JPH10265282A - 抗菌性タイル及びその製造方法 - Google Patents

抗菌性タイル及びその製造方法

Info

Publication number
JPH10265282A
JPH10265282A JP7403997A JP7403997A JPH10265282A JP H10265282 A JPH10265282 A JP H10265282A JP 7403997 A JP7403997 A JP 7403997A JP 7403997 A JP7403997 A JP 7403997A JP H10265282 A JPH10265282 A JP H10265282A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tile
antibacterial
glaze
flux
powder
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP7403997A
Other languages
English (en)
Inventor
Makoto Ota
誠 太田
Akihiro Teranishi
昭宏 寺西
Takao Miyaji
恭男 宮地
Mitsue Ide
満枝 井出
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
AKECHI GAISHI KK
NGK Insulators Ltd
Original Assignee
AKECHI GAISHI KK
NGK Insulators Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by AKECHI GAISHI KK, NGK Insulators Ltd filed Critical AKECHI GAISHI KK
Priority to JP7403997A priority Critical patent/JPH10265282A/ja
Publication of JPH10265282A publication Critical patent/JPH10265282A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Finishing Walls (AREA)
  • Floor Finish (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 抗菌性と美観に優れ、清掃性も良好である主
に床材として好適に使用される滑り難い表面を有する抗
菌性タイルを提供する。 【解決手段】 磁器または陶器用タイル素地11の上
に、セラミックス顆粒15を含み、タイル素地11とセ
ラミックス顆粒15を融着するフラックス釉16からな
る凹凸を有するフラックス層12が形成され、フラック
ス層12上に抗菌材を含有する抗菌釉層13が融着形成
されて、抗菌性タイル10が構成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は、病院、研究室、
食品工場、浴場等の衛生的な環境が好まれる場所におけ
る床材、あるいは壁材として好適に使用される抗菌性タ
イルおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】 近年、人々の健康への関心が高まるに
つれて、病気の予防や衛生上の見地から、雑菌の繁殖の
抑制、あるいは種々の物を媒介としたウイルス等の感染
の防止を目的として、種々の商品に抗菌性が付与される
ようになってきている。
【0003】 特に、病院や研究室、食品工場、浴場等
の衛生的な環境が好まれる場所においては、衛生陶器
類、タイルや鋼板等の建材、あるいはこれらの場所で使
用される各種のプラスチック製品に抗菌性が求められて
いる。
【0004】 このような各種の材料への抗菌性の付与
