JPH10265655A - ポリエステル/含窒素化合物系改質剤 - Google Patents

ポリエステル/含窒素化合物系改質剤

Info

Publication number
JPH10265655A
JPH10265655A JP7390997A JP7390997A JPH10265655A JP H10265655 A JPH10265655 A JP H10265655A JP 7390997 A JP7390997 A JP 7390997A JP 7390997 A JP7390997 A JP 7390997A JP H10265655 A JPH10265655 A JP H10265655A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
acid
group
polyester
polymer
weight
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP7390997A
Other languages
English (en)
Inventor
Shizuo Kitahara
静夫 北原
Shinya Ikeda
新也 池田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Zeon Corp
Original Assignee
Nippon Zeon Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Zeon Co Ltd filed Critical Nippon Zeon Co Ltd
Priority to JP7390997A priority Critical patent/JPH10265655A/ja
Publication of JPH10265655A publication Critical patent/JPH10265655A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Coating Of Shaped Articles Made Of Macromolecular Substances (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ポリオレフィンやポリスチレンなどの極性が
小さい樹脂や高高飽和炭化水素ゴムの塗装性を十分に高
めることのできる新規なポリマー用改質剤、該改質剤を
含むポリマー組成物、ポリマー成形体及び塗装ポリマー
成形体を提供する。 【解決手段】 多価カルボン酸成分及び多価アルコール
成分とを縮重合して得られる水酸基価が高いポリエステ
ルと、含窒素化合物とを含有する改質剤を使用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多価アルコール成
分と多価カルボン酸成分とを縮重合して得られる特定の
ポリエステルと含窒素化合物とを含有してなる樹脂状又
はゴム状ポリマー用改質剤、該改質剤を含むポリマー組
成物、該ポリマー組成物を成形してなるポリマー成形体
及び該ポリマー成形体の表面を塗装してなる塗装ポリマ
ー成形体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】周知の通り、ポリプロピレン等のオレフ
ィン系樹脂やエチレン−プロピレン−ジエン共重合ゴム
(EPDM)等のオレフィン系ゴムは、優れた諸特性を
有し且つ比較的安価なことより広く用いられているが、
分子内に極性基が無いために、塗膜を付した場合、実用
的な塗膜密着強度や塗膜耐溶剤性などの塗装性が得られ
ないという問題を有している。特開平4−272948
号公報には、エチレンと水酸基含有不飽和化合物との共
重合体に有機スズ及び/又は第三級アミン化合物を組み
合わせることにより、塗装性を改善したオレフィン系樹
脂成形体が開示されているが、プライマーなどの前処理
なしでは十分な効果が得られていない。また、特開平6
−145436号公報や特開平6−145440号公報
には、不飽和ヒドロキシ化合物でグラフト変性した変性
オレフィン樹脂に、水酸基とイソシアネートとの反応を
促進するスズ系化合物や第三級アミンを組み合わせて塗
装性を改善する技術が開示されているが、これらの技術
も未だ十分満足のいくものではない。さらに、特開平7
−108835号公報にはEPDM基材とウレタン層と
の間に、エポキシ基含有アクリル系エラストマーに有機
過酸化物及び第一級アミン又はイミダゾール化合物を組
み合わせた中間層を置くことにより、EPDM基材とウ
レタン層との接着性を改善する技術が開示されている
が、中間層を設ける手間の割りには効果が十分ではな
い。また、特開平8−150684号公報には、EPD
Mゴムとウレタン層との接着性を改善するために、ポリ
ヒドロキシポリオレフィン、水酸基含有ポリブタジエ
ン、水酸基含有ポリイソプレンに、必要に応じてスズ系
化合物や第三級アミン化合物などのウレタン層中のイソ
シアネート基との反応を促進する触媒を添加してもよい
との技術が開示されているが、具体的にこれらの効果が
開示されてない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、樹脂状又は
ゴム状ポリマーについて、その塗膜密着強度や塗膜耐溶
剤性などの塗装性を改善することのできるポリマー用改
質剤を提供すること、及び該ポリマー用改質剤を含む塗
装性に優れたポリマー組成物、ポリマー成形体、塗装ポ
リマー成形体を提供することを目的としたものである。
【課題を解決するための手段】本発明者は鋭意研究の結
果、多価アルコール成分と多価カルボン酸成分とを縮重
合して得られる特定のポリエステル及び含窒素化合物を
含有してなる組成物が、樹脂状又はゴム状ポリマーの塗
装性の改善に優れ、改質剤として非常に有用であること
を見いだし、本発明を完成するに至った。すなわち、本
発明は、多価アルコール成分と多価カルボン酸成分とを
縮重合して得られる水酸基価が30mgKOH/g以上
であり、かつ重量平均分子量(Mw)が1,000〜5
00,000のポリエステル及び含窒素化合物を含有し
てなる樹脂状又はゴム状ポリマー用改質剤に関する。さ
らに、本発明は、樹脂状又はゴム状ポリマーに該改質剤
を含有してなるポリマー組成物、該ポリマー組成物を成
形してなるポリマー成形体、該ポリマー成形体の表面を
塗装してなる塗装ポリマー成形体にも関する。
【発明の実施の形態】
【0004】本発明に用いるポリエステルは、多価アル
コール成分と多価カルボン酸成分とを縮重合して得られ
るものであって、且つ、その水酸基は30mgKOH/
g以上、重量平均分子量は1,000〜500,000
である。
【0005】本発明に用いるポリエステルの多価アルコ
ール成分としては、2価以上のアルコール系モノマーが
用いられ、通常のポリエステル合成で使用されるもので
あれば特に制限はなく、例えば、2価アルコール系モノ
マー又は2価アルコール系モノマーと3価以上のアルコ
ール系モノマーとの混合物を用いることができる。本発
明においては、多価アルコール成分中に少なくとも1種
のヒンダードアルコール系モノマー又はオリゴオキシア
ルキレングリコールを含むものを用いることが好まし
く、その含有量は全多価アルコール成分中、通常10重
量%以上、好ましくは20重量%以上、より好ましくは
40重量%以上である。
【0006】2価アルコール系モノマーとしては、例え
ば、アルカンジオール類、シクロアルカンジオール類、
芳香族系ジオール類、オリゴオキシアルキレングリコー
ル類及びポリオキシアルキレングリコール類、ポリエス
テルジオール類、ヒンダードグリコール類などが用いら
れる。これらの中では、アルカンジオール類、シクロア
ルカンジオール類、オリゴオキシアルキレングリコール
類及びポリオキシアルキレングリコール類、ヒンダード
グリコール類などが好ましく、特にオリゴオキシアルキ
レングリコール類及びヒンダードグリコール類が好まし
い。
【0007】アルカンジオール類としては、例えば、エ
チレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プ
ロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,4−ブ
タンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘ
キサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−
ノナンジオールなどが挙げられる。これらの中でも、
1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオー
ル、1,9−ノナンジオールなどの主鎖の炭素数が6〜
9のアルカンジオール類が好ましい。また、シクロアル
カンジオール類としては、例えば、シクロペンタン−
1,2−ジオール、シクロヘキサン−1,2−ジオー
ル、シクロヘキサン−1,3−ジオール、シクロヘキサ
ン−1,4−ジオール、シクロオクタン−1,4−ジオ
ール、2,5−ノルボルナンジオールなどが挙げられ
る。
【0008】芳香族系ジオール類としては、例えば、p
−キシレンジオール、4,4’−メチレンジフェノー
ル、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、2,5−ナフ
タレンジオールなどが挙げられる。
【0009】また、オリゴオキシアルキレングリコール
類及びポリオキシアルキレングリコール類としては、例
えば、酸化エチレン、酸化プロピレン、酸化ブチレン等
の酸化アルキレンの単独又は混合物を公知の方法で重合
したものが挙げられ、例えば、下記の一般式(1)で表
されるものを用いることができる。 HO−((CH2 )a −CHR1 O)b −H (1) ここで、R1 は、水素原子またはメチル基、エチル基な
どの炭素数1〜6の低級アルキル基を示し、好ましくは
水素原子又はメチル基である。aは、1〜6の整数を示
し、好ましくは1〜4の整数である。bは、2〜100
の整数を示し、好ましくは2〜50、より好ましくは2
〜25の整数である。具体的には、ジエチレングリコー
ル、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコー
