JPH10251665A - 石油中の硫黄化合物を取り出す有機硫黄化合物の製造方法及びその製造装置 - Google Patents

石油中の硫黄化合物を取り出す有機硫黄化合物の製造方法及びその製造装置

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JPH10251665A
JPH10251665A JP8240097A JP8240097A JPH10251665A JP H10251665 A JPH10251665 A JP H10251665A JP 8240097 A JP8240097 A JP 8240097A JP 8240097 A JP8240097 A JP 8240097A JP H10251665 A JPH10251665 A JP H10251665A
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solvent
acid
organic sulfur
petroleum
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Izumi Funakoshi
泉 舟越
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  • Production Of Liquid Hydrocarbon Mixture For Refining Petroleum (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、石油中に存在する硫黄化合物を取
り出して低廉な価格で安定供給できる工業材料の原料と
しての有機硫黄化合物に転用できる有機硫黄化合物の製
造方法及びその製造装置を提供する。 【解決手段】 本発明は、炭化水素類に対して溶解力が
小さく且つ硫黄化合物に対して溶解力が大きい溶剤を、
石油に混合容器3で混合し、溶剤中に硫黄化合物を移行
させ、次いで、石油と硫黄化合物を含む溶剤とを遠心分
離機4によって分離し、硫黄化合物を含む溶剤を蒸発や
蒸留によって分離して初期抽出物として取り出し、取り
出した初期抽出物を、精密蒸留分離(A)、溶剤抽出分
離(B)、酸化処理分離(C)、これらの複合分離処理
によって特定の有機硫黄化合物群として取り出す。取り
出した有機硫黄化合物は、工業材料の原料に転用でき
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、石油中に含まれ
ている硫黄化合物をその基本構造を維持したままで分離
した有機硫黄化合物を、農薬、医薬、合成樹脂等の製造
分野で工業的に有用な原料に転用できる有機硫黄化合物
の製造方法及びその製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】石油、オイルサンド、オイルシェールか
ら得られる軽質油、重質油中に含有されている硫黄化合
物が大気汚染物質の一つとして注目を集めている。この
ように石油中に含まれている硫黄化合物は、従来から有
害物としての認識が高く、その除去を目的とした技術開
発が専らなされてきた。
【0003】現在、石油中から硫黄分を取り除く方法と
して、一般的には水素還元法が採用されている。即ち、
石油中の硫黄分を、高温、高圧という厳しい反応条件下
で触媒を用い水素ガスと反応させ、硫黄化合物を有害な
硫化水素にまで変換して分離するという技術が主流にな
っている。
【0004】また、燃料油から硫黄分を除去する方法と
しては、特開平4−72387号公報に開示されたもの
がある。該公報に開示された燃料油から硫黄分を除去す
る方法は、石油から得られる燃料油を、酸化剤で処理す
ることにより、含有されている有機硫黄化合物の沸点を
上昇させ、燃料油から分離、除去するものである。
【0005】また、特開平7−197036号公報に
は、有機硫黄化合物を含有する石油から有機硫黄化合物
を回収する技術が開示されている。この技術は、硫黄化
合物を含有する石油に炭化水素に対し溶解度が小さく且
つ硫黄化合物に対する溶解度の大きい溶剤を加えて混合
して、有機硫黄化合物を抽出分離して回収するものであ
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、石油中に含
