JPH10250299A - 装飾物品及びその製造方法 - Google Patents

装飾物品及びその製造方法

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JPH10250299A
JPH10250299A JP5934197A JP5934197A JPH10250299A JP H10250299 A JPH10250299 A JP H10250299A JP 5934197 A JP5934197 A JP 5934197A JP 5934197 A JP5934197 A JP 5934197A JP H10250299 A JPH10250299 A JP H10250299A
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resin composition
resin layer
decorative
pattern
substrate
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JP5934197A
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English (en)
Inventor
Akihiko Nakayama
明彦 中山
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3M Co
Original Assignee
Minnesota Mining and Manufacturing Co
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 装飾パターンに立体的外観があり、下地とな
る基材の加工が必要なく、物品表面が平滑であり、パタ
ーン周囲に気泡の取り込みがない比較的に肉薄の装飾物
品を提供することを目的とする。 【解決手段】 基材とその上方に施された装飾パターン
保有樹脂層とを含む装飾物品において、前記装飾パター
ン保有樹脂層が液状透明樹脂組成物を前記基材上に適用
し、硬化せしめることによって形成されたものであり、
その内部に所定のパターンで分散せしめられた色材から
なる装飾パターンを有するように構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は装飾物品に関し、さ
らに詳しく述べると、基材とその上方に施された装飾パ
ターン保有樹脂層とを含む装飾物品に関する。本発明の
装飾物品において、その装飾パターン保有樹脂層の樹脂
層は、基材上に透明液状樹脂組成物を注型、流延して硬
化させることにより形成されるものであり、レンズ作用
を有する透明厚盛りオーバーレイの形態をとることがで
きる。本発明の装飾物品は、その装飾パターンの保有形
態に特徴があるので、いろいろな技術分野において装飾
物品として有利に利用することができ、また、その装飾
パターンを保有する樹脂層にも特徴があるので、装飾機
能を備えた緩衝部材としても有利に利用することができ
る。具体的には、本発明の装飾物品は、主に自動車、オ
ートバイ等の輸送車両、電化製品等において用いられエ
ンブレム、マークなどとして、あるいはモールディング
などとして、有利に利用することができる。本発明は、
また、このような装飾物品を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ほぼ平坦な基材の表面に貼付する
などして装飾効果を導く装飾物品として、非常にいろい
ろなタイプのものが提案されている。例えば、特公昭6
0−42011号公報は、所定量の液状ポリウレタン組
成物を薄くて平坦な装飾基板上に注型し、その際、ポリ
ウレタン組成物が正のメニスカスを形成するようにし、
次いでそのポリウレタン組成物を硬化させて前記装飾基
板にレンズ効果を与えることを特徴とする装飾記章の製
造方法を開示している。この方法によると、生じる「レ
ンズ効果」のため、装飾品の美的効果を増強することが
できる。また、特公平4−21568号公報は、装飾効
果を高めるために着色されたり、あるいはその表面に印
刷装飾部が形成されることがある基体の上面に硬化性液
状プラスチックを流延し、さらに紫外線を照射して硬化
せしめることを特徴とする装飾モールディングの製造方
法を開示している。この方法によると、上面に艶のある
ガラス様のクリアーな表面をもった装飾性に優れた美麗
なモールディングが得られるという効果がある。さら
に、特開平4−87667号公報は、木目の壁紙等を抜
き型で打ち抜き、打ち抜いた壁紙等の上に透明なポリウ
レタン組成物を注型し、さらにその組成物を硬化させる
ことを特徴とする自動車内装飾板の製造方法を開示して
いる。この方法によると、透明なポリウレタン組成物が
レンズ効果を発揮し、既存の壁紙等を使用しているにも
かかわらず、まるで本物の木材を使用しているような質
感を出すことができる。
【0003】上記した特許公報に開示されている方法に
より製造することのできる装飾物品は、それらの装飾物
品を要すると、図1に断面で示すような構造を有するこ
とができる。すなわち、装飾物品20は、基材21と、
その上面に施された、レンズ効果を奏することのできる
レンズ状透明樹脂層とから構成される。基材21の上面
には、図示されるように、印刷された装飾パターン22
が付与されている。装飾パターン22は、例えば、シル
クスクリーン印刷等の印刷技法により所望の図柄、文字
