JPH10251269A - ポリアルコキシシロキサン及びその製造方法 - Google Patents

ポリアルコキシシロキサン及びその製造方法

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JPH10251269A
JPH10251269A JP5198897A JP5198897A JPH10251269A JP H10251269 A JPH10251269 A JP H10251269A JP 5198897 A JP5198897 A JP 5198897A JP 5198897 A JP5198897 A JP 5198897A JP H10251269 A JPH10251269 A JP H10251269A
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JP
Japan
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polyalkoxysiloxane
analysis
tetraalkoxysilane
water
solvent
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JP5198897A
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English (en)
Inventor
Hanako Katou
波奈子 加藤
Seiichiro Tanaka
誠一朗 田中
Takeshi Sawai
毅 沢井
Hozumi Endo
穂積 遠藤
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 水溶性に優れたポリアルコキシポリシロキサ
ンを得る。 【解決手段】 ガスクロマトグラフィー上で確認するこ
とが出来る5量体の環状物/鎖状物のピーク面積比が
0.56以下であるポリアルコキシシロキサン。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水溶剤系の液状組
成物に好適に用いることのできる新規なポリアルコキシ
シロキサン及びその製造方法、並びにこれらの適用に関
する。
【0002】
【従来技術】近年、アクリル樹脂等の各種の高分子化合
物と、テトラアルコキシシラン及び/又はその部分加水
分解縮合物であるポリアルコキシシロキサンとを含有す
る硬化性組成物が、有機・無機双方の利点を兼ね備えた
素材として注目されている。これらの成分を含有する硬
化性組成物は一般に成分間の相溶性、液の貯蔵安定性、
塗膜物性等の問題から有機溶剤系であることが多い。本
発明者らは、これらの硬化性組成物として用いることの
できる以下の化学式で表される有用なポリアルコキシシ
ロキサンを、特開平7−48454号公報、特開平8−
3174号公報、特開平8−3175号公報、特開平8
−3176号公報等で提案している。
【0003】
【化1】
【0004】
【発明が解決しようとする課題】地球環境保護の観点か
ら、近年では有機溶剤の使用を規制する動きが世界的に
起こっている。また、有機溶剤系の硬化性組成物を金
属、セメント或いは各種の窯業基材等にコーティングす
る際、焼き付け塗装などの加熱処理が必要な場合は溶剤
の揮発による引火爆発及び作業者の中毒等の危険性が高
まり一層問題となる。これらの理由から、水系溶剤を用
いたエマルジョンタイプのアクリル、ウレタン、フッ素
等の有機高分子を主体とした硬化性組成物の使用が高ま
っている。しかしながら、現状では水溶剤系で有機・無
機双方の利点を兼ね備えた実用レベルの硬化性組成物は
なく、その開発が期待されている。この用途にポリアル
コキシシロキサンを用いた場合、従来のものは水溶性に
乏しく、界面活性剤又は分散剤等を用いて強制的に水分
散若しくは水溶化させても、数時間以内に著しく粘度上
昇したりゲル化してしまう様な貯蔵安定性の劣るものあ
り、実用化は困難であった。
【0005】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは上
記課題に鑑み鋭意検討を重ねた結果、鎖状オリゴマーの
含有割合が高く、特定の平均分子量範囲を持つポリアル
コキシシロキサンの開発に成功した。このポリアルコキ
シシロキサンは水への溶解性が高く、環境問題に対応し
た水溶剤系での利用が可能なものである。
【0006】すなわち、本発明は、 (1)ガスクロマトグラフィー上で確認することが出来
る5量体の環状物/鎖状物のピーク面積比が0.56以
下であるポリアルコキシシロキサン。 (2)重量平均分子量がポリプロピレングリコール換算
で250〜500である上記(1)のポリアルコキシシ
ロキサン。 (3)以下の示性式で表される上記(1)又は(2)の
ポリアルコキシシロキサン。
【式2】SiOa(OR)b(OH)c (但し、0.5≦a<0.8、3.0≧b>2.3、c
<0.1、Rは炭素数1〜6のアルキル基)
【0007】(4)テトラアルコキシシランモノマーの
含有量が0.5重量%以下である(1)〜(3)のいず
れかのポリアルコキシシロキサン。 (5)アルコキシ基がメトキシ基である(1)〜(4)
のいずれかのポリアルコキシシロキサン。 (6)(1)〜(5)のいずれかのポリアルコキシシロ
キサンを、有機成分と配合してなる珪素含有組成物。 (7)テトラアルコキシシランに対して0.4〜0.7
5モル倍当量の水を添加してテトラアルコキシシランを
加水分解、縮合することを特徴とする(1)〜(6)の
いずれかのポリアルコキシシロキサンの製造方法。 (8)テトラアルコキシシランを加水分解、縮合する
際、副生するアルコールの沸点及び加水分解、縮合時の
溶剤の沸点のうち、より低い温度で還流した後、副生ア
ルコール及び/又は溶剤成分を留去させることを特徴と
する(8)に記載のポリアルコキシシロキサンの製造方
