JPH10262309A - 固い敷設地面内に光ケーブル又は電気ケーブルを敷設する方法及びケーブルを敷設する装置 - Google Patents

固い敷設地面内に光ケーブル又は電気ケーブルを敷設する方法及びケーブルを敷設する装置

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JPH10262309A
JPH10262309A JP3442898A JP3442898A JPH10262309A JP H10262309 A JPH10262309 A JP H10262309A JP 3442898 A JP3442898 A JP 3442898A JP 3442898 A JP3442898 A JP 3442898A JP H10262309 A JPH10262309 A JP H10262309A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 固い敷設地面内にケーブルを敷設する場合
に,ケーブルの損傷が充分に防止されるが,固い敷設地
面の支持層が弱化せしめられないようにし,しかもでき
るだけ簡単にかつ環境汚染を生じないように溝を形成し
得るようにする。 【解決手段】 敷設地面(VG)の表面層を軟化するま
で加熱し(HE),敷設地面材料を押しのけて(VR,
HR),加熱された敷設地面に溝(N)を形成し,敷設
地面の表面に押しのけられた敷設地面材料(VM)が少
なくとも一方の溝縁に沿って隆起部を形成するように
し,ケーブル(K)を溝内に導入し(KA),押しのけ
られている敷設地面材料を,溝内に入れられたケーブル
上に再び充てんし(VR),溝内に再び入れられた敷設
地面材料を圧縮する(WE)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,固い敷設地面内
に,均質で圧力水密の管とその中に入れられた光導体又
は電気導体とから成る光ケーブル又は電気ケーブルを敷
設する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ケーブル,特に小管とその中をルーズに
延びている光波導体とから成るマイクロケーブルを固い
地面内に敷設することは周知である。このために,道
路,歩道又は車道の表面層内に溝が削成され,この溝内
にケーブルが入れられ,固定され,適当な保護充てん剤
によって覆われる。しかしながらコンクリートあるいは
アスファルトのような固い敷設地面に適当な切削機によ
る切削によって溝を形成することは,比較的に高価な費
用を必要とする。それは,削り出された材料を除去する
ための費用が高価であるからである。更にダストが発生
するので,環境汚染が著しい。道路のような固い地面の
表面層に溝を深く切り込むこのような敷設法の別の欠点
は,場合によっては敷設地面の表面層の下側の支持層に
破損しやすい箇所が生ぜしめられることである。要する
に,道路の支持層がなるべく損傷せしめられないように
注意しなければならない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明の課題
は,固い敷設地面内にケーブルを敷設する方法におい
て,一面ではケーブルの損傷が充分に防止されるが,他
面では固い敷設地面の支持層が弱化せしめられないよう
にし,しかもできるだけ簡単にかつ環境汚染を生じない
ように溝を形成し得るようにすることである。
【0004】更に本発明は,本発明による方法を実施す
る装置を提供する。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明による方法の構成
では,請求項1に記載したように,加熱ユニットによっ
て敷設地面の表面層を軟化するまで加熱し,溝形成ユニ
ットによって敷設地面材料を押しのけて,加熱された敷
設地面に溝を形成し,その際敷設地面の表面上に押しの
けられた敷設地面材料が少なくとも一方の溝縁に沿って
隆起部を形成するようにし,敷設ユニットによって光ケ
ーブル又は電気ケーブルを溝内に導入し,充てんユニッ
トによって,押しのけられている敷設地面材料を,溝内
に入れられたケーブル上に再び充てんし,圧延ユニット
によって,溝内に再び入れられた敷設地面材料を圧縮す
るようにした。
【0006】本発明による装置の構成では,請求項22
に記載したように,形成される溝の範囲で敷設地面の表
