JP5495249B2 - 新規化合物、リン酸化阻害剤、インスリン抵抗性改善剤、及び糖尿病の予防乃至治療剤、並びに、スクリーニング方法 - Google Patents
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Description
血糖値が調節されている理由としては、ブドウ糖が、脳をはじめとした各器官の主要なエネルギー源となるものの、一方では、組織の糖化ストレスをもたらす有害物質として働くためである。
前記糖尿病は、1型糖尿病(インスリン依存性糖尿病)と2型糖尿病(インスリン非依存性糖尿病)とに分類される。前記糖尿病の多数を占める2型糖尿病は、更に、インスリン分泌低下が原因となる糖尿病と、インスリンは分泌されており、その濃度も十分高いが、標的細胞でのグルコースに対するインスリン感受性の低下が原因となり血糖値が下がらない糖尿病とに分けられ、後者はインスリン抵抗性といわれる。
前述したインスリン抵抗性を示す患者には、第一選択薬としてインスリン抵抗性改善剤である塩酸メトフォルミン、塩酸ブホルミン、及び塩酸ピオグリタゾンなどが用いられる。しかしながら、副作用として胃腸障害が認められる他、心不全の既往がある場合には適用できないことなどが問題であった。また、塩酸ピオグリタゾンでは、副作用として体重増加が認められるため、食事療法を併用している場合、患者に負担がかかる点においても問題であった。
前記STAT3は、シグナル伝達、及び転写活性化の双方において働くタンパク質であり、細胞増殖、分化、生存などの過程を制御する。前記STAT3は、非リン酸化状態では細胞質に存在するが、Janus kinase(JAK)によって活性化され、前記STAT3のTyr705がリン酸化されると、前記STAT3のホモダイマーを形成して核内へ移行し、目的遺伝子を活性化する転写因子として機能する。
前記STAT3のホモダイマーは、核内において、糖新生に関与する転写因子に対しアンタゴニストとして働くため、その発現が亢進すると糖新生が抑制される結果、血糖値が低下する。
また、前記STAT3は、Extracellular signal−regulated kinase 2(ERK2)により、Ser727がリン酸化されると、前記STAT3のホモダイマーの形成が阻害されることが知られている(非特許文献2〜4参照)。
しかしながら、前記STAT3に関連した糖尿病治療の薬剤は知られていない。
即ち、本発明の一つは、STAT3のSer727のリン酸化を阻害する化合物である。
本発明の一つは、前記化合物を含有するリン酸化阻害剤である。
本発明の一つは、前記リン酸化阻害剤を含有するインスリン抵抗性改善剤である。
本発明の一つは、前記インスリン抵抗性改善剤を含有する糖尿病の予防乃至治療剤である。
本発明の一つは、少なくともSTAT3とERK2との相互作用の有無を測定することによりリン酸化阻害活性を有する化合物を選択し、該化合物を投与していない糖尿病モデル動物のHOMA−IR値(X)と、該化合物を投与した糖尿病モデル動物のHOMA−IR値(Y)とを比較して、X>Yであるかどうかを評価すること、により行われるインスリン抵抗性改善剤、及び糖尿病の予防乃至治療剤の少なくともいずれかのスクリーニング方法である。
本発明の新規化合物は、STAT3のSer727のリン酸化を阻害することを特徴とする。
前記STAT3は、いくつかのリン酸化部位を有しており、例えば、Ser727がリン酸化されると、前記STAT3は、ホモダイマー化して核内へ移行することができず、転写因子として機能することができない。
前記STAT3のSer727のリン酸化は、例えば、ERK2により行われる。具体的には、前記ERK2は、MAPK/ERK kinase 1(MEK1)によりTyr185がリン酸化されることにより活性化し、前記STAT3と結合してヘテロダイマーを形成し、前記STAT3のSer727をリン酸化する。
したがって、前記リン酸化阻害剤がSer727のリン酸化を阻害する結果、前記STAT3のホモダイマー化は抑制されることなく、前記STAT3のホモダイマーは転写因子として機能することができる。
前記新規化合物は、例えば、下記アミノ酸配列構造(I)で表されるペプチドを少なくとも含有する。
前記アミノ酸配列構造(I)で表されるペプチドとしては、以下に示す通りである。
α−α’−β−γ−δ’−σ−δ ・・・アミノ酸配列構造(I)
前記アミノ酸配列構造(I)で表されるペプチドは、下記アミノ酸配列構造(II)で表されるペプチド、及び下記アミノ酸配列構造(III)で表されるペプチドの少なくともいずれかが好ましい。
Lys−Lys−β−γ−δ’−σ−δ ・・・アミノ酸配列構造(II)
α−α’−β−γ−Leu−σ−Leu ・・・アミノ酸配列構造(III)
前記アミノ酸配列構造(I)、前記アミノ酸配列構造(II)、及び前記アミノ酸配列構造(III)中、αはN末端であり、δはC末端であり、α及びα’はそれぞれリシン及びアルギニンのいずれかであり、δ及びδ’はそれぞれロイシン及びイソロイシンのいずれかを示す。β、γ、及びσは任意のアミノ酸を示す。
前記βとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、チロシンが好ましい。
前記γとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、イソロイシンが好ましい。
前記σとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、アラニンが好ましい。
Lys−Lys−Tyr−Ile−Leu−Ala−Leu(配列番号:1)
前記ペプチドとしては、前記新規化合物がSTAT3のSer727のリン酸化阻害活性を有する限りは、前記配列番号:1で表されるアミノ酸配列の全体又は一部において、1若しくは数個のアミノ酸が置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなるものであってもよい。また、前記ペプチドは、N末端若しくはC末端に化学修飾が施されたものであってもよい。前記化学修飾としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アセチル化、ミリストイル化、アミド化などが挙げられる。
