JPH1025171A - 高強度セラミック複合板の製造方法 - Google Patents

高強度セラミック複合板の製造方法

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JPH1025171A
JPH1025171A JP8176947A JP17694796A JPH1025171A JP H1025171 A JPH1025171 A JP H1025171A JP 8176947 A JP8176947 A JP 8176947A JP 17694796 A JP17694796 A JP 17694796A JP H1025171 A JPH1025171 A JP H1025171A
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JP
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weight
parts
composite plate
mesh sheet
ceramic composite
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JP8176947A
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Kazuo Oda
和生 小田
Tomoo Oda
倫穂 小田
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ODA KENSETSU KK
Original Assignee
ODA KENSETSU KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】フライアッシュを主原料とした、破壊時にも高
い残留強度を有し破片が飛散しない安全かつ軽量な高強
度セラミック複合板を提供する。 【解決手段】フライアッシュ100重量部に対し、珪灰
石粉末5〜15重量部、高炉滓微粉末5〜15重量部、
シリカ微粉末5〜10重量部及びカオリン微粉末5〜1
0重量部を加えて均一に混合する第1工程と、第1工程
で得られた混合物の100重量部に対して、下記水ガラ
スを含有する泥しょう状結合材を、10〜30重量部添
加して十分に混練して混練物素材を得る第2工程と、第
2工程で得られた混練物素材を押出により粗粒状の押出
物にする第3工程と、第3工程で得られた粗粒状押出物
をステンレスメッシュシートの上下面に供給してセット
した後、その上下面をロールで転圧して薄板状に加圧成
形した後、加熱乾燥して乾燥複合板を得る第4工程と、
第4工程で得られた乾燥複合板を550〜1150℃で
焼成する第5工程、とよりなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本願発明は石灰火力発電所、ゴミ
焼却炉等から廃出される産業廃棄物であるフライアッシ
ュを主原料とした高強度セラミック複合板に関するもの
であり、特にステンレスメッシュシートなどの耐熱材料
製メッシュシートをフライアッシュを主体とするセラミ
ック素材の内部に埋設した高強度にして、破壊時にも高
い残留強度を有し、かつセラミック素材とメッシュシー
トの離散が発生しない安全かつ軽量な低価格の弾力性の
ある高強度セラミック複合板及びその製造方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】フライ
アッシュを原料として利用した建築ボード類の開発は従
来から続けられているが、製品の多くはその配合比率が
20〜40%程度であり、混和材として又はセラミック
原料の代替として使用されている。
【0003】一方、市販のセラミックタイルにおいて
は、サイズ的に900mm×600mm程度が現状では
最大であるが、製品コストが高く又破衝撃力の破片飛散
による被害が大きい。
【0004】また、最近、自然石の大型ボード例えば1
800mm×900mm程度のものが市販される状況に
あるが、コスト的に極めて高価である。しかも自然石は
ほとんど輸入品であり、その薄切り加工には長時間を要
しさらに多量の切断粉末と廃石が生じる。また、材料の
比重が大きいため、該大型ボードの施工時に多大な労力
と注意力と長時間を要する。このような状況から大型で
