JPH10262663A - オキソリン酸に結合する新規な抗体及びそれを使用するオキソリン酸の測定方法 - Google Patents

オキソリン酸に結合する新規な抗体及びそれを使用するオキソリン酸の測定方法

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JPH10262663A
JPH10262663A JP7374397A JP7374397A JPH10262663A JP H10262663 A JPH10262663 A JP H10262663A JP 7374397 A JP7374397 A JP 7374397A JP 7374397 A JP7374397 A JP 7374397A JP H10262663 A JPH10262663 A JP H10262663A
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antibody
acid
oxolinic acid
oxa
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JP7374397A
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Eiji Ohashi
英治 大橋
Kiminori Sugiyama
公教 杉山
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Nissui Corp
Original Assignee
Nippon Suisan Kaisha Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 魚介類などの生体試料(血液、各組織など)
中の微量のオキソリン酸を簡便に、再現よく高感度で測
定できる方法を提供すること。 【解決手段】 オキソリン酸を免疫抗原として用いて生
産したモノクローナル抗体またはポリクローナル抗体、
ならびに該抗体を使用することを特徴とする魚介類など
の生体試料中のオキソリン酸の測定方法。オキソリン酸
に結合する新規なモノクローナル抗体及びポリクローナ
ル抗体を用いた酵素免疫測定法により測定することを特
徴とする魚介類などの生体試料中のオキソリン酸の測定
方法。オキソリン酸を化学的に測定機器に固定化し、オ
キソリン酸に結合する新規なモノクローナル抗体及びポ
リクローナル抗体を用いて表面プラズモン共鳴法により
測定することを特徴とする魚介類などの生体試料中のオ
キソリン酸の測定方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、オキソリン酸(以下、
「OXA」とも記す。)に結合することを特徴とする新
規な抗体及び該抗体を使用するオキソリン酸の測定方法
に関する。
【0002】
【従来技術】生体試料中に含まれているOXAを測定す
る方法としては、これらを生体試料中から抽出、精製
し、液体クロマトグラフィーなどによって測定する方法
があるが、従来の方法は、抽出、精製などの前処理が複
雑で、ポンプ、検出器など精密機器の使用、不純物の影
響など問題があり、いまだ実用し得る方法はない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、魚介類など
の生体試料(血液、各組織など)中の微量のオキソリン
酸を簡便に、再現よく高感度で測定できる方法を提供す
ることを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、オキソリン酸
を免疫抗原として用いて生産したモノクローナル抗体ま
たはポリクローナル抗体、ならびに該抗体を使用するこ
とを特徴とする魚介類などの生体試料中のオキソリン酸
の測定方法を要旨としている。また、本発明はオキソリ
ン酸に結合する新規なモノクローナル抗体及びポリクロ
ーナル抗体を用いた酵素免疫測定法により測定すること
を特徴とする魚介類などの生体試料中のオキソリン酸の
測定方法を要旨としている。さらにまた、本発明はオキ
ソリン酸を化学的に測定機器に固定化し、オキソリン酸
に結合する新規なモノクローナル抗体及びポリクローナ