は、オリゴジナミー効果と呼ばれる金属イオンによる殺
菌作用を利用しているものがほとんどである。たとえ
ば、タイル等のセラミック製品においては、銀や銅等を
担持した抗菌性セラミックやこれらの金属の酸化物微粉
等の抗菌材を釉薬に混合し、これを製品に塗布して焼成
することで、製品の表面に抗菌性が付与される。このと
き、釉薬の主成分であるフリットは、ガラス質調合物で
あることから、製品にガラスの耐食性および外観上の美
しさを付与することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】 しかしながら、この
ような抗菌材を含有した釉薬を用いる場合には、焼成後
の製品に抗菌材による着色や不透明化といった問題が生
ずる。したがって、抗菌性タイルの製造にあたっては、
通常のタイルの焼成後にこのような抗菌材を含有した釉
薬を施釉するために、タイルの表面デザインに悪影響を
及ぼさないように、釉薬を薄く塗布して抗菌材による色
の変化の影響が現れないように焼付けなければならな
い。さらに、このような抗菌材を含有した釉薬の焼成
は、通常のタイルに施釉された釉薬よりも低温で行わな
ければならないので、強度的に弱いものが多い。 この
ような従来の抗菌性タイルは、傷や摩耗により長期間の
抗菌性能の耐久性が損なわれやすいために、特に、床材
としての使用に難点がある。
【0006】 さらに、通常のタイル素地に抗菌材を含
む釉薬を施釉して抗菌性タイルを製造した場合には、釉
薬の焼成温度を上げて釉薬層の強度を強くすることは可
能であるが、焼成温度が高すぎると、抗菌材中の金属成
分の凝集が起こって抗菌性が低下したり、多くの釉薬を
施釉する必要があるので抗菌材を含有している分だけコ
スト高となり、また、床材として使用した場合には、製
品の釉薬表面がフラットであるために滑り易く、タイル
のデザインの選択幅も狭いという欠点がある。
【0007】
【課題を解決するための手段】 そこで、本発明者は、
特に床材として好適に用いられる抗菌性タイルについて
検討し、本発明に到達した。すなわち、本発明によれ
ば、磁器または陶器用タイル素地の上に、セラミックス
顆粒を含み、当該タイル素地と当該セラミックス顆粒を
融着するフラックス釉からなる当該セラミックス顆粒に
よる凹凸を表面に形成したフラックス層が形成され、当
該フラックス層上に抗菌材を含有する抗菌釉層が融着形
成されていることを特徴とする抗菌性タイル、が提供さ
れる。
【0008】 ここで、本発明の抗菌性タイルに使用さ
れるセラミックス顆粒としては、1.0〜1.5mm
φ、2.0〜2.5mmφ、3.0〜4.0mmφ、
4.0〜5.0mmφのいずれかの粒度範囲に調整され
た分級粒の群から選択した1または2以上の群の分級粒
が好適に使用される。また、抗菌釉層の平均膜厚は50
μm〜150μmに形成されることが好ましく、この抗
菌釉層の外表面の単位面積あたりの表面積は、表面が平
坦であるとした場合の単位面積の1.1〜2.5倍であ
ることが好ましい。
【0009】 さらに、本発明によれば、仮焼または焼
成あるいは乾燥によって強固に結合したセラミックス顆
粒と、当該セラミックス顆粒を融着させるフラックス釉
粉末とを混合したフラックス層形成原料を、タイル素地
成形用金型底部へ所定量充填した後、磁器または陶器用
タイル素地用粉末を所定量投入してプレス成形して一体
型のタイル前駆体を作製し、次いで当該タイル前駆体を
当該タイル素地粉末が下部となるようにして800℃以
上で焼成して当該セラミックス顆粒と溶融したフラック
ス釉からなるフラックス層をタイル素地表面に形成した
タイルベースを作製し、当該タイルベースの当該フラッ
クス層表面上に抗菌材を含む抗菌釉を施釉して、800
〜900℃で焼成して抗菌性タイルを製造することを特
徴とする抗菌性タイルの製造方法、が提供される。
【0010】 ここで、本発明の抗菌性タイルの製造方
法においては、セラミックス顆粒として、1.0〜1.
