JPH10253164A - プラスチック製電気温水器 - Google Patents

プラスチック製電気温水器

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JPH10253164A
JPH10253164A JP9061207A JP6120797A JPH10253164A JP H10253164 A JPH10253164 A JP H10253164A JP 9061207 A JP9061207 A JP 9061207A JP 6120797 A JP6120797 A JP 6120797A JP H10253164 A JPH10253164 A JP H10253164A
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JP
Japan
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layer
water heater
fiber
electric water
plastic electric
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JP9061207A
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Atsuo Tokutake
▲あつ▼夫 徳竹
Hikari Ota
光 太田
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Nihon Dennetsu Co Ltd
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Nihon Dennetsu Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐腐食性、負圧に対する抵抗性、保温性、製
造コストの削減を図ると共に、プラスチックタンクでの
溶剤成分の水中への移行を防止する。 【解決手段】 プラスチック製電気温水器の積層容器1
を、その内層から外層に向かって少なくとも4層から形
成し、最内層の第1層を熱可塑性樹脂層6とし、その外
側に第2層としてバリヤー材層7を形成し、次いでその
外側に繊維強化熱硬化性樹脂層8を設け、次いでその外
側にさらに第4層として断熱材層9から形成したプラス
チック製電気温水器。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、家庭用等に用いら
れるプラスチック製電気温水器に関する。
【0002】
【従来の技術】従来電気温水器はスチール製であり、平
板から溶接によって製造される為、長時間使用時に溶接
部での粒界腐食が起き易い、銅製ヒーター部とステンレ
スとの間で電気腐食が起き易い等の問題があり、フェラ
イト系ステンレスの採用により解決を図ったが、未だ不
十分である。
【0003】また金属であるがゆえに、変形が起きた場
合に復元性がなく、特に温水器使用時に負圧になった場
合に、変形したままになるという欠点を有している。更
にタンク製造時の溶接速度を早くするには限度があり、
生産性が悪く製造コストが高いという経済的問題も抱え
ている。また熱伝導度の高い金属を使用している為、断
熱材によって保護されているもの、保温性が充分でな
く、貯湯時および使用時に温度が下がり易く、運転費が
高くなる欠点を有する。
【0004】そこでかゝる欠点を改良する為、プラスチ
ック製の温水器が提案されている。例えば特公平6−1
05119では熱可塑性樹脂タンク/繊維強化熱硬化性
樹脂層/保温材層からなる積層容器にヒーターを取り付
けた電気温水器がある。繊維強化熱硬化性樹脂装置はフ
ィラメントワインディングにより熱可塑性樹脂タンクに
巻かれるが、熱硬化性樹脂として、不飽和ポリエステ
