JPH1026138A - 平面駆動アクチュエータ - Google Patents

平面駆動アクチュエータ

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JPH1026138A
JPH1026138A JP19712396A JP19712396A JPH1026138A JP H1026138 A JPH1026138 A JP H1026138A JP 19712396 A JP19712396 A JP 19712396A JP 19712396 A JP19712396 A JP 19712396A JP H1026138 A JPH1026138 A JP H1026138A
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JP
Japan
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yoke
drive actuator
axis
flat plate
respect
Prior art date
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Application number
JP19712396A
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English (en)
Inventor
Takeshi Asano
武史 浅野
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Publication date
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  • Magnetic Bearings And Hydrostatic Bearings (AREA)
  • Container, Conveyance, Adherence, Positioning, Of Wafer (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 小型化および低コスト化を図ることができる
とともに、クリーンな環境でも使用することができ、か
つ、サブミクロンオーダでの高精度の位置決めを高速で
行うことができる平面駆動アクチュエータを提供する。 【解決手段】 2つの正方形状のヨーク1,2を、ボー
ルベアリング3を介して互いにほぼ平行に相対的に移動
可能にして設ける。ヨーク1の上面の中心O1に対して
線対称に16個の磁石4を設け、ヨーク2の下面に中心
2 に対して線対称に4個のコイル5を設ける。ヨーク
1の上面の第1〜第4象限に対応する領域に、それぞれ
4個の磁石4を十字形に配置して、ヨーク1,2、磁石
4およびコイル5により4つの十字状の磁気回路を構成
する。4つの十字状の磁気回路のそれぞれと鎖交する4
つのコイル5に流す電流の方向を制御して、ヨーク2を
ヨーク1に対してx軸方向、y軸方向、θ方向の3軸方
向に対して駆動する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は平面駆動アクチュ
エータに関し、特に、互いに直交する2つの軸方向への
並進移動に任意の位置での回転移動を加えた3軸駆動の
平面駆動アクチュエータに関する。
【0002】
【従来の技術】半導体集積回路(IC)の製造工程内の
組立工程において、ICチップとパッケージ等との整合
を行うために、ICチップの平面内位置決めが行われ
る。図7は、そのような平面内位置決めを行う際に用い
られる従来のxyステージを示す斜視図である。図7に
示すように、この従来のxyステージ100において
は、ベース101上にテーブル102がガイド103に
沿ってy軸方向に移動可能に設けられ、テーブル102
上にテーブル104がガイド105に沿ってx軸方向に
移動可能に設けられている。符号106,107はそれ
ぞれモータを示す。このxyステージ100では、モー
タ106の回転を図示省略されたボールネジを介してテ
ーブル102に伝達することにより、テーブル102が
y軸方向に駆動され、モータ107の回転をボールネジ
108を介してテーブル104に伝達することにより、
テーブル104がx軸方向に駆動される。上述の従来の
xyステージ100は、ベース101を固定して用いる
ことにより、最上部のテーブル104がx軸方向および
y軸方向の2方向に移動可能となり、これらのx軸方向