5mmφ、2.0〜2.5mmφ、3.0〜4.0mm
φ、4.0〜5.0mmφのいずれかの粒度範囲に調整
された分級粒の群から選択した1または2以上の群の分
級粒が好適に使用される。また、フラックス層形成原料
中にセラミックス顆粒を重量含有率で、35%以上65
%以下含有させることが好ましい。さらに、磁器または
陶器用タイル素地用粉末として、磁器または陶器用タイ
ル素地の原料粉末と、この磁器または陶器用タイル素地
の原料粉末を一旦800℃以上で仮焼した後に粉砕して
粉末とした仮焼粉末とを混合した混合粉が好適に使用さ
れ、その混合粉中の仮焼粉末の重量分率が30%以上6
0%以下であることが好ましい。加えて、前記フラック
ス釉粉末として、60メッシュの篩を通過するものが好
適に使用される。
【0011】
【発明の実施の形態】 本発明の抗菌性タイルおよびそ
の製造方法によれば、抗菌性タイル表面は、セラミック
ス製顆粒により凹凸が形成されるので床材として使用し
た場合に滑り難くなり、セラミックス顆粒が幾何学模様
を形成し、美観が増す。また、抗菌材の塗布面積が大き
くなり、均一に施釉されるので抗菌作用が強く、半永久
的な抗菌作用が維持される。以下、本発明の実施の形態
について図面を参照しながら詳細に説明するが、本発明
はこれらの実施形態に限定されるものではない。
【0012】 図1は、本発明による抗菌性タイルの一
実施形態を示す断面図である。抗菌性タイル10は、タ
イル素地11、フラックス層12、抗菌釉層13から構
成され、フラックス層12はセラミックス顆粒15とフ
ラックス釉16とから構成されている。
【0013】 タイル素地11としては、通常のタイル
の製造に使用される磁器あるいは陶器用のものが用いら
れ、特に材料は限定されない。具体的には、カオリナイ
ト、パイロフィライト、スメクタイト、バーミキュライ
ト、タルク等の粘土鉱物を主成分としたものが主に用い
られるが、用途によっては、ムライトやアルミナといっ
た各種のセラミックス材料が用いられる場合もある。
【0014】 タイル素地11の厚みは、用途によって
適宜調節されるが、一般的には、約3〜7mm程度のも
のが最も汎用に適し、タイル素地11の厚みや材料を適
宜変更することによって、例えば、床用、壁用といった
各種用途に対応した機械的特性、重量の制限を満足する
ものを作製することができる。
【0015】 セラミックス顆粒15としては、1.0
〜1.5mmφ、2.0〜2.5mmφ、3.0〜4.
0mmφ、4.0〜5.0mmφのいずれかの粒度範囲
に調整された分級粒から選択した1または2以上の分級
粒が使用される。このように粒度調整された分級粒を使
用することによって、抗菌性タイル10の表面の均一な
凹凸の形成と、表面の凹凸の深さや凸部の大きさを調整
することが可能となり、用途に応じて、表面状態の異な
る種々の抗菌性タイル10を製造することができる。な
お、セラミックス顆粒15としては、タイル素地と同様
の材料が使用され、このような材料に一部の金属元素等
を添加することで、色の異なるセラミックス顆粒15を
作製することが可能であり、抗菌性タイル10のデザイ
ン性の向上を図ることが可能である。
【0016】 一般に、このようなセラミックス顆粒1
5は、原料粉末をプレス成形や冷間静水圧プレス成形等
の種々のセラミックス成形方法によって作製した成形体
を焼成あるいは仮焼した後、得られた試料を粉砕器を用
いて粉砕して種々の分級器を用いて粒度を調整して作製
される。この時点でのセラミックス顆粒は、不定形とな
りやすく、角のあるものができやすい。しかし、このよ
うな角の立った顆粒は、製品としてタイルの表面に突出
した場合は、外部からの力によって欠けやすいので、好
ましくない。したがって、所望の大きさ程度に分級して
えられた顆粒をバレル研磨等によって角部を除去し、全
体的に丸みを帯びた形状とするか、あるいは、所望の大
きさよりも少し大きめの顆粒を製造し、バレル研磨等に
よって所定の粒径まで研磨すると共に、形状を球形に近
いものとすることができる。あるいは、ボールミル粉砕
に使用されるセラミックス製の球石を作製して、これを
用いてもかまわない。