面層を加熱する加熱ユニットと,敷設地面材料を押しの
けることによって溝を形成する溝形成ユニットと,敷設
するケーブルをケーブルドラムから引き出して溝内に導
入しかつケーブルを押さえる敷設ユニットと,押しのけ
られた敷設地面材料を溝内に再び充てんする充てんユニ
ットと,この溝内に充てんされた敷設地面材料を圧縮し
て溝を閉じる圧延ユニットとを有しているようにした。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明によれば溝は敷設地面の軟
化せしめられた表面層を押しのけることによって形成さ
れ,その場合,溝の形成の際に押しのけられ若しくは破
断された敷設地面材料は,敷設地面上で溝の少なくとも
一方の縦縁に沿って隆起部を形成し,若しくは隆起部と
して積まれる。有利には,溝を形成する際に形成される
溝の両側で支持部材によって上方から対抗圧力が敷設地
面上に作用せしめられ,この対抗圧力によって,溝が側
方に向かって大きく裂断することが防止される。破断さ
れた敷設地面材料をこの支持部材によって成形すること
によって,破断された敷設地面材料が外方に転がった
り,形成された溝内に戻ることが防止される。溝が形成
された直後に,ケーブル若しくはケーブルの管が溝の底
に導入される。これに続いて,押しのけられて側方に積
まれた敷設地面材料が再び溝内に導入されているケーブ
ル上に充てんされ,適当な圧延ユニットによって圧縮さ
れる。場合によって存在する封入空気,中空スペース,
不規則な箇所あるいは材料が不足している箇所は充てん
物質,例えばビチュメン,敷設地面材料の粒状物あるい
はエポキシによって閉じられる。これによって,機械的
に固いケーブル,特にマイクロケーブルが道路のような
固い敷設地面に長手方向に水密に敷設され,霜が生じな
い均一な道路表面層が再び形成される。したがって従来
の方法において必要であったような高熱ビチュメンを充
てん・封止材料として使用しなくてもよい。
【0008】ケーブルを敷設する溝は,単に,敷設地面
の摩耗層若しくはカバー層,例えば道路のアスファルト
から成る摩耗層だけに,約2〜3cmの深さ,最大でも
敷設地面の表面層の厚さに等しい深さに形成される。こ
のような溝深さは,管の外径が2〜15mmのマイクロ
ケーブルを確実に敷設するのに充分である。このマイク
ロケーブルの光波導体は,管の敷設の前又は後に管内に
入れられる。ケーブル自体は敷設後は,再び充てんさ
れ,圧延され,圧縮される敷設地面材料によって上方か
ら,機械的負荷に対して保護され,損傷を防止される。
【0009】溝の形成は,加熱ユニットを使用して既に
あらかじめ加熱されて軟化せしめられている敷設地面材
料内に押し込まれ若しくは押し付けられる適当な溝形成
ユニットによって,敷設地面材料を押しのけることによ
って行われる。この場合,押しのけられ若しくは場合に
より破断せしめられた敷設地面材料は道路表面上に隆起
部状に投げ出される。敷設地面材料の粒度が過度に大き
くて,押しのけたり,破断したりすることができない場
合には,溝形成ユニットを鉛直方向に振動させることが
できる。この場合大きな砕石若しくは地面材料が粉砕さ
れる。更に振動によって,敷設地面材料の流動が補助さ
れる。付加的に水平方向の振動をさせると,溝形成ユニ
ットの押しつけ工具と溝側面との間の摩擦が減少せしめ
られる。このためには同期的に回転する複数の偏心盤を
溝形成ユニットの枠に取り付けることができる。
【0010】しかしながら,必要な溝は加熱されている
敷設地面に往復工具によって形成することもできる。こ
の場合例えば振動シューが大きな圧力で押しつけられ,
走行方向にけん引される。この作業は「すき」による農
作業に類似している。しかしプランジャを使用し,これ
を極めて大きな周波数で振動させながら,上方から敷設
地面に押し付けることも可能である。これによって最低
の押しつけ圧力で,やはり敷設地面材料を押しのけなが
ら,任意の溝形状,孔及びまた溝の極めて小さい曲率半
径の方向転換部を生ぜしめることができる。
【0011】個々の方法段階のすべてのユニットを,有
利には適当な継ぎ手を介して,1つのケーブル敷設ユニ
ットにまとめると有利である。このまとめられたユニッ
トは敷設線に沿って自走又はけん引によって作業方向に
動かすことができる。このような敷設・けん引ユニット
