JPH11345590A - 表面電離型イオン化検出器 - Google Patents

表面電離型イオン化検出器

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JPH11345590A
JPH11345590A JP10169238A JP16923898A JPH11345590A JP H11345590 A JPH11345590 A JP H11345590A JP 10169238 A JP10169238 A JP 10169238A JP 16923898 A JP16923898 A JP 16923898A JP H11345590 A JPH11345590 A JP H11345590A
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JP
Japan
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collector
ionization
negative ions
emitter
electrons
Prior art date
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Pending
Application number
JP10169238A
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English (en)
Inventor
Hideo Satsuden
秀雄 颯田
Hiroshi Kishi
浩 岸
Toshihiro Fujii
敏博 藤井
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Shimadzu Corp
National Institute for Environmental Studies
Japan Science and Technology Agency
Original Assignee
Shimadzu Corp
National Institute for Environmental Studies
Japan Science and Technology Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 負イオン検出時の感度や精度を改善する。 【解決手段】 表面電離作用により試料分子を負イオン
化するエミッタ14と、負イオンを電場により引き出し
て検出するコレクタ15との間の飛行空間に所定の磁場
を形成する磁気発生器20を設ける。エミッタ14から
コレクタ15へ進行する負イオン及び電子は該磁場によ
り横方向の力を受けるが、質量の小さな電子は特にその
軌道が湾曲するため、コレクタ15に到達しない。これ
により負イオンを検出する一方、背景雑音となる電子の
影響を排除することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガスクロマトグラ
フ装置等において、表面電離作用により試料分子をイオ
ン化しこれを検出する表面電離型イオン化検出器に関す
る。
【0002】
【従来の技術】試料分子又は原子をイオン化する方法と
しては、電子衝撃法、化学イオン化法等種々のものが用
いられている。表面電離法はその一方法であって、適度
に加熱した固体表面に超音速領域にまで加速した試料分
子又は原子を接触させ、表面電離作用により該試料分子
又は原子をイオン化するものである。
【0003】図3は、特公平5−12663号公報に記
載の、従来知られている表面電離型イオン化検出器の構
成図である。試料ガス流路11に導入された試料成分の
分子又は原子を含む試料ガスと補助ガス流路12に供給
された水素、ヘリウム等の比重の軽いガスとは、合流し
てノズル13からイオン化室10内に噴出される。ノズ
ル13の先端には直径が1〜150μm程度の微小径の
ガス噴出孔131が形成されるとともに、ノズル13に
供給されたガスを加熱するために加熱制御部18に接続
されたヒータ132が先端周囲に設けられる。また、ノ
ズル13の前方には、加熱された固体表面を成すエミッ
タ14が配置されている。
【0004】イオン化室10内は真空ポンプ17により
真空排気され、またノズル13の先端及びエミッタ14
は適度に加熱される。試料ガス及び補助ガスをそれぞれ
試料ガス流路11及び補助ガス流路12に供給すると、
両者は混じり合ってノズル13に到達する。ガス噴出孔
131は極く微小径であり且つガスは連続的に供給され
るため、ノズル13内のガス圧は次第に高まる。一方、
イオン化室10内は真空雰囲気であるため、ガス噴出孔
131の内側と外側とでは大きな圧力差が生じる。その
結果、軽い補助ガスは勢い良くイオン化室10内に噴出
し、重い試料成分の分子又は原子も補助ガスの噴出流に
乗って飛び出す。そして、試料成分の分子又は原子は補
助ガス分子と二体衝突を繰り返しながら超音速領域の速
度に到達する。この超音速自由噴流となった試料成分の
分子又は原子はエミッタ14に衝突し、表面電離作用に
よりイオン化される。発生したイオンはコレクタ15に
捕集され、イオン数に応じた電流を電流計16で測定す