【0017】 このセラミックス顆粒15は、後の本発
明の製造方法で述べるように、フラックス釉粉末ととも
にプレス成形の金型に充填され、圧力がかけられるの
で、その加圧状態で粉砕さない程度の機械的強度が必要
とされる。また、セラミックす顆粒15自体が機械的強
度に優れる方が、抗菌性タイル10の表面の強度を維持
する面から好ましい。
【0018】 フラックス層12は、セラミックス顆粒
15とフラックス釉16の原料粉末を混合したものを焼
成した際に、フラックス釉16の原料粉末が溶融して形
成されるものである。このフラックス釉16の材料とし
ては、二酸化珪素(SiO2)、ほう酸(B23)、ア
ルカリ金属化合物を主成分とし、溶融温度が1200〜
1300℃程度のものが好適に使用され、この溶融温度
は、タイル素地11の焼成温度と同じであることが抗菌
性タイル10の焼成工程からみて好ましい。このフラッ
クス釉16は、タイル素地11とセラミックス顆粒15
とを接合し、タイル素地11の表面を被覆して抗菌性タ
イル10に耐水性を付与する役割を果たす。また、フラ
ックス釉16の成分に遷移金属成分を添加することによ
って種々の着色性を与え、抗菌性タイルのデザインを変
更することも可能である。
【0019】 抗菌釉層13は、釉薬と抗菌材との複合
材料である。抗菌材としては、銀(Ag)や銅(Cu)
等の触媒金属を担持した多孔質セラミックス微粉、ある
いは酸化銀(Ag2O)や酸化銅(CuO)といった触
媒金属酸化物が好適に用いられ、これらの微粉が釉薬層
中に均一に分散するか、あるいは釉薬が溶融する際に金
属酸化物が釉薬のガラス成分の一つとして溶け込んでイ
オン化され、表面近傍の触媒金属成分によって抗菌性が
発現する。
【0020】 抗菌釉層13の釉薬としては、二酸化珪
素(SiO2)、ほう酸(B23)、アルカリ金属化合
物および酸化銀(Ag2O)、酸化アンチモン(Sb2
3)が好適に使用され、その焼付け温度が800〜90
0℃のものが好ましい。この焼付け温度が低い場合に
は、一般的に釉薬が柔らかく、傷や摩耗が生じ易くなる
ので好ましくない。一方、焼付け温度が高すぎると、抗
菌性を発現する金属の凝集や分相が起こり、抗菌材の特
性が低下するので、抗菌材に適した焼成温度において、
機械的に強度の強い、また耐摩耗性に優れる釉薬を使用
することが重要となる。
【0021】 また、抗菌釉層13の膜厚は、50μm
〜150μm程度に形成されていることが好ましく、抗
菌釉層13が凹凸を有するフラックス層12上に形成さ
れることで、表面積が増大し、抗菌性が向上する。この
ときの抗菌釉層13の外表面の単位面積あたりの表面積
は、表面が平坦であるとした場合の単位面積の1.1〜
2.5倍であることが好ましく、このような条件のとき
に、抗菌性タイル10の機械的な耐久性と、抗菌性の耐
久性の双方が良好となる。
【0022】 なお、抗菌釉層13の抗菌性の発現は表
面近傍に存在する触媒金属によるものであり、また、抗
菌釉層13はフラックス釉層12の色調にも影響を及ぼ
すこと、さらには、抗菌釉層13によって抗菌性タイル
10の表面が平坦化し、床材として使用した場合に滑り
やすくなること等から、抗菌釉層13を前述の範囲より
厚く形成するメリットはほとんどない。また、抗菌釉層
13を薄く形成した場合には、製造工程において、部分
的に抗菌釉層13が形成されない等の欠陥が生じる可能
性があるので、好ましくない。
【0023】 次に、上述した抗菌性タイル10の製造
方法について説明する。図2は抗菌性タイル10を成形
するプレス金型20および抗菌性タイル10の種々の原
料の充填状態を示した断面図である。プレス金型20と
しては、当業者が通常に使用するどのような構造の金型
でもかまわないが、本実施形態においては、金型20
は、土台21と側面金型22及び加圧柱23から構成さ
れるものとし、まず、土台21と側面金型22とを組み
合わせて、抗菌性タイル10の原料を充填するための凹
部を形成する。
【0024】 この凹部に、まず、フラックス釉原料粉
末24とセラミックス顆粒25と、必要によりバインダ
ー類を混物したものを所定量ほど充填し、フラックス層