ル、エポキシ樹脂等が用いられる。フィラメントワイン
ディング後に加熱された熱硬化槽に投入して硬化され、
同時に未硬化の原料や溶剤も除去されるが、極微量の溶
剤が残留されることがある。これらが電気温水器として
加熱されたまま長時間使用されなかった場合に、残留し
た溶剤成分が熱可塑性樹脂タンクを通して水中に移行さ
れ、水に臭いをつけることがある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】金属温水器の課題であ
る耐腐食性、負圧に対する抵抗性、保温性、製造コスト
の削減を図ると共に、プラスチックタンクでの溶剤成分
の水中への移行を防止することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、プラスチック
製電気温水器の積層容器を、その内層から外層に向かっ
て少なくとも4層から形成し、最内層の第1層を熱可塑
性樹脂層とし、その外側に第2層としてバリヤー材層を
形成し、次いでその外側に繊維強化熱硬化性樹脂層を設
け、次いでその外側にさらに第4層として断熱材層から
形成したプラスチック製電気温水器からなり、第1層と
して、熱変形温度が110℃以上である熱可塑性樹脂を
用い、第2層を形成するバリヤー材層に、塩化ビニリデ
ン、エチレン酢酸ビニルけん化物、金属皮膜、金属酸化
物からなる群から選ばれた少なくとも一種を用い、第2
層を形成する繊維強化熱硬化性樹脂層に用いる繊維とし
て、ガラス繊維、炭素繊維、炭化珪素繊維、全芳香族ポ
リアミド繊維からなる群から選ばれた少なくとも一種を
用い、さらに第4層を形成する断熱材層に、ポリイソシ
アネートおよび/またはポリイソシアヌレートを用い、
また積層容器の外側にさらに外装容器を設け、その外装
容器を、ポリエチレン、架橋ポリエチレン、ポリプロピ
レン、ポリブチレンしらなるポリオレフィン類から選ば
れた少なくとも一種を用いたプラスチック製電気温水器
からなる。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明のプラスチック製電気温水
器は、図1に示すごとく多数の層から構成した積層容器
1内にシーズヒータ2を設け、上方から給水パイプ3を
垂下設置する。そして給湯パイプ4および排水パイプ5
を夫々上下に取付けた構成からなる。本発明はかゝる電
気温水器において、特に積層容器1を構成する積層材に
その特徴を有し、具体的にはその積層容器は図2に示す
ごとき断面の層から形成されており、概略次のごとき構
成からなる。
【0008】積層容器1の内層から外層に向かって第1
層、第2層、第3層、第4層と称し、第1層を熱可塑性
樹脂層6、第2層をバリヤー材層7、第3層を繊維強化
熱硬化性樹脂層8、第4層を断熱材層9と夫々を呼称す
る。なお、部品番号10は外装容器を示しており、必要
の場合のみこれを用いる。以上のごとき本発明のプラス
チック製電気温水器の積層容器は夫々次のごとき材料等
からなる。
【0009】直接温水に接する最内層を構成する第1層
に使用される熱可塑性樹脂は、JISK7207による
熱変形温度が110℃以上のものである。電気温水器の
貯湯温度は85℃であり、異常時の沸騰に耐えられる為
には上記温度以上の熱変形温度を有するのが望ましい。
該樹脂の引張伏点での伸びが大きいか、あるいは降伏点
が殆どなく破断点に至る伸びが大きい樹脂が望ましい。
負圧によってタンクが変形する場合に、伸びが小さく脆
いものは変形時に亀裂が発生する可能性がある。前述の
特徴を持つ樹脂は、繰り返し負圧による変形に対しても
復元性を有し、本発明に好ましく使用される。熱可塑性
樹脂の中で、熱水によって加水分解したり、膨潤する樹
脂、水中の殺菌剤である塩素、フッ素等の影響をうける
樹脂は、本発明の温水器には使用されない。これらの条
件に適合する熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン、特