まれている硫黄化合物の化学的構造は多様であり、単環
化合物、二環化合物、三環化合物、四環化合物などの複
合混合物が含まれている。従って、その種類も多く、例
えば、軽油中に存在する有機硫黄化合物は200種以上
と考えられている。
【0007】一方、有機硫黄化合物は、医薬、農薬、塗
料、耐熱性合成樹脂などの製造分野において、有用な素
材製品として開発が進展している。これらの有用な素材
製品は、硫黄元素を出発原料として、複雑な工程と高度
の反応技術によって構成するものであり、当然極めて高
価なものになる。例えば、石油中の難脱硫物質であるジ
ベンゾチオフェンは、現在、硫黄元素を出発原料とし
て、化学的に合成されているため極めて高価なものであ
る。
【0008】硫黄を出発原料として化学的に合成された
高価なジベンチオフェンは、石油中に存在する有害物視
されているジベンゾチオフェンと同一の化学的構造を有
するものである。ジベンゾチオフェンは、適切な連結材
の選択によって耐熱性の合成樹脂に固化することができ
るが、もし石油中に存在するジベンゾチオフェンを、安
価で安定的に供給できる工業材料の原料に転用すること
ができれば、その経済効果は極めて大きいと考えられ
る。
【0009】ジベンゾチオフェンに限らず、石油中に存
在する多種の硫黄化合物を、安価で、安定供給できる工
業材料の原料に転用することができれば、これを出発原
料として、その特性である殺菌性、減菌性、生体賦活性
を利用した多くの応用製品の開発の可能性が生じる。
【0010】また、上記有機硫黄化合物から硫黄分を取
り除いた芳香族化合物は、フェノール樹脂の原料とする
ことも可能である。
【0011】ところで、前掲特開平4−72387号公
報に開示された燃料油から硫黄分を除去する方法は、石
油及び石炭液化油などから得られる燃料油を酸化処理し
て硫黄分を除去するものであり、硫黄化合物を工業材料
の原料に転用することを目的としたものでなく、また、
得られる有機硫黄化合物も酸化物のみである。
【0012】また、前掲特開平7−197036号公報
も開示された技術は、有機硫黄化合物を含む軽質油又は
重質油に、炭化水素に対する溶解力が小さく且つ硫黄化
合物に対し溶解度の大きい溶剤を加えて混合して有機硫
黄化合物を分離回収するものであるが、石油中の硫黄化
合物を工業材料の原料に転用する技術及びシステムにつ
いてはなんら開示されているものではない。
【0013】
【課題を解決するための手段】この発明は、硫黄化合物
を含む石油の沸点以下の沸点を有し且つ炭化水素類に対
して溶解力が小さく且つ前記硫黄化合物に対して溶解力
が大きい溶剤を、前記石油に加えて撹拌混合し、前記石
油中の前記硫黄化合物を前記溶剤へと移行させ、前記石
油中の炭化水素類と前記硫黄化合物を含む前記溶剤とを
それぞれの基本構造を維持したまま分離し、次いで、前
記硫黄化合物を溶解した前記溶剤を揮発及び/又は蒸発
によって分離して揮発及び/又は蒸発残渣物として分子
量の異なる有機硫黄化合物の集合体である初期抽出物を
取り出し、更に、前記初期抽出物から精密蒸留、溶剤抽
出又は酸化処理、或いはこれら処理工程を組み合わせる
ことにより特定の有機硫黄化合物群を選択的に取り出す
ことを特徴とする有機硫黄化合物の製造方法に関する。
【0014】特に、この有機硫黄化合物の製造方法によ
って得られた前記有機硫黄化合物群は、工業材料の原料
に転用できるものである。
【0015】また、前記溶剤は、アセトン、ピナコリ
ン、メチシルオキシド、アセトフェノン、ベンゾフェノ
ン、アセチルアセトン、2−ブタノン、メタノール、エ
タノール、プロパノール、ブタノール、アセトニトリ
ル、プロピオニトリル、ブチロニトリル、ニトロメタ
ン、ニトロエタン、ニトロプロパン、ニトロベンゼン、
ジメチルスルホキシド、ピリジン、N、N’−ジメチル
ホルムアミド、N、N’−ジメチルアセトアミド、N−
メチルピロリジノン、トリメチル燐酸エステル、トリエ
チル燐酸エステル、ヘキサメチル燐酸アミド、ホスホラ
ンから選択される一種又は複数種の物質、或いは該物質
に対して20%以下の濃度範囲で水及び/又は10%以
下の酸類又はヨウ素を含有させた混合物から選択される
ものである。
【0016】また、この有機硫黄化合物の製造方法は、
前記初期抽出物中に含まれる前記有機硫黄化合物群に対