30が形成される。このとき、セラミックス顆粒25と
しては、前述したように、タイル表面に均一な凹凸を形
成して表面の凹凸の深さや凸部の大きさを調整すること
を目的として、1.0〜1.5mmφ、2.0〜2.5
mmφ、3.0〜4.0mmφ、4.0〜5.0mmφ
のいずれかの粒度範囲に調整された分級粒の群の中から
選択した1または2以上の群の分級粒が使用される。そ
して、このような粗大な顆粒を金型に充填した場合に生
成する隙間を埋めて、充填状態を良好にするために、フ
ラックス釉原料粉末24としては、60メッシュの篩分
をパスしたセラミックス顆粒24よりも小さい微粉が好
適に用いられる。
【0025】 また、フラックス釉原料粉末24とセラ
ミックス顆粒25との混合物におけるセラミックス顆粒
25の重量含有率は、35%以上65%以下とすること
が好ましい。なぜなら、セラミックス顆粒25の含有量
が少ない場合には、製品としてタイル表面の凹凸の形成
が不十分となり、床用タイルとして用いた場合に滑りや
すくなったり、セラミックス顆粒24がタイル面におい
て極部的に分布して品質が不均一となり、好ましくない
からである。一方、セラミックス顆粒25の量が多すぎ
る場合、すなわちフラックス釉原料粉末24が少ない場
合には、セラミックス顆粒25相互間の結合及びセラミ
ックス顆粒25とタイル素地とを結合するフラックス釉
原料粉末24が不足し、セラミックス顆粒25の固着強
度が低下する問題や、形成されるフラックス釉の層が薄
くなることで、耐水性が確保できないといった問題が生
ずるので、好ましくない。
【0026】 次に、フラックス釉原料粉末24とセラ
ミックス顆粒25との混合物を充填した上から、陶器あ
るは磁器タイル用のタイル素地粉末26を所定量充填
し、タイル素地層31を形成する。このとき、タイル素
地粉末26としては、このタイル素地粉末26の元の原
料粉末27と、この元の原料粉末を一度、800℃以上
で仮焼した後に粉砕して粉末とした仮焼粉末28とを混
合した混合粉がタイル素地用粉末26として好適に使用
され、タイル素地用粉末26における仮焼粉末28の重
量分率は30%以上60%以下に調製されているものが
好ましい。なお、タイル素地用粉末には、必要に応じ
て、プレス成形時の成形性を向上させるために、バイン
ダー類が添加される。
【0027】 タイル素地粉末26として、このような
混合粉末を用いることにより、元の原料粉末27のみを
用いた場合と比較して、焼結性を維持したまま、焼成収
縮を小さくすることができ、焼成によるタイル素地の大
きさのばらつきやタイル面方向の反りの発生を抑えるこ
とが可能となる。
【0028】 こうして、各種の原料粉末等を充填した
後に、加圧柱23をタイル素地粉末26に押し当てて、
プレス成形した後、脱型して成形体を作製する。得られ
た成形体をタイル素地層31が下方となり、フラックス
層30が上方となるようにして焼成炉内に載置し、80
0℃以上の所定条件にて焼成することで、タイル素地層
30が焼結するとともに、フラックス釉原料粉末24が
溶融する。このとき、タイル素地層31のフラックス層
30のと境界面には、タイル素地原料粉末26が金型の
平坦な面に押し当てられて形成されたものではなく、フ
ラックス釉原料粉末24等と接触して形成されたもので
あるために、小さな凹凸が必然的に形成されており、こ
のような凹凸の形成により、フラックス顆粒25が安定
してタイル素地層31に保持されるとともに、タイル素
地層31とフラックス層30との接触面積が大きくなる
ことによって両層が強固に結合される。なお、フラック
ス釉原料粉末24は、溶融しても適度な粘度を維持し、
タイル素地層30から垂れ落ることのないように、焼成
条件等を設定する必要がある。
【0029】 焼成して得られたタイル基板のフラック
ス層の表面に、抗菌材を含有する釉薬(抗菌釉)を焼成
後の膜厚で50〜150μmとなるように塗布し、80
0〜900℃で焼成することにより、抗菌性を損なうこ
となく、機械的な特性にも優れた図1に示した抗菌性タ
イル10が作製される。
【0030】
【実施例】 以下、本発明について実施例により説明す
る。表1は、本発明による抗菌タイル(実施例)、およ
