JPH10251025A - メタバナジン酸アンモニウムの製造方法 - Google Patents

メタバナジン酸アンモニウムの製造方法

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JPH10251025A
JPH10251025A JP7900397A JP7900397A JPH10251025A JP H10251025 A JPH10251025 A JP H10251025A JP 7900397 A JP7900397 A JP 7900397A JP 7900397 A JP7900397 A JP 7900397A JP H10251025 A JPH10251025 A JP H10251025A
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reaction
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俊明 赤星
Akira Sakuma
章 佐久間
Masutaka Fujishiro
益孝 藤代
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Abstract

(57)【要約】 【課題】バナジウム及び硫酸アンモニウムを含有する水
溶液中に酸化性ガスを供給してアンモニア存在下に酸化
反応を行って得られたメタバナジン酸アンモニウム含有
水溶液を晶析槽に供給してメタバナジン酸アンモニウム
の晶析を行う際、設備効率、エネルギー・薬剤コストお
よび晶析効率が高いメタバナジン酸アンモニウムの製造
方法を提供する。 【解決手段】反応工程において、加圧下100℃超の高
温条件下において反応を行なってメタバナジン酸アンモ
ニウム濃度が当該温度の飽和濃度以下かつ1.2重量%
以上であり、硫酸アンモニウム濃度が5〜30%である
水溶液を得、そして、反応工程にて得られた水溶液を加
圧・保温条件下に供給管により移送し、晶析槽に供給す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、メタバナジン酸アンモ
ニウムの製造方法に関するものであり、詳しくは、設備
効率、エネルギー効率および生産効率が高いメタバナジ
ン酸アンモニウムの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、石油系燃料を使用するボイラー等
の排ガス煙道中に設けられた集塵器などにより捕集され
た燃焼灰は、バナジウム等の金属を含有している。前記
の燃焼灰の組成は、例えば、カーボンが10〜80重量
%、Niが0.3〜2重量%、NH4 が0.5〜20、
Feが0.3〜2、SO4 が20〜60重量%、Mgが
0.1〜8重量%、Vが1〜5重量%、SiO2 が0.
1〜1重量%である。
【0003】上記の金属は、環境保護または資源の有効
利用の観点から、種々の処理により回収されている。上
記の金属の内、バナジウムを回収する方法としては、例
えば、燃焼灰と水とを混合し、バナジウム成分を水溶液
に溶解した後、反応工程においてこの水溶液中に酸化剤
を供給し、アンモニア存在下にバナジウムを酸化してメ
タバナジン酸アンモニウムに変換し、残る固形分を瀘別
して水溶液とした後、水溶液を冷却してメタバナジン酸
アンモニウムを晶析させて回収する方法が知られてい
る。
【0004】この際、反応工程において変換されて生成
するメタバナジン酸アンモニウムが多い場合は、メタバ
ナジン酸アンモニウムが晶析する。斯かる状況を回避
し、生成するメタバナジン酸アンモニウムを全て溶解す
るため、燃焼灰などに含有されるバナジウムを水溶液と
する段階で多量の水を使用している。その結果、処理工
程は、多量の水溶液を処理することになるため、大きい
設備が必要となり、多量の水溶液について加熱したり、
pH調整したり、冷却することが必要となるため、多量
の薬剤、多量のエネルギーを必要とするばかりでなく、
メタバナジン酸アンモニウムの晶析効率が低くなってい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記実情に
鑑みなされたものであり、その目的は、バナジウム及び
硫酸アンモニウムを含有する水溶液中に酸化性ガスを供
給してアンモニア存在下に酸化反応を行って得られたメ
タバナジン酸アンモニウム含有水溶液を晶析槽に供給し
てメタバナジン酸アンモニウムの晶析を行う際、設備効
率、エネルギー・薬剤コストおよび晶析効率が高いメタ