ル、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコー
ルなどのオリゴオキシアルキレングリコール;ポリエチ
レングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチ
レンポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコー
ルなどのポリオキシアルキレングリコールなどが挙げら
れる。
【0010】ポリエステルジオール類としては、例え
ば、特開平6−116372号公報に開示されるβーブ
チロラクトン、γーブチロラクトン、δーバレロラクト
ンなどのラクトンと、エチレングリコール、ジエチレン
グリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレン
グリコールなどのオリゴオキシアルキレングリコール又
はポリオキシアルキレングリコールとの開環生成物が挙
げられ、例えば、下記の一般式(2)で表されるものを
用いることができる。 OH−(R2 −COO−G)p −H (2) ここで、R2 はアルキレン基を示し、通常、その炭素数
は2〜6である。pは2〜1000の整数を示し、好ま
しくは5〜500、より好ましくは10〜100の整数
である。Gは−(CH2 CHR3 O)q 基を示し、この
式中、qは1〜4の整数を示し、R3 は水素原子又はメ
チル基、エチル基などの炭素数1〜6の低級アルキル基
を示す。
【0011】ヒンダードグリコール類としては、分子内
に2個のヒドロキシル基を有し、かつヒドロキシル基の
β位の炭素原子が水素原子を有さない化合物であれば格
別な限定はないが、例えば、下記の一般式(3)で表さ
れるものを用いることができる。 HOCH2 −C(R4 5 )−CH2 OH (3) ここで、R4 、R5 は、それぞれ独立してアルキル基を
示す。アルキル基の炭素数は、特に制限はないが、通常
1〜50個、好ましくは1〜20個、より好ましくは2
〜10個である。アルキル基の具体例としては、例え
ば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル
基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、アミ
ル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル
基、デシル基、ドデシル基、トリデシル基、ペンタデシ
ル基、オクタデシル基、エイコシル基などが挙げられ、
これらの中でも、メチル基、エチル基、プロピル基、イ
ソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチ
ル基、アミル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル
基、ノニル基、デシル基などが好ましく、エチル基、プ
ロピル基、ブチル基、アミル基、ヘキシル基、ヘプチル
基、オクチル基、ノニル基、デシル基などが特に好まし
い。ヒンダードグリコール類の具体例としては、例え
ば、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、
2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、2,2
−ジプロピル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジ
イソプロピル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジ
ブチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジイソブ
チル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−2−ド
デシル−1,3−プロパンジオール、2−ブチル−2−
エチル−1,3−プロパンジオール、2−プロピル−2
−ペンチル−1,3−プロパンジオールなどが挙げら
れ、これらの中でも、2,2−ジエチル−1,3−プロ
パンジオール、2,2−ジプロピル−1,3−プロパン
ジオール、2,2−ジブチル−1,3−プロパンジオー
ル、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオー
ル、2−プロピル−2−ペンチル−1,3−プロパンジ
オールなどが好ましく、特に2,2−ジエチル−1,3
−プロパンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3
−プロパンジオールが好ましい。
【0012】3価以上のアルコール系モノマーとして
は、3個以上のヒドロキシル基を有するものであれば格
別限定されないが、例えば、下記一般式(4)で示され
る3価以上のヒンダードアルコール;下記一般式(5)
で示される4価以上のアルコール;グリセロール、ジグ
リセロール、ポリグリセロールなどのグリセロール化合
物類;ソルビトール、グルコース、マンニトール、ショ
糖、ブドウ糖などの糖類の他、分子内にエポキシ基を2
個以上有するエポキシ化合物を用いることもできる。こ
れらの中では、一般式(4)で示される3価以上のヒン
ダードアルコール、一般式(5)で示される4価以上の
アルコール中のヒンダード型のものが好ましい。
【0013】3価以上のヒンダードアルコール類として
は、分子内に3個以上のヒドロキシル基を有し、かつヒ
ドロキシル基のβ位の炭素原子が水素原子を有さない化
合物であれば格別な限定はないが、例えば下記一般式
(4)で表されるものを用いることができる。 HOCH2 −C(R6 7 )−CH2 OH (4) 式中のR6 、R7 は、それぞれ独立してアルキル基また
はヒドロキシル基を有するアルキル基を示し、R6 、R
7 の少なくとも一つがヒドロキシル基を有するアルキル
基である。ここで、アルキル基の炭素数は、特に制限は
ないが、通常1〜50個、好ましくは1〜20個、より
好ましくは2〜10個である。アルキル基の具体例は、
一般式(3)に関連して述べたものと同様である。かか
る三価以上のヒンダードアルコールの具体例としては、
例えば、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパ
ン、トリメチロールブタン、ペンタエリスリトールなど
が挙げられ、特にトリメチロールプロパン、ペンタエリ
スリトールが好ましい。
【0014】4価以上のアルコールとしては、主鎖の末
端又は鎖中に、直鎖又は分枝鎖の−Cn 2nOH基(n
は0〜5の整数)を2以上有する炭素原子を2以上含む
ものが用いられる。その炭素数は、特に制限はないが、
通常4〜30、好ましくは6〜20の範囲である。ま
た、nは好ましくは0〜2、特に好ましくは1である。
また、ヒドロキシル基のβ位の炭素原子に水素原子のな
いもの(ヒンダード型)が特に好ましい。上記の4価以
上の多価アルコールは、好ましくは、下記一般式(5)
で表される。
【0015】
【化1】
【0016】ここで、R8 、R9 はH、Cn H2nOH及
び置換又は無置換のアルキル基から成る群から選択され
(ただしnは0〜5の整数であり、それぞれが異なって
いてもよい)、Xはオキシ、低級アルキル基で置換され
ていてもよい炭素数1〜10のアルキレンオキシ、アル
キレンオキシアルキレン又はアルキレンである。上記の
nは、好ましくは0〜2、特に好ましくは1である。R
8 又はR9 のアルキル基の炭素数は、特に制限はない
が、通常、1〜50、好ましくは1〜20、より好まし
くは2〜10の範囲である。アルキル基の具体例は、一
般式(3)に関連して述べたものと同様である。Xのア
ルキレンオキシ、アルキレンオキシアルキレン又はアル
キレンの炭素数は、通常、1〜10、好ましくは1〜
6、より好ましくは2〜5、最も好ましくは2である。
具体例としては、例えば、メチレン基、エチレン基、プ
ロピレン基、イソプロピレン基、ブチレン基、イソブチ
レン基、sec−ブチレン基、tert−ブチレン基、
nーアミレン基、メチレンオキシ基、エチレンオキシ
基、プロピレンオキシ基、イソプロピレンオキシ基、ブ
チレンオキシ基、イソブチレンオキシ基、sec−ブチ
レンオキシ基、tert−ブチレンオキシ基、nーアミ
レンオキシ基、メチレンオキシメチレン基、メチレンオ
キシエチレン基、メチレンオキシプロピレン基、メチレ
ンオキシブチレン基、エチレンオキシエチレン基、エチ
レンオキシプロピレン基などが挙げられる。好ましくは
メチレンオキシメチレン基である。
【0017】上記の一般式に含まれる化合物として好ま
しくは、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパ
ン、トリメチロールブタン、トリエタノールプロパン、
トリエタノールブタン、ペンタエリスリトール、グリセ
リンから成る群から選択される1種又は2種以上の化合
物(2種が共にグリセリンである場合を除く)の脱水縮
合物が挙げられ、例えば、ジトリメチロールエタン、ジ
トリメチロールプロパン、ジトリメチロールブタン、ジ
トリエタノールプロパン、ジトリエタノールブタン、ジ
ペンタエリスリトールなどが好ましく、ジトリメチロー
ルプロパン、ジペンタエリスリトールがより好ましい。
【0018】多価アルコール成分としては、分子内にエ
ポキシ基を2個以上有するエポキシ化合物を用いること
もでき、例えば、ネオペンチルグリコールジグリシジル
エーテル、ポリテトラメチレングリコールジグリシジル
エーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエー
テル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、
ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリ
ブタジエングリコールジグリシジルエーテル、ハイドロ
キノンジグリシジルエーテル、ビスフェノールAのジグ
リシジルエーテル、ビスフェノールFのジグリシジルエ
ーテル、ビスフェノールSのジグリシジルエーテル、ビ
スフェノールAのアルキレンオキシド付加物のジグリシ