前記ペプチドの入手方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、化学合成により得られた合成ペプチドを入手する方法などが挙げられる。
前記ペプチドの化学合成の方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ペプチド合成装置(島津製作所社製)を用いて化学合成する方法などが挙げられる。
前記カルボン酸塩としては、例えば、トリフルオロ酢酸塩、酢酸塩、トリクロロ酢酸塩、ヒドロキシ酢酸塩、乳酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、シュウ酸塩、安息香酸塩、酪酸塩、マレイン酸塩、プロピオン酸塩、蟻酸塩、リンゴ酸塩などが挙げられる。
前記無機酸塩としては、例えば、ハロゲン化水素酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、炭酸塩などが挙げられる。
前記アミノ酸塩としては、例えば、アルギニン酸塩、アスパラギン酸塩、グルタミン酸塩などが挙げられる。
前記スルホン酸塩としては、例えば、メタンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩などが挙げられる。
本発明のリン酸化阻害剤は、前述した新規化合物乃至その塩を少なくとも含有し、更に必要に応じてその他の成分を含有する。
前記リン酸化阻害剤中の前記新規化合物乃至その塩の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。また、前記リン酸化阻害剤は、前記新規化合物乃至その塩そのものであってもよい。
前記リン酸化阻害剤中のその他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、薬理学的に許容され得る担体などが挙げられる。
前記担体としても、特に制限はなく、例えば、前記リン酸化阻害剤の剤型などに応じて適宜選択することができる。
また、前記リン酸化阻害剤中の前記その他の成分の含有量としても、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記リン酸化阻害活性の測定方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、免疫学的測定法などが挙げられる。
前記免疫学的測定法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、免疫染色法、免疫沈降法、ウエスタンブロット法、ELISA法などの測定方法が挙げられ、中でもウエスタンブロット法による測定方法が好ましい。
前記リン酸化阻害剤の用途としては、特に制限はなく、例えば、後述するインスリン抵抗性改善剤、及び糖尿病の予防乃至治療剤などの薬剤として好適に利用することができる。また、前記リン酸化阻害剤は、例えば、リン酸化を指標としたアッセイなどの試薬として利用することもできる。
前記リン酸化阻害剤を試薬として用いる場合、その使用方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、培養細胞の培養液中に添加する方法などが挙げられる。
<インスリン抵抗性改善剤>
本発明のインスリン抵抗性改善剤は、前述したリン酸化阻害剤を少なくとも含有し、更に必要に応じてその他の成分を含有する。
前記インスリン抵抗性改善剤中の、前記リン酸化阻害剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。また、前記インスリン抵抗性改善剤は、前記リン酸化阻害剤そのものであってもよい。
前記インスリン抵抗性改善剤によりインスリン抵抗性が改善したか否かを評価する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、HOMA−IR(homeostasis modelassessment)法で評価する方法が好ましい。前記HOMA−IR法は、下記計算式により、インスリン抵抗性の指標であるHOMA−IR値を算出する方法である。
HOMA−IR(インスリン抵抗性指標)=空腹時インスリン値(μU/mL)×空腹時血糖値(mmol/L)÷22.5
前記HOMA−IR値の値が低いほど、インスリン抵抗性を改善したと判断することができる(Matthews DR et al., Diabetologia 1985 Jul 28(7), 412−9、Kanauchi M et al., Diabetes Care, Oct 25(10), 2002, p.1891−2参照)。
前記空腹時インスリン値、及び空腹時血糖値を測定するための血液サンプルを入手する方法としては、特に制限はなく、常法の採血により入手することができる。前記血液サンプルとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、血清が好ましい。前記血清を調整する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、採血した血液を遠心分離する方法などが挙げられる。
前記空腹時インスリン値を定量する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、マウスインスリンイライザ法キット(Cat. #EZRMI−13K、Linco Research社製)を用い定量する方法などが挙げられる。
前記空腹時血糖値を定量する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、Johnson one−touch Ultra Glucose Monitoring System(ジョンソンアンドジョンソン社製)を用いて定量する方法などが挙げられる。
前記インスリン抵抗性改善剤の用途としては、例えば、後述する糖尿病の予防乃至治療剤などの薬剤として好適に利用することができる。
