JPH10257346A - 水平リニアリティ補正回路及びこれを用いた画像装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】任意の水平周波数が入力されても水平リニアリ
ティが最適になるよう制御できる技術を提供する。 【解決手段】Ｓ字補正コンデンサＣ２に流す偏向電流を
水平周波数制御電圧に変化させる構成の補正手段を備え
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は水平リニアリティの
調整及び水平周波数の相違に起因する特性劣化の自動補
正を行う水平リニアリティ補正回路に関する。

【０００２】

【従来の技術】種々の水平周波数、例えば３０ｋＨｚ〜
１００ｋＨｚに対応するマルチスキャンディスプレイ装
置、マルチスキャンテレビジョン受信機等では、水平リ
ニアリティを水平周波数に応じて最適に補正する必要が
ある。

【０００３】従来の技術では、上記問題を解決するため
に、入力された水平周波数を任意に区切り、例えば、３
０〜４０ｋＨｚ，４１〜５０ｋＨｚといった各水平周波
数帯とモードを決定する。それによりモードと同等数の
Ｓ字補正コンデンサを使用し、モードによりＳ字補正コ
ンデンサを組み合わせ、それによる容量の増減で、例え
ば、３０〜４０ｋＨｚはモード１でＳ字補正コンデンサ
１〜６入力、４１〜５０ｋＨｚではモード２としＳ字補
正コンデンサ１を除く全て入力といった偏向電流の分配
により補正を行う。また、その区切られた周波数帯の中
で最も主要な水平周波数、例えば、３０〜４０ｋＨｚの
モード中の３５ｋＨｚに照準を合わせて補正するもので
あった。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】上記従来技術では、Ｓ
字補正コンデンサ等の定数のばらつきにより、同じ水平
周波数でもセット間で補正量が異なることや、同じ周波
数帯でも主要な水平周波数に照準を合わせるため同じモ
ード内の他の周波数では特性劣化することや、また、モ
ードと同等数のＳ字補正コンデンサが必要なことや、さ
らに、それを制御するトランジスタ等が必要となり基板
面積拡大やコストアップにもつながること等の点で問題
であった。

【０００５】本発明の目的は、部品定数のばらつきによ
る補正量の相違、及び、設定した主要な水平周波数外の
水平リニアリティの劣化等の問題を解決するために、任
意の水平周波数においてもＳ字補正コンデンサ等の定数
のばらつきを吸収でき、かつ、モード切換不要、部品点
数削減、コストダウン可能な技術を提供することにあ
る。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明では、Ｓ字補正コンデンサを有した水平リニ
アリティ補正回路において、Ｓ字補正コンデンサＣ２に
流す偏向電流を水平周波数制御電圧で変化させる補正手
段を備えた。

【０００７】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図１によ
り説明する。

【０００８】図１は本発明の一実施例を示す回路図であ
る。

【０００９】図１において、Ｃ１は、偏向ヨークＤＹ及
び水平リニアリティ補正コイルＬＩＮ．ＣＯＩＬに直列
接続され常時電流が流れるＳ字補正コンデンサ、Ｃ２は
Ｃ１に並列接続され水平周波数に応じ電流量が変えられ
るＳ字補正コンデンサ、Ｑ１は水平周波数に応じた制御
電圧（水平周波数を電圧変換したもの、すなわち水平周
波数制御電圧）を用いトランジスタＱ２のベース電圧を
制御するオペアンプ（負帰還増幅器）、Ｑ２は、オペア
ンプ１の出力電圧によりＳ字補正コンデンサＣ２に流す
電流を制御するエミッタ接地型のトランジスタ、Ｒ１〜
Ｒ３はオペアンプのプラス端子に基準電圧を分圧して供
給する分圧回路、Ｒ４〜Ｒ５はオペアンプＱ１の利得を
決定する抵抗器、Ｒ６はトランジスタＱ２のエミッタ抵
抗である。該水平周波数制御電圧を基準電圧としてオペ
アンプＱ１でトランジスタＱ２のベース電圧を制御する
ことにより、Ｓ字補正コンデンサＣ２に流す電流を制御
する。また、オペアンプＱ１の基準電圧は可変抵抗で調
整する。