軽量かつ耐破壊性の優れた構造物用板状材料を廉価で大
量に供給することが望まれており、また大量に発生する
産業廃棄物であるフライアッシュの有効利用が望まれて
いた。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決すべく鋭意研究を行った結果、それらをすべて克
服して、高強度で板状であり、セラミック材料のほぼ中
央にステンレスメッシュシートが埋設された大形の、例
えば巾900mm、厚さ6mm前後にして、長さ900
mm,1,800mmあるいは2,400mm程度の平
板状として、製品曲げ強度約250〜350kgf/c
のステンレスメッシュシート埋設による、嵩比重
1.7〜1.85g/cmの高強度セラミック複合板
を製造する方法を開発した。
【0006】すなわち、本発明は、下記構成の発明であ
る。 (1)フライアッシュ100重量部に対し、珪灰石粉末
5〜15重量部、高炉滓微粉末5〜15重量部、シリカ
微粉末5〜10重量部及びカオリン微粉末5〜10重量
部を加えて均一に混合する第1工程と、第1工程で得ら
れた混合物の100重量部に対して、下記(a)〜
(d)の混合物である泥しょう状結合材を、10〜30
重量部添加して十分に混練して混練物素材を得る第2工
程と、 (a)ケイ酸ナトリウム水溶液(水ガラス1号):60
0〜1,200重量部、 (b)水酸化アルミニウム10〜30重量部、酸化亜鉛
20〜50重量部、珪灰石20〜50重量部及びカオリ
ン20〜50重量部からなる混合物100重量部に対し
て、水40〜60を添加混合したもの:150〜250
重量部、 (c)アルミン酸ナトリウム33%水溶液:100〜1
50重量部、 (d)硼酸10%水溶液:200〜300重量部。 第2工程で得られた混練物素材を押出により粗粒状の押
出物にする第3工程と、第3工程で得られた粗粒状押出
物をステンレスメッシュシートの上下面に供給してセッ
トした後、その上下面をロールで転圧して薄板状に加圧
成形した後、加熱乾燥して乾燥複合板を得る第4工程
と、第4工程で得られた乾燥複合板を550〜1150
℃で焼成する第5工程、とよりなることを特徴とする高
強度セラミック複合板の製造方法。
【0007】(2)第1工程において、混合物100重
量部に対し、更に金属繊維、ガラス繊維、セラミック繊
維等の2〜5mm長の短繊維0.5〜3.0重量部を添
加混合することを特徴とする前期(1)項記載の高強度
セラミック複合板の製造方法。 (3)第4工程における乾燥複合板の焼成温度が、95
0〜1,100℃であることを特徴とする(1)項又は
(2)項記載の高強度セラミック複合板の製造方法。 (4)第4工程において、加圧成形後に加湿下で乾燥し
て乾燥複合板を得ることを特徴とする(1)項ないし
(3)項のいずれかに記載の高強度セラミック複合板の
製造方法。 (5)メッシュシートとして、耐熱性金属製メッシュシ
ートを用いることを特徴とする(1)項ないし(4)項
のいずれかに記載の高強度セラミック複合板の製造方
法。 (6)メッシュシートとして、セラミック繊維製メッシ
ュシートを用いることを特徴とする(1)項ないし
(5)項のいずれかに記載の高強度セラミック複合板の
製造方法。 (7)メッシュシートとして、ガラス繊維製メッシュシ
ートを用いることを特徴とする(1)項ないし(6)項
のいずれかに記載の高強度セラミック複合板の製造方
法。
【0008】上記において、ステンレスメッシュシート
の形状は、本発明に係る複合板材料の厚さにも依るが厚
さ6mm前後においては、金属線の太さは直径0.3〜
0.5mm程度が好ましく、網目の開きは10〜15m
m程度が望ましい。さらに、第1工程における主原料成
分のフライアッシュ等の粒度範囲は、一般にフライアッ
シュ:約10〜30μm、珪灰石粉末:300メッシュ
以下、高炉滓微粉末:5〜10μm、シリカ微粉末1μ
m及びカオリン微粉末:1μm以下であることが好まし
い。また第2工程における酸化亜鉛は100μm以下が
好ましく、カオリン微粉末は1μm以下であることが好
ましい。このように各材料の粒度は、構造用材料として
高い強度を発現するために添加量とともに粒度組成が良
好な範囲で構成される必要がある。フライアッシュの成
分組成は、例えばSiO:50〜68%,Al
3:20〜35%、Fe3:2〜7%,CaO:
0.6〜7%、MgO:0.2〜2%,NaO:0.
