JPH09287397A - トンネル覆工壁面の補修方法 - Google Patents

トンネル覆工壁面の補修方法

Info

Publication number
JPH09287397A
JPH09287397A JP8098736A JP9873696A JPH09287397A JP H09287397 A JPH09287397 A JP H09287397A JP 8098736 A JP8098736 A JP 8098736A JP 9873696 A JP9873696 A JP 9873696A JP H09287397 A JPH09287397 A JP H09287397A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tunnel
wall surface
side wall
formwork
members
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP8098736A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazuo Yokozawa
和夫 横沢
Yasuharu Kayama
康晴 香山
Yuji Akasaka
雄司 赤坂
Akira Gosou
章 五艘
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Maeda Corp
Fujimi Koken Co Ltd
Original Assignee
Maeda Corp
Fujimi Koken Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Maeda Corp, Fujimi Koken Co Ltd filed Critical Maeda Corp
Priority to JP8098736A priority Critical patent/JPH09287397A/ja
Publication of JPH09287397A publication Critical patent/JPH09287397A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Lining And Supports For Tunnels (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 トンネル10の開口を大きく低減させること
なく、効率的に、そのトンネル10の劣化した覆工壁面
11を補修する方法を提供する。 【解決手段】 清掃されたトンネル壁面11の床の両側
部を除く床部分に、新たなインバート部12を形成し、
このインバート部12と共同して、L字状横断面形状を
有し、繊維補強材が混入されたモルタル部材からなる側
壁型枠部材13及び全体に弧状の横断面形状を有し、繊
維補強材が混入されたモルタル部材からなる頂部型枠部
材14でトンネル壁面11を覆い、頂部型枠部材14及
び側壁型枠部材13とこれら両型枠部材13及び14に
覆われたトンネル壁面11との間隙にモルタル15を注
入して、トンネル壁面11とこのトンネル壁面11を覆
う頂部型枠部材14及び側壁型枠部材13との一体化を
図る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はトンネル覆工壁面の
補修方法に関し、さらに詳細には、水路トンネルのよう
な比較的小さな開口面積を有するトンネルの劣化した覆
工壁面を補修するのに好適なトンネル覆工壁面補修方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】水路トンネルの覆工コンクリートは、長
年の使用により、経年劣化を生じる。そのため、劣化の
進行度合いに応じて、トンネル覆工壁面を補修する必要
が生じる。道路や鉄道のような大きな開口面積を有する
大規模なトンネルの覆工壁面の補修方法の1つに、ブロ
ックライニング工法がある。
【0003】ブロックライニング工法は、トンネル壁面
を覆うライニングとして、鉄筋で補強されたプレキャス
トコンクリート型枠を用いる工法である。このブロック
ライニング工法では、トンネル覆工壁面の劣化した部分
が清掃作業により除去された後、トンネル壁面が多数の
プレキャストコンクリート型枠により覆われる。
【0004】トンネル壁面と、これを覆うプレキャスト