ることにより試料成分の濃度を順次検出する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記構成のイオン化検
出器では、エミッタ14として、例えばPt、Re、W
等の金属又はその金属酸化物等の仕事関数の高いものを
用いると、試料分子又は原子がエミッタ14に接触した
際に該試料分子又は原子から電子が奪われて正イオンに
なる。一方、エミッタ14として、CaCO3とSrC
O3とBaCO3との3種混合物、SrCO3とBaCO3
との2種混合物、LaB6、W又はIrにThO2薄膜を
蒸着したもの等、仕事関数の低いものを用いると、試料
の種類(例えば電子親和性の高い物質等)によっては、
エミッタ14から放出された電子を収受して負イオンと
なる。
【0006】コレクタ15で負イオンを検出する場合に
は、エミッタ14に対して相対的に正である電圧をコレ
クタ15に印加し、その正の電場によって負イオンを誘
引する。しかしながら、エミッタ14の近傍には固体表
面から放出された多くの電子が存在するため、上記電場
によってこの電子も誘引されてコレクタ15に到達す
る。このような電子によってコレクタ15に流れる電流
は、イオン電流に対して背景雑音となる。このようなこ
とから、負イオンの検出は正イオンの検出に比べて感度
や精度が劣るものであった。
【0007】本発明はこのような課題を解決するために
成されたものであり、その目的とするところは、負イオ
ン検出において電子による背景雑音の影響を除去するこ
とができる表面電離型イオン化検出器を提供することで
ある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に成された本発明に係る表面電離型イオン化検出器は、 a)真空排気手段により真空排気される真空室と、 b)該真空室内に試料分子又は原子を高速で噴射する噴射
手段と、 c)前記真空室内でノズルの前方に配置され、表面電離作
用により試料分子又は原子を負イオン化する固体表面
と、 d)該固体表面よりも相対的に正である電圧により前記負
イオンを収集して検出する検出手段と、 e)前記固体表面と検出器との間の空間に所定の磁場を発
生させる磁場発生手段と、を備えることを特徴としてい
る。
【0009】
【発明の実施の形態】この構成では、固体表面として仕
事関数が低い金属や金属化合物等が用いられる。このよ
うな固体表面では内部の電子に対する束縛が弱いため、
噴射手段により噴射されて固体表面に接触した試料分子
又は原子は、該固体表面から電子を収受して負イオンに
なる。また、該固体表面近傍には試料分子又は原子に取
り込まれなかった多くの電子が存在している。検出手段
と固体表面との電位差は負イオンと電子との両方に運動
エネルギを与え、それらは検出手段の方向に飛行する。
負イオンと電子とは、その飛行途中で磁場発生手段によ
り形成されている磁場による力を受けるが、電子は負イ
オンよりもその質量が格段に小さいため、より大きな影
響を受ける。すなわち、電子は負イオンよりもその飛行
軌道が大きく曲げられて、結局検出手段に到達せずに発
散し、真空排気されたり、検出手段以外の真空室壁面等
に接触して消滅する。一方、相対的に質量の大きな負イ
オンは磁場の影響が小さく、直進又は所定の軌道を通っ
て検出手段に到達する。
【0010】
【発明の効果】このように本発明に係る表面電離型イオ
ン化検出器では、負イオンにあまり影響を与えることな
く電子のみを排除することができるので、検出器におい
て電子による背景雑音が減少し、負イオンを高感度且つ
高精度に検出することができる。
【0011】
【実施例】以下、本発明に係る表面電離型イオン化検出
器の一実施例について図1を参照して説明する。図1
は、本実施例のイオン化検出器の要部の構成図である。
試料ガス流路11に供給された試料ガスと補助ガス流路
12に供給された補助ガスとを混合してノズル13のガ
ス噴出孔131からイオン化室10内へ噴射し、固体表
面を成すエミッタ14に接触させてイオン化し、発生し
たイオンをコレクタ15により検出する、という基本的
な構成は図3に示した従来のイオン化検出器と同様であ
る。エミッタ14としては上述のような仕事関数の低い
ものが用いられ、エミッタ14からコレクタ15に向か
って電位が高くなる電位勾配が形成されるように、エミ
ッタ14及び/又はコレクタ15に電圧が印加されてい
る。
【0012】このイオン化検出器では、エミッタ14と
コレクタ15との間の空間に所定の磁場を形成するため
に、ソレノイド等の電磁石又は永久磁石から成る磁気発
生器20が配設されている。該磁気発生器20による磁
力線は、エミッタ14からコレクタ15に向かって進む
負イオンの飛行方向とほぼ直交している。
【0013】エミッタ14に衝突した試料分子は、該エ
ミッタ14から電子を受け取って負イオンになる。ま
た、エミッタ14近傍には、該エミッタ14から放出さ
れたものの試料分子に取り込まれない電子が多数存在し
ている。これら負イオン及び電子は、エミッタ14とコ
レクタ15との間の電位勾配によってコレクタ15の方
向に進行する運動エネルギを付与される。負イオンと電
子とは混じり合って進むが、磁気発生器20により形成
されている磁場を通過する際に、垂直方向にローレンツ