バナジン酸アンモニウムの製造方法を提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
達成のため、種々検討を進めた結果、液温の上昇と共
に、メタバナジン酸アンモニウムの溶解度が予想外に上
昇することに想到し、本発明に達した。
【0007】すなわち、本発明の第1の要旨は、バナジ
ウム及び硫酸アンモニウムを含有する水溶液中に酸化性
ガスを供給してアンモニア存在下に酸化反応を行う反応
工程と、反応工程で得られた水溶液を晶析槽に供給して
メタバナジン酸アンモニウムの晶析を行う晶析工程とを
包含し、上記の反応工程においては、加圧下100℃超
の高温条件下において反応を行なってメタバナジン酸ア
ンモニウム濃度が当該水溶液温度の飽和濃度以下かつ
1.2重量%以上であり、硫酸アンモニウム濃度が5〜
30%である水溶液を得、そして、反応工程にて得られ
た水溶液を加圧・保温条件下に供給管により移送し、晶
析槽に供給することを特徴とするメタバナジン酸アンモ
ニウムの製造方法に存する。
【0008】そして、本発明の第2の要旨は、石油系燃
料を使用するボイラー等の排ガス煙道中に設けられた集
塵器などにより捕集され且つ少なくとも硫酸アンモニウ
ムとバナジウムとを含有する石油系燃焼灰を水に溶解す
る燃焼灰スラリーの調製工程と、燃焼灰スラリーから固
形分を除去する固液分離工程と、燃焼灰スラリーから固
形分を除去した水溶液に酸化性ガスを供給してアンモニ
ア存在下に酸化反応を行う反応工程と、反応工程にて得
られた水溶液を晶析槽に供給してメタバナジン酸アンモ
ニウムの晶析を行う晶析工程とを包含し、上記の反応工
程においては、加圧下100℃超の高温条件下において
反応を行なってメタバナジン酸アンモニウム濃度が当該
水溶液温度の飽和濃度以下かつ1.2重量%以上であ
り、硫酸アンモニウム濃度が5〜30重量%である水溶
液を得、そして、反応工程にて得られた水溶液を加圧・
保温条件下に供給管により移送し、晶析槽に供給するこ
とを特徴とするメタバナジン酸アンモニウムの製造方法
に存する。
【0009】そして、本発明の第3の要旨は、石油系燃
料を使用するボイラー等の排ガス煙道中に設けられた集
塵器などにより捕集され且つ少なくとも硫酸アンモニウ
ムとバナジウムとを含有する石油系燃焼灰を水に溶解す
る燃焼灰スラリーの調製工程と、燃焼灰スラリーに酸化
性ガスを供給してアンモニア存在下に酸化反応を行う反
応工程と、メタバナジン酸アンモニウムを水溶液として
含有する燃焼灰スラリーから固形分を除去する固液分離
工程と、得られた水溶液を晶析槽に供給してメタバナジ
ン酸アンモニウムの晶析を行う晶析工程とを包含し、上
記の反応工程においては、加圧下100℃の高温条件下
において反応を行なった後、固液分離を行なって、メタ
バナジン酸アンモニウム濃度が当該水溶液温度の飽和濃
度以下かつ1.2重量%以上で、硫酸アンモニウム濃度
が5〜30重量%である水溶液を得、そして、固液分離
工程にて得られた水溶液を加圧・保温条件下に供給管に
より移送し、晶析槽に供給することを特徴とするメタバ
ナジン酸アンモニウムの製造方法に存する。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
第1の要旨に係る本発明(第1の発明)においては、反
応工程と晶析工程とを包含する。
【0011】反応工程においては、バナジウム及び硫酸
アンモニウムを含有する水溶液(バナジウム含有水溶
液)中に酸化性ガスを供給してアンモニア存在下に酸化
反応が行なわれる。
【0012】バナジウム含有水溶液の調製は、例えば、
以下の様に行うことが出来る。反応工程に供されるバナ
ジウム含有水溶液は、後述の反応工程において得られる
メタバナジン酸アンモニウム含有水溶液中のメタバナジ
ン酸アンモニウム濃度が後述の反応温度における飽和濃
度以下かつ1.2重量%以上、好ましくは1.5重量%
以上(メタバナジン酸アンモニウム基準濃度)となる様
に、また、バナジウム含有水溶液中の硫酸アンモニウム
濃度は、5〜30重量%、好ましくは10〜15重量%
の範囲(硫酸アンモニウム基準濃度)となる様に調製さ
れる。
【0013】従って、溶解槽において、先ず、メタバナ
ジン酸アンモニウム濃度が上記の範囲となる様に所定量
の水とバナジウムを混合し、次いで、これに硫酸などの
酸を加えてpHを3以下、好ましくは1〜3程度として
可溶成分を溶解する。
【0014】得られたバナジウム含有水溶液にメタバナ
ジン酸アンモニウム濃度が上記の範囲となる様に硫酸ア
ンモニウムを加え、更にアルカリ性物質を加えてpHを
通常7以上、好ましくは7〜9、より好ましくは8〜9
に調整する。アルカリ性物質としては、通常、アンモニ