法、に存する。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
まず、本発明のポリアルコキシシロキサン化合物とは、
シロキサン結合(Si−O)nを主鎖とし、珪素原子に
アルコキシ基が結合している化合物である。シロキサン
結合は、直鎖状であると環状であるを問わない。また、
分岐を有していてもよい。また、アルコキシ基は一種類
でもよく、また数種類のアルコキシ基を有していてもよ
い。アルコキシ基としてはC1〜6のものが好ましい。
特に好ましくはC1のアルコキシ基であるメトキシ基を
珪素原子に結合している基の50%以上、好ましくは7
0%以上とする。これにより、特に水系溶剤への溶解性
が優れたものとなる。
【0009】通常、ポリアルコキシシロキサンは縮合度
nの異なる化合物の混合物として得られるが、本発明に
おいては5量体(n=5の化合物)であってシロキサン
主鎖が環状のものと直鎖状のものとの比が、ガスクロマ
トグラフィーで確認できるものの割合で、環状物/鎖状
物のピーク面積比で0.56以下である。このような本
発明のポリアルコキシシロキサンは水への溶解性が高
く、水系溶剤を用いた各種の液状組成物に好適に用いる
ことができ、環境保護の観点から優れた塗料、各種コー
ティング液等を得ることができる。ガスクロマトグラフ
ィーで確認できる5量体の環状物/鎖状物のピーク面積
比は、好ましくは0.55以下である。0.56を超え
ると水への溶解性が劣る。
【0010】また、4量体のガスクロマトグラフィーで
確認できる環状物/鎖状物のピーク面積比は、0.40
以下である。好ましくは0.38以下である。0.40
を超えると、水への溶解性が、やや劣る傾向にある。6
量体のガスクロマトグラフィーで確認できる環状物/鎖
状物のピーク面積比は、0.60以下である。好ましく
は0.59以下である。0.60を超えると、水への溶
解性が、やや劣る傾向にある。
【0011】本発明のポリアルコキシシロキサンの分子
量は特に限定されないが、好ましくは重量平均分子量が
ポリスチレン換算で220〜550である。好ましくは
250〜500である。220未満のものは毒性の強い
ものもあるテトラアルコキシシランモノマーの含有量を
低減させるのが困難である。一方550を超えると、水
系溶剤への溶解性が低下する傾向にある。本発明のポリ
メトキシシロキサンは、下記の示性式で表すことができ
るものとすることができる。
【式3】SiOa(OR)b(OH)c (但し、0.5≦a<0.8、3.0≧b>2.3、c
<0.1、Rは炭素数1〜6のアルキル基)
【0012】Rは好ましくはメトキシ基であることは上
述のとおりである。係数aは、好ましくは0.6〜0.
75である。係数aが0.5未満ではテトラアルコキシ
シランとしてテトラメトキシシランを用いてR=メトキ
シ基のポリメトキシシロキサンを製造する場合にモノマ
ーが多く残り、ポリメトキシシロキサンの収率が低いも
のとなるため実用的でない。係数a≧0.8の場合は、
実施例で述べる水溶性テストからも明らかなように、水
溶性の良好なものとするのが困難である。また、係数c
≧0.1では、得られたポリメトキシシロキサン化合物
が貯蔵中に縮合反応し、組成変化を引き起こす傾向にあ
る。係数bはb=4−2a−cの関係式により、a及び
cが決まれば必然的に決定される。また、本発明のポリ
アルコキシシロキサンは、Si量が、SiO2換算濃度
で52重量%以下、好ましくは52〜46重量%とする
ことができる。この範囲で特に、良好な水溶性と、硬化
物への硬度、耐汚染性等の特性付与効果とのバランスに
優れている。本発明のポリアルコキシシロキサンを製造
する方法の一例を、以下に示す。
【0013】
【化2】
【0014】上記の化学式で示されるテトラアルコキシ
シランを、以下に説明する特定方法で部分加水分解縮合
することにより、本発明のポリアルコキシシロキサンを
得ることができる。ここで、テトラアルコキシシランと
しては上記の化学式で表されるものであれば特に限定さ
れず、例えばケイ素とアルコールとの反応、あるいはケ
イ素ハロゲン化物とアルコールの反応等により得たもの
が挙げられる。ハロゲン元素の残存の防止が容易である
点からは前者の方法が望ましい。又、ポリアルコキシシ
ロキサンとして水に一層易溶なものとするには、アルコ
ールとしてメタノールを用い、アルコキシ基がメトキシ
基であるテトラメトキシシランとして用いることが望ま
しい。これは、一般的にアルコキシ基の加水分解性は、
それを形成しているアルキルの炭素数が少ないほど反応
性が高く加水分解し易く、例えば、メトキシ基>エトキ
シ基>プロポキシ基>ブトキシ基の順で加水分解性が高
くシラノール基を形成しやすいため、水溶化に寄与しう
ることが考えられるためである。
【0015】テトラメトキシシランのモノマー(Si
(OCH3)4で表される)を部分加水分解、縮合するこ
とにより、本発明のポリアルコキシシロキサンの好まし
い態様であるポリメトキシシロキサンを得ることができ
る。部分加水分解縮合反応は、まずテトラメトキシシラ
ンに対し、0.40〜0.75モル倍当量、好ましくは
0.50〜0.70モル倍当量の水を加えて行う。添加
する水の量が0.4モル倍未満では未反応のテトラメト
キシシランモノマーが多く残り、ポリメトキシシロキサ
ンの収率が低いものとなるため実用的でない。一方、
0.75モル倍を超えると得られるポリメトキシポリシ
ロキサンは、ガスクロマトグラフィーで確認することが
できる5量体の環状物/鎖状物のピーク面積比が0.5
5以下のものを得るのが困難である。また、4量体の環
状物/鎖状物のピーク面積比が0.40以下のもの、6
量体の環状物/鎖状物のピーク面積比が0.60以下の
ものも、得るのが困難となる。更に、重量平均分子量で
も550以下のものも得るのが困難である。このため実
施例で述べる水溶性テストで均一溶液を得るのに要する
時間が極端に長くなったり、不溶物が残存してしまうな