ジルエーテル、アジピン酸ジグリシジルエステル、o−
フタル酸ジグリシジルエステル、テレフタル酸ジグリシ
ジルエステル、ダイマー酸ジグリシジルエステルなどが
挙げられる。
【0019】多価アルコール成分は、ヒドロキシル基以
外に、2価カルボン酸成分との縮重合反応を阻害しない
範囲であれば、不飽和結合基を有してよく、またその他
の置換基を有してよい。置換基としては、例えば、メチ
ル、エチル、プロピル、ブチル、アミル、ヘキシルなど
のような低級アルキルで置換された3級アミノ基;ニト
ロ基;シアノ基;カルバモイル基;フッ素、塩素のよう
なハロゲン原子;メトキシ、エトキシのような低級アル
コキシ基;トリフルオロメチルのようなハロゲン化低級
アルキル基が挙げられる。
【0020】2価アルコール系モノマー及び3価以上ア
ルコール系モノマーは、それぞれ単独で又は2種以上を
組み合わせて用いることができる。その使用割合は使用
目的に応じて適宜選択されるが、通常、2価アルコール
の割合は全多価アルコール成分中の通常30〜100重
量%、好ましくは40〜95重量%、より好ましくは5
0〜90重量%であり、3価以上アルコールの割合は通
常0〜70重量%、好ましくは5〜60重量%、より好
ましくは10〜50重量%である。
【0021】本発明においては、アルコール成分とし
て、本発明の効果を損なわない範囲で、例えば、メタノ
ール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、t
−ブタノール、ネオペンチルアルコール、3−メチル−
3−ペンタノール、3−エチル−3−ペンタノール、
2,3,3−トリメチル−2−ブタノール、1−デカノ
ール、ノニルアルコールなどの1価アルコールを併用し
てもよい。これらも上記の多価アルコールと同様に置換
基を有していてもよい。それぞれ単独で又は2種以上を
組み合わせて用いることができるが、その許容量は、全
アルコール成分の通常20重量%以下、好ましくは15
重量%以下、より好ましくは10重量%以下である。
【0022】本発明に用いるポリエステルの多価カルボ
ン酸成分としては、2価以上のカルボン酸系モノマーが
用いられ、通常のポリエステル合成に用いられるもので
あれば、特に制限はない。好適には、2価カルボン酸系
モノマーを主成分とするものが用いられる。2価カルボ
ン酸系モノマーとしては特に制限はなく、直鎖状、分枝
鎖状又は環状の脂肪族2価カルボン酸あるいは芳香族又
は複素環2価カルボン酸が用いられ、好ましくは脂肪酸
2価カルボン酸、芳香族2価カルボン酸である。
【0023】脂肪族2価カルボン酸としては、例えばコ
ハク酸、マロン酸、メチルマロン酸、ジメチルマロン
酸、グルタル酸、アジピン酸、マレイン酸、フマル酸、
イタコン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、
1,2−シクロヘキサン・二酸、1,3−シクロヘキサ
ン・二酸、1,4−シクロヘキサン・二酸などのような
炭素数1〜9の低級脂肪族2価カルボン酸及び炭素数が
10以上の高級脂肪族2価カルボン酸が用いられ、高級
脂肪族カルボン酸が好適である。その炭素数は、通常1
0〜200、好ましくは20〜150、より好ましくは
20〜100の範囲である。かかる高級脂肪族2価カル
ボン酸の具体例としては、セバシン酸、ブラシル酸、ポ
リアルケニル琥珀酸、重合脂肪酸のダイマー酸などが挙
げられる。これらの中でも、ポリアルケニル琥珀酸、重
合脂肪酸のダイマー酸が好ましく、重合脂肪酸のダイマ
ー酸がより好ましい。
【0024】ポリアルケニル琥珀酸は、下記の一般式
(6)で表される。
【化2】 ここで、R10は炭素数1〜6の低級アルキレンの重合体
鎖であり、好ましくは、低級アルキレンはエチレン、プ
ロピレン、ブチレンから選ばれた1種である。重合度は
好ましくは、10〜300の範囲である。
【0025】重合脂肪酸のダイマー酸としては、一般的
には、脂肪酸又は脂肪酸エステルを公知の方法で重合し
たものが用いられ、重合脂肪酸中に残存する炭素−炭素
不飽和結合を水素添加したものであってもよい。高級脂
肪酸又は高級脂肪酸エステルを重合した高級重合脂肪酸
のダイマー酸が好適である。脂肪酸としては、飽和又は
不飽和のいずれでもよく、その炭素数は、通常8〜3
0、好ましくは12〜24、より好ましくは16〜20
の範囲である。脂肪酸エステルとしては、上記脂肪酸の
メチル、エチル、プロピル、ブチル、アミル、シクロヘ
キシルなどのアルキルエステルが用いられる。好ましい
重合脂肪酸としては、例えば、オレイン酸、リノール
酸、リシノレイン酸、エレオステアリン酸などの不飽和
高級脂肪酸を重合したもの、トール油や牛脂などの天然
脂肪酸を重合したものなどが挙げられる。重合脂肪酸の
構造解析は、D.H.Mcmahonらにより報告され
ている(J.Am.Oil.Chem.Soc.,5
1,522(1974))。重合脂肪酸は市販品として
も入手が可能である。市販品は、オレイン酸、リノール
酸、リシノレイン酸、エリオステアリン酸などを重合し
たものであり、ダイマー酸を主成分とし、ダイマー酸以
上のポリマー酸とモノマー酸とを副成分とする。これら
は蒸留法又は溶媒抽出法によって精製することができ、
精製して用いてもよいし、精製せずにそのまま用いても
よい。
【0026】芳香族2価カルボン酸としては、基本骨格
として芳香族環が1個のものを一般に用いるが、ビフェ
ニル、p−テルフェニル、ジフェニルメタン、トリフェ
ニルメタン、ビベンジル、スチルベンなどの形態で、独
立した芳香族環を骨格中に2個〜3個有するものであっ
てもよく、また、ナフタリン、アントラセン、フェナン
トレンなどの芳香族環が2個〜3個縮合したものであっ
てもよく、さらに、インデン、テトラリンなどの芳香族
環に5員又は6員の他の炭素環が縮合した縮合環を有す
るものであってもよい。炭素数は、通常、8〜30、好
ましくは8〜20、より好ましくは8〜15の範囲であ
る。
【0027】芳香族2価カルボン酸系モノマーの好まし
い具体例としては、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフ
タレン−2,6−ジカルボン酸、ナフタレン−1,4−
ジカルボン酸、ナフタレン−2,3−ジカルボン酸など
が挙げられる。これらの中でもテレフタル酸やイソフタ
ル酸が好ましい。
【0028】複素環2価カルボン酸とは、環を構成する
ヘテロ原子として窒素原子、硫黄原子及び酸素原子から
選ばれた1以上のヘテロ原子を含む5員、6員環又はそ
れらの縮合環に2個のカルボキシル基が配位しているも
のをいい、一般のポリエステル合成で通常用いられるも
のを使用目的に応じて適宜選択して用いることができ
る。複素環としては、具体的には、ピロール、ピラゾー
ル、ピリジン、ピラジン、キノリン、ナフチリジン、キ
ノキサリン;チオフェン、ベンゾチオフェン;フラン、
ピラン、イソベンゾフラン、クロメンなどが挙げられ、
ピラゾール、ピリジン、ピラジンなどのヘテロ原子とし
て窒素原子を含むものが好ましい。炭素数は、通常、8
〜30、好ましくは8〜20、より好ましくは8〜15
の範囲である。複素環2価カルボン酸系モノマーの具体
例としては、例えば、2,5−ピロールジカルボン酸、
2,3−ピリジンジカルボン酸、2,5−ピリジンジカ
ルボン酸、2,6−ピリジンジカルボン酸、ピラジン−
2,3−ジカルボン酸、3,5−ピラゾールジカルボン
酸、2,4−キノリンジカルボン酸、2,7−ナフチリ
ジンジカルボン酸、2,3−キノキサリンジカルボン
酸、2,5−チオフェンジカルボン酸などが挙げられ
る。これらの中でも2,3−ピリジンカルボン酸、2,
5−ピリジンジカルボン酸、2,6−ピリジンジカルボ
ン酸、ピラジン−2,3−ジカルボン酸、3,5−ピラ
ゾールジカルボン酸などが好ましい。
【0029】ここで、2価カルボン酸の2つのカルボキ
シル基の置換位置は、多価アルコール成分との縮重合反
応を阻害しない範囲であれば任意の位置であってよい。
また、2価カルボン酸は、上記の2つのカルボキシル基
の他、多価アルコール成分との縮重合反応を阻害しない
範囲であれば、その他の置換基を有してもよく、例え
ば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、アミル、ヘキ
シルなどのような低級アルキルで置換された3級アミノ
基;ニトロ基;シアノ基;カルバモイル基;フッ素、塩
素のようなハロゲン原子;メチル、エチル、プロピル、
イソプロピルのような低級アルキル基;メトキシ、エト
キシのような低級アルコキシ基;トリフルオロメチルの
ようなハロゲン化低級アルキル基などが挙げられる。
【0030】2価カルボン酸は、それらの酸ハロゲン化
物、酸無水物、エステル化合物などの誘導体であっても
よい。エステル化合物としては、特に制限はないが、通
常、アルキルエステルが用いられる。アルキルエステル
としては、例えば、メチルエステル、エチルエステル、
プロピルエステル、イソプロピルエステル、ブチルエス
テル、アミルエステル、ヘキシルエステルなどの低級ア
ルキルエステル;オクチルエステル、デシルエステル、
ドデシルエステル、ペンタデシルエステル、オクタデシ
ルエステルなどの高級アルキルエステルが挙げられ、好
ましくは低級アルキルエステル、より好ましくは、メチ
ルエステル、エチルエステル、プロピルエステル、ブチ
ルエステルなどである。酸ハロゲン化物としては、特に
制限はないが、通常、酸塩化物が用いられる。
【0031】2価カルボン酸系モノマーは、それぞれ単
独で又は2種以上を組み合せて用いることができる。そ
の割合は、使用目的に応じて適宜選択されるが、全多価
カルボン酸成分中の通常50〜100重量%、好ましく
は70〜100重量%、より好ましくは80〜100重
量%の範囲である。
【0032】2価カルボン酸系モノマー以外の残部は、
一般のポリエステル合成で使われる3価以上のカルボン
酸が格別の限定なく用いられる。3価以上のカルボン酸
も上記の2価カルボン酸系モノマーと同様に置換基を有
していてもよく、また、カルボン酸誘導体であってもよ
い。3価以上のカルボン酸としては、例えば、トリメリ
ット酸、トリカルバリル酸、カンホロン酸、トリメシン
酸、重合脂肪酸の中のトリマー酸などの3価以上のカル
ボン酸などが挙げられ、それぞれ単独で又は2種以上を
組み合わせて用いることができる。
