JPH10251112A - 通気性防虫シートおよび通気性防虫包装袋ならびに製造方法 - Google Patents

通気性防虫シートおよび通気性防虫包装袋ならびに製造方法

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JPH10251112A
JPH10251112A JP9068977A JP6897797A JPH10251112A JP H10251112 A JPH10251112 A JP H10251112A JP 9068977 A JP9068977 A JP 9068977A JP 6897797 A JP6897797 A JP 6897797A JP H10251112 A JPH10251112 A JP H10251112A
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JP
Japan
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sheet
insect repellent
permeable
air
insect
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JP9068977A
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English (en)
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Takayasu Ookubo
貴泰 大久保
Shigeto Hashimoto
重人 橋元
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ARAMITSUKU KK
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ARAMITSUKU KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】食品や錠剤を覆っている通気性シートや通気性
袋を、害虫が食い破って侵入することがある。 【解決手段】機械的強度の大きな材料で通気性シートや
通気性袋を構成し、これにより害虫が容易に食い破るこ
とができないようになり、よって害虫が食品や錠剤に進
入できなくなるから食品や錠剤を害虫から守る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、乾燥食品や各種錠剤な
どを覆う通気性のシートまたはこれらを包装した通気性
の袋を害虫が食い破ってこの害虫が中に侵入するのを防
止する通気性防虫シートおよび通気性の防虫包装袋なら
びにその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】貯蔵穀物、例えばお米には保存温度や湿
度の条件によりコクゾウ虫、ココクゾウ虫、ノシメマダ
ラメイガ、コナナガシンクイ虫などの害虫が寄生し易
く、また白麹米菌、ベルジモス米菌、黄変米菌などのカ
ビ類も発生し易い。さらに、穀物に含まれる脂肪酸など
の酸化が経時進行する。
【0003】このような害虫の寄生やカビの発生を抑
え、かつ酸化を防止して米を良好な品質状態に保つ米の
品質保存剤として、本発明者は特開平6ー38678号
公報に記載されている米の品質保存剤を提案した。
【0004】上記公報に記載の米の品質保存剤は、ニン
ニク成分と唐辛子成分が混合された錠剤を、不織布など
からなる通気性の袋に入れ、これをプラスチックなどか
らなる通気性の容器に収容し、この容器を米びつや米袋
の中に収容するように構成したものである。
【0005】ニンニクに含まれる化学物質のアリシン成
分などは防虫、防菌、防カビ作用を奏し、また唐辛子に
含まれるカプサイシン成分やイソチオシアン酸アリル
(アリルカラシ油)などは殺菌、殺虫作用を奏し、しか
も抗酸化性を有する。したがって、このような米の品質
保存剤を米びつや米袋に収容しておけば錠剤から防虫、
防菌、防カビ、抗酸化の薬効成分が放出され、これが米
びつ内に拡散して米に虫が寄生したりカビが生えるのを
抑え、かつ酸化を防止するようになる。よって、お米を
