JPH10261280A - 浮上型ヘッド及び情報記録再生装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 データ記録部とヘッド滑走部とで浮上保証高
さの異なる記録媒体に対して情報の記録、再生を行う浮
上型ヘッド及び情報記録再生装置に関し、データ記録部
とヘッド滑走部とで浮上保証高さの異なる記録媒体にお
いてデータ記録部とヘッド滑走部との境界まで高出力に
データの記録再生を行える浮上型ヘッド及び情報記録再
生装置を提供することを目的とする。 【解決手段】 データ記録領域側に設けられるアウタレ
ールの高さを浮上高さがデータ記録領域の浮上保証高さ
程度となるように設定し、ヘッド滑走領域側に設けられ
たインナレールの高さを浮上高さがヘッド滑走領域の浮
上保証高さ程度になるように設定し、ヘッドがデータ記
録領域側でデータ記録領域の浮上保証高さ程度、ヘッド
滑走領域側でヘッド滑走領域の浮上保証高さ程度でロー
ルしつつ、記録媒体上を滑走させる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は浮上型ヘッド及び情
報記録再生装置に係り、特に、データ記録部とヘッド滑
走部とで浮上保証高さの異なる記録媒体に対して情報の
記録、再生を行う浮上型ヘッド及び情報記録再生装置に
関する。近年のマルチメディア化により扱うソフトのデ
ータ量が飛躍的に増加し、これに伴って、サイズを大型
化することなく、磁気ディスク装置等の情報記録再生装
置の大容量化、小型化が望まれている。

【０００２】一方、大容量化、小型化を実現すべく磁気
ディスクへの情報の記録密度を向上させるには、磁気ヘ
ッドと磁気ディスクとの間隔を減少させる必要がある。
磁気ヘッドと磁気ディスクとの間隔を減少させるには、
磁気ヘッドが磁気ディスクと接触し、磁気ヘッドを破損
したり、磁気ディスクに傷を付けないように磁気ディス
クの表面をなめらかにする必要がある。

【０００３】ところが、磁気ディスクの表面をなめらか
にすると、磁気ヘッドが磁気ディスクに吸着され易くな
り、磁気ヘッドと磁気ディスクとの接触が問題となる。
磁気ディスク表面をなめらかにした際の磁気ヘッドと磁
気ディスクとの接触を解決するために浮上姿勢の改善が
求められている。

【０００４】

【従来の技術】従来の磁気ディスク装置に搭載される磁
気記録媒体は、最内周から最外周にかける磁気ヘッドの
浮上保証高さはほぼ一定に設定されていた。しかしなが
ら、近年、高密度記録などの要求から磁気記録媒体の表
面をなめらかにし、磁気ヘッドの浮上保証高さを低くす
る傾向にあり、磁気ヘッドと磁気記録媒体との吸着が問
題となる。

【０００５】一方、磁気記録媒体には、通常情報の記録
再生を行うデータ領域、及び、記録再生時以外のときに
磁気ヘッドを退避させておくＣＳＳ（Contact Start St
op）領域とが設定されている。そこで、磁気ヘッドと磁
気記録媒体との吸着が問題の解決案として、ＣＳＳ領域
の表面形状を情報を記録するデータ領域の表面形状に比
べて粗く、磁気ヘッドの浮上保証高さを高くしたゾーン
テスクチャ媒体なるものが提案されている。

【０００６】図１２にゾーンテクスチャ媒体の概念図を
示す。ゾーンテクスチャ媒体１は、磁気記録媒体より構
成され、内周側にＣＳＳ領域２が形成され、その外周に
データ領域３が形成されている。ＣＳＳ領域２は、表面
に微小突起（テクスチャ）が多数形成されており、磁気
ヘッドが吸着しにくい形状とされている。また、データ
領域３は、表面形状が平坦に形成されており、磁気ヘッ
ドが媒体表面に近接しやすい形状とされている。

【０００７】ゾーンテクスチャ媒体１においては、情報
の記録や再生を行わないときに磁気ヘッド１０をＣＳＳ
領域２に位置させると、ＣＳＳ領域２の浮上保証高さは
高く設定されているため、磁気ヘッドがゾーンテクスチ
ャ媒体１とが接触しにくくなり、情報を記録、再生する
ために磁気ヘッド１０をデータ領域３に位置させると、
データ領域３の浮上保証高さは低いため、磁気ヘッドが
ゾーンテクスチャ媒体１に密着し、高出力記録、再生が
可能となる。

【０００８】図１３にゾーンテクスチャ媒体が搭載され
た磁気ディスク装置の概略図を示す。磁気ディスク装置
１０は、ゾーンテクスチャ媒体１をベース１１に固定さ
れたスピンドルモータ１２に回転可能なように保持した
構成とされている。磁気ヘッド１３は、ゾーンテクスチ
ャ媒体１の半径方向（矢印Ｂ方向）に回動可能に保持さ
れたアーム１４の先端に固定され、アーム１４の他端に
設けられたボイスコイルモータ１５によりゾーンテクス
チャ媒体１の半径方向（矢印Ｂ方向）に回動される。

【０００９】磁気ヘッド１３は、ゾーンテクスチャ媒体
１にスピンドルモータ１２の回転により発生する空気の
流れによりゾーンテクスチャ媒体１から浮上してゾーン
テクスチャ媒体１にアクセスする。図１４に従来の磁気
ヘッドの一例の斜視図を示す。従来の磁気ヘッド２０
は、Al₂ Ｏ₃ TiＣ（アルチック）からなるウェハーに薄
膜形成技術を用いてＭＲ膜やＧＭＲ膜及び端子等を形成
した後、切り出し、ＡＢＳ（Air Bearing Surface ）面
等を切削することにより形成される。磁気ヘッド２０の
ＡＢＳ面２１には、ゾーンテクスチャ媒体１に対向した
ときに、ゾーンテクスチャ媒体１のＣＳＳ領域２側、す
なわち、内周側にインナレール２２がゾーンテクスチャ
媒体１の回転方向（矢印Ａ方向）に延在して形成され、
ゾーンテクスチャ媒体１のデータ領域３側、すなわち、
外周側にアウタレール２３がゾーンテクスチャ媒体１の
回転方向（矢印Ａ方向）に延在して形成される。

【００１０】また、ゾーンテクスチャ媒体１に対向して
情報の記録再生を行うギャップ２４は、アウタレール２
３のゾーンテクスチャ媒体１の回転方向側の端面に形成
される。このとき、従来の磁気ヘッド２０は、ＡＢＳ面
２１をゾーンテクスチャ媒体１の表面に対して平行に保
持するようにインナレール２２の高さａとアウタレール
２３の高さｂとを等しくなるように加工していた。

【００１１】

【発明が解決しようとする課題】しかるに、ゾーンテク
スチャ媒体では、ＣＳＳ領域とデータ領域とで浮上保証
高さが異なるため、磁気ヘッドがデータ領域の最内周側
に位置し、ＣＳＳ領域とデータ領域との両方にかかる場
合には、ＣＳＳ領域側では浮上保証高さが高く、また、
データ領域側では浮上保証高さが低いため、磁気ヘッド
が傾斜してしまう。

【００１２】図１５に従来の磁気ヘッドがゾーンテクス
チャ媒体のデータ領域の最内周側を走査する場合の磁気
ヘッドの浮上姿勢を示す図である。従来の磁気ヘッド１
３は、ゾーンテクスチャ媒体１に対向するＡＢＳ面２１
がゾーンテクスチャ媒体１の表面に平行になるように形
状が形成されていたため、ゾーンテクスチャ媒体１のデ
ータ領域２３の最内周側を走査する場合には図１５に示
すように内周側が高く、外周側が低く傾斜してしまう。
このため、データ領域２３での浮上保証高さを低くして
しまうと、磁気ヘッド１３の外周側がデータ領域２３に
接触してしまい、磁気ヘッド１３を破損したり、データ
の読み取りを困難になってしまうため、データ領域２３
での浮上保証高さをあまり低くできず、高出力化が困難
となり、高密度化を妨げていた。

【００１３】本発明は上記の点に鑑みてなされたもの
で、データ記録部とヘッド滑走部とで浮上保証高さの異
なる記録媒体においてデータ記録部とヘッド滑走部との
境界まで高出力にデータの記録再生を行える浮上型ヘッ
ド及び情報記録再生装置を提供することを目的とする。

【００１４】

【課題を解決するための手段】本発明の請求項１は、デ
ータを記録するデータ記録領域と該データ記録領域への
アクセスを待機するヘッド滑走領域とで浮上保証高さが
異なる記録媒体上を滑走し、該データの記録再生を行う
浮上型ヘッドにおいて、前記データ記録領域側の浮上高
さを前記データ記録領域の浮上保証高さ程度となるよう
に滑走させる第１の浮上手段と、前記ヘッド滑走領域側
の浮上高さを前記ヘッド滑走領域の浮上保証高さ程度と
なるように滑走させる第２の浮上手段とを有することを
特徴とする。