【0033】本発明においては、カルボン酸成分とし
て、本発明の効果を損なわない範囲であれば、蟻酸、酢
酸、酪酸、2−メチルプロパン酸、吉草酸、イソオクチ
ル酸、イソノナノイック酸、ラウリン酸、ミリスチン
酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、
アラキン酸、リノール酸、オレイン酸、エライジン酸な
どの1価カルボン酸を併用してもよい。これらも上記の
2価カルボン酸と同様に置換基を有していてもよく、ま
た、カルボン酸誘導体であってもよい。それぞれ単独で
又は2種以上を組み合わせて用いることができるが、そ
の許容量は、全カルボン酸成分中の通常20重量%以
下、好ましくは10重量%以下、より好ましくは5重量
%以下である。
【0034】上記モノマー成分を縮重合するにあたり、
多価カルボン酸成分と多価アルコール成分とを合計した
全モノマー中のアルコール性反応性基の総数[X]が前
記カルボン酸性反応性基の総数[Y]よりも多い条件で
行うことが、ポリエステルの分子量を高くして、且つ水
酸基価を高くする上で好適である。アルコール性反応性
基の総数[X]とカルボン酸性反応性基の総数[Y]と
の割合は、[X]/[Y]の当量比で、通常1.02以
上、好ましくは1.03〜5、より好ましくは1.04
〜3、最も好ましくは1.05〜2.5の範囲である。
ここで、アルコール性反応性基としては、エステル結合
を形成させるアルコール性の官能基を示し、通常、ヒド
ロキシル基などが挙げられ、また、カルボン酸性反応性
基としては、エステル結合を形成させるカルボン酸性の
官能基を示し、通常、カルボキシル基やエステル基など
が挙げられる。
【0035】縮重合反応は、常法に従えばよく、例えば
反応温度が100〜300℃、好ましくは150〜28
0℃で行われ、特に窒素ガスなどの不活性ガスの存在下
で行うのが好ましい。必要に応じて、トルエン、キシレ
ンなどの水と共沸する非水溶性の有機溶媒を使用しても
よく、また反応を減圧下(通常0.1〜500mmH
g、好ましくは1〜200mmHg、より好ましくは1
0〜100mmHg)で行ってもよい。また、縮重合反
応時には、通常、エステル化触媒が用いられる。エステ
ル化触媒としては、例えば、パラトルエンスルホン酸、
硫酸、リン酸などのブレンステッド酸;三フッ化ホウ素
錯体、四塩化チタン、四塩化スズなどのルイス酸;酢酸
カルシウム、酢酸亜鉛、酢酸マンガン、ステアリン酸亜
鉛、アルキルスズオキサイド、チタンアルコキサイドな
どの有機金属化合物;酸化スズ、酸化アンチモン、酸化
チタン、酸化バナジウムなどの金属酸化物;などが挙げ
られ、得られたポリエステルの酸化安定性の点で周期律
表第IV属の有機金属化合物、特にモノブチルチンオキサ
イド及びテトラ−n−ブチル−オルソチタネートが好ま
しい。
【0036】本発明で使用されるポリエステルの分子量
は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GP
C)で測定されるポリスチレン換算重量平均分子量(M
w)で1,000〜500,000、好ましくは3,0
00〜300,000、より好ましくは6,000〜1
00,000の範囲である。ポリエステルの分子量が過
度に小さいと、軟化点や塗装性に劣り、逆に、過度に大
きいと、ポリエステル分子が樹脂又はゴム成形体表面に
移行し難いため塗装性の改善効果に劣り、いずれも好ま
しくない。
【0037】ポリエステルの水酸基価は30mgKOH
/g以上、好ましくは40〜250mgKOH/g、よ
り好ましくは50〜200mgKOH/gの範囲であ
る。水酸基価がこの範囲にある時に塗装性が特に優れ好
適である。
【0038】ポリエステルが油溶性であると、樹脂状又
はゴム状ポリマーとの相溶性がさらに優れ好適である。
ここで「油溶性」とは下記のように測定されるポリエス
テル溶液の光透過率が60%以上であることを指す。好
ましい光透過率は80%以上である。ポリエステル5g
をトルエン95gに入れ、窒素雰囲気下に80℃で1時
間撹拌しながら溶解し、次いで室温(20℃)まで冷却
する。このトルエン稀釈液を20℃恒温室にて24時間
静置し、次いで、再度撹拌して濁度計(東京光電(株)
製“ANA−14S”)にて透過率を測定する。光源と
してタングステン白熱電球(6V、6A)を用い、セル
として20mm角型ガラスセルを使用する。シャッター
を閉じた状態を透過率0%とし、稀釈に用いたトルエン
自体の透過率を100%とする。
【0039】本発明において使用される含窒素化合物
は、改質剤中の油溶性ポリエステルの水酸基と塗料中の
反応活性基、例えばウレタン塗料中のイソシアネート基
との反応を促進させ、成形体と塗膜との密着強度を高め
る機能を有する。
【0040】含窒素化合物としては、分子中に窒素原子
を1個以上有するものであれば特に限定されないが、通
常はアミン化合物が用いられる。アミン化合物として
は、1級、2級、3級のいずれでもよいが、3級アミン
化合物が好適である。3級アミン化合物としては、分子
内に少なくとも1つの3級アミン構造を有するものであ
れば格別な限定はなく、3級アミン構造が鎖状構造にあ
ってもよいし、環構造中にあってもよい。3級アミン構
造部分が鎖状構造にある化合物としては、トリエチルア
ミン、N,N−ジメチルプロピルアミン、N,N−ジエ
チルプロピルアミン、テトラメチルエチレンジアミン、
テトラエチルエチレンジアミン、N−エチルーN−メチ
ルブチルアミン、テトラグアニジンなどの脂肪族アミン
類;N,N−ジエチルエタノールアミン、N,N−ジメ
チルエタノールアミン、N−メチルーN−(ジメチルア
ミノプロピル)アミノエタノール、N−ブチルジエタノ
ールアミン、トリエタノールアミン、トリス(2−ヒド
ロキシプロピル)アミン、N,N−ビス(2−ヒドロキ
シエチル)ラウリルアミンなどの脂肪族アミノアルコー
ル類;N,N−ジエチルベンジルアミン、N,N−ジメ
チルアニリンなどの芳香族アミン類が挙げられる。ま
た、3級アミン構造部分が環構造中にある化合物として
は、N,N−ジエチルアミノピリジン、4−エチル−
2,6−ジメチルピリジンなどのピリジン誘導体;2−
ウンデシルイミダゾール、2−メルカプトベンゾイミダ
ゾールなどのイミダゾール誘導体;テトラキス(N−メ
チル−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジ
ン)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート
などのピペリジン誘導体;テトラゾール、ペンテトラゾ
ールなどのテトラゾール誘導体;2−メチルトリエチレ
ンジアミン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−
7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.
0]−5−ノネン、6−ジブチルアミノ−1,8−ジア
ザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン、1,4−
ジアザビシクロ[2.2.2]−オクタンなどの橋かけ
化合物;6−ジブチルアミノ−1,8−ジアザビシクロ
[5.4.0]−7−ウンデセン・フェノール塩、6−
ジブチルアミノ−1,8−ジアザビシクロ[5.4.
0]−7−ウンデセン・オクタン酸塩などの弱酸塩が挙
げられる。
【0041】これらの含窒素化合物はそれぞれ単独で、
あるいは2種以上を組み合わせて用いられ、その配合量
は、本発明で使用されるポリエステル100重量部に対
し、0.1〜100重量部、好ましくは1〜50重量
部、より好ましくは5〜30重量部の範囲である。含窒
素化合物の配合量がこの範囲にあるときに塗装性などの
改質効果に優れ、且つ、加硫のスコーチやブリードアウ
トなども起こさずに好適である。
【0042】本発明のポリマー組成物において基材とし
て用いられるポリマーとしては、合成樹脂、ゴム、発泡
ウレタンなどの樹脂状又はゴム状ポリマー等が挙げられ
る。合成樹脂としては、格別な制限はないが、好ましく
は熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂、より好ましくは熱可塑
性樹脂が用いられる。熱硬化性樹脂としては、例えば、
フェノール樹脂、クレゾール樹脂、尿素樹脂、メタミン
樹脂、アルキド樹脂、フラン樹脂、不飽和ポリエステル
樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂などが挙げら
れ、好ましくは不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹
脂、ポリウレタン樹脂である。熱可塑性樹脂としては、
例えば、オレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、アクリレ
ート系樹脂、フェニレンエーテル系樹脂、エステル系樹
脂、カーボネート系樹脂及び汎用エンプラなどが挙げら
れ、これらの中でも、オレフィン系樹脂やスチレン系樹
脂などの炭化水素系熱可塑性樹脂、特にオレフィン系樹
脂を用いた時に改善効果が高く好適である。
【0043】オレフィン系樹脂としては、例えば、エチ
レン、プロピレン、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセ
ン−1、4−メチルペンテン−1等のα−オレフィンの
単独重合体;エチレンとプロピレンまたはその他のα−
オレフィンとの共重合体などの2種類以上のα−オレフ
ィンの共重合体;などが挙げられる。これらの中でも、
ポリエチレンやプロピレンを主成分とする(共)重合体
が好ましく、プロピレンを主成分とする(共)重合体が
特に好ましい。プロピレンを主成分とする(共)重合体
としては、ポリプロピレンやプロピレンが50重量%以
上、好ましくは70重量%以上、より好ましくは90重
量%以上とその他のα−オレフィンとからなる共重合体
などが挙げられ、共重合するα−オレフィンとしては、
特にエチレンが好ましい。
【0044】その他のオレフィン系樹脂としては、例え
ば、上記オレフィン系樹脂にアクリル酸やマレイン酸及
びその無水物等のα,β−不飽和カルボン酸をグラフト
共重合させたグラフト共重合変性オレフィン系樹脂;上
記オレフィン系樹脂にアクリル酸やマレイン酸及びその