およびy軸方向での位置決めを行うことができる。
【0003】図8は、x軸方向およびy軸方向の位置決
めに加えて、θ方向の位置決めを可能とした従来の平面
駆動アクチュエータを示す側面図である。図8に示すよ
うに、この従来の平面駆動アクチュエータにおいては、
図7に示した従来のxyステージ100のベース101
が固定され、x軸方向およびy軸方向に移動可能なテー
ブル104にブラケット109が取り付けられ、このブ
ラケット109に回転駆動部110が取り付けられてい
る。この回転駆動部110においては、モータ111の
軸に回転軸112が接続され、モータ111により回転
軸112がその中心の回りにθ方向に回転可能となって
いる。これにより、回転軸112の上部112aは、x
軸方向およびy軸方向への移動が可能であるとともに、
θ方向に回転が可能となっている。
【0004】上述のように、従来の平面駆動アクチュエ
ータは、x軸方向の一軸駆動ユニット(テーブル10
4、ガイド105およびモータ107)、y軸方向の一
軸駆動ユニット(テーブル102、ガイド103および
モータ106)およびθ方向の一軸駆動ユニット(回転
駆動部110、モータ111、回転軸112)の、3つ
の一軸駆動ユニットを組み合わせることにより、アライ
メント機能として要求されるx軸方向、y軸方向および
θ方向の平面内位置決めを実現していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
従来の平面駆動アクチュエータでは、以下に述べるよう
な問題があった。すなわち、従来の平面駆動アクチュエ
ータでは、3つの一軸駆動ユニットが組み合わせられた
構造となっているため、容積が大きく装置全体が大型化
してしてしまうという問題があった。このため、この平
面駆動アクチュエータを他の装置に組み込む際に不都合
を生じていた。また、x軸方向、y軸方向およびθ方向
の位置決めを行うために、複数個のモータ(この場合、
モータ106,107,111の3つ)を必要とするた
め、コストが高いという問題があった。さらに、x軸方
向の駆動を担うモータ107、y軸方向の駆動を担うモ
ータ106およびθ方向の駆動を担うモータ111のそ
れぞれの負荷が異なるため、モータ106,107,1
11のゲインの調整を行う必要があり、煩雑であった。
【0006】また、この従来の平面駆動アクチュエータ
では、ガイド103,105、ボールネジ108、シャ
フト112などの摺動部が多く、これらの摺動部からの
発塵のため、クリーン度の高い環境での使用には適さな
いという問題があった。また、サブミクロンオーダの位
置決めを行うためには、ボールネジ108などのほか
に、各軸方向の駆動を担うモータ106,107,11
1に、それぞれ減速機構を必要とするため、バックラッ
シュ・ロストモーションなどの問題があり、高精度な位
置決めを高速に行うことができないという問題があっ
た。さらに、ガイド103,105とボールネジ108
との異なる転がり機構を採用しているため、サブミクロ
ンオーダの位置決めにおける弾性挙動が複雑となってい
た。
【0007】したがって、この発明の目的は、装置全体
の小型化および低コスト化を図ることができるととも
に、クリーンな環境でも使用することができ、かつ、サ
ブミクロンオーダでの高精度の位置決めを高速で行うこ
とができる平面駆動アクチュエータを提供することにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、この発明による平面駆動アクチュエータは、それぞ
れ磁性体からなり、かつ、互いにほぼ平行に相対的に移
動可能に設けられた第1の平板および第2の平板と、第
1の平板の第2の平板と対向する側の第1の主面に、こ
の第1の主面の第1の基準点に対して線対称に設けられ
た複数の磁石と、第2の平板の上記第1の平板と対向す
る側の第2の主面に、この第2の主面の第2の基準点に
対して線対称に設けられた複数のコイルとを有すること
を特徴とするものである。ここで、第1の基準点または
第2の基準点に対して線対称とは、第1の基準点または
第2の基準点で直交する2つの軸のそれぞれに関して線
対称であることを意味するものである。
【0009】上述のように構成されたこの発明によれ
ば、磁性体からなる第1の平板および第2の平板と、第
1の平板の第1の主面に設けられた複数の磁石と、第2
の平板の第2の主面に設けられた複数のコイルとによ
り、複数の磁気回路が構成される。これらの複数の磁気
回路において、第2の平板の第2の主面に設けられた複
数のコイルは、磁気回路中の磁界と鎖交する。したがっ
