボガーダス C、『グル
コース・ストレージ・イズ・ア・メジャー・デターミナ
ント・オブ・インビボ “インシュリン・レジスタンス"
イン・サブジェクツ・ウィズ・ノーマル・グルコース
・トレランス』、「ジャーナル・オブ・クリニカル・エ
ンドクライノロジー・アンド・メタボリズム」(1986)、
62:922−927頁参照。
【0014】2.インシュリン放出における障害--しか
しながら、著しいインシュリン抵抗を示す普通以上の肥
満者は通常高血糖または真性糖尿病にり患していないた
め、インシュリン貯蔵または放出における障害もまた含
まれる。ワインゴット A、ローベーテ A等、『インシ
ュリン・レジスタンス・アンド・ディクリーズド・イン
シュリン・レスポンス・トゥ・グルコース・イン・リー
ン・タイプ2・ダイアベティックス』、「プロシーディ
ングズ・オブ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエ
ンシーズ・オブ・ザ・ユナイテッド・ステーツ・オブ・
アメリカ」(1982)、79:4432−4436頁参照。この発見
は、正常なすい臓は、肥満または他の因子により強いら
れたインシュリン抵抗を補うだけの充分な備えを有する
が、2型患者におけるすい臓はこれを有していないこと
を示す。従って、この意味において、インシュリン抵抗
の追加的徴候が無ければ異常性は認められないが、一次
欠陥は正常に機能しない島B細胞であると考えられ得
る。恐らく、非肥満2型患者はインシュリン放出におけ
るさらに深刻な欠陥を有すると思われる。
【0015】2型糖尿病における島B細胞病変の性質は
明らかではない。1型糖尿病の場合とは異なり、2型B
細胞は、これらの細胞におけるインシュリンおよびC−
ペプチドの両方の存在および血しょう中での循環が立証
するところによると、インシュリンの合成および分泌能
を保持している。これまでの試験結果によると、B細胞
数のあまり多くない減少は存在するが、これはインシュ
リン分泌において観察された減少を説明するには不充分
であることが示されている。ステファン Y、オルシ L
等、「ダイアベーツ」(1982)、31:694−700頁参照。
従って、恐らく、残りのB細胞は、この疾患の最も初期
の検出可能段階でさえ、グルコース負荷に応じたインシ
ュリンの初回分泌における遅延として証明され、また2
型糖尿病の場合、明白な糖尿病患者およびこの病気の臨
床上潜在的な形態を呈する対象の両方においていかなる
グルコース濃度でも分泌されるインシュリンは少ないと
いう事実により証明される、損なわれた機能を有するも
のと考えられている。
【0016】真性糖尿病の全形態における処置の第一目
的は同じで、すなわち、血中グルコース・レベルを可能
な限り正常付近まで減少させることにより、この病気の
短期および長期合併症を共に最小限に抑えることであ
る。チョブロウツキーG、『リレーション・オブ・ダイ
アベティック・コントロール・トゥ・ディベロップメン
ト・オブ・マイクロバスキュラー・コンプリケーション
ズ』、「ダイアベートロジア」(1978)、15:143−152
頁参照。
【0017】1型糖尿病の処置は、非経口経路により投
与されるインシュリンの代替用量の投与を必ず含む。正
確な食餌療法および自己血液グルコースモニターと組み
合わせて、大部分の1型患者は血中グルコースの妥当な
制御を達成することができる。2型の処置は、1型の処
置とは反対に、インシュリンの使用を必要としない場合
が多い。治療は、食餌療法および生活様式の変化に基づ
くものであり得、経口血糖低下剤(スルホニル尿素また
はビグアニド)による療法によって増強しうる。
【0018】食餌療法および生活様式の修正は、2型に
おける最も重要な療法である。肥満が存在する場合、体
重を理想的レベル付近に減少させることも必要である。
糖尿病食餌療法の重要な特徴には、定期的食事による充
分ではあるが過度ではない総カロリー摂取、飽和脂肪量
の制限、多不飽和脂肪酸含有量の付随増加および結合炭
水化物(「食物繊維」)の摂取増加が含まれる。第二の重
要な生活様式修正は、体重制御およびインシュリン抵抗
性の減少の両方に助けとなるものとして、定期的運動の
持続である。
【0019】すなわち、2型における治療の実施は、普
通、最初の場合では代表的には6〜12週間の食餌療法
の試みを含む。食餌療法および生活様式修正の充分な試
みの後に、絶食時高血糖が持続している場合、「一次食
餌療法失敗」の診断が下され得る。血液グルコースを制
御し、それによってこの病気の合併症を最小限にするた
めには、経口血糖低下剤療法の試みまたはインシュリン
療法の直接実施が必要とされる。ただし、体重低下は生
活様式および食餌療法修正の目標ではあるが、勿論、そ
れは達成されない場合が多いことに注意しなければなら
ない。
【0020】食餌療法および体重低下に応答しない2型
糖尿病は、スルホニル尿素による治療に反応し得る。ス
ルホニル尿素薬剤の種類には、アセトヘキサミド、クロ
ロプロパミド、トラザミド、トルブタミド、グリベンク
ラミンド、グリボルヌリド、グリクラジド、グリピジ
ド、グリキドンおよびグリミジンが含まれる。これらの
薬剤は、主として残りのすい臓ベータ細胞機能を増強す
ることにより作用し、比較的使用し易い。しかしなが
ら、スルホニル尿素剤は全て、食後4時間またはそれ以
上のうちに昏睡を含む低血糖反応を誘発し得ることを理
解することが重要である。実際に、低血糖症状の発現は
数日間持続し得るため、長時間のまたは反復したグルコ
ース投与が必要とされる。反応は、1用量後、処置の数
日後、または薬剤投与の数箇月後に発現する。大部分の
反応は年令50歳を越える患者において観察され、それ
らは肝臓または腎臓機能が損なわれた患者の場合さらに
生じやすいようである。過剰投薬または不適当もしくは
不定期的な食物摂取は、低血糖を誘発し得る。他の薬剤
は、他の血糖低下剤、スルホンアミド、プロプラノロー
ル、サリチレート、フェニルブタゾン、プロベネシド、
ジクマロール、クロラムフェニコール、モノアミンオキ
シダーゼ阻害剤およびアルコールを含めて、スルホニル
尿素による低血糖の危険性を高め得る。
【0021】さらに、スルホニル尿素剤は、それらの代
謝における肝臓の役割並びに薬剤排出およびそれらの代
謝における腎臓の役割が重要であるため、肝不全または
腎不全患者には使用すべきではないことが判る。さら
に、肥満患者の場合、かれらは体重増加を促進しやすい
ため、理想体重の15パーセント以内に体重を減少させ
たにも拘わらず症状および糖尿病制御が改善されなかっ
た場合以外は、これらの化合物を避けるのが最善であ
る。
【0022】また、スルホニル尿素剤は、冠状動脈疾患
によるり患率および死亡率の増加を誘発し得ることが示
されている。ユニバーシティー・グループ・ダイアベテ
ィック・プログラム、『ア・スタディー・オブ・ジ・エ
フェクツ・オブ・ハイポグリセミック・エイジェンツ・
オン・バスキュラー・コンプリケーションズ・イン・ペ
イシャンツ・ウィズ・アダルト-オンセット・ダイアベ
ーツ』、「ダイアベーツ」(1976)25:1120−1153頁参
照。その研究は、治療に対する忠実性にも拘らず、患者
を割り当てた処置群によるデータ分析に関して批判され
ている。批評家達は、可変用量のインシュリンを与えて
グルコース制御を最適化した患者においては心臓血管疾
患による死亡率が減少した可能性があること(キロC、
ウィリアムソンJR、チョイSC、ミラーJP、『リフ
ューティング・ザ・ユニバーシティー・グループ・ダイ
アベティック・プログラム・コンクルージョン・ザット
・インシュリン・トリートメント・ダズ・ノット・プレ
ベント・バスキュラー・コンプリケーションズ・イン・
ダイアベーツ』、「アドバンシーズ・イン・エクスペリ
メンタル・メディシン・アンド・バイオロジー」(1979)
119:307−311頁参照)、および、絶食時血中グルコ
ースが11.1ミリモル/Lより上を維持している場
合、薬剤、トルブタミドのみが死亡率の増加に関連し得
ることを示した。キロC、ミラーJP、ウィリアムソン
JR、『ザ・クラックス・オブ・ザ・ユニバーシティー
・グループ・ダイアベティック・プログラム。スピュリ
アス・リザルツ・アンド・バイオロジカリー・インアプ
ロープリエイト・データ・アナリシス』、「ダイアベー
トロジア」(1980)19:179−185頁参照。このこ
とおよび経口薬剤治療の利用可能性にも拘わらず、2型
集団における冠状動脈疾患のり患率および死亡率は、依
然として非糖尿病集団の場合よりもかなり高い。
【0023】別の群の化合物、ビグアニドは、スルホニ
ル尿素とは独立して開発された。フェンホルミンを含む
3種の抗糖尿病薬ビグアニドの中で、メトホルミンのみ
が、充分に制御された方式で適用された場合副作用の危
険性も少ないため、2型糖尿病の処置に有用である。シ
ャファーG、『ビグアニズ。ア・レビュー・オブ・ヒス
トリー、ファーマコダイナミックス・アンド・セラピ
ー』、「ディアベーツ・エト・メタボリスム」(1983)
9:148−163頁参照。メトホルミンはインシュリ
ン分泌の増加を誘発しないが、主に末梢グルコース利用