等のパターンを印刷することによって形成することがで
き、また、場合によっては、下地の基材21自体を所望
の色調で着色してもよく、あるいはこれらの技法を組み
合わせてもよい。先にも説明したように、このような装
飾物品は、そのレンズ状透明樹脂層のレンズ効果により
全体的に高められた視覚的深み感、立体感を奏すること
ができる。しかし、基材上に施されたパターンは、事実
上基材と同一の面に位置しているので、装飾パターンそ
のものは視覚的に平坦にしか見ることができない。
【0004】基材上に施された装飾パターンが視覚的に
平坦であることの欠陥を回避するため、基材そのものに
例えばプレス加工、その他の技法により部分的に凹凸加
工を施して、装飾パターンの視覚的立体感を高めること
も図られている。すなわち、基材の一部に凹凸を施して
その基材の立体感を増してから、その上にさらにレンズ
状透明樹脂層を施しているのである。例えば図2に示す
ように、この装飾物品20の基材21は、その一部に凹
凸部24が施され、また、図示しないけれども、凹凸部
24の表面にはさらに印刷された装飾パターンが施され
ている。この工法によると、所望のパターンを基材の面
から浮き上がらせることが可能であるけれども、透明樹
脂層を膜厚で形成する割りには、得られる視覚的立体
感、深み感は依然として低レベルであり、改善の余地を
残している。
【0005】さらに、特開昭58−81120号公報
は、薄膜シートと、該薄膜シート上に突出させて形成し
た文字、図形等の立体表示体と、前記薄膜シートと立体
表示体の全体を被覆した硬化処理された耐候性ウレタン
透明軟質樹脂とからなる軟質性装飾体を開示している。
この装飾体は、先に説明した図1及び図2に準じて図3
で説明すると、参照番号20によって表すことができ、
また、この装飾体(先の図の「装飾物品」に対応;以
下、括弧内は同様)20は、薄膜シート(基材)21
と、立体表示体(印刷された装飾パターン)25と、ウ
レタン透明軟質樹脂(レンズ状透明樹脂層)23とから
構成される。この装飾体では、立体表示体を所望の形状
の成形品を部分的に接着するかもしくは立体印刷により
形成しているので、立体感及びしたがって装飾性を高め
るのに効果的である。しかし、この装飾体の場合、製造
工程が多いという欠点だけではなく、薄膜シートと立体
表示体の全体を被覆するためにウレタン樹脂の注型、流
延を行う工程で、薄膜シートとその上の立体表示体の接
合境界部分において気泡が取り込まれ、滞留しやすい
(図3の気泡26を参照されたい)。特に接合目的で接
着剤を使用した場合には、ウレタン樹脂の硬化中に接着
剤中の残留溶剤が揮発すること及び(又は)接着剤とウ
レタン樹脂の間で化学反応が発生することに原因して、
気泡の発生が顕著である。立体表示体の周囲に気泡が発
生するということは、装飾体の美観が損なわれること、
製品を廃棄処分しなければならないこと、などを意味す
る。
【0006】特開昭58−81120号公報において教
示されているような立体表示体の接合に代えて、射出成
形等の成形法を使用して、例えば図4に示されるよう
に、装飾物品20の製作に用いられる基材21に対して
予め立体表示体に対応する形状の段差部27を設けるこ
とも可能である。しかし、この方法に従うと、煩雑な成
形工程が増える、成形のための金型が必要になる、成形
後に段差部をシルクスクリーン印刷等で部分的に印刷あ
るいは着色することが困難である、といった不都合が発
生する。また、仮にこのような方法によって部分的な段
差を基材に付与することができたとしても、その視覚的
効果を十分に発揮させることを目的として段差を大きく
していくと、図4に示されるように、樹脂を注型し、硬
化させた後に基材21の段差部27に応じて透明樹脂層
23に盛り上がり28が発生し、外観上好ましくない。
ここで、透明樹脂層の盛り上がりは、基材上の透明樹脂
層の膜厚方向の収縮が段差を有する部分と有しない部分
とで異なる結果として発生するものと理解される。
【0007】さらにまた、特開平2−241736号公
報は、装飾物品における視覚的深み感を増すための別の
方法を教示している。この方法を添付の図5を参照して
説明すると、装飾物品30は、透明基材31と、その表
面に印刷された装飾パターン22と、基材31とパター
ン22を被覆したレンズ状透明樹脂層23とから構成さ
れ、また、透明基材31の下側には底面装飾層32が設
けられる。透明基材31には、透明あるいは半透明で厚
みのあるプラスチック板が用いられる。この装飾物品3
0では、底面装飾層32と装飾パターン22の2つのパ
ターンを透明基材31及びレンズ状透明樹脂層23の組
み合わせを介して見ることができるので、今までにはな
い優れた装飾効果を得ることができる。特に、基材31
自体の厚みを利用して、所望のパターンを装飾物品の最
底面から浮き上がらせることが可能であり、視覚的に
は、このパターンが装飾物品の透明体中に浮遊している
が如き印象を与え、効果的てある。しかしながら、今ま
でに説明した他の装飾物品と同様に、この装飾物品で
も、パターン自体は平面であり、その欠点を避けること
ができない。また、この装飾物品の場合、厚みのある基
材を使用しているので、垂直側面部が目立つという欠点
も避けることができない。装飾物品全体の厚みが大きく
なりすぎるので、この点での視覚的不都合も問題となる
場合がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
