JPH10264964A

JPH10264964A - 記入欄を設けた薬剤用包装体

Info

Publication number: JPH10264964A
Application number: JP8603597A
Authority: JP
Inventors: Junko Araki; 順子荒木
Original assignee: Individual
Current assignee: Individual
Priority date: 1997-03-19
Filing date: 1997-03-19
Publication date: 1998-10-06

Abstract

(57)【要約】【課題】薬の飲み忘れや誤って飲まれるのを防ぐため
に、薬の用法等の記入に注意を引くようにした記入欄を
設けた薬剤用包装体を提供する。【解決手段】薬剤４を包装した包装体１の表面に筆記
用具により用法等の情報を記入するための記入欄６を設
けた。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、薬剤用包装体に関
し、より詳細には、服用数量または時期等の注意事項を
書き込める記入欄を設けた薬剤用包装体に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、医薬用の糖衣錠、裸平錠、カプセ
ル錠等の錠剤、粉薬等をＰＴＰ（プレススルーパッ
ク），ＳＰ（ストリップパック），ＵＰ（ユニット
パック）等のパックに包装したものを病院、または薬局
の袋に入れ、この袋に用法を記入して利用者に渡してい
る。このとき、医療従事者は薬の服用上の注意を口頭で
したり、投薬袋の余白やメモ用紙又は薬剤用包装体にマ
ジックインクで書いて、薬の飲み忘れや飲み間違いを防
ぐようにしている。通常、薬剤の効果を有効に達成する
ために一つの症状に対して多数の薬剤が使用され、一つ
の袋に数種類の薬剤が入れられて渡される。例えば、手
首を捩じったか何かで痛いといって病院にいくと、外用
の湿布薬に合わせて、痛み止めと胃薬といったように、
付随する内用薬が２種類位は渡される。また、ある慢性
の病気に対して治療を受けている途中に、急に他の外傷
を負ったときに、両者の治療のために薬剤が処方される
とすると、服用する薬の数が増える。この際、服用法が
同じものばかりでなく、服用法が異なるものが混じるこ
とがある。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】薬剤包装体と袋やメモ
等は別のものであるので、袋やメモ用紙等に書かれた薬
の服用上の注意を汚したり、メモ用紙等を紛失したり、
袋に入れ間違えたりを生じ易い。間違うと薬効が減殺さ
れて無駄が生じたり、危険を招きかねない。また、薬剤
の包装体には通常は記号、薬品名、又は商標等が印刷さ
れているので、注意をマジックインク等で書き入れて
も、書かれた文字の印象が薄く、それらの薬品の名称等
の印刷と間違えて注意しないことが多い。

【０００４】本発明は、上述した問題に対処して創案し
たものであって、その目的とする処は、薬の飲み忘れや
誤って飲まれるのを防ぐために、薬の用法等の記入に注
意を引くようにした記入欄を設けた薬剤用包装体を提供
することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】そして、上記目的を達成
するための手段としての本発明の請求項１の薬剤用包装
体は、薬剤を包装する部材の表面に筆記用具により情報
を記入するための記入欄を設けたことを特徴とする。

【０００６】また、請求項２の薬剤用包装体は、前記請
求項１の発明において、前記記入欄は塗布又は粘着によ
り形成された構成としている。また、請求項３の薬剤用
包装体は、前記請求項１または２の発明において、前記
記入欄が少なくとも２個以上の単位包装体に跨がって設
けられた構成としている。請求項４の薬剤用包装体は、
前記請求項１〜３の発明において、前記薬剤用包装体が
ＰＴＰ，ＳＰ，ＵＰである構成としている。

【０００７】本発明において、筆記用具とは、鉛筆、ボ
ールペン、万年筆、筆、マジックインク、サインペン等
の情報を見ることができるように記入する手段を意味す
る。これらの筆記用具の一種用または複数種のものが使
用できるように記入欄を設けている。情報とは、薬剤の
用法のみでなく注意書き、印、記号等も含む。

