JPH1026573A - ヘリウムリークディテクタの分析管 - Google Patents
ヘリウムリークディテクタの分析管Info
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- JPH1026573A JPH1026573A JP19842296A JP19842296A JPH1026573A JP H1026573 A JPH1026573 A JP H1026573A JP 19842296 A JP19842296 A JP 19842296A JP 19842296 A JP19842296 A JP 19842296A JP H1026573 A JPH1026573 A JP H1026573A
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Abstract
るヘリウムイオン軌道の阻害を軽減し、微小なヘリウム
イオン電流の測定でもヘリウムイオンを高い精度で安定
して測定できるヘリウムリークディテクタの分析管を提
供する。 【解決手段】 イオン源15から出射された各種イオンの
各軌道を磁界で決定し、イオンの軌道を遮る位置にイオ
ン分離のための壁部11を設け、壁部におけるヘリウムイ
オンの軌道21に対応する箇所にヘリウムイオンのみを通
過させるスリット13を形成し、ヘリウムイオンのみを検
出するようにしたヘリウムリークディテクタの磁場偏向
型の分析管であり、分離のための壁部におけるヘリウム
イオンよりも軽いイオンの軌道に対応する箇所に当該イ
オンを通過させるためのスリット23,24 を形成するよう
にした。
Description
テクタの分析管に関し、特に、磁場偏向型質量分析器を
用いたヘリウムリークディテクタにおいて水素の散乱粒
子や散乱イオンによるヘリウムイオン軌道の阻害を軽減
した分析管に関する。
ィテクタの一例を説明する。これは校正リーク内蔵型の
ヘリウムリークディテクタである。
ート41は漏れ試験が行われる被試験体42に接続され
る。テストポート41を備える配管は粗引きバルブ43
を介して粗引きポンプ44に接続される。テストポート
41と粗引きバルブ43の間の配管には分岐部を設け、
1つの分岐配管はテストバルブ45を介して主ポンプ4
6の吸気側に接続されると共に、他の分岐配管にはベン
トバルブ47が接続される。ベントバルブ47の他端は
大気に開放されている。主ポンプ46の排気側はフォア
ラインバルブ48を介して粗引きポンプ44の吸気側に
接続される。テストポート41と粗引きバルブ43の間
には、さらに分岐部を設け、校正用バルブ49を介して
校正リーク50が接続される。テストバルブ45と主ポ
ンプ46の吸気側を結ぶ配管の中間に分岐管を設け、こ
れに分析管51を接続する。
容器である被試験体42にテストポート41を接続し、
テストバルブ45とフォアラインバルブ48を開くと共
に粗引バルブ43を閉じ、被試験体42の周りにヘリウ
ムガスを吹き付けることにより漏れ試験を行う。この試
験法を直接測定法またはダイレクトフロー測定法とい
う。またテストバルブ45を閉じフォアラインバルブ4
8と粗引バルブ43を開いて、ヘリウムガスの逆拡散作
用を利用して漏れ試験を行う方法(逆拡散測定法または
カウンタフロー測定法)もある。ヘリウムを検知する分
析管51には、磁場偏向型質量分析管や四重極型質量分
析管がある。
別し、逐次的に計測できる構造になっている。磁場偏向
型分析管は、一般に、荷電粒子の運動が磁界中でローレ
ンツ力を受けて円軌道を描くこと、およびその円軌道が
粒子の質量と電荷とによって異なることを利用してい
る。磁界中での荷電粒子の運動は一般に磁界強度をB、
荷電粒子のエネルギ(eV)をV、荷電粒子の質量電荷
比をM/zとし、ローレンツ力により描く円軌道の半径
をrとすれば、次式(数1)で表される。
の要部の構造を示す。図3に示すごとく、磁場偏向型分
析管は、加速スリット61とヘリウムイオン分離スリッ
ト62とヘリウムイオン検出スリット63が形成された
イオン分離用の隔壁部材64と、加速スリット61に対
応して配置されたイオンを生成するためのイオン源65
と、ヘリウムイオン検出スリット63に対応して配置さ
れたヘリウムイオンを捕らえるためのヘリウムイオン検
出電極66と、ヘリウムイオン検出電極66を保護する
シールド67とを含んで構成される。上記ヘリウムイオ