したような従来の技術の多くの問題点を同時に解決する
ことにある。本発明の1つの目的は、透明樹脂層中に立
体感を有する模様、文字、図柄、図形、記号等を形成
し、その際、下地となる基材の加工が必要なく、透明樹
脂層の表面が平滑であり、透明樹脂層中に気泡の取り込
みがなく、しかも装飾品として総厚が厚くない装飾物品
を提供することにある。
【0009】本発明のもう1つの目的は、そのような装
飾物品を製造するための方法を提供することにある。本
発明の上記した目的及びその他の目的は、以下の詳細な
説明から容易に理解することができるであろう。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、その1つの面
において、基材とその上方に施された装飾パターン保有
樹脂層とを含む装飾物品であって、前記装飾パターン保
有樹脂層が液状透明樹脂組成物を前記基材上に適用し、
硬化せしめることによって形成されたものであり、その
内部に所定のパターンで分散せしめられた色材からなる
装飾パターンを有することを特徴とする装飾物品にあ
る。この装飾パターンは、樹脂層内部に色材を分散せし
めることによって形成されたものであり、通常の印刷技
法を使用して形成された装飾パターンとは本質的に異な
るものである。
【0011】また、本発明は、そのもう1つの面におい
て、基材とその上方に施された装飾パターン保有樹脂層
とを含む装飾物品を製造するに当たって、前記基材上に
液状透明樹脂組成物を適用することによって樹脂層を形
成し、次いでその樹脂層の内部に装飾パターン形成性色
材を所定のパターンで分散せしめることを特徴とする装
飾物品の製造方法にある。
【0012】本願明細書において使用した場合に、「装
飾パターン」なる語は、装飾物品においてその装飾目的
のために適当な部位に付与された各種のパターン、例え
ば模様、文字、図柄、図形、記号などあるいはその組み
合わせを意味する。本発明の装飾パターンは、通常の装
飾パターンのようにシルクスクリーン印刷等の印刷法を
用いて形成されるものとは異なるものであり、以下に詳
細に説明するように、その装飾パターンを保有すべき樹
脂層の形成過程において樹脂層中にパターン形成性色材
を分散せしめることによって形成されるものである。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明をその好ましい実施
の態様に関して説明する。本発明による装飾物品は、基
材とその上方に施された装飾パターン保有樹脂層とを含
む装飾物品であって、その装飾パターン保有樹脂層に特
徴を有している。基材は、その上方に装飾パターン保有
樹脂層を支承して、装飾物品としての形状及び外観を保
持するためのものである。基材は、それが装飾パターン
保有樹脂層を支承し得る限りにおいて特に限定されない
というものの、好ましくはほぼ平坦である。適当な基材
は、一般的にエンブレム、マーク、モールディング等の
装飾物品において基材として使用されているものを包含
する。これらの基材は、透明、半透明あるいは不透明の
いずれであってもよく、また、予め部分的又は全体的に
着色されていてもよく、模様、文字、図柄、図形、記号
等のパターンがシルクスクリーン印刷法等で印刷されて
いてもよく、あるいはエンボス加工などの表面加工が施
されていてもよい。このような処理あるいは加工を基材
に施すことによって、装飾パターンによる装飾効果をさ
らに顕著なものとすることができるであろう。
【0014】本発明の実施において基材として有利に使
用することのできる材料は、以下に列挙するものに限定
されるわけではないけれども、ポリエステル樹脂、アク
リル樹脂、塩化ビニル樹脂等の各種のプラスチック材料
のフィルム、シート、薄板など、あるいはアルミニウ
ム、ステンレス鋼等の各種の金属材料のフィルム、シー
ト、薄板などを包含する。これらの基材は、その周縁側
面がほぼ垂直であるのが好ましく、そのために、例え
ば、先に引用した特公昭60−42011号公報に開示
されるように打ち抜き加工等を行うことが推奨される。
使用する基材の寸法は、所望とする装飾物品のサイズに
応じて広く変更し得るというものの、通常、約6mm〜3
00mm(縦)×約6mm〜3000mm(横)×約0.05
mm〜5mm(厚さ)である。
【0015】上記したような基材は、必要に応じて、そ
の基材の面のうち前記装飾パターン保有樹脂層とは反対
側の面に接着剤層をさらに有していてもよい。接着剤層
は、装飾物品の分野で通常用いられている手法を使用し
ていろいろな膜厚で形成することができ、また、よく行
われているように、取扱いの利便などのため、剥離紙な
どで仮保護していてもよい。
【0016】装飾パターン保有樹脂層は、樹脂層形成性
の液状透明樹脂組成物を上記した基材上に適用し、硬化
せしめることによって形成されるものであり、その内部
に所定のパターンで分散せしめられた色材からなる装飾
パターンを有することを特徴とする。ここで用いられる
液状透明樹脂組成物は、その硬化によって形成される樹
脂層内において色材からなる装飾パターンを分散状態で
含有するとともに、パターンを保護し、そしてさらに、
樹脂層のレンズ作用により装飾効果を高めるためのもの
である。ここで使用し得る液状透明樹脂組成物は、その
硬化後に透明あるいは半透明の樹脂層を形成することが
でき、また、得られる樹脂層に耐候性、耐熱性、耐紫外
線等があり、樹脂層自体あるいは装飾パターンの変色を
引き起こしにくい限りにおいて特に限定されるものでは
