JPH10255454A - ポリウレタンフォーム製ハードディスク装置用防音材 - Google Patents
ポリウレタンフォーム製ハードディスク装置用防音材Info
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- JPH10255454A JPH10255454A JP9079086A JP7908697A JPH10255454A JP H10255454 A JPH10255454 A JP H10255454A JP 9079086 A JP9079086 A JP 9079086A JP 7908697 A JP7908697 A JP 7908697A JP H10255454 A JPH10255454 A JP H10255454A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 優れた防音性、更には難燃性を有するポリウ
レタンフォーム製ハードディスク装置用防音材を提供す
る。 【解決手段】 このハードディスク装置用防音材は、特
定のポリエステルポリオールとポリエーテル系ポリオー
ルとを使用することにより、また、これにポリエステル
ポリエーテルポリオール等を更に併用することにより得
られるポリウレタンフォームからなり、加水分解し難
く、通気性が低く、且つ防音性に優れる。更に、特に、
三酸化アンチモンと特定の常温で個体の有機臭素系化合
物とを併用することにより、優れた難燃性をも併せ有す
る防音材とすることもできる。この防音性及び難燃性に
優れた防音材は、ハードディスク装置において、特に回
路基板と、この回路基板と駆動モータ等とを隔てる隔壁
との間に圧縮、介装されて使用され、ハードディスク装
置から発生する騒音が効果的に低減される。
レタンフォーム製ハードディスク装置用防音材を提供す
る。 【解決手段】 このハードディスク装置用防音材は、特
定のポリエステルポリオールとポリエーテル系ポリオー
ルとを使用することにより、また、これにポリエステル
ポリエーテルポリオール等を更に併用することにより得
られるポリウレタンフォームからなり、加水分解し難
く、通気性が低く、且つ防音性に優れる。更に、特に、
三酸化アンチモンと特定の常温で個体の有機臭素系化合
物とを併用することにより、優れた難燃性をも併せ有す
る防音材とすることもできる。この防音性及び難燃性に
優れた防音材は、ハードディスク装置において、特に回
路基板と、この回路基板と駆動モータ等とを隔てる隔壁
との間に圧縮、介装されて使用され、ハードディスク装
置から発生する騒音が効果的に低減される。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、加水分解し難く、
且つ通気度の値が大きく、低通気性であり、ダンピング
性能等に優れたポリウレタンフォームからなるハードデ
ィスク装置用防音材(以下、「HDD用防音材」とい
う。)に関する。また、本発明においては、難燃剤とし
て、特に、三酸化アンチモンと常温で固体の有機臭素系
化合物とを併用することにより、耐久性、耐汚染性等に
優れ、且つ良好な難燃性を備えるHDD用防音材とする
ことができる。本発明のHDD用防音材は、ハードディ
スク装置の内面の適宜の所要箇所に装着して用いること
ができる。
且つ通気度の値が大きく、低通気性であり、ダンピング
性能等に優れたポリウレタンフォームからなるハードデ
ィスク装置用防音材(以下、「HDD用防音材」とい
う。)に関する。また、本発明においては、難燃剤とし
て、特に、三酸化アンチモンと常温で固体の有機臭素系
化合物とを併用することにより、耐久性、耐汚染性等に
優れ、且つ良好な難燃性を備えるHDD用防音材とする
ことができる。本発明のHDD用防音材は、ハードディ
スク装置の内面の適宜の所要箇所に装着して用いること
ができる。
【0002】
【従来の技術】パーソナルコンピュータの性能向上にと
もない、大量のデータを記憶する媒体であるハードディ
スクを用いたシステムの重要性が高まっている。しか
し、コンピュータのハードディスク装置からは、駆動モ
ータ、ハードディスク等の回転音など、それほどの音量
ではないが騒音が発生しており、その静粛化が望まれて
いる。
もない、大量のデータを記憶する媒体であるハードディ
スクを用いたシステムの重要性が高まっている。しか
し、コンピュータのハードディスク装置からは、駆動モ
ータ、ハードディスク等の回転音など、それほどの音量
ではないが騒音が発生しており、その静粛化が望まれて
いる。
【0003】一方、コンピュータの技術分野において
は、ソフトウェアシステムの規模の拡大及び使用方法の
進歩によりデータの大容量化が進んでいる。また、中央
演算装置の改良によるデータ処理速度の向上にともな
い、データ転送速度及びデータ書き込み速度の向上にも
著しいものがある。このような技術的な進歩によって、
以前は10〜20メガバイト(MB)程度であったハー
ドディスクの記憶容量は、現在では1000MBを越え
るほどに大容量化している。
は、ソフトウェアシステムの規模の拡大及び使用方法の
進歩によりデータの大容量化が進んでいる。また、中央
演算装置の改良によるデータ処理速度の向上にともな
い、データ転送速度及びデータ書き込み速度の向上にも
著しいものがある。このような技術的な進歩によって、
以前は10〜20メガバイト(MB)程度であったハー
ドディスクの記憶容量は、現在では1000MBを越え
るほどに大容量化している。
【0004】しかし、コンピュータにおける上記の技術
改革は、装置の静粛化とは相入れないものである。即
ち、それら技術上の改良、開発を進めようとすると、ハ
ードディスクの数が増え、装置の重量及び振動が増加す
る。また、ピックアップの作動速度の高まりによる騒音
が増加し、更に、ディスクの回転数が増すことによる騒
音、振動も高くなる。このようにコンピュータの騒音、
振動が問題になる中で、パーソナルコンピュータは、オ
フィスなどに比べて静かな一般家庭にも急速に普及しつ
つあり、静粛性に対する要求はより高まっている。
改革は、装置の静粛化とは相入れないものである。即
ち、それら技術上の改良、開発を進めようとすると、ハ
ードディスクの数が増え、装置の重量及び振動が増加す
る。また、ピックアップの作動速度の高まりによる騒音
が増加し、更に、ディスクの回転数が増すことによる騒
音、振動も高くなる。このようにコンピュータの騒音、
振動が問題になる中で、パーソナルコンピュータは、オ
フィスなどに比べて静かな一般家庭にも急速に普及しつ
つあり、静粛性に対する要求はより高まっている。
【0005】上記のような騒音、振動を軽減するため、
従来より、特にハードディスク装置の駆動部と制御部と
を隔てる隔壁には吸音材が装着されている。この駆動部
には、ハードディスク駆動用モータ等が配置されてお
り、制御部には、データの転送、記録等を行うための回
路基板が配設されている。また、この回路基板は、吸音
材を介してボルトによって隔壁に固定されている。この
ようにして、駆動モータ、ハードディスク等の回転にと
もなう振動を吸音材によって吸収し、騒音を軽減する構
造となっている。このような吸音材としては、従来よ
り、軟質ポリウレタンフォーム系の防音材が多用されて
いる。そして、この軟質ポリウレタンフォーム(以下、
「軟質フォーム」という。)としては、一般のフォーム
に比べて通気性が低く、空気が透過し難いものが使用さ
れている。
従来より、特にハードディスク装置の駆動部と制御部と
を隔てる隔壁には吸音材が装着されている。この駆動部
には、ハードディスク駆動用モータ等が配置されてお
り、制御部には、データの転送、記録等を行うための回
路基板が配設されている。また、この回路基板は、吸音
材を介してボルトによって隔壁に固定されている。この
ようにして、駆動モータ、ハードディスク等の回転にと
もなう振動を吸音材によって吸収し、騒音を軽減する構
造となっている。このような吸音材としては、従来よ
り、軟質ポリウレタンフォーム系の防音材が多用されて
いる。そして、この軟質ポリウレタンフォーム(以下、
「軟質フォーム」という。)としては、一般のフォーム
に比べて通気性が低く、空気が透過し難いものが使用さ
れている。
【0006】軟質フォームには、ポリエステルポリオー
ルを使用して得られるエステル系フォームと、ポリエー
テルポリオールを使用して得られるエーテル系フォーム
の2種類がある。エステル系フォームは、セルが細か
く、機械的強度等に優れているが、エステル結合の加水
分解による強度低下という大きな問題を有する。一方、
エーテル系フォームは、加水分解という点では、エステ
ル系フォームに比べて非常に優れている。しかし、加熱
成形による強度、伸びの低下が大きい等の問題がある。
ルを使用して得られるエステル系フォームと、ポリエー
テルポリオールを使用して得られるエーテル系フォーム
の2種類がある。エステル系フォームは、セルが細か
く、機械的強度等に優れているが、エステル結合の加水
分解による強度低下という大きな問題を有する。一方、
エーテル系フォームは、加水分解という点では、エステ
ル系フォームに比べて非常に優れている。しかし、加熱
成形による強度、伸びの低下が大きい等の問題がある。
【0007】また、ポリエステルポリオールとポリエー
テルポリオールとを併用し、エステル系フォームとエー
テル系フォームの長所を併せ有するフォームを開発する
ことも考えられている。しかし、汎用の両ポリオールで
は相溶性に劣り、通常、ポリエステルポリオールを少な
くとも50重量%以上、特に80重量%以上にしない
と、均一に混合することはできず、相分離を生じて、正
常なフォームを得ることはできない。しかし、ポリエス
テルポリオールを上記のように大量に配合した場合、物
性等のバランスのよいフォームを得ることはできない。
テルポリオールとを併用し、エステル系フォームとエー
テル系フォームの長所を併せ有するフォームを開発する
ことも考えられている。しかし、汎用の両ポリオールで
は相溶性に劣り、通常、ポリエステルポリオールを少な
くとも50重量%以上、特に80重量%以上にしない
と、均一に混合することはできず、相分離を生じて、正
常なフォームを得ることはできない。しかし、ポリエス
テルポリオールを上記のように大量に配合した場合、物
性等のバランスのよいフォームを得ることはできない。
【0008】更に、HDD用防音材では、優れた難燃性
を有することが必要とされているが、軟質フォームの原
料は液状であり、粉体等、固体の難燃剤は均一に分散、
混合することが難しい。そのため、従来、液状のハロゲ
ン化リン酸エステルが多用されている。この難燃剤はイ
ソシアネート基と反応する活性水素を有さないため、発
泡反応に影響を及ぼさず、添加量によって容易に難燃性
をコントロールすることができる等の長所を有してい
る。
を有することが必要とされているが、軟質フォームの原
料は液状であり、粉体等、固体の難燃剤は均一に分散、
混合することが難しい。そのため、従来、液状のハロゲ
ン化リン酸エステルが多用されている。この難燃剤はイ
ソシアネート基と反応する活性水素を有さないため、発
泡反応に影響を及ぼさず、添加量によって容易に難燃性
をコントロールすることができる等の長所を有してい
る。
【0009】しかし、この種の難燃剤は可塑剤として作
用するため、通気性の低いフォームが得られず、防音性
が不十分であるとの欠点がある。また、難燃剤が徐々に
分解して塩化水素等が発生し、或いは難燃剤がフォーム
の表面にブリードアウトして、このフォームに接触して
いるものなどを汚損するという問題もある。特に、ハー
ドディスク装置の制御部の回路基板に接触した場合な
ど、銅部分に錆が発生して変色し、作動不良を起こすこ
ともある。更に、この難燃剤は難燃性も十分ではなく、
難燃性に関する規格を満足する防音材を得ることが難し
いとの問題もある。
用するため、通気性の低いフォームが得られず、防音性
が不十分であるとの欠点がある。また、難燃剤が徐々に
分解して塩化水素等が発生し、或いは難燃剤がフォーム
の表面にブリードアウトして、このフォームに接触して
いるものなどを汚損するという問題もある。特に、ハー
ドディスク装置の制御部の回路基板に接触した場合な
ど、銅部分に錆が発生して変色し、作動不良を起こすこ
ともある。更に、この難燃剤は難燃性も十分ではなく、
難燃性に関する規格を満足する防音材を得ることが難し
いとの問題もある。
【0010】また、液状の難燃剤としては、ペンタブロ
ムジフェニルエーテル等も使用される。しかし、この臭
素系の難燃剤は、使用後のフォームを燃焼、廃棄する場
合に有毒なガスが発生することが懸念されており、環境
上の問題から使用が制限されつつある。
ムジフェニルエーテル等も使用される。しかし、この臭
素系の難燃剤は、使用後のフォームを燃焼、廃棄する場
合に有毒なガスが発生することが懸念されており、環境
上の問題から使用が制限されつつある。
【0011】一方、無機系の固体の難燃剤、特に三酸化