長期に亘り良好な品質状態に保持することができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながらお米に寄
生する害虫、例えばコナナガシンクイ虫の幼虫や成虫、
コクゾウ虫の幼虫や成虫およびノシメマダラメイガの幼
虫は強い歯をもち、木材や土壁にでも容易に孔を開ける
という性質がある。また、特にノシメマダラメイガの幼
虫は、孵化場所や越冬場所を求めて暗くかつ狭い場所に
侵入し、そこで糸をはいて巣を作るという習性がある。
【0007】このため、希ではあるが、上記品質保存剤
の薬効が効く前に、これら害虫がプラスチック容器の通
気孔から狭い場所を求めて容器の内部に進入し、この害
虫が錠剤を包装してある不織布からなる通気性の包装袋
を食い破って、錠剤を食うということがある。錠剤を食
った害虫は容器内で死ぬが、この死骸は容器内に残り、
非衛生になるという問題がある。また、このような死骸
はさらにこれを食う虫を誘引し、この虫が容器の内部で
巣を造るといったこともある。
【0008】また、他の長期保存する乾燥食品、例えば
乾麺、乾物、かつお節などは保存中に害虫が侵入して食
品を食い荒らす。これら食品を紙質や樹脂系の通気性シ
ートに包んで保存しておいても、害虫がシートを食い破
って侵入することがある。
【0009】したがって本発明の目的は、害虫が容易に
食い破ることができず、害虫が食品や錠剤に進入しない
ようにした通気性防虫シートおよび通気性防虫包装袋を
提供しようとするものであり、またこのような通気性防
虫シートおよび包装袋の製造方法を提供しようとするも
のである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め本発明は、通気性防虫シートを、それぞれ引張強度が
800kg/cm2以上および線径が30μm以上の縦糸お
よび横糸からなる網目シートにて形成した。
【0011】本発明の防虫シートによれば、縦糸および
横糸の引張強度を800kg/cm2以上で線径を30μm
以上としたから、害虫がこれら縦糸および横糸を噛み破
るのを阻止することができ、したがって害虫がシートを
通過するのを防止し、バリヤー作用を奏する。縦糸およ
び横糸の引張強度が800kg/cm2未満であり、または
線径が30μm未満であると、害虫がこれら縦糸および
横糸を容易に噛み破り、防虫遮断作用を奏しない。な
お、縦糸および横糸の引張強度は1600kg/cm2以
上、線径は40μm以上であることが望ましい。
【0012】上記防虫シートの網目1つ当たりの開口面
積は0.5mm2以下であることが望まれる。
【0013】網目の開口面積は遮断しようとする害虫の
大きさに応じて決めればよいが、0.5mm2を越えると
小さな害虫でも網目を通じて通過する。
【0014】また、網目シートは、延伸ポリプロピレ
ン、ポリエステルまたは延伸ポリアミドにて形成するこ
とができる。
【0015】延伸ポリプロピレン、ポリエステルまたは
延伸ポリアミドはそれぞれ引張強度、引裂き強度、衝撃
強度および突刺ピンホール強度などの機械的強度が強い
樹脂であり、よって害虫遮断性に優れた防虫シートを容
易に得ることができる。
【0016】上記通気性防虫シートと、被覆物の粉落ち
を防止する上記防虫シートより網目の小さなシートとを
重ねて二重構造の通気性防虫シートを構成することもで
きる。
【0017】この場合、防虫シートは二重構造の外側で
あっても、内側であってもよい。このような防虫シート
であれば、強度の大きな防虫シートが害虫の侵入を防止
し、また網目の小さなシートが収容物の粉落ちを防止す
る。
【0018】上記通気性防虫シートと収容物の粉落ちを
防止する網目の小さなシートとを重ね、この重ねたシー
トの側辺を相互に溶着させて二重構造のシートを得るこ
とができる。
【0019】このような防虫シートによれば、2枚のシ
ートがそれぞれ側辺にて相互に溶着されているから、二
重のシートが一体化され、取り扱いが容易になる。
【0020】本発明の通気性防虫シートにより防虫用の
包装袋を作ることができる。
【0021】上記通気性防虫シートからなる防虫袋にて
食品または収容物を包装すれば、害虫の侵入を効果的に
防止することができる。
【0022】収容物としては、食品のほかに、防虫また
は抗菌成分を放出する植物または植物抽出エキスからな
る抗菌剤であってもよい。ここで防虫または抗菌成分を