無水物等のα,β−不飽和カルボン酸をブロック共重合
させたブロック共重合変性オレフィン系樹脂;エチレン
・アクリル酸共重合体、エチレン・メタクリル酸共重合
体、エチレン・クロトン酸共重合体、エチレン・マレイ
ン酸共重合体、エチレン・アクリル酸共重合体、エチレ
ン・アクリル酸メチル共重合体、エチレン・酢酸ビニル
共重合体などのα−オレフィンとその他の共重合可能な
単量体との共重合体;などが挙げられる。
【0045】スチレン系樹脂としては、例えば、ポリス
チレン、耐衝撃性ポリスチレン、スチレン−アクリロニ
トリル共重合体、スチレン−アルキル(メタ)アクリレ
ート共重合体、ABS樹脂、MBS樹脂、AAS樹脂、
スチレン変性ポリフェニレンエーテル、スチレン−ブタ
ジエンブロック共重合体樹脂、スチレン−イソプレンブ
ロック共重合体樹脂及びそれらの水素化物などが挙げら
れる。
【0046】ゴムとしては、格別制限なく、例えば、天
然ゴム;ポリイソプレンゴム、ポリブタジエンゴム、ブ
タジエン−イソプレン共重合体ゴム、クロロプレンゴム
などの共役ジエン重合体ゴム;スチレン−ブタジエンラ
ンダム共重合体ゴム、スチレン−イソプレンランダム共
重合体ゴム、スチレン−イソプレン−ブタジエンランダ
ム共重合体ゴムなどの芳香族ビニル−共役ジエンランダ
ム共重合体ゴム;芳香族ビニル−共役ジエンブロック共
重合ゴム及びその水添物;アクリロニトリル−ブタジエ
ン共重合体ゴムなどの共役ジエンとその他の共重合可能
な単量体との共重合体ゴム;塩素化ポリエチレンゴム、
クロロスルホン化ポリエチレンゴムなどの変性ポリエチ
レンゴム;オレフィン系共重合体ゴム及びその変性体;
シリコーンゴムなどが挙げられる。これらの中でも、芳
香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体ゴム及び水添
物、変性ポリエチレンゴム、オレフィン系共重合体ゴム
及びその変性体、シリコーンゴムなどが好適であり、オ
レフィン系共重合体ゴムが特に好適である。
【0047】オレフィン系共重合体ゴムとしては、例え
ば、前記オレフィン系樹脂で例示したα−オレフィンの
2種以上を共重合した共重合体ゴム、α−オレフィンと
その他の共重合可能な単量体とを共重合した共重合体ゴ
ムなどを挙げることができる。具体的には、例えば、エ
チレン・プロピレン共重合ゴム、エチレン・ブテン−1
共重合ゴムなどのエチレンとその他のα−オレフィンと
の共重合ゴム;イソブテン(90〜99.5重量%)・
イソプレン(10〜0.5重量%)共重合ゴムなどのα
−オレフィンとジエン系単量体との共重合ゴム;エチレ
ン・プロピレン・ジシクロペンタジエン共重合ゴム、エ
チレン・プロピレン・エチリデンノルボルネン共重合ゴ
ムなどのエチレンとその他のα−オレフィンとジエン系
単量体との共重合ゴム;などが挙げられる。
【0048】オレフィン系共重合ゴムの変性体として
は、上記オレフィン系共重合ゴムを極性化合物で変性し
たものが挙げられる。具体的には、例えば、オレフィン
系共重合ゴムの塩素化物、オレフィン系共重合ゴムのク
ロロスルフォン化物、オレフィン系共重合ゴムに極性ビ
ニル化合物を付加反応させた極性ビニル化合物付加物、
オレフィン系共重合ゴムに極性ビニル化合物をグラフト
重合させた極性化合物グラフト重合体などが挙げられ、
好ましくはオレフィン系共重合ゴムの塩素化物、オレフ
ィン系共重合ゴムのクロロスルフォン化物及びオレフィ
ン系共重合ゴムの極性ビニル化合物付加物である。極性
ビニル化合物としては、例えば、アクリル酸、メタクリ
ル酸、クロトン酸、マレイン酸、アクリル酸メチル、酢
酸ビニルなどが挙げられる。
【0049】これらの樹脂状又はゴム状ポリマーはそれ
ぞれ単独で、あるいは2種以上を併用して使用すること
ができる。樹脂状又はゴム状ポリマーと本発明のポリマ
ー改質剤との割合は、使用目的に応じ適宜選択される
が、樹脂状又はゴム状ポリマー100重量部に対してポ
リマー改質剤中のポリエステルが0.01〜50重量
部、好ましくは0.1〜30重量部、より好ましくは1
〜20重量部の範囲である。
【0050】本発明のポリマー組成物においては、必要
に応じて、安定剤、無機フィラー、加硫剤、加硫促進
剤、加硫活性化剤など加硫系、酸化カルシウムなどの脱
水剤、その他、通常の樹脂工業で用いられるその他の配
合剤を添加することができる。
【0051】安定剤としては、例えば、フェノール系、
リン系、硫黄系などの酸化防止剤;ヒンダードアミン
系、ベンゾトリアゾール系、ベンゾエート系などの紫外
線吸収剤;などが挙げられる。これらの中でもリン系酸
化防止剤の添加が好ましく、リン系酸化防止剤単独ある
いはリン系酸化防止剤とその他の安定剤(その他の酸化
防止剤及び/または紫外線吸収剤)とを併用して用いら
れる。
【0052】フェノール系酸化防止剤としては、従来公
知のものが使用でき、例えば、2−t−ブチル−6−
(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジ
ル)−4−メチルフェニル アクリレート、2、4−ジ
−t−アミル−6−(1−(3,5−ジ−t−アミル−
2−ヒドロキシフェニル)エチル)フェニル アクリレ
ートなどの特開昭63−179953号公報や特開平1
−168643号公報に記載されるアクリレート系化合
物;2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、
2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、オク
タデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロ
キシフェニル)プロピオネート、2,2’−メチレン−
ビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,
4’−ブチリデン−ビス(6−t−ブチル−m−クレゾ
ール)、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブ
チルフェノール)、ビス(3−シクロヘキシル−2−ヒ
ドロキシ−5−メチルフェニル)メタン、3,9−ビス
(2−(3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−
メチルフェニル)プロピオニルオキシ)−1,1−ジメ
チルエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ
[5,5]ウンデカン、1,1,3−トリス(2−メチ
ル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタ
ン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)
ベンゼン、テトラキス(メチレン−3−(3’,5’−
ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオ
ネート)メタン、トリエチレングリコール ビス(3−
(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニ
ル)プロピオネート)、トコフェロールなどのアルキル
置換フェノール系化合物;6−(4−ヒドロキシ−3,
5−ジ−t−ブチルアニリノ)−2,4−ビス−オクチ
ルチオ−1,3,5−トリアジン、6−(4−ヒドロキ
シ−3,5−ジメチルアニリノ)−2,4−ビス−オク
チルチオ−1,3,5−トリアジン、6−(4−ヒドロ
キシ−3−メチル−5−t−ブチルアニリノ)−2,4
−ビス−オクチルチオ−1,3,5−トリアジン、2−
オクチルチオ−4,6−ビス−(3,5−ジ−t−ブチ
ル−4−オキシアニリノ)−1,3,5−トリアジンな
どのトリアジン系化合物;などが挙げられる。
【0053】リン系酸化防止剤としては、例えば、トリ
フェニルホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファ
イト、フェニルジイソデシルホスファイト、トリス(ノ
ニルフェニル)ホスファイト、トリス(ジノニルフェニ
ル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフ
ェニル)ホスファイト、トリス(2−t−ブチル−4−
メチルフェニル)ホスファイト、トリス(シクロヘキシ
ルフェニル)ホスファイト、2,2−メチレンビス
(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)オクチルホスファ
イト、9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスフ
ァフェナントレン−10−オキサイド、10−(3,5
−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−9,1
0−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナント
レン−10−オキサイド、10−デシロキシ−9,10
−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレ
ンなどのモノホスファイト系化合物;4,4’−ブチリ
デン−ビス(3−メチル−6−t−ブチルフェニル−ジ
−トリデシルホスファイト)、4,4’−イソプロピリ
デン−ビス(フェニル−ジ−アルキル(C12〜C15)ホ
スファイト)、4,4’−イソプロピリデン−ビス(ジ
フェニルモノアルキル(C12〜C15)ホスファイト)、
1,1,3−トリス(2−メチル−4−ジ−トリデシル
ホスファイト−5−t−ブチルフェニル)ブタン、テト
ラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,4’
−ビフェニレンジホスファイト、サイクリックネオペン
タンテトライルビス(オクタデシルホスファイト)、サ
イクリックネオペンタンテトライルビス(イソデシルホ
スファイト)、サイクリックネオペンタンテトライルビ
ス(ノニルフェニルホスファイト)、サイクリックネオ
ペンタンテトライルビス(2,4−ジ−t−ブチルフェ
ニルホスファイト)、サイクリックネオペンタンテトラ
イルビス(2,4−ジメチルフェニルホスファイト)、
