JPH10249421A - 圧延機の制御装置 - Google Patents

圧延機の制御装置

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JPH10249421A
JPH10249421A JP9053358A JP5335897A JPH10249421A JP H10249421 A JPH10249421 A JP H10249421A JP 9053358 A JP9053358 A JP 9053358A JP 5335897 A JP5335897 A JP 5335897A JP H10249421 A JPH10249421 A JP H10249421A
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JP
Japan
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rolling
tension
value
speed
target value
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JP9053358A
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English (en)
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Kunio Sekiguchi
口 邦 男 関
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Toshiba Corp
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Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 加減速による摩擦係数や圧延材の変形抵抗の
変化に起因するトラブルの発生を未然に防止し、安定な
操業を維持、継続させることのできる圧延機の制御装置
を提供する。 【解決手段】 圧延材の張力を目標値に制御する張力制
御装置、圧延材の板厚を目標値に制御する板厚制御装置
及びロールの速度を目標値に制御する速度制御装置を備
えたものにおいて、外部から与えられる圧延速度に基づ
いて、圧延機のスタンド間張力の目標値を圧延機の圧延
速度の関数として設定する張力目標値設定部と、張力目
標値設定部によって設定された張力目標値を入力し、圧
延荷重が予め定めた圧延荷重制限値を超えないように圧
延機の出側板厚目標値を決定し、さらに出側板厚目標値
に圧延し、且つマスフローバランスを保持するロール開
度設定値とロール速度設定値とを設定する設定値演算部
と、設定値演算部の設定値を入力し、実績圧延速度に応
じてロール速度、圧延材張力及び出側板厚の各設定値を
変更する設定値変更部とを備えたことを特徴とするもの
である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は鋼板等を圧延する圧
延機において、特に加減速時における圧延材の板厚精度
の向上と圧延操業の安定性の向上を達成する圧延機の制
御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】鋼板等を圧延する圧延機において、圧延
材の製品品質の向上や生産性向上に対する要求は益々厳
しくなってきている。圧延材の製品品質や生産性の悪化
をもたらす要因の一つとして圧延機の加減速がある。例
えば、冷間圧延機では圧延機のロール速度によって圧延
材とロールとが接触している面、すなわちロールバイト
内の摩擦係数が変化する。この摩擦係数の変化は圧延荷
重の変化として現れ、圧延機出側板厚や圧延材の平坦度
など製品品質の悪化、さらには圧延材に発生している張
力が変化し、場合によっては圧延材が破断する等の事故
につながることもある。これに対し、摩擦係数の変化を
予測し、圧延機のロール開度を操作し出側板厚を目標値
に保持する制御が行われている。以下にその方法の一例
を説明する。
【0003】圧延荷重Pは次の(1)式に示すように圧
延材の変形抵抗、板厚、摩擦係数などの関数として、公
知の圧延理論式を用いて求めることができる。
【0004】 P=F(W,Km ,H,h,μ,tb ,tf ,R,…) …(1) ただし、 P :圧延荷重 (N) W :板幅 (mm) Km :変形抵抗 (MPa) H :入側板厚 (mm) h :出側板厚 (mm) μ :摩擦係数 (−) tb :後方張力応力 (MPa) tf :前方張力応力 (MPa) R :ワークロール半径 (mm) である。また、出側板厚は次の(2)式で示すようなゲ
