JPH10251338A - 波付管 - Google Patents

波付管

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JPH10251338A
JPH10251338A JP6086197A JP6086197A JPH10251338A JP H10251338 A JPH10251338 A JP H10251338A JP 6086197 A JP6086197 A JP 6086197A JP 6086197 A JP6086197 A JP 6086197A JP H10251338 A JPH10251338 A JP H10251338A
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JP
Japan
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vinyl chloride
chloride resin
weight
resin composition
elastomer
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Application number
JP6086197A
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English (en)
Inventor
Kenichi Matsumura
健一 松村
Tadashi Shinko
忠 新子
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Publication date
Application filed by Sekisui Chemical Co Ltd filed Critical Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 難燃性、可とう性、低温耐衝撃性に優れ、押
出成形により単層で成形された波付管を提供する。 【解決手段】 塩化ビニル系樹脂とエラストマーとから
なる複合塩化ビニル系樹脂組成物を成形してなる単層の
波付管であって、上記複合塩化ビニル系樹脂組成物は、
曲げ弾性率が、6000〜20000kgf/cm2
あり、塩素含有量が、28〜55重量%である波付管。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、難燃性、低温耐衝
撃性、可とう性に優れた波付管に関する。
【従来の技術】
【0002】塩化ビニル系樹脂は、機械強度、耐候性、
耐薬品性等に優れた材料であるので、パイプや継手等の
管路材料、建築部材、住宅資材等の分野に広く用いられ
ている。しかし、可とう性や低温耐衝撃性に劣るため、
例えば、建物内で柱等の障害物を避けながら蛇行しての
配管を要する波付電線管路等の用途に対しては単独で用
いることができなかった。
【0003】特開昭63−231084号公報には、ポ
リエチレン製の内管と塩化ビニル系樹脂製の外管とから
なる二層管により、ポリエチレン製の内管で可とう性、
低温耐衝撃性を発揮させ、塩化ビニル系樹脂製の外管で
自己消火性を発揮させる技術が開示されている。また、
特開昭56−155727号公報には、二台の押出機を
金型に向かって直角に配置し、内管、外管それぞれの材
料特性に応じた成形条件で2層成形する技術が開示され
ている。しかしながら、いずれの二層管も特性の異なる
材料を複合して使っているため、熱膨張係数の違いから
管の寸法安定性を確保することが困難であり、また、製
造するにあたって、2台の押出機を精密に制御する必要
があった。
【0004】特開昭49−74727号には、ポリ塩化
ビニル組成物に可とう性を付与するために可塑剤を配合
する技術が開示されているが、難燃性、低温耐衝撃性に
ついては充分ではなかった。
【0005】特開昭60−255813号公報には、架
橋されたアクリル系共重合体に塩化ビニルがグラフト共
重合された塩化ビニル系樹脂の製造方法が開示されてい
る。しかしながら、この樹脂で得られた波付管は、難燃
性には優れているものの、可とう性と特に低温耐衝撃性
とが不足し、波付電線管路に使用することはできなかっ