ない。適当な液状透明樹脂組成物として、例えば、ウレ
タン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、不飽和ポリエ
ステル樹脂等の樹脂あるいはその混合物を含む樹脂組成
物を挙げることができる。これらの樹脂組成物は、液体
あるいは溶液の状態で用いられ、また、その比粘度は、
樹脂組成物を常法に従って基材上に注型、流延するのに
十分なレベルの粘度であれば、本発明に対して臨界的で
はない。
【0017】形成された透明あるいは半透明の樹脂層内
に装飾パターンの形で分散含有せしめられる色材は、そ
れを用いて本発明において意図する装飾パターン、すな
わち、模様、文字、図柄、図形、記号等を形成すること
ができる限りにおいて特に限定されるものではない。適
当な色材としては、例えば、インク用の顔料、染料、金
属粉、ガラス粉、金属蒸着粉などを挙げることができ
る。これらの色材は、所望とする装飾パターンに依存し
て単独もしくは組み合わせて使用することができる。こ
こで使用する色材は、所望とするパターンに応じていろ
いろなサイズを有することができるけれども、通常、約
0.03〜800μmの粒径を有しているのが好まし
い。
【0018】図7は、本発明による装飾物品の好ましい
1例を示した断面図である。装飾物品10は、図示のよ
うに、所定の大きさの基材1を有している。基材1の上
面には、液状透明樹脂組成物から形成された装飾パター
ン保有樹脂層3が形成されている。樹脂層3の端面は、
弧を描くように湾曲しているので、いわゆる「レンズ効
果」を発現することが可能である。装飾パターン保有樹
脂層3の内部には、その所定の部位に限定して色材5が
パターン状に分散せしめられている。色材5は、樹脂層
3内において予め定められたパターンで浮遊せしめられ
た状態にあり、基材1の上面に密着していることもなけ
れば、樹脂層3に無秩序に分散せしめられていることも
ない。
【0019】本発明による装飾物品において、前記した
装飾パターン保有樹脂層は、好ましくは、樹脂組成物を
基材上にその端面が弧を描くように注型して樹脂層を形
成し、そして、その樹脂層がまだ未硬化の状態にある
時、装飾パターン形成性の色材を含有するものであって
樹脂層形成性液状樹脂組成物と同一もしくは異なる組成
を有する液状樹脂組成物を前記未硬化の樹脂層上に所望
のパターンで注型し、そして前記色材が前記樹脂層中に
所望のパターン深さまで沈降した後に前記樹脂層を硬化
させることによって形成されたものである。
【0020】すなわち、本発明による装飾物品は、好ま
しくは、次のようにして製造することができる(製造工
程を順を追って説明した図8をあわせて参照された
い)。先ず、図8(A)に示すように、選ばれた液状透
明樹脂組成物(ここでは特に「第1樹脂組成物」と呼
ぶ)3をほぼ平坦な表面を有する基材1の上にその端面
が弧を描くように注型し、周縁部から溢流しなくなるま
で放置する。なお、樹脂組成物3の端面が弧を描くよう
になるのは、使用した樹脂組成物の表面張力に依存して
いる。ここで、第1樹脂組成物の注型量は、基材の面積
に応じて決定されるけれども、通常、樹脂層の膜厚が1
〜5mm程度、好ましくは1〜4mm、さらに好ましくは
1.5〜3mmとなるのに十分な量であることが好まし
い。樹脂層の膜厚が5mmを大幅に上回ると、得られる装
飾物品が厚くなりすぎて装飾品として不適当である。ま
た、1mmを下回ると、模様等の装飾パターンを十分に保
護できず、満足し得る装飾効果も具現できない結果とな
る。
【0021】次いで、別に用意した、第1樹脂組成物と
同一もしくは異なる液状透明樹脂組成物に色材を分散さ
せて色材含有樹脂組成物(ここでは特に「第2樹脂組成
物」と呼ぶ)を調製する。第2樹脂組成物の調製のため
の液状透明樹脂組成物は、好ましくは、第1樹脂組成物
と同一であり、しかし、もしもその液状透明樹脂組成物
が第1樹脂組成物と相溶性であり、同じ硬化方法を採用
でき、かつ、硬化後に視覚的な差異を生じることがない
のであるならば、異なる樹脂組成物を使用してもよい。
【0022】調製した第2樹脂組成物を、図8(B)に
示すように、先に注型した第1樹脂組成物3の上に所望
のパターンを描くように注型する。ここで、第2樹脂組
成物は参照番号4で示されており、図示のように色材5
が分散せしめられている。第2樹脂組成物4の注型は、
所望のパターンが得られるようにハンドディスペンサな
どを利用して手作業で実施してもよく、あるいは、例え
ば特公平6−94240号公報に教示されているよう
に、流延ヘッドがプログラム制御式関節ヘッドである装
置、あるいは流延ヘッドが固定されており、基材がその
ヘッドの下方を移動可能である装置を使用して実施して
もよい。上記のような流延ヘッド付きの装置を使用した
ほうが、精度の高い装飾物品を反復して製造可能であ
る。
【0023】注型後しばらく放置すると(通常、約2〜
3分間)、第2樹脂組成物が徐々に第1樹脂組成物に吸
収されていき、一体化する。第1樹脂組成物の樹脂層が
その膜厚を増やした状態となり、その表面は平坦であ
る。また、第2樹脂組成物中の色材は、第1樹脂組成物
中で横方向に拡散や移動することなくそのまま下方に沈
降する。すなわち、色材は、第2樹脂組成物の注型時の
パターンをそのまま維持することができる。
【0024】色材が第1樹脂組成物の所定の深さまで沈
降して浮遊分散の状態になった時、一体化せしめられた
第1及第2樹脂組成物をその組成物の硬化に適当なエネ
ルギーを付与して硬化させる。この硬化のため、例えば