ージメータ式で表される。
【0005】
【数1】 ただし、 S:ロール開度 (mm) M:ミル定数 (N/mm) である。
【0006】すなわち、種々の摩擦係数μの値に対して
圧延荷重Pの値を(1)式により求め、これを(2)式
に代入することにより、出側板厚が変わらないようなロ
ール開度を求めることが出来る。
【0007】図7は上記の開度補正を行う従来の圧延機
の制御装置の概略構成図である。同図において圧延材1
は圧延機2で減厚されて製品となる。このとき、圧延機
2のロール開度を制御するためにロール開度制御装置3
が設けられ、圧延機を駆動するために電動機4が設けら
れている。そして、電動機4の回転速度を検出する速度
検出器6の検出値が、図示省略の設定器から与えられる
速度基準に一致するように速度制御装置5が電動機4の
回転速度を制御する。
【0008】一方、圧延速度V、圧延機の入側板厚H及
び出側板厚hの設定値が第1の演算装置7に加えられ
る。第1の演算装置7は摩擦係数の変化に対し、ロール
開度操作量を演算するものである。具体的には、例えば
図8に示すようなロール速度と摩擦係数の関係を用い、
複数のロール速度Vj (j=1〜n)における摩擦係数
μj (j=1〜n)の値をまず求める。このVj の範囲
は、実際に行われる圧延速度の範囲を当然カバーしてい
る。そして、求めた摩擦係数μj を(1)式に代入し圧
延荷重Pj (j=1〜n)を求め、更に(2)式によ
り、出側板厚hを目標値とした場合のロール開度S
j (j=1〜n)を算出する。第1の演算装置7は上記
の演算を圧延開始前に行い、ロール速度Vj とロール開
度Sj とを第2の演算装置8に加える。
【0009】圧延開始後、第2の演算装置8は速度検出
器6の信号を用いロール速度実績値を検出する。更に第
1の演算装置7から送られたVj とSj の関係から、例
えば、直線補間等で前記ロール速度実績値に対応するロ
ール開度を決定しロール開度制御装置3に加える。ロー
ル開度制御装置3は第2の演算装置の指令に従いロール
開度を操作することにより出側板厚を目標値に保持でき
る。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】図9は(1)式と
(2)式の関係を示した線図である。図9においてA点
はロール速度VA における圧延状態であり、圧延荷重と
してPA が発生し出側板厚はhA になるように圧延され
ている。いまロール速度がVB に低下すると、摩擦係数
が大きくなるため圧延状態はB点に移動する。すなわ
ち、圧延荷重はPB と大きくなり、出側板厚もhB へと
厚くなる。図7に示した制御装置は出側板厚hBを元の
A に保持するべくロール開度をSA からSB へ修正す
る。この結果、圧延荷重はPC となり、PB より更に大
きな値となる。
【0011】この圧延荷重の増大は圧延機のロールの軸
芯たわみを大きくする。ロールの軸芯たわみはロール開
度のロール軸方向分布が変わることとなり、圧延材の板
幅方向の厚み分布(板クラウン)や伸びの分布(平坦
度)が変化することになる。板クラウンや平坦度を制御
するためのアクチュエータとしては、ロール端部に上下
方向の力を加えてロール軸芯たわみに変化を与えるロー
ルベンディング装置などがある。しかし、このような装
置にも設備制限などにより制御限界があるため、圧延荷
重の過大な変化に対しては制御できない場合が生じる。
特に平坦度が悪化すると板破断などの事故に繋がる恐れ
があり、特に低速時における圧延荷重の増大は、解決す
べき大きな課題であった。
【0012】本発明は上記の課題を解決するためになさ
れたもので、加減速による摩擦係数や圧延材の変形抵抗
の変化に起因するトラブルの発生を未然に防止し、安定
な操業を維持、継続させることのできる圧延機の制御装
置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の圧延機
の制御装置は、圧延材の張力を目標値に制御する張力制
御装置、圧延材の板厚を目標値に制御する板厚制御装置
及びロールの速度を目標値に制御する速度制御装置を備
えたものにおいて、外部から与えられる圧延速度に基づ
いて、圧延機のスタンド間張力の目標値を圧延機の圧延
速度の関数として設定する張力目標値設定部と、張力目
標値設定部によって設定された張力目標値を入力し、圧
延荷重が予め定めた圧延荷重制限値を超えないように圧