本発明の糖尿病の予防乃至治療剤は、前記インスリン抵抗性改善剤を少なくとも含有し、更に必要に応じてその他の成分を含有する。
前記糖尿病の予防乃至治療剤中の、前記インスリン抵抗性改善剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。また、前記糖尿病の予防乃至治療剤は、前記インスリン抵抗性改善剤そのものであってもよい。
前記インスリン抵抗性改善剤、及び前記糖尿病の予防乃至治療剤中のその他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、薬理学的に許容され得る担体などが挙げられる。
前記担体としても、特に制限はなく、例えば、前記リン酸化阻害剤、前記インスリン抵抗性改善剤、及び前記糖尿病の予防乃至治療剤の剤型などに応じて適宜選択することができる。
また、前記インスリン抵抗性改善剤、及び前記糖尿病の予防乃至治療剤中の前記その他の成分の含有量としても、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記リン酸化阻害剤、前記インスリン抵抗性改善剤、及び前記糖尿病の予防乃至治療剤は、1種単独で使用されてもよいし、2種以上を併用してもよく、他の成分を有効成分とする医薬と併せて使用されてもよい。また、前記リン酸化阻害剤、前記インスリン抵抗性改善剤、及び前記糖尿病の予防乃至治療剤は、他の成分を有効成分とする医薬中に、配合された状態で使用されてもよい。
前記リン酸化阻害剤、前記インスリン抵抗性改善剤、及び前記糖尿病の予防乃至治療剤の剤型としては、特に制限はなく、所望の投与方法に応じて適宜選択することができ、例えば、経口固形剤、経口液剤、吸入散剤、注射用剤などが挙げられる。これらの中でも、注射用剤が、経口固形剤、経口液剤、及び吸入散剤と比較して消化されにくい点で好ましい。
前記注射用剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、溶液、懸濁液、用事溶解用固形剤などが挙げられる。
前記注射用剤の製造方法としては、特に制限はなく、常法を使用することができ、例えば、前記リン酸化阻害剤、前記インスリン抵抗性改善剤、及び前記糖尿病の予防乃至治療剤に、pH調節剤、緩衝剤、安定化剤、等張化剤、局所麻酔剤などを添加することにより、製造することができる。ここで、前記pH調節剤、及び前記緩衝剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、クエン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、リン酸ナトリウムなどが挙げられる。また、前記安定化剤としても、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ピロ亜硫酸ナトリウム、EDTA、チオグリコール酸、チオ乳酸などが挙げられる。前記等張化剤としても、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、塩化ナトリウム、ブドウ糖などが挙げられる。前記局所麻酔剤としても、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、塩酸プロカイン、塩酸リドカインなどが挙げられる。
前記リン酸化阻害剤、前記インスリン抵抗性改善剤、及び前記糖尿病の予防乃至治療剤の投与方法、投与量、投与時期、及び投与対象としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記投与方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、経口投与法、吸入による方法、注射による方法などが挙げられる。これらの中でも注射による方法が好ましい。
前記投与量としては、特に制限はなく、投与対象個体の年齢、体重、体質、症状、他の成分を有効成分とする医薬の投与の有無など、様々な要因を考慮して適宜選択することができる。
前記投与対象となる動物種としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ヒト、サル、ブタ、ウシ、ヒツジ、ヤギ、イヌ、ネコ、マウス、ラット、トリなどが挙げられるが、中でもヒトに好適に用いられる。
前記リン酸化阻害剤、前記インスリン抵抗性改善剤、及び前記糖尿病の予防乃至治療剤の製造方法としては、特に制限はなく、例えば、前述した所望の剤型などに応じて適宜選択することができる。
本発明のインスリン抵抗性改善剤、及び糖尿病の予防乃至治療剤の少なくともいずれかのスクリーニング方法は、少なくともリン酸化阻害活性を有する化合物を選択し、該化合物を投与した糖尿病モデル動物のHOMA−IR値を評価することにより行われ、更に必要に応じてその他の工程を含む。
前記選択は、少なくともSTAT3とERK2との相互作用の有無を測定することによりリン酸化阻害活性を有する化合物を選択することにより行われ、例えば、混合物調製工程と、抗体反応工程と、スクリーニング工程とを含む。
前記混合物調製工程は、例えば、少なくとも化合物と、Ser727がリン酸化されていないSTAT3と、前記STAT3をリン酸化する酵素とを混合させることにより混合物を調製する工程であり、更に、前記混合物中の前記STAT3をリン酸化する酵素が、前記STAT3のSer727をリン酸化する処理を含む。
前記混合物としては、前記化合物と、前記Ser727がリン酸化されていないSTAT3と、前記STAT3をリン酸化する酵素とを少なくとも含み、更に必要に応じてその他の成分を含む。
前記混合物中の化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ペプチドなどが挙げられる。
前記化合物入手方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、化学合成により得てもよいし、遺伝子組換え技術により得てもよい。