【０００８】薬剤を包装する部材とは、ＰＴＰ（プレス
スルーパック）、ＳＰ（ストリップパック）、ＵＰ（ユ
ニットパック）等の包装体を形成するのに用いる両面を
それぞれ構成するシート状、フィルム状、板状等の包装
用の材料を意味し、単位包装体とは、最小の包装単位を
意味する。また、表面とは、包装体の表裏ある場合の表
のみを意味するのではなく、特に断らない限り、外部に
露出させている表裏いずれかの面又は両面を意味する。

【０００９】記入欄を設ける方法としては、薬剤用包装
体に印刷、塗布等により設けてもよいし、記入欄のある
紙、プラスチック等の筆記具で書込みができるようにし
たラベル、シート等を貼付することにより薬剤用包装体
に設けてもよい。貼付により記入欄を設ける場合は予め
記入してから設けるものであってもよい。

【００１０】塗布により設ける場合には、万年筆、筆、
マジックインク等水溶性のインクや溶剤等の溶液を用い
る筆記具を用いて記入する場合には、インク等がにじま
ないように白土、クレー、炭酸カルシウム、二酸化チタ
ン等の白色系の顔料、充填剤、サイジング剤等の一種類
若しくは二種類以上またはこれらに類似してサイジング
性があるとともに、溶液をはじかずになじむことができ
る層を形成する塗布剤を用いる。鉛筆で記入する場合に
は、これらの溶液状の筆記具とは異なり、にじむことは
ないが、平滑過ぎると書けないので、鉛筆を滑らせて書
ける程度に固く、且つ凹凸を有することが必要である。

【００１１】塗布剤としては、塗料の基材となる天然又
は合成物質からなるモノマー、エマルジョン等名称を問
わず、使用できる。塗布剤には天然の成分、合成の成分
等が用いられ、プラスチックの成分としては、フェノー
ル樹脂、ビニル樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、熱
硬化アミノアルキル樹脂、熱硬化アルキル樹脂、不飽和
ポリエステル樹脂等が例示される。

【００１２】

【発明の効果】本発明の請求項１の薬剤用包装体は、薬
剤を包装する部材の表面に筆記用具により情報を記入す
るための記入欄を設けるように構成しているので、薬の
包装を見れば、用法が分かるので、薬を間違えたり、用
法を間違えるのを防ぐことができる。また、口頭で注意
を喚起しながら、用法を記入すれば、予め印刷等により
記入されているものより、一層注意を引くことができ、
間違いや忘れを良く防ぐことができるようになる。

【００１３】請求項２の発明によれば、前記記入欄は塗
布又は粘着により形成されるので、容易に設けることが
でき、記入も容易にできるように形成することができ
る。請求項３の発明によれば、前記記入欄が少なくとも
２個以上の単位包装体に跨がって設けられたので、前記
作用効果に加えて、製造が容易で、注意を引くように形
成することができる。また、請求項４の発明によれば、
前記薬剤用包装体がＰＴＰ，ＳＰ，ＵＰ等、包装の形態
が変わっても、薬を間違えたり、用法を間違えるのを防
ぐことができる。

【００１４】

【発明の実施の形態】以下に、図面を参照しながら、本
発明の実施の形態について詳細に説明する。ここに、図
１、図２は本発明の一実施例を示し、図１は本発明に係
る記入欄を設けた薬剤用包装体の一部を破断した裏面
図、図２は図１のＡ−Ａ線の拡大断面図である。

【００１５】本実施例の薬剤用包装体１は、透明又は半
透明のプラスチックシートからなるポケット材２に、収
容するものの形状により円、楕円、長円形、三角形、長
方形等の所要の形状に収容部３が形成され、この収容部
３に錠剤、カプセル等の収容物４が収容され、収容部３
の開口部が破封フィルム５により密封され、単位包装体
が形成され、破封フィルム５に記入欄６が設けられてい
る。この薬剤用包装体１には、１０個の単位包装体から
なり、１０錠の錠剤が収容され、各収容部３は分割可能
なように各隣接する収容部３，３間にミシン目７が形成
されて構成されている。