ア又はアンモニウム化合物が使用される。斯かるpH調
整は、次工程の反応槽内で行ってもよいが、反応槽に供
給される迄に行なわれるのが好ましい。
【0015】pHの調整に使用するアルカリ性物質とし
ては、バナジウム含有水溶液中のバナジウムが酸化反応
によりメタバナジン酸アンモニウムに変換される際に消
費されるアンモニア量より十分多いアンモニア成分がバ
ナジウム含有水溶液中に含有されている場合は、pH調
整のみを目的として苛性ソーダ等の苛性アルカリ等を使
用することが出来る。しかしながら、反応系に新たな化
学種を持ち込むことを避けるため、アンモニア又はアン
モニア化合物のみで調整するのが好ましい。
【0016】反応工程に使用する反応槽は、槽内を加圧
条件下に維持することが出来る密閉型であり、反応槽に
は、通常、原料水溶液を供給する供給口、排液口、加熱
・保温装置、撹拌装置、ガス供給管、内圧調節装置、お
よび、還流冷却装置が具備される。
【0017】ガス供給管の先端開口部は、反応溶液中に
突出する様に配置される。先端開口部の構造としては、
例えば、逆円錐形状を備え且つ上方に向けられた逆円錐
の底部に多数の通気孔を有する構造、ドーナツ形状を備
え且つ上方に位置する円環部に多数の通気孔を有する構
造、および、上方に向けた末広がり構造などが挙げられ
る。
【0018】反応槽内は、反応して得られるメタバナジ
ン酸アンモニウムの溶解度を維持するため、100℃を
超え、好ましくは120℃以上とされ、また、その上限
は、特に制限されないが、実用的には150℃以下、好
ましくは135℃以下である。斯かる高い温度に水溶液
を加熱することを可能にするため、1気圧超の適切な加
圧条件下に維持される。従って、上記のバナジウム含有
水溶液の反応槽への供給は、加圧ポンプなどを使用して
加圧条件下に行なわれる。供給されたバナジウム含有水
溶液は、反応温度に調整された後、第1発明の場合と同
様にして酸化反応に供される。
【0019】酸化に使用される酸化性ガスとしては、例
えば、空気、酸素、オゾンが挙げられるが、これらの中
で、実用性の観点から、空気が好ましい。供給される酸
化性ガスの量は、計算上はバナジウム成分1モル当たり
酸素分子として3/2モルであるが、水溶液中には、通
常、バナジウム以外の金属成分が溶存しているため、当
該他の金属成分により酸素が消費される量を考慮して、
計算量より過剰量とするのが好ましい。その際、必要に
より、反応により消費されるアンモニアを補い、反応液
のpHを維持するため、アンモニアが併せて供給され
る。
【0020】酸化反応の際、生成したメタバナジン酸ア
ンモニウムがガス供給管の開口部表面にスケーリングし
易いため、酸化性ガスの供給と併せて加熱水蒸気を供給
するのが好ましい。加熱水蒸気の供給により、ガス供給
管の開口部のメタバナジン酸アンモニウムの濃度を希釈
し、且つ、開口部表面の温度低下を抑制することが出
来、ガス供給管の開口部表面へのメタバナジン酸アンモ
ニウムのスケーリングを防止することが出来る。また、
ガス供給管の開口部の上部近傍に配置された攪拌翼への
スケーリングも防止できる。
【0021】反応槽においては、供給された酸化性ガス
により溶存する4価のバナジウムが5価に酸化され、溶
存しているアンモニウムと反応してメタバナジン酸アン
モニウムが生成し、メタバナジン酸アンモニウム含有水
溶液が生成される。このメタバナジン酸アンモニウム含
有水溶液は、次工程の晶析工程の晶析槽に供給され、晶
析される。上記の溶存しているアンモニウムは、硫酸ア
ンモニウム及びpH調整に使用されたアンモニアに由来
する。
【0022】晶析槽には、通常、供給管の先端の供給
口、抜き出し口、撹拌装置、冷却装置、晶析槽から冷却
器に至る送液路、および、冷却器から晶析槽へ至る冷却
スラリー帰還路が具備され、全体として晶析系を形成す
る。送液路には、晶析槽から晶析スラリーを冷却器へ送
り出す送液装置が具備され、帰還路には、通常、分岐路
が具備され、分岐路は冷却スラリーの抜き出しに使用さ
れる。
【0023】晶析槽内の圧力条件は、反応槽の内圧と等
しくする場合など大気圧に比べて加圧条件または減圧条
件の何れの条件にすることも出来るが、通常、大気圧条
件とされる。以下、晶析槽内を大気圧条件とする場合を
例に挙げて説明する。
【0024】反応槽において得られたメタバナジン酸ア
ンモニウム含有水溶液は、加圧・保温条件下に供給管に
より移送し、供給管の先端供給口から晶析槽に供給され
る。供給管中の加圧・保温条件は、メタバナジン酸アン
モニウムが析出しない範囲で適宜設定できるが、通常、
反応槽中の条件と同一とされる。