は次のような機能を有している: −加熱ユニットによる敷設地面の表面層の加熱 −溝形成ユニットによる溝の形成 −敷設ユニットによる溝内へのケーブルの導入及び押さ
え −充てんユニットによる溝内への,押しのけられ溝の側
方に積まれた敷設地面材料の充てん −圧延ユニットによる敷設地面の表面の復元 以下においては順次に行われる方法段階を詳細に説明す
る。
【0012】まず,敷設地面の表面を掃除装置例えば従
来の掃除機によってきれいにする。しかしこのような掃
除機は全体の敷設・圧縮ユニット内に内蔵しておくこと
もできる。適当な吸出装置が掃除機によって掃除された
道路のダストを収集するので,溝に汚れが入ることはな
い。
【0013】次いで,敷設地面の表面層の溝を形成され
る範囲が加熱ユニットによって加熱され,表面層材料,
例えばアスファルト層が軟化せしめられる。しかしこの
加熱は徐々に行わなければならない。なぜなら,急激に
加熱すると,表面層材料が損傷することがあるからであ
る。例えば,道路構築作業において周知の加熱パッド,
すなわち道路の表面層を切り取るのではなしに,単に加
熱して,ロールによって再び固める道路修理作業に使用
される加熱パッドが使用される。この加熱パッドはプロ
パンガスを使用するものであって,ほぼ1×1m又は2
×2mの寸法を有している。本発明の加熱ユニットの場
合,複数の加熱パッドを互いに前後に1列にほぼ10m
までの長さに配置する。これによって敷設地面の表面層
は徐々に加熱され,3km/hまでの溝形成作業の前進
速度を達成することができる。加熱パッドの幅は有利に
は0.3〜0.5mである。これらの加熱パッドは走行ロ
ーラを備えており,例えば継ぎ手を介して互いに結合さ
れている。これによって全体の加熱ユニットは向きを変
えることができ,必要に応じて曲線に沿って走向するこ
とができる。しかしながら加熱ユニットは,例えば溝形
成ユニット自体が付加的に加熱される場合には,より短
くすることもできる。
【0014】敷設地面の表面層が,形成される溝の深さ
にまで充分に加熱されて軟化せしめられると,溝形成ユ
ニットが下降せしめられて,溝を形成する。この溝形成
ユニットはロール工具又は往復動尾工具として構成して
おくことができる。ロール工具は1つ又は複数のロール
から成り,複数のロールは互いに前後に並べて配置され
て,ロール装置にまとめられる。ロール装置の場合,ロ
ールの直径及び厚さは段階的に増大せしめられており,
溝が徐々に拡幅され,深められるようになっている。溝
形成ユニット全体は,有利には油圧機構によって,下降
可能である。原理的にはロールを駆動したり,加熱した
り,振動させたりしなくてもよいが,特殊な場合には,
必要に応じこのような付加機能を付け加えることができ
る。また複数の溝を並べて同時に形成することのできる
溝形成ユニットを使用することもできる。普通の耐用寿
命の場合,ロールは肌焼鋼から製作されている。応力が
大きい場合,例えば敷設地面内の砕石分が大きい場合,
超硬合金ロールも使用される。ロール装置は,必要に応
じて簡単かつ迅速に交換し得るように,構成されてい
る。複数のロールを前後に並べてロール装置にまとめる
場合には,ロールの形状は次のように定められる。すな
わち,第1のロールがくさび作用によって敷設地面の表
面層内に容易に突入し,これに対し最後のロールの側面
は周面に対してほぼ直角であって,正確な溝側面を形成
し得るようにする。ロールは例えば長方形の横断面ある
いは少なくとも部分的に円すい形の横断面を有すること
ができる。
【0015】前述のような1つのロール工具によって溝
を形成する場合には,溝の縁が無秩序に裂開することが
ある。このことは,特に道路表面層が古く,損傷してい
る場合に生じやすい。しかし特定の幅の溝を形成するた
めには,溝形成ユニットの両側に支持部材,例えば支持
ローラを配置し,これらの支持ローラが溝形成中に上方
から敷設地面の表面に作用して,表面の側方に向かう裂
開を阻止するようにするとよい。更に,これらの支持部
材あるいは付加的な成形ユニットによって,形成された
溝から押しのけられた敷設地面材料を溝の縁に沿って,
再び充てんされるまで一時的に成形して,溝内への逆戻
りを防止するのがよい。
【0016】溝形成ユニットによって溝が形成された直
後に,敷設ユニットによって光ケーブル又は電気ケーブ
ルが溝内に導入される。すなわちマイクロケーブルは一
緒に前進するケーブルドラムから引き出されて,溝内に
導入される。この場合ケーブル案内によってケーブルは