前記化合物を得るための前記化学合成の方法や前記組換え技術としても、特に制限はなく、例えば、当該技術分野において公知の手法の中から、目的に応じて適宜選択することができる。
前記混合物中の、化合物の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、終濃度で0.1mM〜50mMが好ましく、0.5mM〜5mMがより好ましい。
前記化合物の調製方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジメチルスルホキシド(DMSO)を含む溶液で調製する方法などが挙げられる。
前記DMSOの終濃度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1mM〜100mMが好ましく、5mM〜15mMがより好ましい。
前記Ser727がリン酸化されていないSTAT3(以下、「非リン酸化STAT3」と称することがある。)の入手方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、市販品を用いることができる。
前記混合物中の、非リン酸化STAT3の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、終濃度で0.01μg/mL〜0.5μg/mLが好ましく、0.025μg/mL〜0.075μg/mLがより好ましい。
前記STAT3をリン酸化する酵素とは、前記非リン酸化STAT3のSer727をリン酸化する酵素をいう。
前記STAT3をリン酸化する酵素としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、Tyr185がリン酸化され、活性化されたERK2(以下、「活性化ERK2」と称することがある。)が好ましい。
前記活性化ERK2の入手方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、市販品を用いることができる。
前記混合物中の、活性化ERK2の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、終濃度で0.0001μg/mL〜0.015μg/mLが好ましく、0.0005μg/mL〜0.005μg/mLがより好ましい。
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記活性化ERK2が酵素として活性可能な反応バッファー、ATP、塩化マグネシウム、DMSOなどが挙げられる。
前記反応バッファーの組成としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、50mM トリス−塩酸(pH7.5)、10mM 塩化マグネシウム、0.02質量% ウシ血清アルブミン(BSA)、1mM ジチオトレイトール(DTT)(全て終濃度を示す)が好ましい。
前記ATPの濃度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、終濃度で0.1mM〜5mMが好ましく、0.5mM〜2mMがより好ましい。
前記塩化マグネシウムの濃度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、終濃度で1mM〜100mMが好ましく、5mM〜20mMがより好ましい。
前記DMSOの濃度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、終濃度で1質量%〜25質量%が好ましく、5質量%〜22質量%がより好ましい。
前記混合物を得るために、混合物を調製する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ピペットで懸濁する方法などが挙げられる。
また、前記化合物、前記非リン酸化STAT3、前記STAT3をリン酸化する酵素、及び前記その他の成分の配合時期としては、特に制限はなく、前記混合物を調製する際の適当な段階で配合することができる。
前記STAT3をリン酸化する酵素が、前記非リン酸化STAT3のSer727をリン酸化する処理(以下、「リン酸化処理」と称することがある。)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記リン酸化処理の温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、20℃〜30℃が好ましい。
前記リン酸化処理の時間としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、30分間〜150分間が好ましい。
前記リン酸化を停止する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エチレンジアミン四塩酸を添加する方法などが挙げられる。
前記抗体反応工程は、例えば、前記混合物中のSer727がリン酸化された前記STAT3と、前記Ser727がリン酸化されたSTAT3のリン酸化部位に結合する抗体とを反応させる工程であり、前記結合した抗体を検出する処理を含む。
前記STAT3のSer727のリン酸化部位に結合する抗体(以下、「1次抗体」と称することがある。)としては、前記STAT3のSer727のリン酸化部位を認識することができれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記1次抗体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、anti−pS727 STAT(SANTA CRUZ社製、カタログ番号:sc−21876)を用いることができる。
前記反応としては、例えば、前記Ser727がリン酸化されたSTAT3に、前記STAT3のSer727のリン酸化部位に結合する抗体、即ち、前記1次抗体を結合させる反応である。
前記STAT3と前記1次抗体とを反応させる温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、20℃〜30℃が好ましい。