オーブンなどを使用した加熱硬化あるいは紫外線ランプ
などを使用した放射線照射による加熱硬化を有利に適用
することができる。もちろん、使用する樹脂組成物の特
性などに依存してその他の硬化手段を使用することがで
きる。このような一連の工程を経て、図8(C)及びし
たがって図7に断面で示すような装飾物品10が得られ
る。得られた装飾物品10の樹脂層3において、色材5
は、図8(B)に示した第2樹脂組成物4の注型時のパ
ターンをそのまま維持して、但し分散せしめられて、分
布している。
【0025】以上に、本発明による装飾物品とその製造
方法を特にそれらの好ましい形態を参照して説明した。
さらに説明を続けると、基材に注型する第1樹脂組成物
の量又は基材上に形成される樹脂層の層厚と第2樹脂組
成物(色材含有)の注型量又は層厚との間の関係には、
厳密には、基材の表面材質(表面エネルギー状態)及び
形状、そして第1樹脂組成物の表面張力及び粘度が関与
可能である。したがって、これらのファクタの変動によ
って、上記の関係も変動可能である。本発明者は、この
点に関してさらに究明するため、エンブレム等の装飾物
品において一般的に使用されている材料による追試実験
を試みた。
【0026】 基材: 真円状ポリエステルシート(ミネソタ・マイニング・アンド ・マニュファクチャリング(3M)社製、直径62mm) 基材表面: ウレタンインク印刷(住友3M社製、FL500) 第1樹脂組成物:VITROTRIMTM用透明ウレタン樹脂(ミネソタ・マイ ニング・アンド・マニュファクチャリング(3M)社製、S V−8008−M10)(パートA+パートB) パートA(ポリオール系成分) 分子量 400〜600 のポリエステルポリオール 60部 分子量 300〜500 の二官能性ベースポリエーテルポリオール 20部 分子量3000〜4000の二官能性ベースポリエーテルポリオール 15部 紫外線吸収剤「チヌビンPTM」(日本チバガイギー社製) 1部 光安定剤「サノールLS770TM」(三共社製) 1部 酸化防止剤「イルガノックス245TM」 1部 (日本チバガイギー社製) 触媒(ジブチル錫ジラウレート) 1部 消泡剤「シルウェットL−7002TM」(日本ユニカー社製) 1部 パートB(イソシアネート系成分) イソホロンジイソシアネートのポリプロピレン 100部 グリコールのプレポリマー 基材の印刷表面に第1樹脂組成物を異なる量で注型し
た。この注型を行うに当たり、樹脂層の層厚が1.5mm
である時を標準厚さと設定し、この厚さを得るのに必要
な樹脂組成物の量を標準量とするとともに、標準量に対
して10%ずつ増量を行い、その都度注型状態の変化を
確認した。その結果、樹脂組成物の量が標準量+10〜
50%の時はその都度満足すべき注型を行うことがで
き、標準量+60%まで増量した時には樹脂組成物のオ
ーバーフローが発生した。このような結果から、基材に
注型した液状透明樹脂組成物(第1樹脂組成物)の量が
標準量の場合、その上にさらに注型されるべき色材含有
樹脂組成物(第2樹脂組成物)の量は最高で標準量の5
0%であること、また、もしも基材の形状が複雑な場合
には、樹脂組成物がオーバーフローしやすくなるので、
標準量の20%程度までが適当であること、が明らかと
なる。
【0027】
【実施例】以下、本発明をその実施例を参照して詳細に
説明する。なお、本発明はこれらの実施例に限定される
ものではないことを理解されたい。例1 本例では、図7に断面で示すような装飾物品を作製し
た。
【0028】直径62mmの円板状基材を、薄くて平坦な
ポリエステルシート(3M社製の粘着剤付きポリエステ
ルシート、品番:QV1000)の打ち抜き加工により
用意した。次いで、この基材の上面に、特公昭60−4
2011号公報に記載の手法に従って、前記したVIT
ROTRIMTM用透明ウレタン樹脂(3M社製、SV−
8008−M10)(パートA及びパートBの同量混合
物)(第1樹脂組成物)を注型した。
【0029】次いで、上記した第1樹脂組成物が基材の
周縁部まで流延するのを待ってから、その流延注型物の
上面にそれと同じ組成を有していてさらに色材を含有す
る第2樹脂組成物を注型した。なお、ここで使用した第
2樹脂組成物は、前記したVITROTRIMTM用透明
ウレタン樹脂(3M社製、SV−8008−M10)
(パートA及びパートBの同量混合物)(第1樹脂組成
物)に対して、色材として5重量%の「メタシャイ
TM」(日本板硝子社製、品番:RCFSX−5090
PS(2011))を添加し、混合することによって調
製したものである。第2樹脂組成物の注型には注型ノズ
ルを使用し、このノズルを所望とする装飾パターンに対
応する軌跡で移動させながら樹脂組成物の吐出を行っ
た。
【0030】第2樹脂組成物が第1樹脂組成物の流延注
型物の中に沈み込み、注型物の上面が平らになるまで放
置した後、基材を50℃のオーブンに入れて5時間にわ
たって加熱した。基材上で合体していた第1及び第2樹
脂組成物が硬化し、目的とする装飾物品(図7に対応)
が得られた。本例において得られた装飾物品では、色材
であるメタシャインの平面形状は、所望のパターンをほ
ぼ保ったままであり、また、硬化した透明樹脂層中に厚
み方向に分散していた。この色材パターンは、したがっ
て、視覚的には装飾物品の透明体中に浮遊しているが如
き印象を与え、かつ該パターンそのものが平面的でな
く、深み感を有していた。得られた装飾物品を、(1)
パターンの立体感、(2)パターンの基材からの浮き上