確実に案内され,一緒に前進するローラがケーブルを溝
の底に押さえる。ケーブルが溝内に入る直前及び又は入
った直後に,溝壁に適当な付着仲介剤,例えば下塗剤を
供給して,付着作用を強くし,かつ場合によっては液状
のビチュメンを,再び充てんされる充てん材料のための
接着剤及び結合剤として供給することができる。
【0017】ケーブルが溝内に入れられた直後に,少な
くとも一方の溝縁に沿って押しのけられて積まれた敷設
地面材料が充てんユニット,例えばホッパ形の集め器に
よってまとめられ,溝内に入れられる。圧縮ロールの形
の圧延装置によって,充てんされた敷設地面材料が溝内
に押し込まれ,圧縮される。
【0018】溝が再び充てんされ,充てんされた敷設地
面材料が圧縮ロールによって圧縮された後に,敷設地面
の表面,例えば道路の表面を再び復元することができ
る。細粒の表面の場合には,溝表面に例えばアスファル
トのような敷設地面材料から成る粒状物を供給すること
ができる。敷設地面材料の粒状材料の量が充分でない場
合にはなお付加的な充てん物質,圧延されたビチュメン
又は粒状物をビチュメンあるいは接着剤と一緒に供給す
ることができる。場合によっては中空スペースをビチュ
メン又はエポキシのような結合剤によって封止すること
ができる。後続の平滑化ロールによって溝表面が敷設地
面の表面の水準にまで,押し下げられる。
【0019】これによって本発明による方法の敷設過程
が終了する。
【0020】個々のユニットを1つの全体の敷設・圧縮
ユニットにまとめて,例えば低床トレーラで輸送し得る
ようにするのがよい。場合により海上輸送を行うために
は,個々の機能ユニットを分離させ,個々に例えば規格
コンテナに収納して,海上輸送をすることができる。
【0021】
【実施例】以下においては図面に示した実施例に基づい
て,本発明の構成を具体的に説明する。
【0022】図1に原理的に示した加熱・溝形成・ケー
ブル導入・充てん・圧縮・圧延ユニットは個々のユニッ
トを組み合わせて構成することもできるし,1つのユニ
ットとして構成することもできる。しかしながら,加熱
ユニットは有利には独立したユニットにし,残りのユニ
ットに簡単に連結し得るようにしておく。この加熱ユニ
ットHEによって敷設地面VGが溝を形成される範囲を
加熱されて軟化せしめられる。軟化温度に達した後に,
例えば小さな直径の前ロールVRと大きな直径の主ロー
ルHRとから成るロール装置を有する溝形成ユニットが
加熱された敷設地面VGに作用して,溝Nを形成する。
このようにして加熱された敷設地面VGが押しのけら
れ,これによってロールVR若しくはHRの側方に隆起
部が形成される。この隆起部は溝の縦縁に沿って,押し
のけられた敷設地面材料VMとして延びる。溝Nの形成
に続いて,引き出しローラRAによって,敷設されるケ
ーブルKが一緒に前進するケーブルドラムTRから引き
出され,ケーブル押し込みローラKAによって,開いて
いる溝N内に導入される。有利には,ケーブルKの導入
の前に前注入装置VFEによって付着仲介剤が溝N内に
供給され,溝Nの底の付着作用が増大せしめられる。ケ
ーブルを導入した後においても,有利には後注入装置N
FEによってやはり付着仲介剤,例えば下塗剤又はビチ
ュメンが供給され,後から充てんされる敷設地面材料V
Mに対する付着作用が増大せしめられる。図1に示され
ているように,押しのけられた敷設地面材料VMは開い
ている溝Nに沿って隆起部として積まれ,敷設地面VG
の表面から突出している。次いで充てん装置によって,
押しのけられて側方に投げ上げられた敷設地面材料VM
で溝Nが閉じられる。このことは,隆起部として成形さ
れた敷設地面材料VMが,適当な圧縮ロールVR,ホッ
パなどによって側方に押しずらされることによって行わ
れる。最後に圧延ユニットWEによって,溝N内に再び
充てんされた敷設地面材料VMが圧縮され,敷設地面V
Gの残りの表面の高さにまで押し下げられる。最終状態
では,ケーブルKが挿入されている充てんされた溝GN
が得られる。ケーブルKが引き込まれる範囲において,
ある程度の過剰ケーブルによっていわゆる貯蔵ケーブル
KSが形成されており,これによってケーブル敷設ユニ
ットの前進の際の不規則性及び公差が補償される。矢印
Rはケーブルの敷設方向を表す。
【0023】図2においては本発明により形成された溝
Nを有する敷設地面VGの表面層OSが示されている。
