JPH10264831A - 衝撃吸収式ステアリング装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】簡単な構成により衝撃吸収部材の動きを阻止し
て騒音が発生するのを防止でき、適正に衝撃を吸収でき
る衝撃吸収式ステアリング装置を提供する。 【解決手段】第１ステアリングシャフト４に回転伝達可
能かつ軸方向移動可能に嵌め合わされる第２ステアリン
グシャフト５を備え、その第１ステアリングシャフト４
の内部に挿入される衝撃吸収部材６は、衝撃作用時に両
ステアリングシャフト４、５により圧縮される。その衝
撃吸収部材６は、第１ステアリングシャフト４の軸方向
に並列する複数の曲げ部15が、その圧縮により互いに近
接するように変形することで、その衝撃が吸収される。
その衝撃吸収部材６は、衝撃作用前に両ステアリングシ
ャフト４、５により予め一定量だけ圧縮されることで、
一部分の径方向寸法が大きくされて第１ステアリングシ
ャフト４の内周に押し付けられる。その曲げ部15の一部
は残りの曲げ部15よりも曲げ剛性が小さくされている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、車両衝突時に運転
者に作用する衝撃を吸収するために用いられる衝撃吸収
式ステアリング装置に関する。

【０００２】

【従来の技術と発明が解決しようとする課題】図８に示
す従来の衝撃吸収式ステアリング装置は、第１ステアリ
ングシャフト１０１と、この第１ステアリングシャフト
１０１に、回転伝達可能かつ軸方向移動可能に嵌め合わ
される第２ステアリングシャフト１０２と、その第１ス
テアリングシャフト１０１の内部に、衝撃作用時に両ス
テアリングシャフト１０１、１０２により圧縮可能に挿
入される板状の衝撃吸収部材１０３とを備える。その第
１ステアリングシャフト１０１は、中実部材１０１ａと
中空部材１０１ｂとを溶接することで構成されている。

【０００３】その衝撃吸収部材１０３は、その第１ステ
アリングシャフト１０１の軸方向に並列する複数の曲げ
部１０３ａを有すると共に、各曲げ部１０３ａにおいて
第１ステアリングシャフト１０１の径方向に沿って曲げ
られ、各曲げ部１０３ａにおける谷側は隣接する曲げ部
１０３ａにおける谷側に対して反対側とされている。衝
撃作用時の上記圧縮により各曲げ部１０３ａが互いに近
接するように変形することで、その衝撃が吸収される。

【０００４】図９に示すように、その第１ステアリング
シャフト１０１の内周１０１′は非円形部とされ、その
内周１０１′に嵌め合わされる第２ステアリングシャフ
ト１０２の一端外周１０２′が、その非円形部に対応す
る形状とされることで、第１ステアリングシャフト１０
１から第２ステアリングシャフト１０２に回転伝達可能
とされている。

【０００５】上記衝撃吸収部材１０３は、その第１ステ
アリングシャフト１０１の内周１０１′の非円形部に沿
うことで、その第１ステアリングシャフト１０１の径方
向への変位が防止されている。しかし、その衝撃吸収部
材１０３の軸方向寸法は、その第１ステアリングシャフ
ト１０１の内部の軸方向寸法よりも短くされているた
め、その衝撃吸収部材１０３は軸方向に変位可能であ
る。そのため、車両の走行中において衝撃吸収部材１０
３が第１ステアリングシャフト１０１や第２ステアリン
グシャフト１０２に衝突し、騒音が発生する。

【０００６】図１０は別の従来の衝撃吸収式ステアリン
グ装置を示す。この従来例では、第１ステアリングシャ
フト２０１は、重量軽減のために筒状の単一材から構成
される。その第１ステアリングシャフト２０１の内部に
上記同様の衝撃吸収部材１０３が挿入される。図１１に
示すように、その第１ステアリングシャフト２０１の内
周２０１′は円形とされる。この場合、その第１ステア
リングシャフト２０１の内周２０１′と第２ステアリン
グシャフト２０２の一端外周２０２′とは、スプライン
やセレーションを介して嵌め合わされることで、第１ス
テアリングシャフト２０１から第２ステアリングシャフ
ト２０２に回転伝達が可能とされている。