て、これらの複数のコイルに電流を流すことにより、フ
レミングの左手の法則に従った駆動力が発生し、この駆
動力により、第1の平板に対して第2の平板を平面内で
並進移動させることが可能であるとともに、任意の位置
において第2の平板を第2の基準点の回りに回転させる
ことが可能である。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、この発明の一実施形態につ
いて図面を参照しながら説明する。なお、実施形態の全
図において、同一または対応する部分には同一の符号を
付す。図1〜図3は、この発明の一実施形態による平面
駆動アクチュエータを示す。ここで、図1Aはこの平面
駆動アクチュエータの平面図、図1Bは側面図、図2は
この平面駆動アクチュエータの上部のヨークを示す斜視
図、図3はこの平面駆動アクチュエータの下部のヨーク
を示す斜視図である。
【0011】図1〜図3に示すように、この平面駆動ア
クチュエータは、それぞれ磁性体からなるヨーク1およ
びヨーク2を有している。ここでは、ヨーク1上に、こ
のヨーク1の四隅に設けられたボールベアリング3を介
して、互いにほぼ平行に、かつ、相対的に移動可能な状
態でヨーク2が設けられている。この場合、ヨーク2
は、ヨーク1に対して並進移動および回転移動が可能と
なっている。これらのヨーク1およびヨーク2は、互い
にほぼ同一の正方形状の平面形状を有している。これら
の正方形状のヨーク1およびヨーク2の一辺の長さを2
1 とする。ここで、ヨーク1の上面の中心(重心)を
原点O1 とし、図1Aおよび図3に示すように、ヨーク
1の上面に対してx軸およびy軸を定める。また、同様
に、ヨーク2の下面の中心(重心)を原点O2 とし、図
1Aおよび図2に示すように、ヨーク2の下面に対して
x軸およびy軸を定める。この平面駆動アクチュエータ
においては、ヨーク1の上面に対して設定したx軸およ
びy軸と、ヨーク2の下面に対して設定したx軸および
y軸とが、互いに重なり合うような位置をヨーク1に対
するヨーク2の初期位置とする。ヨーク2がこの初期位
置にあるときには、ヨーク2の下面の中心(原点O2
は、ヨーク1の上面の中心(原点O1 )からヨーク2の
下面に対して引いた垂線上にある。
【0012】ヨーク1のヨーク2と対向する側の面(こ
の場合、ヨーク1の上面)には、ヨーク1の中心(原点
1 )に対して対称に複数(この場合、16個)の磁石
4が配置されている。この場合、ヨーク1の上面に設け
られたこれらの16個の磁石4は、ヨーク1のx軸およ
びy軸のそれぞれに関して線対称に配置されている。こ
れらの磁石4としては、例えば、互いにほぼ同一の正方
形状の平面形状を有する永久磁石が用いられる。この場
合、ヨーク1のx軸およびy軸により分割された第1〜
第4象限に対応する領域のそれぞれに配置された4つの
磁石4は十字形をなしている。
【0013】ここで、例えば、ヨーク1の上面の第1象
限に対応する領域に配置された4個の磁石4に着目する
と、これらの磁石4は、x軸方向で向かい合う二つの磁
石4の上側に向けられた磁極が互いに異なり、かつ、y
軸方向で向かい合う二つの磁石4の上側に向けられた磁
極が互いに異なっている。具体的には、例えば図3に示
すような磁極パターンとなっている。また、x軸方向で
互いに向かい合う二つの磁石4は、x軸と平行に配置さ
れ、同様に、y軸方向で互いに向かい合う二つの磁石4
は、y軸と平行に配置されている。そして、この第1象
限に対応する領域に配置された四つの磁石4の上側に向
けられた磁極は、この第1象限と隣接する第2象限およ
び第4象限に対応する領域に配置された4個の磁石4の
上側に向けられた磁極と、互いに鏡像関係にある。第2
〜第4象限に対応する領域に配置された4個の磁石4に
ついても同様である。
【0014】一方、ヨーク2のヨーク1と対向する側の
面(この場合、ヨーク2の下面)には、ヨーク2の中心
(原点O2 )に対して対称に4つのコイル5が設けられ
ている。この場合、ヨーク2の下面の4つのコイル5
は、ヨーク2のx軸およびy軸のそれぞれに関して線対
称に配置されている。これらのコイル5は、互いにほぼ
同一の形状を有し、具体的には、例えば正方形状であ
る。また、これらのコイル5は同一のターン数を有して
いる。ここで、ヨーク1の上面の第1〜第4象限に対応
する領域に、それぞれ4個の磁石4が十字形に配置され
ているのに対応して、ヨーク2の下面の第1〜第4象限
に対応する領域には、それぞれ1つずつコイル5が配置
されている。そして、このヨーク2の下面における4つ