サイクリックネオペンタンテトライルビス(2,6−ジ
−t−ブチルフェニルホスファイト)、サイクリックネ
オペンタンテトライルビス(2,4,6−トリ−t−ブ
チルフェニルホスファイト)などのジホスファイト系化
合物などが挙げられる。これらの中でも、トリス(ノニ
ルフェニル)ホスファイト、トリス(ジノニルフェニ
ル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフ
ェニル)ホスファイト、サイクリックネオペンタンテト
ライルビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニルホスファ
イト)、サイクリックネオペンタンテトライルビス
(2,6−ジ−t−ブチルフェニルホスファイト)、サ
イクリックネオペンタンテトライルビス(2,4,6−
トリ−t−ブチルフェニルホスファイト)などが特に好
ましい。
【0054】イオウ系酸化防止剤としては、例えば、ジ
ラウリル 3,3’−チオジプロピオネート、ジミリス
チル 3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリル
3,3’−チオジプロピオネート、ラウリルステアリ
ル 3,3’−チオジプロピオネート、ペンタエリスリ
トール−テトラキス−(β−ラウリル−チオ−プロピオ
ネート)、3,9−ビス(2−ドデシルチオエチル)−
2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウン
デカンなどが挙げられる。
【0055】ヒンダードアミン系紫外線吸収剤として
は、例えば、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペ
リジル ベンゾエート、ビス(2,2,6,6−テトラ
メチル−4−ピペリジル) セバケート、ビス(1,
2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−2
−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジ
ル)−2−n−ブチルマロネート、4−(3−(3,5
−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオ
ニルオキシ)−1−(2−(3−(3,5−ジ−t−ブ
チル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ)
エチル)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンな
どの化合物が挙げられる。
【0056】ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤として
は、例えば、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニ
ル)ベンゾトリアゾール、2−(3−t−ブチル−2−
ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−5−クロロベンゾ
トリアゾール、2−(3,5−ジーt−ブチル−2−ヒ
ドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、
2−(3,5−ジーt−アミル−2−ヒドロキシフェニ
ル)ベンゾトリアゾールなどの化合物が挙げられる。
【0057】ベンゾエート系紫外線吸収剤としては、例
えば、2,4−ジーt−ブチルフェニルー3,5−ジー
t−ブチルー4−ヒドロキシベンゾエート、ヘキサデシ
ルー3,5−ジーt−ブチルー4−ヒドロキシベンゾエ
ートなどの化合物が挙げられる。
【0058】これらの安定化剤は、それぞれ単独で、あ
るいは2種以上組み合わせて用いられる。これらの安定
化剤の配合量は、使用目的に応じて適宜選択されるが、
ポリエステル100重量部に対して通常0.02〜2重
量部、好ましくは0.05〜1重量部、より好ましくは
0.1〜0.5重量部の範囲である。
【0059】配合する無機フィラーとしては、例えば酸
化カルシウム、酸化マグネシウム、水酸化アルミニウ
ム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、炭酸マグ
ネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、炭
酸カルシウム、チタン酸カルシウム、硫酸バリウム、硫
酸マグネシウム、亜硫酸カルシウム、タルク、クレー、
ガラス、マイカ、ドロマイト、塩基性炭酸カルシウム、
酸化亜鉛、シリカ、カーボンブラック、ガラス繊維など
が挙げられ、好ましくは炭酸カルシウム、硫酸バリウ
ム、マイカ、タルク、カーボンブラックなどである。
【0060】本発明においては、表面処理した無機フィ
ラーが特に好適に用いられる。表面処理の具体例として
は、従来公知のものでよく、例えば、シラン系やチタン
系のカップリング剤、高級脂肪酸や不飽和脂肪酸などの
酸などで処理されたものを挙げることができる。また無
機フィラーの粒径は、格別な限定はないが、平均粒径が
通常5μm以下のものが用いられる。
【0061】これらの無機フィラーは、それぞれ単独
で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができ
る。無機フィラーの使用量は、使用目的に応じて適宜選
択されるが、樹脂状又はゴム状ポリマー100重量部に
対して、通常1〜50重量部、好ましくは2〜40重量
部、より好ましくは5〜30重量部の範囲である。
【0062】加硫剤としては、特に制限はないが、例え
ば、粉末硫黄、沈降硫黄、コロイド硫黄、不溶性硫黄、
高分散性硫黄などの硫黄;一塩化硫黄、二塩化硫黄など
のハロゲン化硫黄;ジクミルパーオキシド;ジ−t−ブ
チルパーオキシドなどの有機過酸化物;p−キノンジオ
キシム、p,p´−ジベンゾイルキノンジオキシムなど
のキノンジオキシム;トリエチレンテトラミン、ヘキサ
メチレンジアミンカルバメート、4,4´−メチレンビ
ス−o−クロロアニリンなどの有機多価アミン化合物;
メチロール基を有するアルキルフェノール樹脂;などが
挙げられ、これらの中でも、硫黄が好ましく、粉末硫黄
が特に好ましい。これらの加硫剤は、それぞれ単独で、
あるいは2種以上を組み合わせて用いられる。
【0063】加硫剤の配合割合は、基材としてのポリマ
ー100重量部に対して、通常、0.1〜15重量部、
好ましくは0.3〜10重量部、さらに好ましくは0.
5〜5重量部の範囲である。加硫剤の配合割合がこの範
囲にある時には、引張強度や耐摩耗性に優れるととも
に、発熱性や残留歪みなどの特性にもすぐれているので
特に好ましい。
【0064】加硫促進剤としては、例えば、N−シクロ
ヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N
−t−ブチル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミ
ド、N−オキシエチレン−2−ベンゾチアゾールスルフ
ェンアミド、N,N´−ジイソプロピル−2−ベンゾチ
アゾールスルフェンアミドなどのスルフェンアミド系加
硫促進剤;ジフェニルグアニジン、ジオルトトリルグア
ニジン、オルトトリルビグアニジンなどのグアニジン系
加硫促進剤;チオカルボアニリド、ジオルトトリルチオ
ウレア、エチレンチオウレア、ジエチルチオウレア、ト
リメチルチオウレアなどのチオウレア系加硫促進剤;2
−メルカプトベンゾチアゾール、ジベンゾチアジルジス
ルフィド、2−メルカプトベンゾチアゾール亜鉛塩、2
−メルカプトベンゾチアゾールナトリウム塩、2−メル
カプトベンゾチアゾールシクロヘキシルアミン塩、2−
(2,4−ジニトロフェニルチオ)ベンゾチアゾールな
どのチアゾール系加硫促進剤;テトラメチルチウラムモ
ノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド、テ
トラエチルチウラムジスルフィド、テトラブチルチウラ
ムジスルフィド、ジペンタメチレンチウラムテトラスル
フィドなどのチウラム系加硫促進剤;ジメチルジチオカ
ルバミン酸ナトリウム、ジエチルジチオカルバミン酸ナ
トリウム、ジ−n−ブチルジチオカルバミン酸ナトリウ
ム、ジメチルジチオカルバミン酸鉛、ジメチルジチオカ
ルバミン酸亜鉛、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジ
−n−ブチルジチオカルバミン酸亜鉛、ペンタメチレン
ジチオカルバミン酸亜鉛、エチルフェニルジチオカルバ
ミン酸亜鉛、ジエチルジチオカルバミン酸テルル、ジメ
チルジチオカルバミン酸セレン、ジエチルジチオカルバ
ミン酸セレン、ジメチルジチオカルバミン酸銅、ジメチ
ルジチオカルバミン酸鉄、ジエチルジチオカルバミン酸
ジエチルアミン、ペンタメチレンジチオカルバミン酸ピ
ペリジン、メチルペンタメチレンジチオカルバミン酸ピ
ペコリンなどのジチオカルバミン酸系加硫促進剤;イソ
プロピルキサントゲン酸ナトリウム、イソプロピルキサ
ントゲン酸亜鉛、ブチルキサントゲン酸亜鉛などのキサ
ントゲン酸系加硫促進剤;などの加硫促進剤が挙げられ
る。
【0065】これらの加硫促進剤は、それぞれ単独で、
あるいは2種以上を組み合わせて用いられる。加硫促進
剤の配合割合は、基材としてのポリマー100重量部に
対して、通常0.1〜15重量部、好ましくは0.3〜
10重量部、さらに好ましくは0.5〜5重量部の範囲
である。
【0066】また、加硫活性化剤としては、特に制限は
ないが、例えばステアリン酸などの高級脂肪酸や酸化亜
鉛などを用いることができる。酸化亜鉛としては、例え
ば、表面活性の高い粒度5μm以下のものを用いるのが
好ましく、かかる具体例としては、粒度が、例えば、
0.05〜0.2μmの活性亜鉛華や0.3〜1μmの
亜鉛華などを挙げることができる。また、酸化亜鉛は、
アミン系の分散剤や湿潤剤で表面処理したものなどを用
いることができる。
【0067】これらの加硫活性化剤は、それぞれ単独
で、あるいは2種以上を併用して用いることができる。
加硫活性化剤の配合割合は、加硫活性化剤の種類により
適宜選択されるが、基材としてのポリマー100重量部
に対して、通常0.05〜20重量部、好ましくは0.