【０００７】その第１ステアリングシャフト２０１は、
第１円筒部２０１ａと、第２円筒部２０１ｂと、第３円
筒部２０１ｃとを有する。その第１円筒部２０１ａは、
第２円筒部２０１ｂと第３円筒部２０１ｃとの間に配置
される。その第１円筒部２０１ａの内径は第２円筒部２
０１ｂの内径以上とされ、その第２円筒部２０１ｂの内
径は第３円筒部２０１ｃの内径よりも大きくされる。そ
の第１円筒部２０１ａに衝撃吸収部材１０３が挿入さ
れ、その第２円筒部２０１ｂにスプラインやセレーショ
ンが形成される。

【０００８】この場合、その衝撃吸収部材１０３を第１
円筒部２０１ａに挿入できるように、その衝撃吸収部材
１０３の径方向寸法の最大値は、第２円筒部２０１ｂの
内径よりも小さくされる。また、その衝撃吸収部材１０
３を衝撃作用時に第１ステアリングシャフト２０１と第
２ステアリングシャフト２０２とで圧縮できるように、
その衝撃吸収部材１０３の径方向寸法の最大値は、第３
円筒部２０１ｃの内径よりも大きくされる。そのため、
その衝撃吸収部材１０３は第１ステアリングシャフト２
０１の径方向に変位可能である。また、その衝撃吸収部
材１０３の軸方向寸法は、その第１円筒部２０１ａの内
部の軸方向寸法よりも短くされているため、その衝撃吸
収部材１０３は軸方向にも変位可能である。そのため、
車両の走行中に衝撃吸収部材１０３が第１ステアリング
シャフト２０１や第２ステアリングシャフト２０２に衝
突し、上記従来例以上の騒音が発生する。

【０００９】また、その騒音発生を防止するため、衝撃
吸収部材をステアリングシャフトに溶接することが考え
られる。しかし、溶接を行うと製造工程および製造コス
トが増大する。

【００１０】本発明は、上記問題を解決することのでき
る衝撃吸収式ステアリング装置を提供することを目的と
する。

【００１１】

【課題を解決するための手段】本発明は、第１ステアリ
ングシャフトと、その第１ステアリングシャフトに、回
転伝達可能かつ軸方向移動可能に嵌め合わされる第２ス
テアリングシャフトと、その第１ステアリングシャフト
の内部に、衝撃作用時に両ステアリングシャフトにより
圧縮可能に挿入される衝撃吸収部材とを備え、その衝撃
吸収部材は、第１ステアリングシャフトの軸方向に並列
する複数の曲げ部を有すると共に、各曲げ部において第
１ステアリングシャフトの径方向に沿って曲げられ、各
曲げ部における谷側は隣接する曲げ部における谷側に対
して反対側とされ、前記圧縮により各曲げ部が互いに近
接するように変形することで、その衝撃が吸収される衝
撃吸収式ステアリング装置に適用される。本発明におい
て、その衝撃吸収部材は、衝撃作用前に両ステアリング
シャフトにより予め一定量だけ圧縮され、その予圧縮に
より衝撃吸収部材の一部分の径方向寸法が大きくされて
第１ステアリングシャフトの内周に押し付けられるよう
に、その衝撃吸収部材の曲げ部の一部は残りの曲げ部よ
りも曲げ剛性が小さくされていることを特徴とする。本
発明の構成によれば、その衝撃吸収部材を衝撃作用前に
一定量だけ予圧縮することで、その曲げ部の中の曲げ剛
性の小さい一部を変形させ、衝撃吸収部材の一部分の径
方向寸法を大きくすることができる。これにより、その
衝撃吸収部材の一部分を第１ステアリングシャフトの内
周に押し付け、衝撃吸収部材の動きを阻止できる。しか
も、その曲げ部の中の曲げ剛性の小さい一部の衝撃によ
る変形時においては、残りの曲げ部の変形時よりも、ド
ライバーに作用する荷重を小さくし、ドライバーに急激
に大きな荷重が作用するのを防止できる。

