JPH10253946A - 液晶表示装置を備えた電子機器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 液晶表示装置の正確な温度を液晶駆動電圧に
反映させることにより、液晶表示装置のコントラストを
自動的に且つ良好に調節できる電子機器を提供する。 【解決手段】 液晶表示装置を備えた電子機器におい
て、外装部の外側の外気温度を検出する外気温度検出部
２と、外装部の内側の内部温度を検出する内部温度検出
部３と、上記内部温度と外気温度との温度差を求める比
較制御部１３と、液晶表示装置１を駆動する駆動電圧生
成のための駆動電圧データを少なくとも上記温度差に対
応付けて予め記憶しておく記憶部１４と、使用時に、上
記比較制御部１３によりそのときの上記温度差を求め、
少なくとも上記温度差に対応付けられた駆動電圧データ
を上記記憶部１４から読み出し、液晶表示装置１を駆動
する駆動電圧が上記駆動電圧データに対応した駆動電圧
になるように制御する液晶駆動回路６とを備えた。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、ワードプロセッ
サ、パーソナルコンピュータ、端末装置、携帯型情報機
器など液晶表示装置を備えた各種電子機器に係わり、特
に液晶表示装置の駆動電圧を自動的に調節して液晶表示
装置のコントラストを常に良好な状態に維持できる電子
機器に関する。

【０００２】

【従来の技術】ワードプロセッサ、パーソナルコンピュ
ータ等の電子機器に備えられた液晶表示装置は、電源投
入後、液晶表示装置のバックライトの発する熱などによ
り温度が上昇し、それによってコントラストが変化し、
場合によっては表示内容が見えなくなる。このような問
題を解決するため、従来より、液晶表示装置を備えた電
子機器では、液晶表示装置のコントラストを手動で調節
するための調節器を備え、該調節器によりコントラスト
を調節している。しかしながら、上記のように人手によ
るコントラスト調整を行うのは煩わしく、そのため、特
開昭６３- １６１４８７号公報に示された電子ボタン電
話装置では、図６に示すように、装置内にサーミスタな
ど温度検出部２２を備え、液晶表示部２１の周囲温度を
検出し、その周囲温度に応じた駆動電圧で液晶表示部２
１を駆動することにより液晶表示装置のコントラストを
調整している。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開昭
６３- １６１４８７号公報に示された従来技術では、液
晶表示装置の画面に温度検出部を備えておらず、また、
画面の部分に温度検出部を備えることができないため、
液晶表示装置の画面近傍に温度検出部を設置することに
なる。その結果、バックライトなどの発する熱によって
上昇する液晶表示装置の温度を正確に検出できず、した
がって、適切なコントラスト調整を行うことができない
と言う問題点があった。本発明の課題は、上記のような
従来技術の問題を解決し、液晶表示装置の正確な温度を
液晶駆動電圧に反映させることにより、液晶表示装置の
コントラストを自動的に且つ良好に調節できる電子機器
を提供することにある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、本発明に係る液晶表示装置を備えた電子機器の請
求項１記載の発明では、外装部の外側の外気温度を検出
する外気温度検出手段と、外装部の内側の内部温度を検
出する内部温度検出手段と、上記内部温度と外気温度と
の温度差を求める比較手段と、液晶表示装置を駆動する
駆動電圧生成のための駆動電圧データを少なくとも上記
内部温度と外気温度との温度差に対応付けて予め記憶し
ておく駆動電圧記憶手段と、使用時に、上記比較手段に
よりそのときの上記内部温度と外気温度との温度差を求
め、少なくとも上記温度差に対応付けられた駆動電圧デ
ータを上記駆動電圧記憶手段から読み出し、液晶表示装
置を駆動する駆動電圧が上記駆動電圧データに対応した
駆動電圧になるように制御する電圧制御手段とを備え
た。また、本発明に係る液晶表示装置を備えた電子機器
の請求項２記載の発明では、上記において、無効スイッ
チと、液晶コントラスト調節器とを備え、上記無効スイ
ッチがオン状態になると、上記温度差に従った液晶駆動
電圧制御を無効にし、上記液晶コントラスト調節器の調
節に従って液晶駆動電圧を制御するように電圧制御手段
を構成した。また、本発明に係る液晶表示装置を備えた
電子機器の請求項３記載の発明では、請求項１記載の発
明において、少なくとも、外気温度と内部温度との温度
差を変化させ、それぞれの温度差において液晶表示装置
のコントラストが最適になるようにコントラスト調節器
を用いて調節し、そのときの駆動電圧または上記駆動電
圧を与える制御電圧を測定し、それぞれの上記温度差に
対応付けて複数の上記駆動電圧または上記制御電圧を駆
動電圧記憶手段に設定する駆動電圧設定手段を備えた。