【００１５】請求項１によれば、第１の浮上手段により
データ記録領域側がデータ記録領域の浮上保証高さ程度
浮上し、第２の浮上手段によりヘッド滑走領域側がヘッ
ド滑走領域の浮上保証高さ程度浮上する。このため、浮
上型ヘッドがデータ記録領域とヘッド滑走領域との境界
に位置するとき、浮上型ヘッドのヘッド滑走領域側はヘ
ッド滑走領域の浮上保証高さ程度に浮上しているので、
浮上型ヘッドがヘッド滑走領域に接触することはなく、
また、浮上型ヘッドのデータ記録領域側はデータ記録領
域の浮上保証高さ程度で浮上しているので、データ記録
領域に高出力でデータを記録することができる。したが
って、データ記録領域のヘッド滑走領域との境界まで、
データを記録することができ、データ記録量を増加させ
ることができ、また、このとき、ヘッド滑走領域に浮上
型ヘッドが接触して、ヘッドの破損や媒体の破損を防止
できる。

【００１６】請求項２は、前記第１の浮上手段を前記記
録媒体に対向する面の前記データ記録領域側に設けられ
た第１のレールであり、前記第１のレールの高さを浮上
高さが前記データ記録領域の浮上保証高さ程度となるよ
うに設定し、前記第２の浮上手段を前記記録媒体に対向
する面の前記ヘッド滑走領域側に設けられた第２のレー
ルであり、前記第２のレールの高さを浮上高さが前記ヘ
ッド滑走領域の浮上保証高さ程度となるように設定した
ことを特徴とする。

【００１７】請求項２によれば、データ記録領域側に設
けられた第１のレールの高さを浮上高さがデータ記録領
域の浮上保証高さ程度となるように設定し、ヘッド滑走
領域側に設けられた第２のレールの高さを浮上高さがヘ
ッド滑走領域の浮上保証高さ程度になるように設定する
ことにより、ヘッドがデータ記録領域側でデータ記録領
域の浮上保証高さ程度、ヘッド滑走領域側でヘッド滑走
領域の浮上保証高さ程度でロールしつつ、記録媒体上を
滑走することになる。よって、浮上型ヘッドがデータ記
録領域とヘッド滑走領域との境界に位置するとき、浮上
型ヘッドのヘッド滑走領域側はヘッド滑走領域の浮上保
証高さ程度に浮上しているので、浮上型ヘッドがヘッド
滑走領域に接触することはなく、また、浮上型ヘッドの
データ記録領域側はデータ記録領域の浮上保証高さ程度
で浮上しているので、データ記録領域に高出力でデータ
を記録することができる。したがって、データ記録領域
のヘッド滑走領域との境界まで、データを記録すること
ができ、データ記録量を増加させることができ、また、
このとき、ヘッド滑走領域に浮上型ヘッドが接触して、
ヘッドの破損や媒体の破損を防止できる。

【００１８】請求項３は、前記第１のレールを前記記録
媒体に対向する面に積層部材が形成され、前記積層部材
の厚さを浮上高さが前記データ記録領域の浮上保証高さ
程度となるように設定し、前記第２のレールを前記記録
媒体に対向する面に積層部材が形成され、積層部材の厚
さを浮上高さがヘッド滑走領域の浮上保証高さ程度とな
るように設定したことを特徴とする。

【００１９】請求項３によれば、記録媒体に対向する面
に積層部材が形成される構成の浮上型ヘッドにおいて、
第１のレール上に積層される積層部材の厚さを浮上高さ
がデータ記録領域の浮上保証高さ程度となるように設定
し、第２のレール上に積層される積層部材の厚さを浮上
高さがヘッド滑走領域の浮上保証高さ程度となるように
設定することにより、ヘッドがデータ記録領域側でデー
タ記録領域の浮上保証高さ程度、ヘッド滑走領域側でヘ
ッド滑走領域の浮上保証高さ程度でロールしつつ、記録
媒体上を滑走することになる。よって、浮上型ヘッドが
データ記録領域とヘッド滑走領域との境界に位置すると
き、浮上型ヘッドのヘッド滑走領域側はヘッド滑走領域
の浮上保証高さ程度に浮上しているので、浮上型ヘッド
がヘッド滑走領域に接触することはなく、また、浮上型
ヘッドのデータ記録領域側はデータ記録領域の浮上保証
高さ程度で浮上しているので、データ記録領域に高出力
でデータを記録することができる。したがって、データ
記録領域のヘッド滑走領域との境界まで、データを記録
することができ、データ記録量を増加させることがで
き、また、このとき、ヘッド滑走領域に浮上型ヘッドが
接触して、ヘッドの破損や媒体の破損を防止できる。

【００２０】請求項４は、前記第１のレールの高さを前
記第２のレールより高く設定されたことを特徴とする。
請求項４によれば、第１のレールの高さが第２のレール
の高さより高く設定されているので、第１のレールの浮
上量を第２のレールより高くでき、したがって、浮上型
ヘッドがデータ記録領域とヘッド滑走領域との境界に位
置するとき、浮上型ヘッドのヘッド滑走領域側はヘッド
滑走領域の浮上保証高さ程度に浮上しているので、浮上
型ヘッドがヘッド滑走領域に接触することはなく、ま
た、浮上型ヘッドのデータ記録領域側はデータ記録領域
の浮上保証高さ程度で浮上しているので、データ記録領
域に高出力でデータを記録することができる。したがっ
て、データ記録領域のヘッド滑走領域との境界まで、デ
ータを記録することができ、データ記録量を増加させる
ことができ、また、このとき、ヘッド滑走領域に浮上型
ヘッドが接触して、ヘッドの破損や媒体の破損を防止で
きる。

【００２１】請求項５は、前記第１の浮上手段を、前記
記録媒体に対向する面の前記データ記録領域側に設けら
れた第１のレールであり、前記第１のレールの幅を浮上
高さが前記データ記録領域の浮上保証高さ程度となるよ
うに設定し、前記第２の浮上手段は、前記記録媒体に対
向する面の前記ヘッド滑走領域側に設けられた第２のレ
ールであり、前記第２のレールの幅を浮上高さが前記ヘ
ッド滑走領域の浮上保証高さ程度となるように設定した
ことを特徴とする。

【００２２】請求項５によれば、第１のレールの幅を浮
上高さが前記データ記録領域の浮上保証高さ程度となる
ように設定し、第２のレールの幅を浮上高さが前記ヘッ
ド滑走領域の浮上保証高さ程度となるように設定するこ
とにより、ヘッドがデータ記録領域側でデータ記録領域
の浮上保証高さ程度、ヘッド滑走領域側でヘッド滑走領
域の浮上保証高さ程度でロールしつつ、記録媒体上を滑
走することになる。よって、浮上型ヘッドがデータ記録
領域とヘッド滑走領域との境界に位置するとき、浮上型
ヘッドのヘッド滑走領域側はヘッド滑走領域の浮上保証
高さ程度に浮上しているので、浮上型ヘッドがヘッド滑
走領域に接触することはなく、また、浮上型ヘッドのデ
ータ記録領域側はデータ記録領域の浮上保証高さ程度で
浮上しているので、データ記録領域に高出力でデータを
記録することができる。したがって、データ記録領域の
ヘッド滑走領域との境界まで、データを記録することが
でき、データ記録量を増加させることができ、また、こ
のとき、ヘッド滑走領域に浮上型ヘッドが接触して、ヘ
ッドの破損や媒体の破損を防止できる。

【００２３】請求項６は、前記第１のレールの幅は、前
記第２のレールより広く設定されたことを特徴とする。
請求項６によれば、第１のレールの幅は、前記第２のレ
ールより広く設定することにより、第１のレールの浮上
量を第２のレールより高くでき、したがって、浮上型ヘ
ッドがデータ記録領域とヘッド滑走領域との境界に位置
するとき、浮上型ヘッドのヘッド滑走領域側はヘッド滑
走領域の浮上保証高さ程度に浮上しているので、浮上型
ヘッドがヘッド滑走領域に接触することはなく、また、
浮上型ヘッドのデータ記録領域側はデータ記録領域の浮
上保証高さ程度で浮上しているので、データ記録領域に
高出力でデータを記録することができる。したがって、
データ記録領域のヘッド滑走領域との境界まで、データ
を記録することができ、データ記録量を増加させること
ができ、また、このとき、ヘッド滑走領域に浮上型ヘッ
ドが接触して、ヘッドの破損や媒体の破損を防止でき
る。

【００２４】請求項７は、データを記録するデータ記録
領域と該データ記録領域へのアクセスを待機するヘッド
滑走領域とで浮上保証高さが異なる記録媒体上を滑走面
が前記記録媒体の回転方向に傾斜しつつ、滑走し、該デ
ータの記録再生を行う浮上型ヘッドにおいて、前記デー
タ記録領域及び前記ヘッド滑走領域の浮上保証高さ程度
で浮上させる浮上手段と、前記データ記録領域を滑走す
るときに、前記ヘッド滑走領域側の前記ヘッド滑走領域
の浮上保証高さより低い部分を切り欠くことにより形成
された切欠部とを有することを特徴とする。

【００２５】請求項７によれば、浮上手段によりヘッド
をデータ記録領域及びヘッド滑走領域の浮上保証高さ程
度で浮上させ、ヘッドをデータ記録領域を滑走させた状
態で、ヘッド滑走領域とデータ記録領域との境界に近づ
けた場合、ヘッドのヘッド滑走領域側は切欠部によりヘ
ッド滑走領域の浮上保証高さより低い部分が切り欠かれ
ているので、ヘッド滑走領域に上に位置しても記録媒体
に接触することがない。よって、ヘッドのデータ記録領
域側をデータ記録領域の浮上保証高さを保ちつつ、ヘッ
ド滑走領域に近接できる。したがって、データ記録領域
のヘッド滑走領域の近傍まで、データを記録することが
でき、記録容量を向上できる。