【００１６】記入欄６は、アルミニウム等からなる破封
フィルム５の面に、記入欄６ａ，６ｂと、短冊状に２
本、塗布剤が塗布されて白く設けられている。塗付剤の
成分としては、鉛筆、ボールペンによっても書込みがで
きるように不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、
ビニル樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、熱硬化アミ
ノアルキル樹脂、熱硬化アルキル樹脂等を主成分とする
ものに白土、クレー等を混ぜて用いる。記入欄の性状と
しては、表面に粉粒体の凹凸が形成されるとともに、に
じみの生じないものが好ましい。塗布剤で形成した記入
欄にインク等の溶液の筆記用具で記入してもにじみを生
じない表面を形成する塗布剤を用いるのが望ましい。塗
布剤の性状としては、溶剤に溶解した液状のもの、ペー
スト化したもの、エマルジョン化したもの等いずれのも
のでもよい。記入欄６の形成方法としては、塗布剤の性
状によって、適宜に採用すればよいが、ナイフコーテイ
ング、ロールコーテイング、スプレーコーテイング等で
塗布して形成することができる。

【００１７】ポケット材２は、プラスチックの１層又は
複数層が積層され若しくはこれに塗布等されてなり、所
要により、表面に着色等も付される。ポケット材２の基
材は、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリスチレン、
ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリアミド等のプ
ラスチックの３０〜１０００μｍの厚さのシートが使用
される。ポケット材２の基材の厚さは、強度的に、ポリ
塩化ビニル、ポリカーボネート等では、５０〜３５０μ
ｍ程度が好ましく、ポリエチレン、ポリスチレン等で
は、やや厚めの１００〜５００μｍ程度が好ましい。そ
して、ポケット材２に、所要の形状、寸法を維持するよ
うに、圧空成形、プレス成形、真空成形等により収容部
３が形成されている。

【００１８】破封フィルム５は、アルミニウム箔、薄葉
紙、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、
ポリスチレン、ポリアミド等のフィルムを用いることが
できる。防湿性にすぐれ、破封性のよいアルミニウム箔
等の金属箔が好ましいが、これに限られない。この破封
フィルム５は、図２に示すように、接着剤層８により接
着されている。そして、この接着剤層８は、溶剤を含む
接着剤でも差支えがないが、防湿性のよいものを用いる
ことが、収容物の保存の上で好ましい。ヒートシールに
より接着可能な接着剤の例としては、エチレンと不飽和
モノあるいはジカルボン酸またはこれらのエステル、無
水物との共重合樹脂、これらの変性樹脂、またはこれら
に粘着付与剤を加えた樹脂等があげられる。

【００１９】次に、上記のように構成した薬剤用包装体
の製造方法を説明する。予め、収容するものの形状によ
り円、楕円、長円形、三角形、長方形の収容部を設ける
と共に接着剤の塗布等により接着剤層を設けた後ポケッ
ト材と、所定のレジマーク等を印刷するとともに記入欄
を形成した破封フィルムを作製する。そして、ポケット
材の収容部に薬剤を収容して、破封フィルムをヒートセ
ット等により接着剤層を介してポケット材に接着し薬剤
を密封し、ミシン目を設ける。

【００２０】上述のように、本発明は、薬剤用包装体に
記入欄を設けているから、特に注意を喚起することが必
要な場合には、薬剤用包装体自体に薬の用法等を口頭で
注意を喚起しながら記入することができるから、袋を汚
したり、メモ用紙等を紛失したり、袋に入れ間違えたり
しても、使用する薬剤用包装体を見れば、用法が書いて
あれば、それに従えばよく、分からなくなって生じる間
違いをなくすことができる。

【００２１】なお、本発明は、上述した実施の形態例に
限定されるものでなく、本発明の本旨を変更しない範囲
内で変形実施できるものを含む。例えば、上記において
は、ＰＴＰ（プレススルーパック）の包装体の破封フィ
ルムに記入欄を収容部の上に設ける例で説明したが、図
３〜図７に示すように、設けてもよい。図３は、薬剤用
包装体１の端部に沿って上下に２個の記入欄１１ａ，１
１ｂを設ける例を示している。このように、収容部の中
心部を避けて設けると、使用済みの部分の記入事項が破
れて無くなることを防ぐように記入することができ、収
容部の凹凸に影響を受けないで記入できるので表裏何れ
の面にも設けることできると共に破封に悪影響を及ぼさ
ずに、破りやすくすることも可能である。

