JPH10259615A - 地下構造物の構築工法 - Google Patents

地下構造物の構築工法

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JPH10259615A
JPH10259615A JP9085802A JP8580297A JPH10259615A JP H10259615 A JPH10259615 A JP H10259615A JP 9085802 A JP9085802 A JP 9085802A JP 8580297 A JP8580297 A JP 8580297A JP H10259615 A JPH10259615 A JP H10259615A
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Sadafumi Inoue
貞文 井上
Koji Suzuki
功司 鈴木
Ryosuke Abe
良輔 阿部
Tatsuro Miyazono
達郎 宮園
Hideo Iida
秀夫 飯田
Takuya Masuda
拓也 増田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】柱周囲の埋め戻し作業を不要にする。 【解決手段】本発明に係る構築工法においては、まず、
柱用掘削孔及び杭用掘削孔を形成するとともに(ステッ
プ101〜102)、杭用掘削孔内には現場打ち基礎杭
を造成する(ステップ103)。次に、柱用掘削孔内に
型枠を建て込み(ステップ104)、該型枠と柱用掘削
孔の孔壁面との間にモルタルを充填する(ステップ10
5)。充填されたモルタルが固化したならば、型枠を上
方に吊り上げてこれを撤去し(ステップ106)、モル
タルで孔壁が保護された柱用掘削孔内に柱を構築する
(ステップ107)。柱が構築されたならば、隣り合う
柱間に拡がる柱間領域を掘削しつつ、本体地下スラブを
構築して1に連結する(ステップ108)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、地下構造物、特
に、逆巻工法における基礎杭および柱の構築工法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】地下に構造物を構築する方法としては、
土留め支保工で土圧を支持しながら地盤の掘削を行い、
しかる後に掘削底面より構造物を上方に向けて構築する
のが一般的であるが、これとは逆に、掘削を行いつつ構
造物を下方に向けて構築する、いわゆる逆巻工法があ
る。かかる工法は、本体構造スラブあるいは本体構造壁
を支保工代わりに利用することができるので、施工の安
全性や土留め変形の抑制という点では有利な工法とな
る。
【0003】このような逆巻工法のうち、地下部分の柱
とそれに続く基礎杭とを先行施工する場合においては、
まず、深礎工法、ベノト工法(オールケーシング)、リ
バースサーキュレーション等の工法を用いて柱及び基礎
杭が立設される箇所をそれらの合計長さ分だけ掘り下げ
る。次に、掘削孔の下方領域に場所打ちコンクリートで
基礎杭を構築し、しかる後に該基礎杭の上に柱を建て込
む。そして、柱間に拡がる地盤領域を掘削しては本体地
下スラブを柱に連結するという手順を繰り返すことによ
って、地下構造物を下方に向けて順次構築していく。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ここで、柱が建て込ま
れた掘削孔の孔壁をそのままにして柱間に拡がる地盤領
域を掘削すると、孔壁の崩壊によって柱に不均等な土圧
が作用し、柱の鉛直精度に支障をきたすおそれがある。
そのため、柱と孔壁との間に生じている空隙部に砕石や
貧配合モルタルを充填して柱周囲を埋め戻す必要がある
が、埋め戻しが均等に行われなかった場合には、結局、
上述した柱の鉛直精度、ひいては構造物の構築精度に悪
影響をおよぼすおそれがあるという問題を生じていた。
また、埋め戻した部分については、後で掘削若しくはハ
ツリによって除去しなければならず、二重の手間がかか
ってコスト高の原因となっていた。
【0005】本発明は、上述した事情を考慮してなされ
たもので、柱周囲を埋め戻す必要のない地下構造物の構
築工法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明に係る地下構造物の構築工法は請求項1に記
載したように、地盤に形成された柱用掘削孔内に柱を先
行施工し、しかる後に該柱に本体地下スラブを連結しな
がら前記柱間の地盤領域を掘削する地下構造物の構築工