に高密度ポリエチレン、架橋ポリエチレン、ポリプロピ
レン、ポリブチレンなどのポリオレフィン、変性ポリフ
ェニレンエーテル、ナイロン610、ポリアリレート、
変性ポリフェニレンエーテルとナイロン6とのブレンド
物等のエンジニヤリングプラスチックが例示される。タ
ンクはブロー成形でも回転成形でも成形されるが、中で
もブロー成形によるタンク成形性からポリオレフィン、
変性ポリフェニレンエーテルおよびそのナイロンブレン
ド物が好ましく用いられる。変形時の復元性から架橋ポ
リエチレン、ポリブチレンが特に好ましく用いられる。
【0010】第3層である連続長繊維により補強された
熱硬化性樹脂による補強層中の微量残存溶剤成分が、第
1層を通して、温水器中に長時間未使用で滞留された温
水に移行するのを防ぐ為の、第1層と第3層との中間に
設置される第2層であるバリヤー材は、有機バリヤー材
でも、金属皮膜あるいは金属酸化物等の無機バリヤー材
でもよい。有機バリヤー材としてはセロファン、塩化ビ
ニリデン、エチレン−酢酸ブニル共重合体の鹸化物であ
るエチレンビニルアルコール、塩化ビニル、ポリアミ
ド、ポリエステル等が例示される。これらは単独のフィ
ルムで第1層タンクにつけてもよいが、収縮性を持たせ
る為にポリエチレンと多層にしたフィルムを用い、第1
層にシュリンク包装して取り付けてもよい。これらの有
機材料のうち塩化ビニリデン、エチレンビニルアルコー
ル、セロファンはバリヤー性に優れる為、好ましく用い
られる。セロファンの場合はポリエチレンとの多層フィ
ルムが望ましい。
【0011】金属皮膜としては、アルミニウム、金、銀
等あるいはプラスチックフィルムにこれらを金属蒸着さ
れたフィルム等を用いる。また金属酸化物バリヤー材と
してはアルミニウム、珪素、マグネシウム、ジルコニウ
ム、チタン等の酸化物およびその混合物が挙げられる。
この場合もプラスチックフィルムによって金属蒸着され
た物も含まれる。また珪素酸化物では、常温により硬化
剤と触媒の作用によってポリシロキサンから得られる金
属酸化物ガラスも含まれる。すなわち有機ポリシロキサ
ンを原料にして、加水分解によって水酸基に変化させ、
しかる後架橋をさせることによって三次元構造のポリシ
ロキサン硬化体を得る。れを金属有機化合物及びボロン
を成分とする触媒によって珪素酸化物を主成分とするガ
ラス皮膜を作る物である。この酸化物にはアルミニウ
ム、チタン、ジルコニウムの酸化物も混合され得る。有
機バリヤー材の場合、気体透過性の温度依存性がある場
合があり、高温になるとバリヤー性が少なくなることが
あるが、金属皮膜あるいは金属酸化皮膜による無機バリ
ヤー材は、温度依存性がないため、より好ましく用いら
れる。常温硬化型ガラス皮膜は、金属蒸着等の工程が必
要なく、金属箔のようにピンホールを避ける為に肉厚を
厚くする必要もない為、特に好ましく用いられる。
【0012】第2層であるバリヤー材が積層された第1
層の熱可塑性樹脂製タンク内に0.85Kgf/cm2 の圧の
水が充満され、加熱された場合の耐圧強度を維持するた
めに補強材層である第3層が設けられる。第3層は繊維
で強化された熱硬化性樹脂であり、用いられる繊維とし
てはガラス繊維、炭素繊維、炭化珪素繊維、アルミナ繊
維などの無機繊維、芳香族ポリアミド、全芳香族ポリエ
ステル、超高分子ポリエチレン繊維などの高分子繊維が
例示される。ガラス繊維はアルカリ成分を1%以下含む
ボロシリケートからなるEガラス繊維が好ましく用いら
れる。炭素繊維はアクリル繊維、ピッチ、レーヨン、リ
グニンのいずれを原料としたものでも用いられるが、引
張弾性率のより高い繊維が好ましく用いられる。炭化珪
素繊維はジメチルジクロロシランを原料とする炭化珪素
のみでなく、さらにチタンを反応させたチラノ繊維を含
まれる。これら炭素繊維、炭化珪素繊維はガラス繊維よ
り引張り弾性率が高いため、薄肉化が図れる。芳香族ポ