放出する植物というのは、ニンニク、唐辛子、シソ、ワ
サビ、わらび、オニオン、ローズマリー、セイジ、シナ
モン、ちょうじ(クローブ)、はっか、こしょう、さん
しょう、マスタード、ジンジャー等の香辛料、または竹
エキス、ヒノキチオールなどの天然植物もしくはこれら
の抽出エキスを含むものであり、これらを適宜単体もし
くは組み合わせて混合したものであり、また粉末、粒
状、錠剤の形で成形したものなどが適用される。そし
て、これらの中には、先に説明した米の品質保存剤とし
て使用するものも含まれる。このような防虫または抗菌
成分を放出する植物または植物抽出エキスからなる抗菌
剤(錠剤)を本発明の防虫シートまたは包装袋で覆うよ
うにすれば、防虫シートにより害虫の侵入が阻止され
る。しかも、抗菌成分は網目の開口部分から放出され
る。また、上記した粉落ち防止用のシートを併用すれ
ば、薬剤から粉が発生しても、袋の外に粉落ちするのが
防止される。
【0023】一方、本発明の方法は、通気性防虫シート
と網目の小さなシートとを重ね、この重ねたシートを折
り曲げ、この折り曲げた側辺を除く他の側辺を相互に溶
着させて二重構造の袋を得ることを特徴とする。
【0024】このような方法によれば、二重シート構造
の包装袋を容易に作ることができる。
【0025】また、通気性防虫シートと小さな網目のシ
ートとを重ね、この重ねたシートを折り曲げ、この折り
曲げた二重シートに収容物を装填し、上記折り曲げた側
辺を除く他の側辺を相互に溶着させて二重構造の通気性
防虫袋に収容物を収容する方法も可能である。
【0026】この方法によれば、収容物の装填後に二重
シートの開放されて側辺を相互に溶着させて袋をシール
することができ、収容物の包装と同時に袋のシールが行
えるから包装作業が容易になる。
【0027】通気性防虫シートと小さな網目のシートと
の側辺を溶着させる場合、超音波エネルギーを照射して
溶着させることが有効である。
【0028】二重シートを超音波照射により溶着すれ
ば、溶着と同時に切断ができ、作業を自動化できるとと
もに迅速、簡単になる。
【0029】
【発明の実施の形態】以下本発明について実施の形態に
もとづき説明する。
【0030】(第1の実施の形態)図1ないし図5は、
本発明をお米の品質保存剤を収容する防虫シートに適用
した例を示すもので、これは米びつに入れて使用する。
【0031】図1はお米の品質保存剤を収容したプラス
チックケースの斜視図、図2は分解した斜視図、図3は
顆粒状品質保存剤の構造を示す図、図4は本発明に係る
包装袋の断面図、図5は網目を拡大した図である。
【0032】図において1は、プラスチックケースであ
り、例えばポリプロピレン樹脂または生物分解プラスチ
ックにて形成されている。
【0033】上記ケース1は、前面ケース1aと背面ケ
ース1bにより形成されており、これら前面ケース1a
と背面ケース1bを衝合して構成されている。これら前
面ケース1aと背面ケース1bは係止爪2…にて相互に
結合されている。これら前面ケース1aおよび背面ケー
ス1bにはそれぞれ通気孔3…が形成されている。
【0034】上記ケース1には顆粒状の品質保存剤5…
が、通気性の防虫包装袋6に包装された状態で収容され
ている。
【0035】顆粒状品質保存剤5…は、図3に示される
ように、直径2〜4mm、長さ3〜5mmの円柱状顆粒形に
形成されている。この顆粒状品質保存剤5は、セラミッ
ク固形物に、植物から得た抗菌物質、例えばニンニク成
分や唐辛子成分を混合して固形化したものであり、その
成分例の一つを示す。
【0036】 このような原料粉末を精製水で練って粘土状にし、これ
を顆粒状に成形し、この顆粒を乾燥して固化すれば、固
形状の品質保存剤5が作られる。
【0037】このような顆粒状品質保存剤5は、上記し
たように通気性防虫包装袋6に所定数づつ分封し、この
通気性防虫包装袋6がプラスチックケース1に収容され
ている。
【0038】上記通気性防虫包装袋6は二重シートに形
成されており、これについて図4および図5にもとづき
説明する。
【0039】すなわち、7は粉落ち防止用の内袋であ
り、収容する顆粒状品質保存剤5が搬送中に擦れ合った
ときに発生する粉が落ちない程度の細い網目をなしてお
り、例えばポリアミド樹脂(ナイロン)製の不織布にて
形成されている。