コンクリート型枠との間には、モルタル或いはコンクリ
ートが注入され、トンネル壁面とプレキャストコンクリ
ート型枠とが一体的に結合されることにより、このプレ
キャストコンクリート型枠により、新たな覆工コンクリ
ート壁面が形成される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、比較的大規
模なトンネルに適用されるブロックライニング工法で
は、これに用いられるプレキャストコンクリート型枠は
大型、重重量であり、多数のプレキャストコンクリート
型枠を所定箇所に組み付けるのに大型機械装置を必要と
する。しかも、鉄筋により補強されたプレキャストコン
クリート型枠の厚さ寸法は十数センチメートルを越える
ことから、補修後のトンネル開口断面を大きく縮小して
しまう。
【0006】そのため、従来のブロックライニング工法
を水路トンネルのような比較的小さな開口面積のトンネ
ルの覆工壁面の補修に適用することは、トンネル内への
大型機械装置の搬入が困難であること、比較的小さなト
ンネル開口断面を大きな縮小率で低減させてしまうこと
等の観点から、困難であった。
【0007】本発明の目的は、トンネル開口を大きく低
減させることなく、しかも効率的に、そのトンネルの劣
化した覆工壁面を補修し得るトンネル覆工壁面の補修方
法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明はトンネル覆工壁
面の補修方法であり、前述の技術的課題を解決するため
に以下のように構成されている。すなわち、本発明は、
トンネル壁面の清掃後、このトンネルにおける床の両側
部を除く床部分に、コンクリートを打設して新たなイン
バート部を形成すること、L字状横断面形状を有し、繊
維補強材が混入された側壁型枠部材をインバート部の両
側でトンネルの長手方向に連続して整列配置し、この側
壁型枠部材でトンネル壁面の側部を覆うこと、全体に弧
状の横断面形状を有し、繊維補強材が混入された頂部型
枠部材をトンネル両側の側壁型枠部材間に配置し、この
両側の壁型枠部材間に露出するトンネル壁面の頂部を覆
うこと、頂部型枠部材とその両側の側壁型枠部材とを相
互に連結すること、頂部型枠部材及び側壁型枠部材とこ
れら両型枠部材に覆われたトンネル壁面との間隙に充填
材を注入して、トンネル壁面とこのトンネル壁面を覆う
頂部型枠部材及び側壁型枠部材との一体化を図ることを
特徴とする。以下、各構成要素について説明する。
【0009】(トンネル壁面の清掃)トンネル壁面の清
掃とは、劣化したトンネル覆工壁面から水苔、水垢等を
除去する清掃作業に加えて、劣化した壁面を必要に応じ
て除去する作業を含み、高圧水を用いたウォータジェッ
トを用いることができる。
【0010】(インバート部の形成)インバート部は、
次に詳しく述べる型枠部材と共同して、トンネル壁面を
新たに覆う覆工コンクリート壁面を構成する。このイン
バート部は、トンネルの床の両側部を除く部分でトンネ
ルの長手方向に連続的に打設されるコンクリートにより
構成される。
【0011】(側壁型枠部材及び頂部型枠部材のトンネ
ル壁面への配置)側壁型枠部材及び頂部型枠部材は、ス
テンレススティールファイバのような繊維補強材をモル
タルに混入して形成され埋設型のプレキャスト型枠部材
であり、鉄筋を補強材とする厚さ十数センチメートルの
プレキャスト型枠に比較して、極めて軽量であることに
加えて、厚さ数センチメートルの型枠部材でかなりの強
度を発揮する。
【0012】側壁型枠部材は、L字状断面形状を有し、
インバート部に、このインバート部の側部で連なってト
ンネル壁面の側壁部を覆うように配置される。また、頂
部型枠部材は、両側壁部材間に露出するトンネル壁面の
頂部を覆うように配置され、頂部型枠部材及び側壁型枠
部材は相互に連結される。
【0013】(充填材注入)充填材は、頂部型枠部材及
び側壁型枠部材と、これら両型枠部材に覆われたトンネ
ル壁面との間隙に注入される。充填材として、モルタル
或いはコンクリートを用いることができる。この充填材
の注入により、トンネル壁面とこのトンネル壁面を覆う
頂部型枠部材及び側壁型枠部材とが一体化され、これに
より両型枠部材及びインバート部によって、新たな覆工
コンクリート壁面が完成する。
【0014】<本発明における付加的構成>本発明のト
ンネル覆工壁面の補修方法は、前述した必須の構成要素
からなるが、これらの構成要素に加えて以下の構成要素
を加える場合にも成立する。すなわち、その構成要素と
は、インバート部の両側に側壁型枠部材を配置するに先