【０００５】

【作用】上記のような手段にしたので、請求項１記載の
発明では、そのときの液晶表示装置の温度を正確に代替
する内部温度と外気温度との温度差などに対応付けられ
た最適な駆動電圧で液晶表示装置が駆動される。請求項
２記載の発明では、上記において、液晶コントラスト調
節器の調節に従って液晶駆動電圧を制御することも可能
になる。請求項３記載の発明では、それぞれの温度差な
どに対応付けて記憶しておく駆動電圧またはその制御電
圧を得ることができる。

【０００６】

【発明の実施の形態】以下、図面により本発明の実施の
形態を詳細に説明する。図１は本発明の一実施例を示す
電子機器の外観図である。図示したように、この実施例
の電子機器は、液晶表示装置（以下、ＬＣＤと称す）
１、外気温度（外装部の外側の温度）を検出する外気温
度検出部（外気温度検出手段）２、手動によりＬＣＤ１
のコントラストを調節するためのコントラスト調節器
４、機器内外の温度差などに従ったコントラスト調節を
無効にしてコントラスト調節器４による手動のコントラ
スト調節に切り替える無効スイッチ５などを備える。ま
た、図２の機器内部の斜視図に示すように、この電子機
器は、機器内部の内部温度（外装部の内側の温度）を検
出する内部温度検出部（内部温度検出手段）３、ＬＣＤ
１を駆動する駆動電圧を出力する液晶駆動回路６、ＬＣ
Ｄ１を含む各部へ電力を供給する電池７、ハードディス
ク装置８、フロッピーディスク装置９なども備えてい
る。なお、上記内部温度検出部３はＬＣＤ１の近傍に配
設する。

【０００７】図３は本発明に係る液晶表示装置を備えた
電子機器の制御形のブロック図であり、１は液晶表示装
置、２は外気温度検出部、３は内部温度検出部、４はコ
ントラスト調整器、５は無効スイッチ、６は液晶駆動回
路、１１は制御部（電圧制御手段）、１２ａ、１２ｂは
アナログ／デジタル変換器（以下、ＡＤ変換器と記
す）、１３は比較制御部（比較手段）、１４は記憶部
（駆動電圧記憶手段）、１５はデジタル／アナログ変換
器（以下、ＤＡ変換器と記す）である。前記ＡＤ変換器
１２ａは外気温度検出部２により検出された外気温度を
示すアナログ電圧をディジタル電圧に変換し、また、Ａ
Ｄ変換器１２ｂは内部温度検出部３により検出された内
部温度を示すアナログ電圧をディジタル電圧に変換する
ために用いられる。

【０００８】さらに、比較制御部１３はディジタル電圧
化された外気温度と内部温度とを比較してその温度差を
求め、該温度差情報を制御部１１に出力する。記憶部１
４は温度差情報に基づく駆動電圧データを予め記憶して
おり、制御部１１に入力した温度差情報に基づく所望の
駆動電圧データはＤＡ変換器１５によりアナログ電圧に
変換される。なお、液晶駆動回路６はＤＡ変換器１５な
どからのアナログ電圧に応じた液晶駆動電圧を出力する
ものであり、また、制御部１１はＣＰＵおよびプログラ
ムを内蔵したＲＯＭなどから構成され、比較制御部１３
は論理回路で構成するか或いはＣＰＵおよびＲＯＭなど
を共有して構成する。