法において、前記柱間の地盤領域を掘削する工程に先立
ち、前記柱用掘削孔内に型枠を建て込み、該型枠と前記
柱用掘削孔の壁面との間にモルタル等の固化材を充填
し、該固化材が固化した後、前記型枠を撤去するもので
ある。
【0007】また、本発明に係る地下構造物の構築工法
は、前記固化材が固化する前に前記柱用掘削孔の内面に
設置されているケーシングを引き抜くものである。
【0008】また、本発明に係る地下構造物の構築工法
は、前記固化材が固化した後、前記柱用掘削孔内に満た
されている泥水等の安定液を排出し、しかる後に該孔内
に前記柱を先行施工するものである。
【0009】本発明に係る地下構造物の構築工法におい
ては、柱が設置される柱用掘削孔内に型枠を建て込み、
該型枠と柱用掘削孔の壁面との間にモルタル等の固化材
を充填して固化させ、しかる後に柱間に拡がる地盤領域
を掘削しつつ地下スラブの構築を行う。
【0010】このようにすると、柱用掘削孔の壁面が固
化材によって保護されるので、柱の周囲に埋め戻しを行
わずとも、柱間領域の地盤掘削を行う際に孔壁が崩壊し
て柱に不均等な力が作用することはない。
【0011】柱については、地上で組み立てられた鉄骨
柱を建て込むようにしてもよいし、RC柱を現場打ちで
構築するようにしてもよい。なお、柱の下方に基礎杭を
設けるのかどうか、設けるとすればどのような基礎杭を
どのような工法で構築するのかといった点については、
地盤の支持力等を考慮して設計上の観点から任意に定め
ればよい。また、型枠の建込み、固化材の充填及び型枠
の撤去という一連の工程については、柱の設置前に行っ
てもよいし設置後に行ってもよい。
【0012】ここで、柱を先行施工するための柱用掘削
孔を掘削するにあたり、孔壁保護としてケーシングを使
用するか泥水等を使用するかあるいは併用するかは任意
であり、地下水位の高さ等を考慮してベノト(オールケ
ーシング)、アースドリル、リバースサーキュレーショ
ン等の工法から任意に選択することができる。
【0013】なお、ケーシングを使用する場合には、前
記固化材が固化する前に前記柱用掘削孔の内面に設置さ
れているケーシングを引き抜くようにする。また、泥水
等の安定液を使用する場合には、前記固化材が固化した
後、前記孔内に満たされている安定液を排出し、しかる
後に該孔内に前記柱を先行施工するようにすれば、ドラ
イな状態で柱の施工を行うことが可能となる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る地下構造物の
構築工法の実施の形態について、添付図面を参照して説
明する。
【0015】図1は、本実施形態に係る地下構造物の構
築工法の手順を示したフローチャート、図2乃至図6
は、各工程における施工説明図である。これらの図でわ
かるように、本実施形態に係る構築工法においては、ま
ず、図2(a)に示すように柱用ケーシング1を地盤2に
圧入しながら該ケーシング内をハンマーグラブ3で掘削
し、柱用掘削孔4を形成する(ステップ101)。ケー
シングの外径は例えば3m程度とし、その圧入に先だっ
てパワージャッキを適宜地表に設置しておく。
【0016】次に、図2(b)に示すように、柱用掘削孔
4の底面からケーシングチューブ5を圧入しつつ該チュ
ーブ内を同じくハンマーグラブ3で掘削して杭用掘削孔
6を形成する(ステップ102)。ケーシングチューブ
5の外径は、例えば2m程度とすればよい。なお、かか
る工程では、地下水位以下まで掘削を行うことを想定
し、ケーシングチューブ内5を泥水若しくは清水7で満
たしてある。
【0017】次に、図3(a)に示すように、杭用掘削孔
6内に現場打ち基礎杭11を造成する(ステップ10
3)。現場打ち基礎杭11を造成するにあたっては、泥
水若しくは清水7中に含まれる土粒子のスライム処理を
行った後、杭用掘削孔6内に鉄筋篭13及びトレミー管
12を建て込み、該トレミー管を介してコンクリート1
4を打設すればよい。なお、ケーシングチューブ5は、
コンクリートの打設の進行に合わせて上方に吊り上げ、
杭用掘削孔6から引き抜く。
【0018】基礎杭11の造成が完了したならば、その
杭頭部を適宜処理した後、図3(b)に示すように柱用掘
削孔4内に型枠としての円形型枠16を建て込み、該掘
削孔の底面に据え付ける(ステップ104)。なお、円
形型枠16は、適宜転用することができる。
【0019】次に、図4(a)に示すように、円形型枠1
6とケーシング1との隙間から固化材としてのモルタル
21を投入し、該モルタルを円形型枠16の外周面と柱
用掘削孔4の孔壁面22との間に充填するとともに、該
充填作業と並行してケーシング1を上方に吊り上げ、柱