1〜2%、KO:0.3〜1.5%,Ig.los
s:2〜4%からなり、ガラス質であり、かつ各フライ
アッシュは粒径10〜30μmの球状体である。
【0009】上記の各材料の粒度組成と泥しょう状結合
材としての結合剤を混練して第3工程の粗粒状押出物を
つくり、ステンレスメッシュシートの上下部に供給しサ
ンドウィッチ状として、例えば薄い板の寸法が巾900
mm,長さ2,400mm,厚さ6mm前後の複合成形
板として成形される。
【0010】上記本願発明においては、得られる製品の
曲げ強度の増強もさることながら、残留強度の増大によ
る耐衝撃性を増大するために、第4工程においてこのペ
ースト状素材のほぼ中央に金属メッシュシートを埋設し
ているが、前記第1工程において、混合物にさらに、金
属繊維、ガラス繊維、セラミック繊維等の2〜5mm長
の短繊維を0.5〜3.0重量部を加えて十分に混練し
て混練物素材を得ることが好ましい。
【0011】ここで上記本発明で使用される各配合原料
の作用について説明する。まず、前記したとおり主な粉
体原料の粒度組成では大部分がサブミクロンから約10
0μmまでの粒径を有し、その中で10〜30μm付近
を最も多くすることにより成形性を高めることができ
る。しかも高炉滓の微粉末の一部がアルカリ性溶液と反
応して一種の水硬性を呈するため、強固な薄板状成形体
が得られる。この速度は高炉滓の含有量と粒子の大きさ
に相関関係があり、成形体が作業性を有する硬度を発現
する時間を製造上から20〜30分間とすればその含有
量は10%以内、3%を下回ると30分以上の時間を要
する。
【0012】泥しょう状結合材の原料としての、珪灰
石、水酸化アルミニウム、酸化亜鉛、アルミン酸ナトリ
ウム、ホウ酸及びケイ酸ナトリウムは、高強度薄板状セ
ラミック・ステンレスメッシュシート複合成形体の製造
に係る結合材を構成するものであり、同時に添加される
カオリン微粉末はこの結合材の粘性を調整するための原
料である。この泥しょう状結合材は上記粉体原料の粒子
表面を大いに溶解とゲル化を行い、同時に懸濁状の粒子
をまんべんなく包み込みながら温度が上昇するにしたが
い粉体相互の接着を強固にする作用を有し、水分の蒸発
とともに硬化作用を続けながら550〜1100℃の焼
成で十分に高強度を発現するための強固な接着成分とし
てその役目を果たすものである。
【0013】上記本願発明に係る配合原料の作用におい
て、水酸化アルミニウムは一般に平均粒子径が20μm
前後であり、アルカリ溶液と反応して一部はアルミン酸
ナトリウムとなって溶解し接着効果を発現し、加熱すれ
ば200℃以上で十分硬化し、さらに温度上昇にともな
いこの一部は酸化アルミニウムとなって耐火性が増加す
るなどの優れた作用効果を発揮する。酸化亜鉛は、助触
媒的機能性と加熱による活性化作用の特性により、結合
材が有効に働くために架橋剤的作用を発現し、結合に有
効な作用を及ぼすものと考えられる。アルミン酸ナトリ
ウムはアルカリ溶液で安定であり、接着性に富み脱水す
れば融点が1,700℃以上と耐火性が高いものにな
る。ホウ酸は上記のアルカリ水溶液に添加されている原
料の一部をゲル化するために結合材として有効に働く。
しかる後にケイ酸ナトリウムを加えて、さらにゲル化と
多くの水和物ができて結合材の形成が終わる。このよう
にして加えられた原料が相互に反応して生成したゲル状
物質を含む懸濁液全体は高い接着力を発揮する。また粘
性の調整はカオリン微粉末を加えることによって制御す
ることができる。
【0014】一方、前記の結合材をフライアッシュやシ
リカ微粉末に加えることによって、これら微粉末の粒子
表面がぬれて表面に反応が起こり、粒子表層にゲル状物
質が生成される。このゲル状物質が粒子相互間を強く結
合する原因となり、加熱の進行とともに粒子相互の境界
領域でゲルと結晶とが絡み合った凝結状態をつくり硬化
を促進させる。なお珪灰石粉末は針状結晶の鉱物であり
それが互いに絡みあうことにより更に強度を増すことが
出来る。また、耐火性が高い。
