JPH10263790A

JPH10263790A - 自動鋳造装置

Info

Publication number: JPH10263790A
Application number: JP6957797A
Authority: JP
Inventors: Kazuya Matsumoto; 和也松本; Masato Goie; 政人五家; Takashi Hattori; 高志服部
Original assignee: Hitachi Metals Ltd
Current assignee: Proterial Ltd
Priority date: 1997-03-24
Filing date: 1997-03-24
Publication date: 1998-10-06

Abstract

(57)【要約】【課題】大幅な鋳造設備の変更を必要とせず、たとえ
薄肉の鋳物においても、不廻りやガス欠陥のない健全な
い鋳物を得ることができる自動鋳造装置を得る。【解決手段】湯口と内部にキャビティを形成した砂鋳
型と、この砂鋳型を間欠または連続して自動移動させる
鋳型搬送手段と、吸引管を有し砂鋳型の外部からキャビ
ティに向け一定量食い込む食込手段と、この食込手段を
砂鋳型に押圧する押圧手段と、食込手段の吸引管に接続
する減圧手段とで構成する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明が属する技術分野】本発明は、自動鋳造装置に関
し、より詳しくは薄肉の鋳物においても不廻りやガス欠
陥のない健全な鋳物を連続的にかつ効率よく生産できる
自動鋳造装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】砂鋳型に溶湯を注入する際には、溶湯が
砂鋳型のキャビティ内に充填される過程で砂鋳型や中子
が高温に熱せられ、そのなかに含まれる粘結材や可燃材
が燃焼し、また水分が気化することで、多量のガスが発
生する。それに加えて、溶湯がまだ充填されてない部分
の空気が熱によって膨張する。

【０００３】発生したガスや膨張した空気の一部は、砂
鋳型を構成する砂粒子の隙間から砂鋳型の外へ排出され
るが、その多くはキャビティ内にとどまり、溶湯がまだ
充填されていない部分の圧力が上昇する。そして、溶湯
がまだ充填されてないキャビティの圧力が溶湯の圧力を
上回った場合には不廻りとなり、一方、発生ガスが溶湯
に取り込まれた場合には、吹かれやピンホールなどの鋳
造欠陥を発生し易い。

【０００４】このような鋳造欠陥に対処するためには、
一般的にキャビティと砂鋳型外面を貫通するガス抜き孔
を設けたり、製品となるキャビティより高い位置に空隙
部、即ち揚りを設ける鋳造方案にして、発生ガスを溜ま
るようにしている。しかし、ガス抜き孔や揚がりを設け
ることは注入歩留を低下させるだけでなく、鋳造品ごと
に鋳造方案が異なる砂鋳型に対して、適切にガス抜き孔
や揚がりを設けることはかなり難かしい。

【０００５】このほか、不廻り、吹かれやピンホールな
どの鋳造欠陥を防止するものとして吸引鋳造法が提案さ
れ、また実用化されている。例えば、（１）砂鋳型を密
閉チャンバ内に配設し、密閉チャンバの内部を減圧雰囲
気にして鋳造する減圧吸引鋳造方法、（２）砂鋳型ある
いは中子の幅木部から砂鋳型外面に向けて貫通孔を設
け、貫通孔から吸引を行いつつ鋳造する方法、（３）特
開平４−１４７７６０号公報に開示する、内部に鋳造空
間を有する通気性の吸引鋳造用鋳型において、鋳造空間
の減圧必要部位と鋳型外部との間で吸引通路を形成する
吸引ガイドを設ける吸引鋳造用鋳型を用いて鋳造する方
法がある。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】ところで現在の鋳造装
置は、造型機と注湯機などの周辺設備を合理的に配置連
動させて、造型や鋳造の能率を向上する自動鋳造装置が
殆どである。即ち、この自動鋳造装置は、造型機、模型
交換装置、鋳型反転機、型抜き機、中子納め機、枠合わ
せ機、自動注湯機、型ばらし機などを組み込み、砂鋳型
を連続または間欠に運搬するコンベヤと連動している。

【０００７】上記の砂鋳型を連続または間欠に運搬する
コンベヤからなる自動鋳造装置において、前記（１）砂
鋳型を密閉チャンバ内に配設し、密閉チャンバの内部を
減圧雰囲気にして鋳造する減圧吸引鋳造方法によると、
密閉チャンバ内を減圧しつつ次の工程に移動させるには
鋳造設備が大がかりなものとなる。また前記（２）砂鋳
型あるいは中子の幅木部から砂鋳型外面に向けて貫通孔
を設け、貫通孔から吸引を行いつつ鋳造する方法や、
（３）特開平４−１４７７６０号公報に開示する鋳造空
間の減圧必要部位と鋳型外部との間で吸引通路を形成す
る吸引ガイドを設ける鋳造方法においても、次の工程に
移動させるには設備が大がかりなものとなる。上述のと
おり、砂鋳型を連続または間欠に自動的に運搬する自動
鋳造設備に、従来の吸引鋳造方法を適用するためには、
鋳造設備の大幅な改造、更に鋳造方案を全面的に変更し
たりする必要がある。

