JPH10249956A - 模造イグサの長尺状畳表 - Google Patents

模造イグサの長尺状畳表

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JPH10249956A
JPH10249956A JP7661097A JP7661097A JPH10249956A JP H10249956 A JPH10249956 A JP H10249956A JP 7661097 A JP7661097 A JP 7661097A JP 7661097 A JP7661097 A JP 7661097A JP H10249956 A JPH10249956 A JP H10249956A
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幸夫 周藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 模造イグサによる畳表を畳床に縫着等の固定
をする場合に、手間な上前カットを予め行ない、畳製造
時の手間を省く。 【解決手段】 プラスチック製の模造イグサを織って構
成した長尺状畳表であって、少なくともその一方の側部
を、小目と通常の織り部との境界から畳縁の幅以内の位
置で予め裁断されたもの。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、模造イグサの畳
表、特に長尺状のものに関するものである。
【0002】
【従来の技術】ここでいう模造イグサとは、天然のイグ
サのような外観を有するものだけでなく、天然のイグサ
のように織ることができ、畳表等に使用できるものすべ
てを言う。
【0003】模造イグサは、天然イグサが有する欠点、
例えば、供給の不安定さ、価格の高騰、ダニ等の害虫の
発生等を解消する目的で開発され、なかでも出願人が開
発し出願もしている模造イグサが優れている。これは、
熱可塑性樹脂製のテープ状体を、狭い加熱部材中を通過
させ、不規則に収束形成し、且つ表面に融着皮膜を形成
したものである。これは、プラスチック製であるため、
前記した天然イグサの持つ欠点はすべて解消しており、
且つ所謂PP花筵(プラスチックの筒状体を織った筵)
が有する吸水性がなくベタベタした感じがする、こしが
無い、風合が天然品とまったく異なる等という欠点も解
消している。
【0004】この従来の模造イグサの製造方法は、イン
フレーション装置からの原料テープを、第1加熱装置を
通過させながら第1ピンチロールで延伸し、第2加熱装
置中に導入する。第2加熱装置によって不規則に収束さ
せる。これを第2ピンチロールで引っ張り、その後の切
断工程に送るものである。切断工程で所定の長さに切断
すれば、完成である。この模造イグサを天然イグサと同
様に織り畳表とするのである。
【0005】上記の模造イグサの畳表は、天然イグサが
持つ種々の欠点を解消し、非常に有用なものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】畳表を織機で織る場
合、イグサ(模造でも天然でも)を左右から縦糸間に移
動させるものである。この時、両端は縦糸間が密になっ
ており、且つ更にその端部には余分な部分が突出してい
る。この密の部分を小目といい、小目の外側の余分な部
分を耳毛という。この小目は畳表のほつれ防止であり必
須のものである。また耳毛は天然イグサの場合には、イ
グサの端部(一般に品質が悪いと考えられる)を使用し
ないためであり、模造イグサの場合には織った後裁断し
ないため、品質(長さ等)のバラツキを吸収するための
もので、これも必須のものである。
【0007】長尺状の畳表を寸法採りした畳床に縫着す
る場合、畳表の一方の小目の部分(上前という)を裁断
し、畳床の一方に合わせて固着する。この端部は縁によ
ってカバーされるため見えない。よって、縁の幅以上に
小目の部分を残すことはできない。
【0008】この畳表縫着時の端部カットが、プラスチ
ック製であるが故に非常に難しく、実際に現場で畳を製