し、前記硫黄化合物自身が有する前記溶剤に対する溶解
性の差異を利用し、前記溶剤の選択によって前記特定の
有機硫黄化合物群のみを選択的に取り出して前記有機硫
黄化合物を精製分離し、又は精密蒸留による精製分離と
組み合わせたものである。
【0017】更に、この有機硫黄化合物の製造方法は、
前記初期抽出物中に含まれる前記有機化合物群に対し、
前記硫黄化合物自身が有する酸化反応に対する反応性の
差異を利用し、酸化剤の選択によって前記特定の有機硫
黄化合物群のみを選択的に酸化物として取り出し、又は
酸化剤の選択によって酸化度を調整し、或いは精密蒸留
分離法や溶剤による分離法と組み合わせるものである。
【0018】また、前記酸化剤は、酸素ガス、空気、四
酸化窒素ガス、オゾンガス、塩素ガス、臭素、メタ過ヨ
ウ素酸ナトリウム、重クロム酸カリウム、過マンガン酸
カリウム、無水クロム酸、次亜塩素酸、過酸化水素、過
酢酸、過酸化水素水と酢酸の混合物、過蟻酸、過酸化水
素水と蟻酸の混合物、メタクロロ過安息香酸、過酸化水
素水とメタクロロ安息香酸の混合物、過クロロ酢酸、過
酸化水素水とクロロ酢酸の混合物、過ジクロロ酢酸、過
酸化水素水とジクロロ酢酸の混合物、過トリクロロ酢
酸、過酸化水素水とトリクロロ酢酸の混合物、過トリフ
ロロ酢酸、過酸化水素水とトリフロロ酢酸の混合物、過
メタスルホン酸、過酸化水素水とメタスルホン酸の混合
物、過硫酸、及び過酸化水素水と硫酸の混合物、から選
択されるものである。
【0019】また、この発明は、石油、溶剤及び水、酸
類、沃素から選択される捕助添加剤を混合して混合液を
生成する混合手段、前記混合部で生成された前記混合液
を遠心分離及び/又は沈降、浸透分離によって硫黄化合
物を含む前記溶剤と前記石油を分離する分離手段、分離
した前記硫黄化合物を含む前記溶剤を蒸発させて溶剤と
初期抽出物とを分離回収する溶剤蒸留手段、及び前記初
期抽出物から特定の有機硫黄化合物群を選択的に取り出
すための精密蒸留、溶剤抽出又は酸化処理或いはこれら
を組み合わせた処理を行う精製分離手段、から成ること
を特徴とする有機硫黄化合物の製造装置に関する。
【0020】前記初期抽出物は、各種の有機硫黄化合
物、タール分、重金属類、重質の油分などの混合物であ
るので、これを精密蒸留塔による精密蒸留分離によって
数種又は数十種の有機硫黄化合物群に類別するととも
に、タール分、重金属類を蒸留残渣として除去する。
【0021】前記初期抽出物より有機硫黄化合物群の精
製分離は、精密蒸留による分離の他、各溶剤の溶解力の
差異を利用して行うことができる。石油中からの初期抽
出物である有機硫黄化合物の抽出は、その抽出効率に重
点を置くものであるが、前記初期抽出物から有機硫黄化
合物群に精製分離することは再抽出に当たるものである
から、前記初期抽出物に含まれる分子量の異なる多種の
有機硫黄化合物自身の溶剤に対する溶解性(反応性)の
差異を利用して、ある特定の有機硫黄化合物群のみを選
択的に取り出すことが可能になる。
【0022】また、工業材料としての有機硫黄化合物
は、その用途によっては、酸化物に変化させて使用する
場合がある。例えば、適当な酸化剤の使用によって、ス
ルホン、スルホキシド化合物に変化させ、耐熱性の高い
合成樹脂素材を提供することができる。
【0023】即ち、この有機硫黄化合物の製造方法にお
ける酸化工程は、前記初期抽出物に含まれている有機化
合物白身が有する酸化反応に対する反応性の差異を利用
して、酸化剤を適宣選択しながら、反応を行い、特定の
有機硫黄化合物群を酸化物として選択的に取り出すこと
ができる。
【0024】また、この有機硫黄化合物の製造方法は、
前記溶剤による精密分離方法、又は、酸化分離方法と精
密蒸留による分離方法を組み合わせて、更に精密な分離
を行うことができる。
【0025】この有機硫黄化合物の製造方法に使用する
溶剤は、石油中より初期抽出物を得る場合、極性溶剤が
有利である。強い電子供与性を示す溶剤は石油中に多く
存在する化学的官能基、特に、チオフェン類、ジベンゾ
チオフェン類に対しては、アルコール類よりもアセトン
のような非プロトン系双極子溶剤が大きな分配系数を示
すため、有利である。
【0026】また、前記初期抽出物より特定の有機硫黄
化合物群を再抽出する場合、まず、アルコール類から選