【００２６】請求項８は、データを記録するデータ記録
領域と該データ記録領域へのアクセスを待機するヘッド
滑走領域とで浮上保証高さが異なる記録媒体と、該記録
媒体上を滑走し、該データの記録再生を行う浮上型ヘッ
ドとを有する情報記録再生装置において、前記浮上型ヘ
ッドは、前記データ記録領域側の浮上高さを前記データ
記録領域の浮上保証高さ程度となるように滑走させる第
１の浮上手段と、前記ヘッド滑走領域側の浮上高さを前
記ヘッド滑走領域の浮上保証高さ程度となるように滑走
させる第２の浮上手段とを有することを特徴とする。

【００２７】請求項８によれば、第１の浮上手段により
データ記録領域側がデータ記録領域の浮上保証高さ程度
浮上し、第２の浮上手段によりヘッド滑走領域側がヘッ
ド滑走領域の浮上保証高さ程度浮上する。このため、浮
上型ヘッドがデータ記録領域とヘッド滑走領域との境界
に位置するとき、浮上型ヘッドのヘッド滑走領域側はヘ
ッド滑走領域の浮上保証高さ程度に浮上しているので、
浮上型ヘッドがヘッド滑走領域に接触することはなく、
また、浮上型ヘッドのデータ記録領域側はデータ記録領
域の浮上保証高さ程度で浮上しているので、データ記録
領域に高出力でデータを記録することができる。したが
って、データ記録領域のヘッド滑走領域との境界まで、
データを記録することができ、データ記録量を増加させ
ることができ、また、このとき、ヘッド滑走領域に浮上
型ヘッドが接触して、ヘッドの破損や媒体の破損を防止
できる。よって、小型で記憶容量の大きく安定して情報
の記録再生を行える情報記録装置を提供できる。

【００２８】請求項９は、前記第１の浮上手段を前記記
録媒体に対向する面の前記データ記録領域側に設けられ
た第１のレールであり、前記第１のレールの高さが浮上
高さを前記データ記録領域の浮上保証高さ程度となるよ
うに設定し、前記第２の浮上手段を前記記録媒体に対向
する面の前記データ記録領域側に設けられた第２のレー
ルであり、前記第２のレールの高さが浮上高さを前記ヘ
ッド滑走領域の浮上保証高さ程度となるように設定した
ことを特徴とする。

【００２９】請求項９によれば、データ記録領域側に設
けられた第１のレールの高さを浮上高さがデータ記録領
域の浮上保証高さ程度となるように設定し、ヘッド滑走
領域側に設けられた第２のレールの高さを浮上高さがヘ
ッド滑走領域の浮上保証高さ程度になるように設定する
ことにより、ヘッドがデータ記録領域側でデータ記録領
域の浮上保証高さ程度、ヘッド滑走領域側でヘッド滑走
領域の浮上保証高さ程度でロールしつつ、記録媒体上を
滑走することになる。よって、浮上型ヘッドがデータ記
録領域とヘッド滑走領域との境界に位置するとき、浮上
型ヘッドのヘッド滑走領域側はヘッド滑走領域の浮上保
証高さ程度に浮上しているので、浮上型ヘッドがヘッド
滑走領域に接触することはなく、また、浮上型ヘッドの
データ記録領域側はデータ記録領域の浮上保証高さ程度
で浮上しているので、データ記録領域に高出力でデータ
を記録することができる。したがって、データ記録領域
のヘッド滑走領域との境界まで、データを記録すること
ができ、データ記録量を増加させることができ、また、
このとき、ヘッド滑走領域に浮上型ヘッドが接触して、
ヘッドの破損や媒体の破損を防止できる。よって、小型
で記憶容量の大きく安定して情報の記録再生を行える情
報記録装置を提供できる。

【００３０】請求項１０は、前記第１のレールを前記記
録媒体に対向する面に積層部材が形成され、前記積層部
材の厚さが前記データ記録領域の浮上保証高さ程度とな
るように設定し、前記第２のレールを前記記録媒体に対
向する面に積層部材が形成され、前記積層部材の厚さが
前記ヘッド滑走領域の浮上保証高さ程度となるように設
定したことを特徴とする。

【００３１】請求項１０によれば、記録媒体に対向する
面に積層部材が形成される構成の浮上型ヘッドにおい
て、第１のレール上に積層される積層部材の厚さを浮上
高さがデータ記録領域の浮上保証高さ程度となるように
設定し、第２のレール上に積層される積層部材の厚さを
浮上高さがヘッド滑走領域の浮上保証高さ程度となるよ
うに設定することにより、ヘッドがデータ記録領域側で
データ記録領域の浮上保証高さ程度、ヘッド滑走領域側
でヘッド滑走領域の浮上保証高さ程度でロールしつつ、
記録媒体上を滑走することになる。よって、浮上型ヘッ
ドがデータ記録領域とヘッド滑走領域との境界に位置す
るとき、浮上型ヘッドのヘッド滑走領域側はヘッド滑走
領域の浮上保証高さ程度に浮上しているので、浮上型ヘ
ッドがヘッド滑走領域に接触することはなく、また、浮
上型ヘッドのデータ記録領域側はデータ記録領域の浮上
保証高さ程度で浮上しているので、データ記録領域に高
出力でデータを記録することができる。したがって、デ
ータ記録領域のヘッド滑走領域との境界まで、データを
記録することができ、データ記録量を増加させることが
でき、また、このとき、ヘッド滑走領域に浮上型ヘッド
が接触して、ヘッドの破損や媒体の破損を防止できる。
よって、小型で記憶容量の大きく安定して情報の記録再
生を行える情報記録装置を提供できる。

【００３２】請求項１１は、前記第１のレールの高さを
前記第２のレールより高く設定されたことを特徴とす
る。請求項１１によれば、第１のレールの高さが第２の
レールの高さより高く設定されているので、第１のレー
ルの浮上量を第２のレールより高くでき、したがって、
浮上型ヘッドがデータ記録領域とヘッド滑走領域との境
界に位置するとき、浮上型ヘッドのヘッド滑走領域側は
ヘッド滑走領域の浮上保証高さ程度に浮上しているの
で、浮上型ヘッドがヘッド滑走領域に接触することはな
く、また、浮上型ヘッドのデータ記録領域側はデータ記
録領域の浮上保証高さ程度で浮上しているので、データ
記録領域に高出力でデータを記録することができる。し
たがって、データ記録領域のヘッド滑走領域との境界ま
で、データを記録することができ、データ記録量を増加
させることができ、また、このとき、ヘッド滑走領域に
浮上型ヘッドが接触して、ヘッドの破損や媒体の破損を
防止できる。よって、小型で記憶容量の大きく安定して
情報の記録再生を行える情報記録装置を提供できる。

【００３３】請求項１２は、前記第１の浮上手段を、前
記記録媒体に対向する面の前記データ記録領域側に設け
られた第１のレールであり、前記第１のレールの幅を浮
上高さが前記データ記録領域の浮上保証高さ程度となる
ように設定し、前記第２の浮上手段は、前記記録媒体に
対向する面の前記ヘッド滑走領域側に設けられた第２の
レールであり、前記第２のレールの幅を浮上高さが前記
ヘッド滑走領域の浮上保証高さ程度となるように設定し
たことを特徴とする。

【００３４】請求項１２によれば、第１のレールの幅を
浮上高さが前記データ記録領域の浮上保証高さ程度とな
るように設定し、第２のレールの幅を浮上高さが前記ヘ
ッド滑走領域の浮上保証高さ程度となるように設定する
ことにより、ヘッドがデータ記録領域側でデータ記録領
域の浮上保証高さ程度、ヘッド滑走領域側でヘッド滑走
領域の浮上保証高さ程度でロールしつつ、記録媒体上を
滑走することになる。よって、浮上型ヘッドがデータ記
録領域とヘッド滑走領域との境界に位置するとき、浮上
型ヘッドのヘッド滑走領域側はヘッド滑走領域の浮上保
証高さ程度に浮上しているので、浮上型ヘッドがヘッド
滑走領域に接触することはなく、また、浮上型ヘッドの
データ記録領域側はデータ記録領域の浮上保証高さ程度
で浮上しているので、データ記録領域に高出力でデータ
を記録することができる。したがって、データ記録領域
のヘッド滑走領域との境界まで、データを記録すること
ができ、データ記録量を増加させることができ、また、
このとき、ヘッド滑走領域に浮上型ヘッドが接触して、
ヘッドの破損や媒体の破損を防止できる。よって、小型
で記憶容量の大きく安定して情報の記録再生を行える情
報記録装置を提供できる。

