JPH10253928A - サスペンダー式眼鏡のレンズ止着機構 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 レンズ止着作業が簡単で、リムバーをより細
径化することのできるサスペンダー式眼鏡のレンズ止着
機構を提供すること。 【解決手段】 レンズ１を吊支するバンド３のバンド上
弦部31をリムバー２の嵌合溝21とレンズ１の溝部11との
間に嵌合状態に介装せしめると共に、同バンド３のバン
ド下弦部32をレンズ１の下縁の溝部11に添わせた状態で
該バンド下弦部32の端部をリムバー２の縫着孔22に縫着
するようにした。 【効果】 従来のようにバンドとは別の断面ダルマ状ガ
イド線材を用いる必要がなく簡単にレンズ止着を行うこ
とができ、また、リムバー内側面の嵌合溝を断面鍵穴状
に形成しなくて済むので、リムバーの厚みを格段に小さ
くすることができスペンダー式眼鏡のスリム化・軽量化
を更に進めることができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、サスペンダー式眼
鏡のレンズ止着機構、更に詳しくは、眼鏡レンズをナイ
ロン糸等のバンドによって弧状リムバーの下方に吊支す
るサスペンダー式眼鏡のレンズ止着機構に関するもので
ある。

【０００２】

【従来の技術】最近、視野が広くて軽量で、デザイン的
にスッキリとした眼鏡フレームが好評を博しており、と
りわけ、溝付レンズの下半分をナイロン糸等のバンドに
よってリムバーの下方に吊支した所謂「サスペンダー式
眼鏡」の人気が高い。

【０００３】しかし、従来のサスペンダー式眼鏡は、レ
ンズをリムバーに吊支するレンズ止着作業に随分と手間
を要し、製造コストの上昇を招く難点があった。

【０００４】即ち、従来のサスペンダー式眼鏡において
は、図１〜図３に示すように、レンズをリムバーに止着
するにあたって、レンズの上縁形状に合せて弧状に曲げ
加工したリムバーの内側面に断面鍵穴状の嵌合溝を形成
し、この鍵穴状の嵌合溝に断面ダルマ状のガイド線材を
差し入れることで当該ガイド線材を嵌合溝に付設し、そ
して、この嵌合溝に付設したガイド線材をレンズ上縁の
溝部に嵌合させた状態でレンズ下縁をバンドで吊支する
ようにしていた。したがって、このリムバーに対する鍵
穴状嵌合溝の形成作業や、この鍵穴状嵌合溝内へのダル
マ状ガイド線材の差入れ作業に大変手間がかかり、サス
ペンダー式眼鏡の製造コストの上昇を招くことになった
のである。

【０００５】更にまた、従来のサスペンダー式眼鏡は、
このようにリムバー内側面の嵌合溝を断面鍵穴形状に形
成しなければならないことから、このリムバーの厚みａ
（図２参照）をある程度確保しなければならず、このリ
ムバー細径化による眼鏡のスリム化、軽量化にも限界が
あった。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来のサス
ペンダー式眼鏡のレンズ止着機構に上記のような難点が
あったことに鑑みて為されたもので、レンズ止着作業を
簡単に行うことができるサスペンダー式眼鏡のレンズ止
着機構を提供することを技術的課題とする。

【０００７】また、本発明の他の技術的課題は、リムバ
ーをより細径化でき、眼鏡のスリム化、軽量化を進める
ことができるサスペンダー式眼鏡のレンズ止着機構を提
供することにある。

【０００８】更にまた、本発明の他の技術的課題は、リ
ムバーに所要のエンボス模様を形成して眼鏡のデザイン
性を更に高めることのできるサスペンダー式眼鏡のレン
ズ止着機構を提供することにある。

【０００９】

【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために、側面全周に溝部11が形成されたレンズ１
と；このレンズ１の上縁形状に適合するように曲げ加工
された弧状のレンズ支持部材であって、その内側面には
溝幅が溝口部で最大になった嵌合溝21が形成され、各弧
端付近には縫着孔22が開設されたリムバー２と；このリ
ムバー２の各縫着孔22に挿通可能なレンズ吊支線材であ
って、その略中間部30でリムバー２の片側の縫着孔22に
縫着されたバンド３と；から構成されており、このバン
ド３の縫着中間部30から一方の端部に至るバンド上弦部
31を前記リムバー２の嵌合溝21とレンズ１の溝部11の間
に嵌合状態に介装せしめると共に、このバンド３の縫着
中間部30から他方のバンド端部に至るバンド下弦部32を
レンズ１の下縁の溝部11に添わせた状態で当該バンド下
弦部32の端部をリムバー２の他方の縫着孔22に縫着する
ことにより、レンズ１とリムバー２とをバンド３で止着
するという技術的手段を採用した。