1〜15重量部、より好ましくは0.5〜10重量部で
ある。
【0068】ポリマー組成物の混合方法としては、常法
に従って行えばよく、上記成分を例えば、ヘンシェルミ
キサー等を用いて混合を行った後、一軸押出機、二軸押
出機などの押出機、バンバリー、ブラベンダー、プラス
トミル、ニーダー、ロール、エクストルーダー、多軸混
練機、ダブルヘリカルリボン撹拌機などを用いて混練す
る。混練後のポリマー組成物は、通常ペレット形状で扱
われる。
【0069】上記ポリマー組成物を常法に従って成形す
ることで、成形体表面の塗装性が改良されたポリマー成
形体を得ることができる。成形方法としては、例えば、
射出成形、中空成形、押出成形、圧縮成形、回転成形等
の公知のいずれの方法を用いてもよく、また、任意の成
形体とすることができる。
【0070】また、上記ポリマー成形体の表面を塗装
(塗料の塗布)することで、塗膜強度や耐溶剤性に優れ
た樹脂塗装成形体が得られる。
【0071】適用する塗料としては、工業一般に使用さ
れる塗料であれば特に制限はなく、例えば、溶剤型熱可
塑性(メタ)アクリル系塗料、溶剤型熱硬化性(メタ)
アクリル系塗料、ポリウレタン系塗料、アクリルウレタ
ン系塗料、シリコン変性ウレタン系塗料、メラミン系塗
料、エポキシ系塗料、アクリル変性アルキッド系塗料、
アミンアルキッド系塗料、アルキッドメラミン系塗料、
ポリエーテルメラミン系塗料、ポリエステルメラミン系
塗料などが挙げられる。これらの中でも、ポリウレタン
系塗料、アクリルウレタン系塗料、エポキシ系塗料、ア
ルキッドメラミン系塗料、ポリエーテルメラミン系塗料
などが好ましく、ポリウレタン系塗料、ポリエーテルメ
ラミン系塗料、ポリエステルメラミン系塗料が特に好ま
しい。
【0072】塗料の塗布は、前記ポリマー成形体表面に
直接、あるいは必要により温水洗浄等の脱脂処理及び/
またはプライマー処理を施した後に行うことができる。
塗料の塗布方法としては、常法に従えばよく、例えば、
静電塗装、吹き付け(エアスプレー)塗装、刷毛塗り塗
装、ローラーなどによる塗布塗装などの方法が用いられ
る。また、塗料の塗布は、下塗りした後、上塗りする方
法によって行ってもよい。塗料を塗布した後、ニクロム
線、赤外線、高周波(UHF)などによって加熱硬化さ
せる方法が採られるが、その方法は、基材表面の材質、
形状、使用する塗料の性状などによって適宜選択され
る。
【0073】本発明のポリマー組成物が加硫系を含み、
その成形体に塗料を塗布し加熱硬化させる場合は、加硫
した成形体に塗料を塗布し加熱硬化してもよいし、押出
機やプレスで未加硫成形体とした後に塗料を塗布し、加
硫と塗料の硬化を同時に行ってもよい。
【0074】塗料の厚さは、使用目的に応じて適宜選択
されるが、乾燥後において、通常1〜1,000μm、
好ましくは5〜500μm、より好ましくは10〜20
0μmの範囲である。
【0075】本発明における塗装された成形体はその塗
膜が強固に被着しているので、各種工業部品、例えば自
動車のバンパー、マットガード、サイドモール、ホイー
ルキャップ、スポイラー、シールスポンジ、グラスラン
類の自動車外装部品、インスツルメントパネル、レバー
ノブ、内張りなどの自動車内装部品、ホース、チュー
ブ、ベルト、各種ロール、O−リング、防水シート、止
水グロメット、各種シール用ゴム部品などの工業用ゴム
製品、ルーフィング、壁材などの建築材料、電線ケーブ
ル、履物、ポット、掃除機、洗濯機、冷蔵庫、照明器
具、AV機器、OA機器などの電気機器部品、練習用ゴ
ルフボールなどのスポーツ用品、カラーボックス、収納
ケースなどの日用雑貨品、及び医療用具などの塗装を施
される用途、又、表面コーティングにより摺動抵抗を下
げる必要がある用途、ウレタンやエポキシなどの接着剤
を使用して他の材料と接着して使用される用途などに幅
広く利用することが出来る。
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明す
るが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。これらの例中の部及び%は、特に断わりがない限り
重量基準である。
【0076】(1)重量平均分子量 ポリエステルの重量平均分子量は、GPC法に従って、
標準ポリスチレン換算量として算出した。 (2)水酸基価及び酸価 ポリエステルの水酸基価および酸価は、“基準油脂分析
試験法”(日本油化学協会)に記載される下記に準じて
測定した。 水酸基価 2,4,9,2−83 酸価 2,4,1−83 (3)ゴム表面の塗膜の密着性試験 塗膜面に瞬間接着剤でガーゼを貼り付け、幅1cmの短
冊状に打ち抜いた後、ゴムとガーゼの端部を200mm
/分の速度で180°方向に引っ張って、その最大剥離
強度(kgf/cm)を測定した。 (4)樹脂表面の塗膜の密着性試験 JIS K5400に記載されている碁盤目試験の方法
に準じて、碁盤目をつけた試験片を作成し、セロハン
(ニチバン社製)を碁盤目上に張り付けた後、これを速
に90°方向に引っ張って剥離させ、碁盤目100の
内、剥離されなかった碁盤目数を測定した。 (5)耐溶剤試験 塗装品から等しく断面がでるように20×50mmの大
きさに切り出した試料を23℃のガソホール(エチルア
ルコールを10容量%含有したガソリン)中に浸漬し、
塗膜が部分的に剥離するまでの時間を測定した。
【0077】製造例1 撹拌機、温度計、還流冷却管、分水管及び窒素ガス導入
管を備えた500cc用四つ口フラスコに、テレフタル
酸 166.1g、2,2−ジプロピル−1,3−プロ
パンジオール167.6g、ジトリメチロールプロパン
65.4g及び触媒として酢酸マンガン・水和物0.2
4g、三酸化アンチモン0.29gを仕込んだ。 (OH/COOH当量比=1.56)
【0078】窒素ガス導入しながら撹拌を行い、反応中
に生成する水及び未反応のジオールを除去しながら、2
00℃から240℃まで6時間を要して昇温した。その
後240℃で、50mmHgの減圧下で脱水を行いなが
ら、3時間反応を続けた。得られたポリエステルAは重
量平均分子量12,450、酸価0.15mgKOH/
g、水酸基価135mgKOH/g、透過率92%であ
った。
【0079】製造例2 撹拌機、温度計、還流冷却管、分水管及び窒素ガス導入
管を備えた500cc用四つ口フラスコに、テレフタル
酸132.9g、イソフタル酸 33.2g、2−ブチ
ル−2−エチル−1,3−プロパンジオール186.1
g、ジペンタエリスリトール32.7g及び触媒として
モノブチルスズオキサイド0.20gを仕込んだ。 (OH/COOH当量比=1.54)
【0080】窒素ガス導入しながら撹拌を行い、反応中
に生成する水及び未反応のジオールを除去しながら、2
00℃から240℃まで6時間を要して昇温した。その
後240℃で、50mmHgの減圧下で脱水を行いなが
ら、3時間反応を続けた。得られたポリエステルBは重
量平均分子量19,200、酸価0.15mgKOH/
g、水酸基価116mgKOH/g、透過率93%であ
った。
【0081】製造例3 撹拌機、温度計、還流冷却管、分水管及び窒素ガス導入
管を備えた1000cc用四つ口フラスコに、テレフタ
ル酸358.8g、2−ブチル−2−エチル−1,3−
プロパンジオール260.1g、グリセロール80.4
g及び触媒としてモノブチルスズオキサイド0.20g
を仕込んだ。 (OH/COOH当量比=1.35)
【0082】窒素ガス導入しながら攪拌を行い、反応中
に生成する水及び未反応のジオールを除去しながら、2
00℃から240℃まで6時間を要して昇温した。その
後240℃で、50mmHgの減圧下で脱水を行いなが
ら、3時間反応を続けた。得られたポリエステルCは重
量平均分子量12,410、酸価0.15mgKOH/
g、水酸基価105mgKOH/g、透過率89%であ
った。
【0083】製造例4 撹拌機、温度計、還流冷却管、分水管及び窒素ガス導入
管を備えた1000cc用四つ口フラスコに、テレフタ
ル酸358.8g、2−ブチル−2−エチル−1,3−
プロパンジオール278.2g、ネオペンチルグリコー
ル45.2g、ペンタエリスルトール73.8g及び触
媒としてモノブチルスズオキサイド0.26gを仕込ん
だ。 (OH/COOH当量比=1.50)
【0084】窒素ガス導入しながら攪拌を行い、180
℃まで昇温した。続いて、反応中に生成する水及び未反
応のジオールを除去しながら、180℃から240℃ま
で3時間を要して昇温した。その後240℃で脱水を行
いながら、5時間反応を続け、最後に50mmHgの減
圧下で3時間反応を続けた。得られたポリエステルDは
重量平均分子量12,300、酸価0.3mgKOH/
g、水酸基価116mgKOH/g、透過率87%であ
った。
【0085】製造例5 撹拌機、温度計、還流冷却管、分水管及び窒素ガス導入
管を備えた1000cc用四つ口フラスコに、重合脂肪
酸ハリダイマー250(ハリマ化成社製;ダイマー酸7
9.0%、トリマー酸18.0%、モノマー酸3.0
%、酸価193)420g、2,2−ジエチル−1,3
−プロパンジオール113.4g、ペンタエリスリトー
ル41.4g及び触媒としてモノブチルスズオキサイド
0.26gを仕込んだ。 (OH/COOH当量比=1.40)
【0086】窒素ガス導入しながら撹拌を行い、100
℃まで昇温した。続いて、反応中に生成する水及び未反
応のジオールを除去しながら、100℃から240℃ま
で6時間を要して昇温した。その後240℃で脱水を行
いながら、10時間反応を続け、最後に100mmHg
の減圧下で3時間反応を行った。得られたポリエステル
Eは重量平均分子量21,500、酸価0.2mgKO
H/g、水酸基価89.5mgKOH/g、透過率98
%であった。
【0087】製造例6 撹拌機、温度計、還流冷却管、分水管及び窒素ガス導入
管を備えた1000cc用四つ口フラスコに、重合脂肪
酸ハリダイマー250(ハリマ化成社製;ダイマー酸7
9.0%、トリマー酸18.0%、モノマー酸3.0
%、酸価193)420g、2−ブチル−2−エチル−
1,3−プロパンジオール16.5g、ジエチレングリ
コール69.6g、ペンタエリスリトール44.3g及
び触媒としてテトラ−n−ブチル−オルソチタネート
0.17gを仕込んだ。 (OH/COOH当量比=1.50)
【0088】窒素ガス導入しながら撹拌を行い、100
℃まで昇温した。続いて、反応中に生成する水及び未反
応のジオールを除去しながら、100℃から240℃ま
で6時間を要して昇温した。その後240℃で脱水を行
いながら、10時間反応を続け、最後に100mmHg
の減圧下で3時間反応を行った。得られたポリエステル
Fは重量平均分子量13,700、酸価0.1mgKO