【0025】先端供給口は、可能な限り晶析槽の壁面か
ら離れ且つ晶析スラリーに接触しない位置に配置される
のが好ましく、通常、晶析槽内の空間部において晶析ス
ラリー面に対向して配置される。この際、先端供給口が
壁面近くに配置される場合は、メタバナジン酸アンモニ
ウム含有水溶液が低温の壁面と接触して晶析が起るた
め、結晶が壁面に積層される。
【0026】また、先端供給口が晶析スラリーと接触す
る位置に配置される場合は、メタバナジン酸アンモニウ
ム含有水溶液が供給管の先端部において低温の晶析スラ
リーと接触して晶析が起るため、生成する結晶が先端供
給口の先端にスケーリングして先端開口部を閉塞する虞
が有る。
【0027】供給管内が加圧されているため、先端供給
口には、供給管内圧と晶析槽内圧との圧力遮断構造が具
備されているのが好ましい。斯かる圧力遮断構造として
は、両圧力の差に応じて開口度を調節することが出来る
開口度調節装置が挙げられる。斯かる装置を調節するこ
とにより、供給管内圧を維持しつつ適量のメタバナジン
酸アンモニウム含有水溶液を晶析槽内に供給することが
出来る。
【0028】加圧された供給管から大気圧条件の晶析槽
内にメタバナジン酸アンモニウム含有水溶液を供給する
際、メタバナジン酸アンモニウム含有水溶液は、先端供
給口で放圧され、その結果、温度が急降下し、圧力差が
大きい場合は、温度低下が大きくなる。そのため、先端
供給口付近のメタバナジン酸アンモニウム含有水溶液に
おいて晶析が生起し、先端供給口が閉塞され易くなる。
従って、先端供給口に加熱装置を設け、供給されるメタ
バナジン酸アンモニウム含有水溶液温度またはそれ以上
の温度に先端供給口の温度を維持するのが好ましい。
【0029】晶析槽に供給されたメタバナジン酸アンモ
ニウム含有水溶液は、晶析スラリーに混入することによ
り晶析温度に冷却され、含有されるメタバナジン酸アン
モニウムが晶析される。晶析温度は、通常40℃以下、
より好ましくは20〜30℃の温度とされる。
【0030】晶析槽内の晶析スラリーは、その温度を晶
析温度に維持するため、その一部が送液路および帰還路
を経て冷却装置に循環して冷却される。この結果、晶析
スラリーの温度は、高温のメタバナジン酸アンモニウム
含有水溶液の供給量およびその温度と、循環冷却される
晶析スラリーの循環量およびその温度低下とのバランス
により一定の平衡温度すなわち晶析温度に維持される。
冷却装置として使用される冷却器としては、公知のもの
が使用され、例えば、冷却コイル方式冷却器、向流冷却
塔、直交流冷却塔などの冷却器が挙げられる。
【0031】メタバナジン酸アンモニウム含有水溶液の
供給と並行して、その供給量と略等量の晶析スラリーが
晶析系から抜き出される。スラリーの抜き出し口として
は、特に制限されないが、通常、晶析槽の抜き出し口ま
たは冷却された晶析スラリーの帰還路の分岐路とされ
る。この結果、晶析槽内の晶析スラリーの液量は一定量
に維持される。
【0032】抜き出されたスラリーは、通常、さらに、
固液分離装置に供給され、含有される結晶が分離され
る。分離方法としては、種々の公知方法を利用すること
が出来るが、例えば、先ず沈降濃縮し、その後、濾過す
る方法が好適である。分離したメタバナジン酸アンモニ
ウムの結晶は、冷水で洗浄することにより高純度のメタ
バナジン酸アンモニウムとなる。
【0033】前記の第2の要旨に係る本発明(第2の発
明)においては、燃焼灰スラリーの調製工程と、固液分
離工程と、反応工程と、晶析工程とを包含する。
【0034】上記の燃焼灰スラリーの調製工程において
は、石油系燃焼灰と水とを混合し、石油系燃焼灰中の硫
酸アンモニウム及びバナジウム等の可溶性成分を水に溶
解して燃焼灰スラリーを調製する。
【0035】石油系燃焼灰は、石油系燃料を使用する各
種の燃焼炉(燃焼装置)等の排ガス通路の末端に設けら
れた集塵器により捕集される燃焼灰である。斯かる石油
系燃焼灰は、未燃カーボンを主成分とする不溶性固形分
の他に、さらに、少なくとも硫酸アンモニウムとバナジ
ウム等の可溶成分を含有する。なお、硫酸アンモニウム
は、石油系燃焼灰の捕集場所である排ガス通路におい
て、排ガス中に含まれる硫酸ガスの中和剤として、通
常、アンモニアが添加されるため中和反応して生成さ
れ、含有される。
【0036】燃焼灰スラリーを調製する際、水と石油系
燃焼灰との配合比は、燃焼灰スラリーが固液分離されて
得られるバナジウム含有水溶液中のバナジウムが反応工
程においてメタバナジン酸アンモニウムに変換されて生
成されるメタバナジン酸アンモニウム含有水溶液中のメ
タバナジン酸アンモニウム濃度が前述の反応温度におけ