【0015】次に、以上第2工程によってつくられた混
練物素材を第3工程にて押出しにより粗粒状にした後ロ
ール成形法によって複合板を製造する。ロール成形法に
使用する粉末原料の粉末度は成形体の表面平滑化のため
には少なくとも70μm以下が好ましく、さらに成形体
の表面平滑度は成形体の厚さによって埋設ステンレスメ
ッシュシートの線径と目開きと相関関係がある。多くの
実験結果から配合原料の粉末度が前述の大きさであり、
さらに成形体の厚さが6mm前後の場合には線形の太さ
は0.3〜0.5mmであり、目開きは10〜15mm
範囲が望ましい。
【0016】ここで、以上の本発明に係る第1工程の混
合物における各数値量範囲の限定理由について説明す
る。フライアッシュ100重量部、珪灰石粉末5〜15
重量部、高炉滓粉末5〜15重量部、シリカ微粉末5〜
10重量部及びカオリン粉末5〜10重量部の各原料の
下限、上限範囲内の適正混合割合の混合物に対して、第
2工程の泥しょう状結合材を加配混練することが、これ
ら原料と混合材の成形をする上から最も好ましい結果を
得ている。これらの範囲以外では適正混合割合における
結合材を加えて混練した場合の“粘性”が第2工程の混
練時にかたくて混練不良を起こすか又はやわらかすぎて
“たれ”を起こして次の第3工程及び第4工程に移すこ
とができないなど成形が困難となる。このように原料と
結合材の配合関係はきわめて重要であり、前記原料相互
の混合比率に対し、第2工程の結合材の混合割合は第1
工程の混合原料100重量部に対して10〜30重量部
である。この配合条件範囲はいずれも混練とロール成形
に好ましいものであり、実験によって算出した最小と最
大値の範囲である。
【0017】次に結合材を構成する原料の各数値量範囲
の限定理由について述べる。この原料の相対比率につい
ても、相互に関連する。一般的には.水酸化アルミニ
ウムは水酸化アルミニウムの種類やアルミン酸ナトリウ
ムの添加量と関係し、さらに珪酸ナトリウムの添加量に
よる溶解度と密接に関係する。したがって水酸化アルミ
ニウムとアルミン酸ナトリウムの相互比率は通常水酸化
アルミニウム10重量部以上の場合はアルミン酸ナトリ
ウムは60重量部以下にして、水酸化アルミニウムが3
0重量部以下の場合はアルミン酸ナトリウムが30重量
部以上でそれぞれ設定された配合重量の範囲内で添加す
ることが粘性状態から見て望ましい範囲である。一方、
加熱に対し純粋なアルミン酸ナトリウムの融点が1,7
00℃以上と耐火性を有し、水酸化アルミニウムの一部
は加熱により酸化アルミニウムとして1,500℃で高
温安定形を形成する。また150℃以上で脱水しはじめ
て、触媒作用を行うので、本法の550〜1100℃の
焼成温度範囲においては、酸化亜鉛と同じく橋架的作用
を発揮するなど製品の強度や耐候性などに対し有用な作
用機序を与える。 .酸化亜鉛はアルカリ溶液によって一部亜鉛酸塩をつ
くるが、大部分の酸化亜鉛は酸化アルミニウムと同じく
触媒的作用を発揮し製品物性の向上に有用である。また
加熱に対して1,300℃まで安定であり隠蔽性に富む
性質を有する。したがって実験的結果から少し過剰な添
加量の範囲が望まれるために20〜50重量部の範囲が
望まれる。 .ホウ酸水溶液はアルカリ溶液中における他の原料と
のゲル化反応を弱酸によって行うものである。このゲル
物質が結合材等の微小な懸濁粒子の周囲に付着し、加熱
脱水によってこれらの粒子間に強固な接着材として作用
する。 .以上の結合材の添加量からケイ酸ナトリウム(水ガ
ラス1号)水溶液は、最小値600重量部であり、これ
未満では、第1工程で得られた素材の混合物原料100
重量部に対して泥しょう状結合材の10重量部未満を添
加して混練物素材を形成しても、その粘性が不足する。
一方、ケイ酸ナトリウム(水ガラス1号)水溶液は1,
200重量部以下で結合材を形成し、結合材の30重量
部を越える量を混合物原料100重量部に添加すれば、
混練物素材がいわゆるタレ現象をおこして成形不可能と