のコイル5の配置は、ヨーク1の上面における4つの磁
石4により構成された4つの十字形の配置と、ほぼ同一
のパターンを有している。
【0015】この平面駆動アクチュエータにおいては、
磁性体からなるヨーク1、ヨーク2、ヨーク1の上面に
配置された磁石4およびヨーク2の下面に配置されたコ
イル5により磁気回路が構成されている。この場合、ヨ
ーク1の上面に上述のように磁石4が配置されているた
め、ヨーク1、ヨーク2、磁石4およびコイル5により
4つの十字状の磁気回路が構成されている。これらの4
つの十字状の磁気回路のそれぞれは、互いに直交する2
つの磁気回路(ヨーク1のx軸と平行な磁気回路および
ヨーク1のy軸と平行な磁気回路)により構成されてい
る。これらの4つの十字状の磁気回路は、ヨーク1の中
心(原点O1 )に対して対称であり、磁界の方向まで含
めるとヨーク1のx軸およびy軸のそれぞれに関して線
対称となっている。
【0016】また、それぞれの十字状の磁気回路は、磁
石4およびコイル5の間にギャップを有している。そし
て、コイル5は、ギャップ中の磁束と垂直に鎖交するよ
うに設けられている。ここで、4つの十字状の磁気回路
において、コイル5の各辺がギャップ中の磁束を横切る
寸法は同一となっている。
【0017】なお、ヨーク1上にボールベアリング3を
介して設けられたヨーク2は、上述の磁気回路の磁界中
に働く吸引力により安定的に支持されている。
【0018】この平面駆動アクチュエータにおいては、
さらに、ヨーク1の上面のy軸上に、中心(重心)O1
に対して対称に、2つの二次元位置検出用の位置検出セ
ンサ6が設けられている。また、ヨーク2の上面の位置
検出センサ6の上側に対応する部分には2つの光源7が
設けられている。位置検出センサ6としては、例えば二
次元位置検出用の半導体位置検出素子が用いられ、光源
7としては、例えば半導体レーザ(LD)や発光ダイオ
ード(LED)が用いられる。
【0019】図4は、この平面駆動アクチュエータの位
置検出センサ6の一例を示す。ここでは、位置検出セン
サ6として、二次元位置検出用の半導体位置検出素子を
用いている。また、図4Aは平面図、図4Bは図4Aの
B−B線に沿っての断面図である。図4に示すように、
位置検出センサ6は、例えばpin構造を有するシリコ
ン(Si)フォトダイオード11からなる。このSiフ
ォトダイオード11は、表面にp層11a、中間にi層
11b、裏面にn層11cを有している。また、表面の
p層11aは、一辺の長さが2L2 の正方形状の受光面
12を有している。この受光面12の4辺に対応する部
分には、光電流を取り出すための電極13a〜13dが
設けられている。14は裏面のn層11cに設けられた
バイアス用の電極を示す。
【0020】ここで、この受光面12の中心を原点O3
とし、受光面12に対して図4に示すようにx軸および
y軸を定める。これらの受光面12のx軸およびy軸
は、ヨーク1のx軸およびy軸にそれぞれ対応してい
る。また、ヨーク1に対してヨーク2が初期位置にある
ときには、ヨーク2に設けられた光源7からの光スポッ
トが、ヨーク1に設けられた位置検出センサ6の受光面
12の中心O3 上に照射される。
【0021】この平面駆動アクチュエータでは、後述す
るように、この位置検出センサ6を光源7と組み合わせ
て用いることにより、ヨーク1に対するヨーク2の位置
の検出が行われる。
【0022】次に、上述のように構成されたこの平面駆
動アクチュエータの動作原理について説明する。上述の
ように、この平面駆動アクチュエータにおいては、ヨー
ク1、ヨーク2、磁石4およびコイル5により4つの十
字状の磁気回路が構成され、それぞれの十字状の磁気回
路においてコイル5の4辺は磁界と垂直に鎖交してい
る。このため、4つのコイル5のそれぞれに電流を流す
ことにより、各コイル5のx軸方向およびy軸方向に、
それぞれフレミングの左手の法則に従った駆動力Fが働
く。ここで、コイル5のターン数をn、コイル5を流れ
る電流をi、十字状の磁気回路のギャップ磁束密度を
B、ギャップ中の磁束を横切るコイル5の寸法をlとす
ると、駆動力Fは、F=niBlと表すことができる。
【0023】この平面駆動アクチュエータにおいては、
ヨーク1上に移動可能な状態でヨーク2が設けられてい
るので、ヨーク1を固定し、ヨーク2に設けられた4つ
のコイル5のそれぞれに上述のような直交する2つの駆
動力Fを作用させることにより、ヨーク1に対してヨー
ク2をx軸方向およびy軸方向に並進移動させることが
できるとともに、任意の位置においてヨーク2をその中