た。このように、波付管として用いることができる樹脂
についてのさまざまな改良方法が提案されているが、難
燃性、低温耐衝撃性、可とう性を同時に付与することは
できなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記に鑑
み、難燃性、可とう性、低温耐衝撃性に優れ、押出成形
により単層で成形された波付管を提供することを目的と
する。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、塩化ビニル系
樹脂とエラストマーとからなる複合塩化ビニル系樹脂組
成物を成形してなる単層の波付管であって、上記複合塩
化ビニル系樹脂組成物は、曲げ弾性率が、6000〜2
0000kgf/cm2 であり、塩素含有量が、28〜
55重量%であることを特徴とする波付管である。以下
に本発明を詳述する。
【0008】本発明で用いられる複合塩化ビニル系樹脂
組成物は、曲げ弾性率が、6000〜20000kgf
/cm2 である。上記曲げ弾性率が、6000kgf/
cm2 未満であると、充分な強度が得られず、2000
0kgf/cm2 を超えると、充分な可とう性が得られ
ず、配管施工時等において一般成人並の荷重が管にかか
った場合、管が座屈し、閉塞してしまうため、上記範囲
に限定される。好ましくは、8000〜18000kg
f/cm2 であり、より好ましくは、11000〜17
000kgf/cm2 である。
【0009】本発明で用いられる複合塩化ビニル系樹脂
組成物は、塩素含有量が28〜55重量%である。上記
複合塩化ビニル系樹脂組成物中の塩素含有量は、上記塩
化ビニル系樹脂中に含まれる塩素量だけでなく、例え
ば、塩素化ポリエチレン(CPE)等のエラストマー中
に含まれる塩素量も複合塩化ビニル系樹脂組成物中の塩
素含有量に含まれる。上記塩素含有量が、28重量%未
満であると、充分な難燃性が得られず、55重量%を超
えると、極端に成形性が悪くなるため、上記範囲に限定
される。好ましくは、40〜55重量%である。
【0010】本発明で用いられる複合塩化ビニル系樹脂
組成物は、塩化ビニル系樹脂とエラストマーとからな
る。上記塩化ビニル系樹脂としては特に限定されず、例
えば、塩化ビニルの単独重合体、塩化ビニルと共重合可
能なモノマーとの共重合体、塩素化塩化ビニル系重合体
等が挙げられ、これらは単独でも2種以上併用して用い
てもよい。上記塩化ビニルと共重合可能なモノマーとし
ては、例えば、エチレン、プロピレン、ブチレン等のα
−オレフィン類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等の
ビニルエステル類;エチルビニルエーテル、ブチルビニ
ルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、セチルビニ
ルエーテル等のビニルエーテル類;スチレン、α−メチ
ルスチレン等のスチレン誘導体類;メチルアクリレー
ト、ブチルアクリレート、ヒドロキシエチルアクリレー
ト、n−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアク
リレート等のアクリル酸エステル類;メチルメタクリレ
ート、ブチルメタクリレート、ヒドロキシエチルメタク
リレート等のメタクリル酸エステル類;アクリロニトリ
ル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル類;フッ化
ビニル、フッ化ビニリデン、塩化ビニリデン等のハロゲ
ン化ビニル類;N−フェニルマレイミド、N−シクロヘ
キシルマレイミド等のN−置換マレイミド類、マレイン
酸誘導体、フマル酸誘導体等が挙げられる。これらは単
独でも2種以上併用して用いてもよい。
【0011】上記塩化ビニル系樹脂中の上記塩化ビニル
と共重合可能なモノマーの含有量は、目的に応じて適宜
使用されるが、20重量%以下が好ましい。含有量が2
0重量%を超えると、塩化ビニル系樹脂が持つ本来の特
性を失ってしまう。
【0012】上記エラストマーとしては、常温で柔軟性
を有している高分子材料であれば特に限定されず、例え
ば、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレ
ン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体(EA)、ア
クリロニトリル−ブタジエン共重合体(NBR)、塩素
化ポリエチレン(CPE)、(メタ)アクリル酸エステ
ル系共重合体(AC)、メタクリル酸メチル−スチレン
−ブタジエン共重合体(MBS)、クロルスルホン化ポ
リエチレン(CSPE)、ポリウレタン(PU)等が挙
げられる。これらは単独でも2種以上併用して用いても
よい。
【0013】本発明では、上記複合塩化ビニル系樹脂組
成物として、塩化ビニル系樹脂85〜50重量%とエラ
ストマー15〜50重量%とのブレンド体を用いること
ができる。上記複合塩化ビニル系樹脂組成物中のエラス
トマーの含有量が15重量%未満であると、波付管の可
とう性、低温耐衝撃性が発揮できず、50重量%を超え
ると、難燃性が充分でなくなるため好ましくない。より
好ましくは、15〜30重量%である。
【0014】本発明では、上記複合塩化ビニル系樹脂組
成物として、エラストマー15〜50重量%に塩化ビニ
ル又は塩化ビニルを主成分とするビニルモノマーを85
〜50重量%グラフト共重合したものを用いることがで
きる。上記エラストマーが15重量%未満であると、波
付管の可とう性、低温耐衝撃性が発揮できず、50重量
%を超えると、難燃性が充分でなくなる。より好ましく
は、15〜30重量%である。上記複合塩化ビニル系樹
脂組成物の重合度は、400〜2500が好ましく、よ
り好ましくは、600〜1600である。重合度が40
0未満であると、耐久性に劣り、重合度が2500を超
えると、成形性が悪くなる。
【0015】上記塩化ビニルを主成分とするビニルモノ
マーとしては塩化ビニルと共重合可能なモノマーを使用
できる。このようなものとしては、例えば、エチレン、
プロピレン、ブチレン等のα−オレフィン類;酢酸ビニ
ル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル類;エチル
ビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、イソプロピル
ビニルエーテル、セチルビニルエーテル等のビニルエー
テル類;スチレン、α−メチルスチレン等のスチレン誘
導体類;メチルアクリレート、ブチルアクリレート、ヒ
ドロキシエチルアクリレート、n−ブチルアクリレー
ト、2−エチルヘキシルアクリレート等のアクリル酸エ
ステル類;メチルメタクリレート、ブチルメタクリレー
ト、ヒドロキシエチルメタクリレート等のメタクリル酸
エステル類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等
のシアン化ビニル類;フッ化ビニル、フッ化ビニリデ
ン、塩化ビニリデン等のハロゲン化ビニル類;N−フェ
ニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド等のN
−置換マレイミド類、マレイン酸誘導体、フマル酸誘導
体等が挙げられる。これらは単独でも2種以上併用して
用いてもよい。
【0016】上記複合塩化ビニル系樹脂組成物中におけ
る上記塩化ビニルを主成分とするビニルモノマーの含有
量は、目的に応じて適宜使用されるが、20重量%以下
が好ましい。含有量が20重量%を超えると、塩化ビニ
ル系樹脂が持つ本来の特性を失ってしまう。
【0017】上記エラストマーと上記ビニルモノマーと
のグラフト共重合は、定法に従い行うことができる。例
えば、懸濁重合法、乳化重合法、溶液重合法等が挙げら
れるが、一般的には、懸濁重合法が用いられる。上記懸
濁重合法には、分散剤、重合開始剤等が用いられる。上
記分散剤としては特に限定されず、例えば、メチルセル
ロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチル
セルロース、ポリビニルアルコール及びその部分ケン化
物、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、デンプン、無水
マレイン酸−スチレン共重合体等が挙げられる。これら
は単独でも2種以上併用して用いてもよい。上記重合開
始剤としては特に限定されず、例えば、ラウロイルパー
オキサイド、t−ブチルパーオキシピバレート、ジイソ