【０００９】図４は記憶部１４内に記憶された外気温度
と内部温度との温度差Δと、外気温度との関係に基づき
予め設定された駆動電圧データ（Ｖ）の情報を表に示し
た図、図５は図４の駆動電圧テーブルをグラフ化したも
のである。以下、図３、図４、図５に従って、この形態
例の動作を説明する。まず、この電子機器の電源が投入
され、電池７から図３などに示した各部に電力が供給さ
れると、サーミスタなどで構成された外気温度検出部２
および内部温度検出部３により検出された外気温度およ
び内部温度が、それぞれ、アナログ電圧としてＡＤ変換
器１２ａ、１２ｂに与えられる。斯してＡＤ変換器１２
ａからは外気温度を示すディジタル値が出力され、また
ＡＤ変換器１２ｂからは内部温度を示すディジタル値が
出力され、これら二つのディジタル値は比較制御部１３
内の、例えば比較論理回路で比較され、差分つまり内部
温度と外気温度との温度差Δｔが出力される。制御部１
１は電源投入後、定期的に比較制御部の出力である温度
差情報Δｔ及びＡＤ変換器１２ａから出力されている外
気温度を示すディジタル値を取得する。そして、取得し
たいずれかの値に変化があると、記憶部１４内の図４に
示すような駆動電圧テーブルから上記温度差および外気
温度に対応付けられた駆動電圧データを取得する。

【００１０】図４に示した駆動電圧テーブルは一部のみ
を示しているが、実際には、例えば、１０℃から４０℃
までの１度刻みの外気温度と、−５℃から１０℃までの
１度刻みの温度差（内部温度−外気温度）との全ての組
み合わせに対応した駆動電圧データが予め設定されてい
る。この駆動電圧データは実験的に求められる。即ち、
様々な外気温度および上記温度差の環境を人為的に作り
出し、電子機器のＬＣＤ１のコントラストが最適になる
ようにコントラスト調節器４を用いて調節し、そのとき
の駆動電圧を与える制御電圧を測定し、該制御電圧を各
外気温度と各温度差との組み合わせに対応する駆動電圧
データとするのが好ましく、この駆動電圧データを記憶
部１４に設定する駆動電圧設定手段を設けることによ
り、駆動電圧データを収集することができる。このよう
に実験的に駆動電圧データを収集することにより、様々
な電子機器における外気温度及び外気温度と内部温度と
の差に基づく最適な駆動電圧を設定することが可能とな
り、機器毎に異なる機構に起因する温度差の生じ方や温
度差に対する最適駆動電圧のバラツキを補うことが可能
となる。なお、人為的な温度差はＬＣＤ１のバックライ
トの点灯時間などから作り出すことができる。

【００１１】上記において、駆動電圧データを駆動電圧
そのものとするような構成も可能である（図４に示した
駆動電圧データはこのような値である）。また、外気温
度の代わりに内部温度を用いてもよい。制御部１１は記
憶部１４から駆動電圧データを読み出すと、それをＤＡ
変換器１５に与え、読み出された駆動電圧データはアナ
ログ値に変換されて液晶駆動回路６に与えられる。斯し
て上記駆動電圧データに比例した駆動電圧が液晶駆動回
路６からＬＣＤ１へ出力され、ＬＣＤ１のコントラスト
は最適な状態になる。なお、ＤＡ変換器１５は入力され
た駆動電圧データを保持しておく手段を備え、制御部１
１により駆動電圧データが再設定（再入力）されるまで
同じ大きさのアナログ電圧を出力し続ける。上述したよ
うにＬＣＤ１のコントラストが自動的に最適化されるの
は、駆動電圧データを引き出す温度差および外気温度
（または内部温度）がかなり正確にＬＣＤ１の温度を示
しているからである。即ち、ＬＣＤ１の温度は内部温度
よりも高いが、内部温度と比較してどれくらい高いかは
外気温度（または内部温度）と上記温度差に基づくので
ある。例えば、外気温度（または内部温度）が同じでも
温度差が大きいときの方がＬＣＤ１の温度は高くなる。
このような現象に基づき、外気温度及び外気温度と内部
温度との差の温度とから間接的にＬＣＤ１の温度を測定
し、該ＬＣＤの温度に基づき最適な駆動電圧を設定する
ことが可能である。