を増すことにより、その血糖低下効果を発揮すると考え
られる。しかしながら、スルホニル尿素と同様、それ
は、ある程度の残留内在性インシュリン分泌を示す糖尿
病患者において有効であるに過ぎないため、恐らくそれ
はインシュリンに対する末梢組織の感受性を増すことに
より作用すると思われる。抗糖尿病作用に寄与すると信
じられるメトホルミンの他の代謝作用には、1) グルコ
ースおよび他の栄養素の腸内吸収不良の誘発、2) 肝臓
および腎臓の糖新生増加の阻害並びに3) 脂肪分解およ
び遊離脂肪酸酸化の阻害がある。しかしながら、インシ
ュリンとは異なり、メトホルミンは脂肪生成を促進しな
い。それは、体重を減らせないかまたは体重が減らない
超過体重糖尿病患者において最も頻繁に使用される。メ
トホルミンは非糖尿病対象においては血糖低下作用を発
揮しない。
【0024】致命的なことが多い乳酸酸性症の合併症の
現実的で予測不能な危険性があるため、ビグアニド・フ
ェンホルミンの使用は中止された。しかしながら、メト
ホルミンはこの危険性が無いため、治療においてそれを
使用する決定は、一次食餌療法が失敗に終わった患者、
および体重超過または「二次スルホニル尿素も失敗」に
終わった(体重超過の)患者においてのみ、慎重に行な
われなければならない。メトホルミンは、腎臓病または
アルコール依存症の病歴を有する患者には与えない方が
よく、悪心、おう吐、下痢または何等かの介入疾患が現
れた場合、その使用を直ちに中止しなければならない。
【0025】上述の処置の達成方法にも拘わらず、イン
シュリン療法は、依然として多くの2型糖尿病患者、特
に一次食餌療法が失敗に終わった非肥満患者、または一
次食餌療法も二次経口血糖低下療法も失敗に終わった患
者にとって優れた処置であることは注目に値する。しか
し、インシュリン療法を、食餌制限および生活様式の修
正における絶え間無い努力と組み合わせなければならな
いことは同じく明白であり、他にこれらの代用方法は考
えられない。最適な結果を達成するため、自己血液グル
コース・モニタリングおよびグリコシル化血中蛋白質の
適当な評価によりインシュリン療法を追跡すべきであ
る。インシュリンは、短、中間もしくは長時間作用イン
シュリンの単独、2種もしくは多重注射または1種を越
えるタイプの混合による様々な方式で投与され得る。患
者にとって最善の方式は、個々の患者のモニターされた
応答に対してインシュリン療法を調整するプロセスによ
り決定されなければならない。
【0026】2型糖尿病におけるインシュリン療法の使
用傾向は、長期糖尿病合併症の回避には厳密な血糖制御
が重要であるという現代の実状を理解するに従い増加し
ている。しかしながら、二次経口血糖低下療法が失敗に
終わった非肥満2型糖尿病患者の場合、インシュリン療
法は適度な制御の形成には有望であり得るが、良好な応
答は決して確認されない。例えば、レンデルM、スラビ
ンD、メルツG、シンプソンJ、バーケトA、『ア・ケ
ース・オブ・マチュリティー-オンセット・ダイアベー
ツ・メリツス・レジスタント・トゥ・インシュリン・バ
ット・レスポンシブ・トゥ・トルブタミド』、「アナル
ス・オブ・インターナル・メディシン」(1979)90:1
95−97参照。一試験では、最大用量の経口血糖低下
剤でも制御が不充分であった58非肥満患者のうちの3
1パーセントしか、単純なインシュリン療法に基づく制
御における客観的に立証可能な改善を達成しなかった。
ピーコックI、タッターサルRB、『ザ・ディフィカル
ト・チョイス・オブ・トリートメント・フォー・プアリ
ー・コントロールド・マチュリティー-オンセット・ダ
イアベーツ:タブレッツ・オア・インシュリン』、「ブ
リティッシュ・メディカル・ジャーナル」(1984)28
8:1958−1959頁参照。二次失敗に帰した肥満糖尿病患
者において、この状況ではインシュリンは体重を増加さ
せることが多く、しばしば制御において同時悪化を伴う
ため、病像の明快さはさらに劣る。
【0027】従って、2型糖尿病の治療に関する知識お
よび実践の現状は決して満足すべきものではないことは
明らかである。大多数の患者は、時がたつに従って一次
食餌療法に失敗し、肥満2型糖尿病患者の大多数は理想
体重を達成できない。経口血糖低下剤は、一次食餌療法
が失敗した場合糖血症の程度を低下させるのに有効であ
ることが多いが、多くの権威者達は、達成された糖血症
制御程度が、長年にわたる2型糖尿病に伴うアテローム
性動脈硬化症、神経障害、ネフロパシー、網膜症および
末梢血管疾患の長期合併症の発生の回避に充分であるか
否かを疑っている。この理由は、5.5〜6.0ミリモル
/Lの絶食時血しょうグルコースにほぼ等しい最小グル
コース不寛容度でさえ、心臓血管による死亡の危険性の
増加と関連しているという最近の認識を考えると納得で
きる。フラーJH、シプレイMJ、ローズG、ジャレッ
トRJ、キーンH、『コロナリー・ハート・ディジーズ
・リスク・アンド・インペアード・グルコース・トレラ
ンス』、ザ・ホワイトホール・スタディー.「ランセッ
ト」(1980)1:1373−1378頁参照。また、インシュリン
療法が、経口血糖低下剤による処置における長期成果に
何等かの改善をもたらすことは明らかではない。すなわ
ち、優れた処置方法は非常に有益であると言える。その
方法およびそれに有用な化合物は、この明細書中に記載
され、請求の範囲に含まれている。
【0028】
【発明の要旨】この発明は、量が多い場合に異常なイン
シュリン放出および異常なグリコーゲン合成を誘発する
ことが見出され、2型糖尿病患者に典型的に見出される
すい臓アミロイド塊から単離されたホルモンである、ア
ミリンの作用の調整を目的とする化合物および方法を提
供する。この調整は、アミリンまたはカルシトニン遺伝
子関連ペプチド(CGRP)の置換または改変ペプチド
またはサブペプチドを含むきっ抗的阻害剤の使用、また
はアミリンまたはCGRPまたはそれらの活性サブペプ
チドの発現または生成または放出の調整により、例えば
アミリンおよび/またはCGRPおよび/または他のア
ミリン・アゴニスト、またはアミリンもしくはCGRP
の生物学的活性サブペプチドの結合をブロックすること
により達成され得る。2型糖尿病の処置に有用な追加化
合物の同定方法を開示する。
【0029】応答の誘発を伴わずにアミリン・レセプタ
ーに結合する、アミリンに対する化学的アンタゴニスト
を用いることにより、グルコースに対する体の基礎応答
およびインシュリン刺激応答を阻害すべく作用するアミ
リンまたはアミリン・アゴニスト(CGRPを含む)ま
たはそれらの生物学的活性サブペプチドの作用を低下さ
せるか、またはインシュリン放出に対するそれらの分子
の干渉を阻止する。すなわち、この明細書に記載され、
請求の範囲に含まれる還元アミリン、非アミド化アミリ
ン、アミリンおよびCGRPの置換ser2、ser7ペプチド
およびサブペプチドは、筋肉におけるインシュリン抵抗
を改良すべく機能し得る。他の競合的アンタゴニストに
は、架橋アミリン・アゴニスト(アミリン、CGRPお
よびそれらの活性サブペプチドを含む)および非アミド
化アミリンがある。また、アミリン・レセプターの直接
ブロックは、モノクローナル抗体および抗イディオタイ
プ抗体により達成され得る。アミリンに対する他の化学
的アンタゴニストおよびアミリン・アゴニストには、こ
の明細書に開示されている方法により抗アミリン効果に
ついて検定および/またはスクリーニングされ得る有機
化合物が含まれる。非競合的アミリン・アンタゴニスト
には、アミリンおよびCGRPの活性部位に指向した抗
体が含まれる。
【0030】
【発明の詳細な記載】アミロイドは、同一ポリペプチド
・サブユニットの逆平行ベータ−プリーツシートから形
成される、ねじれた螺旋状の対蛋白質フィラメントの細
胞外沈澱物に与えられた名称である。グレナーGG、
『アミロイド・デポジッツ・アンド・アミロイドシス;
ザ・ベータ-フィブリローセス』、「ニューイングラン
ド・ジャーナル・オブ・メディシン」(1980)302:12
83−1292頁参照。アミロイド物質、島アミロイドの沈澱
物は、2型真性糖尿病患者のすい臓に見出されることが
多い。クラークA、クーパーGJS等、『アイリット・
アミロイド・フォームド・フロム・ダイアベーツ-アソ
ーシエイティッド・ペプタイド・メイ・ビー・パソジェ
ニック・イン・タイプIIダイアベーツ』、「ランセッ
ト」(1987)2:231−234頁参照。2型糖尿病患者
において、すい臓の中身全体に分散した内分泌細胞のク
ラスター(群)を含む本体である、ランゲルハンス島の9
0%を越える部分に島アミロイドの沈澱物が存在するこ
とを報告した研究者もいる。これらの沈澱物は島の5分
の4以下を占め得、B細胞の喪失およびB細胞密度と関
連性を示す。ウェスターマークP、ウィランダーW、
「ダイアベートロジア」(1970)15:417−421頁
参照。
【0031】試験の結果、影響された島の数およびアミ
ロイド沈澱の範囲は、ヒト(シュナイダーHM、ストー
ケルS、ビルHM、『ダス・アミロイド・デル・ランゲ
ルハンシェン・インスリン・ウント・セルネ・ベツレフ
ング・ツム・ディアベーテス・メリツス』、「ドイチェ