ル抗体を用いて表面プラズモン共鳴法により測定するこ
とを特徴とする魚介類などの生体試料中のオキソリン酸
の測定方法を要旨としている。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明の測定の対象とするオキソ
リン酸は、畜魚肉に残留が問題となり注目されている物
質の1つである。家畜の飼育や魚の養殖には様々な動物
用医薬品が用いられている。生産向上のための感染症の
予防や治療がその主な目的である。薬剤としては抗生物
質、サルファ剤等の抗菌性物質が多い。現在ではこれら
薬物の使用は畜水産経営にとって不可欠なものとなって
いる。オキソリン酸はこれらの薬剤の中の代表的な1つ
であり、様々な魚の養殖に用いられている。特に近年、
その残留が問題となり注目されている物質の1つであ
る。
【0006】本発明によればOXAに特異的に結合する
抗体及び該抗体を用いたOXAの簡便かつ高感度な免疫
測定法が提供される。本発明のOXAに結合するモノク
ローナル抗体及びポリクローナル抗体は、以下に示すよ
うに既に確立されている方法により得ることができる。
【0007】OXAをアミノ酪酸などの炭素数4〜8個
のスペーサーを介して卵白アルブミンなどの高分子担体
に結合させハプテン抗原を作製し、その10〜100μ
gを完全フロイントアジュバントなどとの懸濁液として
マウスあるいはラットなどに腹腔内投与する。不完全フ
ロイントアジュバントを用いて2〜4週間毎に1〜数回
追加免疫を行った後、最終免疫としてハプテン抗原の生
理食塩水溶液を腹腔内投与する。最終免疫の3〜4日後
に脾臓を摘出し、その脾臓細胞とミエローマ細胞を融合
させ、ハイブリドーマを得る。ミエローマ細胞としてマ
ウスではsp−2、NS−1、P3−U1ラットではY
3.Ag1.2.3などが使用される。ハイブリドーマ
は、前期の細胞融合処理後の細胞を通常のハイブリドー
マ選択培地(HAT培地:ヒポキサンチン、アミノプテ
リン及びチミジンを含む培地)で培養することによって
得られる。
【0008】すなわち、脾臓細胞はHAT培地中では増
殖不可能であり、ミエローマ細胞はヒポキサンチン−グ
アニン−ホスホリボシルトランスフェラーゼ(HGPR
T)欠損株であるためアミノプテリンを含むHAT培地
中では生育できない。従って、脾臓細胞から遺伝子を導
入され、HAT培地中で生育できた細胞がハイブリドー
マである。目的の抗体を産生するハイブリドーマを酵素
免疫測定法(EIA、後述)により選択後、限界希釈法
により単一クローン化を行い、増殖及び抗体の産生能に
おいて安定した株を確立する。
【0009】一方、ポリクローナル抗体をとるためには
通常大量に血中抗体を採取できる大型動物、例えばウサ
ギ、ヤギ、ヒツジ、ウマ、ウシなどが用いられる。ハプ
テン抗原数mgを完全フロイントアジュバントなどとの
懸濁液としてウサギなどに腹腔内投与する。不完全フロ
イントアジュバントを用いて1日おきに数回追加免疫を
行った後、最終免疫としてハプテン抗原の生理食塩水溶
液を腹腔内投与する。最終免疫の1週間後に採血を行
う。
【0010】このようにして得られた本発明のモノクロ
ーナル抗体産生ハイブリドーマは、通常の培地で継代で
き、液体窒素中で容易に長期間の保存が可能である。な
お、モノクローナル抗体及びポリクローナル抗体(抗血
清)の精製は硫酸アンモニウムなどの塩析、DEAEセ
ルロースなどを用いるカラムクロマトグラフィー、ゲル
濾過、アフィニティークロマトグラフィーなどの一般的
な蛋白質の単離、精製法を用いて行われる。
【0011】このようにして得られた本発明のOXAに
結合するポリクローナル抗体及びモノクローナル抗体は
OXAに強い結合を有するものであり、本抗体を用いた
酵素免疫測定法、蛍光免疫測定法、放射線免疫測定法、
表面プラズモン共鳴測定法を行うことにより微量のOX
Aを特異的にかつ正確に測定することが可能となる。
【0012】本発明のOXAに結合する抗体を用いたO
XAの測定には、例えば石川英治他著「酵素免疫測定
法」第2版、医学書院、1982年発行等に記載されて
いる公知の方法を用いることができる。ここではEIA
に基づく競合法及び表面プラズモン共鳴法に基づく競合