【００１２】なお、内外の温度差が大きすぎたり、外気
温度が低すぎたりして検出された温度差や外気温度が記
憶部１４に設定されておらず、したがって自動的にコン
トラスト調節を行うことができない場合などは、無効ス
イッチ５をオン状態（無効状態）にすることによりコン
トラスト調節器（コントラスト調節ボリューム）４を手
動調節してＬＣＤ１のコントラストを最適化することが
できる。つまり、制御部１１は、無効スイッチ５のオン
状態を認知すると、液晶駆動回路６から出力する駆動電
圧を制御するための電圧を、ＤＡ変換器１５より出力さ
れる電圧からコントラスト調節器４より出力される電圧
に切り替える。なお、コントラスト調節器４の出力電圧
は、例えば調節操作によって抵抗値が変化する可変抵抗
器を用いて得られる所定電圧の分圧である。

【００１３】

【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る液晶
表示装置を備えた電子機器の請求項１記載の発明は、そ
のときの液晶表示装置の温度を正確に代替する内部温度
と外気温度との温度差などに対応付けられた最適な駆動
電圧で液晶表示装置が駆動されるので、液晶表示装置の
コントラストを最適な状態に調節することが可能であ
る。また、本発明に係る液晶表示装置を備えた電子機器
の請求項２記載の発明では、請求項１記載の発明におい
て、液晶コントラスト調節器の調節に従って液晶駆動電
圧を制御することも可能になるので、自動調節が不可能
な場合でもコントラスト調節ができる。また、本発明に
係る液晶表示装置を備えた電子機器の請求項３記載の発
明では、それぞれの温度差などに対応付けて記憶してお
く正確な駆動電圧またはその制御電圧を得ることができ
るので、より適切なコントラスト調節ができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を示す電子機器の外観図であ
る。

【図２】本発明の一実施例を示す電子機器内部の斜視図
である。

【図３】本発明の一実施例を示す電子機器制御系のブロ
ック図である。

【図４】本発明の一実施例を示す電子機器要部のデータ
構成図である。

【図５】本発明の一実施例を示す電子機器要部の説明図
である。

【図６】従来技術の一例を示す電子ボタン電話装置のブ
ロック図である。

【符号の説明】

１・・・液晶表示装置、２・・・外気温度検出部、３・
・・内部温度検出部、４・・・コントラスト調節器、５
・・・無効スイッチ、６・・・液晶駆動回路、１１・・
・制御部、１３・・・比較制御部、１４・・・記憶部

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 液晶表示装置を備えた電子機器におい
   て、外装部の外側の外気温度を検出する外気温度検出手
   段と、外装部の内側の内部温度を検出する内部温度検出
   手段と、上記内部温度と外気温度との温度差を求める比
   較手段と、液晶表示装置を駆動する駆動電圧生成のため
   の駆動電圧データを少なくとも上記内部温度と外気温度
   との温度差に対応付けて予め記憶しておく駆動電圧記憶
   手段と、使用時に、上記比較手段によりそのときの上記
   内部温度と外気温度との温度差を求め、少なくとも上記
   温度差に対応付けられた駆動電圧データを上記駆動電圧
   記憶手段から読み出し、液晶表示装置を駆動する駆動電
   圧が上記駆動電圧データに対応した駆動電圧になるよう
   に制御する電圧制御手段とを備えたことを特徴とする液
   晶表示装置を備えた電子機器。
2. 【請求項２】 請求項１の電子機器において、無効スイ
   ッチと、液晶コントラスト調節器とを備え、上記無効ス
   イッチがオン状態になると、上記温度差に従った液晶駆
   動電圧制御を無効にし、上記液晶コントラスト調節器の
   調節に従って液晶駆動電圧を制御するように電圧制御手
   段を構成したことを特徴とする液晶表示装置を備えた電
   子機器。
3. 【請求項３】 請求項１の電子機器において、少なくと
   も、外気温度と内部温度との温度差を変化させ、それぞ
   れの温度差において液晶表示装置のコントラストが最適
   になるようにコントラスト調節器を用いて調節し、その
   ときの駆動電圧または上記駆動電圧を与える制御電圧を
   測定し、それぞれの上記温度差に対応付けて複数の上記
   駆動電圧または上記制御電圧を駆動電圧記憶手段に設定
   する駆動電圧設定手段を備えたことを特徴とする液晶表
   示装置を備えた電子機器。