立ち、インバート部の両側に、レベル調整金具を設置
し、このレベル調整金具上に、側壁型枠部材を水平レベ
ルを相互に一致させて整列配置することである。
【0015】また、他の構成要素とは、インバート部の
形成後、このインバート部上に、台車を案内するための
軌道を敷設すること、インバート部の軌道にトンネル壁
面を覆う頂部型枠部材及び側壁型枠部材を組み立てるた
めの組立台車を導入し、この組立台車を用いて型枠部材
の組立作業を行なうこと、及びインバート部の軌道に、
頂部型枠部材及び側壁型枠部材を支持する支保台車を導
入し、この支保台車により支持された状態で頂部型枠部
材及び側壁型枠部材とトンネル壁面との間への充填材注
入作業を行なうことである。
【0016】さらに、本発明のトンネル覆工壁面の補修
方法における頂部型枠部材の具体的な構造として、相互
に接合可能の両側部分に分割された頂部型枠部材を用い
ることが望ましい。
【0017】本発明に係るトンネル覆工壁面の補修方法
では、補修を受けるトンネル壁面は、トンネル床部に打
設されたインバート部と、このインバート部の打設後に
トンネル壁面を覆って配置される頂部型枠部材及び側壁
型枠部材によって覆われる。これら頂部型枠部材及び側
壁型枠部材は、鉄筋のような重量物によって補強される
ことなく、このような補強材に比較して極めて軽量の繊
維補強材によって補強されていることから、薄型、軽量
である。そのため、多数の小型セグメントに分割する必
要はなく、比較的小型の取扱装置による取扱が可能とな
る。
【0018】このことから、比較的小さな開口面積のト
ンネル壁面の補修であっても、各型枠部材の配置を迅速
かつ容易に行うことができ、しかも型枠部材の配置によ
ってトンネル開口面積を大きく低減させることなく、イ
ンバート部及び各型枠部材からなる新たなコンクリート
壁面でトンネル壁面を覆うことができる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明のトンネル覆工壁面
の補修方法を図示の実施の態様に沿って更に詳細に説明
する。図1は、本発明に係るトンネル覆工壁面の補修方
法の施工手順を概略的に1つの水路トンネルの連続する
領域A〜Eごとに示す概念的な模式図である。
【0020】この実施形態に係るトンネル覆工壁面補修
方法を施す水路トンネル10の壁面11が、領域Aで示
されている。補修を必要とする劣化した壁面11には、
一般的に、水苔や水垢が付着しており、壁面11からこ
れらの付着物を除去するために壁面11が清掃される。
【0021】壁面11の清掃作業に高圧水の吹き付けに
よるウォータジェットを利用することにより、効率的な
清掃作業が可能となる。ウォータジェットにより、劣化
した覆工壁面を必要に応じて除去することができ、これ
により領域Bに示されているように、壁面11の清掃作
業が終わる。
【0022】水路トンネル10の清掃を受けた壁面11
のうち、領域Cに示されているように、水路トンネル1
0の底部にインバートコンクリートが打設され、インバ
ート部12が形成される。インバート部12は、水路ト
ンネル10の横断面で見て両側壁から間隔Wを置くよう
に、床の両側部を除く部分に、水路トンネル10の伸長
方向へ連続的に形成される。
【0023】インバート部12の打設及びその養生後、
このインバート部12と共同して壁面11を覆うための
多数の型枠部材13及び14が、領域Dに示されている
ように、水路トンネル10の長手方向に、順次、設置さ
れる。型枠部材13及び14と、これら型枠部材13及
び14により覆われた壁面11との間には、領域Eで示
されるように、モルタル或いはコンクリートのような充
填材15が注入され、この充填材15の凝固により、型
枠部材13及び14と壁面11とが強固に結合される。
これにより、これら型枠部材13及び14及びインバー
ト部12によって、壁面11に新たな覆工壁面が形成さ
れ、水路トンネル10の壁面11の補修工事が終わる。
【0024】図2は、型枠部材13及び14を分解して
示す斜視図である。型枠部材13及び14は、例えばス
テンレススティールファイバのような金属繊維を引張り
力に対する補強材として高強度モルタルに混入して例え
ば約3cm〜5cmの厚さ寸法で所定形状に成形したプレキ
ャスト部材であり、例えば120kgf/cm2 程度の曲げ強
度を示す。
【0025】型枠部材13は、インバート部12と壁面
11の側壁部との間隔Wに対応した長さを有する底部1
3A、及び該底部13Aからほぼ垂直に壁面11の側壁