【０００８】本発明の課題は、大幅な鋳造設備の変更を
必要とせず、たとえ薄肉の鋳物においても、不廻りやガ
ス欠陥のない健全ない鋳物を得ることができる自動鋳造
装置を得ることにある。

【０００９】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
本発明の自動鋳造装置は、湯口と内部にキャビティを形
成した砂鋳型と、該砂鋳型を間欠または連続して自動移
動させる鋳型搬送手段と、吸引管を有し前記砂鋳型の外
部から前記キャビティに向けで一定量食い込む食込手段
と、該食込手段を砂鋳型に押圧する押圧手段と、該食込
手段の吸引管に接続する減圧手段とを有することを特徴
とする。そして必要に応じて、吸引管を２以上有し、ま
たは更に、鋳造する砂鋳型に応じて前記食込手段の食い
込み位置を可変としたことを特徴とする。

【００１０】食込手段は、その先端を鋭利な形状とする
ことが好ましい。鋭利にすることで押圧手段により容易
に砂鋳型に突き刺すことができる。また、食込手段の先
端から僅か離れた位置に、弾性を有する部材を取り付け
たフランジを設けることが好ましい。このフランジによ
り、食込手段が一定量食い込むと共にフランジ面が砂鋳
型に密着して減圧度が維持されて溶湯の流動性が向上
し、また砂鋳型からの発生ガスを効果的に吸引する。

【００１１】

【発明の実施の形態】以下、本発明の自動鋳造装置の実
施の形態を図１および図２に基づき説明する。図１は自
動鋳造装置の要部縦断面図である。自動鋳造装置は、湯
口１ａと内部にキャビティ１ｂａを形成した砂鋳型１
と、この砂鋳型１を連続して自動移動させるモールドコ
ンベヤ２と、吸引管３ａを有し砂鋳型１の外部１ｃから
キャビティ１ｂに向けて一定量食い込み、先端を鋭利な
形状としたステンレス管からなる食込手段３と、この食
込手段３を砂鋳型１に押圧する油圧シリンダ４ａに連結
するロッド４ｂおよびアダプタ４ｃと、食込手段３の吸
引管３ａに接続する真空ポンプ５とを備えている。ま
た、吸引管３ａと真空ポンプ５の間には、砂鋳型１から
僅かに吸引された砂を分離するためフィルタ６を介装し
ている。食込手段３には、先端から僅か離れた位置にフ
ランジ３ｄを形成し、このフランジ３ｄの底面には耐熱
ナイロン製のパッキン３ｃを取り付けている。２ａは台
車、２ｂは台車２ａ下の車輪である。レール２ｃ上の台
車２ａは、駆動装置（図示せず）により牽引され鋳枠１
ｄ，１ｅ内の砂鋳型１を造型ステーション（図示せず）
から注湯ステーションほかを連続的に移動できる。な
お、７は取鍋、８は溶湯である。

【００１２】次に、図１の自動鋳造装置を用いての鋳造
工程を図２（ａ），（ｂ），（ｃ）により説明する。図
２（ａ）は食込手段３が砂鋳型１にまだ食い込んでいな
い状態を示す断面図であり、図２（ｂ）は食込手段３が
砂鋳型１の外面１ｃに食い込みはじめ真空ポンプ５を作
動させてている状態を示す断面図であり、図２（ｃ）は
食込手段３のパッキン３ｃを砂鋳型１の外面１ｃに密着
させて、外面１ｃからの発生ガスを吸引をしている状態
を示す断面図である。先ず、図２（ａ）の状態において
は、油圧シリンダ４ａによって食込手段３を砂鋳型１の
上方に待避させ、砂鋳型１をモールドコンベヤ２により
移動させる。図２（ｂ）の状態においては、油圧シリン
ダ４ａにより食込手段３を下降させ、食込手段３の先端
３ｄを砂鋳型１の外面１ｃに突き刺す。このとき真空ポ
ンプ５を作動させて吸引を開始しており、食込手段３に
よって僅かに破壊された砂鋳型１の一部の砂１ｆが吸い
取られながら砂鋳型１の外面１ｃ中にさらに深く食い込
んでいく。フィルタ６は吸引した砂１ｆを篩いわけて排
出させる。そして図２（ｃ）で、フランジ１ｄの底面の
パッキン１ｅが砂鋳型１に密着させ、ロッド４ｂに埋設
したロードセル（図示せず）により、これを検知し食込
手段３の下降を停止させる。砂鋳型１から発生するガス
の吸引は継続して行われ、この間に、取鍋７内の溶湯８
を湯口１ａよりキャビティ１ｂ内に注入する。注入を完
了すると食込手段３を油圧シリンダ４ａにより上昇させ
る。鋳造を終わった砂鋳型は、次の冷却ステーション、
型ばらしステーションに移動され、次の造型され鋳造前
の砂鋳型が搬入される。以上の動作を繰り返すことによ
り、連続して自動的に鋳造することができる。

