JPH10246598A - 旋回流式異物・洗浄体分離装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】復水器細管洗浄装置において、洗浄用洗浄体の
常時回収方式の場合、異物により洗浄体の計数誤差が生
じる恐れがあった。 【解決手段】旋回流により異物と洗浄体に浮上力を与え
た後、比重差により異物と洗浄体を分離する旋回流式異
物・洗浄体分離装置により、異物を系外に排出し、洗浄
体のみを洗浄体計数器に送り、計数の信頼性を向上させ
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、火力，原子力プラ
ントの構成機器の１つである復水器の細管を洗浄体を通
過させて洗浄する復水器細管洗浄装置の異物・洗浄体分
離装置に係り、特に、旋回流と比重差を利用して異物と
洗浄体を分離し、異物を系外に排出し、洗浄体を計数器
に送る旋回流式異物・洗浄体分離装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】図３に従来の復水器細管洗浄装置を示
す。従来の復水器細管洗浄装置２０は、復水器２１，循
環水２２，洗浄体投入管２３，復水器細管２４，洗浄体
捕集器２５，洗浄体取出管２６，洗浄体循環ポンプ２
７，洗浄体分流弁２８，バイパス系統２９，洗浄体計数
器３０，洗浄体回収器３１，洗浄体含水器３２，洗浄体
１０から構成され、１日１回の頻度で洗浄を行ってい
た。細管洗浄は一定時間で終了するが、洗浄体の回収は
常時行い、格子停滞洗浄体，復水器外残留洗浄体を１０
０％捕集し、洗浄体の系外への漏洩をなくすようにして
いた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】前記従来技術では、細
管洗浄を１日１回の頻度で行い、洗浄体の回収を常時行
うため、格子停滞洗浄体，復水器他残留洗浄体の系外に
排出する恐れはなくなったが、系内で成長した貝などの
海棲生物が洗浄系に入り、洗浄体計数器を誤動作させ、
正確な計数ができず、また、異物を再循環する恐れがあ
った。

【０００４】

【課題を解決するための手段】復水器細管洗浄装置にお
いて、常時回収を行う場合の洗浄体の計数誤差をなく
し、異物の再循環を防ぐことを目的として以下の手段に
より解決する。

【０００５】（１）異物と洗浄体に下側から上方に向か
う旋回力を与えた後、比重差により分離し、異物を系外
に排出し、洗浄体を計数器に送る。

【０００６】（２）旋回流式異物・洗浄体分離装置を、
異物・洗浄体入口管，旋回分離室，旋回装置，異物出口
管，洗浄体出口管などで構成する。

【０００７】（３）異物・洗浄体入口管，旋回装置，異
物出口管を旋回分離室の下部に取り付け、洗浄体出口管
を旋回分離室の上部に取り付け異物と洗浄体を分離す
る。

【０００８】

【発明の実施の形態】図１に本発明の復水器細管洗浄装
置に適用する旋回流式異物・洗浄体分離装置の構成を示
す。１は異物・洗浄体入口管、２は旋回分離室、３は旋
回装置、４は旋回流発生用羽、５は旋回流発生用モー
タ、６は異物排出用の異物出口管、７は洗浄体回収用の
洗浄体出口管、８は旋回分離室の下部（底板）、９は異
物、１０は洗浄体、１１は覗き窓、１２は旋回流であ
る。ここでは、旋回流式異物・洗浄体分離装置の構成を
分かり易く説明するために、外側の旋回分離室と異物・
洗浄体入出口管を太い線で示し、さらに、透明にして示
した。実際は鉄などの材料が用いられるので、覗き窓１
１以外の所から中を見ることはできない。

【０００９】異物・洗浄体入口管１は洗浄体捕集器に接
続されており、復水器細管の洗浄に使用した洗浄体１０
は洗浄体捕集器で集められ、異物・洗浄体入口管１を通
して送られ、旋回分離室２に流入する。旋回分離室２内
では下部に設けられた旋回装置５により異物９と洗浄体
１０に旋回力を与え、浮上させる。浮上後、異物９は重
いため下部８に沈殿し、洗浄体１０は軽いため上部に浮
上する。そこで、下部８に沈殿した異物９は異物出口管
６から系外に排出され、洗浄体１０は洗浄体出口管７に
導かれ、計数器の方に向かう。

【００１０】異物・洗浄体入口管１は旋回分離室２の下
部８に上向きに取り付けられ、流入時にも異物９と洗浄
体１０に浮力が作用し、これに、下部８に取り付けた旋
回装置３により発生される上向きの旋回流とを重畳し、
さらに、異物９と洗浄体１０に浮力が作用し、効果が大
きくなる。なお、異物９は、洗浄系統内に入り込んで成
長した貝などの海棲生物である。