延機の出側板厚目標値を決定し、さらに出側板厚目標値
に圧延し、且つマスフローバランスを保持するロール開
度設定値とロール速度設定値とを設定する設定値演算部
と、設定値演算部の設定値を入力し、実績圧延速度に応
じてロール速度、圧延材張力及び出側板厚の各設定値を
変更する設定値変更部と、を備えたことを特徴とするも
のである。
【0014】請求項2に記載の圧延機の制御装置は、圧
延材の張力を目標値に制御する張力制御装置と圧延時の
圧延荷重を目標値に制御する圧延荷重制御装置とを備え
たものにおいて、外部から与えられる圧延速度に基づい
て、圧延機のスタンド間張力の目標値を圧延機の圧延速
度の関数として設定する張力目標値設定部と、張力目標
値設定部の設定値を入力し、実績圧延速度に応じて張力
目標値を張力制御装置に加えると共に、圧延荷重実績値
が予め定めた制限値を超えた時点から圧延荷重制御装置
を動作させる設定値変更部と、を備えたことを特徴とす
るものである。
【0015】請求項3に記載の圧延機の制御装置は、圧
延材の張力を目標値に制御する張力制御装置と圧延時の
圧延荷重を目標値に制御する圧延荷重制御装置とを備え
たものにおいて、外部から与えられる圧延速度に基づい
て、圧延機のスタンド間張力の目標値を圧延機の圧延速
度の関数として設定する張力目標値設定部と、張力目標
値設定部によって設定された張力目標値を入力し、圧延
荷重が予め定めた圧延荷重制限値を超えないように圧延
機の出側板厚目標値を決定し、さらに出側板厚目標値に
圧延し、且つマスフローバランスを保持するロール開度
設定値とロール速度設定値とを設定する設定値演算部
と、実績圧延速度に応じて張力目標値とロール速度設定
値とを出力すると共に、圧延荷重実績値が予め定めた制
限値を超えた時点から圧延荷重制御装置を動作させる設
定値変更部と、を備えたことを特徴とするものである。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の課題である低速時
の圧延荷重の増大を抑える原理説明をした後で、本発明
の実施形態の構成及びその動作について説明する。図4
(a),(b)は図9と同様に(1),(2)式の関係
を示している。いま図4(a)に示したように、B点の
圧延状態において圧延機の後方張力及び前方張力の少な
くとも一方の張力を増加させると圧延状態はB′点に移
行した後、D点に移行するため、圧延荷重はC点の圧延
荷重PC よりも低いPD となる。従って出側板厚hA
保持するためのロール開度はSD であり、圧延状態をC
点に移動させた場合のロール開度SC よりも少ないロー
ル開度の修正によって圧延荷重を制限値以下に抑えると
いう目的が達成される。
【0017】このように後方あるいは前方張力を増加す
ることが圧延荷重低減の1つの方法ではある。しかし、
圧延材に印加される張力の増加にも限度があり、ある制
限値以内での変更となる。そこで張力を変更することに
よって圧延荷重を制限値以下に抑えることが出来ない場
合にはロール開度を変更して圧延荷重の増加を防止す
る。図4(b)にその状態を示す。すなわち圧延荷重を
E 以下に抑えようとすれば、ロール開度設定値をSD
からSE に変更することによって達成できる。このと
き、出側板厚はhA からhE に厚くなり目標値が確保で
きないが、ここでは板破断などのトラブルを回避するこ
とを優先し、むしろ板厚が厚くなったことで破断の危険
性は低下する。
【0018】一方、摩擦係数の変化は先進率をも変化さ
せる。安定な圧延を維持するためにはマスフロー一定則
を確保する必要がある。例えばタンデム圧延機の場合、
次の(3)〜(5)式が成り立つように各スタンドのロ
ール速度を操作する必要がある。 U=hi ・Voi=c(一定) …(3) Voi=Vi (1+fi ) …(4) fi =F(Hi ,hi ,tbi,tfi,μi ,Kmi,…) …(5) ただし Vo :出側板速度 f :先進率 i :スタンド番号 である。
【0019】(5)式に示すように先進率は板厚、張
力、摩擦係数などの関数として表される。従って、ロー
ル速度の変更による摩擦係数の変化や前述の張力及び出
側板厚の変更は先進率の変化となって現れ、マスフロー
一定則を維持するためにはロール速度の変更が必要にな
る。すなわち本発明は、前述の張力、ロール開度の操作
と共にロール速度を操作し、低速圧延時における圧延荷
重の増大を防止すると共に、安定な圧延操業を維持する
ものである。
【0020】次に3スタンドタンデム圧延機を例に、張
力、ロール開度及びロール速度の操作方法について説明