法について簡単に説明する。なお、放射線免疫測定法、
蛍光線免疫測定法に基づく競合法においても、EIAと
表面プラズモン共鳴法と同様な原理によるものである。
【0013】競合EIA法では、特異抗体を固定化抗原
との反応に先立ち遊離抗原(標準または検体)と反応さ
せることにより、もしくは特異抗体と固相化抗原との反
応時に遊離抗原を共存させることにより、特異抗体と固
相化抗原との反応が遊離抗原の用量依存的に阻害され
る。ここで、固相化抗原に結合した特異抗体を測定する
必要があるが、その方法としては、酵素標識した特異抗
体を用いて酵素活性として測定する方法と、酵素標識し
た二次抗体を用いて酵素活性として測定する方法があ
る。このいずれの場合においても酵素活性は、固相化抗
原に結合している抗体量を反映している。検体中の抗原
量は、既知濃度の標準遊離抗原を用いて作成した検量線
から算出することができる。
【0014】抗体を標識する酵素としては、ペルオキシ
ダーゼ、β−ガラクトシダーゼ、アルカリフォスファタ
ーゼ、グルコースオキシダーゼなどがあり、これらの酵
素を石川英治他著「酵素免疫測定法」第2版、医学書
院、1982年発行等に記載されている方法で抗体に標
識することができる。特異抗体を標識せず標識二次抗体
を用いる場合は、アルカリフォスファターゼ標識の抗ラ
ット免疫グロブリンGなどの市販されている二次抗体を
用いることができる。また、感度を上げるためにAvi
din Biotinylated Enzyme C
omplex(ABC)法、Peroxidase−A
nti Peroxidase(PAP)法なども使用
される。一方、固相の支持体としては、シリコン、ナイ
ロン、プラスチック、ビーズ、マイクロプレートもしく
は試験管などが使用される。本発明のOXAに結合する
抗体は、組織、血液などからのOXAの分離、精製にも
使用することができる。
【0015】表面プラズモン共鳴を利用した免疫センサ
の概要を以下に示す。金薄膜をガラス表面にコーティン
グしておくと、全反射させるように入射した光のうちあ
る角度で入射したものは吸収されてしまうため、それに
対応する反射光の強度が減少するという現象が起こる。
これは光がガラスとの界面で全反射するとき、その界面
にエバネッセント波といわれる波が生ずるが、金属薄膜
上の表面プラズモン波との波数が一致すると共鳴が起こ
り、光のエネルギーの一部が表面プラズモン波を励起す
るために使用され、反射光として戻る分が減るのであ
る。この共鳴現象は金属薄膜のごく近く(実際には1μ
m以内)の状態を反映する。金属表面に抗体あるいは抗
原を固定化しておくことにより、試料溶液中の抗原ある
いは抗体の金属表面への結合を、無標識で測定すること
ができる。
【0016】
【実施例】以下、本発明を実施例によって更に具体的に
説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0017】実施例1 《抗原の調製》OXAは低分子物質であるため、免疫に
先立ちOXAのハプテン化を行った。低分子・ハプテン
間に炭素数4〜8からなるフレキシブルな炭素鎖が存在
すると抗原として認識されやすいという例がある。そこ
でOXA中のカルボキシル基を用いて4−アミノ酪酸、
6−アミノヘキサン酸を介してあるいは直接的に鶏卵白
アルブミン(OVA)、キトサンに結合させ6種類の抗
原を得た。実際にはこれらの中で4−アミノ酪酸を介し
たOXA−OVAが最も抗原性が高かったため、以降の
試験にはこれを用いた。4−アミノ酪酸を介したOXA
−OVA製法を以下に示す。キトサンあるいは6−アミ
ノヘキサン酸を介した抗原もこれに準じて調製した。直
接OXAとOVAあるいはキトサンを結合させる方法に
ついてはオキソリン酸・血清アルブミンコンジュケート
の調製に準じて行った。
【0018】《スペーサーを介した抗原の調製法》次の
2段階の反応に分けて、免疫抗原(OXA−OVA)を
調製した。 (反応1)メタノール20mlをアルゴン下に−10℃
に冷却し、攪拌しながら塩化チオニル2.6mlを滴下
した。滴下終了後、−10℃で更に10分間攪拌した。
この溶液に4−アミノ酪酸1.07gを加え、室温で終
夜攪拌した。この溶液を濃縮し、メタノール20mlを