び従来の抗菌タイル(比較例)の構成部材について記し
たものである。両者共に、磁器質のタイル素地、二酸化
珪素(SiO2)、ほう酸(B23)、酸化ナトリウム
(Na2O)系のフラックス釉、および二酸化珪素(S
iO2)、ほう酸(B23)、酸化ナトリウム(Na
2O)と酸化銀(Ag2O)からなる抗菌釉薬を用いて、
セラミックス顆粒の使用の有無により、作製されたタイ
ルの特性を比較した。
【0031】
【表1】
【0032】 本発明の抗菌タイルである実施例におい
ては、セラミックス顆粒の添加によって表面積比を変え
た5種類の抗菌タイルを作製し、比較例として1種類の
抗菌タイルを作製した。その試験結果を表2に示す。こ
こで、作製した抗菌タイルの評価は、約106個の大腸
菌を1cm2のタイル上に滴下し、温度35℃の下で2
4時間培養した後、フィルム密着法((財)日本食品分
析センター)により抗菌性を評価した。また、清掃性に
ついては、清掃時の汚染の取除き易さから判定した。
【0033】
【表2】
【0034】 実施例においては、抗菌性、美観および
滑り難さについては、表面積比の大きい方が良好な特性
を示し、清掃性については、表面積比の小さいものが清
掃性に優れるという傾向が観察された。これにより、本
実施例において、表面積比が3.0のものは、表面の凹
凸が多いために、凹部に付いた汚れが取れ難く、清掃性
に劣ると判断されたが、その他の表面積比を有するもの
は、全体的に使用に適する評価が得られ、中でも、表面
積比が1.5あるいは2.0程度のものが最も優れた特
性を示した。
【0035】 これに対し、従来の抗菌性タイルである
比較例においては、抗菌タイル表面が平滑であるために
清掃性は良好であるが、滑り易く、また、表面積比が小
さいので、実施例と比較して抗菌性に劣った。さらに、
抗菌タイル表面にデザインが施されないので、実施例と
比較すると、美観を起こさせなかった。このように、本
発明の抗菌タイルは、総じて、抗菌タイルおよび構造部
材としてのタイルの両方の特性を兼ね備えることが明ら
かとなった。
【0036】
【発明の効果】 上述の通り、本発明の抗菌性タイルに
よれば、セラミックス顆粒によりタイル表面に凹凸が形
成されるので、床材として用いた場合に滑り難く、抗菌
釉の塗布面積も広くなるので、抗菌性能が向上し、ま
た、抗菌釉の均一な施釉により半永久的な抗菌特性が維
持される。さらに、セラミックス顆粒の形状や色彩を変
化させることで種々のデザインの変更も可能であるとい
う効果がある。さらに、製造方法が簡単であるために、
製造コストを抑えることができる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の抗菌性タイルの一実施形態を示す断
面図である。
【図2】 本発明の抗菌性タイルの製造方法におけるプ
レス金型への原料粉末等の充填の様子を示す断面図であ
る。
【符号の説明】
10…抗菌性タイル、11…タイル素地、12…フラッ
クス層、13…抗菌釉層、15…セラミックス顆粒、1
6…フラックス釉、20…金型、21…土台、22…側
面金型、23…圧力柱、24…フラックス釉原料粉末、
25…セラミックス顆粒、26…タイル素地粉末、27
…原料粉末、28…仮焼粉末、30…フラックス層、3
1…タイル素地層。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宮地 恭男 岐阜県恵那郡岩村町飯羽間3681の1 (72)発明者 井出 満枝 愛知県半田市花園町一丁目20の7

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁器または陶器用タイル素地の上に、セ
    ラミックス顆粒を含み、当該タイル素地と当該セラミッ
    クス顆粒を融着するフラックス釉からなる当該セラミッ
    クス顆粒による凹凸を表面に形成したフラックス層が形
    成され、当該フラックス層上に抗菌材を含有する抗菌釉
    層が融着形成されていることを特徴とする抗菌性タイ
    ル。
  2. 【請求項2】 前記セラミックス顆粒が、1.0〜1.