溝Nは敷設地面VGの支持層TSには達していない。こ
れによって支持層TSは損傷せしめられていない。図2
から分かるように,溝Nの形成によって側縁に沿って材
料押しのけ部が形成され,これは押しのけられた敷設地
面材料VMから成る隆起部として溝縁に沿って延びてい
る。ケーブルK,特に管とその中を延びる光波導体とか
らなるマイクロケーブルは既に導入されている。
【0024】図3においては溝Nは既に,充てん・圧縮
・圧延ユニットによって,溝形成の際に押しのけられた
敷設地面材料VMで充てんされており,この充てんされ
た溝GNの表面は敷設地面VGの表面の高さにまで押し
下げられている。
【0025】
【発明の効果】本発明による方法の効果は,なかんず
く,ケーブルの敷設に必要な溝が単に敷設地面の摩耗層
にだけ形成され,従来のように敷設地面の支持層にまで
達しないことである。これによって支持層は損傷される
ことがなく,もはやき裂が形成される危険はない。更
に,溝が切削の場合のようにきれいな縁を有している必
要はなく,このため後から溝の充てんのために入れられ
る敷設地面材料は,溝の側方の材料と申し分なく結合す
る。
【0026】また,本発明による方法においては除去を
必要とする削りダストは生じない。更に敷設地面の最初
の構造が維持され,敷設地面の表面,外観,表面強度,
負荷支持能力は変化せしめられない。
【0027】全体として本発明による方法は従来技術に
比して著しい利点をもたらす。敷設地面の摩滅層の押し
のけ,圧縮又は破断によって溝が形成されるので,極め
て迅速な敷設速度,例えば30m/minまでの敷設速
度,を達成することができる。これは従来の切削による
敷設法に比べて著しく大きな敷設速度である。本発明に
よる方法では1日に例えばマイクロケーブルのようなケ
ーブルを約20〜30km敷設することができる。更
に,敷設地面表面層の加熱に使用された熱が残されてい
て,この残存熱によって,ケーブルを入れた後に,押し
のけられて隆起部として積まれている敷設地面材料を溝
に充てんして圧縮する際に,充分な圧縮を行うことがで
きる。
【0028】更に本発明の方法では,形成された溝の側
面が滑らかで規則的であることは必要でない。溝の破断
の際に生ずる不規則な箇所はむしろ有利に作用する。そ
れは,不規則な箇所は再び充てんされる敷設地面材料と
申し分なく結合するからである。また溝内に入れられた
ケーブルのために押さえ部材は必ずしも必要ではない。
すなわちケーブルを入れた直後に,溝の充てん及び充て
ん材料の圧縮が行われるからである。更に,押しのけら
れて,側方に出された敷設地面材料は溝の縦縁に沿って
積まれて成形されるが,この成形ユニットは同時に,敷
設地面を側方で上方から押圧するのに役立ち,したがっ
て敷設地面の表面が不都合にも更に側方に向かって裂開
することが阻止される。従来は溝は高熱ビチュメンによ
って埋められたが,本発明によればこのようなことは必
要でない。ケーブルは外側を管によって取り囲まれてい
るので,半径方向の圧力を完全に受け止めることができ
る。ケーブルに付加的に補強部を設けておくと,ケーブ
ルの強度を更に増大させることができる。ケーブルの敷
設方向を変化させる場合には,敷設地面の表面にアーチ
形の押し込み部を形成することができる。しかしこの押
し込み部の曲率半径は,ケーブルの許容し得る最小の曲
げ半径以下にならないようにしなければならない。更
に,ケーブルの敷設は天候に全く無関係に実施すること
ができる。
【0029】本発明による方法は環境を汚染することは
ない。それは石くずや,溝から出された材料を廃棄する
必要がないからである。更に最初の道路構造が変化せし
められることはない。特に道路の支持層,特に道路のコ
ンクリート構造体に手が加えられることはない。したが
って所定の道路強度が維持される。従来の切削法で溝を
形成する場合には生じることのある支持層の破損しやす
い箇所は本発明では生じない。溝を形成するために敷設
地面材料が側方に送られることによって,ほかの方法の
場合にように,溝の直ぐ下方で地面が過度に圧縮される
ことは回避される。また,敷設に必要な80℃〜120
℃の温度は,高熱ビチュメンで充てんする際の温度(2
60℃)よりも著しく低い。更に,敷設は著しくわずか
なエネルギ使用量で行われ,騒音の発生が著しくわずか
である。それは切削騒音が発生しないからである。
【0030】本発明は,路面表面層をガラス繊維マット