用掘削孔4から引き抜く(ステップ105)。なお、ケ
ーシング1の引き抜きは、モルタル21が固化する前で
あれば、充填作業が終了してから行ってもよい。
【0020】充填されたモルタル21が固化したなら
ば、図4(b)に示すように、円形型枠16を上方に吊り
上げてこれを撤去する(ステップ106)。
【0021】次に、図5に示すように、モルタル21で
孔壁が保護された柱用掘削孔4の底面に基礎底板33を
構築するとともに、該底板上に柱31を構築する(ステ
ップ107)。なお、基礎スラブが連結される箇所に
は、差し筋等が設けられた接続部位32を適宜設けてお
く。
【0022】このようにして柱31が構築されたなら
ば、図6(a)に示すように、隣り合う柱31、31の間
に拡がる柱間領域41を掘削しつつ、本体地下スラブ4
2を構築して柱31に連結する(ステップ108)。柱
用掘削孔4の孔壁面に形成されているモルタル21につ
いては、柱間領域41の掘削と並行しながら、順次切り
崩していくようにすればよい。
【0023】以下、ステップ108を適宜繰り返し、同
図(b)に示すような地下構造物を構築する。
【0024】以上説明したように、本実施形態に係る地
下構造物の構築工法によれば、柱31が設置される柱用
掘削孔4内に円形型枠16を建て込み、該型枠と柱用掘
削孔4の壁面22との間にモルタル21を充填して固化
させ、しかる後に柱間に拡がる地盤領域41を掘削しつ
つ地下スラブ42の構築を行うようにしたので、柱用掘
削孔4の壁面22を固化材21によって保護することが
可能となり、従来のように柱31の周囲に埋め戻しを行
わずとも、柱間領域41の地盤掘削を行う際に孔壁22
が崩壊して柱31に不均等な力が作用するおそれがなく
なる。
【0025】したがって、埋め戻し作業及びそれに用い
た砕石、モルタル等の再掘削若しくはハツリ作業並びに
それらの搬出作業がなくなり、全体工程を大幅に短縮す
ることが可能となる。
【0026】また、従来であれば、せっかく埋め戻しを
行っても、その圧力が均等でない場合には柱の鉛直精度
に問題が生ずるおそれがあったが、本実施形態によれ
ば、埋め戻し作業そのものを行わないので、柱の鉛直精
度に問題が生ずるおそれがまったくなくなる。
【0027】本実施形態では、地下水位が比較的深く、
柱用掘削孔4を掘削する際にケーシング1を使用してそ
の内部をドライな状態とすることができることを想定し
たが、地下水位が比較的浅い場合には、かかる構成に代
えて、ケーシングの代わりにあるいはケーシングととも
に泥水等の安定液によって孔壁を保護するようにしても
よい。
【0028】すなわち、泥水等の安定液で孔壁の保護を
図りながら柱用掘削孔4を掘削した後、ステップ102
〜ステップ104と同様にして、杭用掘削孔6の掘削、
基礎杭11の造成、及び円形型枠16の据付けを行い、
しかる後に、図7(a)に示すように、円形型枠16と柱
用掘削孔4の孔壁面22との間にモルタル21を充填す
る。
【0029】モルタル21は、水中不分離性のものを使
用してもよいし、小径のトレミー管を介して充填するよ
うにしてもよい。
【0030】次に、充填されたモルタル21が固化した
ならば、図7(b)に示すように、円形型枠16を上方に
吊り上げてこれを撤去するとともに、安定液51を排出
して柱用掘削孔4内をドライな状態とし、以下、ステッ
プ107〜108と同様の手順で地下構造物の構築を行
う。
【0031】このような変形例によっても、上述の実施
形態とほぼ同様の効果を奏するほか、従来であれば、泥
水内での柱構築を余儀なくされるような地盤状況におい
ても、モルタル21によって地下水の流入を遮断して柱
用掘削孔4内をドライな状態にすることができるので、
柱の構築時の作業性を改善するとともにその鉛直精度を
十分に確保することが可能となる。なお、地下水位等と
の関連で安定液51を排出することが困難な場合には、
これをそのまま孔内に満たした状態で柱を建て込むよう
にしてもよい。かかる構成においては、柱の建込みの作
業性や鉛直精度といった点については、泥水中での施工
ゆえ、ドライ施工に比べてやや劣るが、埋め戻しが不要
になることによる効果については上述の実施形態とほぼ
同様の効果を奏する。
【0032】また、本実施形態では、柱の構造をRC柱
としたが、柱の構造については任意であり、地上で組み
立てられた鉄骨柱を柱用掘削孔4内に建て込むようにし
てもよい。
【0033】また、本実施形態では、柱の下方に基礎杭
を設けるようにしたが、基礎杭を構築することが必ずし
も前提ではなく、地盤の支持力が良好で杭が必要ないよ
うな場合には、かかる基礎杭を省略してもよい。