アンチモン及び臭素化合物は、真比重が大きく、ポリオ
ール中に分散、混合させても、沈降し易く、貯蔵安定性
に問題がある。そのため、難燃剤の分散、混合からフォ
ームの製造までの時間的な制約がある。また、このアン
チモン系の難燃剤と、ポリ塩化ビニルの粉末とを併用し
たエーテル系難燃性フォームも使用されている(特公昭
52−16516号公報、特公昭52−16157号公
報等)。しかし、この難燃剤では、フォーム原料の種
類、量比等によって、必ずしも安定した難燃性が得られ
ない。従って、通気性が低く、防音性に優れ、且つ良好
な難燃性をも備えるHDD用防音材とするためには、フ
ォーム原料の種類、その量比等が制限され、選択の幅が
狭い等の問題がある。
アンチモン及び臭素化合物は、真比重が大きく、ポリオ
ール中に分散、混合させても、沈降し易く、貯蔵安定性
に問題がある。そのため、難燃剤の分散、混合からフォ
ームの製造までの時間的な制約がある。また、このアン
チモン系の難燃剤と、ポリ塩化ビニルの粉末とを併用し
たエーテル系難燃性フォームも使用されている(特公昭
52−16516号公報、特公昭52−16157号公
報等)。しかし、この難燃剤では、フォーム原料の種
類、量比等によって、必ずしも安定した難燃性が得られ
ない。従って、通気性が低く、防音性に優れ、且つ良好
な難燃性をも備えるHDD用防音材とするためには、フ
ォーム原料の種類、その量比等が制限され、選択の幅が
狭い等の問題がある。
【0012】上記のエステル系フォームとエーテル系フ
ォームの優れた物性等をバランスよく備えたフォームを
得るための原料組成等、及び優れた物性等に加えて良好
な難燃性をも併せ有するフォームについては、特願平8
−140850号及びこの出願に基づいて国内優先権を
主張してなされた出願の明細書並びに特願平8−257
492号の明細書に開示されている。これらの明細書に
は、それぞれの出願の用途において最適なフォームとな
るように検討された技術について詳細に記載されてい
る。
ォームの優れた物性等をバランスよく備えたフォームを
得るための原料組成等、及び優れた物性等に加えて良好
な難燃性をも併せ有するフォームについては、特願平8
−140850号及びこの出願に基づいて国内優先権を
主張してなされた出願の明細書並びに特願平8−257
492号の明細書に開示されている。これらの明細書に
は、それぞれの出願の用途において最適なフォームとな
るように検討された技術について詳細に記載されてい
る。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の従来
の軟質フォームからなる防音材の問題点を解決するもの
である。即ち、本発明は、ポリエーテルポリオールとの
相溶性に優れる特定のポリエステルポリオールを使用す
ることにより、特にその配合量が50重量%以下であっ
ても、それらポリオールが相溶性に優れ、加水分解し難
く、且つ通気性が低く、ダンピング性能等に優れたフォ
ームからなるHDD用防音材を提供することを目的とす
る。また、本発明では、従来より、粉体等、固体の難燃
剤の使用は難しいとされている、液状の軟質フォーム原
料に、特定の固体の難燃剤を組み合わせて配合すること
により、耐久性、耐汚染性等に優れ、且つ良好な難燃性
を備えるHDD用防音材とすることができる。そして、
本発明のHDD用防音材を、ハードディスク装置の所要
箇所に装着することにより、駆動モータの回転等にとも
なう騒音が効果的に低減される。
の軟質フォームからなる防音材の問題点を解決するもの
である。即ち、本発明は、ポリエーテルポリオールとの
相溶性に優れる特定のポリエステルポリオールを使用す
ることにより、特にその配合量が50重量%以下であっ
ても、それらポリオールが相溶性に優れ、加水分解し難
く、且つ通気性が低く、ダンピング性能等に優れたフォ
ームからなるHDD用防音材を提供することを目的とす
る。また、本発明では、従来より、粉体等、固体の難燃
剤の使用は難しいとされている、液状の軟質フォーム原
料に、特定の固体の難燃剤を組み合わせて配合すること
により、耐久性、耐汚染性等に優れ、且つ良好な難燃性
を備えるHDD用防音材とすることができる。そして、
本発明のHDD用防音材を、ハードディスク装置の所要
箇所に装着することにより、駆動モータの回転等にとも
なう騒音が効果的に低減される。
【0014】
【課題を解決するための手段】第1発明のポリウレタン
フォーム製ハードディスク装置用防音材は、ポリイソシ
アネート及びポリオール成分を含有する組成物を反応さ
せて得られるポリウレタンフォームからなるハードディ
スク装置用防音材において、上記ポリオール成分は、エ
ステル結合の間に(1) 炭素数5以上の炭化水素基及び
(2) 合計数が5以上の炭素原子とヘテロ原子とからなる
骨格に水素原子が結合した基のうちの少なくとも一方を
有するポリエステルポリオールと、ポリエーテル系ポリ
オールとを含有することを特徴とする。
フォーム製ハードディスク装置用防音材は、ポリイソシ
アネート及びポリオール成分を含有する組成物を反応さ
せて得られるポリウレタンフォームからなるハードディ
スク装置用防音材において、上記ポリオール成分は、エ
ステル結合の間に(1) 炭素数5以上の炭化水素基及び
(2) 合計数が5以上の炭素原子とヘテロ原子とからなる
骨格に水素原子が結合した基のうちの少なくとも一方を
有するポリエステルポリオールと、ポリエーテル系ポリ
オールとを含有することを特徴とする。
【0015】また、第5発明のポリウレタンフォーム製
ハードディスク装置用防音材は、ポリイソシアネート及
びポリオール成分を含有する組成物を反応させて得られ
るポリウレタンフォームからなるハードディスク装置用
防音材において、上記組成物は、無機系の固体の難燃剤
と、常温で固体の有機臭素系化合物とを含有し、上記ポ
リオール成分はポリエーテル系ポリオールを含むことを
特徴とする。尚、上記「常温」とはフォーム原料を混
合、調製する際の温度であり、10〜40℃、特に20
〜35℃の温度範囲を意味する。
ハードディスク装置用防音材は、ポリイソシアネート及
びポリオール成分を含有する組成物を反応させて得られ
るポリウレタンフォームからなるハードディスク装置用
防音材において、上記組成物は、無機系の固体の難燃剤
と、常温で固体の有機臭素系化合物とを含有し、上記ポ
リオール成分はポリエーテル系ポリオールを含むことを
特徴とする。尚、上記「常温」とはフォーム原料を混
合、調製する際の温度であり、10〜40℃、特に20
〜35℃の温度範囲を意味する。
【0016】上記「ポリオール成分」には、各種のポリ
オールの他、発泡剤、触媒、整泡剤等が含有されてい
る。また、必要に応じて芳香族第2級アミン系化合物な
どを配合することもできる。発泡剤としては水が主に使
用されるが、発熱の抑制等を目的としてジクロルメタン
等を併用することもできる。触媒としては、通常、アミ
ン系触媒、特に3級アミンと、スタナスオクトエート、
ジブチルチンジアセテート、ジブチルチンジラウレート
等の有機錫化合物とを併用する。また、整泡剤として
は、汎用のジメチルポリシロキサンとポリエーテルのブ
ロック共重合体等を使用する。この他、酸化防止剤、紫
外線吸収剤、光安定剤、カーボンブラック等の導電性物
質、着色剤及び各種充填剤等を配合することもできる。
オールの他、発泡剤、触媒、整泡剤等が含有されてい
る。また、必要に応じて芳香族第2級アミン系化合物な
どを配合することもできる。発泡剤としては水が主に使
用されるが、発熱の抑制等を目的としてジクロルメタン
等を併用することもできる。触媒としては、通常、アミ
ン系触媒、特に3級アミンと、スタナスオクトエート、
ジブチルチンジアセテート、ジブチルチンジラウレート
等の有機錫化合物とを併用する。また、整泡剤として
は、汎用のジメチルポリシロキサンとポリエーテルのブ
ロック共重合体等を使用する。この他、酸化防止剤、紫
外線吸収剤、光安定剤、カーボンブラック等の導電性物
質、着色剤及び各種充填剤等を配合することもできる。
【0017】上記「ポリイソシアネート」としては、一
般に軟質フォームの製造に使用されるものを特に制限さ
れることなく用いることができる。例えばトルエンジイ
ソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシア
ネート(MDI)及びTDIとMDIとの混合物、又は
TDI、MDI等の変性物などを使用することができ
る。この他、ポリメリックMDI、1,5−ナフタレン
ジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、パラフ
ェニレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネー
ト(XDI)及びテトラメチルキシレンジイソシアネー
ト等の芳香族系ポリイソシアネートを用いることができ
る。また、ヘキサメチレンジイソシアネート、水添MD
I(H12MDI)、水添XDI(H12XDI)、イソホ
ロンジイソシアネート、シクロヘキシルジイソシアネー
ト、リシンジイソシアネート等の脂肪族系又は脂環族系
ポリイソシアネートを使用することもできる。
般に軟質フォームの製造に使用されるものを特に制限さ
れることなく用いることができる。例えばトルエンジイ
ソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシア
ネート(MDI)及びTDIとMDIとの混合物、又は
TDI、MDI等の変性物などを使用することができ
る。この他、ポリメリックMDI、1,5−ナフタレン
ジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、パラフ
ェニレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネー
ト(XDI)及びテトラメチルキシレンジイソシアネー
ト等の芳香族系ポリイソシアネートを用いることができ
る。また、ヘキサメチレンジイソシアネート、水添MD
I(H12MDI)、水添XDI(H12XDI)、イソホ
ロンジイソシアネート、シクロヘキシルジイソシアネー
ト、リシンジイソシアネート等の脂肪族系又は脂環族系
ポリイソシアネートを使用することもできる。
【0018】第1発明において、ポリオールとしては、
「エステル結合の間に(1) 炭素数5以上の炭化水素基及
び(2) 合計数が5以上の炭素原子とヘテロ原子とからな
る骨格に水素原子が結合した基(以下、「ヘテロ原子含
有基」という。)のうちの少なくとも一方を有するポリ
エステルポリオール」(以下、「長鎖ポリエステルポリ
オール」という。)と「ポリエーテル系ポリオール」と
を併用する。この長鎖ポリエステルポリオールはポリエ
ーテル系ポリオールとの相溶性に優れ、たとえこの長鎖
ポリエステルポリオールが第2発明のようにポリオール
全量中「50重量%以下」(以下、重量%は「%」とい
う。)であっても、反応は何ら問題なく進み、良好な品
質のフォームからなる優れた性能のHDD用防音材を得
ることができる。尚、上記の炭化水素基は、直鎖状であ
ってもよいし、分岐したものであってもよい。
「エステル結合の間に(1) 炭素数5以上の炭化水素基及
び(2) 合計数が5以上の炭素原子とヘテロ原子とからな
る骨格に水素原子が結合した基(以下、「ヘテロ原子含
有基」という。)のうちの少なくとも一方を有するポリ
エステルポリオール」(以下、「長鎖ポリエステルポリ
オール」という。)と「ポリエーテル系ポリオール」と
を併用する。この長鎖ポリエステルポリオールはポリエ
ーテル系ポリオールとの相溶性に優れ、たとえこの長鎖
ポリエステルポリオールが第2発明のようにポリオール
全量中「50重量%以下」(以下、重量%は「%」とい
う。)であっても、反応は何ら問題なく進み、良好な品
質のフォームからなる優れた性能のHDD用防音材を得
ることができる。尚、上記の炭化水素基は、直鎖状であ
ってもよいし、分岐したものであってもよい。
【0019】上記の長鎖ポリエステルポリオールとして
は、例えば、メチルペンタンジオール、トリメチロール
プロパン、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコー
ル、トリメチルヘキサンジオール等と、アジピン酸等が
縮合して得られるポリオールが挙げられる。また、メチ
ルバレロラクトン、カプロラクトンなどのラクトンが開
環重合して得られる長鎖ポリエステルポリオールを使用
することもできる。
は、例えば、メチルペンタンジオール、トリメチロール
プロパン、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコー
ル、トリメチルヘキサンジオール等と、アジピン酸等が
縮合して得られるポリオールが挙げられる。また、メチ
ルバレロラクトン、カプロラクトンなどのラクトンが開
環重合して得られる長鎖ポリエステルポリオールを使用
することもできる。
【0020】更に、ダイマー酸又はダイマージオールの