造する作業員(畳職人)の、プラスチック製イグサを使
用する大きな問題点であった。即ち、径が2mm程度のも
のが固着されずに並んでいるものをカッターで1直線状
に切るということはほとんど不可能であり、定規等を当
てても、必ず次第に外側にずれて行くのである。また、
1度カットして短くなると、再度カットすることはより
困難になる。
【0009】この点については、天然のイグサでは簡単
に裁断できるため、天然イグサと比較して著しく作業性
の悪い工程となっている。
【0010】
【課題を解決するための手段】以上のような現状に鑑
み、本発明者は鋭意研究の結果本発明長尺状畳表を完成
したものであり、その特徴とするところは、プラスチッ
ク製の模造イグサを織って構成した長尺状畳表であっ
て、少なくともその一方の側部を、小目と通常の織り部
との境界から畳縁の幅以内の位置で予め裁断された点に
ある。
【0011】畳を製造するに当たっては、通常部屋のサ
イズを測り、それに基づいて1枚づつ寸法を決めて製造
する。よって、畳表も同様であり、予め寸法取りしてお
くことはできない。しかし、おおよその寸法が決まって
いることと、どの畳であっても、床に縫着する前に、上
前部では畳表を一定箇所で裁断することに鑑み本発明を
完成させたものである。
【0012】ここで、プラスチック製の模造イグサと
は、単なるプラスチックの棒状体や筒状体、又は発泡体
等でも、またそれらをフィルム状にして巻き込んだも
の、またプラスチックだけでなく紙等も混入したり、芯
にしたりしたものであり、要するにプラスチックを用い
たもので天然イグサでないものという意味である。
【0013】畳表とは、上記の模造イグサを織って作成
したものであり、その織方はどのようなものでもよく、
天然イグサで現在織られている方法ばかりでなく、まっ
たく新規な織り方でもよい。また、ここでは長尺状のも
のであり、まだ1枚づつの畳にカットされていなもので
ある。通常、10枚程度のものを1ロールにして搬送す
るが、本発明ではその長さは問わない。
【0014】一方の側部とは、耳毛のある即ち織機から
織りだしてくる長手方向に対する側部を言う。本発明に
おいては、通常一方のみを裁断するものであるが、勿
論、両方をカットしておいてもよい。しかし、実際には
製造する畳の寸法によって、再度下前(上前と逆側)は
カットしなければならないためその手間の軽減にはなら
ない。但し、両方裁断すると耳毛の部分がカットされて
いるため、搬送には便利である。
【0015】小目とは、畳表の上記の側部の最外側部に
はほつれ防止のため、通常の幅の約半分以下で縦糸を通
し、織っているが、この幅の小さい部分を言う。小目と
通常の織り部との境界とは、小目と通常の織り部との境
の谷部をいう。畳縁の幅以内とは、上記した通常幅の織
り部と小目の境界部から、畳縁の幅よりも小さい距離以
内という意味で、上記境界部を縁で隠すためである。ま
た、通常は上前部では縁のラインと通常の織り部の谷部
とを合わせる(縁の端部から通常の織り幅が始まる)た
め、上記境界部を縁の端部と合わせると、縁の幅と本発
明の畳表の境界部より外側の幅とでは、必ず縁の幅の方
が大きくなる(縁の幅はほぼ一定であるため)。畳縁の
幅(折り返して畳の表面に表れる部分)は、通常25〜
35mmであり、特殊なものはより細い20〜25m
m、また35〜45mmもある。通常の畳に使用する場
合には、25〜35mmが前記した畳縁の幅ということ
になる。勿論、本発明の畳表の使用法としては、縁の端
部と通常の谷部位置と合わせなくともよい。
【0016】上記の通り、畳表縫着に際しては、上前カ
ットという作業はまったく不要になるのである。
【0017】本発明の裁断位置は、上記した幅で決定す
るもので、それが小目の最初の部分でも2つ目、3つ
目、又は耳毛の部分であってもよい。それは小目の織り
幅や小目の数等によって異なるためである。
【0018】要するに、本発明は長尺状の畳表の一方
(製造時に必ず裁断する部分)を、予め余分な部分が縁
に隠れるように機械的に直線状に裁断しておくことが特
徴であり、どの部分で裁断するかは重要ではない。しか