前記STAT3と前記1次抗体とを反応させる時間としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、5分間〜15分間が好ましい。
ここで、前記1次抗体が反応する前記STAT3は、前記STAT3のSer727のリン酸化部位がリン酸化された前記STAT3である。
前記検出する処理としては、例えば、前記反応したSTAT3を検出する処理である。
前記反応したSTAT3を検出する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記1次抗体に特異的に結合する抗体(以下、「2次抗体」と称することがある。)により検出する方法などが挙げられる。
前記2次抗体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記1次抗体を作製した宿主のIgGなどが挙げられる。
また、前記2次抗体は、標識されていることが好ましい。前記標識としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ホースラディッシュペルオキシダーゼ(HRP)などが挙げられる。
前記HRPを検出する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記HRPの基質を用いる方法などが挙げられる。
前記HRPの基質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジメチルホルムアミド(DMF)などが挙げられる。
前記スクリーニング工程は、例えば、前記抗体が結合しなかった前記STAT3を含む前記混合物中の前記化合物をリン酸化阻害活性を有する化合物としてスクリーニングする工程である。具体的には、化合物について、リン酸化阻害活性の有無を判断し、前記化合物が前記リン酸化阻害活性を有する場合は、その程度を判断する工程である。
前記バンドの強度を基準にリン酸化阻害活性の有無を判断する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、化合物を含まない混合物をコントロールとし、前記コントロールと、化合物を含む混合物とを比較して、前記コントロールよりバンドが薄い、前記混合物中の前記化合物をリン酸化阻害活性を有する化合物として判断する方法を用いることもできるし、前記コントロールと比較せず、化合物を含む混合物間のバンド強度の違いにより、よりバンドが薄い前記混合物中の化合物はリン酸化阻害活性を有すると判断し、前記化合物をリン酸化阻害活性の強い化合物として判断する方法を用いることもできる。
前記バンドの強度を比較する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、目視により比較する方法、デンシトメーターなどの装置を用いて比較する方法などが挙げられる。
前記評価は、少なくとも前記化合物を投与していない糖尿病モデル動物のHOMA−IR値(X)と、前記化合物を投与した糖尿病モデル動物のHOMA−IR値(Y)とを比較して、X>Yであるかどうかを評価することにより行われる。
前記その他の工程としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記評価において、前記コントロールのHOMA−IR値(X)と比較して、前記糖尿病モデルマウスのHOMA−IR値を低下させた化合物について、その他の糖尿病関連因子などを指標に、更にインスリン抵抗性改善剤、及び糖尿病の予防乃至治療剤として有効な化合物を選択する工程などが挙げられる。
本発明の新規化合物として、下記配列番号:1で表されるペプチドを用いた。下記配列番号:1で表されるペプチドは、ペプチド合成装置(島津製作所社製)を用いて化学合成した。
Lys−Lys−Tyr−Ile−Leu−Ala−Leu(配列番号:1)
前記配列番号:1で表されるペプチドの、ERK2によるSTAT3のSer727のリン酸化に対するリン酸化阻害活性を以下のようにして検討した。
−混合物調製工程−
−−反応液の調製−−
反応液として、5×反応バッファー(250mM トリス−塩酸(pH7.5)、50mM 塩化マグネシウム、0.1質量% ウシ血清アルブミン(BSA)、5mM ジチオトレイトール(DTT))、Active ERK solution(0.1mg/mL)(Biosource社製)、STAT3 solution(0.2mg/mL)(Abcam社製)、及び蒸留水を、下記表1に示すように調製した。
化合物としては、前記製造例1で化学合成したペプチド(配列番号:1)を用いた。また、比較対象として、5−ヨードツベルシジン(5−iodotubercidin、Calbiochem社製)を用いた。
前記製造例1で示すペプチド(配列番号:1)は、ジメチルスルホキシド(DMSO)に懸濁し、終濃度10mMとなるように調製した。
前記5−ヨードツベルシジンは、DMSOに懸濁し、終濃度5mMとなるように調製した。
前記反応液に、5×ATP−MgCl2溶液(5mM ATP、50mM 塩化マグネシウム)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、及び前記化合物であるペプチド(配列番号:1)又は前記5−ヨードツベルシジンの順序で添加し、更に蒸留水を添加して全サンプルの容量を揃えることにより、反応混合物を得た。
なお、前記反応混合物中に、前記ペプチド(配列番号:1)又は前記5−ヨードツベルシジンを添加しなかったものをコントロールとして用いた。
各サンプルの調製方法は、下記表2に示す。
その後、前記コントロールの反応混合物(表2:サンプル1、2)には2.75μL、前記5−ヨードツベルシジン(表2:サンプル3)、及び前記ペプチド(表2:サンプル4)の反応混合物にはそれぞれ5.5μLずつ、0.5M エチレンジアミン四酢酸(EDTA)を添加することにより、前記リン酸化を停止した。
−−ウエスタンブロット法−−