ように炭素数の非常に多い酸又はアルコールを使用すれ
ば、ポリエーテル系ポリオールとの相溶性により優れた
長鎖ポリエステルポリオールが得られため特に好まし
い。また、2官能のアルコールを使用した長鎖ポリエス
テルポリオールであっても、トリメチロールプロパンの
ような3官能のアルコールを使用した場合であっても、
特に、得られるHDD用防音材の伸びが向上する。
ように炭素数の非常に多い酸又はアルコールを使用すれ
ば、ポリエーテル系ポリオールとの相溶性により優れた
長鎖ポリエステルポリオールが得られため特に好まし
い。また、2官能のアルコールを使用した長鎖ポリエス
テルポリオールであっても、トリメチロールプロパンの
ような3官能のアルコールを使用した場合であっても、
特に、得られるHDD用防音材の伸びが向上する。
【0021】また、長鎖ポリエステルポリオールのエス
テル結合の間の、すべての炭化水素基の炭素数及びすべ
てのヘテロ原子含有基の炭素原子とヘテロ原子との合計
数が5以上である必要はない。この長鎖の基がエステル
結合の間の炭化水素基及びヘテロ原子含有基の総数の1
/3以上、好ましくは1/2以上であれば、特に、発泡
反応過程においてポリエーテル系ポリオールとの相溶性
に優れる長鎖ポリエステルポリオールとすることができ
る。
テル結合の間の、すべての炭化水素基の炭素数及びすべ
てのヘテロ原子含有基の炭素原子とヘテロ原子との合計
数が5以上である必要はない。この長鎖の基がエステル
結合の間の炭化水素基及びヘテロ原子含有基の総数の1
/3以上、好ましくは1/2以上であれば、特に、発泡
反応過程においてポリエーテル系ポリオールとの相溶性
に優れる長鎖ポリエステルポリオールとすることができ
る。
【0022】上記のポリエーテル系ポリオールは、2個
以上の活性水素を有する出発物質に、塩基性触媒の存在
下、アルキレンオキサイドをランダム又はブロック状に
付加重合して得られる。出発物質としては、プロピレン
グリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、ト
リメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビ
トール、ショ糖及びサッカロール並びにエチレンジアミ
ン等の脂肪族アミン及びトリレンジアミン等の芳香族ア
ミンなどの活性水素化合物を使用することができる。
以上の活性水素を有する出発物質に、塩基性触媒の存在
下、アルキレンオキサイドをランダム又はブロック状に
付加重合して得られる。出発物質としては、プロピレン
グリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、ト
リメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビ
トール、ショ糖及びサッカロール並びにエチレンジアミ
ン等の脂肪族アミン及びトリレンジアミン等の芳香族ア
ミンなどの活性水素化合物を使用することができる。
【0023】また、アルキレンオキサイドとしては、エ
チレンオキサイド、プロピレンオキサイド、トリメチレ
ンオキサイド、ブチレンオキサイド、スチレンオキサイ
ド、α−メチルトリメチレンオキサイド及び3,3’−
ジメチルトリメチレンオキサイド等を用いることができ
る。更に、このポリエーテル系ポリオールに、アクリロ
ニトリル、スチレン等をグラフト重合させて得られる、
所謂、ポリマーポリオールを使用することもできる。ま
た、ポリエーテル系ポリオールを変性したものなども用
いることができる。
チレンオキサイド、プロピレンオキサイド、トリメチレ
ンオキサイド、ブチレンオキサイド、スチレンオキサイ
ド、α−メチルトリメチレンオキサイド及び3,3’−
ジメチルトリメチレンオキサイド等を用いることができ
る。更に、このポリエーテル系ポリオールに、アクリロ
ニトリル、スチレン等をグラフト重合させて得られる、
所謂、ポリマーポリオールを使用することもできる。ま
た、ポリエーテル系ポリオールを変性したものなども用
いることができる。
【0024】第5発明においては、ポリオールとして、
必ずしも上記のように特定のポリオールを併用する必要
はなく、少なくともポリエーテル系ポリオールを含む各
種のポリオールを用いることにより、十分な難燃性を備
えるHDD用防音材を得ることができる。第5発明にお
いて、このポリエーテル系ポリオールは、ポリオール全
量中30%以上、特に40%以上とすることが好まし
く、ポリエーテル系ポリオールのみを使用してもよい。
尚、この第5発明においても、第7発明のように、ポリ
オールとして、長鎖ポリエステルポリオールとポリエー
テル系ポリオールとを併用することができる。この場合
も、第8発明のように、この長鎖ポリエステルポリオー
ルがポリオール全量中「50%以下」であっても、反応
は何ら問題なく進み、良好な品質の軟質フォームからな
る優れた難燃性を備えるHDD用防音材を得ることがで
きる。
必ずしも上記のように特定のポリオールを併用する必要
はなく、少なくともポリエーテル系ポリオールを含む各
種のポリオールを用いることにより、十分な難燃性を備
えるHDD用防音材を得ることができる。第5発明にお
いて、このポリエーテル系ポリオールは、ポリオール全
量中30%以上、特に40%以上とすることが好まし
く、ポリエーテル系ポリオールのみを使用してもよい。
尚、この第5発明においても、第7発明のように、ポリ
オールとして、長鎖ポリエステルポリオールとポリエー
テル系ポリオールとを併用することができる。この場合
も、第8発明のように、この長鎖ポリエステルポリオー
ルがポリオール全量中「50%以下」であっても、反応
は何ら問題なく進み、良好な品質の軟質フォームからな
る優れた難燃性を備えるHDD用防音材を得ることがで
きる。
【0025】上記の長鎖ポリエステルポリオールは、ポ
リエーテル系ポリオールとの十分な相溶性を有するが、
より相溶性を高めるため、第3及び第9発明のように、
「一分子中にエーテル結合とエステル結合とを有するヒ
ドロキシ化合物」を併用することもできる。このような
ポリオールの代表的なものとして、ポリエステルポリエ
ーテルポリオールが挙げられる。このポリエステルポリ
エーテルポリオールは、その分子内にポリエステル部分
とポリエーテル部分とを有しており、相溶化剤のような
作用によって、長鎖ポリエステルポリオールとポリエー
テル系ポリオールとの相溶性を更に向上させることがで
きる。
リエーテル系ポリオールとの十分な相溶性を有するが、
より相溶性を高めるため、第3及び第9発明のように、
「一分子中にエーテル結合とエステル結合とを有するヒ
ドロキシ化合物」を併用することもできる。このような
ポリオールの代表的なものとして、ポリエステルポリエ
ーテルポリオールが挙げられる。このポリエステルポリ
エーテルポリオールは、その分子内にポリエステル部分
とポリエーテル部分とを有しており、相溶化剤のような
作用によって、長鎖ポリエステルポリオールとポリエー
テル系ポリオールとの相溶性を更に向上させることがで
きる。
【0026】また、第4及び第10発明のように、2級
の末端水酸基を有するポリエステルポリオールを併用す
ることによっても、相溶性を高めることができる。この
「2級の末端水酸基を有するポリエステルポリオール」
としては、例えば、プロピレングリコール、ジプロピレ
ングリコール、1,3−ブタンジオール等と、アジピン
酸等が縮合して得られるポリオールが挙げられる。これ
らポリエステルポリエーテルポリオール及び2級の末端
水酸基を有するポリエステルポリオールをポリエーテル
系ポリオールと併用する場合は、ポリオールの全量を1
00%とした場合に、40%以下程度の量比で使用する
ことが好ましい。
の末端水酸基を有するポリエステルポリオールを併用す
ることによっても、相溶性を高めることができる。この
「2級の末端水酸基を有するポリエステルポリオール」
としては、例えば、プロピレングリコール、ジプロピレ
ングリコール、1,3−ブタンジオール等と、アジピン
酸等が縮合して得られるポリオールが挙げられる。これ
らポリエステルポリエーテルポリオール及び2級の末端
水酸基を有するポリエステルポリオールをポリエーテル
系ポリオールと併用する場合は、ポリオールの全量を1
00%とした場合に、40%以下程度の量比で使用する
ことが好ましい。
【0027】本発明では、得られる防音材の強度等を向
上させるため、上述したように、ポリマーポリオールを
併用することもできる。このポリマーポリオールは、ポ
リエーテルポリオール等に、アクリロニトリル、スチレ
ン等をグラフト重合させたものである。ポリマーポリオ
ールとしては、特に、スチレン成分とアクリロニトリル
成分の重量比が、80/20〜50/50の範囲にある
ものが好ましい。
上させるため、上述したように、ポリマーポリオールを
併用することもできる。このポリマーポリオールは、ポ
リエーテルポリオール等に、アクリロニトリル、スチレ
ン等をグラフト重合させたものである。ポリマーポリオ
ールとしては、特に、スチレン成分とアクリロニトリル
成分の重量比が、80/20〜50/50の範囲にある
ものが好ましい。
【0028】また、ポリマーポリオール中の固形分が少
ない場合は、得られる防音材の強度等を十分に向上させ
るためには、このポリオールを多量に配合する必要があ
る。その場合、長鎖ポリエステルポリオール、ポリエー
テル系ポリオール等、他のポリオールの配合量を減らさ
ざるを得ず、強度と伸びの改良が不十分となる。そのた
め、ポリマーポリオール中の固形分が、ポリマーポリオ
ールを100%とした場合に、30%以上であるものが
好ましく、固形分が75%のものまで使用することがで
きる。このポリマーポリオールは、ポリオールの全量を
100%とした場合に、5〜30%の量比で使用するこ
とが好ましい。
ない場合は、得られる防音材の強度等を十分に向上させ
るためには、このポリオールを多量に配合する必要があ
る。その場合、長鎖ポリエステルポリオール、ポリエー
テル系ポリオール等、他のポリオールの配合量を減らさ
ざるを得ず、強度と伸びの改良が不十分となる。そのた
め、ポリマーポリオール中の固形分が、ポリマーポリオ
ールを100%とした場合に、30%以上であるものが
好ましく、固形分が75%のものまで使用することがで
きる。このポリマーポリオールは、ポリオールの全量を
100%とした場合に、5〜30%の量比で使用するこ
とが好ましい。
【0029】本発明では、長鎖ポリエステルポリオール
とポリエーテル系ポリオールの他、上記のように、ポリ
エステルポリエーテルポリオール等の一分子中にエーテ
ル結合とエステル結合とを有するヒドロキシ化合物、2
級の末端水酸基を有するポリエステルポリオール或いは
ポリマーポリオールなどを併用することができる。しか
し、第1発明においては、長鎖ポリエステルポリオール
とポリエーテル系ポリオールとの合計量は、少なくとも
全ポリオールの半分量程度以上とすることが好ましい。
また、第5発明においては、前記のようにポリエーテル
系ポリオールを全ポリオール中40%以上とすることが
好ましい。更に、このポリエーテル系ポリオールは50
%以上とすることがより好ましく、ポリオールの全量を
ポリエーテル系ポリオールとしてもよい。
とポリエーテル系ポリオールの他、上記のように、ポリ
エステルポリエーテルポリオール等の一分子中にエーテ
ル結合とエステル結合とを有するヒドロキシ化合物、2
級の末端水酸基を有するポリエステルポリオール或いは
ポリマーポリオールなどを併用することができる。しか
し、第1発明においては、長鎖ポリエステルポリオール
とポリエーテル系ポリオールとの合計量は、少なくとも
全ポリオールの半分量程度以上とすることが好ましい。
また、第5発明においては、前記のようにポリエーテル
系ポリオールを全ポリオール中40%以上とすることが
好ましい。更に、このポリエーテル系ポリオールは50
%以上とすることがより好ましく、ポリオールの全量を
ポリエーテル系ポリオールとしてもよい。
【0030】本発明では、長鎖ポリエステルポリオール
とポリエーテル系ポリオールとを併用することにより、
加水分解し難く、且つ通気性が低く、ダンピング特性等
に優れたHDD用防音材を得ることができる。更に、本
発明では、組成物に特定量の芳香族第2級アミン系化合
物を配合することによって、よりオゾン劣化し難いHD
D用防音材とすることもできる。
とポリエーテル系ポリオールとを併用することにより、
加水分解し難く、且つ通気性が低く、ダンピング特性等
に優れたHDD用防音材を得ることができる。更に、本
発明では、組成物に特定量の芳香族第2級アミン系化合
物を配合することによって、よりオゾン劣化し難いHD
D用防音材とすることもできる。
【0031】この芳香族第2級アミン系化合物(以下、
2級アミン化合物という。)としては、フェニル−1−
ナフチルアミン、アルキル化ジフェニルアミン、N,
N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、p−(p