し、通常の織り部で裁断すると、材料が無駄になり、縁
の幅以上に残して裁断すると、再度現場で裁断しなけれ
ばならないので作業の軽減にならない。
【0019】裁断は、どのような方法で行なってもよい
が、織機の出側でまだ機械によって挟持されている時に
ローラーカッター等で裁断する方法が簡単である。この
方法では、特別の工程が不要であり、且つ確実に直線状
にカットできる。勿論、織機から離れた後に別途カッタ
ーで裁断してもよい。
【0020】また、裁断すると、その部分からほつれる
心配がある場合には、カットした後その端部を熱融着し
ておいてもよい。イグサ自体が熱可塑性プラスチック製
であるため、その利点を生かしてほつれ止めを行なうの
である。更に、カッターを加熱して裁断と融着を同時に
行なうこともできる。勿論、このようなことをせずに通
常にそのまま出荷してもよい。
【0021】また、プラスチック製の模造イグサとし
て、本出願人が開発し特許出願もしているものを用いる
とより効果的である。その模造イグサについて説明す
る。ここで熱可塑性樹脂とは、加熱することによって粘
度が低下し成形可能になる樹脂をいい、ポリプロピレン
等のポリオレフィンがその代表であるが、これら以外の
ものでもよい。また、複数の樹脂を混合したものでもよ
い。この樹脂には、通常混合される、耐候剤、顔料、つ
や消し剤等を混合してもよい。延伸は通常の方法で行な
えばよく、倍率は2〜7倍程度である。
【0022】テープ状体は、どのように製造してもよい
が、インフレーション加工により筒状にしたものを、そ
のまま畳んで2枚にし、それを適当な幅に裁断して用い
るのが好適である。この適当な幅のテープを複数枚を合
わせて加熱部に通過させて1本の模造イグサにする。テ
ープ状体の厚みは、0.005 〜0.05mm程度であり、裁断す
る幅は数mmから20〜50mm程度である。
【0023】このテープ状体には、必須要件ではない
が、多数の凹凸皺を設けるとよい。凹凸皺とは、前記テ
ープ状体の長手方向に平行に存在するような波のような
皺であり、規則的である必要はない。このような皺によ
って、模造イグサに所謂こしの強さと、その間に水分等
を吸収できるため、吸水性を付与することできる。
【0024】狭い空隙とは、テープ状体を単に収束させ
た状態よりも、狭いという程度の意味であり、通常は
1.0〜1.5mm程度である。この値は、出来上がりの
模造イグサの径によって定まるものであり、天然のイグ
サに近いものを製造する場合には、1mm前後である。
【0025】加熱部材は、上記狭い空隙そのものがヒー
ターのように電気で加熱するものでも、狭い空隙の周囲
に加熱部材が存在してもよい。不規則に収束とは、テー
プ状体を規則的に折り畳んだり、巻き込んだりせず、ラ
ンダムに皺をよらせて内部にテープ状体を有する筒状体
にすることをいう。以上の必須の工程以外の工程を追加
したり、他の制御設備用いてもよい。また上記の工程を
1連に行なってもよいが、2工程等に分けて製造しても
よい。即ち中間段階で1度巻取り保管して、その保管し
たものを次の工程に導入するという方法である。
【0026】上記必須の工程以外の工程の例としては、
冷却工程や収束した後の加熱工程等がある。冷却工程と
は、通常は空気冷却であり、冷却風を送るだけである
が、水冷にしてもよい。また、単に放置しておくだけの
方法でもよい。その次の、加熱工程は、80〜100℃
の加熱がよく、熱湯中を通過させるか、熱湯を撒水する
等の方法が好適である。勿論、蒸気で加熱してもよい。
【0027】模造イグサとして、即ち天然イグサに近似
させるためには(勿論、近似させる必要はないが、その
ような場合は)、次の数値が重要である。製品の直径、
充填率、フィルムの厚さ、各テープ状体の幅である。こ
こで、充填率とは、フィルム自体の断面積を出来上がり
のイグサの断面積で除したものであり、イグサの断面に
占めるフィルムの割合である。
【0028】発明者等の実験によると、模造イグサを天
然品に近づけるためには、次の数値が好ましいことが判