前記反応終了後の前記表2に示すサンプル1〜4を各23μL使用し、それぞれ4×SDSローディングバッファー(125mM トリス−塩酸(pH6.8)、4.3質量% SDS、30質量% グリセロール、10質量% 2−メルカプトエタノール、0.01質量% ブロモフェノールブルー)を、前記コントロールの反応混合物(サンプル1、2)には4μL、前記5−ヨードツベルシジン(サンプル3)、及び前記ペプチド(サンプル4)の反応混合物にはそれぞれ8μLずつ添加した。次いで、95℃にて5分間煮沸した。
前記各サンプルを15μLずつ、マルチゲル(第一化学薬品製)にアプライし、泳動バッファー(25mM トリス−塩酸(pH8.4)、192mM L−グリシン、0.1質量% SDS)中にて、30mA定電流で30分間電気泳動を行った。
電気泳動終了後、前記マルチゲルを蒸留水で10分間洗浄した。
1次抗体反応は、SNAPid(Millipore社製)を用いて以下のようにして行った。
スキムミルク(雪印社製)をTBS(20mM トリス−塩酸(pH7.5)、140mM 塩化ナトリウム)に懸濁し、0.5質量%に調製した。前記0.5質量%スキムミルク10mLをSNAPidのウエルに添加し、真空ポンプで引きながら前記タンパク質を転写したPVDF膜のブロッキングを行った。
次いで、1次抗体として用いるanti−pS727 STAT(カタログ番号:sc−21876、SANTA CRUZ社製)9μLをTBST(20mM トリス−塩酸(pH7.5)、140mM 塩化ナトリウム、0.05質量% tween−20)3mLに懸濁した。前記ブロッキング溶液を除去後、前記ウエルに前記1次抗体を添加し、10分間静置することにより、前記1次抗体をSer727がリン酸化したSTAT3に結合させた。
前記1次抗体を含む溶液を除去後、前記ウエルにTBSTを10mL添加し、結合していない前記1次抗体を洗浄した。前記1次抗体の洗浄は、3回行った。
2次抗体反応は、前記SNAPidを用いて以下のようにして行った。
2次抗体として用いるGoat anti−rabbit IgG AP conjugated(Calbiochem社製、カタログ番号:DC06L)16.2μLをTBST3mLに懸濁した。前記1次抗体の洗浄に用いたTBSTを除去後、前記ウエルに前記2次抗体を添加し、10分間静置することにより、前記2次抗体を前記1次抗体に結合させた。
次いで、前記2次抗体を含む溶液を除去後、TBSTを10mL添加し、結合していない前記2次抗体を洗浄した。前記2次抗体の洗浄は、3回行った。
前記2次抗体反応が終了したPVDF膜を、発色バッファー(0.1M トリス−塩酸(pH9.5)、0.1M 塩化ナトリウム、50mM 塩化マグネシウム)で5分間洗浄した。
次いで、発色反応液10mLに前記PVDF膜を浸漬し、発色反応を行った。数分間発色反応を行った後、発色を目視にて確認し、TBSTで洗浄した。
なお、前記発色反応液は以下のように調製した。即ち、NBT溶液(173mM ニトロブルーテトラゾリウムを70質量% ジメチルホルムアミドに懸濁することにより調製した。)45μLと、BCIP溶液(250mg ブロモクロロインドリルリン酸(5−bromo−4−chloro−3−indolysl phosphate)を5mLのジメチルホルムアミド(DMF)に懸濁することにより調製した。)35μLとを混合し、前記発色反応液を得た。
配列番号:1で表されるペプチドの急性毒性について以下のように検討した。
−順化−
試験動物として、メスのdb/dbマウス(体重:40−60g、日齢:56−70日、Shanghai SLAC Laboratory Animal社製)を54個体使用した。前記マウスが到着後、一般的な健康状態について評価し、試験前に7日間順化した。
前記マウスは、順化の間は集団で収容し、その後生存中は米国国家研究会議のガイドライン「試験動物の管理と使用に関する指針」に従い、個体ごとに収容した。
動物室の環境は、温度18℃〜26℃、相対湿度30%〜70%、昼夜それぞれ12時間となるように制御し、温度、及び相対湿度は毎日測定した。
給餌は、全ての試験動物に自由給餌で飼料(Shanghai SLAC Laboratory Animal社製、カタログ番号:M−01F)を与えた。
空腹時血糖値、及び血中インスリン値を測定する前日は、20時30分〜21時まで飼料を摂取させ、前記時間に食餌の残りがある場合は、前記食餌を取り除いた。絶食時間は、12時間〜14時間とし、血液採取後、食餌を与えた。水は、与える前に高圧滅菌し、自由給餌で与えた。
摂食時、及び空腹時の血糖値の測定結果により、前記試験動物54個体の中から52個体を選抜し、血糖値が高すぎる、若しくは低すぎる個体は除外した。
1日1回、午前に前記試験動物の生存、及び便の確認を行い、午後に臨床所見を観察した。
−方法−
配列番号:1で表されるペプチドの急性毒性を試験するために、2個体の前記マウスを用いた。
前記ペプチドの調整方法としては、8.0mgの前記ペプチドを0.4mLの生理食塩水に溶解し、20mg/mLのペプチド溶液(以下、「ペプチド溶液1」と称することがある。)を調製した。前記ペプチド溶液1は、投与前に新しく準備し、完全に均一かつ溶解するよう攪拌した。
前記ペプチド溶液1を用いて、30mg/kg用量、及び100mg/kg用量のいずれかの用量を腹腔内に注射することで、1回投与した。
前記ペプチド溶液1を投与したマウスについて、14日間臨床的な兆候や体重の変化を観察し、後述する測定方法により、空腹時血糖値、及び空腹時血中インスリン値を、0日目、及び14日目に測定した。
空腹時血糖値、及び血中インスリン値測定のため、投与後0日目、及び14日目に50μLの血液を眼窩後方から採取した。血清を得るために、採取した血液は、氷上のチューブに放置し、次いで、1時間以内に遠心分離(5,000g、20分間、2℃〜8℃)した。前記遠心分離した分画は、ポリエチレン微小遠心管に移し、解析するまで−80℃で凍結保存した。
血糖値はJohnson one−touch Ultra Glucose Monitoring System(ジョンソンアンドジョンソン社製)により定量した。
血中インスリン値はマウスインスリンイライザ法キット(Cat. #EZRMI−13K、Linco Research社製)により定量した。
前記急性毒性試験の結果を、下記表3に示す。