する。図5(a),(b)は各スタンドの摩擦係数μの
変化とスタンド間張力tの変更方法の一例を示したもの
である。図5(a),(b)の横軸は各スタンドの定格
速度に対する百分率(%)圧延速度を示す。この場合、
摩擦係数の変化は図5(a)に示したように通常は上流
スタンドほど大きい。スタンド間張力目標値は、摩擦係
数が大きくなる、ある圧延速度より低速の領域で大きく
することによって圧延荷重の上昇を防止する。図中の
(1)〜(7)は後述するドラフトスケジュール及び設
定値計算の圧延速度である。
【0021】ここで、ドラフトスケジュール、すなわち
各スタンドの出側板厚目標値の決定は、公知の技術とし
て、各スタンドの圧延動力の配分を規定する方法や圧延
荷重の配分を規定する方法などがある。従来はトップ速
度におけるドラフトスケジュールを種々の制約条件のも
とで決定し、全圧延速度範囲でこのドラフトスケジュー
ルを維持することを目的として種々の制御が行われてい
た。本発明は従来の方法とは異なり、全圧延速度範囲の
うちで、複数の圧延速度、例えば図5の(1)〜(7)
についてそれぞれドラフトスケジュールを計算する。計
算には図5に示した張力値を用い、トップ速度以外の速
度においても各スタンドの出側板厚はトップ速度におけ
る値を維持することを基本とするが、圧延荷重が制限値
を超えた場合にはドラフトスケジュールすなわち出側板
厚を変更して圧延荷重の増大を防止する。
【0022】図6は図5におけるロール速度(1),
(3)及び(6)の圧延荷重の配分例を示す。図6の
(1)はトップ速度における圧延荷重配分である。また
(3)及び(6)は各スタンドの出側板厚をトップ速度
のときと同じとしたときの圧延荷重配分を示す。前述し
たように摩擦係数の変化はロール速度が低い場合ほど大
きいので上流スタンドほど圧延荷重の増加量は大きくな
る。図6中のラインAは各スタンドの出側の圧延材の平
坦度が悪化しない圧延荷重の上限である。すなわちこの
上限値を超えると、平坦度制御用アクチュェータの能力
を超えてしまい、平坦度が悪化して破断などの事故につ
ながる虞れがある。
【0023】(1)及び(3)の圧延荷重配分の状態は
この制限値以下であるので問題はない。しかし、さらに
圧延速度が下がり(6)のような圧延荷重配分になると
第1のスタンドの圧延荷重が制限値を超えてしまう。本
発明はこのような場合、第1スタンドの出側板厚目標値
を厚くする方向に変更し圧延荷重を制限値以下に下げ
る。更に第2スタンドの入り側板厚が厚くなることか
ら、第2スタンドの出側板厚も圧延荷重を制限値以下と
するため変更することもあり得る。
【0024】さらに、最終スタンドである第3スタンド
の圧延荷重も制限値を超えた場合には、製品板厚である
第3スタンドの出側板圧目標値も変更することもある。
【0025】このように求めた各スタンド出側板厚目標
値と圧延荷重から(2)式によってロール開度設定値を
算出すると共に、(3),(4),(5)式からマスフ
ロー一定則が実現できる各スタンドのロール速度設定値
を、図8の(1)〜(7)の圧延速度について演算す
る。
【0026】本発明は上記の原理説明に従って求めた張
力目標値、出側板厚目標値、ロール開度設定値、ロール
速度設定値及び圧延荷重の全てもしくは一部を用いて上
記課題を解決するものである。
【0027】以下、本発明の実施形態について説明す
る。図1は本発明の第1の実施形態の構成を、圧延系統
と併せて示したブロック図である。同図において、圧延
材1は圧延スタンド10,11,12において順次圧延
される。圧延スタンド10,11,12はそれぞれ電動
機16,17,18によって駆動される。これらの電動
機16,17,18は速度制御装置19,20,21に
よって基準値に一致するようにその回転数が制御され
る。速度制御装置19,20,21の基準値はスタンド
速度設定器22,23,24と主速度設定器25によっ
て設定される。スタンド速度設定器22,23,24は
マスフロー一定則を実現するための各スタンドのロール
速度比を設定する設定器であり、基準スタンド、ここで
は、第3スタンド12のロール速度に対応して自スタン
ドのロール速度の比率が設定される。また主速度設定器
25は圧延機全体の速度すなわち圧延速度を設定する設
定器で、加減速は主速度設定器25の出力を変更するこ
とによって行われる。
【0028】一方、圧延スタンド10,11,12のロ
ール開度は、ロール開度制御装置13,14,15によ
って基準値に一致するように制御される。圧延スタンド
10と11の間に厚み計29が設けられ、第1スタンド
10の出側板厚を検出して板厚制御装置26に加えてい