【００１２】本発明において、その衝撃吸収部材の曲げ
部の一部は、開口を有することで残りの曲げ部よりも曲
げ剛性が小さくされているのが好ましい。これにより、
容易に曲げ部の一部の曲げ剛性を残りの曲げ部の曲げ剛
性よりも小さくできる。

【００１３】本件発明において、その第１ステアリング
シャフトは、筒状の単一材から構成され、第１円筒部
と、第２円筒部と、第３円筒部とを有し、その第１円筒
部は、第２円筒部と第３円筒部の間に配置され、その第
１円筒部の内径は第２円筒部の内径以上とされ、その第
２円筒部の内径は第３円筒部の内径よりも大きくされ、
その第１円筒部に前記衝撃吸収部材が挿入され、その衝
撃吸収部材の径方向寸法の最大値は、前記予圧縮前にあ
っては第２円筒部の内径よりも小さく第３円筒部の内径
よりも大きくされているのが好ましい。これにより、第
１ステアリングシャフトを筒状の単一材から構成する場
合でも、衝撃吸収部材の動きを阻止することができる。

【００１４】本発明において、その衝撃吸収部材の一端
側は、曲げ部が形成されていない真直部とされているの
が好ましい。これにより、衝撃作用時にドライバーに作
用する荷重の大きさを、その真直部の軸方向寸法に応じ
て調節することができる。

【００１５】

【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施形態を説明する。

【００１６】図１に示す衝撃吸収式電動パワーステアリ
ング装置１は、車体（図示省略）に取り付けられる円筒
状の第１コラム２ａに、ベアリング３を介して支持され
る第１ステアリングシャフト４と、この第１ステアリン
グシャフト４に、回転伝達可能かつ軸方向移動可能に嵌
め合わされる第２ステアリングシャフト５と、その第１
ステアリングシャフト４の内部に、衝撃作用時に両ステ
アリングシャフト４、５により圧縮可能に挿入される衝
撃吸収部材６とを備える。その第１ステアリングシャフ
ト４の一端にステアリングホイール７が連結される。

【００１７】その第１コラム２ａは第２コラム２ｂに圧
入される。そのベアリング３の外輪は第１コラム２ａの
内周の段差面に係合し、内輪は第１ステアリングシャフ
ト４の外周に取り付けられた止め輪９に係合する。これ
により、車両の衝突時にステアリングホイール７から第
１ステアリングシャフト４、ベアリング３を介して第１
コラム２ａに軸方向力を伝達することが可能とされてい
る。その第１コラム２ａは第２コラム２ｂに対して、車
両の衝突時に第１コラム２ａの軸方向にその圧入力を超
える一定以上の力が作用することで、軸方向に相対移動
する。

【００１８】その第１ステアリングシャフト４は、筒状
の単一材から構成され、第１円筒部４ａと、第２円筒部
４ｂと、第３円筒部４ｃとを有する。その第１円筒部４
ａは第２円筒部４ｂと第３円筒部４ｃとの間に配置され
る。その第１円筒部４ａの内径は第２円筒部４ｂの内径
よりも大きくされている。なお、その第１円筒部４ａの
内径と第２円筒部４ｂの内径とを等しくしてもよい。そ
の第２円筒部４ｂの内径は第３円筒部４ｃの内径よりも
大きくされている。その第１円筒部４ａに上記衝撃吸収
部材６が挿入される。