どの問題が生じることからも明らかなように、水溶性の
良好なポリアルコキシシロキサンを得るのが困難とな
る。
【0016】テトラアルコキシシランモノマーの加水分
解縮合反応に際しては、必要に応じて適宜触媒を加える
ことができる。例えば、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸等の
無機酸、ギ酸、酢酸、シュウ酸、マレイン酸、ベンゼン
スルホン酸、トルエンスルホン酸等の有機酸、又はアン
モニア、NaOH、KOH、有機アミン化合物等の塩基
性物質等を用いることができるが、得られるポリメトキ
シシロキサン中の鎖状物の割合が高いものとすることが
できること、及び反応終了後、蒸留操作により容易に除
去できることから塩酸が好適である。通常、触媒の使用
量はテトラアルコキシシランとしてテトラメトキシシラ
ンを用いた場合にはテトラメトキシシランに対して1×
10-6〜1×10-2モル倍量、好ましくは1×10-5
1×10 -3モル倍量である。
【0017】触媒の添加方法は特に限定されず、添加す
る水と混合又は溶解して用いたり、後述する溶媒と混合
又は溶解したものを用いることもできる。加水分解、縮
合反応は、溶媒の存在下で行うことができる。例えば、
アルコール、エーテル、ケトン等の水溶性の有機溶媒を
用いることができるが、テトラアルコキシシランの加水
分解縮合反応によりアルコールを副生するため、溶媒と
して副生アルコールと同一種のアルコールを用いるの
が、最も好ましい。溶媒の使用量は、テトラアルコキシ
シランに対して0.1〜10重量倍、好ましくは0.1
〜1.0重量倍である。
【0018】テトラアルコキシシランの部分加水分解縮
合反応は、テトラアルコキシシランと溶媒を混合してお
き、所定量の水を必要に応じて適宜攪拌ししながら加え
るのが一般的である。その後、加熱して還流状態で加水
分解縮合反応を進行させる。還流温度は溶媒の沸点、ま
たは副生するアルコールの沸点に近い温度とする。好ま
しくは、これらの沸点のうち、より低い温度とする。還
流下での反応時間は、触媒の種類にもよるが、通常0.
5〜10時間、好ましくは2〜5時間である。
【0019】次に、部分加水分解縮合反応により副生し
たアルコール、及び/又は反応時に用いた溶媒(反応溶
媒)を留出させる。この方法としては各種の蒸留、蒸発
操作が適用できる。すなわち、常圧又は減圧下でアルコ
ールの沸点及び反応溶媒の沸点のうち低い温度以上に加
熱すれば、これらのうち沸点の低いものを留出させるこ
とができる。また、これらの沸点のうち高い温度以上の
温度に加熱すれば、これら双方を留出させることができ
る。又は、これらの沸点付近で窒素、炭酸ガス、アルゴ
ン、ヘリウム等の不活性ガスを導入してこれらを留出さ
せる方法などもある。特にテトラアルコキシシランとし
てテトラメトキシシランを用い、溶媒としてメタノール
を用いた場合、工業的には、常圧で80〜130℃、好
ましくは100〜120℃まで加熱し、留去させる方法
が適している。工業的実施の際には、この温度まで昇温
し、その後そのままの温度で0.5〜10時間、好まし
くは1〜5時間保持することで、縮合反応を完結させる
と共に、メタノールを完全に留去することが望ましい。
【0020】こうしてテトラメトキシシランの縮合物と
して本発明のポリメトキシシロキサンを得ることができ
るが、これには通常0.6〜20重量%程度のモノマー
が残存している。そこで、このモノマーを留去するのが
望ましい。これは、テトラメトキシシランのモノマーは
人体の対する有害性が高く、特に角膜等への刺激性を有
することから作業環境上好ましくない上、モノマーが残
存すると、オリゴマーの保存安定性に影響を及ぼすこと
があるからである。一般には0.5重量%以下、好まし
くは0.2重量%以下にまでモノマーを除去すれば、周
囲に気化するモノマーの影響を無視できる程度にまで低
減することができる。
【0021】モノマーの除去方法としては、副生メタノ
ール及び反応溶媒の留去と同じく、各種の蒸留、蒸発操
作が適用できる。すなわち、常圧、又は、減圧下でモノ
マー沸点以上に溶液を加熱して留出させる方法、更に
は、沸点未満の加熱であっても窒素、炭酸ガス、アルゴ
ン、ヘリウム等の不活性ガスをSV(Space Ve
locity)1〜100(1/Hr)で吹き込む方法
が最も簡便である。この際の温度は200℃以上とする
と、ポリメトキシポリシロキサンが解重合を起こし、モ
ノマーが生成するため、130〜200℃、好ましくは
130〜170℃である。
【0022】以上のように、比較的単純且つ容易な方法
により、ガスクロマトグラフィー上で確認することが出
来る5量体の環状物/鎖状物のピーク面積比が0.56
以下である本発明のポリアルコキシシロキサンを得るこ
とができるのである。尚、上述した製造方法は、本発明
のポリアルコキシシロキサンを得るための代表的な手法
であり、他の方法で本発明のポリアルコキシシロキサン
を得ても良いことは言うまでもない。
【0023】なお、アルコキシ基として原料テトラアル
コキシシランの有するアルコキシ基とは異なるものを導
入したい場合にはエステル交換により容易に導入するこ
とができる。また、更に例えば特開平2−256687
号公報に記載の活性水素含有化合物と反応させることに
より、本発明のポリアルコキシシロキサンを各種の有機
基で変性することもできる。
【0024】従来存在したポリアルコキシシロキサンは
水溶性に乏しく、水溶剤系での使用は困難であった。こ
れに対し、本発明のポリアルコキシシロキサンは水溶性
に優れるため、近年、地球環境保護の観点から有機溶剤
の使用が問題視される中で、水溶剤系での使用が可能で
あることは特に有用と言うことができる。また、本発明
のポリアルコキシシロキサンは水溶剤系で単独及び又は
種々の有機成分と配合して液状の珪素含有組成物として
用いることができる。