る。板厚制御装置26は目標板厚hl REF と厚み計29
の検出値とを比較し、その偏差が零になるように第1ス
タンド10のロール開度操作量を演算しロール開度制御
装置13に加える。ロール開度制御装置13は板厚制御
装置26からの操作量に従いロール開度を操作する。こ
れによって第1スタンド10の出側板厚は目標値に制御
される。
【0029】また、圧延スタンド10と11の間に張力
計30が設けられ、そのスタンド間の圧延材に発生して
いる張力を検出して張力制御装置27に加える。張力制
御装置27は張力目標値Tl2 REF と張力計30の検出値
とを比較し、その偏差を低減する圧延スタンド11のロ
ール開度操作量を演算しロール開度制御装置14に加え
る。ロール開度制御装置14は張力制御装置27からの
指令に基づき圧延スタンド11のロール開度を制御す
る。さらに、圧延スタンド11と12の間に張力計31
が設けられ、そのスタンド間の圧延材に発生している張
力を検出し張力制御装置28に加える。張力制御装置2
8は張力目標値T23 REF と張力計31の検出値とを比較
し、その偏差を低減する圧延スタンド12のロール開度
操作量を演算しロール開度制御装置15に加える。ロー
ル開度制御装置15は張力制御装置28からの指令に基
づき圧延スタンド11およひ12のロール開度を制御す
る。これによってスタンド間の張力は目標値に制御され
る。このようなタンデム圧延機において加減速を伴った
圧延が行われる場合、以下の方法で安定な操業を実現す
る。
【0030】先ず、張力目標値設定部32は入力される
各スタンドのロール速度に基づいて、図5に示すよう
に、スタンド間張力目標値をロール速度の関数として設
定する。また、設定値演算部33は、複数の圧延速度に
おける張力目標値を張力目標値設定部32から入力し、
前述した如く複数の圧延速度の全てに対して各スタンド
の圧延荷重が制限値(図6のラインA)以下となるドラ
フトスケジュールを決定し、さらにロール開度設定値及
びロール速度設定値を圧延前に決定し、各スタンドの出
側板厚目標値、スタンド間張力目標値及び圧延荷重制限
値と共に設定値変更部34に加える。設定値変更部34
には主速度設定器25の速度設定値が入力されている。
圧延時、設定値変更部34は主速度設定器25の出力に
より現在の圧延速度を知ることができる。この圧延速度
の現在値に応じ、設定値演算部33から予め設定された
各設定値を用いて設定する。設定値計算部33での計算
対象となった圧延速度以外の速度における各設定値、例
えば、図5において(1)と(2)の間の圧延速度につ
いては(1)と(2)の設定値の直線補間によって決定
する。
【0031】図1の実施形態では、設定値変更部34が
第1スタンドの板厚制御装置26に対する目標値hl
REF 、張力制御装置27,28の張力目標値Tl2 REF
23 RE F を出力すると共に、各スタンドのロール開度制
御装置13,14,15に対するロール開度補正値
l ,S2 ,S3 ,第1及び第2スタンドのスタンド速
度設定器22,23に対する速度補正値SRl 、SR2
を出力する。ここでSRl ,SR2 は次の(6),
(7)式で演算される。
【0032】
【数2】 ただし、 Vi REF :iスタンドのロール速度の基準値 である。
【0033】かくして、図1に示す第1の実施形態によ
れば、加減速時の摩擦係数や圧延材の変形抵抗などの変
化による圧延荷重の変化、特に低速圧延時の増大を防止
でき、安定な圧延操業を維持することができる。
【0034】図2は本発明の第2の実施形態の構成を、
圧延系統と併せて示したブロック図である。図中、図1
と同一の要素には同一の符号を付してその説明を省略す
る。同図において、3スタンドのタンデム圧延機のう
ち、第1スタンドと第2スタンドに圧延荷重制御が適用
されている。すなわち、第1スタンドが圧延荷重制御装
置40及び圧延荷重検出器42を備え、圧延荷重制御装
置40は圧延荷重検出器42で検出された圧延荷重の実
績値と目標値P1 REF とを比較し、その偏差が零になる
ようにロール開度操作量を演算し、ロール開度制御装置
13に加える。同様に、第2スタンドが圧延荷重制御装
置41及び圧延荷重検出器43を備え、圧延荷重制御装
置41は圧延荷重検出器43で検出された圧延荷重の実
績値と目標値P2 REF とを比較し、その偏差が零になる
ようにロール開度操作量を演算し、ロール開度制御装置
14に加える。ロール開度制御装置13及び14は、圧
延荷重制御装置からの信号に応じてロール開度を操作す
る。これにより第1及び第2スタンドの圧延荷重は目標