・メディツィニッシェ・ボーヒェンシュリフト」(1980)
105:1143−1147頁参照)および2型糖尿病のマカカ
・ニグラ・モンキーにおける高血糖の度合に従い増加す
ることが示された。ハワードCF、『ロンギチューディ
ナル・スタディーズ・オン・ザ・ディベロップメント・
オブ・ダイアベーツ・イン・インディビデュアル・マカ
カ・ニグラ』、「ダイアベートロジア」(1986)20:3
01−306頁参照。また、インシュリン療法の必要性
により判断したところ、2型糖尿病が重症になるに従い
ヒトにおける島アミロイドの量も増加し、その結果、一
連のインシュリン処置2型糖尿病患者は100パーセン
ト、かなりの島アミロイドを有することが示された。マ
ロイ等、『ザ・リレーション・オブ・アイリット・アミ
ロイド・トゥ・ザ・クリニカル・タイプ・オブ・ダイア
ベーツ』、Human.Pathol.1981,12:917−9
22頁参照。1型糖尿病集団における島アミロイドの有
病率は、非糖尿病集団の場合と殆ど同じである。マロイ
等、前記文献参照。これは、島アミロイド自体が2型糖
尿病における異常インシュリン分泌に導く因子であり得
るという仮説に到達している。クラーク等、「ランセッ
ト」(1987),2:231−234頁参照。
【0032】島アミロイドの化学分析は、これまで全体
としてすい臓におけるアミロイドが不溶性で少量である
ことにより失敗に終わっていた。最近、ランゲルハンス
島のインシュリン発現腫よう(「インスリノーマ」)のア
ミロイド原線維に沈澱した不純ペプチドの一部の様子が
報告された。ウェスターマークP、ベルンステッドC、
ウィランダーE、スレッテンK、『ア・ノーベル・ペプ
タイド・イン・ザ・カルシトニン−ジーン−リレイテッ
ド・ファミリー・アズ・アン・アミロイド・フィブリル
・プロテイン・イン・ザ・エンドクライン・パンクレア
ス』、「バイオケミカル・アンド・バイオフィジカル・
リサーチ・コミュニケーションズ」、(1986)140:8
27−831頁参照。そこに記載されたペプチドは、非
常に不純(約10%以下の純度)であると思われ、事
実、最初の19残基しか同定され得なかった。恐らく同
じ不純な調製物における後続の試験の結果、ペプチドの
37残基のうちの36残基が同定された。36位の残基
は同定され得ず、第2の報告では、2つの他の残基は以
前に報告されたものとは異なることが示された。ウェス
ターマークP、ベルンステッドC、ウィランダーE、ハ
イデンDW、オブライエンTDおよびジョンソンKH、
『アミロイド・フィブリル・イン・ヒューマン・インス
リノーマ・アンド・アイリッツ・オブ・ランガーハンス
・オブ・ザ・ダイアベティック・キャット・アー・ディ
ライブド・フロム・ア・ニューロペプタイド-ライク・
プロテイン・オルソ・プレゼント・イン・ノーマル・ア
イリット・セルズ』、「プロシーディングズ・オブ・ザ
・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンシーズ・オ
ブ・ユーエスエイ」(1987)84:3881−3885頁参照。ウ
ェスターマーク等は、そのペプチドを「島アミロイドポ
リペプチド」またはIAP、続いてIAPPと名付け
た。
【0033】さらに最近、クーパー等は、2型糖尿病患
者のすい臓から抽出されたアミロイド塊から得られたペ
プチドの純度および完全な特性検定を報告した。36位
のアミノ酸は、2つの糖尿病すい臓から得られたペプチ
ドの分離摘出物においてトレオニンとして明白に同定さ
れた。クーパーGJS、ウィリスAC、クラークA、タ
ーナーRC、シムRB、レイドKBM、『ピュリフィケ
ーション・アンド・キャラクタライゼーション・オブ・
ア・ペプタイド・フロム・ジ・アミロイド-リッチ・パ
ンクレアゼス・オブ・タイプ2・ダイアベティック・ペ
ーシャンツ』、「プロシーディングズ・オブ・ザ・ナシ
ョナル・アカデミー・オブ・サイエンシーズ・オブ・ユ
ーエスエイ」(1987)84:8628−8632頁参照。このペプ
チドは、シークエンサー収量と精製ペプチドの試料に関
する定量的蛋白質分析の結果との比較に基づくと、高純
度(純度90%より大)であることが示された。クーパ
ー等は、このペプチドを「糖尿病関連ペプチド」と名付
け、それが糖尿病対象から得られた抽出物には存在する
が、非糖尿病対象から得られた均等抽出物には存在しな
いことに注目した。糖尿病関連ペプチド(「DAP」)
は、1987年4月27日付けのイギリス国特許出願第87
09871号(名称「ペプタイズ」)および1988年4月
27日および1988年11月23日付の対応するアメリカ
合衆国出願の主題であり、真性糖尿病の処置を目的とす
る単独またはインシュリンとの組み合わせにおけるペプ
チドの使用は、GJSクーパーおよびMSキャメロンに
よる1987年8月26日付けイギリス国特許出願第872
0115号(名称「トリートメント・オブ・ダイアベー
ツ・メリタス」)の主題である。
【0034】DAPは、下記アミノ酸配列を有するペプ
チドとしての特徴を示す。
【表1】 証拠は、天然分子が、DAPの一次構造における2およ
び7位に示されたCys残基間にジスルフィド架橋を含
み、3'末端がアミド化され、プロペプチド、すなわち
GSNFSHLFHVTSHQVEKR(KRは、プロ
セッシング・シグナルである)を含むアミリン+N−末
端アミノ酸配列として形成されることを示している。ア
ミリンの完全な生物学的活性を知るためには、アミリン
cys2cys7ジスルフィド結合の存在および分子が非アミド
化でないことを確実にすることが必要である。さらに、
チョウおよびファスマン並びにカイトおよびドーリトゥ
ルの方法(チョウPY、ファスマンGD、Annu.Re
v.Blachem.1978年、47:251−276頁および
カイトJ、ドーリトゥルRFJ、1982年、モレキュラー
・バイオロジー、157:105−132頁参照)によ
るアミノ酸配列の二次構造予測分析は、分子の中間部
分、特に残基18および27間に位置する部分が、水治
療性であり、そして強いベータ−シート形成傾向を有す
るため、分子のこの部分が島アミロイド塊の形成に関与
している可能性が強いことを示している。分子の前記部
分内における、この不溶性凝集体形成傾向は、実験的に
確認された。また、低濃度ではあるが、正常すい臓組織
においてDAPが検出された。
【0035】DAPがすい臓のアミロイド塊から単離さ
れたことから、またレセプター介在ホルモンとしての役
割を有すると思われることから、後で記載する通り、こ
の発明の目的に適えるため、DAPをこの明細書では
「アミリン」と称する。下に示されたアミリン・サブペ
プチド[2]はアミロイド原性である(すなわち、それは
アミロイド形成傾向を有する)。
【0036】
【表2】 さらに、アミリンは少なくとも二官能性であり、この分
子の2つの生物学的作用は、(1)それが、アミリンの存
在下でランゲルハンス島内のB細胞(インシュリン産生
細胞)から、アミリンの非存在下の場合よりも少ないイ
ンシュリンを放出させること、および(2)それが、筋肉
細胞にインシュリン・シグナルを無視させることによ
り、骨格筋における基礎およびインシュリン刺激グリコ
ーゲン合成の両方を大きく減少させることであることが
見出された。
【0037】これらの活性は分子の相異なる部分に存在
することが発見された。ペプチドの一活性部位は、上記
完全アミリン分子の式[1]における残基27−37の
下線により示された、ペプチドの27−37位を占める
C−末端領域に位置することが測定された。これは、後
記実施例4において、アミリン・サブペプチド・アミリ
ン27−37による摘出ランゲルハンス島の処置に続く
グルコース攻撃後のすい臓−島B細胞によるインシュリ
ン放出阻害によりで立証された。同実施例では、サブペ
プチドCGRP27−37を用いても同じ作用が示され
ており、これは完全CGRPの場合と同様にアゴニスト
としてアミリン・レセプターに作用すると考えられる。
【0038】また、アミリンのN−末端部分の働きによ
り、通常インシュリンにより著しく刺激されるプロセス
である、グルコースからグリコーゲンへのプロセシング
が阻止されることが見出された。これは、後記実施例1
および2において、アミリンおよびアミリン・サブペプ
チドによる放射性筋肉の取り込み量の減少の立証により
測定された通り、骨格筋酵素グリコーゲン・シンターゼ
の活性阻害により立証された。
【0039】本質的に、正常濃度では、アミリンは、イ
ンシュリンの作用を低下させることにより、骨格筋への
炭水化物の取り込み(従って、グリコーゲンへの貯蔵)
を増加させる制御システムの一部であり、インシュリン
濃度が循環グルコース・レベルに比べて過剰になった場
合に低血糖を阻止する二次作用を有すると考えられる。
クーパーGJS、キャメロンMS、『トリートメント・
オブ・ダイアベーツ・メリタス』、イギリス国特許出願
第8720115号(1987年8月26日)参照。恐らく
アミリンの生物学的活性は、それにより体が小刻みな要
求に従い炭水化物エネルギー(グルコースとして)の分
布を制御することができる、新しく発見された内分泌ホ