部に沿って立ち上がる側部13Bを備えるL字状横断面
形状を有する埋込型プレキャスト側壁型枠部材である。
【0026】型枠部材13は、インバート部12の両側
で対をなして用いられ、底部13Aがインバート部12
に連続するように配置される。側部13Bには、後で説
明する連結プレート16(図3参照)用ねじ孔17、仮
止め用ボルト18及び位置調整用ボルト19が設けられ
ており、さらに、側部13Bの上縁部には、型枠部材1
4の下縁部に嵌合する突条20が形成されている。
【0027】型枠部材14は、両側壁型枠部材13の上
縁部間から露出する水路トンネル10の壁面11の頂部
を覆うように、全体に弧状の横断面形状を有する埋込型
プレキャスト頂部型枠部材である。頂部型枠部材14の
両下縁部には、対応する型枠部材13の突条20に嵌合
する凹溝21が形成されている。
【0028】図示の例では、頂部型枠部材14は、突条
22及び凹溝23により相互に嵌合可能な一対の両側部
分14A及び14Aに分割されている。頂部型枠部材1
4にも、側壁型枠部材13に設けられたと同様なねじ孔
17が設けられている。両型枠部材13及び14の壁面
11に対向する外面は、注入モルタルとの強固な結合を
得るために、打継ぎ面処理により、粗面に形成されてい
る。
【0029】図3は、側壁型枠部材13と頂部型枠部材
14との連結構造を示す水路トンネル10の部分的な断
面図である。側壁型枠部材13及び頂部型枠部材14の
各ねじ孔17には、連結プレート16を結合するための
結合ボルト24の先端を受け入れるインサート25が埋
設されている。
【0030】このインサート25に螺合する結合ボルト
24の締め付けによって固定された連結プレート16を
介して、側壁型枠部材13及び頂部型枠部材14が相互
に連結されている。図示しないが、水路トンネル10の
長手方向に隣り合う両側壁型枠部材13も、図3に示し
たと同様な連結構造により、相互に連結される。
【0031】図4は、側壁型枠部材13の位置調整機構
を示す水路トンネル10の部分断面図である。各側壁型
枠部材13の位置調整用ボルト19は、側壁型枠部材1
3をその板厚方向に伸長する貫通孔26に埋設された長
ナット27に螺合する。位置調整用ボルト19は、側壁
型枠部材13から突出する先端を壁面11に当接させる
ことから、側壁型枠部材13から壁面11へ向けて突出
する先端部分がスペーサとして機能する。
【0032】従って、位置調整用ボルト19の回転操作
により、側壁型枠部材13から壁面11へ向けて突出す
る先端部分の長さを調整することにより、側壁型枠部材
13と壁面11との間に所望の間隙を保持させることが
できる。
【0033】次に、図5ないし図14を参照して、側壁
型枠部材13及び頂部型枠部材14の設置手順の一例を
詳細に説明する。図5に示されているように、水路トン
ネル10の床にインバート部12が形成された後、この
インバート部12の両側に側壁型枠部材13の高さ位置
の調整のためのレベル調整金具28が設置される。
【0034】レベル調整金具28の設置に前後して、水
路トンネル10内に後述する作業台車29(図12及び
図13参照)を導入するための一対の軌道30(図12
及び図13参照)が敷設されるが、図5ないし図11で
は、図面の簡素化のために軌道30が省略されている。
【0035】図6に示されているように、インバート部
12の一側に、側壁型枠部材13が、その底部13Aを
載せるように設置される。このような側壁型枠部材13
及び頂部型枠部材14の取扱は、各型枠部材13及び型
枠部材14が軽量であることから、機械装置を用いるこ
となく人手により行うことができる。しかしながら、作
業の効率化及び作業の安全面から、先に述べたように、
インバート部12に軌道30を敷設し、この軌道30上
に案内される従来よく知られたプレキャストパネル架設
機等を搭載した作業台車を使用することが望ましい。
【0036】軽量の型枠部材13及び14は、吸盤のよ
うな吸着手段による取扱が可能である。また、レベル調
整金具28を使用することなく、各頂部型枠部材14の
高さ位置を個々に調整することができるが、作業の効率
化の上で、前記したようなレベル調整金具28を採用す
ることが望ましい。
【0037】一方の側壁型枠部材13の設置後、図7に
示されているように、他方の側壁型枠部材13がレベル
調整金具28上に設置され、両側壁型枠部材13はそれ
ぞれアンカーボルトからなる仮止め用ボルト18を用い
て、壁面11に仮止めされる。