−トルエンスルホニルアミド)ジフェニルアミン、4,
4’−(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミ
ン、混合ジアリル−p−フェニレンジアミン、オクチル
化ジフェニルアミン等が挙げられる。また、、ポリ
(2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリ
ン)、6−エトキシ−1,2−ジヒドロ−2,2,4−
トリメチルキノリン等のアミン−ケトン系の化合物など
を使用することもできる。
2級アミン化合物という。)としては、フェニル−1−
ナフチルアミン、アルキル化ジフェニルアミン、N,
N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、p−(p
−トルエンスルホニルアミド)ジフェニルアミン、4,
4’−(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミ
ン、混合ジアリル−p−フェニレンジアミン、オクチル
化ジフェニルアミン等が挙げられる。また、、ポリ
(2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリ
ン)、6−エトキシ−1,2−ジヒドロ−2,2,4−
トリメチルキノリン等のアミン−ケトン系の化合物など
を使用することもできる。
【0032】これら2級アミン化合物は、ゴム等の老化
防止剤などとして使用されているものである。しかし、
それら化合物が、ポリウレタンフォームのオゾン劣化を
抑制する作用を有することは知られていない。また、ゴ
ムの老化防止剤などとして使用する場合、その配合量
は、通常、ゴムに対して数百から数千ppm、高々50
00ppm程度である。
防止剤などとして使用されているものである。しかし、
それら化合物が、ポリウレタンフォームのオゾン劣化を
抑制する作用を有することは知られていない。また、ゴ
ムの老化防止剤などとして使用する場合、その配合量
は、通常、ゴムに対して数百から数千ppm、高々50
00ppm程度である。
【0033】一方、本発明では、ポリオールに対して1
重量部(以下、「部」という。)以上、特に3部以上、
更には5部以上と多量に配合する。これをフォームに対
する配合量に換算しても、7000ppm以上、特に2
部以上、更には3.5部以上となる。このように、本発
明においては、2級アミン化合物は、その作用、効果が
知られていないばかりか、従来の通常の配合量を大きく
越えて多量に使用される。
重量部(以下、「部」という。)以上、特に3部以上、
更には5部以上と多量に配合する。これをフォームに対
する配合量に換算しても、7000ppm以上、特に2
部以上、更には3.5部以上となる。このように、本発
明においては、2級アミン化合物は、その作用、効果が
知られていないばかりか、従来の通常の配合量を大きく
越えて多量に使用される。
【0034】上記の2級アミン化合物は1種のみを用い
てもよいし、2種以上を併用してもよい。この化合物の
配合量が1部未満では、オゾン劣化に耐える性能を十分
に向上させることができない。また、この配合量が25
部を越える場合は、組成物を反応、硬化させることが難
しく、正常なフォームが得られないことがある。この2
級アミン化合物の配合量は、特に1〜10部の範囲が好
ましい。この配合量であれば、優れた性能のHDD用防
音材が得られ、同時に反応、硬化も容易であり、操作上
も何ら問題がなく好ましい。
てもよいし、2種以上を併用してもよい。この化合物の
配合量が1部未満では、オゾン劣化に耐える性能を十分
に向上させることができない。また、この配合量が25
部を越える場合は、組成物を反応、硬化させることが難
しく、正常なフォームが得られないことがある。この2
級アミン化合物の配合量は、特に1〜10部の範囲が好
ましい。この配合量であれば、優れた性能のHDD用防
音材が得られ、同時に反応、硬化も容易であり、操作上
も何ら問題がなく好ましい。
【0035】本発明では、第5発明のように、特定の難
燃剤を配合することにより、優れた難燃性をも併せ有す
るHDD用防音材とすることができる。液状の難燃剤、
粉体等、固体の難燃剤或いはアンチモン系の難燃剤とポ
リ塩化ビニルの粉末との併用等では、種々問題があるこ
とは前記の通りである。しかし、これまで難燃性を要す
るポリウレタンフォームとしては、必ずしも満足できる
性能ではないものの、上記の難燃剤を配合したエーテル
系フォームが使用されている。このエーテル系フォーム
は強度に劣り、オゾン劣化の問題等があるうえ、難燃性
も必ずしも満足できるものではない。そのため、第5発
明では、無機系の固体の難燃剤と、常温で固体の有機臭
素系化合物とを併用するものである。
燃剤を配合することにより、優れた難燃性をも併せ有す
るHDD用防音材とすることができる。液状の難燃剤、
粉体等、固体の難燃剤或いはアンチモン系の難燃剤とポ
リ塩化ビニルの粉末との併用等では、種々問題があるこ
とは前記の通りである。しかし、これまで難燃性を要す
るポリウレタンフォームとしては、必ずしも満足できる
性能ではないものの、上記の難燃剤を配合したエーテル
系フォームが使用されている。このエーテル系フォーム
は強度に劣り、オゾン劣化の問題等があるうえ、難燃性
も必ずしも満足できるものではない。そのため、第5発
明では、無機系の固体の難燃剤と、常温で固体の有機臭
素系化合物とを併用するものである。
【0036】従来よりポリウレタンフォームによく使用
されている難燃剤は、一般にリン系ハロゲン含有難燃剤
であり、特に、リン酸エステル系難燃剤が多用されてい
る。一方、臭素系化合物は塩素系化合物に比べて熱分解
によりガス化し易いためか、難燃効果が高いといわれて
おり、多くのプラスチックに使用され効果があるとされ
ている。しかし、現在のところ軟質フォームに有効な難
燃剤は見出されていない。その原因は、臭素系化合物の
熱分解開始温度が、軟質フォームの熱分解開始温度と推
定されている180℃を越えて高く、難燃剤が分解して
難燃性が発現する前にフォーム自体が分解してしまうた
めと考えられる。
されている難燃剤は、一般にリン系ハロゲン含有難燃剤
であり、特に、リン酸エステル系難燃剤が多用されてい
る。一方、臭素系化合物は塩素系化合物に比べて熱分解
によりガス化し易いためか、難燃効果が高いといわれて
おり、多くのプラスチックに使用され効果があるとされ
ている。しかし、現在のところ軟質フォームに有効な難
燃剤は見出されていない。その原因は、臭素系化合物の
熱分解開始温度が、軟質フォームの熱分解開始温度と推
定されている180℃を越えて高く、難燃剤が分解して
難燃性が発現する前にフォーム自体が分解してしまうた
めと考えられる。
【0037】また、本発明において使用する固体の有機
臭素系化合物も融点が180℃以上と高く、同様に難燃
効果は発揮されないと考えられる。実際、この固体の有
機臭素系化合物を単独で使用した場合、優れた難燃性を
有するフォームは得られない。しかし、本発明では、こ
の固体の有機臭素系化合物を無機系の固体の難燃剤、特
に、三酸化アンチモンと併用することにより、意外にも
非常に優れた難燃性を有するフォームが得られることを
見出したものである。
臭素系化合物も融点が180℃以上と高く、同様に難燃
効果は発揮されないと考えられる。実際、この固体の有
機臭素系化合物を単独で使用した場合、優れた難燃性を
有するフォームは得られない。しかし、本発明では、こ
の固体の有機臭素系化合物を無機系の固体の難燃剤、特
に、三酸化アンチモンと併用することにより、意外にも
非常に優れた難燃性を有するフォームが得られることを
見出したものである。
【0038】その理由は明らかではないが以下のように
推定される。無機系の固体の難燃剤、特に、三酸化アン
チモンを用いた場合の難燃の機構は、燃焼の初期では、
三酸化アンチモンが溶融(融点;656℃)し、内部吸
熱反応によって着火温度を引き上げ、自己消火性が発揮
される。更に、有機臭素系化合物と三酸化アンチモンと
を併用すると、三酸化アンチモンの溶融と同時に生成す
る臭素化水素ガスが、三酸化アンチモンと反応して沸点
の高い臭素化アンチモンを生成し、SbBr3(沸点;
820℃)等の高沸点化合物となって、これが被燃焼物
の表面を覆って空気との接触が遮断される。本発明で
は、三酸化アンチモンのみの効果と、この併用による効
果との相乗効果によって優れた難燃効果が発揮されるも
のと考えられる。
推定される。無機系の固体の難燃剤、特に、三酸化アン
チモンを用いた場合の難燃の機構は、燃焼の初期では、
三酸化アンチモンが溶融(融点;656℃)し、内部吸
熱反応によって着火温度を引き上げ、自己消火性が発揮
される。更に、有機臭素系化合物と三酸化アンチモンと
を併用すると、三酸化アンチモンの溶融と同時に生成す
る臭素化水素ガスが、三酸化アンチモンと反応して沸点
の高い臭素化アンチモンを生成し、SbBr3(沸点;
820℃)等の高沸点化合物となって、これが被燃焼物
の表面を覆って空気との接触が遮断される。本発明で
は、三酸化アンチモンのみの効果と、この併用による効
果との相乗効果によって優れた難燃効果が発揮されるも
のと考えられる。
【0039】また、上記の特定の難燃剤を併用した場
合、ポリオール等、フォーム原料の種類及びその量比
等、選択の幅が広く、フォームの製造が容易であり、優
れた防音性と難燃性とを併せ有するHDD用防音材を容
易に得ることができる。特に、第7〜11発明の特定の
ポリオールを使用することによって、より優れた難燃性
を有するHDD用防音材とすることができる。また、こ
れら特定の難燃剤は、いずれも粉体等、固体であって、
イソシアネート基と反応する活性水素も有していない。
そのため、難燃剤の分解、ブリードアウト等による周辺
の部材などの汚損、特に銅部分の錆の発生などがないと
ともに、発泡反応が影響を受けることもない。更に、リ
ンを含まない含臭素系炭化水素化合物の場合は、特に、
耐湿熱老化性に優れ、且つ金属を汚損、腐食しないな
ど、顕著に優れた特性を有するフォームを得ることがで
きる。
合、ポリオール等、フォーム原料の種類及びその量比
等、選択の幅が広く、フォームの製造が容易であり、優
れた防音性と難燃性とを併せ有するHDD用防音材を容
易に得ることができる。特に、第7〜11発明の特定の
ポリオールを使用することによって、より優れた難燃性
を有するHDD用防音材とすることができる。また、こ
れら特定の難燃剤は、いずれも粉体等、固体であって、
イソシアネート基と反応する活性水素も有していない。
そのため、難燃剤の分解、ブリードアウト等による周辺
の部材などの汚損、特に銅部分の錆の発生などがないと
ともに、発泡反応が影響を受けることもない。更に、リ
ンを含まない含臭素系炭化水素化合物の場合は、特に、
耐湿熱老化性に優れ、且つ金属を汚損、腐食しないな
ど、顕著に優れた特性を有するフォームを得ることがで
きる。
【0040】上記「無機系の固体の難燃剤」としては、
三酸化アンチモン、臭化アンモニウム、ほう酸アンモニ
ウム、スルファミン酸アンモニウム、リン酸アンモニウ
ム、ほう酸亜鉛、錫酸亜鉛、ヒドロキシ錫酸亜鉛、メタ
ほう酸バリウム、水酸化アルミニウム及び水酸化ジルコ
ニウム等が挙げられる。これらの難燃剤のうち、特に、
第6発明のように「三酸化アンチモン」が好適である。
また、上記「固体の有機臭素系化合物」としては、第6
発明のように「臭素含有リン化合物」及び「リンを含ま
ない含臭素系炭化水素化合物」のうちの少なくとも一方
を用いることが好ましい。
三酸化アンチモン、臭化アンモニウム、ほう酸アンモニ
ウム、スルファミン酸アンモニウム、リン酸アンモニウ
ム、ほう酸亜鉛、錫酸亜鉛、ヒドロキシ錫酸亜鉛、メタ
ほう酸バリウム、水酸化アルミニウム及び水酸化ジルコ
ニウム等が挙げられる。これらの難燃剤のうち、特に、
第6発明のように「三酸化アンチモン」が好適である。
また、上記「固体の有機臭素系化合物」としては、第6
発明のように「臭素含有リン化合物」及び「リンを含ま
ない含臭素系炭化水素化合物」のうちの少なくとも一方
を用いることが好ましい。
【0041】臭素含有リン化合物としては有機臭素系リ
ン酸エステル化合物が挙げられ、特に、トリブロムネオ
ペンチルアルコールの燐酸エステル化合物が好ましい。
このトリブロムネオペンチルアルコールの燐酸エステル
化合物としては、トリス(トリブロモネオペンチル)ホ
スフェート、ビス(トリブロモネオペンチル)ジクロロ
プロピルホスフェート、ビス(トリブロモネオペンチ
ル)クロロプロピルホスフェート、ビス(トリブロモネ
オペンチル)クロロエチルホスフェート、ビス(トリブ
ロモネオペンチル)クロロメチルホスフェート等を使用
することができる。
ン酸エステル化合物が挙げられ、特に、トリブロムネオ
ペンチルアルコールの燐酸エステル化合物が好ましい。
このトリブロムネオペンチルアルコールの燐酸エステル
化合物としては、トリス(トリブロモネオペンチル)ホ