なる。したがってケイ酸ナトリウム(水ガラス1号)の
適正な添加量領域は600〜1,200重量部である。
【0018】
【発明の実施の形態】次に本発明の高強度セラミック複
合板の製造方法を図1に示す製造装置(側面図)によっ
て説明する。例えば、第3工程で得られた粗粒状混合物
素材1は、第4工程ににて送行中のコンベアシート3上
にセラミック成形体の厚さにもよるが、例えば6mm前
後の場合は15〜18mmの厚さで又、9mm前後の場
合は24〜26mmの厚さで一定幅(1,000mm前
後)に供給する。一方、ステンレスメッシュシート2は
セラミック成形体の長さにもよるが例えば1,800m
mの場合は2,100〜2,200mmの長さに予め切
断されており、粗粒状混合物素材1の供給部にコンベア
シート3の上方例えばセラミック成形体の厚さにもよる
が6mmの厚さの場合5〜6mmの高さを保つように挿
入される。コンベアシート3上で粗粒状混合物素材1が
ステンレスメッシュシート2の上下部に堆積しサンドウ
ィッチ状物が形成される。該サンドウィッチ状物はコン
ベアシート3の送行により右方に移動しならし板4にて
厚さを整えられ転圧ロール5に挿入される。この際の転
圧ロール5は上下共それぞれ等しい直径を有し2回の転
圧が好ましく第1回にて50〜70Kgf/cmの圧
力で主転圧を行わせ第2回にて厚さを整えて板状態とす
ることが好ましい。この転圧により巾と厚さの調整、ス
テンレスメッシュシートとの強固な接着及びセラミック
成形体の素地組成の均質化が図られる。この転圧ローラ
ー5による成形が終わると直ちに加湿乾燥装置6に移送
される100〜120℃の温度で乾燥処理される。この
過程で加湿乾燥を終えた乾燥複合板7は、所定の幅及び
長さにカッター8によって荒切断される。この乾燥複合
板7は加熱炉(図示せず)に移送され250℃〜400
℃の温度で加熱処理を行ってもよい。以上のようにし
て、乾燥又は乾燥加熱を終えた乾燥複合板7又は乾燥・
加熱複合板(図示せず)は第5工程にて焼成炉(図示せ
ず)に移送され550〜1,100℃、好ましくは85
0〜1100℃の温度で焼成処理される。このようにし
て焼成処理された複合板は最終製品の所定寸法にカッタ
ー(図示せず)によって切断される。上記のように複合
板の成形、乾燥、加熱及び焼成処理の速度は、1分間に
1m前後に同調されて、最終製品の高強度セラミック複
合板が連続的に製造される。
【0019】
【実施例】次に本発明に係る高強度セラミック複合板の
製造の実施例を図1に基づいて説明する。 実施例1: 第1工程 下記各種原料を均一に混合した。 フライアッシュ 100重量部 高炉滓粉末 10重量部 シリカ粉末 15重量部 カオリン微粉末 7重量部 珪灰石粉末 10重量部 第2工程 次いで上記混合物100重量部に対して、下記の泥しょ
う状結合材19重量部を添加混合して混練物とした。 泥しょう状結合材の製法: (a)ケイ酸ナトリウム水溶液(水ガラス1号):60
0〜1,200重量部、 (b)水酸化アルミニウム10〜30重量部、酸化亜鉛
20〜50重量部、珪灰石20〜50重量部及びカオリ
ン20〜50重量部からなる混合物100重量部に対し
て、水40〜60を添加混合したもの:150〜250
重量部、 (c)アルミン酸ナトリウム33%水溶液:100〜1
50重量部、 (d)硼酸10%水溶液:200〜300重量部。 の(a)〜(d)を十分に混合する。 第3工程 更に第2工程で得られた混練物を押出して粗粒状混合物
素材とした。 第4工程 図1に示す製造装置を使用して、前記粗粒状混合物素材
1を送行中のコンベアシート3上に約25mmの厚さで
1,000mm前後の一定物で供給した。ステンレスメ
ッシュシート2は約2,200mmの長さに予め切断さ
れ粗粒状混合物素材1の供給部にコンベアシート3の上
方約8mmの高さを保ちながら挿入した。コンベアシー
ト3上で粗粒状混合物素材1がステンレスメッシュシー
ト2の上下部に堆積しサンドウィッチ状物が形成され