メオスタシス機構であると思われる。
【0040】この機構は、最も適切には、骨格筋におけ
るグリコーゲンとしてのグルコース貯蔵のインシュリン
介在制御に相補的なものとして考えられ得る。恐らくア
ミリンは、二次細胞内メッセンジャー分子によるインシ
ュリン・レセプターの機能と恐らく似た方法で、グリコ
ーゲン・シンターゼの活性制御を助けるレセプター介在
機構を介して作用し(チェッヘMP、『ザ・ネイチャー
・アンド・レギュレーション・オブ・ジ・インシュリン
・レセプター・ストラクチャー・アンド・ファンクショ
ン』、「アニュアル・レビュー・オブ・フィジオロジカ
リー」、1985年、47:357−381頁、およびエス
ピナルJ、『メカニズムス・オア・インシュリン・アク
ション』、「ネイチャー」、1987年、328:574−
575頁参照)、それによりグリコーゲンへのグルコー
スの取り込みを制御するものと思われる。
【0041】すなわち、インビトロ方法を用いることに
より、インシュリンおよび放射性グルコースが与えられ
た摘出ラット骨格筋組織は、アミリン化合物が存在しな
い対照実験と比べた場合、アミリンおよびある種のアミ
リン・サブペプチドの存在下においてあらゆる生理学的
濃度でグリコーゲン合成の減少を示すことが見出され
た。これらの予想外の発見は、後記実施例1および2の
記載に従い、次の通り確認された。
【0042】1) 全合成アミリン(残基1−37、バラ
ニーおよびメリフィールドの方法により化学的に合成さ
れた(1979年)。『ソリッド・フェーズ・シンセシス』、
グラスE、メレンヘーターJ編、「ザ・ペプタイズ」ア
カデミック・プレス・ニューヨーク、ニューヨーク);
【0043】2) ヒト糖尿病患者のすい臓から抽出さ
れ、クーパーGJS等の方法に従って精製された全天然
アミリン。クーパーGJS、ウィリスAC等、「プロシ
ーディングズ・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オ
ブ・サイエンシーズ・オブ・ザ・ユーエスエイ」(前出)
参照。この場合、分子の同一性は、バージョン2.0ソ
フトウェア(アプライド・バイオシステムズ、フォスタ
ー・シティー、カリフォルニア)のO2CPTHサイク
ルを用い、アプライド・バイオシステムズ470A蛋白
質シークエンサーにおいてエドマン方法によるアミノ酸
配列決定により測定された(ハーリックCM、ハンキャ
ピラーMW、ドライヤーWJ、「ジャーナル・オブ・バ
イオロジカル・ケミストリー」(1981年)256:7990−
7997頁参照)。;および
【0044】3) 全てバラニーおよびメリフィールドの
方法(前出)に従い化学的に合成された、最初の16残基
(2−7ジスルフィド架橋を伴う場合も伴わない場合も
ある)および残基8−37を含むアミリンの部分に対応
する様々なサブペプチド(下記サブペプチド[3]−[5]
として同定)。グリコーゲンへの放射性グルコースの取
り込み低下における活性が立証されたサブペプチド[3]
および[4]は次の通りであった。
【表3】
【0045】また、アミリンの第8〜第37残基に対応
するサブペプチド[5](下に示されている)は、グリコ
ーゲンへの放射性グルコースの取り込みを低下させた。
【表4】
【0046】インビトロ摘出ラット骨格筋において、グ
リコーゲンへの放射性グルコースのインシュリン刺激に
よる取り込みの低下活性を示さなかったアミリン・ペプ
チドは、下記サブペプチド[6]および[7]、すなわち、
アミリン27−37およびser2,ser7アミリン1−16
を含んでいた。
【表5】 サブペプチド[7]において、2および7位にCys残基を
含むSH基は、Ser残基を含むヒドロキシル基により置
換された。
【0047】サブペプチド[3]−[7]による結果は、2
および7位におけるCys残基の存在が分子における活性
に必要であり、無傷のCys(2)−Cys(7)ジスルフィド
結合の非存在下に残りの活性が存在することを示した。
さらに、後記実施例4で示された通り、サブペプチドの
アミリン27−37およびCGRP27−37は、標準
グルコース攻撃に応じてランゲルハンス島により産生さ
れるインシュリンの量を減少するよう作用し得ることが
立証された。
【0048】重要なことには、アミリン・ペプチド自体
を用いることにより、例えば還元、脱アミド化またはプ
ロアミリンの使用により、その活性を中和または妨害す
る、すなわち2型糖尿病の処置に役立つ化合物を製造す
ることができる。一方法は、アミリン分子の活性部位
(複数も可)の同定、次いでアミリン・ペプチド配列の
それらの活性部位の変化、活性部位内のアミノ酸の他の
アミノ酸による置換に関するもので、その結果、このペ
プチドは、レセプター部位に対するその結合親和力を失
わないが、結合すると活性を促進することができないた
め、アミリンの作用をブロックする。この方法は、アミ
リンおよびCGRPのC−末端活性部位、すなわちアミ
リン27−37およびCGRP27−37に適用され
得、アミリンのN−末端活性部位である、筋肉における
基礎およびインシュリン刺激グリコーゲン合成速度の阻
害誘発における活性を示す分子のその部分により既に立
証されている。すなわち、後記実施例3において、置換
サブペプチドser2,ser7アミリン1−16、上記サブペ
プチド[7]が筋肉におけるアミリンの作用を改良するこ
とが示された。他の置換アンタゴニストには、ser2、se
r7アミリン、ser2、ser7CGRPおよびser2、ser7CG
RP1−16がある。また、ペプチドまたはサブペプチ
ドの活性領域内における化学的に変化したアミノ酸残基
の置換は、活性を生ずることなく結合親和力を維持する
という目的を達成する。アミリンまたはCGRP活性部
位への化学的に変化した残基の取り込みは、化学的に変
化した活性化残基をこの明細書に記載されている合成プ
ロトコルに組み込むことにより達成され得る。置換に関
する標的残基には、アミノ酸の2−7、9、11−1
3、15、16、30−34および37位の残基があ
る。
【0049】アミリンの、およびそのレセプターまたは
そのレセプターの一部と共に結晶化されたアミリンの構
造の結晶学的分析により、アミリンとそのレセプター間
との相互作用の分析が可能になる。その分析により、ア
ミリンとそのレセプター間との相互作用において第一に
重要であるこれら残基の測定が可能になり、また有効な
アンタゴニストを製造するためにはどの残基を変えるべ
きかが示される。また、アミリン−アミリン・レセプタ
ー相互作用の構造分析により、有望な分子形状および有
機阻害剤において必要な他の構造上の特徴の測定が可能
になる。例えば、ビョルクマンPJ、サパーMA、サム
レウイ、ベンネットWS、ストロミンガーJL、ウィリ
ーDC、『ストラクチャー・オブ・ザ・ヒューマン・ク
ラスI・ヒストコンパティビリティー・アンティゲン、
HLA−A2』、「ネイチャー」、1987年、439:5
06−512頁参照。また、ビョルクマンPJ、サパー
MA、サムラウイB、ベンネットWS、ストロミンガー
JL、ウィリーDC、『ザ・フォーリン・アンティゲン
・バインディング・サイト・アンド・Tセル・レコグニ
ション・リージョンズ・オブ・クラスI・ヒストコンパ
ティビリティー・アンティゲン』、「ネイチャー」、198
7年、329:512−518頁参照。
【0050】ランゲルハンス島によるアミリン産生の代
謝制御は、次の要領で測定され得る。後記実施例1で概
略が示された実験プロトコルを用い、また標準放射線免
疫検定法または生物流体中のアミリンの測定を目的とし
て開発された免疫測定法(ヤロウRS、バーソンSA、
「ジャーナル・オブ・クリニカル・インベスティゲーシ
ョン」、1960年、39:1157頁参照)を用いることによ
り、アミリンの合成および放出を制御する代謝変数の測
定が可能になる。従って、例えば、摘出した島を、様々
な濃度の候補分子、中間代謝物およびシグナル分子、例
えば生物学的活性ペプチドの両者とインキュベーション
することにより、アミリンの合成および放出に対してど
の分子が積極的に作用し、どの分子が消極的であるかを
測定することができる。様々なシグナルに対する島の応
答は、島のインキュベーションに使用されている媒質中
へのアミリンの合成および放出の測定、そしてまた、ア
ミリン特異的mRNAの合成速度の測定により測定され
得る。次に、アミリン・レセプター自体に関して下記で
概略を述べたものと同じ技術を用いて、この機構による
分子のブロッキング効果を調べることができる。
【0051】アミリン・レセプター部位の同定により、
その活性を直接ブロックすることが可能になる。この発
明の一態様では、インシュリン抵抗をブロックするモノ
クローナル抗体が2方法のうちの一法により得られる。
アミリン・レセプター部位の同定および所望による精製
後に公知技術を用いて、レセプターに対するモノクロー
ナル抗体が生成される。例えば、ロスRA、キャッセル
DJ、ウォングKY、マデュックスB、ゴールドファイ
ンID、『モノクローナル・アンティボディーズ・トゥ
・ザ・ヒューマン・インシュリン・レセプター・ブロッ