【0025】有機成分としては、例えば A)シランカップリング剤類 ・メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラ
ン ・ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラ
ン、ビニルトリアセトキシシラン ・3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン ・3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−
グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−
(3・4−エポキシシクロヘキシルエチルトリメトキシ
シラン) ・3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メ
ルカプトプロピルメチルジメトキシシラン ・3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−
アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラ
ン、N−(2−アミノエチル)3−アミノプロピルメチ
ルジメトキシシラン
【0026】B)有機高分子エマルジョン類 ・アクリル系樹脂エマルジョン ・酢酸ビニル系樹脂エマルジョン ・ポリエステル系樹脂エマルジョン ・スチレン−ブタジエン系樹脂エマルジョン ・ポリウレタン系樹脂エマルジョン ・フッ素系樹脂エマルジョン C)水溶性有機高分子類 ・ポリビニルアルコール共重合物 ・ヒドロキシエチルセルロース共重合物 ・アルキド樹脂系 ・メラミン樹脂系 ・尿素樹脂系 ・フェノール樹脂系 ・エポキシ樹脂系 ・ポリブタジエン樹脂系 ・アクリル樹脂系 等が挙げられる。
【0027】これらの有機成分と本発明のポリアルコキ
シシロキサンの配合方法は、有機成分とポリアルコキシ
シロキサンを単純に混合するだけでも良いし、予めポリ
アルコキシシロキサンを水系溶剤に可溶化したものを有
機成分に添加しても良い。
【0028】また、ポリアルコキシシロキサンと有機成
分の配合比は使用目的によって任意の割合で配合する事
が可能であるが、通常、ポリアルコキシシロキサン/有
機成分=1/100〜100/1重量比、好ましくは1
/10〜10/1重量比である。ポリアルコキシシロキ
サン/有機成分が1/100重量比未満では、このもの
を硬化物とした際に、ポリアルコキシシロキサンを添加
することにより発現する硬度、耐候性、耐汚染性、耐薬
品性、耐酸性、密着性等の特性が充分でない。一方、ポ
リアルコキシシロキサン/有機成分が100/1重量比
を超える場合、配合液の増粘又はゲル化が速く貯蔵安定
性が低下するとともに、このものを硬化物とした際に、
その塗膜でのクラック、剥離等の問題を生じやすい。
【0029】本発明のポリアルコキシシロキサンと有機
成分を配合してなる液状組成物に、更に各種充填剤、骨
材及び又は各種顔料を分散して、断熱材、耐熱材、建築
壁材等の成型材料やコーティング剤、塗料等として用い
ることも可能である。以下、実施例により、更に本発明
を詳細に説明する。なお部及び%は特にことわりのない
限り重量部及び重量%を示す。
【0030】実施例1 [ポリアルコキシシロキサン−の合成]攪拌器、ジム
ロートコンデンサー、温度計を備えたガラス製3リット
ル四ツ口丸底フラスコにテトラメトキシシラン100
0.2g、メタノール315.9gを仕込み5分攪拌し
た後、0.1規定塩酸水1.38gと水55.4gの混
合液をゆっくり滴下した。このとき、発熱反応により内
温が上昇するので周りを冷却して内温が40℃を越えな
いように注意した。このテトラメトキシシランに対する
水の量は0.48モル倍に相当する。その後、還流状態
(65℃)となるまで加熱し、還流下で4時間反応させ
た。ついで、生成アルコールの留去を開始し、徐々に内
温を上げていった。内温が150℃に達した時点で窒素
ガスの吹き込み(SV=5〜7)を開始した。この状態
で5時間保持し、生成アルコールを押し切った。これを
室温まで放冷したのち取り出して液状で無色透明なポリ
アルコキシシロキサン−、636.7gを得た。
【0031】[ポリアルコキシシロキサン−のガスク
ロクロマトグラフィー分析]ポリアルコキシシロキサン
−のガスクロマトグラフィー分析を、以下の分析条件
で行った。
【0032】
【表1】 機 種 島津GC14A カラム J&W Scientific社 キャピラリーカラム DB−5(30m×0.53mmφ) 測定条件 試料注入口温度 270℃ 検出器、検出器槽温度 270℃ カラム温度 40℃〜250℃(昇温速度 10℃/分) カレント電流 75mA(TCD検出器) キャリアガス カラム側 He 8ml/分 リファレンス側 He 60ml/分 試料調整 ポリアルコキシシロキサン 約6.0 g 内標物質 メタキシレン 約0.15g(内部標準法) 試料注入量 0.5μl
【0033】上記の条件で、ポリメトキシシロキサンを
分析すると以下のリテンションタイムで各成分のピーク
が検出される。
【0034】
【表2】 リテンションタイム(分) 検出物質 約15.1 4量体 環状 約16.2 4量体 鎖状(分岐有り?) 約16.7 4量体 直鎖状 約17.8 5量体 環状 約18.9 5量体 鎖状(分岐有り?) 約19.2 5量体 直鎖状 約19.9 6量体 環状 約21.1 6量体 鎖状(分岐有り?) 約21.4 6量体 直鎖状
【0035】ここで、ポリメトキシシロキサン4量体・
5量体・6量体の各々での、
【式4】ピーク面積比 = 環状物/鎖状物* *:鎖状物=直鎖状物 + 鎖状物(分岐有り?) を求めた。分析の結果、メタノール、テトラメトキシシ
ランモノマーはそれぞれ0.2%以下であった。又、ポ
リメトキシシロキサンの環状物/鎖状物の面積比は、4
量体が0.058、5量体が0.109、6量体が0.