加えて再び減圧下で濃縮した。この操作を3回行った
後、残さをヘキサンに溶かし、生じた沈殿を濾集し、ヘ
キサンで洗浄した。この沈殿をクロロホルムから再結晶
し、メチル−4−アミノブチレートハイドロクロライド
1.25gを得た。メチル−4−アミノブチレートハイ
ドロクロライド499.7mgにトリエチルアミン56
0μlを加え、乾燥テトラヒドロフラン5mlに懸濁し
た。オキソリン酸215.4mgにN−メチルモルホリ
ン20μlを加え、乾燥テトラヒドロフラン5mlに懸
濁した。これをアルゴン下0℃に冷却し、イソブチルク
ロロカーボネート210μlを加えて5分間攪拌した。
この溶液に先に調製したメチル−4−アミノブチレート
ハイドロクロライド/テトラヒドロフラン溶液を加え、
0℃〜室温にて2時間攪拌した。この溶液を濃縮し、塩
化メチレン/飽和炭酸水素ナトリウム溶液で分配した。
有機相を水洗し、無水硫酸ナトリウムで乾燥、濃縮し
た。残さを塩化メチレンに溶解し、0.5N NaOH
/MeOH aq.(5:1)に溶解し、室温で終夜攪
拌した。有機相を水、飽和食塩水で洗い、無水硫酸ナト
リウムで乾燥、濃縮した。得られた固体を0.1N N
aOH水溶液に溶解し、塩酸を滴下した。生じた沈殿を
濾取、減圧下に乾燥して化合物Aを142.6mg得
た。
【0019】(反応2)化合物A100mgをジメチル
スルホキサイド4mlに溶かし、N−ヒドロキシサクシ
ンイミド33mg、水溶性カルボジイミド55mgを加
えた。OVA 26mgを純水1.5mlに溶かし、ジ
メチルスルホキサイド3mlを加えた。この溶液に超音
波を照射し、先に調製した化合物A/ジメチルスルホキ
サイド溶液を加えて室温にて終夜攪拌した。反応混合物
を遠心分離し、沈殿をジメチルスルホキサイドで2回洗
浄した。残った沈殿を純水に分散し、水溶性画分と不溶
性画分とに分割した。水溶性画分には未反応のOVAが
含まれていた。不溶性画分を凍結乾燥し、OXA−OV
Aを得た。
【0020】《オキソリン酸・血清アルブミンコンジュ
ケート(OXA/BSA)の調製》抗体の評価系である
ELISA法では、オキソリン酸をプレートに固相化す
る必要がある。この系では蛋白質をキャリアーとして固
相化する方が容易であるため、OXA/BSAの調製を
行った。オキソリン酸65mgをジオキサン1.2ml
に懸濁し、N−メチルモルホリン28μlを加えた。こ
の溶液にイソブチルクロロカーボネート34μlを加え
て攪拌、室温15分間放置した。牛血清アルブミン(B
SA)32mgを0.2M炭酸水素ナトリウム水溶液
1.6mlに溶かし、5分間、超音波にかけた。このB
SA溶液に先に調製した活性化オキソリン酸400μl
を混合し、更に3分間超音波を照射した。室温に5分間
放置し、得られた溶液を透析、ゲル濾過した。BSAへ
のオキソリン酸導入比率は蛍光を測定して判定した。そ
の結果、BSA1分子当たり11分子のオキソリン酸が
導入されていた。
【0021】《ポリクローナル抗体の調製》先に調製し
た各種抗原10mgを完全フロイントアジュバントとと
もにウサギの数カ所に皮下投与した。1週間おきに3
回、同様の注射を行った。ウサギを固定器に固定し採血
を行った。テスト用の採血は0.5mlで行い、抗体価
を下記の抗体価の評価系によりチェックした。その後、
大量採血を1日おきに1回、100ml、3回採血し
た。採血した血液は試験管、あるいはビーカーなどに入
れ室温に数時間置き凝血させた。凝血塊を試験管壁から
スパテール、ガラス棒などを用いてはがし、更に数時間
放置した。十分凝血塊が収縮したらこれをていねいに取
り出し、血清を遠沈し、血清を集めた。
【0022】《抗体産生能確認》追加免疫1週間後のウ
サギ血中抗体をELISA法で確認した。マイクロタイ
タープレートに0.1μg/mlの抗原(牛血清アルブ
ミン結合OXA)を50μlずつ投入し、4℃で1晩放
置した。抗原を除いて1%牛血清アルブミン(BSA)
/PBSを300μlずつ投入、37℃で1時間放置し
た。0.05%Tween20/PBSを300μlず
つ投入し洗浄後、血中抗体(抗血清)を希釈液(1%B
SA/PBS)で2000〜30000倍に段階希釈
し、50μlずつ投入、37℃で2時間放置した。0.