プロピルパーオキシジカーボネート、ジオクチルパーオ
キシジカーボネート、t−ブチルパーオキシネオデカノ
エート、α−クミルパーオキシネオデカノエート等の有
機パーオキサイド類;2,2−アゾビスイソブチロニト
リル、2,2−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニト
リル等のアゾ化合物等が挙げられる。また、必要に応じ
て、pH調整剤、酸化防止剤等が添加されてもよい。
【0018】上記懸濁重合法は具体的には、以下の方法
が用いられる。すなわち、ジャケット及び攪拌機付きの
重合器に、純水、分散剤、重合開始剤、エラストマーを
仕込み、真空ポンプにより重合器内から空気を排除した
後、塩化ビニルを重合器内に導入する。エラストマーを
塩化ビニル中に分散又は溶解させた後に、ジャケットに
より昇温し、所望の重合温度で重合を開始させる。反応
終了後、残存モノマーを重合器外に排出しスラリーを得
る。脱水機で脱水した後に乾燥して、複合塩化ビニル系
樹脂組成物を得る。
【0019】本発明の波付管は、建物内で柱等の障害物
を避けるため蛇行して配管を要する箇所等に用いられ、
例えば、電線管路、ケーブル保護管路、排水管路、給水
管路等が挙げられる。
【0020】本発明の波付管は、上記の方法で得られた
複合塩化ビニル系樹脂組成物に、必要に応じて、熱安定
剤、安定化助剤、滑剤、加工助剤、紫外線吸収剤、光安
定剤、酸化防止剤、可塑剤、顔料剤、充填等の配合剤を
添加して成形される。上記熱安定剤としては特に限定さ
れず、例えば、ジメチル錫メルカプト、ジブチル錫メル
カプト、ジオクチル錫メルカプト、ジブチル錫マレー
ト、ジブチル錫マレートポリマー、ジオクチル錫マレー
ト、ジオクチル錫マレートポリマー、ジブチル錫ラウレ
ート、ジブチル錫ラウレートポリマー等の有機錫系安定
剤;鉛白、塩基性亜硫酸鉛、二塩基性亜硫酸鉛、三塩基
性亜硫酸鉛等、二塩基性亜りん酸鉛、三塩基性亜りん酸
鉛、シリカゲル共沈けい酸鉛、ステアリン酸鉛、安息香
酸鉛、二塩基性ステアリン酸鉛、ナフテン酸鉛等の鉛系
安定剤;ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸バリウ
ム、ステアリン酸亜鉛等の金属石鹸;カルシウム−亜鉛
系安定剤、バリウム−亜鉛系安定剤、バリウム−カドミ
ウム系安定剤、ハイドロタルサイド、ゼオライト等が挙
げられる。これらは単独でも2種以上併用して用いても
よい。
【0021】上記安定化助剤としては特に限定されず、
例えば、エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油、エポ
キシ化テトラヒドロフタレート、エポキシ化ポリブタジ
エン、りん酸エステル等が挙げられる。これらは単独で
も2種以上併用して用いてもよい。上記滑剤としては特
に限定されず、例えば、モンタン酸ワックス、パラフィ
ンワックス、ポリエチレンワックス、ステアリン酸、ス
テアリルアルコール、ステアリン酸ブチル等が挙げられ
る。これらは単独でも2種以上併用して用いてもよい。
【0022】上記加工助剤としては特に限定されず、高
重合度のアクリル系加工助剤等が挙げられ、例えば、n
−ブチルアクリレート−メチルメタクリレート共重合
体、2−エチルヘキシルアクリレート−メチルメタクリ
レート−ブチルメタクリレート共重合体等が挙げられ
る。上記紫外線吸収剤としては特に限定されず、例え
ば、サリチル酸エステル系、ベンゾフェノン系、ベンゾ
トリアゾール系、シアノアクリレート系等の紫外線吸収
剤等が挙げられる。上記光安定剤としては特に限定され
ず、例えば、ヒンダードアミン系の光安定剤等が挙げら
れる。
【0023】上記酸化防止剤としては特に限定されず、
例えば、フェノール系抗酸化剤等が挙げられる。上記可
塑剤は、成形時の加工性を向上させる目的で添加され、
このようなものとしては、例えば、ジブチルフタレー
ト、ジ−2−エチルヘキシルフタレート、ジ−2−エチ
ルヘキシルアジペート等が挙げられる。上記顔料として
は特に限定されず、例えば、アゾ系、フタロシアニン
系、スレン系、染料レーキ系等の有機顔料;酸化物系、
クロム酸モリブデン系、硫化物・セレン化物系、フェロ
シアン化物系等の無機顔料等が挙げられる。