【0038】続いて、図8に示されているように、一方
の側壁型枠部材13上に連続して、頂部型枠部材14の
一方の側部分14Aが、図3に沿って説明した連結プレ
ート16を介して、対応する一方の側壁型枠部材13上
に組み付けられる。両頂部型枠部材14の設置により、
この頂部型枠部材14によって壁面11の対応する側壁
部が間隔をおいて覆われる。
【0039】さらに、図9に示されているように、頂部
型枠部材14の他方の側部分14Aが対応する他方の側
壁型枠部材13上に連結プレート16を介して組み付け
られ、両側部分14Aも同様な連結プレート16を介し
て相互に結合されることにより、頂部型枠部材14の組
立が終わる。この頂部型枠部材14の組立により、一対
の頂部型枠部材14間に露出していた壁面11の頂部分
が覆われる。
【0040】一対の側壁型枠部材13及び頂部型枠部材
14の組立後、図10に示されているように、従来よく
知られた検尺スケール31及びレーザビーム32を用い
た測量手段の測量結果に基づいて、側壁型枠部材13及
び頂部型枠部材14の設置位置のずれが調整される。
【0041】検尺スケール31及びレーザビーム32の
ような測量手段は、従来におけると同様、作業台車上に
設置されている。この型枠部材13及び14の位置調整
には、図4に沿って説明した位置調整用ボルト19が操
作され、適正な位置で仮止め用ボルト18により固定さ
れる。
【0042】側壁型枠部材13及び頂部型枠部材14の
位置調整が終了すると、例えば5ないし10mの長さ領
域で、頂部型枠部材14に形成した充填材注入孔33
(図13参照)からモルタル或いはコンクリートのよう
な充填材15が、図11に示されているように、壁面1
1と側壁型枠部材13の下部との間に落とし込まれ、こ
れにより根固めが行われる。
【0043】根固め作業が終了すると、図12に示され
ているように、軌道30上に側壁型枠部材13及び頂部
型枠部材14を支持する支保のための台車29が導入さ
れ、両型枠部材13及び14が水路トンネル10の内方
から支持される。両型枠部材13及び14を台車29で
支持した状態で、図13に示されているように、台車2
9に搭載されたモルタル注入装置34から、充填材注入
孔33を経て、壁面11と両型枠部材13及び14との
間の残りの間隙に充填材15が供給される。この充填材
15の硬化により、壁面11を覆う側壁型枠部材13及
び頂部型枠部材14が壁面11に強固に結合され、壁面
11に一体化される。
【0044】図5ないし図13に沿って説明した各手順
は、順次、水路トンネル10の長手方向に進められ、図
13に示した充填材15の硬化後、連結プレート16及
び位置調整用ボルト19が取り外され、作業用台車29
及び軌道30が撤去される。これにより、図14に示す
ように、水路トンネル10の壁面11は、インバート部
12及び両型枠部材13及び14によって形成された新
たな覆工コンクリートによって覆われ、水路トンネル1
0の覆工壁面の補修作業が終了する。
【0045】前記したところでは、本発明を水路トンネ
ルの覆工壁面の補修に適用した例について説明したが、
これに限らず、道路或いは鉄道のような大型トンネルの
覆工壁面の補修に適用することができる。
【0046】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明に係るト
ンネル覆工壁面の補修方法では、トンネル床部に打設さ
れたインバート部と共同してトンネル壁面を覆う頂部型
枠部材及び側壁型枠部材は薄型、軽量であり、比較的小
型の取扱装置によるこれら型枠部材の取扱が可能となる
ことから、比較的小さな開口面積のトンネル壁面の補修
であっても、各型枠部材の配置を迅速かつ容易に行うこ
とができ、しかも型枠部材の配置によってトンネル開口
面積を大きく低減させることなく、これら型枠部材を含
む新たなコンクリート壁面でトンネル壁面を覆うことが
できる。
【0047】従って、本発明によれば、水路トンネルの
ような比較的小さな開口面積のトンネル壁面であって
も、大きな開口面積の低減を招くことなく、効率的に補
修することができ、補修工期の短縮化を図ることと共
に、この補修工期の短縮化による補修費用の低減をも図
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るトンネル覆工壁面補修方法の施工
手順を連続して概念的に示す水路トンネルの部分断面図
である。
【図2】本発明に係る一組の型枠部材を分解して示す斜
視図である。