【００１０】図１において、セットに任意の水平周波数
が入力されるとそれに応じた水平周波数制御電圧（例え
ば３０〜１００ｋＨｚでＤＣ１〜５Ｖ）がオペアンプＱ
１のマイナス端子に入力されるとオペアンプＱ１の出力
端子に（Ｒ５／Ｒ４）倍の電圧が発生し、その電圧がト
ランジスタＱ２のベースに供給される。

【００１１】この動作により、ミッタ接地トランジスタ
Ｑ２のベース電圧が水平周波数に追従し変化することに
より、コレクタ電流も追従することになる。また、Ｃ＝
（Ｋ・Ｔ／π）²・（２／Ｌ）（Ｋ：係数、Ｔ：画面表
示時間μｓ、Ｌ：偏向ヨーク、水平リニアリティコイル
のインダクタンスμＨ）から表示時間Ｔが大＝水平周波
数大であるため水平周波数低く変化した場合Ｓ字コンデ
ンサ容量は増加しなければならない。よって、水平周波
数が低く変化するとオペアンプＱ１の出力電圧は上がる
ため、トランジスタＱ２のベース電圧も上がり、コレク
タ電流が増加する。即ち、Ｓ字補正コンデンサＣ２に流
れる偏向電流も増加する。逆に水平周波数が高く変化す
るとＳ字補正コンデンサＣ２に流れる電流は、減少す
る。このことにより、従来行ってきたＳ字補正コンデン
サの容量の組み合わせによる増減ではなく、前記Ｓ字コ
ンデンサＣ２に流す電流を変化させることで同等の制御
を行うことができる。

【００１２】また、オペアンプＱ１のプラス端子に分圧
回路Ｒ１〜Ｒ３を付加し、Ｒ２に可変抵抗を設け、電圧
を変えることでＳ字補正コンデンサＣ、オペアンプＱ１
の利得等の部品の定数ばらつきも吸収し、簡単な調整に
て最適化できる。

【００１３】

【発明の効果】本発明によれば、部品定数のばらつきを
容易に吸収でき、あらゆる水平周波数に対しても水平リ
ニアリティを最適に補正でき、回路の簡易化と小型化、
コスト低減化等を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を示す回路。

【符号の説明】

Ｑ１…オペアンプ、 Ｑ２…トランジスタ、 Ｃ…Ｓ字補正コンデンサ、 Ｃ…制御用Ｓ字補正コンデンサ、 Ｒ１〜３…分圧回路。

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】Ｓ字補正コンデンサを備えた水平リニアリ
   ティ補正回路において、 上記Ｓ字補正コンデンサに流す偏向電流を水平周波数制
   御電圧で変化させる補正手段を備えたことを特徴とする
   水平リニアリティ補正回路。
2. 【請求項２】上記補正手段は、上記Ｓ字補正コンデンサ
   にコレクタが接続され上記水平周波数制御電圧に基づき
   ベース電圧が制御されコレクタ電流が変化するトランジ
   スタを備えた構成である請求項１に記載の水平リニアリ
   ティ補正回路。
3. 【請求項３】上記補正手段は、水平周波数制御電圧が入
   力されるオペアンプを備え、上記オペアンプの出力に基
   づき上記トランジスタのベース電圧が抑制される請求項
   ２に記載の水平リニアリティ補正回路。
4. 【請求項４】Ｓ字補正コンデンサを有した水平リニアリ
   ティ補正回路を備えた画像装置において、 上記水平リニアリティ補正回路は、上記Ｓ字補正コンデ
   ンサに流す偏向電流を水平周波数制御電圧で変化させる
   補正手段を備えたことを特徴とする画像装置。