スフェート、ビス(トリブロモネオペンチル)ジクロロ
プロピルホスフェート、ビス(トリブロモネオペンチ
ル)クロロプロピルホスフェート、ビス(トリブロモネ
オペンチル)クロロエチルホスフェート、ビス(トリブ
ロモネオペンチル)クロロメチルホスフェート等を使用
することができる。
【0042】更に、ビス(トリブロモネオペンチル)エ
チルホスフェート、ビス(トリブロモネオペンチル)フ
ェニルホスフェート、ビス(トリブロモネオペンチル)
クレジルホスフェート、ビス(トリブロモネオペンチ
ル)トリブロモフェニルホスフェート、ビス(ジクロロ
プロピル)トリブロモネオペンチルホスフェート、ビス
(クロロプロピル)トリブロモネオペンチルホスフェー
ト、ジメチルトリブロモネオペンチルホスフェート、ジ
エチルトリブロモネオペンチルホスフェート、ジフェニ
ルトリブロモネオペンチルホスフェート、ジクレジルト
リブロモネオペンチルホスフェート、ビス(トリブロモ
フェニル)トリブロモネオペンチルホスフェート等を用
いることもできる。
チルホスフェート、ビス(トリブロモネオペンチル)フ
ェニルホスフェート、ビス(トリブロモネオペンチル)
クレジルホスフェート、ビス(トリブロモネオペンチ
ル)トリブロモフェニルホスフェート、ビス(ジクロロ
プロピル)トリブロモネオペンチルホスフェート、ビス
(クロロプロピル)トリブロモネオペンチルホスフェー
ト、ジメチルトリブロモネオペンチルホスフェート、ジ
エチルトリブロモネオペンチルホスフェート、ジフェニ
ルトリブロモネオペンチルホスフェート、ジクレジルト
リブロモネオペンチルホスフェート、ビス(トリブロモ
フェニル)トリブロモネオペンチルホスフェート等を用
いることもできる。
【0043】ポリオールを100部とした場合に、無機
系の固体の難燃剤は、1〜20部、特に2〜18部、更
には3〜15部配合することができる。また、固体の有
機臭素系化合物は、5〜45部、特に10〜40部、更
には15〜35部配合することができる。更に、無機系
の固体の難燃剤と固体の有機臭素系化合物との合計量
は、ポリオールを100部とした場合に、10〜65
部、特に15〜55部、更には20〜50部とすること
が好ましい。各難燃剤或いはその合計量が、それぞれ上
記の下限値未満である場合は、十分な難燃性を有するH
DD用防音材を得ることができない。一方、各難燃剤が
上限値を越えて多量である場合、特に難燃剤の合計量が
上限値を上回る場合は、難燃剤を均一に分散、混合させ
ることができず、好ましくない。また、ポリオール成分
の粘度が大きく上昇し、ポンプ圧送に差し支えがある。
系の固体の難燃剤は、1〜20部、特に2〜18部、更
には3〜15部配合することができる。また、固体の有
機臭素系化合物は、5〜45部、特に10〜40部、更
には15〜35部配合することができる。更に、無機系
の固体の難燃剤と固体の有機臭素系化合物との合計量
は、ポリオールを100部とした場合に、10〜65
部、特に15〜55部、更には20〜50部とすること
が好ましい。各難燃剤或いはその合計量が、それぞれ上
記の下限値未満である場合は、十分な難燃性を有するH
DD用防音材を得ることができない。一方、各難燃剤が
上限値を越えて多量である場合、特に難燃剤の合計量が
上限値を上回る場合は、難燃剤を均一に分散、混合させ
ることができず、好ましくない。また、ポリオール成分
の粘度が大きく上昇し、ポンプ圧送に差し支えがある。
【0044】これら難燃剤は、ポリイソシアネート及び
ポリオール成分の粘度が比較的低い場合は、これら両成
分に対して第3成分として配合することができる。しか
し、通常、難燃剤はポリオール成分、特に各成分の中で
は比較的粘度の低いポリエーテル系ポリオールに予め配
合しておくことが最も好ましい。難燃剤を配合するポリ
エーテル系ポリオールは、第11発明のように、その粘
度が「50〜5000センチポイズ」、特に50〜30
00センチポイズ、更には50〜1500センチポイズ
のものが好ましい。この範囲の粘度のポリエーテル系ポ
リオールを使用すれば難燃剤をより容易に均一に分散、
混合することができる。
ポリオール成分の粘度が比較的低い場合は、これら両成
分に対して第3成分として配合することができる。しか
し、通常、難燃剤はポリオール成分、特に各成分の中で
は比較的粘度の低いポリエーテル系ポリオールに予め配
合しておくことが最も好ましい。難燃剤を配合するポリ
エーテル系ポリオールは、第11発明のように、その粘
度が「50〜5000センチポイズ」、特に50〜30
00センチポイズ、更には50〜1500センチポイズ
のものが好ましい。この範囲の粘度のポリエーテル系ポ
リオールを使用すれば難燃剤をより容易に均一に分散、
混合することができる。
【0045】尚、ポリオールを2種以上併用する場合、
混合ポリオールの粘度が上記の範囲である必要はなく、
特に、比較的粘度の低いポリエーテル系ポリオールに難
燃剤を分散、混合した後、他のポリオールと混合するよ
うにすれば、混合ポリオールの粘度が上限を越えて高く
ても特に問題はない。
混合ポリオールの粘度が上記の範囲である必要はなく、
特に、比較的粘度の低いポリエーテル系ポリオールに難
燃剤を分散、混合した後、他のポリオールと混合するよ
うにすれば、混合ポリオールの粘度が上限を越えて高く
ても特に問題はない。
【0046】また、無機系の固体の難燃剤と常温で固体
の有機臭素系化合物の粒径は特に限定されないが、あま
りに粗大であると分散、混合し難く、且つ一旦混合して
も沈降し易く好ましくない。これら難燃剤は微粉砕され
たものが好ましく、その平均粒径が0.1〜200μ
m、特に0.1〜100μm、更には0.1〜50μm
の範囲のものが好適である。平均粒径が0.1μm未満
では、粒子が凝集し易く、分散、混合が難しい。一方、
200μmを越える場合は、分散、混合はし易いが、沈
降し易く、貯蔵安定性に劣るため好ましくない。尚、上
記の平均粒径として50%ふるい下粒径を採用してもよ
い。
の有機臭素系化合物の粒径は特に限定されないが、あま
りに粗大であると分散、混合し難く、且つ一旦混合して
も沈降し易く好ましくない。これら難燃剤は微粉砕され
たものが好ましく、その平均粒径が0.1〜200μ
m、特に0.1〜100μm、更には0.1〜50μm
の範囲のものが好適である。平均粒径が0.1μm未満
では、粒子が凝集し易く、分散、混合が難しい。一方、
200μmを越える場合は、分散、混合はし易いが、沈
降し易く、貯蔵安定性に劣るため好ましくない。尚、上
記の平均粒径として50%ふるい下粒径を採用してもよ
い。
【0047】尚、HDD用防音材では、その密度は20
kg/m3 以上であることが好ましく、密度が250k
g/m3 程度のものまで使用することができる。密度の
低いHDD用防音材では、単位体積当たりのフォームに
占める空間の割合が高く、圧縮等により防音材は容易に
変形し、気泡が潰れ、実際にハードディスク装置におい
て使用される場合には、その防音性が不十分となる。ま
た、HDD用防音材としては、第12発明のように、そ
の通気度が「3〜300秒」の非常に通気性の低いもの
が好ましい。そのような通気性の低い防音材では、騒音
レベルが大きく低下し、優れた防音効果が奏される。
kg/m3 以上であることが好ましく、密度が250k
g/m3 程度のものまで使用することができる。密度の
低いHDD用防音材では、単位体積当たりのフォームに
占める空間の割合が高く、圧縮等により防音材は容易に
変形し、気泡が潰れ、実際にハードディスク装置におい
て使用される場合には、その防音性が不十分となる。ま
た、HDD用防音材としては、第12発明のように、そ
の通気度が「3〜300秒」の非常に通気性の低いもの
が好ましい。そのような通気性の低い防音材では、騒音
レベルが大きく低下し、優れた防音効果が奏される。
【0048】ハードディスク装置用の防音材は、隔壁と
回路基板との間に1.05〜16倍程度に圧縮(当初厚
さの1/1.05〜1/16の厚さに圧縮)して介装さ
れるなど、通常、圧縮して使用される。そのため、通気
性にもよるが、第12発明のように、その25%圧縮応
力が「20〜300g/cm2 」のものが好ましい。2
5%圧縮応力がこの範囲にあれば、防音材に適度な圧縮
荷重が加わり、且つ振動が十分に吸収され、ハードディ
スク装置用のダンパー等として好適である。一方、25
%圧縮応力が低すぎる場合は、その通気性に大きく影響
されるものの、振動を十分に軽減することができず、騒
音が経時的に非常に大きく変動し、総体的に騒音レベル
が高くなる。更に、その場合の周波数特性は、騒音ピー
クの波形が低周波から高周波まで経時的に大きく変動
し、通常の周波数分析における騒音特性グラフを得るこ
とができない。
回路基板との間に1.05〜16倍程度に圧縮(当初厚
さの1/1.05〜1/16の厚さに圧縮)して介装さ
れるなど、通常、圧縮して使用される。そのため、通気
性にもよるが、第12発明のように、その25%圧縮応
力が「20〜300g/cm2 」のものが好ましい。2
5%圧縮応力がこの範囲にあれば、防音材に適度な圧縮
荷重が加わり、且つ振動が十分に吸収され、ハードディ
スク装置用のダンパー等として好適である。一方、25
%圧縮応力が低すぎる場合は、その通気性に大きく影響
されるものの、振動を十分に軽減することができず、騒
音が経時的に非常に大きく変動し、総体的に騒音レベル
が高くなる。更に、その場合の周波数特性は、騒音ピー
クの波形が低周波から高周波まで経時的に大きく変動
し、通常の周波数分析における騒音特性グラフを得るこ
とができない。
【0049】一方、25%圧縮応力が300g/cm2
を越える場合は、このフォームを圧縮してハードディス
ク装置の隔壁と回路基板との間に介装するに際し、回路
基板に過大な応力が加わることになる。そのため、回路
基板を構成する繊維強化プラスチック等の強度にもよる
が、回路基板が変形したり、場合によっては破損するこ
とがある。
を越える場合は、このフォームを圧縮してハードディス
ク装置の隔壁と回路基板との間に介装するに際し、回路
基板に過大な応力が加わることになる。そのため、回路
基板を構成する繊維強化プラスチック等の強度にもよる
が、回路基板が変形したり、場合によっては破損するこ
とがある。
【0050】また、本発明のHDD用防音材では、その
密度が20〜100kg/cm3 、特に40〜80kg
/cm3 であり、25%圧縮応力が20〜300g/c
m2、特に20〜100g/cm2 、更には30〜70
g/cm2 であって、且つ通気度が5秒以上、特に8〜
200秒と非常に低通気性であれば、ハードディスク装
置から発生する固有の騒音がより効果的に低減される。
この理由は明らかではないが、本発明のHDD用防音材
では、一般の防音材の機能に加えて、ハードディスク装
置のモータの回転による振動が吸収され、遮断されて、
騒音の防音材の内部での伝播が防止され、遮音されるた
めであると考えられる。
密度が20〜100kg/cm3 、特に40〜80kg
/cm3 であり、25%圧縮応力が20〜300g/c
m2、特に20〜100g/cm2 、更には30〜70
g/cm2 であって、且つ通気度が5秒以上、特に8〜
200秒と非常に低通気性であれば、ハードディスク装
置から発生する固有の騒音がより効果的に低減される。
この理由は明らかではないが、本発明のHDD用防音材
では、一般の防音材の機能に加えて、ハードディスク装
置のモータの回転による振動が吸収され、遮断されて、
騒音の防音材の内部での伝播が防止され、遮音されるた
めであると考えられる。
【0051】尚、ハードディスク装置の駆動部と制御部
との間隙は機種等により異なるが、HDD用防音材とし
ては、圧縮率が低い場合は比較的硬い素材が適してお
り、圧縮率が高い場合は比較的柔らかい素材が適してい
る。これは、ハードディスク装置の振動を抑え、騒音を
吸収するためには、HDD用防音材は常に圧縮された状
態を維持している必要があるためである。しかしなが
ら、この圧縮された状態での応力が高すぎると、基板が
歪み、反りを生ずる等の問題が起こる。一方、この応力
が低すぎると防音効果が不十分となる。
との間隙は機種等により異なるが、HDD用防音材とし
ては、圧縮率が低い場合は比較的硬い素材が適してお
り、圧縮率が高い場合は比較的柔らかい素材が適してい
る。これは、ハードディスク装置の振動を抑え、騒音を
吸収するためには、HDD用防音材は常に圧縮された状
態を維持している必要があるためである。しかしなが
ら、この圧縮された状態での応力が高すぎると、基板が
歪み、反りを生ずる等の問題が起こる。一方、この応力
が低すぎると防音効果が不十分となる。
【0052】ハードディスク装置では、ハードディスク
の高速回転にともなう極めて細かい微振動が発生し、そ
れが隔壁及び回路基板に伝わる。本発明では、この微振
動が伝わる部分にHDD用防音材が接するように装着す
ることにより、 (1) 微振動の発生源と回路部等との間にHDD用防音材
が介装され、発生源と回路部等とが直接接触せず、防振