ン分離スリット62はヘリウムのみを分離するためのス
リットである。シールド67は、隔壁部材64の下面に
固定され、ヘリウムイオン検出電極66を収容する空間
を形成し、この空間はヘリウムイオン検出スリット63
の箇所のみで開いている。ヘリウムイオン検出電極66
の出力信号はイオン検出器(増幅器)68を経由して増
幅して取り出される。隔壁部材64の立設部64aに
は、上記のヘリウムイオン分離スリット62が形成さ
れ、かつ全圧測定電極69が設けられる。この全圧測定
電極69は、ヘリウムイオンよりも重いイオンを捕ら
え、全圧を測定する。かかる構成において、イオン源6
5にはヘリウム(He)ガスが供給される。さらにイオ
ン源65と加速スリット61の間には加速電圧が印加さ
れ、イオンが移動する空間70にはヘリウムイオンを分
離するための静磁界71が与えられている。
れたイオンは、上記加速電圧で加速され、加速スリット
61から空間70へ出射される。出射されたイオンの軌
道は、静磁界71に基づき、各イオンの質量電荷比に応
じた軌道半径をもって決定されるため、種々の質量を持
ったイオンは各々の固有のイオンビーム束となる。これ
らのイオンビーム束の中でヘリウムイオンのみがヘリウ
ムイオン軌道72に対応するように設置されたヘリウム
イオン分離スリット62を通過し、さらにヘリウムイオ
ン検出スリット63を通過し、ヘリウムイオン検出電極
66で捕らえられる。これによりヘリウムイオンのみが
計測される。またヘリウム以外の質量の大きなガスは全
圧測定電極69に衝突し、これにより全圧が測定され
る。なお73は、ヘリウムイオンよりも軽い水素イオン
の軌道である。
分析管には、次のような欠点が存在した。この種の分析
管では、ヘリウム以外のイオンを、全圧測定電極69
や、イオン分離器としての機能を有する上記隔壁部材6
4に衝突させ、散乱させるようにしていた。このため、
衝突による散乱粒子や散乱イオンがヘリウムイオン軌道
72を阻害し、微小なヘリウムイオン電流の測定領域に
おいてヘリウムイオンの収量が変動し、安定な測定がで
きないという不具合があった。散乱イオンは残留ガスに
よるものであり、水、水素が主な成分である。このうち
ヘリウムよりも質量の大きな水は、全圧測定に寄与し、
また衝突の際に衝突によるエネルギの減衰が起こり、弾
性衝突散乱を起こすものが少ない。従って、散乱イオン
や散乱粒子となって運動エネルギを持ったままヘリウム
イオン軌道72を阻害することは少ない。一方、ヘリウ
ムよりも質量の小さい水素は隔壁部材64の壁面に衝突
し、衝突の際にエネルギを数割程度しか失わないので、
ほとんどが弾性散乱を起こし、散乱イオンや散乱粒子と
なり、ヘリウムイオン軌道72を阻害する。より精度の
高い測定を安定して行うためには、軽い水素の散乱粒子
や散乱イオンがヘリウムイオン軌道72を阻害すること
を軽減する必要がある。
とにあり、ヘリウムよりも軽い水素の散乱粒子や散乱イ
オンによるヘリウムイオン軌道の阻害を軽減し、微小な
ヘリウムイオン電流の測定領域でもヘリウムイオンを高
い精度で安定して測定できるヘリウムリークディテクタ
の分析管を提供することにある。
ヘリウムリークディテクタの分析管は、上記目的を達成
するため、イオン源から出射された各種イオンの各々の
軌道を磁界で決定し、各種イオンの軌道を遮る位置にイ
オン分離のための壁部を設け、この壁部におけるヘリウ
ムイオンの軌道に対応する箇所に当該ヘリウムイオンの
みを通過させるためのスリットを形成し、ヘリウムイオ
ンのみを検出するようにしたヘリウムリークディテクタ
の磁場偏向型の分析管であり、この構成において、上記
分離のための壁部におけるヘリウムイオンよりも軽いイ
オンの軌道に対応する箇所に当該イオンを通過させるた
めのスリットを形成するようにした。
るための壁部に、ヘリウムイオンよりも軽いイオンを通
過させるためのスリットを設けたので、当該イオンと壁
部との間で衝突が起きず、衝突散乱が起こらない。従っ
て、ヘリウムイオン軌道が阻害されることない。
分析管は、上記の構成において、好ましくは、ヘリウム
イオンの軌道に対して散乱の影響を与えない位置に、ヘ
リウムイオンよりも軽い上記イオンの散乱板を配置する
ようにした。ヘリウムイオンよりも軽いイオンが最終的
に衝突する位置は、ヘリウムイオンの軌道から十分に離
れた位置であり、ヘリウムイオン軌道を阻害しない。
分析管は、上記の構成において、好ましくは、ヘリウム
イオンよりも軽い上記イオンは水素イオンであることを