がり、(3)パターンの平面形状の再現性、(4)レン
ズ状透明樹脂層内の気泡発生、(5)レンズ状透明樹脂
層表面の平滑性、そして(5)基材の薄さに関して評価
したところ、下記の第1表に示すような結果が得られ
た。例2 本例では、図7に断面で示すような装飾物品を作製し
た。
【0031】前記例1に記載の手法を繰り返した。しか
し、本例では、色材として、前記例1で使用したメタシ
ャインに代えて、同量の「ポリエステルグリッター」
(商品名、カタニ産業社製、粒径0.4mm)を使用し
た。本例において得られた装飾物品では、色材であるポ
リエステルグリッターの平面形状は、所望のパターンを
ほぼ保ったままであり、また、硬化した透明樹脂層中に
厚み方向に分散していた。この色材パターンは、したが
って、視覚的には装飾物品の透明体中に浮遊しているが
如き印象を与えた。得られた装飾物品を前記例1と同様
に5項目に関して評価したところ、下記の第1表に示す
ような結果が得られた。比較例1 本例では、図6に順次断面で示すような手法に従って装
飾物品を作製した。
【0032】前記例1に記載の手法を繰り返した。しか
し、本例では、比較のため、第1樹脂組成物の注型と第
2樹脂組成物の注型の順序を反転させた。すなわち、先
ず、図6(A)に示すように、基材1の上面に第2樹脂
組成物4を注型ノズルから注型した。注型ノズルを所望
とするパターンにそって移動させ、その間にノズルから
樹脂組成物を吐出させたけれども、樹脂組成物は、ノズ
ルから吐出した直後から基材の表面に広がり、所望のパ
ターンの平面形状を保持することができなかった。
【0033】引き続いて、第2樹脂組成物4を注型した
後の基材1の上に特公昭60−42011号公報に記載
の手法に従って第1樹脂組成物3を注型した。、図6
(B)に示すように、第1樹脂組成物3が基材1の周縁
部へ流延する過程において第2樹脂組成物4内の色材5
のパターンが著しく変形し、所望のパターンを保持する
ことが不可能であった。
【0034】最後に、本例において得られた装飾物品を
前記例1と同様に5項目に関して評価したところ、下記
の第1表に示すような結果が得られた。比較例2 本例では、図1に断面で示すような装飾物品を作製し
た。薄くて平坦なポリエステルシート(3M社製の粘着
剤付きポリエステルシート、品番:QV1000)を用
意した。次いで、このポリエステルシートの上面に、住
友スリーエム社製のウレタンインクFL500シリーズ
を任意の色調に調色したインク及び260メッシュのシ
ルクスクリーン印刷版を使用して、所望のパターンでス
クリーン印刷を行った。得られた印刷シートを85℃の
オーブンに入れて30分間にわたって加熱乾燥した。乾
燥の完了後、この印刷シートから直径62mmの円板状基
材を打ち抜き加工により作製した。
【0035】次いで、得られた印刷基材の上面に特公昭
60−42011号公報に記載の手法に従ってVITR
OTRIMTM用透明ウレタン樹脂(3M社製、SV−8
008−M10)(パートA及びパートBの同量混合
物)(第1樹脂組成物)を注型した。引き続いて、第1
樹脂組成物が基材の周縁部へ流延するのを待ってから、
50℃のオーブンにて5時間にわたって加熱を行った。
第1樹脂組成物が硬化し、図示のような装飾物品が得ら
れた。
【0036】本例において得られた装飾物品では、シル
クスクリーン印刷によりパターンが印刷されているた
め、その再現性に優れ、レンズ状透明樹脂層の効果によ
り全体の視覚的深み感、立体感を具現することができ
た。しかし、基材上に施されたパターンは事実上基材と
同一の面上に存在するため、パターンそのものは視覚的
に平坦であった。得られた装飾物品を前記例1と同様に
5項目に関して評価したところ、下記の第1表に示すよ
うな結果が得られた。比較例3 本例では、図2に断面で示すような装飾物品を作製し
た。
【0037】前記比較例2と同様にして、ポリエステル
シートの上面にスクリーン印刷を行い、加熱乾燥した。
乾燥の完了後、得られた印刷シートに、施したい形状の
凹凸金型を取り付けたプレス機により部分的に凹凸を施
し、さらにこれを打ち抜き加工して直径62mmの円板状
基材を作製した。次いで、得られた印刷基材の上面に前
記比較例2と同様にして第1樹脂組成物を注型した。引
き続いて、第1樹脂組成物が基材の周縁部へ流延するの
を待ってから、50℃のオーブンにて5時間にわたって
加熱を行った。第1樹脂組成物が硬化し、図示のような
装飾物品が得られた。
【0038】本例において得られた装飾物品では、シル
クスクリーン印刷及びプレス加工によりパターンが形成
されているため、その再現性に優れ、また、凹凸を施し
たパターンが基材面からある程度浮き上がっているた
め、視覚的立体感を具現することができた。しかし、こ
の視覚的立体感及び深み感は、レンズ状透明樹脂層が最
上層として設けられている割りには、不満足なものであ
った。得られた装飾物品を前記例1と同様に5項目に関
して評価したところ、下記の第1表に示すような結果が
得られた。比較例4 本例では、図3に断面で示すような装飾物品を作製し
た。
【0039】前記例1と同様にして、ポリエステルシー
トを打ち抜き加工して直径62mmの円板状基材を作製し
た。別に、厚さ約1mmの商業的に入手した軟質塩化ビニ
ル樹脂シートに、住友スリーエム社製のウレタンインク
FL500シリーズを予め定められた色調に調色したイ
ンク及び260メッシュのシルクスクリーン印刷版を使
用して、所望のパターンでスクリーン印刷を行い、次い