リアミド繊維はいわゆるアラミド繊維で、ホモポリマ
ー、コポリマーとも用いられるがパラ型ホモポリマーで
あるポリ・パラ・フェニレン・テレフタラミドが弾性率
が高く、耐熱性も優れているので好ましく用いられる。
全芳香族ポリエステルはいわゆるポリアリレート繊維と
呼ばれ、液晶繊維でガラス繊維より弾性率が高く密度が
低い為軽量化が図れる。超高分子量ポリエチレン繊維
は、ゲル紡糸、超延伸をして得られ、例示した他の高分
子繊維と同じ弾性率を持つ。
【0013】熱硬化性樹脂としては、不飽和ポリエステ
ル樹脂、ビニルエステル樹脂、エポキシ樹脂、フェノー
ル樹脂等が用いられる。不飽和ポリエステル樹脂として
はオルソフタル酸系、イソフタル酸系、ビスフェノール
A系などが例示されるが、温水器が負圧になって第1層
である熱可塑性樹脂タンクが変形した場合に、第3層で
ある強化熱硬化性樹脂層も若干の変形追従性は必要な
為、伸びのあるイソフタル酸系が望ましく用いられる。
ビニルエステル系樹脂も同様に若干の伸びを有し、耐熱
性もよく、溶媒による移行量を調整し易い為、より好ま
しく用いられる。エポキシ樹脂は硬化時に発熱が大きい
ために、第1層である熱可塑性樹脂層の熱変形温度より
高く発熱しない組成を用いなければならない。フェノー
ル樹脂は耐熱性にも優れ、難燃性である為、ヒーターを
タンクに内蔵させる構造の温水器に好ましく用いられ
る。第3層の繊維強化熱硬化性樹脂層は、第2層のバリ
ヤー層が積層された第1層のタンクにフィラメントワイ
ンディングによって積層される。
【0014】電気温水器に保温性を持たせる為の、第4
層の断熱材層は発泡成形品が用いられる。断熱材層には
熱伝導率ができるだけ小さく、また電気温水器に水が充
満された場合に、断熱材にかかる圧縮応力に十分耐えら
れるものでなければならない。第1、2、3層からなる
積層タンクに発泡の断熱材層を設けるには注型発泡が最
も望ましい。注型発泡にはポリウレタン、ポリイソシア
ヌレート、フェノール−アルデヒド、ユリア−アルデヒ
ド、メラミン−ホルムアルデヒド、シルコーン、エポキ
シ、不飽和ポリエステル発泡等が例示される。熱伝導率
が非常に小さく、使用時の85℃の耐熱性にも優れるこ
とからポリウレタン、ポリイソシアヌレートが好ましく
用いられる。ポリイソシアヌレートは、断熱性、耐熱性
のほかに難燃性も付与されるため、最も好ましく用いら
れる。
【0015】電気温水器が屋外に設置された場合の、美
麗観、飛散物による衝撃抵抗性、地震対策、耐候性維持
などのため4種の積層物の外装としてさらに対衝撃性の
大きい熱可塑性樹脂からなる外装タンクを設けることが
できる。熱可塑性樹脂としてはポリエチレン、ポリブチ
レン、ポリプロピレンのポリオレフィン、エチレンと酢
酸ビニル、アクリル酸、メチルメタクリル酸等との共重
合体等が例示される。外装タンクの成形には中空成形、
回転成形のいずれも用いられるが、中空成形の場合には
高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレンが好ましく用
いられ、大きな満水容量のタンクでは特に高分子量の高
密度ポリエチレンが好ましい。回転成形では直鎖低密度
ポリエチレンが好ましく用いられる。
【0016】
【実施例】実施例の結果は表1に示すとおりである。
【0017】
【表1】
【0018】1.使用材料 第1層:ポリブチレン(PB)および架橋ポリエチレン
(PE) 第2層:エチレン−酢酸ビニル共重合体けん化物(EV
OH)、アルミ箔、常温硬化ガラス、塩化ビニリデン
(PVDC) 第3層:ガラス繊維(GF)、炭素繊維(CF)、チラ
ノ繊維、アラミド繊維をそれぞれマトリックスに50容
量%になるよう含浸し、フィラメントワインディングし
た。マトリックスはイソフタル酸系ポリエステルとビニ
ルエステルを用いた。
【0019】第4層:ポリイソシアネートおよびMDI