ゴムなどと同様に振動が絶縁される。 (2) 駆動部の振動が伝わって振動している隔壁等と、本
発明のHDD用防音材とが直接接触しているため、振動
が防音材の伸縮によって減衰する、所謂、ダンピング効
果の作用がある。 等の効果が得られ、これらの作用、効果が絡み合って、
騒音レベルが低下するものと思われる。
の高速回転にともなう極めて細かい微振動が発生し、そ
れが隔壁及び回路基板に伝わる。本発明では、この微振
動が伝わる部分にHDD用防音材が接するように装着す
ることにより、 (1) 微振動の発生源と回路部等との間にHDD用防音材
が介装され、発生源と回路部等とが直接接触せず、防振
ゴムなどと同様に振動が絶縁される。 (2) 駆動部の振動が伝わって振動している隔壁等と、本
発明のHDD用防音材とが直接接触しているため、振動
が防音材の伸縮によって減衰する、所謂、ダンピング効
果の作用がある。 等の効果が得られ、これらの作用、効果が絡み合って、
騒音レベルが低下するものと思われる。
【0053】
【発明の実施の形態】表1、2(第1発明に対応する比
較例)及び表3〜6(第1発明に対応する実施例)並び
に表7〜9(第1発明に対応する比較例)及び表10〜
12(第5発明に対応する実施例)に示すポリイソシア
ネート、ポリオール、触媒及び整泡剤、難燃剤等からな
る組成物を使用し、常法に従って軟質スラブフォームを
製造した。各成分の詳細は下記の通りである。尚、難燃
剤はポリエーテルポリオールに配合した後、他のポリオ
ール或いは触媒、整泡剤等と混合した。
較例)及び表3〜6(第1発明に対応する実施例)並び
に表7〜9(第1発明に対応する比較例)及び表10〜
12(第5発明に対応する実施例)に示すポリイソシア
ネート、ポリオール、触媒及び整泡剤、難燃剤等からな
る組成物を使用し、常法に従って軟質スラブフォームを
製造した。各成分の詳細は下記の通りである。尚、難燃
剤はポリエーテルポリオールに配合した後、他のポリオ
ール或いは触媒、整泡剤等と混合した。
【0054】(1) ポリオール a)商品名「N2200」(日本ポリウレタン株式会社
製):ジエチレングリコール及びトリメチロールプロパ
ンと、アジピン酸とを縮合させたポリエステルポリオー
ル、水酸基価(OHV);60
製):ジエチレングリコール及びトリメチロールプロパ
ンと、アジピン酸とを縮合させたポリエステルポリオー
ル、水酸基価(OHV);60
【0055】b)商品名「GP3000」(三洋化成株式
会社製):グリセリンを出発物質としたプロピレンオキ
サイドベースの3官能のポリエーテルポリオール、OH
V;56、粘度;340センチポイズ c)商品名「PP2000」(三洋化成株式会社製):プ
ロピレンオキサイドベースの2官能のポリエーテルポリ
オール、OHV;56、粘度;240センチポイズ尚、
この粘度は、回転円筒粘度計によって測定した、温度3
0℃における値である。
会社製):グリセリンを出発物質としたプロピレンオキ
サイドベースの3官能のポリエーテルポリオール、OH
V;56、粘度;340センチポイズ c)商品名「PP2000」(三洋化成株式会社製):プ
ロピレンオキサイドベースの2官能のポリエーテルポリ
オール、OHV;56、粘度;240センチポイズ尚、
この粘度は、回転円筒粘度計によって測定した、温度3
0℃における値である。
【0056】d)商品名「3P56B」(武田薬品工業株
式会社製):商品名「PPG1500」(同社製、ポリ
エーテルポリオール)に、フタル酸とプロピレングリコ
ールを付加したポリエステルポリエーテルポリオール
と、商品名「PPG3000」(同社製、ポリエーテル
ポリオール)との75/25(重量比)の量比の混合
品、OHV;56
式会社製):商品名「PPG1500」(同社製、ポリ
エーテルポリオール)に、フタル酸とプロピレングリコ
ールを付加したポリエステルポリエーテルポリオール
と、商品名「PPG3000」(同社製、ポリエーテル
ポリオール)との75/25(重量比)の量比の混合
品、OHV;56
【0057】e)商品名「クラポールP2010」(株式
会社クラレ製):メチルペンタンジオールとアジピン酸
とを縮合させた2官能のポリエステルポリオール、OH
V;56、重量平均分子量(MW);2000 f)商品名「クラポールF3010」(株式会社クラレ
製):メチルペンタンジオール及びトリメチロールプロ
パンと、アジピン酸とを縮合させた3官能のポリエステ
ルポリオール、OHV;56、MW;3000 g)商品名「クラポールL2010」(株式会社クラレ
製):メチルバレロラクトンを開環重合させた2官能の
ポリエステルポリオール、OHV;56、MW;200
0
会社クラレ製):メチルペンタンジオールとアジピン酸
とを縮合させた2官能のポリエステルポリオール、OH
V;56、重量平均分子量(MW);2000 f)商品名「クラポールF3010」(株式会社クラレ
製):メチルペンタンジオール及びトリメチロールプロ
パンと、アジピン酸とを縮合させた3官能のポリエステ
ルポリオール、OHV;56、MW;3000 g)商品名「クラポールL2010」(株式会社クラレ
製):メチルバレロラクトンを開環重合させた2官能の
ポリエステルポリオール、OHV;56、MW;200
0
【0058】h)商品名「ニューポールF1212−2
9」(旭電化工業株式会社製):ヘキサンジオールと、
アジピン酸及びイソフタル酸とを縮合させた2官能のポ
リエステルポリオール、OHV;65、MW;1800 i)商品名「TA22−221」(日立化成ポリマー株式
会社製):ヘキサンジオール及びネオペンチルグリコー
ルと、アジピン酸とを縮合させた2官能のポリエステル
ポリオール、OHV;40、MW;2800 j)商品名「プラクセル220」(ダイセル化学工業株式
会社製):カプロラクトンを開環重合させた2官能のポ
リエステルポリオール、OHV;56、MW;2000
9」(旭電化工業株式会社製):ヘキサンジオールと、
アジピン酸及びイソフタル酸とを縮合させた2官能のポ
リエステルポリオール、OHV;65、MW;1800 i)商品名「TA22−221」(日立化成ポリマー株式
会社製):ヘキサンジオール及びネオペンチルグリコー
ルと、アジピン酸とを縮合させた2官能のポリエステル
ポリオール、OHV;40、MW;2800 j)商品名「プラクセル220」(ダイセル化学工業株式
会社製):カプロラクトンを開環重合させた2官能のポ
リエステルポリオール、OHV;56、MW;2000
【0059】k)商品名「GP1500」(三洋化成株式
会社製):グリセリンを出発物質としたプロピレンオキ
サイドベースの3官能のポリエーテルポリオール、OH
V;112、粘度;200センチポイズ l)商品名「PP600」(三洋化成株式会社製):ジプ
ロピレングリコールを出発物質としたプロピレンオキサ
イドベースのポリエーテルポリオール、OHV;18
7、粘度;65センチポイズ これらの粘度の測定方法及び温度は前記の通りである。
会社製):グリセリンを出発物質としたプロピレンオキ
サイドベースの3官能のポリエーテルポリオール、OH
V;112、粘度;200センチポイズ l)商品名「PP600」(三洋化成株式会社製):ジプ
ロピレングリコールを出発物質としたプロピレンオキサ
イドベースのポリエーテルポリオール、OHV;18
7、粘度;65センチポイズ これらの粘度の測定方法及び温度は前記の通りである。
【0060】(2) ポリイソシアネート;商品名「TDI
80」(日本ポリウレタン株式会社製) (3) 触媒;日本乳化剤株式会社製のアミン系触媒、商品
名「LV33」、及び城北化学株式会社製の金属触媒、
スタナスオクトエート(SO) (4) 整泡剤;商品名「L532」、「L520」及び
「L584」(いずれも日本ユニカー株式会社製)並び
に商品名「SH193」(トーレダウコーニング株式会
社製)
80」(日本ポリウレタン株式会社製) (3) 触媒;日本乳化剤株式会社製のアミン系触媒、商品
名「LV33」、及び城北化学株式会社製の金属触媒、
スタナスオクトエート(SO) (4) 整泡剤;商品名「L532」、「L520」及び
「L584」(いずれも日本ユニカー株式会社製)並び
に商品名「SH193」(トーレダウコーニング株式会
社製)
【0061】(5) 難燃剤 a)商品名「ゼオン121」(日本ゼオン株式会社製):
ポリ塩化ビニル粉末 b)商品名「ATOK−S」(日本精鉱株式会社製):三
酸化アンチモン、融点;656℃、ふるい下50%粒
径;0.73μm c)商品名「FR1138」(エチルケミカル社製):ジ
ブロムネオペンチルグリコール、活性水素を含有、ポリ
オール中に溶解せず、粉体のままポリオールに分散、混
合して使用した。 d)商品名「FR513」(ブロムケミ社製):トリブロ
ムネオペンチルアルコール、融点が低いため溶融して使
用した。
ポリ塩化ビニル粉末 b)商品名「ATOK−S」(日本精鉱株式会社製):三
酸化アンチモン、融点;656℃、ふるい下50%粒
径;0.73μm c)商品名「FR1138」(エチルケミカル社製):ジ
ブロムネオペンチルグリコール、活性水素を含有、ポリ
オール中に溶解せず、粉体のままポリオールに分散、混
合して使用した。 d)商品名「FR513」(ブロムケミ社製):トリブロ
ムネオペンチルアルコール、融点が低いため溶融して使
用した。
【0062】e)商品名「PHE73」(グレートレーク
ス社製):2,4,6−トリブロムフェノール、融点;
95℃ f)商品名「CD75」(グレートレークス社製):ヘキ
サブロムシクロドデカン、融点;190℃、ふるい下5
0%粒径;38.6μm g)商品名「CR900」(大八化学株式会社製):トリ
ス(トリブロムネオペンチル)ホスフェート、融点;1
83℃、ふるい下50%粒径;41.7μm 尚、上記の難燃剤 b) 、f)及び g) のふるい下50%粒
径は、レーザ回折式粒度分布測定装置(株式会社堀場製
作所製、型式「LA−500」)によって測定した。
ス社製):2,4,6−トリブロムフェノール、融点;
95℃ f)商品名「CD75」(グレートレークス社製):ヘキ
サブロムシクロドデカン、融点;190℃、ふるい下5
0%粒径;38.6μm g)商品名「CR900」(大八化学株式会社製):トリ
ス(トリブロムネオペンチル)ホスフェート、融点;1
83℃、ふるい下50%粒径;41.7μm 尚、上記の難燃剤 b) 、f)及び g) のふるい下50%粒
径は、レーザ回折式粒度分布測定装置(株式会社堀場製
作所製、型式「LA−500」)によって測定した。
【0063】得られたHDD用防音材から試片を切り出
し、JIS K6401に従って密度(kg/m3 )
を、JIS K6402に従ってセル数(個/25m
m)をそれぞれ測定した。また、JIS K6301に
従って引張強度(kg/cm2 )及び伸び(%)を評価
した。更に、JIS L1096(A法)に従って通気
性(cc/cm2 ・秒)を、JIS P8117に従っ
て通気度(秒、試片の厚さ;10mm)を測定した。こ
こで、通気度は空気の透過のし難さを表しており、値が
大きいほど通気性が低い。また、下記の方法によって加
水分解のし難さを表す耐湿熱老化性を評価した。更に、
UL−94の水平燃焼試験によって難燃性を評価した。
以上の評価結果を表1〜12に併記する。尚、圧縮品物
性は14倍に圧縮した試片を使用して測定した。
し、JIS K6401に従って密度(kg/m3 )
を、JIS K6402に従ってセル数(個/25m
m)をそれぞれ測定した。また、JIS K6301に
従って引張強度(kg/cm2 )及び伸び(%)を評価
した。更に、JIS L1096(A法)に従って通気
性(cc/cm2 ・秒)を、JIS P8117に従っ
て通気度(秒、試片の厚さ;10mm)を測定した。こ
こで、通気度は空気の透過のし難さを表しており、値が
大きいほど通気性が低い。また、下記の方法によって加
水分解のし難さを表す耐湿熱老化性を評価した。更に、
UL−94の水平燃焼試験によって難燃性を評価した。
以上の評価結果を表1〜12に併記する。尚、圧縮品物
性は14倍に圧縮した試片を使用して測定した。
【0064】耐湿熱老化性; 温度80℃、相対湿度95%に調温、調湿された雰囲
気に400、800、1600及び2400時間暴露し
た時点で、JIS K6301に従って引張強度を測定
する(図1)。 温度80℃、相対湿度95%に調温、調湿された雰囲
気に120、360、600、900、1500及び2
000時間暴露した時点で、JIS K6301に従っ
て引張強度を測定し、下記の式によって保持率を算出し
た(図2)。 引張強度の保持率=(湿熱暴露後の引張強度/湿熱暴露
前の引張強度)×100(%)
気に400、800、1600及び2400時間暴露し
た時点で、JIS K6301に従って引張強度を測定
する(図1)。 温度80℃、相対湿度95%に調温、調湿された雰囲
気に120、360、600、900、1500及び2
000時間暴露した時点で、JIS K6301に従っ