で85℃のオーブンに入れて30分間にわたって加熱乾
燥した。加熱の完了後、得られた印刷シートを所定の形
状の金型を装備した高周波プレス機に取り付けて打ち抜
いた。ほぼ台形の断面形状を有する成形品が得られた。
【0040】さらに、ユニオンカーバイド社製のUCA
TM塩酢ビ系共重合樹脂VYHH及びVAGHを等量ず
つメチルエチルケトン/トルエン(重量比1:1)に溶
解し、固形分30%の接着剤を調製した。このようにし
て調製した接着剤を先に作製した成形品の背面に乾燥後
の膜厚が約20μmとなるように塗布し、室温で放置し
て乾燥した。接着剤層の乾燥の完了後、成形品を同じく
先に作製した円板状基材の表面上の所定の位置に接合し
た。
【0041】引き続いて、得られた成形品付きの基材の
上面に前記比較例2と同様にして第1樹脂組成物を注型
した。第1樹脂組成物が基材の周縁部へ流延するのを待
ってから、50℃のオーブンにて5時間にわたって加熱
を行った。第1樹脂組成物が硬化し、図示のような装飾
物品が得られた。本例において得られた装飾物品では、
透明樹脂層内に厚みのある成形品が装飾パターンとして
内包されているために、そのパターンが視覚的立体感、
深み感に優れていた。しかし、成形品を基材に接合した
際の接着境界部分に、第1樹脂組成物を注型及び流延す
る工程で取り込まれ、溜まった気泡が認められた。ま
た、このような気泡の他に、第1樹脂組成物が硬化する
過程で接着剤中の残留溶剤が揮発したこと、あるいは第
1樹脂組成物と接着剤との間で化学反応が発生したこと
に原因すると考察される気泡も認められた。得られた装
飾物品を前記例1と同様に5項目に関して評価したとこ
ろ、下記の第1表に示すような結果が得られた。比較例5 本例では、図4に断面で示すような装飾物品を作製し
た。
【0042】商業的に入手したABS樹脂を射出成形し
て、直径62mm及び厚さ2mmで所定の部位に高さ1.5
mmの凸形状部を有する円板状基材を作製した。次いで、
この円板状基材の凸形状部の上面に、住友スリーエム社
製のウレタンインクFL500シリーズを任意の色調に
調色したインク及び260メッシュのシルクスクリーン
印刷版を使用して、スクリーン印刷を行い、次いで85
℃のオーブンに入れて30分間にわたって加熱乾燥し
た。
【0043】引き続いて、得られた印刷基材の上面に前
記比較例2と同様にして第1樹脂組成物を注型した。第
1樹脂組成物が基材の周縁部へ流延するのを待ってか
ら、50℃のオーブンにて5時間にわたって加熱を行っ
た。第1樹脂組成物が硬化し、図示のような装飾物品が
得られた。本例において得られた装飾物品では、基材の
所定の部位に高低差のある凸形状部をパターンとして予
め設けておいたので、そのパターンが視覚的立体感、深
み感に優れていた。しかし、凸形状部を設けたことの結
果として、その凸形状部とそれを取り囲む樹脂層の表面
が、それ以外の領域に比較して盛り上がり、変形してし
まった。また、装飾物品の垂直側面部が目立ち、装飾物
品全体の厚みも厚くなりすぎてしまった。得られた装飾
物品を前記例1と同様に5項目に関して評価したとこ
ろ、下記の第1表に示すような結果が得られた。比較例6 本例では、図5に断面で示すような装飾物品を作製し
た。
【0044】厚さ約1mmの商業的に入手した透明軟質塩
化ビニル樹脂シートの背面全体に、住友スリーエム社製
のウレタンインクFL500シリーズを予め定められた
色調に調色したインク及び260メッシュのシルクスク
リーン印刷版を使用して、スクリーン印刷を行い、次い
で85℃のオーブンに入れて30分間にわたって加熱乾
燥した。さらに、他の色調に調色した同じくFL500
シリーズのウレタンインク及びスクリーン印刷版を使用
して、基材の表面の所定の部位にスクリーン印刷を行
い、上記と同様にして加熱乾燥した。
【0045】次いで、得られた両面印刷シートの背面側
に住友スリーエム社製の粘着剤転写テープ(品番:N
o.468)をラミネートし、さらにこれを打ち抜き加
工して直径62mmの円板状基材を作製した。引き続い
て、得られた円板状基材の上面に前記比較例2と同様に
して第1樹脂組成物を注型した。第1樹脂組成物が基材
の周縁部へ流延するのを待ってから、50℃のオーブン
にて5時間にわたって加熱を行った。第1樹脂組成物が
硬化し、図示のような装飾物品が得られた。
【0046】本例において得られた装飾物品では、基材
自体の厚みを利用して、所望の装飾パターンを装飾物品
の最底面から浮き上がらせることが可能であり、また、
視覚的には、この装飾パターンが装飾物品の透明体中に
浮遊しているが如き印象を与え、効果的である。しかし
ながら、この装飾パターン自体は平面的である。また、
厚みのある基材を使用するため、装飾物品の垂直側面部
が目立ち、装飾物品全体の厚みも厚くなりすぎてしま
う。得られた装飾物品を前記例1と同様に5項目に関し
て評価したところ、次の第1表に示すような結果が得ら
れた。
【0047】
【表1】
【0048】上記第1表の評価グレードについて説明す
ると、◎は「優」、○は「良」、△は「可」、そして×
は「許容不可」を意味する。
【0049】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明によれ
ば、透明樹脂層中に視覚的立体的美感を有する模様、文
字、図柄、図形、記号等を形成し、その際、下地となる
基材の加工が必要なく、透明樹脂層の表面が平滑であ
り、透明樹脂層中に気泡の取り込みがなく、しかも装飾