る飽和濃度以下かつ1.2重量%以上の範囲(メタバナ
ジン酸アンモニウム基準濃度)となる様に決定される。
【0037】石油系燃焼灰中の可溶性成分を溶解して燃
焼灰スラリーを調製する方法としては、特に限定されな
いが、例えば、石油系燃焼灰と水とを上記の配合比に混
合し、これに硫酸などの酸を加えてpHを1〜3程度に
調整して溶解される。その結果、未燃カーボンを固形分
の主成分とし、かつ、バナジウムを含有する燃焼灰スラ
リーが得られる。
【0038】前記の固液分離工程においては、上記のバ
ナジウムを含有する燃焼灰スラリーが固液分離装置に供
給されてその中の固形分が分離され、バナジウム含有水
溶液が得られる。固液分離装置としては、特に制限され
ないが、加圧下100℃超の高温で行う場合は、通常、
フィルタープレス等の加圧・保温条件下で使用できる公
知の装置が採用される。
【0039】固液分離装置において得られたバナジウム
含有水溶液は、第1発明の場合と同様の方法で、pHを
通常7以上、好ましくは7〜9、より好ましくは8〜9
に調整し、且つ、その中に含有される硫酸アンモニウム
濃度を5〜30重量%、好ましくは10〜15重量%の
範囲(硫酸アンモニウム基準濃度)に調整する。なお、
斯かるpH調整は、反応槽に供給した後に行ってもよ
い。
【0040】斯かるpH調整の方法は、第1の発明の場
合と同様にして行うことが出来る。また、硫酸アンモニ
ウム濃度が硫酸アンモニウム基準濃度未満の場合は、硫
酸アンモニウムを追加し、逆に、硫酸アンモニウム基準
濃度を超える場合は、水を加えて希釈する。
【0041】反応工程に使用する反応槽は、第1発明の
場合と同様に、100℃超の高温かつ1気圧超の加圧条
件下に維持される。そして、上記のバナジウム含有燃焼
灰スラリーの反応槽への供給は、加圧ポンプなどを使用
して加圧条件下に行なわれる。供給されたバナジウム含
有水溶液は、反応温度に調整された後、第1発明の場合
と同様にして酸化されてメタバナジン酸アンモニウム含
有水溶液となる。
【0042】上記のメタバナジン酸アンモニウム含有水
溶液は、第1発明の場合と同様にして晶析工程の晶析槽
に供給されて晶析され、通常、さらに、第1発明の場合
と同様にして、分離装置によりメタバナジン酸アンモニ
ウムが分離される。
【0043】第3の要旨に斯かる本発明(第3発明)
は、燃焼灰スラリーの調製工程と、反応工程と、固液分
離工程と、晶析工程とを包含する。第3発明の工程は、
第2発明の工程における固液分離工程と反応工程の順が
逆であり、反応工程と固液分離工程の順になっている。
【0044】上記の燃焼灰スラリーの調製工程において
は、前記の第2発明における燃焼灰スラリーの調製工程
と全く同じ様にして、バナジウム及び未燃カーボンが主
成分である固形分を含有する燃焼灰スラリーを得ること
が出来る。
【0045】得られた燃焼灰スラリーは、通常、反応工
程に供給される前に、アルカリ性物質を加えてpHが通
常7以上、好ましくは7〜9、より好ましくは8〜9に
なる様に調整される。そして、さらに、含有される硫酸
アンモニウム濃度が第2の発明と同様にして5〜30重
量%、好ましくは10〜15重量%の範囲(硫酸アンモ
ニウム基準濃度)になる様に調整される。これらの調整
の操作は、第1の発明の場合と同様にして行うことが出
来、また、反応工程に供給された後、反応槽の中で行う
ことも出来る。
【0046】反応工程に使用される反応槽は、反応して
得られるメタバナジン酸アンモニウムの溶解度を維持す
るため、100℃超に加熱される。そして、斯かる高い
温度に水溶液を加熱することを可能にするため、1気圧
超の加圧条件下に維持される。従って、上記のバナジウ
ム含有燃焼灰スラリーの反応槽への供給は、加圧ポンプ
などを使用して加圧条件下に行なわれる。供給されたバ
ナジウム含有燃焼灰スラリーは、反応温度に調整された
後、第1発明の場合と同様にして酸化反応に供される。
【0047】上記の酸化反応は、第1発明の場合と同様
にして、燃焼灰スラリー中に酸化性ガスを供給してアン
モニアの存在下に行うことが出来、酸化反応により、燃
焼灰スラリー中に含有されるバナジウムは、溶存してい
るアンモニウムと反応してバナジン酸アンモニウムに変
換される。その結果、燃焼灰スラリーは、メタバナジン
酸アンモニウム含有燃焼灰スラリーとなり、固液分離工
程に供給される。
【0048】固液分離工程において、メタバナジン酸ア
ンモニウム含有燃焼灰スラリー中の固形分が分離され
る。固液分離に使用される固液分離装置としては、加圧
下100℃超の高温で行うため、通常、フィルタープレ
ス等の加圧・保温条件下で使用できる公知の装置が採用