【００３５】請求項１３は、前記第１のレールの幅は、
前記第２のレールより広く設定されたことを特徴とす
る。請求項１３によれば、第１のレールの幅は、前記第
２のレールより広く設定することにより、第１のレール
の浮上量を第２のレールより高くでき、したがって、浮
上型ヘッドがデータ記録領域とヘッド滑走領域との境界
に位置するとき、浮上型ヘッドのヘッド滑走領域側はヘ
ッド滑走領域の浮上保証高さ程度に浮上しているので、
浮上型ヘッドがヘッド滑走領域に接触することはなく、
また、浮上型ヘッドのデータ記録領域側はデータ記録領
域の浮上保証高さ程度で浮上しているので、データ記録
領域に高出力でデータを記録することができる。したが
って、データ記録領域のヘッド滑走領域との境界まで、
データを記録することができ、データ記録量を増加させ
ることができ、また、このとき、ヘッド滑走領域に浮上
型ヘッドが接触して、ヘッドの破損や媒体の破損を防止
できる。よって、小型で記憶容量の大きく安定して情報
の記録再生を行える情報記録装置を提供できる。

【００３６】請求項１４は、データを記録するデータ記
録領域と該データ記録領域へのアクセスを待機するヘッ
ド滑走領域とで浮上保証高さが異なる記録媒体と、該記
録媒体上を滑走面が前記記録媒体の回転方向に傾斜しつ
つ、滑走し、該データの記録再生を行う浮上型ヘッドと
を有する情報記録再生装置において、前記データ記録領
域側の浮上高さを前記データ記録領域の浮上保証高さ程
度となるように滑走させる第１の浮上手段と、前記ヘッ
ド滑走領域の浮上保証高さより高い位置に形成され、前
記ヘッド滑走領域側の浮上高さを前記データ記録領域の
浮上保証高さ程度となるように滑走させる第２の浮上手
段とを有することを特徴とする。

【００３７】請求項１４によれば、浮上手段によりヘッ
ドをデータ記録領域及びヘッド滑走領域の浮上保証高さ
程度で浮上させ、ヘッドをデータ記録領域を滑走させた
状態で、ヘッド滑走領域とデータ記録領域との境界に近
づけた場合、ヘッドのヘッド滑走領域側は切欠部により
ヘッド滑走領域の浮上保証高さより低い部分が切り欠か
れているので、ヘッド滑走領域に上に位置しても記録媒
体に接触することがない。よって、ヘッドのデータ記録
領域側をデータ記録領域の浮上保証高さを保ちつつ、ヘ
ッド滑走領域に近接できる。したがって、データ記録領
域のヘッド滑走領域の近傍まで、データを記録すること
ができ、記録容量を向上でき、小型で大容量の情報記録
再生装置を実現できる。

【００３８】

【発明の実施の形態】図１に本発明の第１実施例の斜視
図を示す。本実施例の浮上型ヘッド１００は、図１２に
示すゾーンテクスチャ媒体１が用いられた磁気ディスク
装置に搭載されて、ゾーンテクスチャ媒体１のデータ領
域３にデータの記録・再生を行う磁気ヘッドである。本
実施例の浮上型ヘッド１００に適応される磁気ヘッドと
しては、ＭＲ（Magneto-Resistive ）ヘッド、ＧＭＲ
（Giant Magneto-Resistive ）ヘッドなどが挙げられ
る。

【００３９】本実施例の浮上型ヘッド１００は、Al₂ Ｏ
₃ TiＣ（アルチック）からなるウェハーに薄膜形成技術
を用いてＭＲ膜やＧＭＲ膜及び端子等を形成した後、切
り出し、ＡＢＳ（Air Bearing Surface ）面等を切削す
ることにより形成される。本実施例の浮上型ヘッド１０
０のＡＢＳ面１０１には、ゾーンテクスチャ媒体１に対
向したときに、ゾーンテクスチャ媒体１のＣＳＳ領域２
側、すなわち、内周側にインナレール１０２がゾーンテ
クスチャ媒体１の回転方向（矢印Ａ方向）に延在して形
成され、ゾーンテクスチャ媒体１のデータ領域３側、す
なわち、外周側にアウタレール１０３がゾーンテクスチ
ャ媒体１の回転方向（矢印Ａ方向）に延在して形成され
る。

【００４０】また、ゾーンテクスチャ媒体１に対向して
情報の記録再生を行うギャップ１０７は、アウタレール
１０３のゾーンテクスチャ媒体１の回転方向側の端面に
形成される。インナレール１０２の両側には、段部１０
４が形成されている。また、アウタレール１０３の両側
には段部１０５が形成されている。段部１０４と段部１
０５とは、同一の高さ位置に形成されている。インナレ
ール１０２，アウタレール１０３及び段部１０４，１０
５によりゾーンテクスチャ媒体１との間での空気の流れ
が制御され、浮上型ヘッド１００が浮上する。

【００４１】また、段部１０４，１０５の両側には凹部
１０６が形成されている。凹部１０６は、浮上型ヘッド
１００の滑走時にＡＢＳ面１０１とゾーンテクスチャ媒
体１との間の空気の流れを制御する。また、インナレー
ル１０２及びアウタレール１０３の空気流入側、すなわ
ち、ゾーンテクスチャ媒体１の回転方向に対向する側に
は傾斜面１０２ａ及び傾斜面１０３ａが形成されてい
る。傾斜面１０２ａ，１０３ａは、ゾーンテクスチャ媒
体１の回転方向に対向する側の端面に向かって段部１０
４，１０５との距離が小さくなるように傾斜している。
傾斜面１０２ａ，１０３ａは、ゾーンテクスチャ媒体１
の回転により生じる空気の流れをインナレール１０２及
びアウタレール１０３とゾーンテクスチャ媒体１との間
に供給する。

【００４２】浮上型ヘッド１００のゾーンテクスチャ媒
体１０１からの浮上量は、インナレール１０２の段部１
０４からの高さ及びアウタレール１０３の段部１０５か
らの高さに応じて決定される。本実施例の浮上型ヘッド
１００では、インナレール１０２の段部１０４からの高
さａをアウタレール１０３の段部１０５からの高さｂよ
り高く設定している。このため、インナレール１０２側
の浮上量がアウタレール１０３側の浮上量より高くな
る。したがって、浮上型ヘッド１００は、ゾーンテクス
チャ媒体１０１上でインナレール１０２側が高く、アウ
タレール１０３側が低くされ、滑走される。

【００４３】図２に本発明の浮上型ヘッドの第１実施例
の全体の形状を説明するための図を示す。図２（Ａ）は
３０％スライダ、図２（Ｂ）は５０％スライダの斜視図
を示す。磁気ヘッドのスライダの形状としては、図２
（Ａ）に示すように長さＬが１．２５〔ｍｍ〕、幅Ｗが
１．００〔ｍｍ〕、高さＨが０．３０〔ｍｍ〕の３０％
スライダと呼ばれるものと、図２（Ｂ）に示すように長
さＬが２．００〔ｍｍ〕、幅Ｗが１．６０〔ｍｍ〕、高
さＨが０．４３〔ｍｍ〕の５０％スライダと呼ばれるも
のとがある。

【００４４】本実施例の浮上型ヘッド１００は、インナ
レール１０２の段部１０４からの高さａとアウタレール
１０３の段部１０５からの高さｂをゾーンテクスチャ媒
体１のＣＳＳ領域２の浮上保証高さとゾーンテクスチャ
媒体１のデータ領域３の浮上保証高さとの差に応じたロ
ールが得られるように設定するだけで、図２（Ａ）に示
す３０％スライダ、図２（Ｂ）に示す５０％スライダの
いずれにも適用できる。

【００４５】図３に本発明の浮上型ヘッドの第１実施例
のＡＢＳ面の形状を説明するための図を示す。本実施例
の浮上型ヘッド１００は、インナレール１０２及びアウ
タレール１０３の幅が０．１８〔ｍｍ〕に設定され、イ
ンナレール１０２及びアウタレール１０３の内周側の段
部１０４ａ及び段部１０５ａの幅が０．０４〔ｍｍ〕に
設定され、インナレール１０２及びアウタレール１０３
の外周側の段部１０４ｂ及び段部１０５ｂの幅が０．１
５〔ｍｍ〕に設定されている。

【００４６】また、インナレール１０２の段部１０４か
らの高さａ、及び、アウタレール１０３の段部１０５か
らの高さｂは、滑走時にアウタレール１０３側がゾーン
テクスチャ媒体１のデータ領域３の浮上保証高さよりわ
ずかに大きい、例えば、５〔ｎｍ〕程度高いレベルで浮
上し、かつ、インナレール１０２側がゾーンテクスチャ
媒体１のＣＳＳ領域２の浮上保証高さよりわずかに大き
い、例えば、５〔ｎｍ〕程度高いレベルで浮上する値に
設定される。

【００４７】したがって、浮上型ヘッド１００は、ゾー
ンテクスチャ媒体１の表面に対してロールした状態で滑
走する。図４に本発明の浮上型ヘッドの第１実施例の滑
走状態を示す図である。図４（Ａ）は浮上型ヘッド１０
０をゾーンテクスチャ媒体１の外周側から内周側に向か
って見たときの図、図４（Ｂ）は浮上型ヘッド１００を
ゾーンテクスチャ媒体１の回転方向（矢印Ａ1 方向）と
は逆方向（矢印Ａ2 方向）から見たときの図である。