心(重心)の回りにθ方向に回転させることができる。
また、このときのヨーク1に対するヨーク2の移動方
向、または、ヨーク2の中心O2 の回りの回転方向は、
4つのコイル5に流す電流の向きにより制御される。
【0024】ここで、表1を用いて、この平面駆動アク
チュエータの動作例について説明する。なお、この表1
において、コイル5を流れる電流の方向およびヨーク2
の回転方向は、この平面駆動アクチュエータをヨーク2
の上面側から見たときの向きを示し、ヨーク2のヨーク
1に対する移動方向およびコイル5に作用する駆動力F
のベクトルの向きは、図1〜図3に示した座標軸の方向
に従っている。
【0025】
【表1】
【0026】表1に示すように、ヨーク2をヨーク1に
対してx軸の負の方向、すなわち、図1中左側に駆動す
る場合には、第1象限のコイル5および第4象限のコイ
ル5に反時計回りに電流を流し、第2象限のコイル5お
よび第3象限のコイル5に時計回りに電流を流す。この
とき、フレミングの左手の法則に従って、第1象限のコ
イル5においてはx軸の負の方向に駆動力F、y軸の正
の方向に駆動力Fが生じる。同様に、第2象限のコイル
5においては、x軸の負の方向に駆動力F、y軸の負の
方向に駆動力Fが生じ、第3象限のコイルにおいては、
x軸の負の方向に駆動力F、y軸の正の方向に駆動力F
が生じ、第4象限のコイル5においては、x軸の負の方
向に駆動力F、y軸の負の方向に駆動力Fが生じる。こ
れらの4つのコイル5に作用する駆動力Fの合力によ
り、ヨーク2が図1中、左側に移動する。一方、ヨーク
2をx軸の正の方向、すなわち、図1中右側に駆動する
場合には、各コイル5に流す電流の向きを、左側に駆動
する場合と逆向きにする。
【0027】次に、ヨーク2をヨーク1に対してy軸の
正の方向、すなわち、図1中、上側に駆動する場合に
は、第1象限のコイル5および第2象限のコイル5に反
時計回りに電流を流し、第3象限のコイル5および第4
象限のコイル5に時計回りに電流を流す。このとき、フ
レミングの左手の法則に従って、第1象限のコイル5に
おいてはx軸の負の方向に駆動力F、y軸の正の方向に
駆動力Fが生じ、第2象限のコイル5においては、x軸
の正の方向に駆動力F、y軸の正の方向に駆動力Fが生
じ、第3象限のコイルにおいては、x軸の負の方向に駆
動力F、y軸の正の方向に駆動力Fが生じ、第4象限の
コイル5においては、x軸の正の方向に駆動力F、y軸
の正の方向に駆動力Fが生じる。これにより、ヨーク2
がヨーク1に対して図1中、上側に駆動する。一方、ヨ
ーク2をy軸の負の方向、すなわち、図1中、下側に駆
動する場合には、各コイル5に流す電流の向きを、上側
に駆動する場合と逆向きにする。
【0028】任意の位置で、ヨーク2をその中心(原点
2 )の回りに反時計回りに回転させる場合には、第1
象限のコイル5および第3象限のコイル5に反時計回り
に電流を流し、第2象限のコイル5および第4象限のコ
イル5に時計回りに電流を流す。このとき、フレミング
の左手の法則に従って、第1象限のコイル5においては
x軸の負の方向に駆動力F、y軸の正の方向に駆動力F
が生じ、第2象限のコイル5においては、x軸の負の方
向に駆動力F、y軸の負の方向に駆動力Fが生じ、第3
象限のコイルにおいては、x軸の正の方向に駆動力F、
y軸の負の方向に駆動力Fが生じ、第4象限のコイル5
においては、x軸の正の方向に駆動力F、y軸の正の方
向に駆動力Fが生じる。これにより、ヨーク2が図1
中、反時計回りに回転する。ヨーク2を時計回りに回転
させる場合には、各コイル5に流す電流の向きを、反時
計回りに回転させる場合と逆向きにする。
【0029】また、ヨーク2を任意の位置に保持する場
合には、第1象限〜第4象限のコイル5に、反時計回り
に電流を流す。このとき、フレミングの左手の法則に従
って、第1象限のコイル5においてはx軸の負の方向に
駆動力F、y軸の正の方向に駆動力Fが生じ、第2象限
のコイル5においては、x軸の正の方向に駆動力F、y
軸の正の方向に駆動力Fが生じ、第3象限のコイルにお
いては、x軸の正の方向に駆動力F、y軸の負の方向に
駆動力Fが生じ、第4象限のコイル5においては、x軸
の負の方向に駆動力F、y軸の負の方向に駆動力Fが生
じる。これにより、ヨーク2がその位置に保持される。
なお、ヨーク2を保持する場合には、各コイル5に時計
回りに電流を流してもよい。
【0030】次に、位置検出センサ6および光源7を用
いたヨーク1に対するヨーク2の位置検出の原理につい
て説明する。ここでは、ヨーク1に対してヨーク2をx