    5mmφ、2.0〜2.5mmφ、3.0〜4.0mm
    φ、4.0〜5.0mmφのいずれかの粒度範囲に調整
    された分級粒の群から選択した、1または2以上の当該
    群の当該分級粒を使用したものであることを特徴とする
    請求項1記載の抗菌性タイル。
  3. 【請求項3】 前記抗菌釉層の平均膜厚が50μm〜1
    50μmであることを特徴とする請求項1または2記載
    の抗菌性タイル。
  4. 【請求項4】 前記抗菌釉層の外表面の単位面積あたり
    の表面積が、当該表面が平坦である場合の単位面積の
    1.1〜2.5倍であることを特徴とする請求項1〜3
    のいずれかに記載の抗菌性タイル。
  5. 【請求項5】 仮焼または焼成あるいは乾燥によって強
    固に結合したセラミックス顆粒と、当該セラミックス顆
    粒を融着させるフラックス釉粉末とを混合したフラック
    ス層形成原料を、タイル素地成形用金型底部へ所定量充
    填した後、磁器または陶器用タイル素地用粉末を所定量
    投入してプレス成形して一体型のタイル前駆体を作製
    し、次いで当該タイル前駆体を当該タイル素地粉末が下
    部となるようにして800℃以上で焼成して当該セラミ
    ックス顆粒と溶融したフラックス釉からなるフラックス
    層をタイル素地表面に形成したタイルベースを作製し、
    当該タイルベースの当該フラックス層表面上に抗菌材を
    含む抗菌釉を施釉して、800〜900℃で焼成して抗
    菌性タイルを製造することを特徴とする抗菌性タイルの
    製造方法。
  6. 【請求項6】 前記セラミックス顆粒が、1.0〜1.
    5mmφ、2.0〜2.5mmφ、3.0〜4.0mm
    φ、4.0〜5.0mmφのいずれかの粒度範囲に調整
    された分級粒の群から選択した1または2以上の当該群
    の当該分級粒を使用することを特徴とする請求項5記載
    の抗菌性タイルの製造方法。
  7. 【請求項7】 前記フラックス層形成原料中の前記セラ
    ミックス顆粒の重量含有率が、35%以上65%以下で
    あることを特徴とする請求項5または6記載の抗菌性タ
    イルの製造方法。
  8. 【請求項8】 前記磁器または陶器用タイル素地用粉末
    が、磁器または陶器用タイル素地の原料粉末と、当該磁
    器または陶器用タイル素地の原料粉末を一旦800℃以
    上で仮焼した後に粉砕して粉末とした仮焼粉末とを混合
    した混合粉であって、当該混合粉中の当該仮焼粉末の重
    量分率が30%以上60%以下であることを特徴とする
    請求項5〜7のいずれかに記載の抗菌性タイルの製造方
    法。
  9. 【請求項9】 前記フラックス釉粉末が、60メッシュ
    の篩を通過するものであることを特徴とする請求項5〜
    8のいずれかに記載の抗菌性タイルの製造方法。
JP7403997A 1997-03-26 1997-03-26 抗菌性タイル及びその製造方法 Withdrawn JPH10265282A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7403997A JPH10265282A (ja) 1997-03-26 1997-03-26 抗菌性タイル及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7403997A JPH10265282A (ja) 1997-03-26 1997-03-26 抗菌性タイル及びその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10265282A true JPH10265282A (ja) 1998-10-06

Family

ID=13535635

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7403997A Withdrawn JPH10265282A (ja) 1997-03-26 1997-03-26 抗菌性タイル及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10265282A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20010084204A (ko) * 2000-02-24 2001-09-06 박현식 타일 및 그 제조방법
JP2001322864A (ja) * 2000-05-09 2001-11-20 Oribe Seito Kk 陶磁製装飾材およびその製造方法