【００１９】その第１ステアリングシャフト４の外周に
筒部材６２が固定され、その筒部材に形成された凹部６
２ａに、その第１コラム２ａの外周に設けられる盗難防
止用ロック装置（図示省略）から突出するキーが挿入さ
れることで、その第１ステアリングシャフト４の回転が
ロックされる。

【００２０】その第１ステアリングシャフト４の他端に
第２ステアリングシャフト５の一端がセレーションを介
して回転伝達可能かつ軸方向移動可能に嵌め合わされ
る。その第２ステアリングシャフト５の外周に周溝１０
が形成され、その周溝１０に通じる通孔１１が第１ステ
アリングシャフト４に形成され、その通孔１１と周溝１
０とに樹脂１２が充填される。これにより、車両の衝突
時に第１ステアリングシャフト４の軸方向に一定以上の
力が作用すると、その樹脂１２が破断されることで、そ
の第１ステアリングシャフト４は第２ステアリングシャ
フト５に対して軸方向に相対移動可能とされている。

【００２１】図２の（１）、（２）、（３）に示すよう
に、その衝撃吸収部材６は、長方形の金属製板状材から
成形されたもので、第１ステアリングシャフト４の軸方
向に並列する複数の曲げ部１５を有すると共に、一端側
は曲げ部１５が形成されていない真直部１６とされ、各
曲げ部１５において第１ステアリングシャフト４の径方
向に沿って曲げられている。各曲げ部１５における谷側
１５ａは隣接する曲げ部１５における谷側１５ａに対し
て反対側とされている。その真直部１６に第１ステアリ
ングシャフト４の軸方向に沿うリブ１６ａが形成されて
いる。

【００２２】その衝撃吸収部材６の径方向寸法の最大値
は、後述の予圧縮前にあっては第２円筒部４ｂの内径よ
りも小さく第３円筒部４ｃの内径よりも大きくされてい
る。また、その衝撃吸収部材６の後述の予圧縮前におけ
る長手方向寸法は、第１ステアリングシャフト４に嵌め
合わされた第２ステアリングシャフト５の一端面５′か
ら、第１円筒部４ａと第３円筒部４ｃとの境界部におけ
る予圧縮前の衝撃吸収部材６の接点までの距離よりも大
きくされている。これにより、衝撃吸収部材６は両ステ
アリングシャフト４、５により圧縮可能とされている。

【００２３】その衝撃吸収部材６の第１円筒部４ａへの
挿入後に、第２円筒部４ｂに第２ステアリングシャフト
５が嵌め合わされる。この嵌め合わせにより、その衝撃
吸収部材６は両ステアリングシャフト４、５により予め
一定量だけ圧縮される。

【００２４】その予圧縮により衝撃吸収部材６の一部が
第１ステアリングシャフト４の内周に押し付けられるよ
うに、その衝撃吸収部材６の曲げ部１５の一部は残りの
曲げ部１５よりも曲げ剛性が小さくされている。本実施
形態では、図２の（１）、（２）に示すように、その衝
撃吸収部材６における最も第２ステアリングシャフト５
に近接する曲げ部１５と、次いで第２ステアリングシャ
フト５に近接する曲げ部１５とが、開口２０を有するこ
とで、両曲げ部１５が残りの曲げ部１５よりも曲げ剛性
が小さくされている。その曲げ部１５の一部の予圧縮に
よる変形により、図３に示すように、衝撃吸収部材６の
径方向寸法を他端側部分で大きくし、その他端側部分を
第１ステアリングシャフト４の内周に押し付けることが
できる。その曲げ部１５の中の曲げ剛性の小さな一部
が、衝撃作用時の変形代を有するように、上記予圧縮量
が設定されている。その予圧縮量は、その衝撃吸収部材
６の長手方向寸法により設定できる。