ク・インシュリン・バインディング・アンド・インヒビ
ット・インシュリン・アクション』、「プロシーディン
グズ・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイ
エンシーズ・オブ・ザ・ユーエスエイ」、1982年、7
9:7312−7316頁参照。
【0052】アミリン・レセプターに対する抗体は、B
ALB/cまたは他の類似系統のマウスにおいて、アミ
リン・レセプターの精製もしくは部分精製調製物で、ま
たは高濃度のアミリン・レセプターを有する細胞で免疫
化することにより産生され得る。これらのマウスのひ臓
を摘出し、それらのリンパ球をマウス・ミエローマ・セ
ルラインと融合させることができる。公知技術によりハ
イブリッドをスクリーニング後、アミリン・レセプター
に対する抗体を生成する安定したハイブリッドが分離さ
れる。その活性は、そのレセプターへの放射性標識アミ
リン(例、125I−標識アミリン)の結合を阻止する抗体
の能力により立証され得る。次に、後記実施例で記載し
た通り、モノクローナル抗体を、摘出した島におけるグ
ルコース誘発インシュリン分泌の阻害および骨格筋にお
けるインシュリン抵抗の生成に関するアミリンの作用を
阻止する能力について検査することができる。さらに詳
しくは、後記実施例1および2で概略を述べたスクリー
ニング試験を用い、後記実施例4と同様の実験設計にお
いてモノクローナル抗体を置換ペプチドと置き換えるこ
とにより、アミリンのインシュリン抵抗またはインシュ
リン放出阻害作用の阻止に関するモノクローナル抗体の
分析を行うことができる。成長ホルモンおよびグルココ
ルチコイドを含むある種の内分泌ホルモンは、標的遺伝
子の転写を変更することによりそれらの代謝作用を発揮
する。現在では、ステロイド・ホルモンアンタゴニスト
を用いてステロイドホルモンの作用をブロックする先例
が存在する。ステロイド活性は、一連のトランス作用
(transacting)因子により調節される。従って、これ
らの処理因子の機能を変える因子は、標的遺伝子に対す
るステロイドホルモンの作用を変えることができる。
【0053】抗イディオタイプ抗体の使用を含むさらに
別の方法がある。抗イディオタイプ抗体が、アミリンに
対して指向したモノクローナル抗体に対して生成され、
かくして抗イディオタイプは、勿論、アミリン結合と関
連した活性促進作用を伴わずにアミリン・レセプター部
位に相補的な結合親和力を有するようになる。ウイルス
の細胞への結合をブロックするための抗イディオタイプ
抗体の利用は、当業界では公知である。カウフマンR
S、ノーズワーシーJH、ネポムJT、フィンダーグ
R、フィールズBN、グリーネMI、『セル・レセプタ
ー・フォー・ザ・ママリアン・レオビールス。モノクロ
ーナル・アンティ-イディオティピック・アンティボデ
ィー・ブロックス・バイラル・バインディング・トゥ・
セルズ』、「ジャーナル・オブ・イミュノロジー」、198
3年、131:2539−2541頁参照。また、ブルデッテ
S、シュバルツRS、『カレント・コンセプツ:イミュ
ノロジー−イディオタイプス・アンド・イディオティピ
ック・ネットワークス』、MedInt、1987年、317:
219−224頁参照。
【0054】また、アミリン活性は、二官能性架橋剤を
含む技術の利用により阻害され得る。この技術を用いる
と、薬剤により架橋アミリンおよび/またはアミリン・
アゴニストによるレセプターの結合が可能になり、その
結果アミリン活性は阻害される。公知技術を用いて
(例、ガラーディ等、『フォトアフィニティー・ラベリ
ング・オブ・ペプタイド・ホーモン・バインディング・
サイツ』、「ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミ
ストリー」、1974年、249:3510−3518頁およびユィ
ッピCC、イェウングCW、モウルML、『フォトアフ
ィニティー・ラベリング・オブ・インシュリン・レセプ
ター・プロテインズ・オブ・リバー・プラズマ・メンブ
ラン・プレパレーションズ』、「バイオケミストリ
ー」、1980年、19:70−76頁参照)(架橋剤p−ア
ジド安息香酸のN−ヒドロキシスクシンイミドエステ
ル)、そのような標識薬剤を、例えばアミリン、CGR
Pまたはそれらのいずれかの生物学的活性サブペプチド
に架橋することにより、それらはアミリン・レセプター
への結合に関する活性を阻害する。
【0055】化学架橋剤、例えばジスクシンイミジルス
ベラート、p−アジド安息香酸のN−ヒドロキシスクシ
ンイミドエステルまたは他の類似化合物は、文献で報告
されている適当な標準的方法により、アミリンまたはア
ミリン分子のサブペプチド、または他のアミリン・アゴ
ニスト、例えばCGRPと共有結合する。次に、誘導体
をCM-セルロースまたは別の適当な固定相を用いたク
ロマトグラフィーにより精製し、ポリアクリルアミドゲ
ル電気泳動またはC−8もしくはC−18カラムを用い
た逆相クロマトグラフィーにより(0.1%または1%ト
リフルオロ酢酸の移動相およびアセトニトリル勾配)純
度を評価する。後記実施例で概略を示した実験プロトコ
ルに従い、アミリンのインシュリン阻害およびインシュ
リン抵抗を生ずる作用の阻害能について架橋分子を生物
検定する。架橋アミリンを、その免疫反応性について、
アミリン・レセプター結合能を評価し、例えば125Iで
標識すると、アミリン・レセプター検出用プローブとし
てそれを使用することが可能になる。
【0056】適当なアミリン競合的阻害剤を構築する別
の方法には、合成または他のアンタゴニストに関する生
物学的スクリーニングがある。この場合、適当な競合的
阻害剤をインビトロ実験により測定し、その実験によっ
て、インシュリンの存在または非存在下、可能性のある
アンタゴニストを摘出した筋肉または筋肉細胞および精
製アミリンに加え、組織培養中の細胞によるグルコース
取り込みをモニターする。可能性のあるアンタゴニスト
の存在下での取り込みの増加は、その化合物が必要な阻
害特性を有したことを示す。この方法により、多くの有
望な合成アンタゴニストの比較的迅速なマイクロタイタ
ー・プレート分析が可能になる。また、摘出肝細胞、ラ
ンゲルハンス島または分離島B細胞は、別法として増加
したインシュリン産生をモニターする類似プロトコルで
使用され得る。
【0057】さらにまた、免疫検定スクリーニングを用
いることにより、マイクロタイター・ウェルに固定した
モノクローナル抗体をアミリンまたは抗イディオタイプ
抗体と置換する合成または他のアンタゴニストは、その
ようなアンタゴニストが上記生物学的スクリーニング・
パラメーターの下で評価されるべきであることを証明す
る。試験すべき化合物またはアミリンもしくは抗イディ
オタイプ抗体は標識され得る。免疫検定スクリーニング
は、様々な有望なアンタゴニストに関する第一相スクリ
ーニング技術として利用され得る。これらのスクリーニ
ング方法は、1種またはそれ以上の陽性および/または
陰性対照の使用を含み得る。
【0058】なお、本発明の実施態様は以下のように記
載することもできる。 (1)アミリン・アンタゴニストの投与を含む、2型真性
糖尿病およびその症状の処置方法。 (2)アミリン・アンタゴニストがアミリン・レセプター
に競合的に結合することができる、1記載の方法。 (3)アミリン・アンタゴニストが置換アミリンを含むも
のである、1記載の方法。 (4)置換アミリンがser2、ser7アミリンである、3記載
の方法。 (5)アミリン・アンタゴニストがアミリンのサブペプチ
ドを含むものである、1記載の方法。
【0059】(6)サブペプチドが置換アミリン・サブペ
プチドである、5記載の方法。 (7)置換アミリン・サブペプチドがser2、ser7アミリン
1−16である、6記載の方法。 (8)アミリン・アンタゴニストが架橋アミリン・アゴニ
ストを含むものである、1記載の方法。 (9)アゴニストが、アミリン、アミリン1−16、アミ
リン8−37、アミリン27−37、カルシトニン遺伝
子関連ペプチド、カルシトニン遺伝子関連ペプチド1−
16、カルシトニン遺伝子関連ペプチド8−37および
カルシトニン遺伝子関連ペプチド27−37から成る群
から選ばれたものである、8記載の方法。 (10)アミリン・アンタゴニストがアミリン・レセプ
ターに指向した抗体を含むものである、2記載の方法。
【0060】(11)抗体がモノクローナルである、10記
載の方法。 (12)アミリン・アンタゴニストが、アミリン指向抗体に
対する抗イディオタイプ抗体を含むものである、1記載
の方法。 (13)抗イディオタイプ抗体および/またはアミリン指向
抗体がモノクローナルである、12記載の方法。 (14)アミリン・アンタゴニストが非アミド化アミリンで
ある、1記載の方法。 (15)アミリン・アンタゴニストがグリコーゲン合成阻害
をブロックする、1記載の方法。
【0061】(16)アミリン・アンタゴニストがインシュ
リン分泌阻害をブロックする、1記載の方法。 (17)アミリン・アンタゴニストが非競合的アンタゴニス
トである、1記載の方法。 (18)非競合的アンタゴニストが、アミリンおよびカルシ