【0034】また、本実施形態では、円形型枠16の建
込み、モルタル21の充填及び円形型枠16の撤去とい
う一連の工程を柱31の設置前に行ったが、場合によっ
ては柱31の設置後に行っても差し支えない。
【0035】
【発明の効果】以上述べたように、請求項1に係る本発
明の地下構造物の構築工法によれば、従来のように柱の
周囲に埋め戻しを行う必要がなくなり、埋め戻し作業等
が省略され、全体工程を短縮することが可能となるとと
もに、埋め戻し作業を行わないことによって、柱の鉛直
精度に問題が生ずるおそれもなくなる。
【0036】また、請求項2に係る本発明の地下構造物
の構築工法によれば、ケーシングを使用する工法におい
て請求項1と同様の効果を奏する。
【0037】また、請求項3に係る本発明の地下構造物
の構築工法によれば、請求項1の効果に加えて、従来で
あれば、泥水内での柱構築を余儀なくされるような地盤
状況においても、固化材によって地下水を遮断して柱用
掘削孔内をドライな状態にすることができるので、柱の
構築時の作業性を改善するとともにその鉛直精度を十分
に確保することが可能となるという効果も奏する。
【0038】
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態に係る地下構造物の構築工法の手順
を示したフローチャート。
【図2】本実施形態に係る構築工法の施工手順を示した
ものであり、(a)は柱用掘削孔、(b)は杭用掘削孔を形成
している様子をそれぞれ示した断面図。
【図3】引き続き施工手順を示したものであり、(a)は
基礎杭を造成している様子、(b)は柱用掘削孔に型枠を
建て込んでいる様子をそれぞれ示した断面図。
【図4】引き続き施工手順を示したものであり、(a)は
型枠の周囲にモルタルを充填している様子、(b)は型枠
を撤去している様子をそれぞれ示した断面図。
【図5】引き続き施工手順を示したものであり、柱用掘
削孔内に柱を構築している様子を示した断面図。
【図6】引き続き施工手順を示したものであり、(a)は
地下スラブを柱に連結しつつ柱間に拡がる地盤領域を掘
削している様子、(b)は完成された地下構造物をそれぞ
れ示した断面図。
【図7】変形例に係る施工手順を示したものであり、
(a)は型枠の周囲にモルタルを充填している様子、(b)は
型枠を撤去している様子をそれぞれ示した図。
【符号の説明】
1 ケーシング 4 柱用掘削孔 5 ケーシングチューブ 6 杭用掘削孔 16 円形型枠(型枠) 21 モルタル(固化材) 22 柱用掘削孔の孔壁 31 柱 42 地下スラブ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宮園 達郎 東京都千代田区神田司町2丁目3番地 株 式会社大林組東京本社内 (72)発明者 飯田 秀夫 東京都千代田区神田司町2丁目3番地 株 式会社大林組東京本社内 (72)発明者 増田 拓也 東京都千代田区神田司町2丁目3番地 株 式会社大林組東京本社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 地盤に形成された柱用掘削孔内に柱を先
    行施工し、しかる後に該柱に本体地下スラブを連結しな
    がら前記柱間の地盤領域を掘削する地下構造物の構築工
    法において、 前記柱間の地盤領域を掘削する工程に先立ち、前記柱用
    掘削孔内に型枠を建て込み、該型枠と前記柱用掘削孔の
    壁面との間にモルタル等の固化材を充填し、該固化材が
    固化した後、前記型枠を撤去することを特徴とする地下
    構造物の構築工法。
  2. 【請求項2】 前記固化材が固化する前に前記柱用掘削
    孔の内面に設置されているケーシングを引き抜く請求項
    1記載の地下構造物の構築工法。
  3. 【請求項3】 前記固化材が固化した後、前記柱用掘削
    孔内に満たされている泥水等の安定液を排出し、しかる
    後に該孔内に前記柱を先行施工する請求項1記載の地下
    構造物の構築工法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002349170A (ja) * 2001-05-25 2002-12-04 Kakutou:Kk オールケーシング工法およびオールケーシング工法用滑材充填装置
JP4623863B2 (ja) * 2001-05-25 2011-02-02 株式会社角藤 オールケーシング工法およびオールケーシング工法用滑材充填装置

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