JP2008038446A (ja) * 2006-08-04 2008-02-21 Inax Corp 置き敷き用タイルユニット
CN111995438A (zh) * 2020-09-11 2020-11-27 淄博峰霞陶瓷有限公司 高强度抗菌陶瓷岩板的制备方法

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20010084204A (ko) * 2000-02-24 2001-09-06 박현식 타일 및 그 제조방법
JP2001322864A (ja) * 2000-05-09 2001-11-20 Oribe Seito Kk 陶磁製装飾材およびその製造方法
JP4584406B2 (ja) * 2000-05-09 2010-11-24 織部製陶株式会社 タイルの製造方法
JP2008038446A (ja) * 2006-08-04 2008-02-21 Inax Corp 置き敷き用タイルユニット
CN111995438A (zh) * 2020-09-11 2020-11-27 淄博峰霞陶瓷有限公司 高强度抗菌陶瓷岩板的制备方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP2832715B1 (en) Systems and methods for cleanable and slip resistant tile
CN105837253B (zh) 陶瓷物品和用于制造这种陶瓷物品的方法
CN101921136A (zh) 一种生料哑光釉
WO2002032834A1 (fr) Procede de traitement antitache et produit a couche de verre, poterie renforcee et procede d'elaboration, ainsi que produit a couche de verre et procede d'elaboration
JP2001348263A (ja) 衛生陶器
US20050276951A1 (en) Foamed tile and its manufacturing method
JPH10265282A (ja) 抗菌性タイル及びその製造方法
CN102417305B (zh) 人造玉石餐具及其制备方法
EP3976555B1 (en) Ceramic product having anti-slip surface
KR102571886B1 (ko) 항균 유약 조성물 및 이를 이용한 세라믹 타일의 제조방법
JP2576322B2 (ja) 滑り止めタイル及びその製造方法
CN1332907C (zh) 一种改善陶瓷制品釉面效果和功能的方法
KR101017359B1 (ko) 초강화자기, 초강화자기용 소지 및 그 제조방법
JP3692502B2 (ja) 陶器及びその製造方法並びに陶器製造用釉薬
CN100364927C (zh) 一种陶瓷抛光砖的生产方法及其生产的陶瓷抛光砖
KR100790205B1 (ko) 인조 현무암 제조용 조성물, 이를 이용하여 제조된 인조현무암 및 그의 제조방법
JP2004300086A (ja) 釉薬用抗菌剤及び抗菌窯業製品の製造方法
JP3225641B2 (ja) 御影石調タイルの製造方法
JP2019218243A (ja) 衛生陶器及び衛生陶器の製造方法
JP3692825B2 (ja) 抗菌性部材
JP2000327458A (ja) 抗菌釉薬層付焼成体の製造方法とそれにより製造される抗菌釉薬層付焼成体、及び抗菌金属成分入り釉薬粉末
KR101711253B1 (ko) 색상을 발현하는 다공성 세라믹 타일 및 그의 제조방법
US20080020921A1 (en) Modified ceramic formulations and procedures for the manufacture of ceramic parts with metallic effects and ceramic parts produced
WO2002026650A1 (es) Material cerámico de construcción para revestimiento de fachadas, suelos y paredes y método de fabricación del mismo
KR100478583B1 (ko) 금속 타일용 유약 조성물과 이를 이용한 금속 타일 및 그제조방법

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20040601