05%Tween20/PBS、300μlで3回洗浄
した後、アルカリフォスファターゼ標識抗IgG抗体溶
液と1時間反応させた。PBS/Tween溶液による
洗浄後、発色基質を加え、10分間反応後、405nm
の吸光度を測定した。その結果、OXA−OVA(4−
アミノ酪酸使用)について十分な抗体価が得られたた
め、以下の試験にはこれを用いた。この結果を図1に示
した。
【0023】《抗原免疫(モノクローナル抗体の調
製)》ポリクローナル抗体の調製の際、OXA−OVA
(4−アミノ酪酸使用)が最も抗原性が高かったため、
以降の試験にはこれを抗原として用いた。OXA−OV
A 0.1mgを完全フロイントアジュバントとともに
BALB/c(4週令・雄)マウスの数カ所に皮下投与
した。2週間後、同抗原0.1mgを完全フロイントア
ジュバントとともに免疫マウスに皮下投与した。更に2
週間後、同抗原0.1mgを不完全フロイントアジュバ
ントとともに免疫マウスに皮下投与した。最終免疫後4
日目に免疫マウスを屠殺し、免疫マウスより脾臓を採取
した。
【0024】《抗体産生能確認》追加免疫1週間後のマ
ウス血中抗体をウサギ抗血清の場合と同様にELISA
法で確認した。その結果、ELISA法で抗OXA抗体
ができていることを確認した。また、1μg/mlの抗
体溶液に各濃度のオキソリン酸を添加して、同様に阻害
試験を行った。その結果より、遊離のOXAによりプレ
ート固定化OXAと競合することを確認した。
【0025】《細胞融合》常法に従い単一細胞懸濁液
(5×107cells)を調整し、最終濃度45%ポ
リエチレングリコール4000を用い、ミエローマ細胞
NS−1(1×107cells)と細胞融合を行っ
た。増殖培地(10%FCS添加DME/F−12)に
脾臓細胞数にして1×107cells/mlになるよ
うに懸濁し、フィーダー細胞を加えて、培養プレートに
1wellあたり100μlずつ分注した。翌日、培地
をHAT選択培地(Gibco BRL社)に変更後、
週2回、HATセレクションを行い、抗体産生能の高い
融合細胞6株(2A7、5A2、5D6、5G12、8
D1、8F6)を樹立化した。
【0026】《モノクローナル抗体の評価》上記ハイブ
リドーマを大量培養し、最終的に8×105cells
/mlのハイブリドーマを15mlで3日間培養した。
培養液中のモノクローナル抗体はMab Trap G
(ファルマシア社)で精製し、PD−10カラム(P
harmacia社)で脱塩した。抗体のアイソタイプ
はMouseMonoclonal Antibody
Isotyping kit(Amersham社)
で同定した。6クローンの産生するモノクローナル抗体
のアイソタイプはIgG1(5A2)、IgG2a(2
A7、5G12)、IgG2b(5D6、8D1、8F
6)であった。OXAとの競合ELISA法での50%
阻害濃度は10−5〜10−6Mであった。
【0027】実施例2 固相をOXA−BSAとしたOXAの競合法による測定 《OXAの競合法による測定》ELISA法を用いて、
前述の精製抗体の評価を行った。オキソリン酸・牛胎児
血清アルブミンコンジュケート(以下OXA/BSA)
を、96穴マイクロプレートに室温、2時間物理吸着さ
せた。バッファー洗浄後、BSAを用いてブロッキング
を行った。1μg/mlのウサギポリクローナル抗体溶
液に各濃度のオキソリン酸をプレートに添加して1時間
反応、PBS/Tween溶液で洗浄後、アルカリフォ
スファターゼ標識抗免疫グロブリンG抗体溶液と1時間
反応させた。PBS/Tween溶液による洗浄後、発
色基質を加え、10分間反応後、405nmの吸光度を
測定した。また、オキソリン酸に対する特異性を確認す