値に制御される。
【0035】また、圧延スタンド10と11の間の張力
を制御する張力制御装置46と、圧延スタンド11と1
2の間の張力を制御する張力制御装置47とを備えてい
る。このうち、張力制御装置46は張力計30によって
検出された張力実績値と張力目標値Tl2 REF とを比較
し、その偏差を零にするロール速度操作量を演算して速
度制御装置19に加える。張力制御装置47は張力計3
1によって検出された張力実績値と張力目標値T23 REF
とを比較し、その偏差を零にするロール速度操作量を演
算して速度制御装置20に加える。これによって第1ス
タンドと第2スタンドのロール速度は修正され、スタン
ド間張力は目標値に制御される。
【0036】さらに、第3スタンドの出側には、その出
側板厚偏差を検出する厚み計45がが設けられ、ここで
検出された板厚偏差が板厚制御装置44に送られる。板
厚制御装置44はこの板厚偏差が零になるように第3ス
タンドのロール開度操作量を演算し、第3スタンドロー
ル開度制御装置15に加える。これによって第3スタン
ドのロール開度は修正され、第3スタンド出側板厚は目
標値に制御される。
【0037】このようなタンデム圧延機において加滅速
を伴った圧延が行われる場合、以下の方法で安定な操業
を実現する。先ず、張力目標値設定部32及び設定値演
算部33は図1を用いて説明したと全く同様な動作を行
う。すなわち、圧延前に出側板厚目標値、張力目標値、
圧延荷重制限値、ロール開度設定値及びロール速度設定
値を演算し設定値変更部48に加える。設定値変更部4
8には主速度設定器25の圧延機全体の速度設定信号が
入力され、この信号により現在圧延速度を検出する。設
定値変更部48はこの圧延速度の現在値に応じてスタン
ド間張力の目標値Tl2 REF ,T23 REF を決定し、それぞ
れ張力制御装置46及び47に加える。張力制御装置4
6及び47は設定値変更部48にて設定された張力目標
値Tl2 REF ,T23 REF に制御すべく第1スタンド及び第
2スタンドのロール速度を操作する。
【0038】一方、設定値変更部48には圧延荷重検出
器42及び43で検出された圧延荷重実績値が入力され
る。設定値変更部48は、設定値演算部33より送られ
た圧延荷重制限値と圧延荷重実績値を比較し、圧延荷重
実績値が制限値を超えたタイミングで圧延荷重制御装置
40及び41に制限値もしくはそれより低い圧延荷重目
標値を設定する。圧延荷重制御装置40及び41は、圧
延荷重目標値が設定された時点から制御を開始し、第1
及び第2スタンドの圧延荷重を制御する。
【0039】かくして、図2に示した第2の実施形態に
よればロール速度を操作する張力制御とロール開度を操
作する圧延荷重制御のみによって加減速に伴う圧延荷重
の増大とマスフローの乱れを制御でき、安定な圧延操業
が容易に実現できる。
【0040】図3は本発明の第3の実施形態の構成を、
圧延系統と併せて示したブロック図である。図中、図2
と同一の要素には同一の符号を付してその説明を省略す
る。この図3に示した施形態と図2に示した実施形態と
の違いは、設定値変更部50によってスタンド速度設定
器22及び23の設定値をも変更することにある。すな
わち図2に示した実施形態ではマスフローバランスの保
持はロール速度を操作する張力制御装置のみで実施する
が、この実施形態ではスタンド速度設定器の設定値を変
更することによって張力制御装置の負担が軽くなり、急
な加減速に対してもマスフローバランスを容易に保つこ
とができ安定な圧延操業が実現できる。
【0041】
【発明の効果】以上の説明によって明らかなように、本
発明によれば加減速時の摩擦係数や圧延材の変形抵抗な
どの変化による圧延荷重の変化、特に低速圧延時の増大
を防止でき、安定な圧延操業が維持できる。これにより
板破断などの事故が低減されることになり、生産性の向
上が図られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態の構成を、圧延系統と
併せて示したブロック図。
【図2】本発明の第1の実施形態の構成を、圧延系統と
併せて示したブロック図。
【図3】本発明の第1の実施形態の構成を、圧延系統と
併せて示したブロック図。
【図4】本発明の原理を説明するために、圧延荷重と板
厚およびロール開度との関係を示した線図。
【図5】本発明の原理を説明するために、摩擦係数と圧
延速度の関係、張力と圧延速度との関係をそれぞれ示し
た線図。
【図6】本発明の原理を説明するために、複数のスタン
ドにおける圧延荷重の変化を示した線図。