【００４８】本実施例の浮上型ヘッド１００は、図１，
図２に示すようにインナレール１０２の段差１０４から
の高さａがアウタレール１０３の段差１０５からの高さ
ｂに比べて高く設定しているので、図４（Ｂ）に示すよ
うにインナレール１０２側がアウタレール１０３側より
浮上し、ロールが発生する。浮上ヘッド１００がロール
することにより、ギャップ１０７がゾーンテクスチャ媒
体１のデータ領域３の最内周側に近接したとき、インナ
レール１０２側はＣＳＳ領域２の浮上保証高さよりわず
かに大きく浮上するように設定されているので、ギャッ
プ１０７をゾーンテクスチャ媒体１のデータ領域３の最
内周側まで移動させても、インナレール１０２側がゾー
ンテクスチャ媒体１のＣＳＳ領域２の浮上保証高さ以下
になることはないので、浮上型ヘッド１００がゾーンテ
クスチャ媒体１のＣＳＳ領域２に接触してしまうことが
ない。

【００４９】図５に本発明の浮上型ヘッドの第１実施例
のゾーンテクスチャ媒体のＣＳＳ領域とデータ領域との
境界部分での滑走状態を示す図を示す。図５に示すよう
に浮上型ヘッド１００がゾーンテクスチャ媒体１のＣＳ
Ｓ領域２とデータ領域３との境界部分での滑走すると、
浮上型ヘッド１００がインナレール１０２側がゾーンテ
クスチャ媒体１のＣＳＳ領域２の浮上保証高さ、ここで
は、最大３５〔ｎｍ〕、より５〔ｎｍ〕程度大きい、４
０〔ｎｍ〕程度、浮上するので、浮上型ヘッド１００が
ゾーンテクスチャ媒体１のＣＳＳ領域２に接触すること
はない。

【００５０】また、このとき、アウタレール１０３側
は、ゾーンテクスチャ媒体１のデータ領域３の浮上保証
高さ、ここでは、最大２５〔ｎｍ〕、より５〔ｎｍ〕程
度大きい、３０〔ｎｍ〕程度、浮上するので、ギャップ
１０７がゾーンテクスチャ媒体１のデータ領域３から大
きく離間することなく、情報の記録再生を行うことがで
きる。

【００５１】このように、本実施例によれば、浮上型ヘ
ッド１００をインナレール１０２の浮上量をゾーンテク
スチャ媒体１のＣＳＳ領域２の浮上保証高さよりわずか
に高く、また、浮上型ヘッド１００をアウタレール１０
３の浮上量をゾーンテクスチャ媒体１のデータ領域３の
浮上保証高さよりわずかに高くなるようにロールさせる
ことにより、浮上型ヘッド１００をゾーンテクスチャ媒
体１のＣＳＳ領域２とデータ領域３との境界部分で滑走
させても、浮上型ヘッド１００がゾーンテクスチャ媒体
１に接触しヘッドクラッシュが発生することがない。こ
のため、浮上型ヘッド１００をギャップ１０７をゾーン
テクスチャ媒体１に近接させたまま、ゾーンテクスチャ
媒体１のＣＳＳ領域２とデータ領域３との境界部分ま
で、移動させ、情報の記録再生を行えるため、高出力の
状態で、記録容量を向上させることができる。

【００５２】よって、上記浮上型ヘッド１００を図１３
に示すようなゾーンテクスチャ媒体１を搭載した磁気デ
ィスク装置に搭載することにより、記憶容量を増加させ
ることができる。図６に本発明の浮上型ヘッドの第２実
施例の斜視図を示す。同図中、図１と同一構成部分には
同一符号を付し、その説明は省略する。

【００５３】本実施例の浮上型ヘッド２００は、Al₂ Ｏ
₃ TiＣ（アルチック）のＡＢＳ面の切削時にはインナレ
ール１０２の段差１０４からの高さａとアウタレール１
０３の高さｂとは同一としておき、切削後、インナレー
ル１０２上にＤＬＣ（Diamond Like Carbon ）を高さｃ
だけ積層して、インナレール１０２の段差１０４からの
高さを高さａに設定する。

【００５４】本実施例によれば、スライダの切削加工時
は、通常のヘッドと同様の工程にでき、ゾーンテクスチ
ャ媒体１に適用するヘッドのみ、ＤＬＣを積層して、イ
ンナレール１０２の高さをａに調整すればよく、ゾーン
テクスチャ媒体１のＣＳＳ領域２の浮上保証高さとデー
タ領域３の浮上保証高さとの差に応じてＤＬＣの積層量
を調整することにより汎用性を向上させることができ
る。また、ＤＬＣの積層によりインナレール１０２の強
度を向上でき、データ領域３の最内周側にデータを書き
込む際にインナレール１０２がＣＳＳ領域２に接触した
場合でも、ヘッドクラッシュを防止できる。

【００５５】なお、第１、第２の実施例では、インナレ
ール１０２の高さをアウタレール１０３の高さより高く
することによりインナレール１０２の浮上量をＣＳＳ領
域２の浮上保証高さ程度とし、ＣＳＳ領域２への接触を
回避しているが、インナレール１０２の幅をアウタレー
ル１０３の幅より広くすることによりインナレール１０
２の浮上量をＣＳＳ領域２の浮上保証高さ程度とし、Ｃ
ＳＳ領域２への接触を回避する構成も考えられる。

【００５６】図７に本発明の浮上型ヘッドの第３実施例
の斜視図を示す。同図中、図１と同一構成部分には同一
符号を付し、その説明は省略する。本実施例の浮上型ヘ
ッド２５０は、インナレール１０２の高さａとアウタレ
ール１０３の高さｂは等しくしａ＝ｂとし、アウタレー
ル１０３の幅Ｗ2 をアウタレール１０３の浮上量がデー
タ領域３の浮上保証高さ程度になるように設定し、イン
ナレール１０２の幅Ｗ1 をアウタレール１０３の幅Ｗ2
より広くし、インナレール１０２の浮上高さがＣＳＳ領
域の浮上高さ程度になるように設定する。

【００５７】本実施例によれば、インナレール１０２の
浮上高さをＣＳＳ領域の浮上高さ程度に保持でき、ま
た、アウタレール１０３の浮上量がデータ領域３の浮上
保証高さ程度にできるので、浮上型ヘッド１００をゾー
ンテクスチャ媒体１のＣＳＳ領域２とデータ領域３との
境界部分で滑走させても、浮上型ヘッド１００がゾーン
テクスチャ媒体１に接触しヘッドクラッシュが発生する
ことがない。このため、浮上型ヘッド１００をギャップ
１０７をゾーンテクスチャ媒体１に近接させたまま、ゾ
ーンテクスチャ媒体１のＣＳＳ領域２とデータ領域３と
の境界部分まで、移動させ、情報の記録再生を行えるた
め、高出力の状態で、記録容量を向上させることができ
る。

【００５８】よって、上記浮上型ヘッド１００を図１３
に示すようなゾーンテクスチャ媒体１を搭載した磁気デ
ィスク装置に搭載することにより、記憶容量を増加させ
ることができる。図８に本発明の浮上型ヘッドの第４実
施例の斜視図を示す。同図中、図１と同一構成部分には
同一符号を付し、その説明は省略する。

【００５９】本実施例の浮上型ヘッド３００は、インナ
レール１０２の段差１０３からの高さをアウタレール１
０３の段差１０４からの高さｂと同一にして、インナレ
ール１０２の滑走時に下方に位置する、すなわち、空気
の流出端側を切断し、切欠部３０１を形成する。インナ
レール１０２を短縮する長さＭは、滑走状態でインナレ
ール１０２側の下端がアウタレール１０３側の下端より
ゾーンテクスチャ媒体１のＣＳＳ領域２の浮上保証高さ
とデータ領域３の浮上保証高さとの差分だけ高くなるよ
うに設定する。

【００６０】図９に本発明の浮上型ヘッドの第４実施例
の要部の断面図を示す。本実施例の浮上型ヘッド３００
の切欠部３０１の長さｘは、図９に示すようにＡＢＳ面
１０１がゾーンテクスチャ媒体１の回転方向（矢印Ａ方
向）に対して角度θ（θ＝１００μrad ）だけ傾斜した
姿勢で滑走するとき、インナレール１０２側の最下端Ｐ
1 ，Ｐ2 がアウタレール１０３の最下端Ｐ0 からゾーン
テクスチャ媒体１のＣＳＳ領域２の浮上保証高さとデー
タ領域３の浮上保証高さとの差分１０〔ｎｍ〕だけ高い
位置となるように設定される。

【００６１】例えば、傾斜θを１００〔μrad 〕、イン
ナレール１０２、及び、アウタレール１０３の段差１０
４，１０５からの高さを４０〔μｍ〕とすると、切欠部
３０１の長さｘは、ｓｉｎθ＝１０ｎｍ／ｘから１０ｎ
ｍ／ｓｉｎθで求められる。図１０に本発明の浮上型ヘ
ッドの第４実施例の滑走状態を示す図を示す。図９
（Ａ）は浮上型ヘッド３００をゾーンテクスチャ媒体１
の外周側から内周側に向かって見たときの図、図９
（Ｂ）は浮上型ヘッド３００をゾーンテクスチャ媒体１
の回転方向（矢印Ａ1 方向）とは逆方向（矢印Ａ2 方
向）から見たときの図である。