【図3】本発明に係る型枠部材の連結構造を示すトンネ
ルの部分断面図である。
【図4】本発明に係る型枠部材の位置調整機構を示すト
ンネルの部分断面図である。
【図5】本発明に係る型枠部材の設置手順をそれぞれ示
すトンネル断面図である。
【図6】本発明に係る型枠部材の設置手順をそれぞれ示
すトンネル断面図である。
【図7】本発明に係る型枠部材の設置手順をそれぞれ示
すトンネル断面図である。
【図8】本発明に係る型枠部材の設置手順をそれぞれ示
すトンネル断面図である。
【図9】本発明に係る型枠部材の設置手順をそれぞれ示
すトンネル断面図である。
【図10】本発明に係る型枠部材の設置手順をそれぞれ
示すトンネル断面図である。
【図11】本発明に係る型枠部材の設置手順をそれぞれ
示すトンネル断面図である。
【図12】本発明に係る型枠部材の設置手順をそれぞれ
示すトンネル断面図である。
【図13】本発明に係る型枠部材の設置手順をそれぞれ
示すトンネル断面図である。
【図14】本発明に係る型枠部材の設置手順をそれぞれ
示すトンネル断面図である。
【符号の説明】
10 水路トンネル 11 壁面 12 インバート部 13 側壁型枠部材 14 頂部型枠部材 15 充填材 16 連結プレート 17 ねじ孔 18 仮止め用ボルト 19 位置調整用ボルト 20、22 突条 21、23 凹溝 24 結合ボルト 25 インサート 26 貫通孔 27 長ナット 28 レベル調整金具 29 作業台車 30 軌道 31 検尺スケール 32 レーザビーム 33 充填材注入孔 34 モルタル注入装置
フロントページの続き (72)発明者 赤坂 雄司 東京都千代田区富士見二丁目10番26号 前 田建設工業株式会社内 (72)発明者 五艘 章 東京都千代田区飯田橋3丁目11番18号 フ ジミ工研株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トンネル壁面の清掃後、このトンネルに
    おける床の両側部を除く床部分に、コンクリートを打設
    して新たなインバート部を形成すること、 L字状横断面形状を有し、繊維補強材が混入された側壁
    型枠部材を前記インバート部の両側で前記トンネルの長
    手方向に連続して整列配置し、前記側壁型枠部材で前記
    トンネル壁面の側部を覆うこと、 全体に弧状の横断面形状を有し、繊維補強材が混入され
    た頂部型枠部材を前記トンネル両側の前記側壁型枠部材
    間に配置し、この両側壁型枠部材間に露出する前記トン
    ネル壁面の頂部を覆うこと、 前記頂部型枠部材及びこの頂部型枠部材の両側の前記側
    壁型枠部材を相互に連結すること、 前記頂部型枠部材及び前記側壁型枠部材と、これら両型
    枠部材に覆われた前記トンネル壁面との間隙に充填材を
    注入して、前記トンネル壁面とこのトンネル壁面を覆う
    前記頂部型枠部材及び前記側壁型枠部材との一体化を図
    ることを含むトンネル覆工壁面の補修方法。
  2. 【請求項2】 前記インバート部の両側に前記側壁型枠
    部材を配置するに先立ち、前記インバート部の両側にレ
    ベル調整金具を設置し、このレベル調整金具上に、前記
    側壁型枠部材が水平レベルを相互に一致させて整列配置
    されることを特徴とする請求項1に記載のトンネル覆工
    壁面の補修方法。
  3. 【請求項3】 前記インバート部の形成後、このインバ
    ート部上に台車を案内するための軌道を敷設することを
    特徴とする請求項1に記載のトンネル覆工壁面の補修方
    法。
  4. 【請求項4】 前記軌道には、前記型枠部材を組み立て
    るための組立台車が導入され、この組立台車を用いて前
    記型枠部材の組立作業が行われることを特徴とする請求
    項2に記載のトンネル覆工壁面の補修方法。
  5. 【請求項5】 前記軌道には、前記トンネル壁面を覆う
    前記頂部型枠部材及び前記側壁型枠部材を支持する支保
    台車が導入され、該支保台車により支持された状態で前
    記頂部型枠部材及び前記側壁型枠部材と前記トンネル壁
    面との間への充填材注入作業が行われる請求項2に記載
    のトンネル覆工壁面の補修方法。
  6. 【請求項6】 前記頂部型枠部材は、相互に接合可能な
    両側部分に分割されている請求項1に記載のトンネル覆
    工壁面の補修方法。