148であった。分析チャートを図1に示す。
【0036】
【表3】 [ポリアルコキシシロキサン−のGPC分析] 装 置 Waters製 高温GPC 150C カ ラ ム PLgel 500Å(5μ)1本+1
00Å(5μ)2本 温 度 カラム40℃、注入口30℃、ポンプ3
0℃ 溶 媒 クロロホルム 1.0ml/分 検 出 器 RI検出器 32×1 RIU/FS 試 料 クロロホルムで5重量%に希釈し、10
0μl注入 データ処理 東ソー製 CP−8000
【0037】標準ポリスチレン及びテトラメトキシシラ
ンオリゴマーを用いた、GPC検量線を図13に示す。
上記の条件で分析したところ、Mn304、Mw33
0、Mz366、Mw/Mn1.09、Mz/Mw1.
11であった。分析チャートを図2に示す。
【0038】[ポリアルコキシシロキサン−の示性
式]アルコキシ基分析、シリカ分析、50℃加速保存テ
ストを行い、
【式5】示性式:SiOa(OR)b(OH)c を求めた。
【0039】(1)アルコキシ基分析 ポリアルコキシシロキサン−をサンプリングしジオキ
サン溶媒下で、サンプルの有するアルコキシ基(メトキ
シ基)を完全に加水分解し得る量以上の水と触媒を加
え、室温で24時間放置し、完全に加水分解させた。こ
の加水分解液中の生成メタノール量をGC分析から求
め、これをメトキシ基換算にすると0.0220モル/
g(サンプリング液)あった。加水分解液調整組成及び
GC分析条件を下記に示す。
【0040】
【表4】 (サンプルの加水分解液調整組成) ・サンプル 約 2g ・ジオキサン 約20g ・1N−HCl水 約 2g (GC分析条件) GC装置:島津GC−7A 検出器:7CD カラム:Waters Porapak type Q, 80〜100mesh,3mmφ×
3m キャリヤーガス:He 40cc/min 注入口温度:250℃ カラム温度:180℃ 4min→180〜250℃
(16℃/min)→250℃一定 検出器温度:200℃ カレント電流:100mA 内標:アセトニトリル サンプル注入量:0.5μl 内標/サンプル:0.2/2g
【0041】(2)シリカ分析 サンプルを25ml白金ルツボに2〜3g精秤し、これ
に14%アンモニア水3.0gを加え加水分解ゲル化さ
せた後、ホットプレート上で生成したメタノール及び残
存水を乾固する。更に、電気炉で900℃で2時間焼成
した後、室温まで冷却して得られた白色固形分を白金ル
ツボごと精秤してシリカ含有量とする重量法を用いる。
この方法で求めた、ポリアルコキシシロキサン−のシ
リカ含有量は48.7%であった。
【0042】(3)50℃加速保存テスト 合成直後の粘度2.8cp(25℃)のポリアルコキシ
シロキサン−約80mlを、密栓付き100ml耐熱
ガラス瓶に入れ50℃で1ヶ月保存した後、粘度を測定
したところ2、8cpであり変化は認められなかった。
この結果から、シラノール基(係数c)は殆ど皆無と見
なされる。
【0043】
【表5】 (4)分析結果の解析:示性式の算出 示性式:SiOa(OR)b(OH)cのa、b、cの
算出 ・シリカ分析結果からポリメトキシシロキサン−10
0g中のSiモル数は (100g×48.7/100)÷60.1=0.81
0モル ・係数b:メトキシ基量 ポリメトキシシロキサン−100g中のメトキシ基量
はGC分析結果から 100g×0.0220モル/g=2.20モル また、Si1モル当たりに換算すれば 2.20÷0.810=2.71モル/Si ・係数c:シラノール基量 50℃加速保存テストの結果、粘度変化が無く経時変化
しないことからc≒0と見なせる。 ・係数a:シロキサン基量 a=(4−b−c)÷2 の関係式からa=(4−2.