択した溶剤を用い、次いでケトン系の溶剤の使用によっ
て分類を行うことが出来る。
【0027】更に、この有機硫黄化合物の製造方法は、
初期抽出物を高い効率で得ようとする場合、硫黄官能基
の2価の原子上の孤立電子対が強い求核性を有している
事実を応用し、上記電子供与性を持つ溶剤に、更にアル
コール系溶剤、或いは水、及び/又は有機カルボン酸、
スルホン酸、硫酸、硝酸、塩酸から選択される酸、又は
ヨウ素を補助剤として加えることにより、硫黄化合物の
本来の溶解性を変化させて、溶剤の硫黄化合物に対する
選択性を増大させることができる。
【0028】特に、溶剤をアセトンとし、補助剤を水と
し、アセトンに対して水5%以下を添加した場合の軽質
油に対する効果は著しいものがある。この場合、溶剤と
水と軽質油は撹拌及び/又は振動によって容易に混合が
行われ、軽質油中の硫黄化合物は直ちに溶剤中に移行す
る。水の添加によって溶剤の凝集エネルギーが増大し、
その結果、軽質油と硫黄化合物を含む溶剤との凝集エネ
ルギー差が拡大することにより、撹拌、振動を停止すれ
ば、軽質油と硫黄化合物を含む溶剤が自動的に分離をは
じめ、それぞれの集合体を形成して二層に分離する。こ
のように軽質油と溶剤、補助剤との混合、及び分離は簡
易な工程で、僅かな機械的エネルギーによって達成され
る。溶剤であるアセトンの蒸発や回収は僅かな熱エネル
ギーで可能となる。
【0029】上記のように、軽質油においては、一般的
には常温常圧下で初期抽出物を取り出すことができる
が、炭素量の増加に伴って重質油を加熱する必要があ
る。また、溶剤の選択も更に沸点の高いものを必要とす
る。
【0030】この発明による有機硫黄化合物の製造方法
を達成できる製造装置は、上記のように構成されてお
り、有害視されてきた石油中の硫黄化合物をその基本構
造を維待したまま抽出し、その抽出物から更に特定の有
機硫黄化合物群に精密蒸留による分離、溶剤抽出による
分離、又は酸化処理による分離、或いはそれら分離方法
を組み合わせた方法を達成できる装置によって精製分離
することにより、工業的利用分野における原料に転用す
ることを可能としたものである。
【0031】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、この発明
による有機硫黄化合物の製造方法及びその製造装置を説
明する。
【0032】図1は、この発明による有機硫黄化合物の
製造方法を達成するための処理工程を説明するブロック
図である。図1において、後半のA工程、B工程及びC
工程は、いずれかの一工程を選択することができ、ま
た、これらの工程を組み合わせた工程を採用することも
可能である。
【0033】図1において、この有機硫黄化合物の製造
方法がA工程を採用する場合には、次の工程によって行
われる。まず、タンク8から水及び/又は酸類等の補助
剤或いは添加剤を溶剤タンク2内に入れられている溶剤
に加えた後に、その溶剤を混合容器3に入れると共に、
石油タンク1から石油を混合容器3に入れる。混合容器
3内で石油と溶剤を撹件混合して混合液とした後に、そ
の混合液を遠心分離機4よって石油と硫黄化合物、重金
属類、タール分などを含む溶剤とに分離する。硫黄化合
物等を除去した石油は、脱硫石油タンク7へ移し、硫黄
化合物等を含む溶剤は、蒸留槽5に送り込む。次いで、
蒸留槽5で硫黄化合物を含む溶剤を蒸留し、蒸留された
溶剤は溶剤タンク2へ戻し、また、添加剤はタンク8へ
戻す。そこで、蒸発残渣としての初期抽出物を、初期抽
出物タンク6に回収する。そこで、A工程を採用し、初
期抽出物タンク6より抽出物を精密蒸留装置9に送り込
み、精製有機硫黄化合物群A1 、A2 及びA3 等を得
る。蒸留残渣物は残渣物タンク19に送り込む。
【0034】図1において、この有機硫黄化合物の製造
方法がB工程を採用する場合には、次の工程によって行
われる。B工程では、A工程において、蒸発残渣として
の初期抽出物を初期抽出物タンク6に回収するまでは、
同一の工程によって行われる。そこで、B工程を採用
し、初期抽出物タンク6より初期抽出物を溶剤抽出混合
部10に移し、溶剤タンク11A,11B及び11Cよ
り必要とする溶剤を加えて撹拌し、有機硫黄化合物を含
む溶剤を蒸留装置12に移し、蒸留によって溶剤を溶剤
タンク11A,11B及び11Cに回収し、精密抽出分