中に触媒を混合してイソシアヌレートとしたもの 外装タンク:高密度ポリエチレン ヒータ:シーズヒータ 2.成形方法 第1層:中空成形法、380リットルタンク成形 第2層:EVOHフィルムはポリエチレンと多層化した
シュリンクフィルムとし、第1層に巻いた後シュリンク
トンネルを通した。アルミ箔とPVDCはそのまま巻き
付け粘着テープで第1層に固定した。常温硬化型ガラス
は、本剤と触媒との2液を混合後、スプレーによって第
1層に吹き付け、常温で3日間硬化、ガラス化した。
【0020】第3層:第2層が積層された第1層をライ
ナーとして、マトリックス樹脂槽に繊維ロビングを通し
た後、ヘリカル4プライ、フープ2プライでフィラメン
トワインディングした。ワインディング後65℃の硬化
炉で熱処理して、樹脂硬化させた。 第4層:半割り金型にポリジフェニルメタンジイソシア
ネート(MDI)と発泡剤を含むポリオールを高圧発泡
機内で混合、注入することで成形。
【0021】外装タンク:中空成形法 3.電気温水器組み立て フィラメントワインディングにより積層された第1、
2、3層からなるタンクに、開口部をあけ、シーズヒー
タと制御部を取り付け、第4層、あるいはさらに外装タ
ンクを組んで、温水器とした。 4.性能評価 耐圧試験:85℃に加熱された満水温水器に、1kg/分
の速度で加圧し、破壊の起こる圧力を測定した。
【0022】サイクルテスト:85℃に加熱された満水
温水器に、1.5kg/秒で0から10kgまでの圧力を繰
り返すサイクルテストを100,000回行い、水漏れ
をチェックした。 採湯試験:保温性を評価する為JISC9219により
85℃に達した後、電源を切って13時間放置した後、
連続採湯し、容量1/2に相当する採湯時の湯温の測定
を行い85℃との差を測定した。
【0023】耐塩素水試験:次亜塩素酸ナトリウムを用
い塩素濃度3〜5ppmに調整した水を補給しながら促
進のために、95℃の水に、半年間貯湯しタンクの表面
状態を観察した。 負圧試験:満水にした後、すべての弁を閉じて、製品の
高さの水頭圧で水を排出して負圧にした後、タンクの変
形を観察した。
【0024】水中の溶媒成分移行:85℃に加熱された
温水器に、水を充満したまま10日間放置した後、水中
に移行した各熱硬化性樹脂中の溶剤成分を、ガス質量分
析計で測定した。
【0025】
【実施例1、2、6および比較例1、2】実施例1、2
には第2層をEVOH、第3層をガラス繊維強化イソフ
タル酸系不飽和ポリエステルとし、第1層をPBおよび
PEとした例を示した。実施例6には、マトリックスを
ビニルエステルにしたガラス繊維強化樹脂とした例を示
した。比較例1にはステンレス温水器、比較例2には第
2層であるバリヤー層を設けないことを除いて実施例1
と同じ構造としたものを示した。実施例1、2、6のも
のはいずれも十分な耐圧強度を有し、サイクルテスト、
負圧試験で変形が起きていない。比較例1のものはサイ
クルテストで水漏れが観察され、負圧試験で変形がおき
た。採湯試験では、実施例のものは比較例より設定温度
との温度差が少なかった。また実施例と比較例2を比較
すると、バリヤー層のない比較例は水中への移行量が大
きい。
【0026】
【実施例1、3〜5および比較例1、2】第1層をP
B、第3層をGF強化イソフタル酸系ポリエステルとし
て、第2層であるバリヤー材を変えた例を実施例1、3
〜5に示した。いずれも比較例2に比べ、水中への溶剤
成分への移行は少なくなっている。特に、実施例3、4
のものは溶剤成分が検出されなかった。
【0027】比較例と実施例を比較すると、実施例のも
のはサイクルテスト、負圧試験、耐塩素水テストとも変
化は見られないが、比較例1は水漏れ、変形が観察され
た。
【0028】
【実施例6〜9および比較例1、2】実施例6〜9には
第1層はPB、第2層はEVOHとし、第3層の強化繊
維を変えたものの例を示した。実施例のものはいずれも
十分な耐圧強度を持ち、比較例1に比べサイクルテス