【図7】従来の圧延機の制御装置の概略構成図。
【図8】図7に示した従来の圧延機の制御装置の動作を
説明するために、摩擦係数とロール速度との関係を示し
た線図。
【図9】図7に示した従来の圧延機の制御装置の動作を
説明するために、圧延荷重と板厚およびロール開度との
関係を示した線図。
【符号の説明】
10,11,12 圧延スタンド 13,14,15 ロール開度制御装置 16,17,18 電動機 19,20,21 速度制御装置 22,23,24 スタンド速度設定器 25 主速度設定器 26 板厚制御装置 27,28 張力制御装置 29,45 厚み計 30,31 張力計 32 張力目標値設定部 33 設定値演算部 34,48,50 設定値変更部 40,41 圧延荷重制御装置 42,43 圧延荷重検出器 44 板厚制御装置 46,47 張力制御装置

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】圧延材の張力を目標値に制御する張力制御
    装置、圧延材の板厚を目標値に制御する板厚制御装置及
    びロールの速度を目標値に制御する速度制御装置を備え
    た圧延機の制御装置において、 外部から与えられる圧延速度に基づいて、前記圧延機の
    スタンド間張力の目標値を前記圧延機の圧延速度の関数
    として設定する張力目標値設定部と、 前記張力目標値設定部によって設定された張力目標値を
    入力し、圧延荷重が予め定めた圧延荷重制限値を超えな
    いように前記圧延機の出側板厚目標値を決定し、さらに
    前記出側板厚目標値に圧延し、且つマスフローバランス
    を保持するロール開度設定値とロール速度設定値とを設
    定する設定値演算部と、 前記設定値演算部の設定値を入力し、実績圧延速度に応
    じてロール速度、圧延材張力及び出側板厚の各設定値を
    変更する設定値変更部と、 を備えたことを特徴とする圧延機の制御装置。
  2. 【請求項2】圧延材の張力を目標値に制御する張力制御
    装置と圧延時の圧延荷重を目標値に制御する圧延荷重制
    御装置とを備えた圧延機の制御装置において、 外部から与えられる圧延速度に基づいて、前記圧延機の
    スタンド間張力の目標値を前記圧延機の圧延速度の関数
    として設定する張力目標値設定部と、 前記張力目標値設定部の設定値を入力し、実績圧延速度
    に応じて張力目標値を前記張力制御装置に加えると共
    に、圧延荷重実績値が予め定めた制限値を超えた時点か
    ら前記圧延荷重制御装置を動作させる設定値変更部と、 を備えたことを特徴とする圧延機の制御装置。
  3. 【請求項3】圧延材の張力を目標値に制御する張力制御
    装置と圧延時の圧延荷重を目標値に制御する圧延荷重制
    御装置とを備えた圧延機の制御装置において、 外部から与えられる圧延速度に基づいて、前記圧延機の
    スタンド間張力の目標値を前記圧延機の圧延速度の関数
    として設定する張力目標値設定部と、 前記張力目標値設定部によって設定された張力目標値を
    入力し、圧延荷重が予め定めた圧延荷重制限値を超えな
    いように前記圧延機の出側板厚目標値を決定し、さらに
    前記出側板厚目標値に圧延し、且つマスフローバランス
    を保持するロール開度設定値とロール速度設定値とを設
    定する設定値演算部と、 実績圧延速度に応じて張力目標値とロール速度設定値と
    を出力すると共に、圧延荷重実績値が予め定めた制限値
    を超えた時点から前記圧延荷重制御装置を動作させる設
    定値変更部と、 を備えたことを特徴とする圧延機の制御装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007289990A (ja) * 2006-04-24 2007-11-08 Kobe Steel Ltd 圧延装置の板厚制御方法と圧延装置
JP2009090348A (ja) * 2007-10-10 2009-04-30 Kobe Steel Ltd 冷間圧延における板厚制御方法
JP2011036887A (ja) * 2009-08-11 2011-02-24 Kobe Steel Ltd 圧延装置での張力制御方法及び圧延装置
JP2014018845A (ja) * 2012-07-20 2014-02-03 Jfe Steel Corp 圧延機および圧延機の制御方法

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