軸方向およびy軸方向に並進移動させたときの位置検出
を行う場合を例にとって説明する。すなわち、この平面
駆動アクチュエータにおいては、ヨーク1に対するヨー
ク2の移動にともなって、光源7からの光スポットは、
この位置検出センサ6の受光面12上を同様に移動す
る。ここで、点Pは、受光面12上の光スポットの入射
を示す。この点Pの位置座標を(x,y)とする。
【0031】この位置検出センサ6においては、受光面
12上の点Pに光スポットが入射すると、光電変換によ
りp層11aに光電流が発生する。このp層11aは全
面にわたって均一な抵抗値を有するため、この光電流は
電極13a〜13dまでの距離、したがって抵抗値に逆
比例して分割され、それぞれの電極13a〜13dから
取り出される。ここで、電極13a,13bから出力さ
れる光電流をIX1 ,IX2 、電極13c,13dから
出力される光電流をIY1 ,IY2 とすると、点Pの位
置座標(x,y)は、x=k(IX2 −IX1 )/(I
1 +IX2 ),y=k(IY2 −IY1 )/(IY1
+IY2 )と表すことができる。ただし、kは比例定数
である。したがって、電極13a〜13dから出力され
る光電流IX1 〜IY2 をもとに、点Pの位置座標
(x,y)、すなわち、ヨーク1に対するヨーク2の位
置が求められる。
【0032】図5は、上述の光電流IX1 〜IY2 をも
とに、ヨーク1に対するヨーク2の位置を検出するため
の位置検出回路の構成の一例を示すブロック図である。
図5に示すように、この位置検出回路は、x方向位置検
出回路21aおよびy方向位置検出回路21bを有して
いる。x方向位置検出回路21aには、位置検出センサ
6の電極13a,13bからの光電流IX1 ,IX2
入力され、y方向位置検出回路21bには、位置検出セ
ンサ6の電極13c,13dからの光電流IY1 ,IY
2 が入力される。
【0033】x方向位置検出回路21aにおいては、電
流電圧変換回路22a,22bにより、入力された光電
流IX1 ,IX2 がそれぞれ対応した電圧VX1 ,VX
2 に変換される。ここで、光電流IX1 ,IX2 は、正
味の光電流成分に加えて暗電流成分を含んでいる。この
ため、これらの光電流IX1 ,IX2 に対応した電圧V
1 ,VX2 は加算器23a,23bに供給され、暗電
流成分に対応したオフセット電圧VE1 ,VE2 が差し
引かれる。加算器23aにおいて暗電流補償が行われた
電圧VX1 は、加算器24aの一方の入力に供給される
とともに、その極性を反転させて加算器24bの一方の
入力に供給される。また、加算器23bにおいて暗電流
補償が行われた電圧VX2 は、加算器24aの他方の入
力に供給されるとともに、加算器24bの他方の入力に
供給される。これらの加算器24a,24bの出力は割
り算回路25に供給され、割り算回路25において加算
器24bの出力が加算器24aの出力で除算される。こ
の結果、割り算回路25から点Pのx座標に対応した信
号VERXが出力される。
【0034】y方向位置検出回路21bは、x方向位置
検出回路21aと同様に構成されている。したがって、
y方向位置検出回路21bに入力された光電流IY1
IY2 は、x方向位置検出回路21aにおけると同様な
処理が施され、その結果、点Pのy座標に対応した信号
VERYが出力される。以上のように、点Pの位置座標
(x,y)、すなわち、ヨーク1に対するヨーク2の位
置が検出される。
【0035】実際には、この平面駆動アクチュエータ
は、ヨーク2は、ヨーク1に対してx軸方向およびy軸
方向に並進移動するだけでなく、任意の位置においてヨ
ーク2の中心(原点O2 )の回りにθ方向に回転する。
したがって、この平面駆動アクチュエータにおいては、
2組の位置検出センサ6および光源7を用いることによ
り、ヨーク2のヨーク1に対する位置を、x軸方向、y
軸方向およびθ方向の3軸方向で検出している。
【0036】図6は、ヨーク2の、ヨーク1に対するx
軸方向およびy軸方向への並進移動と、任意の位置にお
けるヨーク2の中心(原点O2 )の回りでのθ方向への
回転移動を制御するためのサーボ回路の一例を示すブロ
ック図である。図6に示すように、このサーボ回路にお
いては、アライメントに必要なx軸方向、y軸方向およ
びθ方向の位置データSX,SY,Sθが供給されるサ
ーボ信号発生回路31を有している。
【0037】このサーボ信号発生回路31は、位置デー
タSX,SY,Sθに従ってヨーク2を駆動させるため
に、ヨーク2の下面に設けられた4つのコイル5に対し
て供給する電流iの向きを制御している。また、このサ