特徴とする。
を添付図面に基づいて説明する。
を示す。基本的構成は、図3を参照して説明した従来の
分析管と同じである。最初に基本的構成を説明する。
例えば、基部11aと立設部11bを有することにより
ほぼ逆T字形の断面を有する隔壁部材11を備える。隔
壁部材11は、後述するごとくイオン軌道を遮るように
ように配置され、イオン分離器として機能する。隔壁部
材11には、加速スリット12とヘリウムイオン分離ス
リット13とヘリウムイオン検出スリット14が形成さ
れる。隔壁部材11の基部11aの下側には、加速スリ
ット12に対応してヘリウムイオンを含む各種イオンを
生成するためのイオン源15が配置され、ヘリウムイオ
ン検出スリット14に対応してヘリウムイオンを捕らえ
るためのヘリウムイオン検出電極16が配置される。ヘ
リウムイオン検出電極16にはこれを保護するためのシ
ールド17が設けられる。シールド17は、隔壁部材1
1の基部11bの下面に固定され、ヘリウムイオン検出
電極16を収容する空間を形成し、この空間はヘリウム
イオン検出スリット14の箇所のみで開いている。イオ
ン源15にはヘリウム(He)ガスが供給され、イオン
源15は、例えば電子衝撃の作用を利用してイオンを生
成し、出射する。イオン源15と加速スリット12の間
には加速電圧が印加され、イオン源15から出射された
イオンをさらに加速する。隔壁部材11におけるイオン
が移動する空間18には、各種イオンの各々の軌道を異
ならせるための静磁界19が与えられている。隔壁部材
11の立設部11aの上部には全圧測定電極20が設け
られる。
ムイオン分離スリット13はヘリウムのみを取り出すた
めのスリットであり、ヘリウムイオンの軌道21に対応
して形成される。ヘリウムイオン検出電極16の出力信
号はイオン検出器(増幅器)22を経由して増幅して取
り出される。また全圧測定電極20は、ヘリウムイオン
よりも重いイオンを捕らえ、全圧を測定する。
は、加速電圧で加速され、加速スリット12から空間1
8へ出射される。出射された各イオンの軌道は、静磁界
19に基づき、各イオンの質量電荷比に応じた軌道半径
をもって決定されるため、種々の質量を持ったイオンは
各々の固有のイオンビーム束となる。これらのイオンビ
ーム束の中でヘリウムイオンのみがヘリウムイオン軌道
21に対応するように設置されたヘリウムイオン分離ス
リット13を通過し、さらにヘリウムイオン検出スリッ
ト14を通過し、ヘリウムイオン検出電極16で捕らえ
られる。これによりヘリウムイオンの計測が行われる。
またヘリウム以外の質量の大きなガスは全圧測定電極2
0に衝突し、これにより全圧が測定される。
成について説明する。上記隔壁部材11では、その立設
部11bと基部11aの各々に水素イオン通過スリット
23,24が形成される。25は水素イオン軌道であ
り、水素イオン通過スリット23,24は水素イオン軌
道25に対応する箇所に形成されている。基部11aの
下側にはスリット24に対応させて水素イオン散乱板2
6が取り付けられる。
され、加速スリット12を通過した水素イオンは、水素
イオン軌道25に沿って移動する。従って水素イオン
は、水素イオン通過スリット23,24を通って水素イ
オン散乱板26に入射する。この移動の際に、水素イオ
ンは、水素イオン散乱板26に衝突するまでの間、隔壁
部材11における壁面とは衝突しない。従って、従来の
ごとき水素の散乱粒子や散乱イオンが生ぜず、ヘリウム
イオン軌道21が阻害されることはない。また水素イオ
ンが水素イオン散乱板26と衝突する際には、散乱イオ
ンや散乱粒子が発生するが、衝突位置がヘリウムイオン
軌道21から十分に離れた位置にあり、かつヘリウムイ
オン検出部(ヘリウムイオン検出電極16およびシール
ド17)から見て後方になり、さらにヘリウムイオンは
既に当該検出部で捕らえられているため、ヘリウムイオ
ン軌道を阻害し、測定結果に悪い影響を与えることはあ
りえない。
れば、ヘリウムリークディテクタの磁場偏向型分析管に
おいて、イオン分離器である隔壁部材における水素イオ
ン軌道に対応する箇所にスリット等の通過部を形成し、
ヘリウムイオン軌道から離れた位置で水素イオンを散乱
板に衝突させるようにしたため、ヘリウムイオン軌道を
阻害する要因の1つである水素イオンおよび水素の散乱
の影響を減少させることができ、微小なヘリウムイオン
電流の測定領域でヘリウムイオンを安定して測定でき
る。