【００２５】上記構成の衝撃吸収式ステアリング装置を
備えた車両が前方の障害物と衝突した場合、第１ステア
リングシャフト４と第２ステアリングシャフト５とを連
結する樹脂１２が剪断され、第１コラム２ａが第２コラ
ム２ｂに対して軸方向に沿って相対移動し、第１ステア
リングシャフト４が第２ステアリングシャフト５に対し
て軸方向に沿って相対移動する。その樹脂１２の剪断に
より衝撃エネルギーが吸収される。さらに、両ステアリ
ングシャフト４、５により衝撃吸収部材６が圧縮される
ことにより、その衝撃吸収部材６の各曲げ部１５は互い
に近接するように変形し、その変形により衝撃が吸収さ
れる。

【００２６】上記構成によれば、衝撃吸収部材６を衝撃
作用前に一定量だけ予圧縮することで、その曲げ部１５
の中の曲げ剛性の小さい一部を変形させ、衝撃吸収部材
６の一部の径方向寸法を大きくすることができる。これ
により、その衝撃吸収部材６の一部を第１ステアリング
シャフト４の内周に押し付け、衝撃吸収部材６の動きを
阻止できるので、騒音が発生するのを防止できる。しか
も、その曲げ部１５の中の曲げ剛性の小さい一部の衝撃
による変形時においては、残りの曲げ部の変形時より
も、ドライバーに作用する荷重を小さくし、ドライバー
に急激に大きな荷重が作用するのを防止できる。例え
ば、図４において実線で示すように、衝撃作用時に第１
ステアリングシャフト４の第２ステアリングシャフト５
に対する変位が小さい間は、破線で示すように開口２０
を設けない場合に比べ、ドライバーに作用する荷重を小
さくすることができる。また、その曲げ部１５の一部を
残りの曲げ部１５よりも曲げ剛性を小さくするには、開
口２０を設けるだけでよいので、容易に実施できる。ま
た、第１ステアリングシャフト４を筒状の単一材から構
成する場合でも、その衝撃吸収部材６の動きを阻止する
ことができる。また、衝撃作用時にドライバーに作用す
る荷重の大きさを、衝撃吸収部材６の真直部１６の軸方
向寸法に応じて調節することができる。その真直部１６
はリブ１６ａを有することで座屈が防止されている。

【００２７】図５の（１）、（２）は、衝撃吸収部材６
の第１変形例を示す。上記実施形態の衝撃吸収部材６と
の相違は、衝撃吸収部材６における最も第２ステアリン
グシャフト５に近接する曲げ部１５と、次いで第２ステ
アリングシャフト５に近接する曲げ部１５とが、両曲げ
部１５に亘る単一の開口２０′を有することで、両曲げ
部１５が残りの曲げ部１５よりも曲げ剛性が小さくされ
ている。他は上記実施形態と同様で、同一部分は同一符
号で示す。

【００２８】図６、図７の（１）、（２）は、衝撃吸収
部材６の第２変形例を示す。上記実施形態の衝撃吸収部
材６との相違は、衝撃吸収部材６における最も第２ステ
アリングシャフト５に近接する曲げ部１５と、次いで第
２ステアリングシャフト５に近接する曲げ部１５と、第
１ステアリングシャフト４の第３円筒部４ｃに近接する
曲げ部１５と、次いで第３円筒部４ｃに近接する曲げ部
１５とが、開口２０を有することで、それら曲げ部１５
が残りの曲げ部１５よりも曲げ剛性が小さくされてい
る。その曲げ部１５の一部の予圧縮による変形により、
衝撃吸収部材６の径方向寸法を両端側部分で大きくし、
その両端側部分を第１ステアリングシャフト４の内周に
押し付けることができる。他は上記実施形態と同様で、
同一部分は同一符号で示す。

【００２９】なお、本発明は上記実施形態に限定されな
い。例えば、衝撃吸収部材は板材から形成されるものに
限定されず、棒材から形成されてもよい。

【００３０】

【発明の効果】本発明によれば、簡単な構成により衝撃
吸収部材の動きを阻止して騒音が発生するのを防止で
き、さらに適正に衝撃を吸収できる衝撃吸収式ステアリ
ング装置を提供できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施形態の衝撃吸収式ステアリング装
置の断面図