【００６２】本実施例の浮上型ヘッド３００は、図８に
示すようにインナレール１０２の段差１０４からの高さ
をアウタレール１０３の段差１０５からの高さｂと等し
く設定しているので、図９（Ｂ）に示すようにインナレ
ール１０２側とアウタレール１０３側との浮上量はほぼ
等しくなる。しかし、このとき、インナレール１０２の
下端側はアウタレール１０３側の下端よりゾーンテクス
チャ媒体１のＣＳＳ領域２の浮上保証高さとデータ領域
３の浮上保証高さとの差分だけ高くなるように、インナ
レール１０２が短縮されているので、浮上型ヘッド３０
０のインナレール１０２側の下端は常にアウタレール１
０３側より高い位置になる。

【００６３】図１１に本発明の浮上型ヘッドの第３実施
例のゾーンテクスチャ媒体のＣＳＳ領域とデータ領域と
の境界部分での滑走状態を示す図を示す。図１１に示す
ように浮上型ヘッド３００がゾーンテクスチャ媒体１の
ＣＳＳ領域２とデータ領域３との境界部分での滑走する
と、浮上型ヘッド３００はインナレール１０２側の下端
がアウタレール１０３側の下端に比べてゾーンテクスチ
ャ媒体１のＣＳＳ領域２の浮上保証高さとデータ領域３
の浮上保証高さとの差分、例えば、図１１においては１
０〔ｎｍ〕程度、高くなるので、浮上型ヘッド３００の
浮上高さが２５〔ｎｍ〕でゾーンテクスチャ媒体のＣＳ
Ｓ領域とデータ領域との境界部分に移動されても、ゾー
ンテクスチャ媒体１のＣＳＳ領域２の浮上保証高さ、こ
こでは、最大３５〔ｎｍ〕、浮上型ヘッド３０のインナ
レール１０２側はゾーンテクスチャ媒体１のＣＳＳ領域
２の浮上保証高さより高い位置となるので、浮上型ヘッ
ド３００がゾーンテクスチャ媒体１に接触することはな
い。

【００６４】このように、本実施例によれば、浮上型ヘ
ッド３００をゾーンテクスチャ媒体１のＣＳＳ領域２と
データ領域３との境界部分で滑走させても、浮上型ヘッ
ド３００がゾーンテクスチャ媒体１に接触しヘッドクラ
ッシュが発生することがないため、浮上型ヘッド３００
をギャップ１０７をゾーンテクスチャ媒体１に近接させ
たまま、ゾーンテクスチャ媒体１のＣＳＳ領域２とデー
タ領域３との境界部分まで、移動させ、情報の記録再生
を行えるため、高出力の状態で、記録容量を向上させる
ことができる。

【００６５】よって、上記浮上型ヘッド１００を図１３
に示すようなゾーンテクスチャ媒体１を搭載した磁気デ
ィスク装置に搭載することにより、記憶容量を増加させ
ることができる。

【００６６】

【発明の効果】上述の如く、本発明の請求項１によれ
ば、第１の浮上手段によりデータ記録領域側がデータ記
録領域の浮上保証高さ程度浮上し、第２の浮上手段によ
りヘッド滑走領域側がヘッド滑走領域の浮上保証高さ程
度浮上するので、浮上型ヘッドがデータ記録領域とヘッ
ド滑走領域との境界に位置するとき、浮上型ヘッドのヘ
ッド滑走領域側はヘッド滑走領域の浮上保証高さ程度に
浮上し、浮上型ヘッドがヘッド滑走領域に接触すること
はなく、また、浮上型ヘッドのデータ記録領域側はデー
タ記録領域の浮上保証高さ程度で浮上しているので、デ
ータ記録領域に高出力でデータを記録することができる
ため、データ記録領域のヘッド滑走領域との境界まで、
データを記録することができ、データ記録量を増加させ
ることができ、また、ヘッド滑走領域に浮上型ヘッドが
接触して、ヘッドの破損や媒体の破損を防止できる等の
特長を有する。

【００６７】請求項２によれば、データ記録領域側に設
けられた第１のレールの高さを浮上高さがデータ記録領
域の浮上保証高さ程度となるように設定し、ヘッド滑走
領域側に設けられた第２のレールの高さを浮上高さがヘ
ッド滑走領域の浮上保証高さ程度になるように設定する
ことにより、ヘッドがデータ記録領域側でデータ記録領
域の浮上保証高さ程度、ヘッド滑走領域側でヘッド滑走
領域の浮上保証高さ程度でロールしつつ、記録媒体上を
滑走することになるので、浮上型ヘッドがデータ記録領
域とヘッド滑走領域との境界に位置するとき、浮上型ヘ
ッドのヘッド滑走領域側はヘッド滑走領域の浮上保証高
さ程度に浮上しているので、浮上型ヘッドがヘッド滑走
領域に接触することはなく、また、浮上型ヘッドのデー
タ記録領域側はデータ記録領域の浮上保証高さ程度で浮
上しているので、データ記録領域に高出力でデータを記
録することができるため、データ記録領域のヘッド滑走
領域との境界まで、データを記録することができ、デー
タ記録量を増加させることができ、また、このとき、ヘ
ッド滑走領域に浮上型ヘッドが接触して、ヘッドの破損
や媒体の破損を防止できる等の特長を有する。

【００６８】請求項３によれば、記録媒体に対向する面
に積層部材が形成される構成の浮上型ヘッドにおいて、
第１のレール上に積層される積層部材の厚さを浮上高さ
がデータ記録領域の浮上保証高さ程度となるように設定
し、第２のレール上に積層される積層部材の厚さを浮上
高さがヘッド滑走領域の浮上保証高さ程度となるように
設定することにより、ヘッドがデータ記録領域側でデー
タ記録領域の浮上保証高さ程度、ヘッド滑走領域側でヘ
ッド滑走領域の浮上保証高さ程度でロールしつつ、記録
媒体上を滑走することになるので、浮上型ヘッドがデー
タ記録領域とヘッド滑走領域との境界に位置するとき、
浮上型ヘッドのヘッド滑走領域側はヘッド滑走領域の浮
上保証高さ程度に浮上しているので、浮上型ヘッドがヘ
ッド滑走領域に接触することはなく、また、浮上型ヘッ
ドのデータ記録領域側はデータ記録領域の浮上保証高さ
程度で浮上しているので、データ記録領域に高出力でデ
ータを記録することができ、したがって、データ記録領
域のヘッド滑走領域との境界まで、データを記録するこ
とができるため、データ記録量を増加させることがで
き、また、このとき、ヘッド滑走領域に浮上型ヘッドが
接触して、ヘッドの破損や媒体の破損を防止できる等の
特長を有する。

【００６９】請求項４によれば、第１のレールの高さが
第２のレールの高さより高く設定されているので、第１
のレールの浮上量を第２のレールより高くでき、したが
って、浮上型ヘッドがデータ記録領域とヘッド滑走領域
との境界に位置するとき、浮上型ヘッドのヘッド滑走領
域側はヘッド滑走領域の浮上保証高さ程度に浮上してい
るので、浮上型ヘッドがヘッド滑走領域に接触すること
はなく、また、浮上型ヘッドのデータ記録領域側はデー
タ記録領域の浮上保証高さ程度で浮上しているので、デ
ータ記録領域に高出力でデータを記録することができ、
したがって、データ記録領域のヘッド滑走領域との境界
まで、データを記録することができ、データ記録量を増
加させることができ、また、このとき、ヘッド滑走領域
に浮上型ヘッドが接触して、ヘッドの破損や媒体の破損
を防止できる等の特長を有する。

【００７０】請求項５によれば、第１のレールの幅を浮
上高さが前記データ記録領域の浮上保証高さ程度となる
ように設定し、第２のレールの幅を浮上高さが前記ヘッ
ド滑走領域の浮上保証高さ程度となるように設定するこ
とにより、ヘッドがデータ記録領域側でデータ記録領域
の浮上保証高さ程度、ヘッド滑走領域側でヘッド滑走領
域の浮上保証高さ程度でロールしつつ、記録媒体上を滑
走することになり、よって、浮上型ヘッドがデータ記録
領域とヘッド滑走領域との境界に位置するとき、浮上型
ヘッドのヘッド滑走領域側はヘッド滑走領域の浮上保証
高さ程度に浮上しているので、浮上型ヘッドがヘッド滑
走領域に接触することはなく、また、浮上型ヘッドのデ
ータ記録領域側はデータ記録領域の浮上保証高さ程度で
浮上しているので、データ記録領域に高出力でデータを
記録することができ、したがって、データ記録領域のヘ
ッド滑走領域との境界まで、データを記録することがで
き、データ記録量を増加させることができ、また、この
とき、ヘッド滑走領域に浮上型ヘッドが接触して、ヘッ
ドの破損や媒体の破損を防止できる等の特長を有する。

【００７１】請求項６によれば、第１のレールの幅は、
前記第２のレールより広く設定することにより、第１の
レールの浮上量を第２のレールより高くでき、したがっ
て、浮上型ヘッドがデータ記録領域とヘッド滑走領域と
の境界に位置するとき、浮上型ヘッドのヘッド滑走領域
側はヘッド滑走領域の浮上保証高さ程度に浮上している
ので、浮上型ヘッドがヘッド滑走領域に接触することは
なく、また、浮上型ヘッドのデータ記録領域側はデータ
記録領域の浮上保証高さ程度で浮上しているので、デー
タ記録領域に高出力でデータを記録することができ、し
たがって、データ記録領域のヘッド滑走領域との境界ま
で、データを記録することができ、データ記録量を増加
させることができ、また、このとき、ヘッド滑走領域に
浮上型ヘッドが接触して、ヘッドの破損や媒体の破損を
防止できる等の特長を有する。