で補強する場合,あるいは路面マーク若しくは路面縁の
補強部を設ける場合のような道路修復作業においても実
施することができる。この場合,ガラス繊維を所定の箇
所に直接に敷設することができる。結合剤及び充てん剤
としてはビチュメンのほかに,熱硬化性のエポキシを使
用することができる。エポキシは識別しやすいようにす
るために,着色しておくことができる。
【0031】ケーブルは容易に隠すことができる。それ
はケーブルは浅いところに埋め込まれていて,薄い覆い
で覆われているにすぎないからである。ケーブルを隠す
場合にも,別個に廃棄しなければならない特別なごみは
生じない。溝を形成する前に徐々に加熱を行うので,ア
スファルト表面層のビチュメンが熱的に損傷することは
ない。
【0032】本発明による方法でケーブルを敷設する機
械も著しい利点を有している。それは溝の形成,ケーブ
ルの導入,充てん,圧縮が互いに調和せしめられて行わ
れるからである。有利には溝を形成する前に,道路表面
が掃除され,その際ダストが吸出装置によって除去され
る。ロール装置を有する溝形成ユニットは油圧で下降さ
せることができ,溝の深さを無段階に調整することがで
きる。ロールはその直径及び厚さを段階的に変化せしめ
られていて,溝が徐々に深くされ,幅を増大せしめられ
るようになっている。ロールの数が大きいと,最後のロ
ールも厚くなる。更に,ロールの形状は所望の溝形状に
適合させることができる。ロール装置のロールは摩滅し
た場合あるいは道路の構成が異なる場合に容易に交換す
ることができる。長い幅狭い加熱領域内で徐々に加熱す
ることによって,敷設地面材料は特に保護されて扱われ
る。使用される加熱ユニットはかじ取り可能であり,曲
線に沿って走行させることもできる。加熱ユニットは有
利には加熱パッドを並べることによって,必要に応じて
長くすることができる。まとめられている溝形成ユニッ
ト及びケーブル導入ユニットは有利には自走するように
なっており,別の機能ユニットに連結することができ
る。
【0033】本発明の方法によって,ケーブルと溝壁と
の間が水蜜に封止されている溝が得られ,水分が減少せ
しめられ,中空スペースが最小限に減少せしめられる。
これによって,霜が生じる危険が減少せしめられる。必
要ならば,ビチュメンその他の充てん・結合剤を使用し
て,溝の縁と,再び充てんされた敷設地面材料との間を
付加的に結合することができる。再び充てんされた敷設
地面材料が溝の両方の側壁の間にくさび状に突入するこ
とによって,再び充てんされた溝の大きな機械的強度が
生じる。この場合,ケーブルはこれを均一に取り囲む地
面材料内を通されていて,温度変動があっても充分に固
定され,「浮き上がる」ことはない。振動板を設ける
と,溝形成を付加的に容易にすることができる。更に充
てんユニットのロール形状は,押しのけられた敷設地面
材料がまとめられ,敷設地面表面が裂開せず,破断され
た敷設地面材料が直接に溝内に押し込まれるように,選
択することができる。溝壁に対する付着作用は,下塗剤
を加えることによって増大させることができる。敷設さ
れるケーブルの管がポリエチレン材料で取り囲まれてい
る場合には,場合により必要になるケーブルの取り出し
が簡単になる。なぜならポリエチレンにはビチュメン又
は下塗剤は付着しにくいからである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による敷設・圧縮ユニットの原理的な配
置形式を示した概略図である。
【図2】圧縮によって形成され,既にケーブルを導入さ
れているが,まだ開いている状態の溝を示した断面図で
ある。
【図3】ケーブルを導入され,再び閉じられた溝を示し
た断面図である。
【符号の説明】
GN 充てんされた溝, HE 加熱ユニット, H
R 主ロール, Kケーブル, KA ケーブル押し込
みローラ, KS 貯蔵ケーブル, N 溝, NFE
後注入装置, OS 表面層, R 矢印, RA
引き出しローラ, TR ケーブルドラム, TS 支
持層, VFE 前注入装置, VG敷設地面, VM
敷設地面材料, VR 前ロール又は圧縮ロール,
WE圧延ユニット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ペーター ドッツァー ドイツ連邦共和国 ホーエンライン ジビ ッヒハウザー シュトラーセ 8 (72)発明者 エルンスト マイアー ドイツ連邦共和国 シュタルンベルク シ ュタルンベルガー ヴィーゼ 38