される。固液分離の結果、メタバナジン酸アンモニウム
含有水溶液が得られる。
【0049】上記のメタバナジン酸アンモニウム含有水
溶液は、第1発明の場合と同様にして晶析工程の晶析槽
に供給されて晶析され、通常、さらに、第1発明の場合
と同様にして、分離装置によりメタバナジン酸アンモニ
ウムが分離される。
【0050】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に詳細に説明
するが、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の実
施例に限定されるものではない。なお、以下の諸例にお
いては、反応装置として、収容されるバナジウム含有水
溶液またはスラリー中にガス供給管が突出して配置さ
れ、加熱・保温装置、内圧調節装置、冷却コンデンサー
装置、供給口、排液口を備え、ガス供給管の開口部の上
部近傍に撹拌翼が配置された容量20m3 の密閉型の酸
化槽を使用した。そして、上記のガス供給管の先端開口
部は、外径80mmのドーナツ形状を備え且つ上方に位
置する円環部に内径が4mmの多数の通気穿孔を有する
の構造を備えている。
【0051】実施例1 石油系燃料を使用するボイラーの排ガス煙道中に設けら
れた集塵器により捕集された燃焼灰10Tonと水34
3 とを大気圧下に置かれた溶解槽にて混合し、硫酸を
添加してpHを1.5に調整し、バナジウムを溶解して
バナジウム含有燃焼灰スラリーを調製した。
【0052】上記の燃焼灰スラリーを常温下でフィルタ
ープレスに供給して未燃カーボン等の固形分を分離し、
得られた水溶液にアンモニア水を投入してpHを9に調
節し、バナジウム含有水溶液を得た。
【0053】得られたバナジウム含有水溶液を反応槽の
供給口から加圧ポンプにより加圧下に20m3 /hrの
割合で供給し、前記ガス供給管の開口部からバナジウム
含有水溶液中に50℃の空気200Nm3 /hrおよび
3気圧の加熱水蒸気0.1〜0.2Ton/hrを導入
しつつ、酸化反応を続け、溶液中のバナジウムをメタバ
ナジン酸アンモニウムに変換した。調製したバナジウム
含有スラリーを全て処理するために約2時間を要した。
【0054】その間、酸化槽内は、加熱・保温装置によ
り液温を125℃に維持し、内圧調節装置により内圧を
2.0Kg/cm2 Gに維持した。また、排出口から供
給量と略同量の割合でメタバナジン酸アンモニウム含有
水溶液を排出して晶析槽に供給しつつ、液面を略同水位
に維持した。また、内圧調節装置の弁から排出される気
体中の水蒸気およびアンモニアガスは、冷却コンデンサ
ーにより冷却し、酸化槽内に還流した。反応槽中のメタ
バナジン酸アンモニウム含有水溶液に含まれているメタ
バナジン酸アンモニウム濃度を実測したところ、約1.
5重量%、また、硫酸アンモニウム濃度は、約15重量
%であった。
【0055】加圧下に125℃に保温された反応槽から
排出されたメタバナジン酸アンモニウム含有水溶液は、
供給管の先端に設けられ且つ圧力調節装置が具備された
先端供給口を経て、大気圧下に置かれた30℃に維持さ
れた晶析槽内に噴射状に供給されて晶析温度に冷却さ
れ、その中に含有されていたメタバナジン酸アンモニウ
ムは晶析された。晶析温度は、晶析スラリーの一部を向
流冷却塔に循環して冷却し、30℃に維持した。
【0056】晶析槽において、メタバナジン酸アンモニ
ウム含有水溶液の供給と並行して、その量と略等量の晶
析スラリーを冷却器からの帰還路の分岐路から抜き出
し、晶析槽内の晶析スラリー量を略一定に維持した。晶
析槽から抜き出された晶析スラリー中のメタバナジン酸
アンモニウムの結晶を沈降濃縮した後、遠心分離装置を
使用して濾別し、冷水で洗浄することにより、高純度の
メタバナジン酸アンモニウムを得た。
【0057】実施例2 実施例1の場合と同様にして燃焼灰スラリーを調製し
た。上記の燃焼灰スラリーに水を投入してpHを9に調
節し、バナジウム含有水溶液を得た。
【0058】得られたバナジウム含有燃焼灰スラリーを
反応槽の供給口から加圧ポンプにより加圧下に20m3
/hrの割合で供給し、前記ガス供給管の開口部からバ
ナジウム含有水溶液中に50℃の空気200Nm3 /h
rおよび3気圧の加熱水蒸気0.1〜0.2Ton/h
rを導入しつつ、酸化反応を続け、スラリー中のバナジ
ウムをメタバナジン酸アンモニウムに変換した。
【0059】その間、反応槽は、実施例1と同様にして
加熱・保温装置により液温を125℃に維持し、内圧調
節装置により内圧を2.0Kg/cm2 Gに維持した。
また、加圧下に維持された反応槽の排出口から供給量と
略同量の割合でメタバナジン酸アンモニウム含有燃焼灰