ーボ信号発生回路31には、ヨーク1に対するヨーク2
の位置の情報を示す2つの位置検出センサ6の出力が、
それぞれx方向位置検出回路21aおよびy方向位置検
出回路21bを介して供給され、ヨーク2のx軸方向、
y軸方向およびθ方向の3軸方向の位置を示す情報がフ
ィードバックされている。これにより、アライメントに
必要な位置データSX,SY,Sθに対応して、ヨーク
2のx軸方向、y軸方向およびθ方向の3軸方向への駆
動が制御され、ヨーク1に対するヨーク2の位置決めが
行われる。
【0038】上述のように構成されたこの平面駆動アク
チュエータによれば、次のような効果を得ることができ
る。すなわち、2つの磁性体からなるヨーク1およびヨ
ーク2に対して、ヨーク1の上面にその中心(原点
1 )に対して線対称に磁石4を配置し、ヨーク2の下
面にその中心(原点O2 )に対して線対称にコイル5を
配置することにより、x軸方向、y軸方向およびθ軸方
向の3軸方向に駆動可能な平面アクチュエータを実現す
ることができる。したがって、3つの一軸駆動ユニット
を組み合わせた従来の平面駆動アクチュエータに比べ
て、装置を小型化、薄型化、かつ、低コスト化すること
ができる。
【0039】また、ヨーク1およびヨーク2は正方形状
の平面形状を有し、これらのヨーク1およびヨーク2
に、それぞれの中心O1 ,O2 に対して線対称に磁石4
およびコイル5が設けられていることから、機構がシン
メトリーとなり各軸方向に対して共通のゲイン特性が得
られる。このため、従来の平面駆動アクチュエータのよ
うに、各軸方向に対してゲインの調整を行う必要がない
ので、設計が容易である。
【0040】さらに、フレミングの左手の法則に従った
駆動力Fにより、ヨーク1に対してヨーク2を駆動して
いるので、従来の平面駆動アクチュエータのような摺動
部がない。このため、摺動部での発塵がなくなるので、
クリーンな環境での使用に適している。また、従来の平
面駆動アクチュエータのように減速機構が不要であるの
で、サブミクロンオーダの高精度位置決めを高速に行う
ことができる。
【0041】以上この発明の一実施形態について具体的
に説明したが、この発明は、上述の一実施形態に限定さ
れるものではなく、この発明の技術的思想に基づく各種
の変形が可能である。例えば、上述の一実施形態におい
て挙げた数値、構造などはあくまで例にすぎず、これに
限定されるものではない。また、上述の一実施形態にお
いて、ヨーク1およびヨーク2の形状は正方形以外の形
状、具体的には、例えば円形であってもよい。また、ヨ
ーク1およびヨーク2は互いに異なる形状であってもよ
い。
【0042】また、上述の一実施形態において、磁石4
は電磁石であってもよい。また、磁石4の上側に向けら
れた磁極のパターンは、図3に示したパターン以外であ
ってもよい。具体的には、例えば、図3に示したパター
ンと極性が逆転したパターンであってもよい。また、磁
石4およびコイル5の平面形状は、正方形以外であって
もよい。
【0043】また、上述の一実施形態においては、ヨー
ク1の上面に対してその中心を原点O1 とする直交座標
系が定められ、原点O1 に対して線対称に磁石4が配置
されているが、これは、ヨーク1の上面の中心以外の点
を原点O1 とする直交座標系を定めて磁石4を配置して
もよい。ヨーク2についても同様である。具体的には、
例えば、ヨーク2の厚さが不均一で中心と重心とが一致
しない場合には、ヨーク2の下面の重心を原点O2 とす
る直交座標系を定めてもよい。
【0044】また、上述の一実施形態においては、ヨー
ク1に対するヨーク2の駆動方向をx軸方向およびy軸
方向の2軸方向に限定することも、あるいは、x軸方向
またはy軸方向のいずれか1軸方向に限定することも可
能である。
【0045】また、上述の一実施形態においては、ヨー
ク1の上面に位置検出センサ6が設けられ、ヨーク2の
上面に光源7が設けられているが、ヨーク1の上面に光
源7を設け、ヨーク2の下面に位置検出センサ6を設け
てもよい。
【0046】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、装置全体の小型化および低コスト化を図ることがで
きるとともに、クリーンな環境でも使用することがで
き、かつ、サブミクロンオーダでの高精度の位置決めを
高速で行うことができる平面駆動アクチュエータを実現
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の一実施形態による平面駆動アクチ