品として総厚が厚くない装飾物品を提供することができ
る。また、装飾パターンの付与に自由度があるので、手
作り的な効果も併せて達成することができる。本発明の
装飾物品は、これらの優れた特徴を有しているので、特
に自動車、オートバイなどのエンブレム、マーク、モー
ルディングなどとして、あるいはその他の部品として有
利に利用することができる。という効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の装飾物品の一例を示す断面図である。
【図2】従来の装飾物品のもう1つの例を示す断面図で
ある。
【図3】従来の装飾物品のさらにもう1つの例を示す断
面図である。
【図4】従来の装飾物品のさらにもう1つの例を示す断
面図である。
【図5】従来の装飾物品のさらにもう1つの例を示す断
面図である。
【図6】比較のために実施例で作製した装飾物品とその
製造工程を順を追って示した断面図である。
【図7】本発明による装飾物品の好ましい1例を示す断
面図である。
【図8】図7に示した装飾物品の製造工程を順を追って
示した断面図である。
【符号の説明】
1…基材 3…液状透明樹脂組成物(第1樹脂組成物) 4…液状透明樹脂組成物(第2樹脂組成物) 5…色材 10…装飾物品 20…装飾物品 21…基材 22…印刷された装飾パターン 23…レンズ状透明樹脂層 24…凹凸部 25…立体表示体 26…取り込まれた気泡 27…段差部 28…盛り上がり 30…装飾物品 31…透明基材 32…底面装飾層

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材とその上方に施された装飾パターン
    保有樹脂層とを含む装飾物品であって、前記装飾パター
    ン保有樹脂層が液状透明樹脂組成物を前記基材上に適用
    し、硬化せしめることによって形成されたものであり、
    その内部に所定のパターンで分散せしめられた色材から
    なる装飾パターンを有することを特徴とする装飾物品。
  2. 【請求項2】 前記装飾パターン保有樹脂層が、前記樹
    脂組成物を前記基材上にその端面が弧を描くように注型
    して樹脂層を形成し、そして、その樹脂層がまだ未硬化
    の状態にある時、装飾パターン形成性の色材を含有する
    ものであって前記液状樹脂組成物と同一もしくは異なる
    組成を有する液状樹脂組成物を前記未硬化の樹脂層上に
    所望のパターンで注型し、そして前記色材が前記樹脂層
    中に所望のパターン深さまで沈降した後に前記樹脂層を
    硬化させることによって形成されたものであることを特
    徴とする請求項1に記載の装飾物品。
  3. 【請求項3】 前記基材の面のうち前記装飾パターン保
    有樹脂層と同じ面にさらに装飾パターンが施されている
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の装飾物品。
  4. 【請求項4】 前記基材の面のうち前記装飾パターン保
    有樹脂層とは反対側の面に接着剤層がさらに施されてい
    ることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載
    の装飾物品。
  5. 【請求項5】 基材とその上方に施された装飾パターン
    保有樹脂層とを含む装飾物品を製造するに当たって、前
    記基材上に液状透明樹脂組成物を適用することによって
    樹脂層を形成し、次いでその樹脂層の内部に装飾パター
    ン形成性色材を所定のパターンで分散せしめることを特
    徴とする装飾物品の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記液状樹脂組成物を前記基材上にその
    端面が弧を描くように注型して樹脂層を形成し、形成さ
    れた樹脂層がまだ未硬化の状態にある時、装飾パターン
    形成性の色材を含有するものであって前記液状樹脂組成
    物と同一もしくは異なる組成を有する液状樹脂組成物を
    前記未硬化の樹脂層上に所望のパターンで注型し、そし
    て前記色材が前記樹脂層中に所望のパターン深さまで沈
    降した後に前記樹脂層を硬化させることを特徴とする請
    求項5に記載の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記樹脂層の硬化を加熱あるいは光照射
    に基づく硬化エネルギーの付与によって実施することを
    特徴とする請求項6に記載の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記基材の面のうち前記装飾パターン保
    有樹脂層と同じ面に装飾パターンを施す工程をさらに含
    むことを特徴とする請求項5〜7項のいずれか1項に記
    載の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記基材の面のうち前記装飾パターン保
    有樹脂層とは反対側の面に接着剤層を施す工程をさらに
    含むことを特徴とする請求項5〜8のいずれか1項に記
    載の製造方法。
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Cited By (5)

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