管の要部構造を示す部分縦断面図である。
る。
部構造を示す部分縦断面図である。
Claims (3)
- 【請求項1】 イオン源から出射された各種イオンの各
々の軌道を磁界で決定し、前記各種イオンの軌道を遮る
位置にイオン分離用壁部を設け、この壁部におけるヘリ
ウムイオンの軌道に対応する箇所に当該ヘリウムイオン
を通過させる通過部を形成したヘリウムリークディテク
タの分析管において、前記壁部における前記ヘリウムイ
オンよりも軽いイオンの軌道に対応する箇所に当該イオ
ンを通過させる通過部を形成したことを特徴とするヘリ
ウムリークディテクタの分析管。 - 【請求項2】 前記ヘリウムイオンの軌道に対して散乱
の影響を与えない位置に、前記ヘリウムイオンよりも軽
い前記イオンの散乱板を配置したことを特徴とする請求
項1記載のヘリウムリークディテクタの分析管。 - 【請求項3】 前記ヘリウムイオンよりも軽い前記イオ
ンは水素イオンであることを特徴とする請求項1または
2記載のヘリウムリークディテクタの分析管。
Priority Applications (1)
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JP19842296A JP3640470B2 (ja) | 1996-07-09 | 1996-07-09 | ヘリウムリークディテクタの分析管 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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Publications (2)
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JP3640470B2 JP3640470B2 (ja) | 2005-04-20 |
Family
ID=16390847
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP19842296A Expired - Lifetime JP3640470B2 (ja) | 1996-07-09 | 1996-07-09 | ヘリウムリークディテクタの分析管 |
Country Status (1)
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---|---|
JP (1) | JP3640470B2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009180633A (ja) * | 2008-01-31 | 2009-08-13 | Shimadzu Corp | ヘリウムリークディテクタ |
WO2011040625A1 (ja) * | 2009-09-29 | 2011-04-07 | 有限会社真空実験室 | イオン源を有する真空計測装置 |
CN115980273A (zh) * | 2022-12-27 | 2023-04-18 | 陕西燃气集团富平能源科技有限公司 | 一种氦气储存泄露预警系统及方法 |
Families Citing this family (1)
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---|---|---|---|---|
JP2011127929A (ja) * | 2009-12-15 | 2011-06-30 | Ulvac Japan Ltd | 磁場偏向型の質量分析管及びリークディテクタ |
-
1996
- 1996-07-09 JP JP19842296A patent/JP3640470B2/ja not_active Expired - Lifetime
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JPWO2011040625A1 (ja) * | 2009-09-29 | 2013-02-28 | 有限会社真空実験室 | イオン源を有する真空計測装置 |
CN115980273A (zh) * | 2022-12-27 | 2023-04-18 | 陕西燃气集团富平能源科技有限公司 | 一种氦气储存泄露预警系统及方法 |
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