るため、オキソリン酸と化学構造の類似のナリジクス酸
についても阻害試験を行った。この結果を図2に示し
た。この測定系ではおよそ30〜10000ppbの濃
度でオキソリン酸は定量的測定が可能であった。ナリジ
クス酸については、10000ppbでようやく阻害を
示し始める程度の反応であった。つまり、今回、得られ
たポリクローナル抗体はオキソリン酸についての特異性
が高い抗体であることがわかった。
【0028】実施例3 表面プラズモン共鳴法による競合法 《装置》SPR−20〔電気化学計器(株)〕、シリン
ジポンプ Harvard Apparatus(ハー
バード社製)を用いた。
【0029】《センサチップのカルボキシメチルデキス
トラン(CMD)のコーティング》センサチップの金薄
膜を5mM 16−メルカプトヘキサデカン−1−オー
ル/80% EtOH溶液に一晩浸けた。水洗後、クロ
ロ−メチルオキシラン/0.4N NaOH/ジエチレ
ングリコールジメチルエーテル溶液で4時間処理した。
水洗後、デキストラン/0.1N NaOH溶液で20
時間処理した。再び水洗後、ブロモ酢酸/1N NaO
H溶液で18時間処理後、水洗、風乾した。
【0030】《抗原(オキソリン酸)の固定化》抗原で
あるオキソリン酸をセンサーチップ上に固定化した。ま
ず、NHS/EDC〔N−ヒドロキシサクシンイミド/
N,N−エチル−N′−(3−ジエチルアミノプロピ
ル)カルボジイミド〕の固定化法を用いてBSAを固定
化した。オキソリン酸1950mgをジオキサン36m
lに懸濁し、N−メチルモルホリン840μlを加え
た。この溶液にイソブチルクロロカーボネート1020
μlを加えて攪拌、室温15分間放置した。こうして調
製した活性化オキソリン酸とセンサチップ上のBSAの
遊離のアミノ基と結合させた。
【0031】《オキソリン酸の測定》流速20μl/
分、移動相pH7.4HBS緩衝液(10mM HEP
ES,150mM NaCl,3.4mM EDTA,
0.005%(v/v)Surfactant p−2
0)を用いた。20μg/ml抗体溶液を100μlイ
ンジェクションした。また、過剰の阻害を目的として、
オキソリン酸1ppmを加えた試験を行った。この結果
を図3に示した。オキソリン酸1ppmを加えることに
より、シグナル値は1/3程度に減少した。これらのこ
とにより、この系ではセンサチップ上のオキソリン酸、
抗体、溶液中のオキソリン酸の間で競合反応を行われて
いることが示された。次に、この方法により検量線を作
製したところ0.003〜1ppmの範囲で、濃度依存
的にシグナルは減少していた。このときの検出限界はお
よそ0.01ppmであった。
【0032】《魚肉への添加回収試験》下記の方法で魚
肉への添加試験を行った。また、今回のSPRセンサに
関しては、原理的にHPLC法と比べて、簡便な前処理
で測定が可能となることが予想される。オキソリン酸
0.0ppm、0.1ppm、1.0ppm添加ギンザ
ケ筋肉5gをアセトニトリル20ml中で無水硫酸ナト
リウム10gと共にホモジナイズし、遠心分離を行い上
澄みを分取後、再度アセトニトリル抽出を行い、ヘキサ
ン20mlを加え分配し、脱脂を行った。アセトニトリ
ル層を減圧濃縮し、HBS緩衝液に再懸濁し、0.45
μmニトロセルロースフィルターで濾過を行い、センサ
ー測定を行った。魚肉抽出試料溶液のみを加えた時、シ
グナル値は上昇するが、緩衝液(移動相)に置換すると
同時に、シグナル値も急速に減少していき、測定にはほ
とんど影響をもたらさない。オキソリン酸添加魚肉抽出
試料溶液の測定では、0.0、0.1、1.0ppmと
どの場合もスタンダードと同様の値を示した。この結果
を図4に示した。HPLC法の場合、ヘキサン脱脂の