【0024】上記充填剤としては特に限定されず、例え
ば、シリカ、珪藻土、アルミナ、酸化亜鉛、酸化チタ
ン、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化鉄、酸化
錫、酸化アンチモン、フェライト類、水酸化カルシウ
ム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、塩基性
炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウ
ム、炭酸亜鉛、炭酸バリウム、ドーソナイト、ハイドロ
タルサイト、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、石膏繊
維、けい酸カルシウム、タルク、クレー、マイカ、モン
モリロナイト、ベントナイト、活性白土、セピオライ
ト、イモゴライト、セリサイト、ガラス繊維、ガラスビ
ーズ、シリカ系バルン、窒化アルミニウム、窒化ほう
素、窒化けい素、カーボンブラック、グラファイト、炭
素繊維、炭素バルン、木炭粉末、各種金属粉、チタン酸
カリウム、硫酸マグネシウム(MOS)、チタン酸ジル
コニア鉛、アルミニウムボレート、硫化モリブデン、炭
化けい素、ステンレス繊維、ほう酸亜鉛、各種磁性粉、
スラグ繊維、フライアッシュ、脱水汚泥等が挙げられ
る。上記各種配合剤を上記複合塩化ビニル系樹脂組成物
に混合する方法としては、ホットブレンドによる方法で
も、コールドブレンドによる方法でもよい。
【0025】本発明の波付管を成形する方法としては特
に限定されず、上記各成分を、混合粉体やペレット体と
して、またそれらの混合物として、単軸押出機、二軸押
出機、バンバリーミキサー、ニーダーミキサー、ヘンシ
ェルミキサー、ロール等の混練装置を用いて混練し、従
来公知の任意の成形機を用いて成形することができる。
具体的には、押出機から押し出されてくる熱軟化状態に
あるプラスチックパイプを連続的に隙間なく繰り出され
る半円凸凹面を互いに向き合うように形成した多数の移
動成形駒からなる成形トンネル内に導き、同時に上記パ
イプ内に圧縮空気を吹き込んで該パイプを成形駒内面に
向かって押し拡げるようにして連続的に波付管を製造す
る方法(特公昭57−10819号公報参照)等が挙げ
られる。
【0026】本発明の波付管は、塩化ビニル系樹脂とエ
ラストマーとからなる複合塩化ビニル系樹脂組成物を成
形することで、単層で難燃性を低下させずに可とう性と
低温耐衝撃性を向上させ、寒冷地等の低温特性が要求さ
れる場所でも使用できる波付管を製造可能とした。
【0027】
【実施例】以下に本発明の実施例を掲げて更に詳しく説
明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものでは
ない。
【0028】実施例1 重合度800のポリ塩化ビニル(信越化学社製TK−8
00)100重量部、エチレン−酢酸ビニル共重合体
(三井デュポンケミカル社製エバフレックス45LX、
酢酸ビニル含有量45重量%)40重量部、安定剤とし
てジブチル錫メルカプト(三共有機社製ONZ−142
F)2重量部、滑剤としてポリエチレン系ワックス(三
井石油化学社製Hiwax220MP)0.3重量部、
エステル系ワックス(理研ビタミン社製リケスタ−EW
100)0.5重量部、加工助剤としてアクリル系加工
助剤(メタブレンP501A)2.0重量部の割合でヘ
ンシェルミキサーでブレンドし、配合粉を作成した。 (プレスシートの作製)この配合粉を8インチロールに
て混練し、180℃でプレス成形して肉厚3mmのシー
トを作製した。このシートを用いて下記の方法により曲
げ弾性率の測定、難燃性の評価を行った。結果を表1に
示した。
【0029】波付管の作製 (ペレットの作製)上記配合粉を下記の押出条件でペレ
ット化した。 成形温度;バレル部100〜130℃、金型部140℃ ペレットカット方式;ホットカット (押出成形)上記により作製したペレットを原料にし
て、押出成形機(UT−50H、プラスチック工学研究
所社製)を用いて内径28mm、外径37mm、肉厚2
mmの波付管を作製した。押出条件は、バレル部温度1
65〜185℃、金型部温度190℃であった。上記波
付管を用いて耐衝撃性、耐荷重性試験を下記の方法によ