て引張強度を測定し、下記の式によって保持率を算出し
た(図2)。 引張強度の保持率=(湿熱暴露後の引張強度/湿熱暴露
前の引張強度)×100(%)
【0065】難燃性;UL−94の水平燃焼試験によっ
て試片端からの燃焼距離を測定した。表7〜12の値は
10試片の平均値である。また、この水平燃焼試験時
に、フォームが燃焼して生成する分解物の金網からの滴
下の有無を確認する。難燃性の合否はHF−1グレード
の難燃規格への合否を表す。
て試片端からの燃焼距離を測定した。表7〜12の値は
10試片の平均値である。また、この水平燃焼試験時
に、フォームが燃焼して生成する分解物の金網からの滴
下の有無を確認する。難燃性の合否はHF−1グレード
の難燃規格への合否を表す。
【0066】
【表1】
【0067】
【表2】
【0068】
【表3】
【0069】
【表4】
【0070】
【表5】
【0071】
【表6】
【0072】
【表7】
【0073】
【表8】
【0074】
【表9】
【0075】
【表10】
【0076】
【表11】
【0077】
【表12】
【0078】表1及び表2の結果によれば、比較例1の
エステル系フォームからなる防音材では、圧縮品の初期
の引張強度、伸びに優れているが、耐湿熱老化性に劣っ
ていることが分かる。一方、比較例2のエーテル系フォ
ームからなる防音材では、耐湿熱老化性は良好であるも
のの、圧縮品の強度、伸びは小さい。また、ポリエーテ
ルポリオールとポリエステルポリエーテルポリオールを
併用した比較例4〜6及び8〜9と、ポリオールの全量
をポリエステルポリエーテルポリオールとした比較例7
では、強度、伸びの向上はみられない。
エステル系フォームからなる防音材では、圧縮品の初期
の引張強度、伸びに優れているが、耐湿熱老化性に劣っ
ていることが分かる。一方、比較例2のエーテル系フォ
ームからなる防音材では、耐湿熱老化性は良好であるも
のの、圧縮品の強度、伸びは小さい。また、ポリエーテ
ルポリオールとポリエステルポリエーテルポリオールを
併用した比較例4〜6及び8〜9と、ポリオールの全量
をポリエステルポリエーテルポリオールとした比較例7
では、強度、伸びの向上はみられない。
【0079】一方、表3及び表4の結果によれば、長鎖
ポリエステルポリオールとポリエーテルポリオールとを
併用した実施例1〜12では、防音材の強度、伸びが相
当に向上し、耐湿熱老化性もかなり改善される。この改
善の程度は長鎖ポリエステルポリオールの種類にもよる
が、特に、実施例3、4、また、実施例7、8などで
は、強度はエステル系フォームからなる防音材と同程度
となり、耐湿熱老化性も大きく向上していることが分か
る。
ポリエステルポリオールとポリエーテルポリオールとを
併用した実施例1〜12では、防音材の強度、伸びが相
当に向上し、耐湿熱老化性もかなり改善される。この改
善の程度は長鎖ポリエステルポリオールの種類にもよる
が、特に、実施例3、4、また、実施例7、8などで
は、強度はエステル系フォームからなる防音材と同程度
となり、耐湿熱老化性も大きく向上していることが分か
る。
【0080】尚、図1に、比較例1及び2と、実施例3
及び4の防音材の耐湿熱老化性の結果をグラフにして表
す。この図によっても、実施例3及び4の防音材では、
初期強度はエーテル系フォームからなる防音材を相当に
上回り、しかも耐湿熱老化性はエーテル系フォームから
なる防音材と同様に優れていることが分かる。
及び4の防音材の耐湿熱老化性の結果をグラフにして表
す。この図によっても、実施例3及び4の防音材では、
初期強度はエーテル系フォームからなる防音材を相当に
上回り、しかも耐湿熱老化性はエーテル系フォームから
なる防音材と同様に優れていることが分かる。
【0081】また、表5及び表6の結果によれば、ポリ
エーテルポリオール、長鎖ポリエステルポリオール及び
25重量%のポリエステルポリエーテルポリオールを併
用した実施例13〜22では、実施例1〜12に比べ
て、強度及び伸びに大きな変化はない。しかし、長鎖ポ
リエステルポリオールとポリエーテルポリオールとの相
溶性がより向上し、混合後、放置しておいても分離する
ことはなく、より安定な反応が可能となり、セル数も多
く、より微細なフォームを得ることができる。
エーテルポリオール、長鎖ポリエステルポリオール及び
25重量%のポリエステルポリエーテルポリオールを併
用した実施例13〜22では、実施例1〜12に比べ
て、強度及び伸びに大きな変化はない。しかし、長鎖ポ
リエステルポリオールとポリエーテルポリオールとの相
溶性がより向上し、混合後、放置しておいても分離する
ことはなく、より安定な反応が可能となり、セル数も多
く、より微細なフォームを得ることができる。
【0082】更に、表7〜9の結果によれば、比較例1
0〜17では、分子量が低いポリエーテルポリオールが
加わった他は、ポリオールとして各実施例と同様のもの
を使用しているが、難燃剤としてポリ塩化ビニルの粉末
と三酸化アンチモンとを併用しており、比較例10以外
はUL規格に不合格である。また、水を多量に配合し、
密度の低い防音材となっている比較例10では、難燃性
については合格であるが、通気度の値が小さく、通気性
が高く、防音性に劣る。また、同様組成で水を減量して
得た比較例11の防音材では、通気度の値が少し大きく
なり、通気性が低くなっているが難燃性は不合格となっ
ている。このように、従来より使用されている難燃剤を
使用した場合、フォーム原料の組成、量比等により、得
られる防音材の難燃性、防音性等が大きく変動し、安定
して優れた性能のHDD用防音材を得ることができない
ことが分かる。
0〜17では、分子量が低いポリエーテルポリオールが
加わった他は、ポリオールとして各実施例と同様のもの
を使用しているが、難燃剤としてポリ塩化ビニルの粉末
と三酸化アンチモンとを併用しており、比較例10以外
はUL規格に不合格である。また、水を多量に配合し、
密度の低い防音材となっている比較例10では、難燃性
については合格であるが、通気度の値が小さく、通気性
が高く、防音性に劣る。また、同様組成で水を減量して
得た比較例11の防音材では、通気度の値が少し大きく
なり、通気性が低くなっているが難燃性は不合格となっ
ている。このように、従来より使用されている難燃剤を
使用した場合、フォーム原料の組成、量比等により、得
られる防音材の難燃性、防音性等が大きく変動し、安定
して優れた性能のHDD用防音材を得ることができない
ことが分かる。
【0083】また、臭素系の難燃剤のみを使用した比較
例18〜20並びに固体の臭素系の難燃剤であるCD7
5のみを使用した比較例21及びCR900のみを使用
した比較例22では、いずれも難燃性が不合格であり、
通気性も高く、HDD用防音材として実用に供し得ない
ものであることが分かる。尚、CD75は臭素系の有機
難燃剤であってリンを含まないものであり、融点が19
0℃で、常温では固体である。CR900は固体の臭素
含有リン化合物からなる難燃剤であり、融点は183℃
であって、同様に常温で固体である。
例18〜20並びに固体の臭素系の難燃剤であるCD7
5のみを使用した比較例21及びCR900のみを使用
した比較例22では、いずれも難燃性が不合格であり、
通気性も高く、HDD用防音材として実用に供し得ない
ものであることが分かる。尚、CD75は臭素系の有機
難燃剤であってリンを含まないものであり、融点が19
0℃で、常温では固体である。CR900は固体の臭素
含有リン化合物からなる難燃剤であり、融点は183℃
であって、同様に常温で固体である。
【0084】一方、表10〜12の結果によれば、三酸
化アンチモンと固体の有機臭素系化合物とを併用した実
施例23〜40では、いずれも難燃性は合格であり、通
気度も少なくとも15秒であって、十分に通気性の低い
フォームが得られていることが分かる。これらの実施例
では、ポリオールとして、ポリエーテルポリオールのみ
の使用、ポリエーテルポリオールと長鎖ポリエステルポ
リオールとの併用、ポリエーテルポリオールとポリエス
テルポリエーテルポリオールとの併用及びこれら3種類
のポリオールの併用と、各種のポリオールを組み合わ
せ、その量比も変化させているが、いずれの実施例にお
いても優れた性能のHDD用防音材が得られており、ポ
リオールの選択の自由度が非常に高い。
化アンチモンと固体の有機臭素系化合物とを併用した実
施例23〜40では、いずれも難燃性は合格であり、通
気度も少なくとも15秒であって、十分に通気性の低い
フォームが得られていることが分かる。これらの実施例
では、ポリオールとして、ポリエーテルポリオールのみ
の使用、ポリエーテルポリオールと長鎖ポリエステルポ
リオールとの併用、ポリエーテルポリオールとポリエス
テルポリエーテルポリオールとの併用及びこれら3種類
のポリオールの併用と、各種のポリオールを組み合わ
せ、その量比も変化させているが、いずれの実施例にお
いても優れた性能のHDD用防音材が得られており、ポ
リオールの選択の自由度が非常に高い。
【0085】更に、ポリオールに対するポリイソシアネ
ートの量比も幅広く変化させ、難燃剤も、三酸化アンチ
モンは4〜15重量部、固体の有機臭素系化合物は15
〜30重量部と大きく変量しているが、いずれの場合も
良好な結果となっている。このように、本発明では、ポ
リオールばかりでなく、他の成分等及びその量比も大き
く変えることができ、所望の難燃性と防音性とを併せ有
するHDD用防音材を容易に得ることができる。
ートの量比も幅広く変化させ、難燃剤も、三酸化アンチ
モンは4〜15重量部、固体の有機臭素系化合物は15
〜30重量部と大きく変量しているが、いずれの場合も
良好な結果となっている。このように、本発明では、ポ
リオールばかりでなく、他の成分等及びその量比も大き
く変えることができ、所望の難燃性と防音性とを併せ有
するHDD用防音材を容易に得ることができる。
【0086】尚、表13は、従来より使用されているエ
ステル系難燃フォームからなる防音材と、比較例10並
びに実施例30及び40の防音材の耐湿熱老化性の結果
であり、図2は、これをグラフにしたものである。図2
において、従来品はエステル系フォームであるため、湿
熱暴露後の強度低下が大きく耐湿熱老化性に劣ってい
る。また、比較例10はエーテル系フォームからなる防
音材であって耐湿熱老化性に優れていることが分かる。
一方、実施例30ではポリエステルポリオールを40重
量部使用しているが、長鎖ポリエステルポリオールであ
るため、耐湿熱老化性に優れている。更に、ポリエーテ
ル系ポリオールとポリエステルポリエーテルポリオール
を併用した実施例40でも、同様に優れた耐湿熱老化性
を有する防音材が得られていることが分かる。
ステル系難燃フォームからなる防音材と、比較例10並
びに実施例30及び40の防音材の耐湿熱老化性の結果
であり、図2は、これをグラフにしたものである。図2
において、従来品はエステル系フォームであるため、湿
熱暴露後の強度低下が大きく耐湿熱老化性に劣ってい
る。また、比較例10はエーテル系フォームからなる防
音材であって耐湿熱老化性に優れていることが分かる。
一方、実施例30ではポリエステルポリオールを40重
量部使用しているが、長鎖ポリエステルポリオールであ
るため、耐湿熱老化性に優れている。更に、ポリエーテ
ル系ポリオールとポリエステルポリエーテルポリオール
を併用した実施例40でも、同様に優れた耐湿熱老化性
を有する防音材が得られていることが分かる。
【0087】
【表13】
【0088】また、比較例及び実施例、それぞれ各数例
のHDD用防音材について、以下の方法によって防音性
能を評価した。 防音性能の評価方法;特定のメーカー2社のハードディ
スク装置、HDD(a)とHDD(b)を用いた。HD
D(a)はディスクの回転速度5400rpm、記憶容
量1080MB、HDD(b)はディスクの回転速度5
400rpm、記憶容量1280MBであり、ともにデ
ィスクは3.5インチタイプである。
のHDD用防音材について、以下の方法によって防音性
能を評価した。 防音性能の評価方法;特定のメーカー2社のハードディ
スク装置、HDD(a)とHDD(b)を用いた。HD
D(a)はディスクの回転速度5400rpm、記憶容
量1080MB、HDD(b)はディスクの回転速度5
400rpm、記憶容量1280MBであり、ともにデ
ィスクは3.5インチタイプである。
【0089】上記の2種類のハードディスク装置の隔壁
と回路基板との間に防音材を介装した。防音材の介装前
の厚さはHDD(a)用は2.0mm、HDD(b)用
は5.0mm、介装後の厚さはHDD(a)では0.5
mm、HDD(b)では4.5mmである。圧縮倍率は
それぞれ4倍及び1.11倍となる。この防音材を装着
したハードディスク装置を無響室に静置し、その直上3
0cmのところにマイクロホンを設置し、騒音レベル
(単位;dB)を測定した。結果を表14に示す。
と回路基板との間に防音材を介装した。防音材の介装前
の厚さはHDD(a)用は2.0mm、HDD(b)用