スラリーを排出して固液分離工程へ供給した。調製した
バナジウム含有スラリーを全て処理するために約2時間
を要した。
【0060】固液分離工程においては、上記の未燃カー
ボン等の固形分およびメタバナジン酸アンモニウムを含
有する燃焼灰スラリーを加圧・保温条件下でフィルター
プレスを使用して未燃カーボン等の固形分を分離し、メ
タバナジン酸アンモニウム含有水溶液を得た。得られた
メタバナジン酸アンモニウム含有水溶液に含まれている
メタバナジン酸アンモニウム濃度を実測したところ約
1.5重量%であり、また、硫酸アンモニウム濃度は約
15重量%であり、実施例1の場合と略同じであった。
【0061】加圧下に125℃に維持された上記のメタ
バナジン酸アンモニウム含有水溶液は、実施例1と同様
にして、大気圧下に置かれた30℃に維持された晶析槽
内に噴射状に供給されて晶析スラリー温度に冷却され、
並行して、供給量と略等量の晶析スラリーを冷却器から
の帰還路の分岐路から抜き出し、晶析槽内の晶析スラリ
ー量を略一定に維持した。実施例1の場合と同様にし
て、晶析槽から抜き出された晶析スラリー中のメタバナ
ジン酸アンモニウムの結晶を沈降濃縮した後、遠心分離
装置を使用して濾別し、冷水で洗浄することにより、高
純度のメタバナジン酸アンモニウムを得た。
【0062】比較例1 実施例1で使用されたのと同じバッチの燃焼灰10To
nと水130m3 とを大気圧下に置かれた溶解槽にて混
合し、実施例1と同様にして硫酸を添加してpHを1.
5に調整し、バナジウムを溶解してバナジウム含有燃焼
灰スラリーを調製した。
【0063】上記の燃焼灰スラリーに硫酸アンモニウム
を約17トン投入した後、アンモニア水を投入してpH
を9に調節し、バナジウム含有燃焼灰スラリーを得た。
【0064】得られたバナジウム含有燃焼灰スラリーを
反応槽の供給口から常圧下に20m3/hrの割合で供
給し、前記ガス供給管の開口部からバナジウム含有燃焼
灰スラリー中に50℃の空気200Nm3 /hrおよび
3気圧の加熱水蒸気0.1〜0.2Ton/hrを導入
しつつ、酸化反応を続け、スラリー中のバナジウムをメ
タバナジン酸アンモニウムに変換した。
【0065】その間、加熱・保温装置により液温を97
℃に維持した。また、排出口から供給量と略同量の割合
でメタバナジン酸アンモニウム含有燃焼灰スラリーを排
出して固液分離装置に供給しつつ、液面を略同水位に維
持した。また、槽内は大気圧条件下に置き、内圧調節装
置の弁から排出される気体中の水蒸気およびアンモニア
ガスは、冷却コンデンサーにより冷却し、酸化槽内に還
流した。反応槽中にはメタバナジン酸アンモニウムの析
出は認められなかった。
【0066】上記の未燃カーボン等の固形分およびメタ
バナジン酸アンモニウムを含有する燃焼灰スラリーを保
温条件下でフィルタープレスに供給し、未燃カーボン等
の固形分を分離し、メタバナジン酸アンモニウム含有水
溶液を得た。得られたメタバナジン酸アンモニウム含有
水溶液に含まれているメタバナジン酸アンモニウム濃度
を実測したところ、約0.39重量%であり、また、硫
酸アンモニウム濃度は、約15重量%であった。調製し
たバナジウム含有水溶液を全て処理するために7時間強
を要した。
【0067】上記のメタバナジン酸アンモニウム含有水
溶液は、供給管の先端に設けられた圧力調節装置が具備
された先端供給口を開放した状態で、大気圧下に置かれ
た30℃に維持された晶析槽内の晶析スラリー中に供給
されて晶析温度に冷却され、晶析された。実施例1の場
合と同様にして、晶析槽から抜き出された晶析スラリー
中のメタバナジン酸アンモニウムの結晶を沈降濃縮した
後、遠心分離装置を使用して濾別し、冷水で洗浄するこ
とにより、高純度のメタバナジン酸アンモニウムを得
た。
【0068】以上の様に、比較例1においては、反応時
の硫酸アンモニウム濃度を設定値に合わせるため多量の
硫酸アンモニウムを別に追加する必要があり、また、9
7℃の反応槽においては、生成されたメタバナジン酸ア
ンモニウムは析出しなかったが、調製された原料の燃焼
灰スラリー中のバナジウムが希薄であったため反応槽中
で生成されるメタバナジン酸アンモニウム濃度が低く、
多量の液量を実施例の場合と同じ反応槽を使用したた
め、実施例の場合に比べて著しく長時間を要した。ま
た、処理した液量の割には晶析されるメタバナジン酸ア
ンモニウムの量が少なく、晶析効率が低かった。
【0069】
【発明の効果】以上、説明した第1の発明、第2の発明
および第3の発明によれば、何れもバナジウムからメタ
バナジン酸アンモニウムを製造する方法において、高圧