【００１０】また、本発明は、上記課題を解決するため
に、必要に応じて上記手段に加え、リムバー２にプレス
加工によってエンボス模様を形成するいるという技術的
手段を採用した。

【００１１】

【発明の実施の形態】以下、図４〜図６に示す実施形態
に基づいて本発明を詳しく説明する。なお、図４は本発
明に係るサスペンダー式眼鏡のレンズ止着機構の部分斜
視図、図５は図４中のＹ−Ｙ線における断面図、図６は
本発明に係るサスペンダー式眼鏡のレンズ止着機構のレ
ンズを外した状態の概略正面図である。

【００１２】図中、符号１で指示するものは、プラスチ
ック製眼鏡レンズであり、このレンズ１の側面には全周
に亙って略断面コ字状の溝部11が形成されている。

【００１３】図中、符号２で指示するものは、前記レン
ズ１の上縁形状に合せて弧状に曲げ加工された金属製リ
ムバーであり、この弧状のリムバー２の内側面には、溝
幅が溝口部で最大に開口した断面劣弧状の溝形状をもつ
嵌合溝21が形成されている（図５参照）。そして、この
弧状リムバー２の両弧端付近には、当該嵌合溝21の内面
からリムバーの外側面に連通する縫着孔22・22、22・22
が二つずつ開設されている（図６参照）。

【００１４】また、このリムバー２の外端には、耳掛テ
ンプルＴをヒンジＨを介してヒンジ連結するエンドピー
スＥがロウ付けされている一方、リムバー２の内端には
当該リムバー２を二つ左右対称的に連結するブリッジＢ
がロウ付け接合されている。なお、図４及び図６には、
リムバー、エンドピース等は片側のみ図示している。

【００１５】図中、符号３で指示するものは、前記リム
バー２の各縫着孔22内に挿通可能で折曲可能なナイロン
糸製のバンドであり、このバンド３は、図６に示すよう
に、バンド３の略中間部30においてリムバー２の外側の
縫着孔22・22に往復的に差し通されて縫着されている。

【００１６】そして、図５に示すように、このバンド３
の縫着中間部30から一方の端部に至るバンド上弦部31を
前記リムバー２の嵌合溝21とレンズ１の溝部11の間に嵌
合状態に介装せしめると共に、このバンド３の縫着中間
部30から他方のバンド端部に至るバンド下弦部32をレン
ズ１の下縁の溝部11に添わせた状態で当該バンド下弦部
32の端部をリムバー２の他方の縫着孔22・22に往復的に
差し通して縫着することにより、当該バンド３でリムバ
ー２の下方にレンズ１を吊支するのである。

【００１７】このように、本実施形態のレンズ止着機構
にあっては、バンド３のバンド上弦部31をリムバー２の
嵌合溝21とレンズ１の溝部11との間に嵌合状態に介装さ
せた状態で、同じバンド３のバンド下弦部32にてレンズ
下縁を吊支することによってレンズとリムバーとを止着
しているので、従来（図２及び図３参照）のように、バ
ンドとは別個の断面ダルマ状のガイド線材をリムバー内
側面に差し込み付設する必要もなく、より簡単にレンズ
止着を行なうことができるのである。

【００１８】また、本実施形態のレンズ止着機構は、断
面ダルマ状のガイド線材を用いる必要がないことから、
リムバー２の内側面に溝幅が溝口部で最大になった断面
劣弧状の溝形状をもつ嵌合溝21を形成すれば足り、従来
のように嵌合溝を断面鍵穴状に形成する必要がない。し
たがって、この嵌合溝21をプレス加工で形成することも
可能となり、製造コストを低減できるほか、必要に応じ
て、このプレス加工により同時にリムバー２の外側面に
所要のエンボス凹凸模様（図示しない）を形成すれば、
簡単に眼鏡デザインの向上も図り得るのである。

【００１９】更にまた、本実施形態のレンズ止着機構
は、溝幅が溝口部で最大な嵌合溝21をリムバー２の内側
面に形成すれば足りるので、リムバーの厚みＡ（図５参
照）を従来品におけるリムバー厚みａ（図２参照）より
格段に小さくすることが可能となり、サスペンダー式眼
鏡のスリム化、軽量化を大幅に進めることができる。