ュエータを示す平面図および断面図である。
【図2】 この発明の一実施形態による平面駆動アクチ
ュエータの上部のヨークを示す斜視図である。
【図3】 この発明の一実施形態による平面駆動アクチ
ュエータの下部のヨークを示す斜視図である。
【図4】 この発明の一実施形態による平面駆動アクチ
ュエータに用いられる位置検出センサ6を示す平面図お
よび断面図である。
【図5】 この発明の一実施形態による平面駆動アクチ
ュエータにおいて、ヨーク1に対するヨーク2の位置を
検出するための位置検出回路の一例を示すブロック図で
ある。
【図6】 この発明の一実施形態による平面駆動アクチ
ュエータにおいて、ヨーク2の駆動を制御するためのサ
ーボ回路の一例を示すブロック図である。
【図7】 従来のxyステージを示す斜視図である。
【図8】 従来の平面駆動アクチュエータを示す側面図
である。
【符号の説明】
1,2・・・ヨーク、3・・・ボールベアリング、4・
・・磁石、5・・・コイル、6・・・位置検出センサ、
7・・・光源

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 それぞれ磁性体からなり、かつ、互いに
    ほぼ平行に相対的に移動可能に設けられた第1の平板お
    よび第2の平板と、 上記第1の平板の上記第2の平板と対向する側の第1の
    主面に、この第1の主面の第1の基準点に対して線対称
    に設けられた複数の磁石と、 上記第2の平板の上記第1の平板と対向する側の第2の
    主面に、この第2の主面の第2の基準点に対して線対称
    に設けられた複数のコイルとを有することを特徴とする
    平面駆動アクチュエータ。
  2. 【請求項2】 上記第1の基準点は上記第1の平板の上
    記第1の主面の中心であり、上記第2の基準点は上記第
    2の平板の上記第2の主面の中心であることを特徴とす
    る請求項1記載の平面駆動アクチュエータ。
  3. 【請求項3】 上記複数の磁石は、十字状の磁気回路が
    構成されるように十字形に配置された磁石の組を複数構
    成することを特徴とする請求項1記載の平面駆動アクチ
    ュエータ。
  4. 【請求項4】 複数の上記十字状の磁気回路が上記第1
    の基準点に対して線対称に配置されていることを特徴と
    する請求項3記載の平面駆動アクチュエータ。
  5. 【請求項5】 上記第1の主面に設けられた上記複数の
    十字形に配置された磁石の組の配置パターンと、上記第
    2の主面に設けられた上記複数のコイルの配置パターン
    とは、ほぼ同一であることを特徴とする請求項3記載の
    平面駆動アクチュエータ。
  6. 【請求項6】 上記複数のコイルは上記複数の十字状の
    磁気回路と鎖交することを特徴とする請求項5記載の平
    面駆動アクチュエータ。
  7. 【請求項7】 上記第1の平板に対する上記第2の平板
    の位置を検出するための位置検出手段を有することを特
    徴とする請求項1記載の平面駆動アクチュエータ。
  8. 【請求項8】 複数の上記位置検出手段を有することを
    特徴とする請求項7記載の平面駆動アクチュエータ。
  9. 【請求項9】 上記位置検出手段は、上記第1の平板ま
    たは上記第2の平板のいずれか一方に設けられた受光素
    子と、他方に設けられた光源とを有することを特徴とす
    る請求項7記載の平面駆動アクチュエータ。
  10. 【請求項10】 複数の上記受光素子が上記第1の平板
    に上記第1の基準点に対して対称に設けられ、複数の上
    記光源が上記第2の平板に上記第2の基準点に対して対
    称に設けられていることを特徴とする請求項9記載の平
    面駆動アクチュエータ。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7495656B2 (en) 2005-08-04 2009-02-24 Fujitsu Component Limited Actuator that provides tactile information
CN108873560A (zh) * 2017-05-11 2018-11-23 新思考电机有限公司 光学部件用倾斜活动控制装置、摄像装置及电子设备
JP2020027021A (ja) * 2018-08-10 2020-02-20 日本精工株式会社 テーブル装置

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