71−0)÷2=0.65モル/Si となる。 以上の結果を示性式で示すと、ポリメトキシシロキサン
−はSiO0.65(OCH3)2.71 となった。
【0044】[水溶性テスト]得られたポリアルコキシ
シロキサン−について以下の条件で水溶性テストを行
った。50ミリリットルのスクリュウ管ビンに酢酸にて
pHを3.0に調整した脱塩水とポリアルコキシシロキ
サン−を次の割合で混合し、マグネットスターラーで
撹拌した。この液が均一溶液になるまでの時間を計測し
た。室温は、約24〜26℃、酢酸水の温度は20℃〜
22℃であった。
【0045】A 酢酸水 30g ポリアルコキシシロキサン− 0.15g( 0.5
重量%) B 酢酸水 30g ポリアルコキシシロキサン− 1.58g( 5.0
重量%) その結果、Aは5分、Bは9分で透明な均一溶液となっ
た。
【0046】実施例2 [ポリアルコキシシロキサン−の合成]攪拌器、ジム
ロートコンデンサー、温度計を備えたガラス製3リット
ル四ツ口丸底フラスコにテトラメトキシシラン100
0.1g、メタノール315.04gを仕込み5分攪拌
した後、0.1規定塩酸水1.40gと水69.65g
の混合液をゆっくり滴下した。このとき、発熱反応によ
り内温が上昇するので周りを冷却して内温が40℃を越
えないように注意した。このテトラメトキシシランに対
する水の量は0.60モル倍に相当する。
【0047】その後、還流状態(65℃)となるまで加
熱し、還流下で4時間反応させた。ついで、生成アルコ
ールの留去を開始し、徐々に内温を上げていった。内温
が150℃に達した時点で窒素ガスの吹き込み(SV=
5〜7)を開始した。この状態で5時間保持し、生成ア
ルコールを押し切った。これを室温まで放冷したのち取
り出して液状で無色透明なポリアルコキシシロキサン−
、704.3gを得た。
【0048】[ポリアルコキシシロキサン−のガスク
ロマトグラフィー分析]実施例1と同様にガスクロマト
グラフィー分析を行った結果、メタノール、テトラメト
キシシランモノマーはそれぞれ0.2%以下であった。
又、ポリメトキシシロキサンの環状物/鎖状物の面積比
は、4量体が0.135、5量体が0.232、6量体
が0.273であった。分析チャートを図3に示す。
【0049】[ポリアルコキシシロキサン−のGPC
分析]実施例1と同様にGPC分析を行った結果、Mn
325、Mw363、Mz415、Mw/Mn1.1
2、Mz/Mw1.15であった。分析チャートを図4
に示す。
【0050】[ポリアルコキシシロキサン−の示性
式]実施例1と同様の方法で、示性式:SiOa(O
R)b(OH)cを求めた。 (1)メトキシ基量=0.0218モル/g (2)シリカ含有量=49.8% (3)50℃加速保存テスト:粘度3.4cpで変化無
い。
【0051】
【表6】(4)分析結果の解析:示性式の算出 ・シリカ分析結果からポリメトキシシロキサン−10
0g中のSiモル数は (100g×49.8/100)÷60.1=0.82
9モル ・係数b:メトキシ基量 ポリメトキシシロキサン−100g中のメトキシ基量
はGC分析結果から 100g×0.0218モル/g=2.18モル また、Si1モル当たりに換算すれば 2.18÷0.829=2.63モル/Si ・係数c:シラノール基量 50℃加速保存テストの結果、粘度変化が無く経時変化
しないことからc≒0と見なせる。 ・係数a:シロキサン基量 a=(4−b−c)÷2 の関係式から a=(4−2.63−0)÷2=0.68モル/Si となる。 以上の結果を示性式で示すと、ポリメトキシシロキサン
−はSiO0.68(OCH3)2.63 となった。
【0052】[ポリアルコキシシロキサン−の水溶性
テスト]実施例1と同様にポリアルコキシシロキサン−
について水溶性テストを行った。その結果、Aは11
分、Bは23分で透明な均一溶液となった。
【0053】実施例3 [ポリアルコキシシロキサン−の合成]攪拌器、ジム
ロートコンデンサー、温度計を備えたガラス製3リット
ル四ツ口丸底フラスコにテトラメトキシシラン100
0.9g、メタノール316.1gを仕込み5分攪拌し
た後、0.1規定塩酸水1.40gと水87.5gの混
合液をゆっくり滴下した。このとき、発熱反応により内
温が上昇するので周りを冷却して内温が40℃を越えな
いように注意した。このテトラメトキシシランに対する
水の量は0.75モル倍に相当する。
【0054】その後、還流状態(65℃)となるまで加
熱し、還流下で4時間反応させた。ついで、生成アルコ
ールの留去を開始し、徐々に内温を上げていった。内温
が150℃に達した時点で窒素ガスの吹き込み(SV=
5〜7)を開始した。この状態で5時間保持し、生成ア
ルコールを押し切った。これを室温まで放冷したのち取
り出して液状で無色透明なポリアルコキシシロキサン−
、731.0gを得た。
【0055】[ポリアルコキシシロキサン−のガスク
ロマトグラフィー分析]実施例1と同様にガスクロマト
グラフィー分析を行った結果、メタノール、テトラメト
キシシランモノマーはそれぞれ0.2%以下であった。
又、ポリメトキシシロキサンの環状物/鎖状物の面積比
は、4量体が0.356、5量体が0.541、6量体
が0.578であった。分析チャートを図5に示す。
【0056】[ポリアルコキシシロキサン−のGPC