【００７２】請求項７によれば、浮上手段によりヘッド
をデータ記録領域及びヘッド滑走領域の浮上保証高さ程
度で浮上させ、ヘッドをデータ記録領域を滑走させた状
態で、ヘッド滑走領域とデータ記録領域との境界に近づ
けた場合、ヘッドのヘッド滑走領域側は切欠部によりヘ
ッド滑走領域の浮上保証高さより低い部分が切り欠かれ
ているので、ヘッド滑走領域に上に位置しても記録媒体
に接触することがないので、ヘッドのデータ記録領域側
をデータ記録領域の浮上保証高さを保ちつつ、ヘッド滑
走領域に近接できるため、データ記録領域のヘッド滑走
領域の近傍まで、データを記録することができ、記録容
量を向上できる等の特長を有する。

【００７３】請求項８によれば、第１の浮上手段により
データ記録領域側がデータ記録領域の浮上保証高さ程度
浮上し、第２の浮上手段によりヘッド滑走領域側がヘッ
ド滑走領域の浮上保証高さ程度浮上するため、浮上型ヘ
ッドがデータ記録領域とヘッド滑走領域との境界に位置
するとき、浮上型ヘッドのヘッド滑走領域側はヘッド滑
走領域の浮上保証高さ程度に浮上しているので、浮上型
ヘッドがヘッド滑走領域に接触することはなく、また、
浮上型ヘッドのデータ記録領域側はデータ記録領域の浮
上保証高さ程度で浮上しているので、データ記録領域に
高出力でデータを記録することができ、したがって、デ
ータ記録領域のヘッド滑走領域との境界まで、データを
記録することができ、データ記録量を増加させることが
でき、また、このとき、ヘッド滑走領域に浮上型ヘッド
が接触して、ヘッドの破損や媒体の破損を防止できる。
よって、小型で記憶容量の大きく安定して情報の記録再
生を行える情報記録装置を実現できる等の特長を有す
る。

【００７４】請求項９によれば、データ記録領域側に設
けられた第１のレールの高さを浮上高さがデータ記録領
域の浮上保証高さ程度となるように設定し、ヘッド滑走
領域側に設けられた第２のレールの高さを浮上高さがヘ
ッド滑走領域の浮上保証高さ程度になるように設定する
ことにより、ヘッドがデータ記録領域側でデータ記録領
域の浮上保証高さ程度、ヘッド滑走領域側でヘッド滑走
領域の浮上保証高さ程度でロールしつつ、記録媒体上を
滑走することになり、浮上型ヘッドがデータ記録領域と
ヘッド滑走領域との境界に位置するとき、浮上型ヘッド
のヘッド滑走領域側はヘッド滑走領域の浮上保証高さ程
度に浮上しているので、浮上型ヘッドがヘッド滑走領域
に接触することはなく、また、浮上型ヘッドのデータ記
録領域側はデータ記録領域の浮上保証高さ程度で浮上し
ているので、データ記録領域に高出力でデータを記録す
ることができ、したがって、データ記録領域のヘッド滑
走領域との境界まで、データを記録することができるの
で、データ記録量を増加させることができ、また、この
とき、ヘッド滑走領域に浮上型ヘッドが接触して、ヘッ
ドの破損や媒体の破損を防止できるため、小型で記憶容
量の大きく安定して情報の記録再生を行える情報記録装
置を提供できる等の特長を有する。

【００７５】請求項１０によれば、記録媒体に対向する
面に積層部材が形成される構成の浮上型ヘッドにおい
て、第１のレール上に積層される積層部材の厚さを浮上
高さがデータ記録領域の浮上保証高さ程度となるように
設定し、第２のレール上に積層される積層部材の厚さを
浮上高さがヘッド滑走領域の浮上保証高さ程度となるよ
うに設定することにより、ヘッドがデータ記録領域側で
データ記録領域の浮上保証高さ程度、ヘッド滑走領域側
でヘッド滑走領域の浮上保証高さ程度でロールしつつ、
記録媒体上を滑走することになり、よって、浮上型ヘッ
ドがデータ記録領域とヘッド滑走領域との境界に位置す
るとき、浮上型ヘッドのヘッド滑走領域側はヘッド滑走
領域の浮上保証高さ程度に浮上しているので、浮上型ヘ
ッドがヘッド滑走領域に接触することはなく、また、浮
上型ヘッドのデータ記録領域側はデータ記録領域の浮上
保証高さ程度で浮上しているので、データ記録領域に高
出力でデータを記録することができ、したがって、デー
タ記録領域のヘッド滑走領域との境界まで、データを記
録することができるので、データ記録量を増加させるこ
とができ、また、このとき、ヘッド滑走領域に浮上型ヘ
ッドが接触して、ヘッドの破損や媒体の破損を防止でき
るため、小型で記憶容量の大きく安定して情報の記録再
生を行える情報記録装置を提供できる等の特長を有す
る。

【００７６】請求項１１によれば、第１のレールの高さ
が第２のレールの高さより高く設定されているので、第
１のレールの浮上量を第２のレールより高くでき、した
がって、浮上型ヘッドがデータ記録領域とヘッド滑走領
域との境界に位置するとき、浮上型ヘッドのヘッド滑走
領域側はヘッド滑走領域の浮上保証高さ程度に浮上して
いるので、浮上型ヘッドがヘッド滑走領域に接触するこ
とはなく、また、浮上型ヘッドのデータ記録領域側はデ
ータ記録領域の浮上保証高さ程度で浮上しているので、
データ記録領域に高出力でデータを記録することがで
き、したがって、データ記録領域のヘッド滑走領域との
境界まで、データを記録することができ、データ記録量
を増加させることができ、また、このとき、ヘッド滑走
領域に浮上型ヘッドが接触して、ヘッドの破損や媒体の
破損を防止できるため、小型で記憶容量の大きく安定し
て情報の記録再生を行える情報記録装置を提供できる等
の特長を有する。

【００７７】請求項１２によれば、第１のレールの幅を
浮上高さが前記データ記録領域の浮上保証高さ程度とな
るように設定し、第２のレールの幅を浮上高さが前記ヘ
ッド滑走領域の浮上保証高さ程度となるように設定する
ことにより、ヘッドがデータ記録領域側でデータ記録領
域の浮上保証高さ程度、ヘッド滑走領域側でヘッド滑走
領域の浮上保証高さ程度でロールしつつ、記録媒体上を
滑走することになり、よって、浮上型ヘッドがデータ記
録領域とヘッド滑走領域との境界に位置するとき、浮上
型ヘッドのヘッド滑走領域側はヘッド滑走領域の浮上保
証高さ程度に浮上しているので、浮上型ヘッドがヘッド
滑走領域に接触することはなく、また、浮上型ヘッドの
データ記録領域側はデータ記録領域の浮上保証高さ程度
で浮上しているので、データ記録領域に高出力でデータ
を記録することができ、したがって、データ記録領域の
ヘッド滑走領域との境界まで、データを記録することが
でき、データ記録量を増加させることができ、また、こ
のとき、ヘッド滑走領域に浮上型ヘッドが接触して、ヘ
ッドの破損や媒体の破損を防止できるため、小型で記憶
容量の大きく安定して情報の記録再生を行える情報記録
装置を提供できる等の特長を有する。

【００７８】請求項１３によれば、第１のレールの幅
は、前記第２のレールより広く設定することにより、第
１のレールの浮上量を第２のレールより高くでき、した
がって、浮上型ヘッドがデータ記録領域とヘッド滑走領
域との境界に位置するとき、浮上型ヘッドのヘッド滑走
領域側はヘッド滑走領域の浮上保証高さ程度に浮上して
いるので、浮上型ヘッドがヘッド滑走領域に接触するこ
とはなく、また、浮上型ヘッドのデータ記録領域側はデ
ータ記録領域の浮上保証高さ程度で浮上しているので、
データ記録領域に高出力でデータを記録することがで
き、したがって、データ記録領域のヘッド滑走領域との
境界まで、データを記録することができ、データ記録量
を増加させることができ、また、このとき、ヘッド滑走
領域に浮上型ヘッドが接触して、ヘッドの破損や媒体の
破損を防止できるため、小型で記憶容量の大きく安定し
て情報の記録再生を行える情報記録装置を提供できる等
の特長を有する。

【００７９】請求項１４によれば、浮上手段によりヘッ
ドをデータ記録領域及びヘッド滑走領域の浮上保証高さ
程度で浮上させ、ヘッドをデータ記録領域を滑走させた
状態で、ヘッド滑走領域とデータ記録領域との境界に近
づけた場合、ヘッドのヘッド滑走領域側は切欠部により
ヘッド滑走領域の浮上保証高さより低い部分が切り欠か
れているので、ヘッド滑走領域に上に位置しても記録媒
体に接触することがなく、よって、ヘッドのデータ記録
領域側をデータ記録領域の浮上保証高さを保ちつつ、ヘ
ッド滑走領域に近接できるので、データ記録領域のヘッ
ド滑走領域の近傍まで、データを記録することができ、
したがって、記録容量を向上でき、小型で大容量の情報
記録再生装置を実現できる等の特長を有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の浮上型ヘッドの第１実施例の斜視図で
ある。