【００２０】更にまた、本実施形態のレンズ止着機構
は、上述したように、バンド３のバンド上弦部31をリム
バー２の嵌合溝21とレンズ１の溝部11との間に嵌合状態
に介装させているので、断面ダルマ状のガイド線材を介
在させていた従来品よりもリムバー２とレンズ１とを一
体化でき、リムバー２を極限まで細径化しても十分なフ
レーム強度を確保することができる。

【００２１】更にまた、本実施形態のレンズ止着機構
は、嵌合溝21を溝幅が溝口部で最大になった断面劣弧状
の溝形状に形成すれば良いので、リムバー２の内側面側
から行なう縫着孔22のバリ取り作業も格段に容易にな
り、この縫着孔22におけるバンド切れ事故も効果的に防
止できるのである。

【００２２】以上、実施形態をもって本発明に係るサス
ペンダー式眼鏡のレンズ止着機構について説明したが、
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく「特許
請求の範囲」の記載内において種々の変更が可能であ
る。例えば、上記実施形態ではリムバー２の嵌合溝21を
断面劣弧状に形成しているが、勿論この溝形状に限定さ
れるものではなく、断面Ｖ字状、断面コ字状等に形成す
ることもできる。この嵌合溝21はその溝幅が溝口部分で
最大であれば良いのである。

【００２３】

【本発明の効果】以上、実施形態をもって説明したとお
り、本発明に係るレンズ止着機構にあっては、バンドの
バンド上弦部をリムバーの嵌合溝とレンズ１の溝部との
間に嵌合状態に介装させた状態で、同じバンドのバンド
下弦部にてレンズ下縁を吊支することによりレンズとリ
ムバーとを止着しているので、従来のようにバンドとは
別個の断面ダルマ状のガイド線材をリムバー内側面に差
し込みながら付設する必要もなく、より簡単にレンズ止
着を行なうことができる。

【００２４】また、このように、断面ダルマ状のガイド
線材を用いる必要がないことから、リムバーの内側面に
溝幅が溝口部で最大になった断面劣弧状の溝形状をもつ
嵌合溝を形成すれば足り、従来のように嵌合溝を断面鍵
穴状に形成する必要がない。したがって、この嵌合溝を
プレス加工で形成することも可能となり、製造コストを
低減できるほか、必要に応じて、このプレス加工により
同時にリムバーの外側面に所要のエンボス凹凸模様を形
成すれば、簡単に眼鏡デザインの向上も図り得るのであ
る。

【００２５】更にまた、リムバーの内側面に溝幅が溝口
部で最大な嵌合溝を形成すれば足りるので、リムバーの
厚みを従来品よりも格段に小さくすることが可能とな
り、サスペンダー式眼鏡のスリム化、軽量化を大幅に進
めることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】従来のサスペンダー式眼鏡の部分斜視図であ
る。

【図２】図１中のＸ−Ｘ線における断面図である。

【図３】従来のサスペンダー式眼鏡のレンズを外した状
態の概略正面図である。

【図４】本発明に係るサスペンダー式眼鏡のレンズ止着
機構の部分斜視図である。

【図５】図４中のＹ−Ｙ線における断面図である。

【図６】本発明に係るサスペンダー式眼鏡のレンズ止着
機構のレンズを外した状態の概略正面図である。

【符号の説明】

１ レンズ 11 溝部 ２ リムバー 21 嵌合溝 22 縫着孔 ３ バンド 30 縫着中間部 31 バンド上弦部 32 バンド下弦部

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 側面全周に溝部11が形成されたレンズ１
   と；このレンズ１の上縁形状に適合するように曲げ加工
   された弧状のレンズ支持部材であって、その内側面には
   溝幅が溝口部で最大になった嵌合溝21が形成され、各弧
   端付近には縫着孔22が開設されたリムバー２と；このリ
   ムバー２の各縫着孔22に挿通可能なレンズ吊支線材であ
   って、その略中間部30でリムバー２の片側の縫着孔22に
   縫着されたバンド３と；から構成されており、 このバンド３の縫着中間部30から一方の端部に至るバン
   ド上弦部31を前記リムバー２の嵌合溝21とレンズ１の溝
   部11の間に嵌合状態に介装せしめると共に、このバンド
   ３の縫着中間部30から他方のバンド端部に至るバンド下
   弦部32をレンズ１の下縁の溝部11に添わせた状態で当該
   バンド下弦部32の端部をリムバー２の他方の縫着孔22に
   縫着することにより、レンズ１とリムバー２とをバンド
   ３で止着することを特徴としたサスペンダー式眼鏡のレ
   ンズ止着機構。
2. 【請求項２】 リムバー２にプレス加工によるエンボス
   模様が形成されていることを特徴とした請求項１記載の
   サスペンダー式眼鏡のレンズ止着機構。