力が作用する。このとき、質量の大きな負イオンはあま
り影響を受けずにその直進軌道を保つが、質量の小さな
電子の飛行軌道は大きく湾曲する。
【0014】そこで、磁場の強さを適宜に設定しておく
ことにより、電子の飛行軌道は図1に破線矢印で示すよ
うに湾曲してコレクタ15に到達せず、一方負イオンは
ほぼ真っ直ぐ進んでコレクタ15に到達するようにする
ことができる。これにより、電流計16によって負イオ
ンによる電流のみを得ることができる。
【0015】次に、本発明に係る表面電離型イオン化検
出器の他の実施例について図2を参照して説明する。図
2に示すイオン化検出器は基本的な構成は上記実施例と
同様であって、一部の構成要素の形状や配置が相違して
いる。
【0016】すなわち、真空排気されているイオン化室
10内において、円筒形状のコレクタ15内の略中心軸
上にノズル13及びエミッタ14が配設されている。そ
して、磁気発生器20は該コレクタ15の外周側に周回
して設けられている。エミッタ14表面で発生した負イ
オンや電子は放射状に周囲に放出される。一方、磁気発
生器20による磁力線はコレクタ15の両開放端面を貫
通してコレクタ15内部を通過するから、図1の例と同
様に、負イオン及び電子の進行方向に対してほぼ垂直に
ローレンツ力が作用することになる。
【0017】磁場の強さを適宜に設定しておくと、電子
は図2に示すような円軌道上を周回し続け、一方負イオ
ンは飛行軌道を湾曲させつつも周囲を取り囲むコレクタ
15内面に到達するようにすることができる。エミッタ
14はコレクタ15の中心線上に配置されているため、
同一時刻にエミッタ14近傍から放射状に飛行を開始し
た負イオンは、ほぼ同一時刻にコレクタ15に到達す
る。
【0018】上記実施例についても同様であるが、磁場
の強さは、エミッタ14とコレクタ15との離間距離、
該両者の電位差、コレクタ15の大きさ(イオン捕集部
分の面積)等の、種々の要因を考慮して予め適切に決め
ておくことが好ましい。具体的には、本願発明者らの実
験によれば、コレクタ15の直径を15mmとし、コレ
クタ15を接地電位にするとともにノズル13及びエミ
ッタ14に−100〜−300Vの電圧を印加した状態
では、300〜3000ガウス程度の強さの磁場を発生
させることにより、ほぼ負イオンのみをコレクタ15に
到達させるようにすることができる。なお、イオン化室
10内は常に高真空状態に維持されているので、上述の
ようにエミッタ14とコレクタ15との間の空間で周回
する電子も、不所望のガス分子等と一緒にイオン化室1
0外に排気されることになる。
【0019】なお、上記実施例は一例であって、本発明
の趣旨の範囲で適宜変更や修正を行なえることは明らか
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例による表面電離型イオン化
検出器の構成図。
【図2】 本発明の他の実施例による表面電離型イオン
化検出器の構成図。
【図3】 従来知られている表面電離型イオン化検出器
の構成図。
【符号の説明】
10…イオン化室 11…試料ガス流路 12…補助ガス流路 13…ノズル 131…ガス噴出孔 14…エミッタ 15…コレクタ 17…真空ポンプ 20…磁気発生器
フロントページの続き (71)出願人 599089310 岸 浩 小山市中久喜771番地 小山工業高等専門 学校内 (72)発明者 颯田 秀雄 京都市中京区西ノ京桑原町1番地 株式会 社島津製作所三条工場内 (72)発明者 岸 浩 小山市中久喜771番地 小山工業高等専門 学校内 (72)発明者 藤井 敏博 つくば市小野川16番2号 国立環境研究所 内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 a)真空排気手段により真空排気される真
    空室と、 b)該真空室内に試料分子又は原子を高速で噴射する噴射
    手段と、 c)前記真空室内でノズルの前方に配置され、表面電離作
    用により試料分子又は原子を負イオン化する固体表面
    と、 d)該固体表面よりも相対的に正である電圧により前記負
    イオンを収集して検出する検出手段と、 e)前記固体表面と検出器との間の空間に所定の磁場を発
    生させる磁場発生手段と、 を備えることを特徴とする表面電離型イオン化検出器。
JP10169238A 1998-06-01 1998-06-01 表面電離型イオン化検出器 Pending JPH11345590A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007194094A (ja) * 2006-01-20 2007-08-02 Shimadzu Corp 質量分析装置
WO2013087635A1 (fr) * 2011-12-15 2013-06-20 Thales Système de détection et de comptage d'ions
GB2588415A (en) * 2019-10-22 2021-04-28 Gaston Klemz Nicholas An apparatus for generating a force

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