た。該サンドウィッチ状物はコンベアシート3の送行に
より右方に移動しならし板4にて厚さを整えられ転圧ロ
ール5によって60kgf/cmの圧力で転圧して板
状体とした。この転圧により巾と厚さの調整、ステンレ
スメッシュシートとの強固な接着と及びセラミック成形
体の素地組成の均質化が得られた。転圧ローラー5によ
り成形が終わると、直ちに加湿乾燥装置6に移送され
た。この過程で120℃で加湿乾燥した乾燥複合板7
は、所定の巾及び長さにカッターによって荒切断され
た。更に、加熱炉(図示せず)に移送され250℃の温
度で加熱処理を行った。 第5工程 そのようにして得られた加熱複合板(図示せず)を、最
後に焼成炉(図示せず)に移送して1050℃の温度で
焼成処理した。こうしてステンレスメッシュシートが埋
設された高強度セラミック複合板が製造された。製造さ
れた高強度セラミック複合板は、嵩比重が 1.81
〜1.84g/cm、吸水率が 9.0%以
下、曲げ強度が 300〜350kgf/cmであ
った。製造された高強度セラミック複合板は、建物内の
内装材あるいは外装材として好ましいものであった。
【0020】実施例2: 第1工程 下記各種原料を混合した。 フライアッシュ 100重量部 高炉滓微粉末 11重量部 シリカ微粉末 7重量部 カオリン微粉末 7重量部 珪灰石粉末 14重量部 第2工程 次いで上記混合物100重量部に対して、実施例で使用
したものと同じ泥しょう状結合材19重量部を添加混合
して混練物とした。 第3工程 更に第2工程で得られた混練物を押出して粗粒状混合物
素材とした。 第4工程 図1に示す製造装置を使用して、前記粗粒状混合物素材
1を送行中のコンベアシート3上に約25mmの厚さで
1,000mm前後の一定物で供給した。ステンレスメ
ッシュシート2は約2,200mmの長さに予め切断さ
れ粗粒状混合物素材1の供給部にコンベアシート3の上
方約8mmの高さを保ちながら挿入した。コンベアシー
ト3上で粗粒状混合物素材1がステンレスメッシュシー
ト2の上下部に堆積しサンドウィッチ状物が形成され
た。該サンドウィッチ状物はコンベアシート3の送行に
より右方に移動しならし板4にて厚さを整えられ転圧ロ
ール5によって60kgf/cmの圧力で転圧して板
状体とした。この転圧により巾と厚さの調整、ステンレ
スメッシュシートとの強固な接着と及びセラミック成形
体の素地組成の均質化が得られた。転圧ローラー5によ
り成形が終わると、直ちに加湿乾燥装置6に移送され
た。この過程で120℃で加湿乾燥した乾燥複合板7
は、所定の巾及び長さにカッター8によって荒切断され
た。更に、加熱炉(図示せず)に移送され250℃の温
度で加熱処理を行った。 第5工程 そのようにして得られた加熱複合板(図示せず)を、最
後に焼成炉(図示せず)に移送して1050℃の温度で
焼成処理した。こうしてステンレスメッシュシートが埋
設された高強度セラミック複合板が製造された。製造さ
れた高強度セラミック複合板は、嵩比重が 1.8〜
1.85g/cm、吸水率が 16.0%以下、曲
げ強度が 250〜300kgf/cmであった。製
造された高強度セラミック複合板は、建物内の内装材と
して好ましいものであった。
【0021】
【発明の効果】以上の本願発明によれば下記のような優
れた作用効果を発揮するものである。 .フライアッシュを主原料として用いたことにより、
その粒子形状が球形であり、かつガラス質であることか
ら、セラミック該合板の製造時において、充填性に優
れ、混合及び成形が容易となり、かつ焼結性が良く、比
較的低温度で緻密な製品を得ることができる。 .本発明により得られる高強度セラミック複合板は、
物理的衝撃を受けてもメッシュシートによる補強効果が
発揮されるため破壊され難く、また破壊されても破片と
なって飛散することがないため安全である。 .本発明により得られる高強度セラミック複合板は安
価なフライアッシュを主原料として使用するため、従来
品よりも製品製造コストが大幅に低減できる。そして本