前記試験例1でリン酸化阻害活性を有していた化合物(配列番号:1で表されるペプチド)の、インスリン抵抗性改善剤、及び糖尿病の予防乃至治療剤の少なくともいずれかとしての有効性について以下のように評価した。
−試験動物−
試験動物は、前記試験例2に記載のマウス50個体を使用した。
配列番号:1で表されるペプチドの有効性を試験するために、以下のようにペプチド溶液を調製した。
3.8mgの前記ペプチドを、4.75mLの生理食塩水に溶解し、0.8mg/mLのペプチド溶液(以下、「ペプチド溶液2」と称することがある。)を調製した。前記ペプチド溶液2の1.75mLを、3.5mLの生理食塩水に溶解し、0.27mg/mLのペプチド溶液(以下、「ペプチド溶液3」と称することがある。)を調製した。更に、1mLの前記ペプチド溶液3を、2mLの生理食塩水に溶解し、0.09mg/mLのペプチド溶液(以下、「ペプチド溶液4」と称することがある。)を調製した。
活性対照群として、メトフォルミン溶液を以下のように調製した。即ち、120mgのメトフォルミン(シグマ社製)を4mLの生理食塩水に溶解し、30mg/mLのメトフォルミン溶液を調整した。
前記ペプチド溶液2〜4、及びメトフォルミン溶液は、投与前に新しく準備し、完全に均一かつ溶解するよう攪拌した。
有効性試験には、溶媒(生理食塩水)対照投与群、活性対照群としてメトフォルミン150mg/kg用量投与群、配列番号:1で表されるペプチド4.00mg/kg用量投与群、前記ペプチド1.33mg/kg用量投与群、及び前記ペプチド0.44mg/kg用量投与群の5つの投与群を用いた。前記各投与群には10個体のマウスを使用した。
前記メトフォルミン150mg/kg用量投与群には、前記メトフォルミン溶液を、前記ペプチド4.00mg/kg用量投与群には、前記ペプチド溶液2を、前記ペプチド1.33mg/kg用量投与群には、前記ペプチド溶液3を、前記ペプチド0.44mg/kg用量投与群には、前記ペプチド溶液4を用いた。
メトフォルミンのヒトにおける適当な投与量は750mg/日であるため、前記投与量をマウスの体重で換算し、過剰量である150mg/kgを投与した。
前記各試験集団の全てのマウスに、下記表4に示す投与容量で、28日間、毎日腹腔内注射し、体重、空腹時血糖値、食後血糖値、及び空腹時血中インスリン値を、後述する測定方法により、下記表5に示す測定計画に従って測定した。
なお、各投与群は、下記表6に示すように、0日目の空腹時血糖値、空腹時血中インスリン値、及びHOMA−IR値(インスリン抵抗性指標)が投与群間で等しい分布を持つように、50個体の前記マウスを5つの投与群に分けた。HOMA−IR値の算出方法については、後述する。
図3に、前記0日目の各投与群の空腹時血糖値のグラフを示す。
図5に、前記0日目の各投与群の空腹時血中インスリン値のグラフを示す。
図6に、前記0日目の各投与群のHOMA−IR値のグラフを示す。
空腹時血糖値、及び血中インスリン値測定のため、投与後0、14、28日目に50μLの血液を眼窩後方から採取した。血清は、前記試験例2と同様の方法で得た。
食後血糖値は、投与後1、13、27日目に尾静脈から採血し、測定した。
血糖値、及び血中インスリン値は、前記試験例2と同様の方法で定量した。
インスリン抵抗性は、下記計算式を用いたHOMA(homeostasis modelassessment)法により決定した。
HOMA−IR(インスリン抵抗性指標)=空腹時インスリン値(μU/mL)×空腹時血糖値(mmol/L)÷22.5
前記HOMA−IR値の値が低いほど、インスリン抵抗性を改善したと判断することができる(Matthews DR et al., Diabetologia 1985 Jul 28(7), 412−9、Kanauchi M et al., Diabetes Care, Oct 25(10), 2002, p.1891−2参照)。
全ての値は、平均値±平均誤差で表示した。集団間、及び集団内の重要な差異については、一方向分散分析、及びDunnettの多重比較で評価した。0.05以下のp値については、統計的に有意と考えた。
投与後13日目に食後血糖値を、14日目に空腹時血糖値を測定した結果を、下記表7に示す。
図4に、前記投与後13日目の各投与群の食後血糖値のグラフを示す。
図3に、前記投与後14日目の各投与群の空腹時血糖値のグラフを示す。
図4に、前記投与後27日目の各投与群の食後血糖値のグラフを示す。
図3に、前記投与後28日目の各投与群の空腹時血糖値のグラフを示す。
図5に、前記投与後28日目の各投与群の空腹時血中インスリン値のグラフを示す。
図6に、前記投与後28日目の各投与群の空腹時HOMA−IR値のグラフを示す。
なお、前記図3、図5、及び図6のグラフ中、「#」は、前記数値解析より溶媒対象群に対して有意であることを示す。
空腹時血糖値増加=空腹時血糖値(28日目)−空腹時血糖値(0日目)
食後血糖値増加=食後血糖値(28日目)−食後血糖値(0日目)
空腹時血中インスリン値増加=空腹時インスリン値(28日目)−空腹時インスリン値(0日目)
図7に、各投与群の前記空腹時血糖値増加、及び前記食後血糖値増加のグラフを示す。
図8に、各投与群の前記空腹時血中インスリン値増加のグラフを示す。
なお、前記図7のグラフ中、「#」は、前記数値解析より溶媒対象群に対して有意であることを示す。
一方、メトフォルミン150mg/kg用量投与群の投与後28日目の空腹時血中インスリン値は低下し(表8、図5)、HOMA−IR値(インスリン抵抗性指標)を有意に低下させた(表8、図6)。
配列番号:1で表されるペプチド投与群も、28日間の試験期間においてメトフォルミンと同様、空腹時血糖値増加の減弱は、統計的に有意ではなかった(表9、図7)。しかしながら、溶媒対照群と比較して、前記ペプチド1.33mg/kg用量投与群、及び前記ペプチド4.00mg/kg用量投与群は、投与後28日目における空腹時血中インスリン値(表8、図5)、及びHOMA−IR値の有意な減少を引き起こした(表8、図6)。
また、配列番号:1で表されるペプチドの投与群では、投与濃度依存的に、空腹時血中インスリン値、及びHOMA−IR値の低下が認められた(表8)。