【００１３】実施の形態の自動鋳造装置により、砂鋳型
１の外面１ｃを吸引しつつ鋳造を行うと、先ず溶湯８の
注入前には湯口１ａから空気が流入するのでキャビティ
１ｂの減圧度は殆ど上昇しないが、溶湯８が注入された
瞬間に湯口１ａが塞がれるのでたちまち減圧度が上昇す
る。実際には吸引管３ａに流入する空気はキャビティ１
ｂからだけではなく、砂鋳型１を介して外部から流入す
る空気もあり、キャビティ１ｂの減圧度上昇は僅かであ
る。しかし、この僅かな減圧度によって、０_.１ＭＰａ
程度の発生ガス圧を吸収することができる。そして、キ
ャビティ１ｂ内の圧力が溶湯の圧力とほぼ同じとなって
溶湯がキャビティの末端まで充填されるので不廻りを防
止し、またガス圧を吸収するので吹かれやピンホールな
どのガス欠陥の発生を防止する。

【００１４】実施の形態の自動鋳造装置により、外径３
２０ｍｍ、高さ２５０ｍｍで、厚さ３．５ｍｍの薄肉部
を持ち球状黒鉛鋳鉄からなるギヤケースを５０個連続し
て鋳造した。その結果、溶湯はキャビティの末端まで充
填されて不廻りはなく、発生ガス圧を吸引して吹かれや
ピンホールなどがなく、健全なギヤケースを得ることが
できた。

【００１５】発明の実施の形態は、吸引管を１つとし、
食込手段の食い込み位置を一定とした例を示したが、必
要に応じて、吸引管を２以上有し、または更に、鋳造す
る砂鋳型に応じて前記食込手段の食い込み位置を可変と
することで、更に溶湯の充填と発生ガス吸引の効果が向
上する。

【００１６】

【発明の効果】以上、詳細に説明のとおり、本発明の自
動鋳造装置は、連続または間欠に砂鋳型を移動する自動
鋳造装置において、大幅な鋳造設備の変更を必要とせ
ず、キャビティ内の圧力が溶湯の圧力とほぼ同じとなっ
て溶湯がキャビティの末端まで充填されて不廻りがな
く、また発生ガス圧を吸収して吹かれやピンホールなど
の鋳造欠陥の発生を防止し、健全な鋳物を効率良く生産
することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例の自動鋳造装置を示す要部縦
断面図である。

【図２】図１の実施例の自動鋳造装置の動作を示す断面
図である。

【符号の説明】

１：砂鋳型、１ａ：湯口、１ｂ：キャビティ、１
ｃ：外面、１ｄ、１ｅ：鋳枠、２：モールドコンベ
ヤ、２ａ：台車、２ｂ：車輪、２ｃ：レール、
３：食込手段、３ａ：吸引管、３ｂ：フランジ、
３ｃ：パッキン、３ｄ：先端、４：押圧手段、４
ａ：湯圧シリンダ、４ｂ：ロッド、４ｃ：アダプタ、
５真空ポンプ、５ａ：フレキシブルホース、６：
フィルタ、７：取鍋、８：溶湯。

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】湯口と内部にキャビティを形成した砂鋳
型と、該砂鋳型を間欠または連続して自動移動させる鋳
型搬送手段と、吸引管を有し前記砂鋳型の外部から前記
キャビティに向け一定量食い込む食込手段と、該食込手
段を砂鋳型に押圧する押圧手段と、該食込手段の吸引管
に接続する減圧手段とを有することを特徴とする自動鋳
造装置。
【請求項２】前記吸引管を２以上有することを特徴と
する請求項１記載の自動鋳造装置。
【請求項３】鋳造する砂鋳型に応じて前記食込手段の
食い込み位置を可変としたことを特徴とする請求項１ま
たは請求項２に記載の自動鋳造装置。