願発明は、従来、大量に廃棄されてきたフライアッシュ
の有効活用に多大な活路を開くものでもある。 .本発明によれば高強度セラミック複合板は、従来の
セラミックタイルには例のない大型なもの、例えば巾が
900mmで、長さが900mm、1,800mm又は
2,400mmとすることができる。 .本発明により得られる高強度セラミック複合板は嵩
比重が1.7〜1.85g/cmであり一般のセラミ
ックタイルに比較して20%以上の軽量化が図れ、施工
が容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施例の高強度セラミック複合板の製造
装置の側面図。
【符号の説明】
1 粗粒状混合物素材 2 ステンレスメッシュシート 3 コンベアシート 4 ならし板 5 転圧ロール 6 加温乾燥装置 7 乾燥複合板

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】フライアッシュ100重量部に対し、珪灰
    石粉末5〜15重量部、高炉滓微粉末5〜15重量部、
    シリカ微粉末5〜10重量部及びカオリン微粉末5〜1
    0重量部を加えて均一に混合する第1工程と、第1工程
    で得られた混合物の100重量部に対して、下記(a)
    〜(d)の混合物である泥しょう状結合材を、10〜3
    0重量部添加して十分に混練して混練物素材を得る第2
    工程と、 (a)ケイ酸ナトリウム水溶液(水ガラス1号):60
    0〜1,200重量部、 (b)水酸化アルミニウム10〜30重量部、酸化亜鉛
    20〜50重量部、珪灰石20〜50重量部及びカオリ
    ン20〜50重量部からなる混合物100重量部に対し
    て、水40〜60を添加混合したもの:150〜250
    重量部、 (c)アルミン酸ナトリウム33%水溶液:100〜1
    50重量部、 (d)硼酸10%水溶液:200〜300重量部。 第2工程で得られた混練物素材を押出により粗粒状の押
    出物にする第3工程と、第3工程で得られた粗粒状押出
    物をステンレスメッシュシートの上下面に供給してセッ
    トした後、その上下面をロールで転圧して薄板状に加圧
    成形した後、加熱乾燥して乾燥複合板を得る第4工程
    と、第4工程で得られた乾燥複合板を550〜1150
    ℃で焼成する第5工程、とよりなることを特徴とする高
    強度セラミック複合板の製造方法。
  2. 【請求項2】第1工程において、混合物100重量部に
    対し、更に金属繊維、ガラス繊維、セラミック繊維等の
    2〜5mm長の短繊維0.5〜3.0重量部を添加混合
    することを特徴とする請求項1記載の高強度セラミック
    複合板の製造方法。
  3. 【請求項3】第4工程における乾燥複合板の焼成温度
    が、950〜1,100℃であることを特徴とする請求
    項1又は2記載の高強度セラミック複合板の製造方法。
  4. 【請求項4】第4工程において、加圧成形後に加湿下で
    乾燥して乾燥複合板を得ることを特徴とする請求項1な
    いし3のいずれかに記載の高強度セラミック複合板の製
    造方法。
  5. 【請求項5】メッシュシートとして、耐熱性金属製メッ
    シュシートを用いることを特徴とする請求項1ないし4
    のいずれかに記載の高強度セラミック複合板の製造方
    法。
  6. 【請求項6】メッシュシートとして、セラミック繊維製
    メッシュシートを用いることを特徴とする請求項1ない
    し5のいずれかに記載の高強度セラミック複合板の製造
    方法。
  7. 【請求項7】メッシュシートとして、ガラス繊維製メッ
    シュシートを用いることを特徴とする請求項1ないし6
    のいずれかに記載の高強度セラミック複合板の製造方
    法。
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