離によって特定の有機硫黄化合物群B1 ,B2 及びB3
を得る。タール分、重金属分等の残渣物は、残渣物タン
ク13に移す。
【0035】図1において、この有機硫黄化合物の製造
方法がC工程を採用する場合には、次の工程によって行
われる。C工程では、A工程において、蒸発残渣として
の初期抽出物を初期抽出物タンク6に回収するまでは、
同一の工程によって行われる。そこで、C工程を採用
し、初期抽出物タンク6より初期抽出物を酸化タンク1
4に移し、酸化剤Aをタンク16Aより酸化剤タンク1
5に移し、また、酸化剤Bをタンク16Bより酸化剤タ
ンク15に移し、酸化剤タンク15から酸化剤A,Bを
初期抽出物酸化反応槽(即ち酸化タンク)14に入れて
激しく撹拌する。酸化剤は、例えば、タンク16Aに入
れられた酸化剤Aは、蟻酸、トリクロロエチレンであ
り、また、タンク16Bに入れられた酸化剤Bは、過酸
化水素である。酸化反応を終わった抽出物は分離槽17
に送られ、遠心分離、蒸留等によって特定の有機硫黄化
合物群の酸化物C1 ,C2 及びC3 として取り出され
る。ここで、回収された酸類、例えば、蟻酸、トリクロ
ロエチレンはタンク16Aに回収され、抽出物残渣は残
渣物タンク18に送られる。
【0036】
【発明の効果】この発明による有機硫黄化合物の製造方
法及びその製造装置は、上記のようにに構成することに
より、現在、有害物視されている石油中の硫黄化合物
を、工業的に利用できる技術的分野の原料として安価で
安定的に製造でき、それによって、有機硫黄化合物を工
業材料の原料に有効に転用することができ、その経済的
効果は著しいものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による有機硫黄化合物の製造方法を達
成するための製造装置を説明するためのブロック図であ
る。
【符号の説明】
1 石油タンク 2 溶剤タンク 3 混合容器 4 遠心分離器 5 硫黄化合物を含む溶剤蒸留槽 6 初期抽出物タンク 7 脱硫石油タンク 8 タンク 9 精密蒸留装置 10 初期抽出物と溶剤の混合部 11A,11B,11C 溶剤タンク 12 蒸留装置 13 残渣物タンク 14 初期抽出物酸化反応槽 15,16A,16B 酸化剤タンク 17 分離槽 18 残渣物タンク 19 残渣物タンク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C10G 27/00 C10G 27/00 53/04 53/04 53/14 53/14

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 硫黄化合物を含む石油の沸点以下の沸点
    を有し且つ炭化水素類に対して溶解力が小さく且つ前記
    硫黄化合物に対して溶解力が大きい溶剤を、前記石油に
    加えて撹拌混合し、前記石油中の前記硫黄化合物を前記
    溶剤へと移行させ、前記石油中の炭化水素類と前記硫黄
    化合物を含む前記溶剤とをそれぞれの基本構造を維持し
    たまま分離し、次いで、前記硫黄化合物を溶解した前記
    溶剤を揮発及び/又は蒸発によって分離して揮発及び/
    又は蒸発残渣物として分子量の異なる有機硫黄化合物の
    集合体である初期抽出物を取り出し、更に、前記初期抽
    出物から精密蒸留、溶剤抽出又は酸化処理、或いはこれ
    ら処理工程を組み合わせることにより特定の有機硫黄化
    合物群を選択的に取り出すことを特徴とする有機硫黄化
    合物の製造方法。
  2. 【請求項2】 選択的に取り出された前記有機硫黄化合
    物群は工業材料の原料に転用できることを特徴とする請
    求項1に記載の有機硫黄化合物の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記溶剤は、アセトン、ピナコリン、メ
    チシルオキシド、アセトフェノン、ベンゾフェノン、ア
    セチルアセトン、2−ブタノン、メタノール、エタノー
    ル、プロパノール、ブタノール、アセトニトリル、プロ
    ピオニトリル、ブチロニトリル、ニトロメタン、ニトロ
    エタン、ニトロプロパン、ニトロベンゼン、ジメチルス
    ルホキシド、ピリジン、N、N’−ジメチルホルムアミ