【0040】この内袋7の外側には網目の粗い通気性防
虫シートからなる外袋8が被せられている。外袋8は本
発明の通気性防虫シートにて形成されており、図5に示
すように、縦糸と横糸からなる網目に形成されている。
この通気性防虫シートからなる外袋8は、延伸ポリプロ
ピレン、ポリエステルまたは延伸ポリアミドにて形成さ
れており、本例の場合延伸ポリアミド(延伸ナイロン
6)にて形成されている。外袋8の縦糸および横糸は、
それぞれ引張強度が2000kg/cm2、線径d1およびd
2がそれぞれ50μmおよび60μmとなっており、網
目1つ当たりの開口面積Sが0.0332mm2となって
いる。
【0041】このような内袋7と外袋8は、それぞれの
シートを重ね、周辺部をヒータや超音波照射などで熱溶
着、または接着剤にて接合することにより袋状に形成し
てある。このような包装袋6の大きさは、縦および横寸
法がそれぞれ55mmとなっている。
【0042】次にこのような品質保存剤の使用方法およ
び作用を説明する。
【0043】プラスチックケース1を精米と一緒に米び
つの中に収容する。この場合、ケース1を図示しない吸
盤などを用いて米びつの壁に接着させておくとよい。
【0044】このようにすれば、ケース1に収容した品
質保存剤5のニンニク成分から化学物質のアリシンなど
が蒸発されるとともに、唐辛子成分からカプサイシンお
よびイソチオシアン酸アリル(アリルカラシ油)などが
蒸発される。また、シソ葉からチモール、リナロール、
シネオール、ボルネオールなどの化学物質が揮発される
とともに、竹エキスからキノン誘導体よりなる抗菌成分
が発せられ、さらにヒノキチオールは抗菌成分を発す
る。
【0045】これらの揮発成分は通気性防虫包装袋6を
通り、プラスチックケース1の通気孔3を通じて米びつ
内に拡散する。よって、米びつ内の空間はこれら揮発抗
菌成分の雰囲気になる。
【0046】このため、ニンニクのアリシン成分などが
防虫、防菌、防カビ作用を奏し、米に貯穀害虫や微生
物、カビが発生するのを抑止する。また、唐辛子に含ま
れるカプサイシン成分およびイソチオシアン酸アリルな
どは殺菌、殺虫作用を奏し、よって貯穀害虫、微生物お
よびカビの発生を防止する。また、強い抗酸化性を有す
ることから米に含まれるリパーゼやアミラーゼの作用を
抑え、遊離脂肪酸の分解を抑え、還元糖の増加を防止す
ることになり、アルデヒドの生成を防止して米の酸化を
防止する。
【0047】さらに、シソ葉から発せられるチモール、
リナロール、シネオール、ボルネオールなどの化学物質
が抗カビ、抗酸化作用を奏し、また、竹エキスからキノ
ン誘導体よりなる抗菌成分が発せられ、さらにヒノキチ
オールから抗菌成分が蒸発されるから米びつ内を抗菌気
体の環境に保つ。
【0048】したがって、米びつに収容された米に害虫
や微生物、カビなどが発生するのを抑止し、また、米の
酸化を防止することができ、よって米を長期に亘り良好
な品質状態に保持することができる。
【0049】また、米びつ内を上記各揮発成分の雰囲気
に保つから、米びつの外部から害虫が侵入しようとして
も、忌避作用を生じ、害虫を寄せ付けなくする。特に、
コクゾウ虫、ココクゾウ虫、ノシメマダラメイガ、コナ
ナガシンクイ虫、ケシキスイ虫などから米を守るのに有
効である。
【0050】そして本実施例では、品質保存剤5を内袋
7および外袋8からなる二重構造の通気性防虫包装袋6
に収容してあるから以下のような作用を奏する。
【0051】すなわち、顆粒状品質保存剤5は搬送中に
互いに擦れ合って粉を発生することがあるが、内袋7は
ポリアミド樹脂(ナイロン)製不織布にて粉が落ちない
程度の細い網目にしているから、粉が外にこぼれ出すの
を防止する。
【0052】また、この内袋7の外側は網目の粗い通気
性防虫シートからなる外袋8で覆われており、この外袋
8は、縦糸および横糸のそれぞれ引張強度が2000kg
/cm2、線径d1、d2が50μmおよび60μmの延伸
ポリアミド(延伸ナイロン)にて形成されているので害
虫が食い破るのを阻止する。
【0053】すなわち、米に寄生する害虫としてコナナ
ガシンクイ虫やコクゾウ虫およびノシメマダラメイガな
どは強い歯をもち、特にノシメマダラメイガやコナナガ
シンクイ虫は、孵化場所や越冬場所を求めて暗くかつ狭
い場所に侵入し、そこで糸を吐いて巣を作るという習性