明した。 製品の直径は、1.0mm 〜3.0mm 充填率は、50〜90% フィルムの厚みは、5〜50μ 勿論、この範囲に入ることが必須要件ではなく、天然品
に近いものが製造できるという意味であり、天然品との
類似性にこだわらなければ、この範囲に入れる必要はな
い。
【0029】
【発明の実施の形態】以下図面に示す実施の形態に基づ
き本発明をより詳細に説明する。図1は、本発明畳表1
の製造過程を示す概念的な平面図である。この図に示す
ように、畳表の端部2を裁断するのである。
【0030】図2は、畳表1の端部の拡大図平面図であ
る。通常の織り幅部分3、小目4、耳毛5がある。通常
の織り幅部分3と小目4の境界部6が本発明の裁断幅を
決める基準位置である。この図で言うと、境界部6より
も下方で裁断するという意味である。
【0031】図3は、本発明畳表1と縁7を床8に取り
つけるところを示す端部断面図である。この例では、本
発明畳表は小目4を2つ残して裁断されている。そし
て、縁7は境界部6と合わせるように折り返されてい
る。また、残存させているのが、小目二つ分であるた
め、縁7の幅Lよりも小さい。よって、空隙部9が生じ
ている。この場合でも、畳表1縫着時には、上前を裁断
する手間はまったく不要である。
【0032】図4は、図3と同様の図であるが、裁断さ
れた位置が異なる。この例では、境界部6で裁断されて
いる。よって、切断端部を適当な位置において、通常の
織り幅の谷部10に縁の端部がそろうようにする。この
場合には、通常の織り幅の部分が無駄になり、材料的に
は損失である。この例でも、畳表を通常の織り幅の1つ
分だけ左側にずらして、空隙部分を生じさせて縫着して
もよい。
【0033】
【発明の効果】以上詳細に説明した本発明では、次のよ
うな大きな効果がある。 上前が予め裁断されているため、畳店等の畳製造時
における手間が著しく軽減される。 イグサがプラスチック製であり、簡単な道具では難
しく、必要以上裁断されることの多い直線状のカットが
既に施されているため、イグサの無駄がない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明畳表の製造過程を示す概念的な平面図で
ある。
【図2】畳表の端部の拡大平面図である。
【図3】本発明畳表の1例の使用状態を示す端部断面図
である。
【図4】本発明畳表の他の例の使用状態を示す端部断面
図である。
【符号の説明】
1 畳表 2 端部 3 通常の織り幅部分 4 小目 5 耳毛 6 境界部 7 縁 8 床 9 空隙部 10 通常の織り幅の谷部

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プラスチック製の模造イグサを織って構
    成した長尺状畳表であって、少なくともその一方の側部
    を、小目と通常の織り部との境界から畳縁の幅以内の位
    置で予め裁断されたことを特徴とする模造イグサの長尺
    状畳表。
  2. 【請求項2】 該模造イグサは、長手方向に延伸された
    熱可塑性樹脂よりなるテープ状体を、狭い空隙を形成す
    る加熱部材中に通過させることによって、不規則に収束
    形成し、且つ表面に融着皮膜を形成させたものである請
    求項1記載の模造イグサの長尺状畳表。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2002227388A (ja) * 2001-01-30 2002-08-14 Kyokuto Sanki Co Ltd タイル状の畳
JP2002294989A (ja) * 2001-03-29 2002-10-09 Kyokuto Sanki Co Ltd タイル状畳の製法

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JP2002227388A (ja) * 2001-01-30 2002-08-14 Kyokuto Sanki Co Ltd タイル状の畳
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