Claims (29)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固い敷設地面内に,均質で圧力水密の管
    とその中に入れられた光導体又は電気導体とから成る光
    ケーブル又は電気ケーブルを敷設する方法において,加
    熱ユニットによって敷設地面の表面層を軟化するまで加
    熱し,溝形成ユニットによって敷設地面材料を押しのけ
    て,加熱された敷設地面に溝を形成し,その際敷設地面
    の表面上に押しのけられた敷設地面材料が少なくとも一
    方の溝縁に沿って隆起部を形成するようにし,敷設ユニ
    ットによって光ケーブル又は電気ケーブルを溝内に導入
    し,充てんユニットによって,押しのけられている敷設
    地面材料を,溝内に入れられたケーブル上に再び充てん
    し,圧延ユニットによって,溝内に再び入れられた敷設
    地面材料を圧縮することを特徴とする,固い敷設地面内
    に光ケーブル又は電気ケーブルを敷設する方法。
  2. 【請求項2】 成形ユニットによって,押しのけられた
    敷設地面材料を溝に沿って成形することを特徴とする,
    請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 圧延ユニットによって,再び充てんされ
    た過剰の敷設地面材料を敷設地面の表面の高さにまで圧
    縮して押し下げることを特徴とする,請求項1又は2記
    載の方法。
  4. 【請求項4】 敷設地面材料を充てんする際の不規則箇
    所又は材料不足箇所を,充てん物質,殊にビチュメン,
    敷設地面材料から成る粒状物又はエポキシで埋めること
    を特徴とする,請求項1から3までのいずれか1項記載
    の方法。
  5. 【請求項5】 溝形成ユニットに鉛直の振動をさせるこ
    とを特徴とする,請求項1から4までのいずれか1項記
    載の方法。
  6. 【請求項6】 敷設地面材料の押しのけを,溝を形成す
    る少なくとも1つの成形ロールから成るロール装置を有
    している溝形成ユニットによって行うことを特徴とす
    る,請求項1から5までのいずれか1項記載の方法。
  7. 【請求項7】 敷設地面材料の押しのけを,溝を形成す
    る往復工具,殊に振動シューを有している溝形成ユニッ
    トによって行うことを特徴とする,請求項1から5まで
    のいずれか1項記載の方法。
  8. 【請求項8】 敷設地面材料の押しのけを,大きな周波
    数で振動するプランジャを有している溝形成ユニットに
    よって行うことを特徴とする,請求項1から5までのい
    ずれか1項記載の方法。
  9. 【請求項9】 加熱ユニットによる加熱を,加熱程度を
    連続的に増大させながら,殊に互いに前後に並んだ複数
    の単個ユニットによって,行うことを特徴とする,請求
    項1から8までのいずれか1項記載の方法。
  10. 【請求項10】 溝形成ユニットを加熱することを特徴
    とする,請求項1から9までのいずれか1項記載の方
    法。
  11. 【請求項11】 溝形成ユニットのロール装置内で,種
    々の直径及び又は軸方向長さを有する互いに前後に並べ
    た複数のロールを使用することを特徴とする,請求項6
    記載の方法。
  12. 【請求項12】 少なくとも敷設ユニットと,溝形成ユ
    ニットと,成形ユニットと圧延ユニットとを,油圧で下
    降又は上昇させることを特徴とする,請求項1から11
    までのいずれか1項記載の方法。
  13. 【請求項13】 溝形成中に溝縁の側方裂開を,一緒に
    前進する支持部材,殊に成形ユニット内の支持ローラに
    よって防止することを特徴とする,請求項1から12ま
    でのいずれか1項記載の方法。
  14. 【請求項14】 ケーブルを,ケーブルドラムから引き
    出し,ケーブル案内によって溝内に導入し,押さえ部材
    又はケーブル圧着ローラによって,押しのけられて側方
    に置かれている敷設地面材料を再び充てんするまで,溝
    内で固定することを特徴とする,請求項1から13まで
    のいずれか1項記載の方法。