がある。このため、これら害虫は、プラスチックケース
1の通気孔3を通じてケース1内に侵入し、さらに包装
袋6を食い破って品質保存剤5の近くに侵入しようとす
る。
【0054】しかしながら本実施例においては、内袋7
の外に外袋8を被せ、この外袋8は縦糸および横糸がそ
れぞれ引張強度2000Kg/cm2、線径d1、d2が50
μmおよび60μmの延伸ポリアミド(延伸ナイロン)
からなる通気性防虫シートにより形成されているので上
記害虫は外袋8を食い破ることができない。よって害虫
が品質保存剤5に近付くのが阻止される。しかも、外袋
8は網目1つ当たりの開口面積Sが0.0332mm2と
なっており、害虫の大きさより十分小さいからこの網目
より害虫が侵入するのが防止される。
【0055】この結果、通気性防虫包装袋6内で害虫が
死んだり、糸を張って巣を造るなどの不具合を防止する
ことができる。
【0056】外袋8を構成する通気性の防虫網目シート
について、害虫が食い破る強度テストをした結果を表1
に示す。ここで線径とは網目を形成する縦糸および横糸
の線径のことである。
【0057】
【表1】 上記表1から理解できるように、通気性防虫網目シート
の引張強度が800kg/cm2で、線径が30μm以上で
あれば、米に寄生する代表的な害虫であるコナナガシン
クイ虫、コクゾウ虫およびノシメマダラメイガなどが食
い破るのを防止し、これら害虫が侵入を阻止することが
できる。
【0058】なお、網目1つ当たりの開口面積は、害虫
が素通りできない大きさであればよく、害虫の大きさに
よって決められるが、食物に寄生する害虫は少なくとも
0.5mm2以下であれば通過が不能である。
【0059】また、表1の結果から、使用に適した材料
は引張強度の大きい材料が有効であり、これには延伸ポ
リプロピレン、ポリエステルまたは延伸ポリアミドなど
が好適する。
【0060】(第2の実施の形態)上記第1の実施の形
態では、品質保存剤5の包装袋6を二重構造にした例を
説明したが、収容物が粉落ちしない物や、通気性防虫網
目シートの開口面積Sが粉の通過を防止ししかも虫の侵
入を阻止する程度の細かいものであれば、図6に示す第
2の実施の形態のように、一重構造であっても実施可能
である。
【0061】上記各実施の形態では、米の品質を保存す
る場合について説明したが、上記の品質保存剤を用いれ
ば米に限らず、麦、トウモロコシ、豆類およびこれらの
粉を含む穀物であってもよく、また干し椎茸、カンピョ
ウ、乾燥そうめん、乾燥うどん、乾燥そばなどの乾燥麺
を含む乾物、その他食品全般に亙って品質を保存するの
に使用可能である。
【0062】また、品質保存剤5としては、ニンニク、
唐辛子、シソやワサビまたは竹エキスもしくはヒノキチ
オールなどを混合した例を説明したが、シソやワサビま
たは竹エキスもしくはヒノキチオールは使用しても、ま
たは使用しなくてもよく、もしくはこれらを複数種同時
に用いてもよい。さらに、これらとは別に、またはこれ
らに加えて、わらび、オニオン、ローズマリー、セイ
ジ、シナモン、ちょうじ(クローブ)、はっか、こしょ
う、さんしょう、マスタード、ジンジャー等の香辛料を
用いてもよい。
【0063】(第3の実施の形態)次に、上記のような
二重構造の通気性防虫包装袋を製造する方法について説
明する。
【0064】図7に示す7aは内袋7を構成するシー
ト、例えばポリアミド樹脂製不織布であり、図示しない
ロールから帯状に繰り出される。同じく図7において8
aは外袋8を構成する通気性防虫シート、例えば網目の
延伸ポリアミド(延伸ナイロン)であり、これもロール
から帯状に繰り出される。これら不織布シート7aおよ
び防虫シート8aは、それぞれロールから繰り出されて
相互に重ねられる。重ねた状態の二重シートは中央部で
折られて実質的に四重に重ねられる。
【0065】四重になったシートは、折り曲げられてい
る側辺を除く三辺が開放状態になっているので、この開
放されている側辺をシールする。シールの方法としては
接着でもよいが、超音波発振子10により超音波を照射
することで溶着する。超音波照射であれば、上記三方の
開放されている側辺がそれぞれシールされると同時に、
内袋7と外袋8のそれぞれ側辺が相互に溶着されるので
内袋7と外袋8が互いに溶着されて一体化し、しかもシ
ールラインAに沿って溶断される。