は5.0mm、介装後の厚さはHDD(a)では0.5
mm、HDD(b)では4.5mmである。圧縮倍率は
それぞれ4倍及び1.11倍となる。この防音材を装着
したハードディスク装置を無響室に静置し、その直上3
0cmのところにマイクロホンを設置し、騒音レベル
(単位;dB)を測定した。結果を表14に示す。
【0090】
【表14】
【0091】表14において、それぞれのHDD用防音
材の性能は「防音材なし」の騒音レベルの数値と比較す
ることによって評価することができる。それによれば、
比較例1の防音材では僅かな騒音レベルの低下がみられ
る。しかし、その他の各比較例の防音材では、騒音レベ
ルは防音材を用いない場合と同程度であり、防音性能を
ほとんど有さないことが分かる。それに対して、各実施
例の防音材では、ポリオールの種類及びその量比或いは
難燃剤の量比等によらず、いずれの場合も防音材を用い
なかった場合に比べて騒音レベルが大きく低下している
ことが分かる。特に、HDD(a)では8〜9dBも騒
音レベルが低下している。
材の性能は「防音材なし」の騒音レベルの数値と比較す
ることによって評価することができる。それによれば、
比較例1の防音材では僅かな騒音レベルの低下がみられ
る。しかし、その他の各比較例の防音材では、騒音レベ
ルは防音材を用いない場合と同程度であり、防音性能を
ほとんど有さないことが分かる。それに対して、各実施
例の防音材では、ポリオールの種類及びその量比或いは
難燃剤の量比等によらず、いずれの場合も防音材を用い
なかった場合に比べて騒音レベルが大きく低下している
ことが分かる。特に、HDD(a)では8〜9dBも騒
音レベルが低下している。
【0092】尚、本発明においては、前記具体的実施例
に示すものに限られず、目的、用途に応じて本発明の範
囲内で種々変更した実施例とすることができる。即ち、
防音材をハードディスク装置の隔壁と回路基板との間に
介装する場合、その圧縮倍率は1.05〜16倍程度の
範囲で適宜設定すればよい。例えば、厚さ8mmの防音
材を16倍に圧縮して0.5mmのものとしてもよい
し、厚さ4mmのものを1.05倍に圧縮して3.8m
mのものとしてもよい。このように騒音の周波数等によ
って適宜の圧縮倍率、介装後の厚さ等として使用するこ
とができる。また、防音材は、上記の隔壁の下面の他、
ハードディスク装置の駆動部及び制御部を収容する容器
の上面の内側、側面の内側等、適宜箇所に装着して使用
することができるが、ハードディスク装置の駆動部及び
制御部等に接する箇所に装着すれば、発生する微振動が
十分に吸収されるため好ましい。
に示すものに限られず、目的、用途に応じて本発明の範
囲内で種々変更した実施例とすることができる。即ち、
防音材をハードディスク装置の隔壁と回路基板との間に
介装する場合、その圧縮倍率は1.05〜16倍程度の
範囲で適宜設定すればよい。例えば、厚さ8mmの防音
材を16倍に圧縮して0.5mmのものとしてもよい
し、厚さ4mmのものを1.05倍に圧縮して3.8m
mのものとしてもよい。このように騒音の周波数等によ
って適宜の圧縮倍率、介装後の厚さ等として使用するこ
とができる。また、防音材は、上記の隔壁の下面の他、
ハードディスク装置の駆動部及び制御部を収容する容器
の上面の内側、側面の内側等、適宜箇所に装着して使用
することができるが、ハードディスク装置の駆動部及び
制御部等に接する箇所に装着すれば、発生する微振動が
十分に吸収されるため好ましい。
【0093】
【発明の効果】第1発明によれば、ポリオールとして、
特定の、ポリエーテル系ポリオールとの相溶性のよい長
鎖部分を有するポリエステルポリオールと、ポリエーテ
ル系ポリオールとを併用することにより、加水分解し難
く、且つ通気度の値が大きく、通気性が低く、ダンピン
グ性能等に優れたHDD用防音材を得ることができる。
また、第5発明によれば、粉体等、固体の特定の無機系
の難燃剤と、固体の有機臭素系化合物とを併用すること
により、防音性の他、優れた難燃性をも併せ有するHD
D用防音材を得ることができる。
特定の、ポリエーテル系ポリオールとの相溶性のよい長
鎖部分を有するポリエステルポリオールと、ポリエーテ
ル系ポリオールとを併用することにより、加水分解し難
く、且つ通気度の値が大きく、通気性が低く、ダンピン
グ性能等に優れたHDD用防音材を得ることができる。
また、第5発明によれば、粉体等、固体の特定の無機系
の難燃剤と、固体の有機臭素系化合物とを併用すること
により、防音性の他、優れた難燃性をも併せ有するHD
D用防音材を得ることができる。
【0094】また、第3及び第9発明のポリエステルポ
リエーテルポリオール、第4及び第10発明の2級の末
端水酸基を有するポリエステルポリオールを併用するこ
とにより、上記の特定のポリエステルポリオールとポリ
エーテル系ポリオールとの相溶性を更に向上させること
ができる。尚、本発明においては、ポリマーポリオール
を併用することにより、より強度の大きな防音材が得ら
れ、また、特定の2級アミン化合物を使用することによ
って、防音材を、よりオゾン劣化し難いものとすること
もできる。
リエーテルポリオール、第4及び第10発明の2級の末
端水酸基を有するポリエステルポリオールを併用するこ
とにより、上記の特定のポリエステルポリオールとポリ
エーテル系ポリオールとの相溶性を更に向上させること
ができる。尚、本発明においては、ポリマーポリオール
を併用することにより、より強度の大きな防音材が得ら
れ、また、特定の2級アミン化合物を使用することによ
って、防音材を、よりオゾン劣化し難いものとすること
もできる。
【図1】比較例1及び2並びに実施例3及び4のHDD
用防音材の耐湿熱老化性を表すグラフである。
用防音材の耐湿熱老化性を表すグラフである。
【図2】従来のエステル系難燃フォームからなる防音材
と、比較例10並びに実施例30及び40のHDD用防
音材の耐湿熱老化性を表すグラフである。
と、比較例10並びに実施例30及び40のHDD用防
音材の耐湿熱老化性を表すグラフである。
フロントページの続き (72)発明者 佐倉 光知一 愛知県安城市今池町3丁目1番36号 株式 会社イノアックコーポレーション安城工場 内 (72)発明者 近藤 敏 愛知県安城市今池町3丁目1番36号 株式 会社イノアックコーポレーション安城工場 内
Claims (12)
- 【請求項1】 ポリイソシアネート及びポリオール成分
を含有する組成物を反応させて得られるポリウレタンフ
ォームからなるハードディスク装置用防音材において、
上記ポリオール成分は、エステル結合の間に(1) 炭素数
5以上の炭化水素基及び(2) 合計数が5以上の炭素原子
とヘテロ原子とからなる骨格に水素原子が結合した基の
うちの少なくとも一方を有するポリエステルポリオール
と、ポリエーテル系ポリオールとを含有することを特徴
とするポリウレタンフォーム製ハードディスク装置用防
音材。 - 【請求項2】 上記ポリエステルポリオールと、上記ポ
リエーテル系ポリオールとの合計量を100重量%とし
た場合に、上記ポリエステルポリオールは50重量%以
下である請求項1記載のポリウレタンフォーム製ハード
ディスク装置用防音材。 - 【請求項3】 上記ポリオール成分は、一分子中にエー
テル結合とエステル結合とを有するヒドロキシ化合物を
含有する請求項1又は2記載のポリウレタンフォーム製
ハードディスク装置用防音材。 - 【請求項4】 上記ポリオール成分は、2級の末端水酸
基を有するポリエステルポリオールを含有する請求項1
乃至3のいずれか1項に記載のポリウレタンフォーム製
ハードディスク装置用防音材。 - 【請求項5】 ポリイソシアネート及びポリオール成分
を含有する組成物を反応させて得られるポリウレタンフ
ォームからなるハードディスク装置用防音材において、
上記組成物は、無機系の固体の難燃剤と、常温で固体の
有機臭素系化合物とを含有し、上記ポリオール成分はポ
リエーテル系ポリオールを含むことを特徴とするポリウ
レタンフォーム製ハードディスク装置用防音材。 - 【請求項6】 上記無機系の固体の難燃剤が三酸化アン
チモンであり、上記常温で固体の有機臭素系化合物が、
臭素含有リン化合物及びリンを含まない含臭素系炭化水
素化合物のうちの少なくとも一方である請求項5記載の
ポリウレタンフォーム製ハードディスク装置用防音材。 - 【請求項7】 上記ポリオール成分は、エステル結合の
間に(1) 炭素数5以上の炭化水素基及び(2) 合計数が5
以上の炭素原子とヘテロ原子とからなる骨格に水素原子
が結合した基のうちの少なくとも一方を有するポリエス
テルポリオールと、ポリエーテル系ポリオールとを含有
する請求項5又は6記載のポリウレタンフォーム製ハー
ドディスク装置用防音材。 - 【請求項8】 上記ポリエステルポリオールと、上記ポ
リエーテル系ポリオールとの合計量を100重量%とし
た場合に、上記ポリエステルポリオールは50重量%以
下である請求項7記載のポリウレタンフォーム製ハード
ディスク装置用防音材。 - 【請求項9】 上記ポリオール成分は、一分子中にエー
テル結合とエステル結合とを有するヒドロキシ化合物を
含有する請求項5乃至8のいずれか1項に記載のポリウ
レタンフォーム製ハードディスク装置用防音材。 - 【請求項10】 上記ポリオール成分は、2級の末端水
酸基を有するポリエステルポリオールを含有する請求項
5乃至9のいずれか1項に記載のポリウレタンフォーム
製ハードディスク装置用防音材。 - 【請求項11】 上記ポリエーテル系ポリオールの粘度
が50〜5000センチポイズである請求項5乃至10
のいずれか1項に記載のポリウレタンフォーム製ハード
ディスク装置用防音材。 - 【請求項12】 上記ポリウレタンフォームの通気度が
3〜300秒であり、25%圧縮応力が20〜300g
/cm2 である請求項5乃至11のいずれか1項に記載
のポリウレタンフォーム製ハードディスク装置用防音
材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9079086A JPH10255454A (ja) | 1997-03-12 | 1997-03-12 | ポリウレタンフォーム製ハードディスク装置用防音材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9079086A JPH10255454A (ja) | 1997-03-12 | 1997-03-12 | ポリウレタンフォーム製ハードディスク装置用防音材 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10255454A true JPH10255454A (ja) | 1998-09-25 |
Family
ID=13680082
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9079086A Pending JPH10255454A (ja) | 1997-03-12 | 1997-03-12 | ポリウレタンフォーム製ハードディスク装置用防音材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10255454A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003048944A (ja) * | 2001-08-07 | 2003-02-21 | Inoac Corp | 軟質ポリウレタンフォーム及びそれを用いたトナーシール材 |
JP2015218319A (ja) * | 2014-05-21 | 2015-12-07 | 株式会社イノアックコーポレーション | ポリウレタンフォーム |
JP2022513146A (ja) * | 2018-11-28 | 2022-02-07 | アドラー ペルツァー ホルディング ゲーエムベーハー | ポリウレタンフォーム配合物、及びそれに基づくフォームによる遮音材 |
-
1997
- 1997-03-12 JP JP9079086A patent/JPH10255454A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003048944A (ja) * | 2001-08-07 | 2003-02-21 | Inoac Corp | 軟質ポリウレタンフォーム及びそれを用いたトナーシール材 |
JP2015218319A (ja) * | 2014-05-21 | 2015-12-07 | 株式会社イノアックコーポレーション | ポリウレタンフォーム |
JP2022513146A (ja) * | 2018-11-28 | 2022-02-07 | アドラー ペルツァー ホルディング ゲーエムベーハー | ポリウレタンフォーム配合物、及びそれに基づくフォームによる遮音材 |
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