トニン遺伝子関連ペプチドから成る群から選ばれた分子
に対して指向した抗体を含むものである、17記載の方
法。 (19)抗体がモノクローナルである、18記載の方法。 (20)アミリンまたはカルシトニン遺伝子関連ペプチドに
対して指向した抗体がアミノ酸1−16の領域で結合す
る、18記載の方法。
【0062】(21)アミリンまたはカルシトニン遺伝子関
連ペプチドに対して指向した抗体がアミノ酸27−37
の領域で結合する、18記載の方法。 (22)アミリン・アンタゴニストの投与を含む、インシュ
リン抵抗の軽減方法。 (23)アミリン・アンタゴニストの投与を含む、すい臓組
織におけるインシュリン抑制の軽減方法。 (24)アミリン・アンタゴニスト。 (25)架橋アミリン・アゴニストを含む、24記載のアミ
リン・アンタゴニスト。
【0063】(26)アゴニストが、アミリン、アミリン1
−16、アミリン8−37、アミリン27−37、カル
シトニン遺伝子関連ペプチド、カルシトニン遺伝子関連
ペプチド1−16、カルシトニン遺伝子関連ペプチド8
−37およびカルシトニン遺伝子関連ペプチド27−3
7から成る群から選ばれたものである、25記載のアミ
リン・アンタゴニスト。 (27)置換アミリンを含む、24記載のアミリン・アンタ
ゴニスト。 (28)ser2、ser7アミリンを含む、27記載のアミリン・
アンタゴニスト。 (29)アミリンのサブペプチドを含む、24記載のアミリ
ン・アンタゴニスト。 (30)置換アミリン・サブペプチドである、29記載のサ
ブペプチド。
【0064】(31)ser2、ser7アミリン1−16を含む、
30記載の置換アミリン・サブペプチド。 (32)非アミド化アミリンを含む、24記載のアミリン・
アンタゴニスト。 (33)アミリン・レセプターに競合的に結合することがで
きる、24記載のアミリン・アンタゴニスト。 (34)アミリン・レセプターに指向した抗体を含む、33
記載のアミリン・アンタゴニスト。 (35)モノクローナルである、34記載の抗体。
【0065】(36)アミリンに指向した抗体に対する抗イ
ディオタイプ抗体を含む、24記載のアミリン・アンタ
ゴニスト。 (37)抗イディオタイプ抗体および/またはアミリン指向
抗体がモノクローナルである、36記載のアミリン・ア
ンタゴニスト。 (38)グリコーゲン合成阻害をブロックする、24記載の
アミリン・アンタゴニスト。 (39)インシュリン分泌阻害をブロックする、24記載の
アミリン・アンタゴニスト。 (40)非競合的である、24記載のアミリン・アンタゴニ
スト。
【0066】(41)アミリンおよびカルシトニン遺伝子関
連ペプチドから成る群から選ばれた分子に対して指向し
た抗体を含む、40記載の非競合的アミリン・アンタゴ
ニスト。 (42)モノクローナルである、41記載の抗体。 (43)アミノ酸1−16の領域においてアミリンまたはカ
ルシトニン遺伝子関連ペプチドに結合する、41記載の
抗体。 (44)アミノ酸27−37の領域においてアミリンまたは
カルシトニン遺伝子関連ペプチドに結合する、41記載
の抗体。 (45)アミリン・アンタゴニストに関するスクリーニング
または検定方法であって、 a.インシュリンの存在下または非存在下およびグルコ
ースの存在下、アミリン・アンタゴニスト活性について
試験すべき化合物を、摘出した筋肉または筋肉細胞およ
びアミリンと一緒にし、そして b.試験すべき化合物の存在下で、筋肉または筋肉細胞
がグルコースの取り込み増加を示すか否かを測定する段
階を含む方法。
【0067】(46)さらに、陰性および/または陽性対照
の使用を含む、45記載の方法。 (47)グルコースがUDPグルコースである、45記載の
方法。 (48)UDPグルコースが標識されている、47記載の方
法。 (49)アミリン・アンタゴニストに関するスクリーニング
または検定方法であって、 a.アミリン・アンタゴニスト活性に関して試験すべき
化合物を、グルコースの存在下、摘出したランゲルハン
ス島または島B細胞およびアミリンと一緒にし、 b.ランゲルハンス島または島B細胞が、試験化合物
の存在下でインシュリン産生の増加を示すか否かを測定
する段階を含む方法。 (50)さらに、陰性および/または陽性対照の使用を含
む、49記載の方法。
【0068】(51)アミリン・アンタゴニストのスクリー
ニング方法であって、 a.アミリン・アンタゴニスト活性について試験すべき
化合物を、アミリンまたは抗アミリン抗体に対して指向
した抗イディオタイプ抗体の存在下、抗アミリン抗体と
一緒にし、そして b.試験化合物が抗アミリン抗体をアミリンまたは抗イ
ディオタイプ抗体と置換するか否かを測定する段階を含
む方法。 (52)抗体の一方または両方がモノクローナルである、5
1記載の方法。 (53)さらに、陰性および/または陽性対照の使用を含
む、51記載の方法。 (54)アミリンまたは抗イディオタイプ抗体が標識されて
いる、51記載の方法。 (55)試験すべき化合物が標識されている、51記載
の方法。
【0069】以下、この発明に関する理解を助けるべく
実施例を記載するが、勿論、この明細書に記載され、請
求の範囲に示されている発明を具体的に限定するものと
して考えるべきではない。現在知られているかまたは後
で開発されたあらゆる均等内容事項との置き換えを含
め、当業界の技術範囲内に含まれる発明の変形は、後記
請求の範囲に記載されているこの発明の範囲内に含まれ
るものとする。
【0070】
【実施例】
実施例1 これらの実験は、天然アミリンおよび合成非アミド化
(unamidated)アミリンの両方が、基礎およびインシュ
リン刺激モードの両方においてグリコーゲン合成速度を
低下させるという事実を示す。最初の実験は、Cys(2)
およびCys(7)間のジスルフィド架橋を再形成させた、
バレイおよびメリフィールドの方法(概略は上述)に従
い合成されたアミリン-ペプチド1−37により行なわ
れた。
【0071】一夜飢餓状態にした後、ラットを殺し、以
前に報告された方法に従いひらめ筋細片を調製した。ク
レタッツM、プレントキM、ザニネッティD、ジャンル
ノーB、『インシュリン・レジスタンス・イン・ソリア
ス・マスル・フロム・オビーズ・ザッカー・ラッツ』、
「バイオケミカル・ジャーナル」、1980年、186:5
25−534頁およびエスピナールJ、ドームL、ニュ
ーショルムEA、『センシティビティー・トゥ・インシ
ュリン・オブ・グリコリシス・アンド・グリコーゲン・
シンセシス・オブ・アイソレイティッド・ソリアス・マ
スル・ストリップス・フロム・セデンタリー、エクササ
イズド・アンド・エクササイズ-トレインド・ラッ
ツ』、「バイオケミカル・ジャーナル」、1983年、21
2:453−458頁参照。
【0072】摘出した筋肉を、37℃で、NaCl(10
4)、ヘペス(6.7)、NaHCO3(22)、KCl(4)、
CaCl2(1.1)、KH2PO4(1)、MgSO4(1)、ピル
バート(5)、スクシナート(5)、1−グルタマート
(5)、d−グルコース(5.5)の組成(ミリモル)を有する
クレブス-リンガー重炭酸緩衝液を含むシリコーン処理
した25mlエーレンマイヤー・フラスコに直ちに移し
た。脱脂牛血清アルブミン(チェンR、『リムーバル・
オブ・ファッティ・アシッズ・フロム・セラム・アルブ
ミン・バイ・チャーコール・トリートメント』、「ジャ
ーナル・オブ・バイオロジカル・ケミストリー」、1967
年、242:173−181頁参照)を加えて最終濃度
を1.5%とし、pHを7.31に調節した。調製中、媒
質をO2/CO2(95/5)によりガス処理した。イン
キュベーションの間、フラスコを連続的にO2/CO2
よりガス処理した。30分のプレインキュベーション
後、ピルバート、スクシナートまたは1−グルタマー
ト、UDP−14C−グルコース(0.5μCi/ml)およ
び様々な濃度のインシュリン(1、10、100および
100mU/L)を含む同じクレブズ-リンガー重炭酸緩
衝液を入れた他のフラスコに筋肉を移した。アミリンを
実験対象の半分に加えて最終濃度を120ナノモル/L
とした。60分のインキュベーション後、筋肉を迅速に
除去し、ブロットし、液体N2中で凍結固定し、グリコ
ーゲンへのUDP−14C−グルコース取り込みの程度の
測定用に処理した。ケンデットQ、ローテンE、ジュン
ルノーB、レノルドA、『ディクリースト・ベーサル・
ノン-インシュリン・スティミュレイティッド・グルコ
ース・アップテイク・アンド・メタボリズム・バイ・ス
ケレタル・ソリアス・マスル・アイソレイティッド・フ
ロム・オビーズ-ハイパーグリカスミック・マイス』、
「ジャーナル・オブ・クリニカル・インベスティゲーシ
ョン」、1979年、58:1078−1088頁参照。グルコース
からラクテートへの変換速度を測定することにより、グ
ルコース輸送に対するインシュリンの効果を測定した。
ライフトンB、チャリスRAJ、ロゼマンFJ、ニュー
ショルムEA、『エフェクツ・オブ・デキサメタゾン・
オン・インシュリン-スティミュレイティッド・レーツ
・オブ・グリコリシス・アンド・グリコーゲン・シンセ
シス・イン・アイソレイティッド・インキュベーティッ