【0066】ただし、上記の場合、包装袋6の中に収容
物を入れるためには、開放されている三方のうちいずれ
か一方の側辺を除いて二辺をシールし、シールされてい
ない側辺から収容物を挿入した後、この開放側辺をシー
ルする。図示の例では、まず上下2辺を破線で示す溶着
ラインAに沿ってシールし、開放されている残りの一方
から収容物を挿入し、この後この側辺をシールしてい
る。
【0067】したがって、このような方法によれば、内
袋7および外袋8を別個に作って内袋7に外袋8を被せ
るなどの方法に比べて、予めシートを重ねて折り曲げ、
開放されている三方の側辺をそれぞれ超音波でシールお
よび切断するから、二重構造の包装袋6を容易に製造す
ることができる。
【0068】(第4の実施の形態)上記防虫包装袋6の
製造方法は、内容物を自動的に包装する場合に応用する
ことができる。その包装方法を以下に説明する。
【0069】図8Aないし図8Cに包装方法を示し、内
袋7を構成するシート7aは例えばポリアミド樹脂製不
織布であり、図示しないロールから帯状に繰り出され
る。同じく外袋8を構成する通気性防虫シート8aは例
えば網目の延伸ポリアミド(延伸ナイロン)であり、こ
れもロールから帯状に繰り出される。これら不織布シー
ト7aおよび防虫シート8aは、それぞれロールから繰
り出されて相互に重ねられる。重ねた状態の二重シート
は中央部で折られて実質的に四重に重ねられる。
【0070】重ねられた下端部の開放辺は超音波発振子
10により超音波シールされ、また折り曲げ辺と対向す
る辺も超音波発振子10により超音波シールされる。
【0071】この状態では、三方が塞がれ、上方のみが
開放されている。しかもこの上部開放部は折り曲げの始
まりとなっているから、じょうご形の開口部となってい
る。このじょうご形開口部から、供給シュート11を介
して収容物、例えば前記した品質保存剤5を所定量投下
する。これにより内容物の収容が行われる。
【0072】次に、図8Bに示すように、各シート7
a、8aを1袋分の長さだけ繰り出して収容物の入った
袋部分を下降させる。このとき、折り曲げ辺と対向する
縦の開放辺を超音波シールする。
【0073】シート7a、8aが所定量繰り出される
と、図8Cに示すように、袋の上部開放部を超音波シー
ルする。これにより内容物の入った二重袋がシールされ
る。この超音波シールと同時に袋の上端が溶断される。
したがって、袋は切り離される。また、同時に上部の袋
の底となる下辺がシールされる。
【0074】これにより上部の袋に、図8Aで示す通
り、収容物を供給する。
【0075】以下、上記のような工程を繰り返すことに
より、収容物を自動的に収容し、かつ袋を自動的にシー
ルすることができる。
【0076】(第5の実施の形態)なお、上記実施例で
は、通気性防虫シートによって包装袋を作る場合を説明
したが、必ずしも包装袋に限らない。例えば乾燥食品な
どにおいてはプラスチックや缶または瓶の容器に収容さ
れる場合があり、このような容器の開口部を通気性防虫
シートにより覆うことがある。このような通気性防虫シ
ートは一重または二重の防虫シートを使えばよい。二重
の防虫シートである場合は、図9に示すように、粉落ち
防止用のポリアミド樹脂製不織布などからなるシート7
aと、防虫用のシート、例えば網目の延伸ポリアミド
(延伸ナイロン)からなるシート8aを重ね、これらの
周縁部を接合して一体化すればよい。この場合の接着は
超音波接合を用いると簡便である。
【0077】このようにすれば、二重シートを一枚とし
て取り扱うことができ、被覆作業などが容易である。
【0078】
【発明の効果】以上説明した通り本発明によれば、害虫
が容易に食い破ることができないから害虫遮断性に優れ
た通気性防虫シートおよび防虫包装袋を提供することが
でき、収容物を害虫から守ることができる。
【0079】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示し、米の品質保
存剤を収容したプラスチックケースの斜視図
【図2】図1のプラスチックケースを分解した斜視図
【図3】同実施の形態の米の品質保存剤の斜視図
【図4】同実施の形態の通気性防虫包装袋を断面した図
【図5】同実施の形態の通気性防虫シートの網目を示す
【図6】本発明の第2の実施の形態を示し、通気性防虫
包装袋を断面した図