ト、負圧試験、塩素水試験でも変化は見られない。特に
実施例7、8は十分な耐圧強度を持つ。採湯試験ではい
ずれも比較例1に比べ保温性に優れている。また実施例
のものは比較例2に比べ溶剤成分の移行も少ない。
【0029】
【実施例1および10】第1層のPB、第2層のEVO
H、第3層のGF/イソフタル酸系ポリエステルを同じ
として発泡層をイソシアヌレートとイソシアネートとし
た例を実施例1と10に示した。両者の差は殆どなく、
いずれも断熱材として十分使用される。保温性は比較例
1より優れている。
【0030】なお、本発明で使用する積層容器を4層と
して説明したが、この4層は必須の層を示すものであっ
て、それらの4層に他の層を介在させても本発明の4層
の積層容器を少なくとも具備するものをも本発明は包含
するものである。本発明では4層だけからなる積層容器
について示したが、それは経済的、効率的な面から好適
な例として示したものである。
【0031】
【発明の効果】本発明は、第1層である熱可塑性樹脂層
と第3層である繊維強化熱硬化性樹脂層との間にバリヤ
ー材層としての第3層を介在させたので、第3層の熱硬
化性樹脂による補強層中の微量残存溶剤成分が第1層を
通過して温水中に移行することを防止することができ
る。
【0032】また積層容器は、負圧によって変形しても
復元し易く、腐食しにくい熱可塑性樹脂と金属並みの耐
圧強度をもち、保温性も良好である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のプラスチック製電気温水器の概略説明
図である。
【図2】本発明の積層容器の部分断面図である。
【符号の説明】
1 積層容器 6 第1層(熱可
塑性樹脂層) 7 第2層(バリヤー材層) 8 第3層(繊維
強化熱硬化性樹脂層) 9 第4層(断熱材層) 10 外装容器

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プラスチック製電気温水器の積層容器
    を、その内層から外層に向かって少なくとも4層から形
    成し、最内層の第1層を熱可塑性樹脂層とし、その外側
    に第2層としてバリヤー材層を形成し、次いでその外側
    に繊維強化熱硬化性樹脂層を設け、次いでその外側にさ
    らに第4層として断熱材層から形成したプラスチック製
    電気温水器。
  2. 【請求項2】 第1層として、熱変形温度が110℃以
    上である熱可塑性樹脂を用いた請求項1記載のプラスチ
    ック製電気温水器。
  3. 【請求項3】 第2層を形成するバリヤー材層に、塩化
    ビニリデン、エチレン酢酸ビニルけん化物、金属皮膜、
    金属酸化物からなる群から選ばれた少なくとも一種を用
    いる請求項1又は2に記載のプラスチック製電気温水
    器。
  4. 【請求項4】 第3層を形成する繊維強化熱硬化性樹脂
    層に用いる繊維として、ガラス繊維、炭素繊維、炭化珪
    素繊維、全芳香族ポリアミド繊維からなる群から選ばれ
    た少なくとも一種を用いる請求項1,2又は3に記載の
    プラスチック製電気温水器。
  5. 【請求項5】 第4層を形成する断熱材層に、ポリイソ
    シアネートおよび/またはポリイソシアヌレートを用い
    た請求項1,2,3又は4に記載のプラスチック製電気
    温水器。
  6. 【請求項6】 積層容器の外側にさらに外装容器を設け
    た請求項1,2,3,4又は5に記載のプラスチック製
    電気温水器。
  7. 【請求項7】 外装容器を、ポリエチレン、架橋ポリエ
    チレン、ポリプロピレン、ポリブチレンからなるポリオ
    レフィン類から選ばれた少なくとも一種を用いた請求項
    6に記載のプラスチック製電気温水器。
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