ド・スケレタル・マスルズ・オブ・ザ・ラット』、「バ
イオケミカル・ジャーナル」、1987年、246:551
−554頁およびエンゲルP、ジョーンズJ、『コーズ
ィズ・アンド・エリミネーション・オブ・エラティック
・ブランクス・イン・エンザイマティック・メタボライ
ト・アッセイズ・インボルビング・ザ・ユース・オブ・
NAD+・イン・アルカリン・ヒドラジン・バッファー
ズ』、「アナリティカル・バイオケミストリー」、1978
年、88:475−484頁参照。
【0073】アミリンの存在下および不存在下でのイン
シュリン濃度に対するグリコーゲン合成速度(グリコー
ゲンへの14C−UDP−グルコースの取り込み速度とし
て測定)を示す結果が添付の第1表に記載される。これ
らの実験は、1リットル当たり120ナノモルのアミリ
ンの存在下で行なわれた。1mL当たり1および100
マイクロ単位のインシュリン濃度での各結果は、11回
反復した実験の平均である。1mL当たり10および1
000マイクロ単位での各結果は、5回反復した実験の
平均である。
【0074】結果は、インシュリンの全生理学的濃度
(1mL当たり1〜100マイクロ単位)において、グ
リコーゲン合成がアミリンの存在下では緩慢になること
を立証している。差異は統計的に有為である(マン-ホ
イットニーU試験により、pは、1mL当たり1および1
00マイクロ単位において0.05未満である)。
【0075】
【表6】 *-- 湿った筋肉組織1グラム、1時間当たりのマイク
ロモル・グリコシル単位。相対グリコーゲン合成阻害
は、グリコーゲン合成を対照から減じた場合のパーセン
テージに等しい。平均の標準誤差は、標準偏差を反復数
の平方根により除したものとして定義される。
【0076】アミリンによるグリコーゲン合成阻害は、
低い、恐らくはゼロのインシュリン濃度においてさえ持
続することが観察される。従って、アミリンはそれ自体
の作用を有し、その作用は、インシュリンの作用とは反
対であるが、恐らくインシュリン作用の直接アンタゴニ
ズムは介在していないと思われる。これを支持するもの
として、アミリンは、赤血球上のレセプターからインシ
ュリンを著しく排することはできないことが観察され
た。これは、ラットの骨格筋細胞におけるペプチド・ア
ミリンのレセプターの存在を立証している。勿論、この
実験は、ヒト配列に従い合成されたアミリンにより行な
われ、まだ未知ではあるが、「ラット−アミリン」の配
列はヒト・アミリンの配列とは異なるものと思われる。
従って、また、このシステムにおけるラット・アミリン
の作用は、ヒト・アミリンの作用よりも顕著に大きいも
のであり得ることが考えられる。
【0077】また、単離された天然アミリンは、下記実
験が立証する通り、骨格筋における基礎およびインシュ
リン刺激グリコーゲン合成の速度を阻害する生物学的作
用を有する。クーパーGJS等の方法(プロシーディン
グズ・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイ
エンシーズ、1987年、84:8628−8632頁)に従い、ヒ
ト2型糖尿病患者のすい臓から単離および特性検定した
ヒト・アミリンにより実験を行なった。使用した試料
は、280nmでの紫外線分光法によりペプチドを検出す
るC−18カラムでの1.0パーセントのトリフルオロ
酢酸を移動相とし、45分間にわたる5〜80パーセン
トのアセトニトリルにより勾配溶出する、HPLC逆相
クロマトグラフィーの最終分離段階の広いピーク領域か
ら得られたものである。定量的アミノ酸分析およびアミ
ノ酸配列決定における収率により、アミリンの正確な濃
度を確認した。Y軸は0.02または0.05吸光度単位
のAUFS280(AUFS:吸光度単位、実物大偏向)
を表し、X軸は勾配におけるアセトニトリル・パーセン
テージを表すものとして、アミリンの溶出プロフィール
を示すグラフを描くことができる。アミリンは67.9
%のアセトニトリル・パーセンテージで溶出した。
【0078】後記実施例4に示す方法で実験を行った
が、ただし、化学合成材料の代わりにヒト糖尿病すい臓
から分離したアミリンを用いた。「アミリン」と示され
た試料は、記載された濃度の天然アミリンおよび10μ
U/mL(表2)の基礎濃度または100μU/mL(表
3)の刺激レベルのインシュリンを含んだ。これらの結
果を下記表2および表3に示す。表中、n は各群におけ
る反復数を示す。解糖速度は、ラクテート合成速度が示
す通り、群間で顕著に異なることはなかった。t−試験
により統計分析を行い、有為性を、アミリン処置試料お
よび適当なインシュリン処置対照の間の差異として評価
した。
【0079】
【表7】 *--湿った筋肉組織1グラム、1時間当たりのマイクロ
モル・グリコシル単位。相対グリコーゲン合成阻害は、
グリコーゲン合成を対照から減じた場合のパーセンテー
ジに等しい。平均値の標準誤差は、標準偏差を反復数の
平方根により除したものとして定義される。グリコーゲ
ン合成の測定値は全て、T−試験により全ての場合にお
いてp<0.025で、対照値とは顕著に異なることが測定さ
れた。
【0080】
【表8】
【0081】0.4ナノモル/L程度の低い濃度の抽出
アミリンが、分離したラット筋肉における基礎およびイ
ンシュリン刺激グリコーゲン合成の両方の顕著な速度低
下に有効であること、並びに2.0ナノモル/Lのアミ
リン濃度が、グリコーゲン合成の基礎速度を50パーセ
ント、およびインシュリン刺激速度を47パーセント低
下させることが判る。これは、同じ方法ではあるが、化
学合成非アミド化アミリンを用いて行った先の実験結果
とは対照的であり、この場合、グリコーゲン合成におい
て顕著な低下を生じさせるには120ナノモル/Lの非
アミド化アミリン濃度を必要とした。
【0082】これらの結果は、天然供給源から抽出され
たアミリンの方が、前述の化学合成アミリンよりも少な
くとも120/2の率または60倍強力であったことを
立証している。これは、合成材料により完全には再生さ
れないという特色を示す分離分子の存在を示している。
これは、Cys(2)−Cys(7)ジスルフィド架橋の再形成
が合成分子では不完全であるためであり得る。
【0083】実施例2 また、アミリンの合成サブペプチドによる実験を行っ
た。それらの個々の構造は既にサブペプチド[3]−[5]
として示されている。上記方法により行なった実験で、
アミリンのグリコーゲン合成阻害活性部位の局在化に使
用したアミリン・サブペプチドには、[3]アミリン1−
16(Cys(2)−Cys(7)架橋が再形成された)、[4]ア
ミリン1−16(還元)、[5]アミリン8−37、[6]
アミリン27−37および[7]アミリン1−16(Cys
残基2および7をSer残基により置換)が含まれた。
【0084】ペプチドは全て、市販されているパム樹脂
およびt−ブチルオキシカルボニル保護アミノ酸および
試薬を用いて、アプライド・バイオシステムズ430A
ペプチド・シンセサイザーにおいて合成された。遊離ラ
ジカル・トラップとしてアニソールを用いた無水フッ化
水素酸処理により同時に樹脂および側鎖保護基からペプ
チドを開裂させ、次いで、側鎖保護基をエーテルにより
抽出し、15パーセント酢酸にペプチドを溶かし、樹脂
からろ過し、アセトニトリル勾配で0.1%トリフルオ
ロ酢酸水溶液を移動相とするC−8逆相カラム(アクア
ポアRP−3000、ブラウンリー・ラボラトリーズ、
サンタ・クララ、カリフォルニア)HPLCにより精製
し、206nmでの紫外線分光法によりペプチドを検出し
た。ペプチド[3]の2および7位のシステイン残基を結
合するジスルフィド架橋を次の方法により再形成した。
合成後、ペプチドを12時間pH8の希釈水溶液に溶か
し、次いで凍結乾燥により回収し、アセトニトリル−
0.1%トリフルオロ酢酸水溶液系中、逆相クロマトグ
ラフィーによる高性能液体クロマトグラフィー(HPL
C)システムにおいて再精製した。206nmでの紫外線
吸光度によりペプチドが検出された。例えば、クーパー
GJS等、「プロシーディングズ・オブ・ザ・ナショナ
ル・アカデミー・オブ・サイエンシーズ・オブ・ザ・ユ
ーエスエイ」、1987年、84:8626−8632頁参照。合成
後の脱ブロッキング工程後、ジチオトレイトール還元に
より、ペプチド[4]のジスルフィド結合は還元形態で保
持された。
【0085】結果は、サブペプチド[3]、[4]および
[5]、すなわち、酸化によりCys(2)−Cys(7)が再形
成されたアミリン1−16、還元されたアミリン1−1
6およびアミリン8−37に顕著な活性が存在すること
を示した(データは示さず)。サブペプチド[6]および
[7]、すなわちアミリン27−37およびシステイン残
基をセリン残基により置換したアミリン1−16には活
性は存在しなかった。従って、骨格筋における基礎およ
びインシュリン刺激グリコーゲン合成の両速度を阻害す
るアミリンの活性は、アミリン分子のある特徴に依存し
ている。すなわち、 1.分子における2および7位のCys残基の存在、 2.7および16残基間の配列の他の部分。
【0086】実施例3 アミリン・ブロッカーとして2および7位のシステイン