    ド、N、N’−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロ
    リジノン、トリメチル燐酸エステル、トリエチル燐酸エ
    ステル、ヘキサメチル燐酸アミド、ホスホランから選択
    される一種又は複数種の物質、或いは該物質に対して2
    0%以下の濃度範囲で水及び/又は10%以下の酸類又
    はヨウ素を含有させた混合物から選択されることを特徴
    とする請求項1又は2に記載の有機硫黄化合物の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 前記初期抽出物中に含まれる前記有機硫
    黄化合物群に対し、前記硫黄化合物自身が有する前記溶
    剤に対する溶解性の差異を利用し、前記溶剤の選択によ
    って前記特定の有機硫黄化合物群のみを選択的に取り出
    して前記有機硫黄化合物を精製分離し、又は精密蒸留に
    よる精製分離と組み合わせたことを特徴とする請求項1
    〜3のいずれかの項に記載の有機硫黄化合物の製造方
    法。
  5. 【請求項5】 前記初期抽出物中に含まれる前記有機化
    合物群に対し、前記硫黄化合物自身が有する酸化反応に
    対する反応性の差異を利用し、酸化剤の選択によって前
    記特定の有機硫黄化合物群のみを選択的に酸化物として
    取り出し、又は酸化剤の選択によって酸化度を調整し、
    或いは精密蒸留分離法や溶剤による分離法と組み合わせ
    ることを特徴とする請求項1〜3のいずれかの項に記載
    の有機硫黄化合物の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記酸化剤は、酸素ガス、空気、四酸化
    窒素ガス、オゾンガス、塩素ガス、臭素、メタ過ヨウ素
    酸ナトリウム、重クロム酸カリウム、過マンガン酸カリ
    ウム、無水クロム酸、次亜塩素酸、過酸化水素、過酢
    酸、過酸化水素水と酢酸の混合物、過蟻酸、過酸化水素
    水と蟻酸の混合物、メタクロロ過安息香酸、過酸化水素
    水とメタクロロ安息香酸の混合物、過クロロ酢酸、過酸
    化水素水とクロロ酢酸の混合物、過ジクロロ酢酸、過酸
    化水素水とジクロロ酢酸の混合物、過トリクロロ酢酸、
    過酸化水素水とトリクロロ酢酸の混合物、過トリフロロ
    酢酸、過酸化水素水とトリフロロ酢酸の混合物、過メタ
    スルホン酸、過酸化水素水とメタスルホン酸の混合物、
    過硫酸、及び過酸化水素水と硫酸の混合物、から選択さ
    れることを特徴とする請求項5に記載の有機硫黄化合物
    の製造方法。
  7. 【請求項7】 石油、溶剤及び水、酸類、沃素から選択
    される捕助添加剤を混合して混合液を生成する混合手
    段、前記混合部で生成された前記混合液を遠心分離及び
    /又は沈降、浸透分離によって硫黄化合物を含む前記溶
    剤と前記石油を分離する分離手段、分離した前記硫黄化
    合物を含む前記溶剤を蒸発させて溶剤と初期抽出物とを
    分離回収する溶剤蒸留手段、及び前記初期抽出物から特
    定の有機硫黄化合物群を選択的に取り出すための精密蒸
    留、溶剤抽出又は酸化処理或いはこれらを組み合わせた
    処理を行う精製分離手段、から成ることを特徴とする有
    機硫黄化合物の製造装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011510102A (ja) * 2007-10-30 2011-03-31 サウジ アラビアン オイル カンパニー 溶媒抽出及び水素化処理による完全原油の脱硫方法
JP2014523956A (ja) * 2011-07-27 2014-09-18 サウジ アラビアン オイル カンパニー インサイチュ有機ペルオキシド生産および酸化的ヘテロ原子変換のための統合されたシステムおよびプロセス
CN114522434A (zh) * 2022-03-15 2022-05-24 安徽海华科技集团有限公司 一种间甲酚深度脱硫系统及工艺

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