【００１１】図２は本発明の旋回流式異物・洗浄体分離
装置を備えた復水器細管洗浄装置を示す。４０は復水器
細管洗浄装置、２１は復水器、２２は循環水、２３は洗
浄体投入管、２４は復水器細管、２５は洗浄体捕集器、
２６は洗浄体取出管、２７は洗浄体循環ポンプ、２８は
洗浄体分流弁、２９はバイパス系統、３０は洗浄体計数
器、３１は洗浄体回収器、３２は洗浄体含水器、１０は
洗浄体、３４は本発明の旋回流式異物・洗浄体分離装置
である。洗浄時はバイパス系統２９により一定時間洗浄
し、洗浄終了後は洗浄体分流弁２８を切換え、旋回流式
異物・洗浄体分離装置３４により異物を系外に排出し、
洗浄体１０のみを洗浄体計数器３０に送り計数する。こ
れにより、貝などの異物による誤計数をなくし、信頼性
の向上を図ることができる。

【００１２】上述のように旋回流式異物・洗浄体分離装
置を復水器細管洗浄装置の洗浄体計数器の前に取り付
け、貝などの異物と洗浄体を分離し、洗浄体のみを計数
するようにしたことにより、計数の信頼性の向上が図
れ、また、異物を系外に排出することにより、洗浄体常
時回収にともなう海棲生物の再循環をなくすことが可能
となった。

【００１３】

【発明の効果】復水器細管洗浄装置に流入する異物と洗
浄用洗浄体を分離することを目的として、異物と洗浄体
に旋回浮上力を与え、比重差を利用して洗浄体を取出
し、異物を系外に排出する旋回流式異物・洗浄体分離装
置の提供が可能となった。これにより、洗浄体常時回収
方式の洗浄体計数の信頼性向上が可能となった。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の旋回流式異物・洗浄体分離装置の構成
を示す。

【図２】本発明の旋回流式異物・洗浄体分離装置を備え
た復水器細管洗浄装置を示す。

【図３】従来の復水器細管洗浄装置を示す。

【符号の説明】

１…異物・洗浄体入口管、２…旋回分離室、３…旋回装
置、４…羽、５…モータ、６…異物出口管、７…洗浄体
出口管、８…旋回分離室の下部（底板）、９…異物、１
０…洗浄体、１１…覗き窓、１２…旋回流、２０…復水
器細管洗浄装置、２１…復水器、２２…循環水、２３…
洗浄体投入管、２４…復水器細管、２５…洗浄体捕集
器、２６…洗浄体取出管、２７…洗浄体循環ポンプ、２
８…洗浄体分流弁、２９…バイパス系統、３０…洗浄体
計数器、３１…洗浄体回収器、３２…洗浄体含水器、３
４…旋回流式異物・洗浄体分離装置、４０…復水器細管
洗浄装置。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 今 英樹 神奈川県横須賀市船越町一丁目284番地の ５ 日立機械エンジニアリング株式会社内 (72)発明者 本間 俊二 神奈川県横須賀市船越町一丁目284番地の ５ 日立機械エンジニアリング株式会社内 (72)発明者 雨堤 祥二 茨城県日立市幸町三丁目１番１号 株式会 社日立製作所日立工場内

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】復水器細管を洗浄体を用いて洗浄する復水
   器細管洗浄装置において、異物と洗浄体を下側から上方
   に向かって旋回する旋回流内に流入し、該旋回流により
   該異物と該洗浄体に浮力を与えた後、比重差により該異
   物と該洗浄体を分離し、下側に沈殿した該異物を系外に
   排出し、上側に浮上した該洗浄体を計数器に送ることを
   特徴とする旋回流式異物・洗浄体分離装置。
2. 【請求項２】請求項１記載の旋回流式異物・洗浄体分離
   装置において、異物・洗浄体入口管，異物と洗浄体に旋
   回流を与えて比重差により分離する旋回分離室，該旋回
   分離室内において旋回流を発生する旋回装置，沈殿した
   異物を排出する異物出口管，浮上した洗浄体を回収する
   洗浄体出口管から構成されることを特徴とする旋回流式
   異物・洗浄体分離装置。
3. 【請求項３】請求項１，２記載の旋回流式異物・洗浄体
   分離装置において、異物・洗浄体入口管，旋回装置，異
   物出口管を旋回分離室の下部（底板）に取り付け、洗浄
   体出口管を旋回分離室の上部に取り付けることを特徴と
   する旋回流式異物・洗浄体分離装置。