り行った。結果を表1に示した。
【0030】[可とう性]JIS K 7203に準拠
して、プレスシートを用いて23℃における曲げ弾性率
を測定した。曲げ弾性率の数値を可とう性の尺度とし
た。 [難燃性]UL94V規格に準拠して、プレスシートを
用いてその難燃性を評価した。評価結果が94V−0を
達成した場合、充分な難燃性を有すると判断した。
【0031】[耐衝撃性]JIS C 8411に準拠
して、約200mmにカットした成型品を用いて、−2
5℃における耐衝撃性を落錘衝撃試験で測定した。測定
条件は、落錘重量2kg、落錘高さ200cmで行っ
た。−25℃でも脆性破壊しなければ、充分な耐衝撃性
があると判断した。 [圧縮復元性]JIS C 8411に準拠して、長さ
約200mmの波付管をとり、20℃で測定を行った。
荷重除去後15分間放置した時、波付管の外径変形率が
10%以下まで復元すれば耐荷重強度が充分であると判
断した。外径変形率は下記式により算出した。
【0032】
【数1】
【0033】[塩素含有量]JIS K 7229に準
拠して、樹脂組成物又は樹脂中の塩素含有量を酸素フラ
スコ燃焼法により測定した。
【0034】なお、表中のSt−PVCは、TK−80
0(重合度800、信越化学社製)、塩化ビニル−エチ
レンは、VE−T(重合度700、エチレン含有量8重
量%、徳山積水化学社製)、EVAは、エバフレックス
45LX(酢酸ビニル含有量45重量%、MFR3、三
井デュポンケミカル社製)、EAは、エバフレックスE
EA A−709(MFR25、三井デュポンケミカル
社製)、NBRは、JSR PN30A(アクリロニト
リル含有量35重量%、ML1+4 :100℃=42、日
本合成ゴム社製)、CPEは、エスミック535A(塩
素含有量35重量%、MFR2、徳山積水化学社製)、
CSPEは、ハイパロン40(塩素含有量35重量%、
イオウ含有量1.1重量%、ML1+4 :100℃=3
0、東ソー社製)、ACは、カネエースFM−21(分
散後の平均粒子径0.1〜1μm、鐘淵化学工業社製)
を表す。
【0035】実施例2〜8 ブレンドするエラストマーの種類及び添加量を表1に示
した量としたこと以外は実施例1と同様にして特性値を
測定した。結果を表1に示した。
【0036】
【表1】
【0037】実施例9 エラストマーの作成 攪拌機、温度調整機を備えた10リットル反応器に、純
水4kg、重合開始剤として過硫酸アンモニウム24g
(10%水溶液)を入れ、容器内を窒素置換後、攪拌下
で反応器内を75℃に昇温した。乳化モノマー液を、純
水1.5kg、乳化剤としてハイテノールN−08(第
一工業製薬社製)50g(10%水溶液)、アクリル系
モノマーとしてn−ブチルアクリレート(nBA)2.
4kg、多官能性モノマーとしてトリメチロールプロパ
ントリアクリレート(TMPA)10gから調製した。
乳化モノマーを昇温後の反応器内に一定の滴下速度にお
いて滴下した。全ての乳化モノマーの滴下を3.0時間
にて終了し、その後、1時間攪拌を続けた後、重合を終
了し、固形分の濃度が30重量%のアクリル系共重合体
ラテックスを得た。
【0038】複合塩化ビニル系樹脂組成物(グラフト共
重合) 次いで、攪拌機、温度調整機を備えた15リットル反応
器に、純水7.5kg、上記アクリル系共重合体ラテッ
クス3.17kg、分散剤として部分ケン化ポリビニル
アルコール(クラレポバールL−8、クラレ社製)30
0g(3%水溶液)、重合開始剤としてt−ブチルパー
オキシデカネート、α−クミルパーオキシデカネートを
添加し、反応器内の空気を真空ポンプで排出した後、攪
拌下、塩化ビニル2.8kgを添加した。反応器を64
℃に昇温し重合開始した。反応器内の圧力の低下で反応
の終了を確認し、未反応の塩化ビニルを排出し、複合塩
化ビニル系樹脂組成物を得た。得られた複合塩化ビニル
系樹脂組成物から実施例1と同様にして各種特性値を測
定した。結果を表2に示した。表2中、ACは実施例9
で作成したアクリル系共重合体を表す。
【0039】実施例10〜16 実施例9の複合塩化ビニル系樹脂組成物の作製と同様に
して、添加するエラストマーの種類及び添加量を変化さ
せて、各種の特性値を測定した。その結果を表2に示し
た。
【0040】
【表2】