【００２２】図４は、薬剤用包装体１の面の中央部に１
個の記入欄１２を設ける例を示している。このように、
収容部の中央部に設けると、製造コストが低減できると
ともに、記入の手間を低減することができる。

【００２３】図５は、薬剤用包装体１の辺に沿って記入
欄１３を設ける例を示している。このように、薬剤用包
装体１の中央部の収容部を外して設けると、図３の例と
同様に効果が得られるとともに、さらに記入事項を増や
すことができたり、注意を喚起するようにすることがで
きる。

【００２４】また、上記においては、ＰＴＰ（プレスス
ルーパック）の包装体の例で説明したが、図６に示すよ
うに、ＳＰ（ストリップパック）の包装体、ＵＰ（ユニ
ットパック）の包装体にも適用することができることは
勿論である。このＳＰの包装体の場合において、ＰＴＰ
（プレススルーパック）の包装体の場合と同様に、記入
欄を設けることができる。ＵＰの包装体の場合において
は通常３包づつを１包装体としているので、図７に示す
ように、３包づつを連結して記入欄を設けてもよいし、
１包づつ記入欄を形成するようにしてもよい。さらに、
記入欄は、白等一色に限られず、複数色に分割して設け
たり、２色以上にして枠で囲んで設ける等により注意を
引くように構成してもよい。

【００２５】さらに、包装体の包装単位も上記の１０錠
とか３包とかに限られず、各種の包装体に適用できる。
例えば、１週間用とか、３週間用とか、１か月用の包装
体で市販されているが、これらの包装体に対しても上記
と同様に、記入欄を設ければよい。また、ミシン目の無
い包装体や表裏無地の包装体においても同様であり、こ
れらの有無は本発明の主旨ではなく、要は注意を引くよ
うに記入欄があればよい。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る薬剤用包装体の第１の実施例の
裏面図である。

【図２】図１のＡ−Ａ線の断面図である。

【図３】薬剤用包装体の他の例の裏面図である。

【図４】薬剤用包装体のさらに他の例の裏面図であ
る。

【図５】薬剤用包装体のさらに他の例の裏面図であ
る。

【図６】薬剤用包装体の他の例の断面図である。

【符号の説明】

１・・・薬剤用包装体、２・・・ポケット材、３・・・
収容部、４・・・収容物、５・・・破封フィルム、６・
・・記入欄、７・・・ミシン目、８・・・接着剤層、１
５，１６，１７，１８・・・記入欄

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【手続補正書】

【提出日】平成９年５月１９日

【手続補正１】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】図面の簡単な説明

【補正方法】変更

【補正内容】

【図面の簡単な説明】

【図２】図１のＡ−Ａ線の断面図である。

【図３】薬剤用包装体の他の例の裏面図である。

【図４】薬剤用包装体のさらに他の例の裏面図であ
る。

【図５】薬剤用包装体のさらに他の例の裏面図であ
る。

【図６】薬剤用包装体の他の例の断面図である。

【図７】薬剤用包装体のさらに他の例の裏面図であ
る。

【符号の説明】１・・・薬剤用包装体、２・・・ポケット材、３・・・
収容部、４・・・収容物、５・・・破封フィルム、６・
・・記入欄、７・・・ミシン目、８・・・接着剤層、１
１ａ，１１ｂ，１２，１３，１４・・・記入欄

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】薬剤を包装する部材の表面に筆記用具に
より情報を記入するための記入欄を設けたことを特徴と
する薬剤用包装体。
【請求項２】前記記入欄は塗布又は粘着により形成さ
れた請求項１に記載の薬剤用包装体。
【請求項３】前記記入欄が少なくとも２個以上の単位
包装体に跨がって設けられた請求項１または２に記載の
薬剤用包装体。
【請求項４】前記薬剤用包装体がＰＴＰ，ＳＰ，ＵＰ
である請求項１〜３のいずれかに記載の薬剤用包装体。