下に100℃を超える高温において処理されるため、水
溶液またはスラリー状態において予想外の高濃度のバナ
ジウム又はメタバナジン酸アンモニウムを含有すること
が出来、液量を小さくすることが出来る。その結果、従
来と同じ設備を使用した場合は短時間で処理することが
出来るため設備効率、薬剤使用量およびエネルギー効率
および晶析効率が改善され、効率が良いメタバナジン酸
アンモニウムの製造方法を提供することが出来、本発明
の工業的価値は大きい。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 バナジウム及び硫酸アンモニウムを含有
    する水溶液中に酸化性ガスを供給してアンモニア存在下
    に酸化反応を行う反応工程と、反応工程で得られた水溶
    液を晶析槽に供給してメタバナジン酸アンモニウムの晶
    析を行う晶析工程とを包含し、上記の反応工程において
    は、加圧下100℃超の高温条件下において反応を行な
    ってメタバナジン酸アンモニウム濃度が当該水溶液温度
    の飽和濃度以下かつ1.2重量%以上であり、硫酸アン
    モニウム濃度が5〜30%である水溶液を得、そして、
    反応工程にて得られた水溶液を加圧・保温条件下に供給
    管により移送し、晶析槽に供給することを特徴とするメ
    タバナジン酸アンモニウムの製造方法。
  2. 【請求項2】 石油系燃料を使用するボイラー等の排ガ
    ス煙道中に設けられた集塵器などにより捕集され且つ少
    なくとも硫酸アンモニウムとバナジウムとを含有する石
    油系燃焼灰を水に溶解する燃焼灰スラリーの調製工程
    と、燃焼灰スラリーから固形分を除去する固液分離工程
    と、燃焼灰スラリーから固形分を除去した水溶液に酸化
    性ガスを供給してアンモニア存在下に酸化反応を行う反
    応工程と、反応工程にて得られた水溶液を晶析槽に供給
    してメタバナジン酸アンモニウムの晶析を行う晶析工程
    とを包含し、上記の反応工程においては、加圧下100
    ℃超の高温条件下において反応を行なってメタバナジン
    酸アンモニウム濃度が当該水溶液温度の飽和濃度以下か
    つ1.2重量%以上で、硫酸アンモニウム濃度が5〜3
    0重量%である水溶液を得、そして、反応工程にて得ら
    れた水溶液を加圧・保温条件下にに供給管により移送
    し、晶析槽に供給することを特徴とするメタバナジン酸
    アンモニウムの製造方法。
  3. 【請求項3】 石油系燃料を使用するボイラー等の排ガ
    ス煙道中に設けられた集塵器などにより捕集され且つ少
    なくとも硫酸アンモニウムとバナジウムとを含有する石
    油系燃焼灰を水に溶解する燃焼灰スラリーの調製工程
    と、燃焼灰スラリーに酸化性ガスを供給してアンモニア
    存在下に酸化反応を行う反応工程と、メタバナジン酸ア
    ンモニウムを水溶液として含有する燃焼灰スラリーから
    固形分を除去する固液分離工程と、得られた水溶液を晶
    析槽に供給してメタバナジン酸アンモニウムの晶析を行
    う晶析工程とを包含し、上記の反応工程においては、加
    圧下100℃の高温条件下において反応を行なった後、
    固液分離を行なって、メタバナジン酸アンモニウム濃度
    が当該水溶液温度の飽和濃度以下かつ1.2重量%以上
    で、硫酸アンモニウム濃度が5〜30重量%である水溶
    液を得、そして、固液分離工程にて得られた水溶液を加
    圧・保温条件下に供給管により移送し、晶析槽に供給す
    ることを特徴とするメタバナジン酸アンモニウムの製造
    方法。
  4. 【請求項4】 反応工程において得られる水溶液中のバ
    ナジン酸アンモニウム濃度がその飽和濃度以下かつ1.
    2重量%以上であり、硫酸アンモニウム濃度が5〜30
    重量%以上である請求項1〜3の何れかに記載の製造方
    法。
  5. 【請求項5】 大気圧下の晶析槽内の空間部において液
    面に対向して配置された供給管の先端供給口から晶析槽
    にメタバナジン酸アンモニウム含有水溶液を放圧しつつ
    噴射状に供給する請求項1〜4の何れかに記載の製造方
    法。
  6. 【請求項6】 供給管の先端供給口に開口度調節装置が
    設けられている請求項5に記載の製造方法。
  7. 【請求項7】 供給管の先端供給口に加熱装置が設けら
    れている請求項5に記載の製造方法。
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