後、ODSセップパックカラムによりカラム精製を行
い、再度ヘキサン脱脂を行い、HPLC測定を行うこと
になっている(食品衛生検査指針参照)。つまり、SP
Rセンサーを用いた免疫学的測定法ではHPLC法と比
べて簡便な前処理でもオキソリン酸測定が可能となっ
た。
【0033】
【発明の効果】本発明により、オキソリン酸に結合する
新規なモノクローナル抗体及びポリクローナル抗体を使
用して免疫測定することにより、例えば、血液及び各組
織などの検体中の微量のオキソリン酸を簡便かつ高感度
に測定することが可能となった。本発明のオキソリン酸
に結合する抗体を用いることにより、魚介類などの生体
試料中のオキソリン酸の測定が可能となり、その成果は
養殖業界、水産業界などの領域に対して非常に重要な貢
献をもたらす。
【図面の簡単な説明】
【図1】OXA免疫ウサギ血清のタイトレーションを示
す図面である。
【図2】精製OXAポリクロナール抗体のELISA競
合試験を示す図面である。
【図3】オキソリン酸抗体固定化チップでのオキソリン
酸測定クロマトグラムを示す図面である。
【図4】ギンザケ筋肉を用いたオキソリン酸添加試験を
示す図面である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // C12P 21/08 C12P 21/08 G01N 33/577 G01N 33/577 B

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 オキソリン酸を免疫抗原として用いて生
    産した抗体。
  2. 【請求項2】 モノクローナル抗体またはポリクローナ
    ル抗体である請求項1の抗体。
  3. 【請求項3】 請求項1または2の抗体を使用すること
    を特徴とする魚介類などの生体試料中のオキソリン酸の
    測定方法。
  4. 【請求項4】 請求項1または2の抗体を用いた酵素免
    疫測定法により測定することを特徴とする魚介類などの
    生体試料中のオキソリン酸の測定方法。
  5. 【請求項5】 オキソリン酸を化学的に測定機器に固定
    化し、請求項1または2の抗体を用いて表面プラズモン
    共鳴法により測定することを特徴とする魚介類などの生
    体試料中のオキソリン酸の測定方法。
JP7374397A 1997-03-26 1997-03-26 オキソリン酸に結合する新規な抗体及びそれを使用するオキソリン酸の測定方法 Pending JPH10262663A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2009099149A1 (ja) * 2008-02-07 2009-08-13 Shiseido Company, Ltd. 抗d-アミノ酸モノクローナル抗体及び、抗d-アミノ酸モノクローナル抗体を用いたd-アミノ酸の免疫学的分析方法

Cited By (2)

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WO2009099149A1 (ja) * 2008-02-07 2009-08-13 Shiseido Company, Ltd. 抗d-アミノ酸モノクローナル抗体及び、抗d-アミノ酸モノクローナル抗体を用いたd-アミノ酸の免疫学的分析方法
JP2009184981A (ja) * 2008-02-07 2009-08-20 Shiseido Co Ltd 抗d−アミノ酸モノクローナル抗体及び、抗d−アミノ酸モノクローナル抗体を用いたd−アミノ酸の免疫学的分析方法

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