分析]実施例1と同様にGPC分析を行った結果、Mn
392、Mw472、Mz600、Mw/Mn1.2
1、Mz/Mw1.27であった。分析チャートを図6
に示す。
【0057】[ポリアルコキシシロキサン−の示性
式]実施例1と同様の方法で、示性式:SiOa(O
R)b(OH)cを求めた。 (1)メトキシ基量=0.0210モル/g (2)シリカ含有量=51.8% (3)50℃加速保存テスト:粘度5.4cpで変化無
い。
【0058】
【表7】(4)分析結果の解析:示性式の算出 ・シリカ分析結果からポリメトキシシロキサン−10
0g中のSiモル数は (100g×51.8/100)÷60.1=0.86
2モル ・係数b:メトキシ基量 ポリメトキシシロキサン−100g中のメトキシ基量
はGC分析結果から 100g×0.0210モル/g=2.10モル また、Si1モル当たりに換算すれば 2.10÷0.862=2.44モル/Si ・係数c:シラノール基量 50℃加速保存テストの結果、粘度変化が無く経時変化
しないことからc≒0と見なせる。 ・係数a:シロキサン基量 a=(4−b−c)÷2 の関係式から a=(4−2.44−0)÷2=0.78モル/Si となる。 以上の結果を示性式で示すと、ポリメトキシシロキサン
−はSiO0.78(OCH3)2.44 となった。
【0059】[ポリアルコキシシロキサン−の水溶性
テスト]実施例4と同様にポリアルコキシシロキサン−
について水溶性テストを行った。その結果、Aは20
分、Bは38分で透明な均一溶液となった。
【0060】比較例1 [ポリアルコキシシロキサン−のガスクロマトグラフ
ィー分析]シリカ換算含有量52.4%の三菱化学
(株)製ポリメトキシシロキサンについて、実施例1と
同様にガスクロマトグラフィー分析を行った結果、ポリ
メトキシシロキサンの環状物/鎖状物の面積比は、4量
体が0.370、5量体が0.568、6量体が0.5
89であった。分析チャートを図7に示す。
【0061】[ポリアルコキシシロキサン−のGPC
分析]実施例1と同様にGPC分析を行った結果、Mn
507、Mw599、Mz726、Mw/Mn1.1
8、Mz/Mw1.21であった。分析チャートを図8
に示す。
【0062】[ポリアルコキシシロキサン−の示性
式]実施例1と同様の方法で、示性式:SiOa(O
R)b(OH)cを求めた。 (1)メトキシ基量=0.0209モル/g (2)シリカ含有量=52.4% (3)50℃加速保存テスト:粘度6.3cpで変化無
い。
【0063】
【表8】(4)分析結果の解析:示性式の算出 ・シリカ分析結果からポリメトキシシロキサン−10
0g中のSiモル数は (100g×52.4/100)÷60.1=0.87
2モル ・係数b:メトキシ基量 ポリメトキシシロキサン−100g中のメトキシ基量
はGC分析結果から 100g×0.0209モル/g=2.09モル また、Si1モル当たりに換算すれば 2.09÷0.872=2.40モル/Si ・係数c:シラノール基量 50℃加速保存テストの結果、粘度変化が無く経時変化
しないことからc≒0と見なせる。 ・係数a:シロキサン基量 a=(4−b−c)÷2 の関係式から a=(4−2.40−0)÷2=0.80モル/Si となる。 以上の結果を示性式で示すと、ポリメトキシシロキサン
−はSiO0.80(OCH3)2.40 となった。
【0064】[ポリアルコキシシロキサン−の水溶性
テスト]実施例1と同様にポリアルコキシシロキサン−
について水溶性テストを行った。その結果、A、Bい
ずれも3時間以内に均一溶液は得られなかった。撹拌3
時間後の液の様子は、A,Bとも下部に不溶物の沈殿が
観察された。
【0065】比較例2 [ポリアルコキシシロキサン−のガスクロマトグラフ
ィー分析]シリカ換算含有量52.6%のコルコート社
製ポリメトキシシロキサンについて、実施例1と同様に
ガスクロマトグラフィー分析を行った結果、ポリメトキ
シシロキサンの環状物/鎖状物の面積比は、4量体が
0.443、5量体が0.623、6量体が0.651
であった。分析チャートを図9に示す。
【0066】[ポリアルコキシシロキサン−のGPC
分析]実施例1と同様にGPC分析を行った結果、Mn
503、Mw631、Mz818、Mw/Mn1.2
6、Mz/Mw1.30であった。分析チャートを図1
0に示す。
【0067】[ポリアルコキシシロキサン−の示性
式]実施例1と同様の方法で、示性式:SiOa(O
R)b(OH)cを求めた。 (1)メトキシ基量=0.0208モル/g (2)シリカ含有量=52.6% (3)50℃加速保存テスト:粘度6.4cpで変化無
い。
【0068】
【表9】(4)分析結果の解析:示性式の算出 ・シリカ分析結果からポリメトキシシロキサン−10
0g中のSiモル数は (100g×52.6/100)÷60.1=0.87
5モル ・係数b:メトキシ基量 ポリメトキシシロキサン−100g中のメトキシ基量
はGC分析結果から 100g×0.0208モル/g=2.08モル また、Si1モル当たりに換算すれば 2.08÷0.872=2.38モル/Si ・係数c:シラノール基量 50℃加速保存テストの結果、粘度変化が無く経時変化
しないことからc≒0と見なせる。 ・係数a:シロキサン基量 a=(4−b−c)÷2 の関係式からa=(4−2.