H/g、水酸基価96.1mgKOH/g、透過率92
%であった。
【0089】実施例1〜5、比較例1〜2、参考例1 上記製造したポリエステルA及びCを用い、ゴム組成物
を表1に示す配合処方に従い調製した(実施例1〜
5)。なお、比較のためにポリエステル及び含窒素化合
物を添加しないものも調製した(比較例1〜2、参考例
1)。含窒素化合物、硫黄及び加硫促進剤以外の各成分
を0.8リットルバンバリーミキサーで60℃で5分間
混練後、6インチロールにて含窒素化合物、硫黄及び加
硫促進剤を加え、60℃で混練した。ロールよりシート
状未加硫ゴムを取り出し、プレスを用いて160℃で1
5分、100kg/cm2で加硫を行い、150×80
×2mmの加硫ゴムシートを得た。加硫ゴムシートを7
5×40×2mmに切り、その表面に2液型ウレタン−
クインネート77B(ゼオンライズ社製)を刷毛で厚み
が100μmになるように塗布し、60℃で2時間乾燥
し、その後48時間放置して試験片を作成した。得られ
たウレタン被覆ゴム成形体のウレタン皮膜の密着性試験
を行った。結果は表1に示した。
【0090】
【表1】
【0091】実施例6〜8、比較例3、参考例2 上記製造したポリエステルB及びDを用い、表2に示す
配合処方に従いゴム配合物を調製した(実施例6〜
8)。なお、比較のためにポリエステル及び含窒素化合
物を添加しないものも調製した(比較例3、参考例
2)。含窒素化合物、硫黄及び加硫促進剤以外の各成分
を0.8リットルバンバリーミキサーで60℃で5分間
混練後、6インチロールにて含窒素化合物、硫黄及び加
硫促進剤を加え、60℃て混練した。ロールよりシート
状未加硫ゴムを取り出し、20φ押出し機で平板状に押
出成形した。ゴム成形物表面に特開平7−150074
号公報記載の比較例−1のガラスラン用ウレタン塗料を
ヘラにて厚みが100μmになるように塗布し、180
℃で12分間加硫と硬化を同時に行い、試験片を作成し
た。得られた塗装品の塗膜の密着性試験を実施した。結
果は表2に示した。
【0092】
【表2】
【0093】実施例9〜10、比較例4、参考例3 上記製造したポリエステルE及びFを用い、表3に示す
配合処方に従いゴム配合物を調製した(実施例11〜1
3)。なお、比較のためにポリエステル及び含窒素化合
物を添加しないものも調製した(比較例6、7)。含窒
素化合物、硫黄及び加硫促進剤以外の各成分を0.8リ
ットルバンバリーミキサーで設定温度60℃で5分間混
練後、6インチロールにて含窒素化合物、硫黄及び加硫
促進剤を加え、60℃で混練した。ロールよりシート状
未加硫ゴムを取り出し、プレスを用いて160℃で15
分、100kg/cm2で加硫を行い、150×80×
2mmの加硫ゴムシートを得た。加硫ゴムシートを75
×40×2mmに切り、その表面にエポキシ接着剤(コ
ニシ(株)社製、ボンドMOS1010)を厚みが30
0μmになるように塗布し、60℃で2時間乾燥し、そ
の後96時間放置して試験片を作成した。得られた塗装
品の塗膜の密着性試験を実施した。結果は表3に示し
た。
【0094】
【表3】
【0095】実施例11〜12、比較例5〜6、参考例
4 表4に示す配合で各原料をヘンシェルミキサーで混合
後、220℃に設定された2軸押出機によって溶融混練
し、ペレット化して樹脂組成物を作成した。また塗膜密
着試験に使用する試験片は次のとおりにして作成した。
射出成形による試験片(50×80mm、厚さ3.1m
m)にプライマー(日本ビーケミカル社製、商品名:R
B−197)を膜厚10μmになるように塗布し、80
℃で10分間乾燥した後、そのプライマー面にウレタン
系メタリック塗料(日本ビーケミカル社製、商品名:R
B−212)およびウレタン系クリヤー塗料(日本ビー
ケミカル社製、商品名:RB−288)を日本ビーケミ
カルの指定仕様に基づいて調製し、膜厚が20μm、2
5μmとなるように塗布し、80℃で45分間乾燥し、
その後24時間放置して試験片を得た。この試験片を用
い、塗膜の密着性試験及び耐溶剤試験を行った。結果を
表4に示した。
【0096】
【表4】
【0097】表1〜表4の結果から、本発明の改質剤が
配合されたポリマー組成物を用いると、塗膜密着性や耐
溶剤性に優れた塗装成形体が得られることがわかる。
【0098】
【発明の効果】本発明を実施することにより、ポリオレ
フィンやポリスチレンなどの極性が小さい樹脂や高飽和
炭化水素ゴムの塗装性を十分に高めることのできる新規
なポリマー用改質剤が提供される。また、本発明の改質
剤は上記の塗装性の改良の用途以外にも、接着性や印刷
性などの改良効果もあり、広く樹脂状又はゴム状ポリマ
ーの表面特性を改良できるものである。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08L 101/00 C08L 101/00

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多価アルコール成分と多価カルボン酸成
    分とを縮重合して得られる水酸基価が30mgKOH/
    g以上であり、かつ重量平均分子量(Mw)が1,00
    0〜500,000のポリエステルと含窒素化合物とを
    含有してなる樹脂状又はゴム状ポリマー用改質剤。
  2. 【請求項2】 樹脂状又はゴム状ポリマーに請求項1記
    載の改質剤を含有してなるポリマー組成物。
  3. 【請求項3】 請求項2記載のポリマー組成物を成形し
    てなるポリマー成形体。
  4. 【請求項4】 請求項3記載のポリマー成形体の表面を
    塗装してなる塗装ポリマー成形体。
JP7390997A 1997-03-26 1997-03-26 ポリエステル/含窒素化合物系改質剤 Pending JPH10265655A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7390997A JPH10265655A (ja) 1997-03-26 1997-03-26 ポリエステル/含窒素化合物系改質剤

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7390997A JPH10265655A (ja) 1997-03-26 1997-03-26 ポリエステル/含窒素化合物系改質剤

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10265655A true JPH10265655A (ja) 1998-10-06

Family

ID=13531790

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7390997A Pending JPH10265655A (ja) 1997-03-26 1997-03-26 ポリエステル/含窒素化合物系改質剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10265655A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009226157A (ja) * 2008-03-25 2009-10-08 Mizuno Corp ゴルフボール用ゴム組成物及び該組成物から形成されるコアを含むマルチピースゴルフボール

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009226157A (ja) * 2008-03-25 2009-10-08 Mizuno Corp ゴルフボール用ゴム組成物及び該組成物から形成されるコアを含むマルチピースゴルフボール

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN104011107A (zh) 用于高透明高光泽片材的生态友好型聚(碳酸亚烃酯)树脂组合物
EP0779303A1 (en) Epoxidized block copolymer, process for the production of the copolymer, and composition containing the copolymer
KR101637994B1 (ko) 방향족/지방족 코폴리에스테르 수지 조성물
US3969475A (en) Powder molding process for producing thermoplastic articles
JPH10273526A (ja) ポリエステル系帯電防止剤及びそれを含むポリマー組成物
KR100722820B1 (ko) 폴리올레핀용 수성 수지 조성물 및 이의 제조방법
JP2002363344A (ja) 靴底用架橋性重合体組成物および靴底
JPH10265655A (ja) ポリエステル/含窒素化合物系改質剤
WO1999051660A1 (fr) Polyester, procede de production associe, et son utilisation comme modificateur de polymere
JPH09255832A (ja) ポリオレフィン系樹脂組成物及びその塗装体
JPH10251493A (ja) ポリマー改質剤及びそれを含むポリマー組成物
JPH11189696A (ja) バインダー樹脂組成物及びその製造方法と用途
EP0894815B1 (en) Polyester, process for the production of the same, resin or rubb er compositions containing the same, and moldings of the compositions
JPH10265684A (ja) ポリマーポリオール/粘着付与剤/含窒素化合物系改質剤
JP3453386B2 (ja) 「ゴム用改質剤、それを含むゴム組成物、塗装ゴム成形体およびその製法」
JPH10147635A (ja) 高凝集ポリエステル
JPH0759646B2 (ja) 熱可塑性樹脂成形品の表面処理方法
JPH10265656A (ja) フェノール樹脂/ポリマーポリオール系改質剤
JPH10273581A (ja) プライマー組成物及びプライマー層を有する成形体
JP3736582B2 (ja) オレフィン系樹脂組成物
JP3763636B2 (ja) 架橋性ポリマー組成物およびその架橋成形体
JP2000072872A (ja) ポリマー用改質剤、ポリマー組成物及び成形体
JP2002327092A (ja) 架橋重合体組成物およびその成形品
JP2000072864A (ja) ポリマー用改質剤、ポリマー組成物及び成形体
JPH10130379A (ja) ポリエステル