【図２】本発明の浮上型ヘッドの第１実施例の全体の形
状を説明するための図である。

【図３】本発明の浮上型ヘッドの第１実施例のＡＢＳ面
の形状を説明するための図である。

【図４】本発明の浮上型ヘッドの第１実施例の滑走状態
を示す図である。

【図５】本発明の浮上型ヘッドの第１実施例のゾーンテ
クスチャ媒体のＣＳＳ領域とデータ領域との境界部分で
の滑走状態を示す図である。

【図６】本発明の浮上型ヘッドの第２実施例の斜視図で
ある。

【図７】本発明の浮上型ヘッドの第３実施例の斜視図で
ある。

【図８】本発明の浮上型ヘッドの第４実施例の斜視図で
ある。

【図９】本発明の浮上型ヘッドの第４実施例の要部の断
面図である。

【図１０】本発明の浮上型ヘッドの第４実施例の滑走状
態を示す図である。

【図１１】本発明の浮上型ヘッドの第４実施例のゾーン
テクスチャ媒体のＣＳＳ領域とデータ領域との境界部分
での滑走状態を示す図である。

【図１２】ゾーンテクスチャ媒体の概念図である。

【図１３】ゾーンテクスチャ媒体が搭載された磁気ディ
スク装置の概略構成図である。

【図１４】従来の浮上型ヘッドの一例の斜視図である。

【図１５】従来の浮上型ヘッドの一例の滑走状態を示す
図である。

【符号の説明】

１ ゾーンテクスチャ媒体 ２ ＣＳＳ領域 ３ データ領域 １０ 磁気ディスク装置 １１ ベース １２ スピンドルモータ １３ 磁気ヘッド １４ アーム １５ ボイスコイルモータ １００，２００，３００ 浮上型ヘッド １０１ ＡＢＳ面 １０２ インナレール １０３ アウタレール １０４，１０５ 段部 １０６ 凹部 １０７ ギャップ

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 若松 弘晃 神奈川県川崎市中原区上小田中４丁目１番 １号 富士通株式会社内 (72)発明者 澤井 厚 神奈川県川崎市中原区上小田中４丁目１番 １号 富士通株式会社内 (72)発明者 菖蒲田 普美雄 神奈川県川崎市中原区上小田中４丁目１番 １号 富士通株式会社内 (72)発明者 佐々木 雄史 神奈川県川崎市中原区上小田中４丁目１番 １号 富士通株式会社内

Claims (14)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 データを記録するデータ記録領域と該デ
   ータ記録領域へのアクセスを待機するヘッド滑走領域と
   で浮上保証高さが異なる記録媒体上を滑走し、該データ
   の記録再生を行う浮上型ヘッドにおいて、 前記データ記録領域側の浮上高さを前記データ記録領域
   の浮上保証高さ程度となるように滑走させる第１の浮上
   手段と、 前記ヘッド滑走領域側の浮上高さを前記ヘッド滑走領域
   の浮上保証高さ程度となるように滑走させる第２の浮上
   手段とを有することを特徴とする浮上型ヘッド。
2. 【請求項２】 前記第１の浮上手段は、前記記録媒体に
   対向する面の前記データ記録領域側に設けられた第１の
   レールであり、前記第１のレールの高さを浮上高さが前
   記データ記録領域の浮上保証高さ程度となるように設定
   し、 前記第２の浮上手段は、前記記録媒体に対向する面の前
   記ヘッド滑走領域側に設けられた第２のレールであり、
   前記第２のレールの高さを浮上高さが前記ヘッド滑走領
   域の浮上保証高さ程度となるように設定したことを特徴
   とする請求項１記載の浮上型ヘッド。
3. 【請求項３】 前記第１のレールは、前記記録媒体に対
   向する面に積層部材が形成され、前記積層部材の厚さを
   浮上高さが前記データ記録領域の浮上保証高さ程度とな
   るように設定し、 前記第２のレールは、前記記録媒体に対向する面に積層
   部材が形成され、前記積層部材の厚さを浮上高さが前記
   ヘッド滑走領域の浮上保証高さ程度となるように設定し
   たことを特徴とする請求項２記載の浮上型ヘッド。
4. 【請求項４】 前記第１のレールの高さは、前記第２の
   レールより高く設定されたことを特徴とする請求項２又
   は３記載の浮上型ヘッド。
5. 【請求項５】 前記第１の浮上手段は、前記記録媒体に
   対向する面の前記データ記録領域側に設けられた第１の
   レールであり、前記第１のレールの幅を浮上高さが前記
   データ記録領域の浮上保証高さ程度となるように設定
   し、 前記第２の浮上手段は、前記記録媒体に対向する面の前
   記ヘッド滑走領域側に設けられた第２のレールであり、
   前記第２のレールの幅を浮上高さが前記ヘッド滑走領域
   の浮上保証高さ程度となるように設定したことを特徴と
   する請求項１記載の浮上型ヘッド。
6. 【請求項６】 前記第１のレールの幅は、前記第２のレ
   ールより広く設定されたことを特徴とする請求項５記載
   の浮上型ヘッド。
7. 【請求項７】 データを記録するデータ記録領域と該デ
   ータ記録領域へのアクセスを待機するヘッド滑走領域と
   で浮上保証高さが異なる記録媒体上を滑走面が前記記録
   媒体の回転方向に傾斜しつつ、滑走し、該データの記録
   再生を行う浮上型ヘッドにおいて、 前記データ記録領域及び前記ヘッド滑走領域の浮上保証
   高さ程度で浮上させる浮上手段と、 前記データ記録領域を滑走するときに、前記ヘッド滑走
   領域側の前記ヘッド滑走領域の浮上保証高さより低い部
   分を切り欠くことにより形成された切欠部とを有するこ
   とを特徴とする浮上型ヘッド。
8. 【請求項８】 データを記録するデータ記録領域と該デ
   ータ記録領域へのアクセスを待機するヘッド滑走領域と
   で浮上保証高さが異なる記録媒体と、該記録媒体上を滑
   走し、該データの記録再生を行う浮上型ヘッドとを有す
   る情報記録再生装置において、 前記浮上型ヘッドは、前記データ記録領域側の浮上高さ
   を前記データ記録領域の浮上保証高さ程度となるように
   滑走させる第１の浮上手段と、 前記ヘッド滑走領域側の浮上高さを前記ヘッド滑走領域
   の浮上保証高さ程度となるように滑走させる第２の浮上
   手段とを有することを特徴とする情報記録再生装置。
9. 【請求項９】 前記第１の浮上手段は、前記記録媒体に
   対向する面の前記データ記録領域側に設けられた第１の
   レールであり、前記第１のレールの高さを浮上高さが前
   記データ記録領域の浮上保証高さ程度となるように設定
   し、 前記第２の浮上手段は、前記記録媒体に対向する面の前
   記データ記録領域側に設けられた第２のレールであり、
   前記第２のレールの高さを浮上高さが前記ヘッド滑走領
   域の浮上保証高さ程度となるように設定したことを特徴
   とする請求項８記載の情報記録再生装置。
10. 【請求項１０】 前記第１のレールは、前記記録媒体に
    対向する面に積層部材が形成され、前記積層部材の厚さ
    を浮上高さが前記データ記録領域の浮上保証高さ程度と
    なるように設定し、 前記第２のレールは、前記記録媒体に対向する面に積層
    部材が形成され、前記積層部材の厚さを浮上高さが前記
    ヘッド滑走領域の浮上保証高さ程度となるように設定し
    たことを特徴とする請求項９記載の情報記録再生装置。
11. 【請求項１１】 前記第１のレールの高さは、前記第２
    のレールより高く設定されたことを特徴とする請求項１
    ０又は１１記載の情報記録再生装置。
12. 【請求項１２】 前記第１の浮上手段は、前記記録媒体
    に対向する面の前記データ記録領域側に設けられた第１
    のレールであり、前記第１のレールの幅を浮上高さが前
    記データ記録領域の浮上保証高さ程度となるように設定
    し、 前記第２の浮上手段は、前記記録媒体に対向する面の前
    記ヘッド滑走領域側に設けられた第２のレールであり、
    前記第２のレールの幅を浮上高さが前記ヘッド滑走領域
    の浮上保証高さ程度となるように設定したことを特徴と
    する請求項９記載の情報記録再生装置。
13. 【請求項１３】 前記第１のレールの幅は、前記第２の
    レールより広く設定されたことを特徴とする請求項１３
    記載の情報記録再生装置。
14. 【請求項１４】 データを記録するデータ記録領域と該
    データ記録領域へのアクセスを待機するヘッド滑走領域
    とで浮上保証高さが異なる記録媒体と、該記録媒体上を
    滑走面が前記記録媒体の回転方向に傾斜しつつ、滑走
    し、該データの記録再生を行う浮上型ヘッドとを有する
    情報記録再生装置において、 前記データ記録領域及び前記ヘッド滑走領域の浮上保証
    高さ程度で浮上させる浮上手段と、 前記データ記録領域を滑走するときに、前記ヘッド滑走
    領域側の前記ヘッド滑走領域の浮上保証高さより低い部
    分を切り欠くことにより形成された切欠部とを有するこ
    とを特徴とする情報記録再生装置。