【0041】比較例1 樹脂成分としてポリ塩化ビニル樹脂(信越化学社製TK
−800、重合度800)のみを用いたこと以外は、実
施例1と同様にして各種の特性値を測定した。その結果
を表3に示した。
【0042】比較例2 樹脂としてポリエチレン樹脂(三井石油化学社製HZ7
700M、密度0.958g/cc)のみを用いたこと
以外は、実施例1と同様にして各種の特性値を測定し
た。その結果を表3に示した。 比較例3 実施例1において、EVA量を55重量%になるように
ブレンド(塩素含有量25.6重量%)したこと以外
は、同様にして各種の特性値を測定した。その結果を表
3に示した。
【0043】比較例4 実施例1において、EVA量を8重量%になるようにブ
レンド(曲げ弾性率23000kgf/cm2 )したこ
と以外は、同様にして各種の特性値を測定した。その結
果を表3に示した。 比較例5 実施例9において、EVA量を55重量%になるように
重合(塩素含有量25.6重量%)したこと以外は、同
様にして各種の特性値を測定した。その結果を表3に示
した。
【0044】比較例6 実施例9において、EVA量を8重量%になるように重
合(曲げ弾性率23500kgf/cm2 )したこと以
外は、同様にして各種の特性値を測定した。その結果を
表3に示した。
【0045】
【表3】
【0046】
【発明の効果】本発明は上述の構成からなるので、可と
う性、難燃性、低温耐衝撃性に優れ、さらに1台の押出
機で単層に押出成形できるので、特に高度の技術を要す
ることなく寸法安定性に優れた管を製造することができ
る。これらの特性を生かして、従来の塩化ビニル系管材
では用いることのできなかった電線管路等の用途に好適
な波付管を得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B29K 27:06

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩化ビニル系樹脂とエラストマーとから
    なる複合塩化ビニル系樹脂組成物を成形してなる単層の
    波付管であって、前記複合塩化ビニル系樹脂組成物は、
    曲げ弾性率が、6000〜20000kgf/cm2
    あり、塩素含有量が、28〜55重量%であることを特
    徴とする波付管。
  2. 【請求項2】 複合塩化ビニル系樹脂組成物が、塩化ビ
    ニル系樹脂85〜50重量%とエラストマー15〜50
    重量%とのブレンド体である請求項1記載の波付管。
  3. 【請求項3】 複合塩化ビニル系樹脂組成物が、エラス
    トマー15〜50重量%に塩化ビニル又は塩化ビニルを
    主成分とするビニルモノマーを85〜50重量%グラフ
    ト共重合したものである請求項1記載の波付管。
JP6086197A 1997-03-14 1997-03-14 波付管 Pending JPH10251338A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1180475A (ja) * 1997-09-10 1999-03-26 Sekisui Chem Co Ltd 塩化ビニル系管路構成部材
JP2020164707A (ja) * 2019-03-29 2020-10-08 株式会社カネカ 発泡性塩素化塩化ビニル系樹脂粒子、その発泡粒子、およびこれを用いた塩素化塩化ビニル系樹脂発泡成形体
JP2020164706A (ja) * 2019-03-29 2020-10-08 株式会社カネカ 発泡性塩素化塩化ビニル系樹脂粒子、その発泡粒子、およびこれを用いた塩素化塩化ビニル系樹脂発泡成形体

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JPH1180475A (ja) * 1997-09-10 1999-03-26 Sekisui Chem Co Ltd 塩化ビニル系管路構成部材
JP2020164707A (ja) * 2019-03-29 2020-10-08 株式会社カネカ 発泡性塩素化塩化ビニル系樹脂粒子、その発泡粒子、およびこれを用いた塩素化塩化ビニル系樹脂発泡成形体
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