JP8098736A 1996-04-19 1996-04-19 トンネル覆工壁面の補修方法 Withdrawn JPH09287397A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8098736A JPH09287397A (ja) 1996-04-19 1996-04-19 トンネル覆工壁面の補修方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8098736A JPH09287397A (ja) 1996-04-19 1996-04-19 トンネル覆工壁面の補修方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09287397A true JPH09287397A (ja) 1997-11-04

Family

ID=14227800

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8098736A Withdrawn JPH09287397A (ja) 1996-04-19 1996-04-19 トンネル覆工壁面の補修方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09287397A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106401601A (zh) * 2016-11-10 2017-02-15 中国恩菲工程技术有限公司 放矿口眉线支护装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106401601A (zh) * 2016-11-10 2017-02-15 中国恩菲工程技术有限公司 放矿口眉线支护装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7556208B1 (en) Pre-assembled plate consisting of armoured concrete
JP3029022B2 (ja) トンネル覆工用型枠装置およびこれを用いた覆工方法
CN110145124A (zh) 一种控制剪力墙水平接茬质量的加固工具及其施工方法
US3785608A (en) Jig for precasting a plurality of panels
CN108457190A (zh) 锚碇前锚室顶板施工方法
JPH07252870A (ja) 雨水貯溜槽
JP2020122303A (ja) 目地部形成用プレート部材の配設構造
CN113463683A (zh) 一种双管廊滑模台车及双管廊施工方法
JPH09287397A (ja) トンネル覆工壁面の補修方法
JPH06101212A (ja) 鉄筋コンクリート床版の補強構造
KR200298104Y1 (ko) 토목공사에서 박스형태로 설계되는 콘크리트 구체 성형용이동식 거푸집
JP2001248114A (ja) 鋼床版の補強方法及び鋼床版構造
KR20080023428A (ko) 연속화된 하부 주인장 철근을 구비한 파이프 루프 터널시공방법 및 그에 의한 파이프 루프 터널
JP4162291B2 (ja) 鉄道工事桁用受台、及び鉄道工事桁用受台の施工方法
CS256353B2 (en) Track arrangement particularly for metropolitan railways
JP2002327600A (ja) トンネル内監視員通路の擁壁構造及び擁壁構成用部材
JP4359731B2 (ja) コンクリート床版橋梁の鋼床版への張り替え方法及びコンクリート床版橋梁の鋼床版への張り替え構造
JP2874573B2 (ja) レール基礎およびその改修方法
CN109057824B (zh) 一种隧道电缆沟成型装置及成型方法
KR101986794B1 (ko) 일체형 프리캐스트 슬래브 궤도 시스템
WO2003018912A1 (en) Method of making rail support assemblies
JP4017777B2 (ja) トンネルの構築工法
JP7414657B2 (ja) 既設軌条の改修方法
JP4415838B2 (ja) トンネル内部の構築工法
KR100435099B1 (ko) 부모멘트로 손상된 교량 상판 패널보강공법

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20030701