  15. 【請求項15】 付着仲介剤,殊に下塗剤又はビチュメ
    ンを,ケーブル導入の前及び又は後に,前注入ユニット
    及び又は後注入ユニットによって,溝内に供給すること
    を特徴とする,請求項1から14までのいずれか1項記
    載の方法。
  16. 【請求項16】 押しのけられて側方に置かれた敷設地
    面材料を充てんユニット内で,殊にホッパ形に構成され
    ている集め器によってまとめ,圧延ユニットによって溝
    内に充てんして圧縮することを特徴とする,請求項1か
    ら15までのいずれか1項記載の方法。
  17. 【請求項17】 すべてのユニットを殊に継ぎ手を介し
    て1つのケーブル敷設ユニットにまとめて,敷設線に沿
    って自走又はけん引で作業方向に前進させることを特徴
    とする,請求項1から16までのいずれか1項記載の方
    法。
  18. 【請求項18】 ケーブルを受容する溝を,敷設地面の
    アスファルトから成る表面層に形成することを特徴とす
    る,請求項1から17までのいずれか1項記載の方法。
  19. 【請求項19】 外径2〜15mmの管とその中にルー
    ズに入れられた光波導体とから成るマイクロケーブルを
    敷設地面の溝内に導入することを特徴とする,請求項1
    から18までのいずれか1項記載の方法。
  20. 【請求項20】 深さが2〜3cmで,最大でも敷設地
    面の表面層の厚さまでの溝を敷設地面に形成することを
    特徴とする,請求項1から19までのいずれか1項記載
    の方法。
  21. 【請求項21】 一緒に前進するケーブルドラムからケ
    ーブルを,列をなして並んでいる引き出しロール対によ
    って構成された引き出し装置によって,引き出し装置と
    押さえ部材若しくは圧着ローラとの間に過剰貯蔵分をも
    たせて,引き出すことを特徴とする,請求項1から20
    までのいずれか1項記載の方法。
  22. 【請求項22】 請求項1〜21の方法を実施するため
    の,固い地面内にケーブルを敷設する装置において,形
    成される溝の範囲で敷設地面の表面層を加熱する加熱ユ
    ニットと,敷設地面材料を押しのけることによって溝を
    形成する溝形成ユニットと,敷設するケーブルをケーブ
    ルドラムから引き出して溝内に導入しかつケーブルを押
    さえる敷設ユニットと,押しのけられた敷設地面材料を
    溝内に再び充てんする充てんユニットと,この溝内に充
    てんされた敷設地面材料を圧縮して溝を閉じる圧延ユニ
    ットとを有していることを特徴とする,ケーブルを敷設
    する装置。
  23. 【請求項23】 溝形成ユニットが少なくとも1つの下
    降可能なロールを有していることを特徴とする,請求項
    22記載の装置。
  24. 【請求項24】 溝形成ユニットが,溝を形成する少な
    くとも1つの往復シュー,殊に振動シューを有している
    ことを特徴とする,請求項22記載の装置。
  25. 【請求項25】 ロールが長方形の横断面を有している
    ことを特徴とする,請求項23記載の装置。
  26. 【請求項26】 ロールが少なくとも部分的に円すい形
    の横断面を有していいることを特徴とする,請求項23
    記載の装置。
  27. 【請求項27】 ケーブル引き出しユニット,殊に列を
    なして並んでいる引き出しロール対によって構成されて
    いるケーブル引き出しユニットと,溝内へのケーブル導
    入点との間で,過剰の貯蔵ケーブルが形成されるように
    したことを特徴とする,請求項22から26までのいず
    れか1項記載の装置。
  28. 【請求項28】 個々の機能ユニットが互いに分離して
    配置されているが,継ぎ手を介して互いに結合されてい
    ることを特徴とする,請求項22から27までのいずれ
    か1項に記載の装置。
  29. 【請求項29】 すべてのユニットが互いに固く結合さ
    れていて,ただ1つのケーブル敷設ユニットにまとめら
    れていることを特徴とする,請求項22から28までの
    いずれか1項記載の装置。
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