38−0)÷2=0.81モル/Si となる。 以上の結果を示性式で示すと、ポリメトキシシロキサン
−はSiO0.81(OCH3)2.38 となった。
【0069】[ポリアルコキシシロキサン−の水溶性
テスト]実施例1と同様にポリアルコキシシロキサン−
について水溶性テストを行った。その結果、A、Bい
ずれも3時間以内に均一溶液は得られなかった。撹拌3
時間後の液の様子は、A,Bとも下部に不溶物の沈殿が
観察された。
【0070】比較例3 [ポリアルコキシシロキサン−のガスクロマトグラフ
ィー分析]シリカ換算含有量56.6%の三菱化学
(株)製ポリメトキシシロキサンについて実施例1と同
様にガスクロマトグラフィー分析を行った結果、ポリメ
トキシシロキサンの環状物/鎖状物の面積比は、4量体
が0.997、5量体が1.457、6量体が1.17
7であった。分析チャートを図11に示す。
【0071】[ポリアルコキシシラン−のGPC分
析]実施例1と同様にGPC分析を行った結果、Mn7
11、Mw943、Mz1276、Mw/Mn1.3
3、Mz/Mw1.35であった。分析チャートを図1
2に示す。
【0072】[ポリアルコキシシロキサン−の示性
式]実施例1と同様の方法で、示性式:SiOa(O
R)b(OH)cを求めた。 (1)メトキシ基量=0.0188モル/g (2)シリカ含有量=56.6% (3)50℃加速保存テスト:粘度20.0cpで変化
無い。
【0073】
【表10】(4)分析結果の解析:示性式の算出 ・シリカ分析結果からポリメトキシシロキサン−10
0g中のSiモル数は (100g×56.6/100)÷60.1=0.94
2モル ・係数b:メトキシ基量 ポリメトキシシロキサン−100g中のメトキシ基量
はGC分析結果から 100g×0.0188モル/g=1.88モル また、Si1モル当たりに換算すれば 1.88÷0.942=2.00モル/Si ・係数c:シラノール基量 50℃加速保存テストの結果、粘度変化が無く経時変化
しないことからc≒0と見なせる。 ・係数a:シロキサン基量 a=(4−b−c)÷2 の関係式から a=(4−2.00−0)÷2=1.00モル/Si となる。 以上の結果を示性式で示すと、ポリメトキシシロキサン
−はSiO1.00(OCH3)2.00 となった。
【0074】[ポリアルコキシシロキサン−の水溶性
テスト]実施例1と同様にポリアルコキシシロキサン−
について水溶性テストを行った。その結果、A、Bい
ずれも3時間以内に均一溶液は得られなかった。撹拌3
時間後の液の様子は、A,Bとも下部に不溶物の沈殿が
観察された。ポリアルコキシシロキサン−〜までの
ガスクロマトグラフィー分析、GPC分析、及び水溶性
テストの結果をまとめたものを、表−1に示す。
【0075】
【表11】
【0076】
【発明の効果】本発明のポリアルコキシシロキサンは、
水溶性に優れているため、近年、地球環境保護の観点か
ら有機溶剤の使用が問題視される中で、水溶剤系での使
用が可能であり、各種フィラーの表面処理剤等として用
いられるシランカップリング剤や塗料等で用いられる樹
脂エマルジョンなどと容易に配合して使用することがで
き、それから得られる硬化物の塗膜硬度、耐候性、耐汚
染性、耐薬品性、耐酸性、密着性等の特性向上を図れる
ことから、水溶剤系のバインダー、コーティング剤、塗
料等の用途分野で特に有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】ポリアルコキシシロキサン−のガスクロマト
グラフィー分析チャートを示す図
【図2】ポリアルコキシシロキサン−のGPC分析チ
ャートを示す図
【図3】ポリアルコキシシロキサン−のガスクロマト
グラフィー分析チャートを示す図
【図4】ポリアルコキシシロキサン−のGPC分析チ
ャートを示す図
【図5】ポリアルコキシシロキサン−のガスクロマト
グラフィー分析チャートを示す図
【図6】ポリアルコキシシロキサン−のGPC分析チ
ャートを示す図
【図7】ポリアルコキシシロキサン−のガスクロマト
グラフィー分析チャートを示す図
【図8】ポリアルコキシシロキサン−のGPC分析チ
ャートを示す図
【図9】ポリアルコキシシロキサン−のガスクロマト
グラフィー分析チャートを示す図
【図10】ポリアルコキシシロキサン−のGPC分析
チャートを示す図
【図11】ポリアルコキシシロキサン−ののガスクロ
マトグラフィー分析チャートを示す図
【図12】ポリアルコキシシロキサン−のGPC分析
チャートを示す図
【図13】標準ポリスチレン及びテトラメトキシシラン
オリゴマーを用いたGPC検量線を示す図
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 遠藤 穂積 北九州市八幡西区黒崎城石1番1号 三菱 化学株式会社黒崎事業所内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ガスクロマトグラフィー上で確認すること
    が出来る5量体の環状物/鎖状物のピーク面積比が0.
    56以下であるポリアルコキシシロキサン。
  2. 【請求項2】重量平均分子量がポリスチレン換算で22
    0〜550である請求項1記載のポリアルコキシシロキ
    サン。
  3. 【請求項3】以下の示性式で表される請求項1又は2記
    載のポリアルコキシシロキサン。 【式1】SiOa(OR)b(OH)c (但し、0.5≦a<0.8、3.0≧b>2.3、c
    <0.1、Rは炭素数1〜6のアルキル基)
  4. 【請求項4】テトラアルコキシシランモノマーの含有量
    が0.5重量%以下である請求項1、2、3のいずれか
    に記載のポリアルコキシシロキサン。
  5. 【請求項5】アルコキシ基がメトキシ基である請求項1
    〜4のいずれかに記載のポリアルコキシシロキサン。
  6. 【請求項6】請求項1〜5のいずれかに記載のポリアル
    コキシシロキサンを、有機成分と配合してなる珪素含有
    組成物。
  7. 【請求項7】テトラアルコキシシランに対して0.4〜
    0.75モル倍当量の水を添加してテトラアルコキシシ
    ランを加水分解、縮合することを特徴とする請求項1〜
    6のいずれかに記載のポリアルコキシシロキサンの製造
    方法。
  8. 【請求項8】テトラアルコキシシランを加水分解、縮合
    する際、副生するアルコールの沸点及び加水分解、縮合
    時の溶剤の沸点のうち、より低い温度で還流した後、副
    生アルコール及び/又は溶剤を留去させることを特徴と
    する請求項7記載のポリアルコキシシロキサンの製造方
    法。
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