【図7】本発明の第3の実施の形態を示し、通気性防虫
包装袋の製造方法を説明する斜視図
【図8】本発明の第4の実施の形態を示し、図8Aない
し図8Cは通気性防虫包装袋の製造と同時に収容物を包
装する方法を順を追って説明する斜視図
【図9】本発明の第5の実施の形態を示し、二重シート
の接合状態を説明する斜視図
【符号の説明】
1…プラスチックケース 3…通気孔 5…品質保存剤 6…通気性防虫包装袋 7…内袋(粉落ち防止用シート) 8…外袋(通気性防虫シート)

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 それぞれ引張強度が800kg/cm2以上
    および線径が30μm以上の縦糸および横糸からなる網
    目シートにより形成されていることを特徴とする通気性
    防虫シート。
  2. 【請求項2】 網目1つ当たりの開口面積が0.5mm2
    以下であることを特徴とする請求項1に記載の通気性防
    虫シート。
  3. 【請求項3】 網目シートが延伸ポリプロピレン、ポリ
    エステルまたは延伸ポリアミドから形成されていること
    特徴とする請求項1または請求項2に記載の通気性防虫
    シート。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし請求項3のいずれか一に
    記載の通気性防虫シートと、被覆物の粉落ちを防止する
    上記防虫シートより網目の小さなシートとを重ねて二重
    構造としたことを特徴とする通気性防虫シート。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし請求項3のいずれか一に
    記載の通気性防虫シートと、被覆物の粉落ちを防止する
    上記防虫シートよりも網目の小さなシートとを重ね、こ
    の重ねたシートの側辺を相互に溶着させて二重構造とし
    たことを特徴とする通気性防虫シート。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし請求項5のいずれか一に
    記載の通気性防虫シートにより形成されていることを特
    徴とする通気性防虫包装袋。
  7. 【請求項7】 収容物が防虫または抗菌成分を放出する
    植物または植物抽出エキスからなる抗菌剤であることを
    特徴とする請求項6に記載の通気性防虫包装袋。
  8. 【請求項8】 請求項1ないし請求項3のいずれか一に
    記載の通気性防虫シートと、収容物の粉落ちを防止する
    上記防虫シートより網目の小さなシートとを重ね、この
    重ねたシートを折り曲げ、この折り曲げた側辺を除く他
    の側辺を相互に溶着させて二重構造の袋を得ることを特
    徴とする通気性防虫包装袋の製造方法。
  9. 【請求項9】 請求項1ないし請求項3のいずれか一に
    記載の通気性防虫シートと、収容物の粉落ちを防止する
    上記防虫シートより網目の小さなシートとを重ね、この
    重ねたシートを折り曲げ、この折り曲げた二重シートに
    収容物を装填し、上記折り曲げた側辺を除く他の側辺を
    相互に溶着させて二重構造の通気性防虫袋を得ることを
    特徴とする収容物の包装方法。
  10. 【請求項10】 通気性防虫シートと網目の小さなシー
    トとの側辺を溶着する場合、超音波エネルギーを照射し
    て相互に溶着させることを特徴とする請求項8または請
    求項9のいずれか一に記載の方法。
JP9068977A 1997-03-07 1997-03-07 通気性防虫シートおよび通気性防虫包装袋ならびに製造方法 Pending JPH10251112A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008019191A (ja) * 2006-07-12 2008-01-31 Hideki Yamamoto 唐辛子からカプシノイド化合物を抽出分離する方法及び唐辛子抽出物
JP2012041313A (ja) * 2010-08-20 2012-03-01 Osamu Hiragoori 忌避剤

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