【図２】本発明の実施形態の衝撃吸収式ステアリング装
置の衝撃吸収部材の（１）は断面図、（２）は正面図、
（３）は平面図

【図３】図１のＩＩＩ‐ＩＩＩ線断面図

【図４】本発明の実施形態の衝撃吸収式ステアリング装
置において、衝撃作用時における第１ステアリングシャ
フトの第２ステアリングシャフトに対する変位と、ドラ
イバーに作用する荷重との関係を示す図

【図５】本発明の第１変形例の衝撃吸収部材の（１）は
断面図、（２）は正面図

【図６】本発明の第２変形例の衝撃吸収式ステアリング
装置の断面図

【図７】本発明の第２変形例の衝撃吸収部材の（１）は
断面図、（２）は正面図

【図８】従来の衝撃吸収式ステアリング装置の断面図

【図９】図８のＩＸ‐ＩＸ線断面図

【図１０】従来の衝撃吸収式ステアリング装置の断面図

【図１１】図１０のＸＩ‐ＸＩ線断面図

【符号の説明】

４ 第１ステアリングシャフト ４ａ 第１円筒部 ４ｂ 第２円筒部 ４ｃ 第３円筒部 ５ 第２ステアリングシャフト ６ 衝撃吸収部材 １５ 曲げ部 １６ 真直部 １６ａ リブ ２０ 開口

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 第１ステアリングシャフトと、 その第１ステアリングシャフトに、回転伝達可能かつ軸
   方向移動可能に嵌め合わされる第２ステアリングシャフ
   トと、 その第１ステアリングシャフトの内部に、衝撃作用時に
   両ステアリングシャフトにより圧縮可能に挿入される衝
   撃吸収部材とを備え、 その衝撃吸収部材は、第１ステアリングシャフトの軸方
   向に並列する複数の曲げ部を有すると共に、各曲げ部に
   おいて第１ステアリングシャフトの径方向に沿って曲げ
   られ、各曲げ部における谷側は隣接する曲げ部における
   谷側に対して反対側とされ、 前記圧縮により各曲げ部が互いに近接するように変形す
   ることで、その衝撃が吸収される衝撃吸収式ステアリン
   グ装置において、 その衝撃吸収部材は、衝撃作用前に両ステアリングシャ
   フトにより予め一定量だけ圧縮され、 その予圧縮により衝撃吸収部材の一部分の径方向寸法が
   大きくされて第１ステアリングシャフトの内周に押し付
   けられるように、その衝撃吸収部材の曲げ部の一部は残
   りの曲げ部よりも曲げ剛性が小さくされていることを特
   徴とする衝撃吸収式ステアリング装置。
2. 【請求項２】 その衝撃吸収部材の曲げ部の一部は、開
   口を有することで残りの曲げ部よりも曲げ剛性が小さく
   されている請求項１に記載の衝撃吸収式ステアリング装
   置。
3. 【請求項３】 その第１ステアリングシャフトは、筒状
   の単一材から構成され、第１円筒部と、第２円筒部と、
   第３円筒部とを有し、その第１円筒部は、第２円筒部と
   第３円筒部の間に配置され、その第１円筒部の内径は第
   ２円筒部の内径以上とされ、その第２円筒部の内径は第
   ３円筒部の内径よりも大きくされ、その第１円筒部に前
   記衝撃吸収部材が挿入され、 その衝撃吸収部材の径方向寸法の最大値は、前記予圧縮
   前にあっては第２円筒部の内径よりも小さく第３円筒部
   の内径よりも大きくされている請求項１または２に記載
   の衝撃吸収式ステアリング装置。
4. 【請求項４】 その衝撃吸収部材の一端側は、曲げ部が
   形成されていない真直部とされている請求項１乃至３の
   何れかに記載の衝撃吸収式ステアリング装置。