更に、前記ペプチド1.33mg/kg用量投与群、及び前記ペプチド4.00mg/kg用量投与群は、メトフォルミン150mg/kg用量投与群と比較して低濃度で投与したにもかかわらず、メトフォルミン150mg/kg用量投与群と比較して、空腹時血中インスリン値、及びHOMA−IR値が低下していた(表8、図5〜6)。
また、前記配列番号:1で表されるペプチドの有効濃度が、既存薬である前記メトフォルミンより低いことは、インスリン抵抗性改善剤、及び糖尿病の予防乃至治療剤の少なくともいずれかとして有利である。
(付記1)STAT3のSer727のリン酸化を阻害することを特徴とする化合物。
(付記2)ERK2によるSTAT3のSer727のリン酸化を阻害する付記1に記載の化合物。
(付記3)STAT3とERK2との結合を阻害することによる付記1から2のいずれかに記載の化合物。
(付記4)下記アミノ酸配列構造(I)で表されるペプチドを含有する付記1から3のいずれかに記載の化合物。
α−α’−β−γ−δ’−σ−δ ・・・アミノ酸配列構造(I)
〔アミノ酸配列構造(I)中、αはN末端であり、δはC末端であり、α及びα’はそれぞれリシン及びアルギニンのいずれかであり、δ及びδ’はそれぞれロイシン及びイソロイシンのいずれかを示す。β、γ、及びσは任意のアミノ酸を示す。〕
(付記5)下記アミノ酸配列構造(II)で表されるペプチドを含有する付記1から4のいずれかに記載の化合物。
Lys−Lys−β−γ−δ’−σ−δ ・・・アミノ酸配列構造(II)
〔アミノ酸配列構造(II)中、LysはN末端であり、δはC末端であり、δ及びδ’はそれぞれロイシン及びイソロイシンのいずれかを示す。β、γ、及びσは任意のアミノ酸を示す。〕
(付記6)下記アミノ酸配列構造(III)で表されるペプチドを含有する付記1から5のいずれかに記載の化合物。
α−α’−β−γ−Leu−σ−Leu ・・・アミノ酸配列構造(III)
〔アミノ酸配列構造(III)中、αはN末端であり、LeuはC末端であり、α及びα’はそれぞれリシン及びアルギニンのいずれかを示す。β、γ、及びσは任意のアミノ酸を示す。〕
(付記7)ペプチドが、下記配列番号:1で表されるアミノ酸配列を含有する付記4から6のいずれかに記載の化合物。
Lys−Lys−Tyr−Ile−Leu−Ala−Leu(配列番号:1)
(付記8)ペプチドが、下記配列番号:1で表されるアミノ酸配列からなる付記4から7のいずれかに記載の化合物。
Lys−Lys−Tyr−Ile−Leu−Ala−Leu(配列番号:1)
(付記9)STAT3のホモダイマーの生成を促進する付記1から8のいずれかに記載の化合物。
(付記10)付記1から9のいずれかに記載の化合物を含有することを特徴とするリン酸化阻害剤。
(付記11)付記10に記載のリン酸化阻害剤を含有することを特徴とするインスリン抵抗性改善剤。
(付記12)付記11に記載のインスリン抵抗改善剤を含有することを特徴とする糖尿病の予防乃至治療剤。
(付記13)注射用剤である付記12に記載の糖尿病の予防乃至治療剤。
(付記14)少なくともSTAT3とERK2との相互作用の有無を測定することによりリン酸化阻害活性を有する化合物を選択し、該化合物を投与していない糖尿病モデル動物のHOMA−IR値(X)と、該化合物を投与した糖尿病モデル動物のHOMA−IR値(Y)とを比較して、X>Yであるかどうかを評価すること、により行われることを特徴とするインスリン抵抗性改善剤、及び糖尿病の予防乃至治療剤の少なくともいずれかのスクリーニング方法。
(付記15)選択が、少なくとも化合物と、Ser727がリン酸化されていないSTAT3と、前記STAT3をリン酸化する酵素とを混合させることにより混合物を調製する混合物調製工程と、更に、前記混合物中のSer727がリン酸化された前記STAT3と、前記Ser727がリン酸化されたSTAT3のリン酸化部位に結合する抗体とを反応させる抗体反応工程と、前記抗体が結合しなかった前記STAT3を含む前記混合物中の前記化合物をリン酸化阻害活性を有する化合物としてスクリーニングするスクリーニング工程と、により行われる付記14に記載のスクリーニング方法。
(付記16)混合物調製工程が、混合物中のSTAT3のSer727をリン酸化する処理を含む付記15に記載のスクリーニング方法。
(付記17)抗体反応工程が、Ser727がリン酸化されたSTAT3のリン酸化部位に結合した抗体を検出する処理を含む、付記15から16のいずれかに記載のスクリーニング方法。
(付記18)検出が、Ser727がリン酸化されたSTAT3のリン酸化部位に結合した抗体の宿主のIgGにより検出される付記17に記載のスクリーニング方法。
(付記19)Ser727がリン酸化されたSTAT3のリン酸化部位に結合した抗体の宿主のIgGが、該IgGに結合した標識を用いて検出される付記18に記載のスクリーニング方法。
(付記20)スクリーニング工程が、化合物のリン酸化阻害活性の有無を判断することにより行われる付記15から19のいずれかに記載のスクリーニング方法。
また、第2に、本発明のスクリーニング方法は、前記インスリン抵抗性改善剤、及び前記糖尿病の予防乃至治療剤の少なくともいずれかのスクリーニングに好適に用いることができる。
Claims (7)
- 下記配列番号:1で表されるアミノ酸配列からなる化合物。
Lys−Lys−Tyr−Ile−Leu−Ala−Leu(配列番号:1) - STAT3のSer727のリン酸化を阻害する請求項1に記載の化合物。
- ERK2によるSTAT3のSer727のリン酸化を阻害する請求項2に記載の化合物。
- STAT3とERK2との結合を阻害することによる請求項2から3のいずれかに記載の化合物。
- 請求項1から4のいずれかに記載の化合物を含有することを特徴とするリン酸化阻害剤。
- 請求項5に記載のリン酸化阻害剤を含有することを特徴とするインスリン抵抗性改善剤。
- 請求項6に記載のインスリン抵抗性改善剤を含有することを特徴とする糖尿病の予防乃至治療剤。
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