がセリンにより置換されたアミリン1−16(ser2,se
r7アミリン1−16)を用いた実験を実施例2の記載と
同様に行った。システインをセリンにより置換した人工
合成ペプチド・アミリン1−16およびヒト抽出アミリ
ンを用いた。2.0および0.2ナノモル/Lの両濃度の
アミリン、100μU/mLの刺激インシュリン濃度お
よび10-5モル/Lの濃度のser2,ser7アミリン1−1
6を用いて実験を行った。これらの実験で得られた結果
は、下記表4に含まれている。
【0087】
【表9】 *-- 湿った筋肉組織1グラム、1時間当たりのマイク
ロモル・グリコシル単位。相対グリコーゲン合成阻害
は、グリコーゲン合成を対照から減じた場合のパーセン
テージに等しい。相対アンタゴニスト作用は、アミリン
単独から相対インシュリン抵抗を減じた場合のパーセン
テージに等しい。平均値の標準誤差は、標準偏差を反復
数の平方根により除したものとして定義される。
【0088】これらの結果は、2.0ナノモル/Lおよ
び0.2ナノモル/Lの両濃度のアミリンが、グリコー
ゲン合成阻害において活性を呈し、両実験で対照よりも
顕著な減少が見られることを立証する。他方、ser2,ser
7アミリン1−16の追加後、グリコーゲン合成のイン
シュリン刺激速度間に顕著な差異は存在せず、インシュ
リン、アミリンおよびser2,ser7アミリン1−16で処
置した筋肉を用いた試料でも同様であった。ser2,ser7
アミリン1−16の阻害作用は不完全であるが、明らか
に、グリコーゲン合成速度は、2つのアミリン濃度
(2.0および0.2ナノモル/L)での両実験におい
て、非阻害速度に向かって後退することが判る。
【0089】すなわち、この場合におけるアミリンの作
用の競合的阻害剤、ser2,ser7アミリン1−16(異な
るアミノ酸により、ペプチドの活性部位内の重要な残基
が置換されているタイプに属する)は、アミリン単独に
より生じたインシュリン抵抗を部分的に改良することが
できる。さらに、置換ペプチドser2,ser7アミリン1−
16は、摘出骨格筋においてインシュリン刺激グリコー
ゲン合成速度を阻害するアミリンの作用の競合的阻害剤
であると思われる阻害剤である。
【0090】実施例4 以下の実施例により、アミリンのサブペプチドが、標準
グルコース攻撃に応じて摘出ランゲルハンス島により産
生されるインシュリンの量を減少させるべく作用し得る
という事実を示す。完全アミリンを用いても同様の結果
が得られた。実験は全て、実験遂行に使用される公知方
法により実施された。例えば、レーシーPE、およびコ
スチアノフスキーM、『メソッド・フォー・ジ・アイソ
レーション・オブ・インタクト・アイリッツ・オブ・ラ
ンゲルハンス・フロム・ザ・ラット・パンクレアス』、
「ダイアベーツ」、1967年、16:35−39頁参照。
【0091】簡単に述べると、ラットを殺し、ランゲル
ハンス島をそれらのすい臓から摘出した。摘出したばか
りの島または標準培養培地中37℃での条件における一
夜(23時間)インキュベーション後の島を用いて実験
を行った。合成アミリン・ペプチド27−37または合
成カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)を、
1.0ミリモル/Lのくえん酸/くえん酸ナトリウム緩
衝液、pH3.0に溶かし、アミリン27−37の濃度を
定量的アミノ酸分析により確かめた。例えば、クーパー
GJS等、「プロシーディングズ・オブ・ザ・ナショナ
ル・アカデミー・オブ・サイエンシーズ・オブ・ザ・ユ
ーエスエイ」、1987年、84:8628−8632頁参照。
これらの実験における島のインキュベーションは、標準
クレブズ−ハインズライト緩衝液中で行ない、1.0ミ
リモル/Lくえん酸緩衝液の添加は、インキュベーショ
ン培地のpHに何等影響を与えないことを確かめた。島
の刺激は10ミリモル/Lの標準刺激グルコース濃度で
行なわれた。
【0092】インシュリンの生産をμU/島/時として
表す。実験は全て、1ポイント当たり5回反復により行
なわれた。島応答の完全性を、各々2および10ミリモ
ル/Lグルコースによる島の種々のアリコートの刺激後
の応答を比較することにより評価し、1μg/ml(65
0ナノモル/L)ソマトスタチンにより誘発された場合
に対して阻害応答の強さを判定した。ソマトスタチン
は、グルコースに対する島B細胞のインシュリン分泌応
答の強力な既知阻害剤である、14アミノ酸ペプチドで
ある。有村A、「バイオメディカル・リサーチ」、1981
年、2:233−257頁参照。またCGRPは、グルコース
刺激インシュリン分泌の強力な阻害剤であることが示さ
れている。ペッターソンM、アーレンB、ボッチャー
G、スンドラーF、「エンドクライノロジー」、1986
年、119:865−869頁参照。
【0093】結果を下記表5に示す。結果は全て、平均
値の±標準誤差(sem)として表す。群の平均値間の差異
の有為性をt−試験により評価する。10ミリモル/L
グルコースによる刺激結果を、2ミリモル/Lグルコー
スでの刺激結果と比較する。全ての他の実験条件におい
て、阻害作用の有為性を、10ミリモル/Lグルコース
単独の作用に対して測定する。
【表10】 相対インシュリン抑制は、対照からインシュリン生産を
減じた場合のパーセンテージに等しい。「CGRP」=カ
ルシトニン遺伝子関連ペプチド。平均値の標準誤差は、
標準偏差を反復数の平方根で除したものとして定義され
る。
【0094】これらの実験は、ペプチド・アミリン27
−37が、摘出ラット島からのグルコース刺激インシュ
リン分泌の強力な阻害剤であることを示す。様々な濃度
のアミリン27−37により見られたインシュリン分泌
の阻害およびインシュリン分泌の強力な公知阻害剤であ
るソマトスタチン(1μg/mL、650ナノモル/
L)、または様々な濃度のペプチドCGRP27−37
により見られた阻害間に有為な差異は無かった。CGR
P27−37により誘発された阻害は、アミリン27−
37により誘発された阻害よりも僅かに大きいという傾
向が有ったが、これは決して有意なものではなかった。
【0095】グルコースに対する不充分なインシュリン
応答は、2型糖尿病の特徴的な病態生理学的特性の一つ
であり、その状態ではアミリンの過剰生産が生じやすい
ため(大量のアミロイドの存在により示される)、アミ
リンのこの作用は、非常に強い糖尿病誘発性であり得る
(糖尿病を誘発しやすい)。
【0096】上記実施例3で提供した情報を利用するこ
とにより、アミリン27−37の配列においてアミノ酸
の置換を伴う1種またはそれ以上のアミリン・ペプチド
が、グルコース刺激に対するインシュリン応答の阻害に
おけるアミリン27−37の作用の阻害剤として製造さ
れ得る。そのような置換ペプチドおよび似た特性を有す
る他の化合物は、2型真性糖尿病の処置において非常に
有益である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // C07K 7/06 C07K 14/575 7/08 C12P 21/08 14/575 A61K 37/24 ADP C12P 21/08 C12N 15/00 C (C12P 21/08 C12R 1:91) (72)発明者 ホワード・イー・グリーン アメリカ合衆国92067カリフォルニア、ラ ンチョー・サンタ・フェ、カレ・デル・ア ルカザー6336番

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アミリン・アンタゴニストに関するスク
    リーニングまたは検定方法であって、 a.インシュリンの存在下または非存在下およびグルコ
    ースの存在下、アミリン・アンタゴニスト活性について
    試験すべき化合物を、摘出した筋肉または筋肉細胞およ
    びアミリンと一緒にし、そして b.試験すべき化合物の存在下で、筋肉または筋肉細胞
    がグルコースの取り込み増加を示すか否かを測定する段
    階を含む方法。
  2. 【請求項2】 アミリン・アンタゴニストに関するスク
    リーニングまたは検定方法であって、 a.アミリン・アンタゴニスト活性に関して試験すべき
    化合物を、グルコースの存在下、摘出したランゲルハン
    ス島または島B細胞およびアミリンと一緒にし、 b.ランゲルハンス島または島B細胞が、試験化合物
    の存在下でインシュリン産生の増加を示すか否かを測定
    する段階を含む方法。
  3. 【請求項3】 アミリン・アンタゴニストのスクリーニ
    ング方法であって、 a.アミリン・アンタゴニスト活性について試験すべき
    化合物を、アミリンまたは抗アミリン抗体に対して指向
    した抗イディオタイプ抗体の存在下、抗アミリン抗体と
    一緒にし、そして b.試験化合物が抗アミリン抗体をアミリンまたは抗イ
    ディオタイプ抗体に置換するか否かを測定する段階を含
    む方法。
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