JPH10246336A - シール構造 - Google Patents
シール構造Info
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- JPH10246336A JPH10246336A JP9052727A JP5272797A JPH10246336A JP H10246336 A JPH10246336 A JP H10246336A JP 9052727 A JP9052727 A JP 9052727A JP 5272797 A JP5272797 A JP 5272797A JP H10246336 A JPH10246336 A JP H10246336A
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Landscapes
- Sealing With Elastic Sealing Lips (AREA)
- Sealing Devices (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 オイルシール部における潤滑性能を向上させ
ることを可能にするとともに、分解組付性にも優れて、
充分な軸支強度をも確保できる簡素な構造のシール構造
を提供することを目的とするものである。 【解決手段】 軸部材1と該軸部材1に同軸にて摺接回
転して軸支される筒部材2との間に形成された環状溝1
2にオイルシール4が配置されたシール構造において、
前記オイルシール4が前記筒部材2の内周部に圧入され
た筒状リテーナ3の内周部に装着されたことを特徴とす
るものである。
ることを可能にするとともに、分解組付性にも優れて、
充分な軸支強度をも確保できる簡素な構造のシール構造
を提供することを目的とするものである。 【解決手段】 軸部材1と該軸部材1に同軸にて摺接回
転して軸支される筒部材2との間に形成された環状溝1
2にオイルシール4が配置されたシール構造において、
前記オイルシール4が前記筒部材2の内周部に圧入され
た筒状リテーナ3の内周部に装着されたことを特徴とす
るものである。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、軸部材と該軸部材
に同軸にて摺接回転して軸支される筒部材との間に形成
された環状溝にオイルシールが配置されたシール構造に
関し、エンジンからの駆動力を前後にトルク配分するト
ランスファーにおける多筒軸支構造部等にも採用できる
シール構造に関するものである。
に同軸にて摺接回転して軸支される筒部材との間に形成
された環状溝にオイルシールが配置されたシール構造に
関し、エンジンからの駆動力を前後にトルク配分するト
ランスファーにおける多筒軸支構造部等にも採用できる
シール構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】エンジンからの駆動力を前後にトルク配
分する四輪駆動車両用トランスファー機構に代表される
ような複雑な歯車伝動機構において、特にエンジンクラ
ンク軸とトランスファーおよびフロントデフ等の回転軸
が同軸に配置されるいわゆる横置きタイプのトランスフ
ァー等では装置全体をコンパクトで軽量なものにするた
め、軸部材が多重に積層して軸支嵌合された多筒軸支構
造が採用されている。このような、多筒軸支構造のシー
ル構造部において、一般に、軸部材と該軸部材に同軸に
て摺接回転して軸支される筒部材との間に形成された環
状溝にオイルシールが配置されて潤滑を効果的にするの
と同時に、多筒軸支構造における系を異にする潤滑系間
での潤滑油の漏れを有効に防止することが行われてい
る。図4は、このような多筒軸支構造における従来技術
の1例として特公平5−10246号公報に開示された
もので、四輪駆動車両用のトランスファーにおける動力
伝達装置に関するもので、これを簡単に説明すると、図
示外の変速機からの動力が中間軸23を介してピニオン
キャリヤ22に伝達され、ピニオンギヤ26、リングギ
ヤ25およびサンギヤ27よりなるセンターデフ30に
よって差動分配される。サンギヤ27から取り出された
駆動力はフロントデフ20のデフケースに、リングギヤ
25から取り出された駆動力はへベルギヤ28を介して
後輪側にそれぞれ伝達される。このような複雑に重合さ
れた軸支構造の多筒軸支構造を備えるトランスファー装
置等において、各軸支部には系を異にする潤滑系間での
潤滑油の漏れを有効に防止して各潤滑系内での潤滑を効
果的になすためにオイルシール24等が設置されてい
る。
分する四輪駆動車両用トランスファー機構に代表される
ような複雑な歯車伝動機構において、特にエンジンクラ
ンク軸とトランスファーおよびフロントデフ等の回転軸
が同軸に配置されるいわゆる横置きタイプのトランスフ
ァー等では装置全体をコンパクトで軽量なものにするた
め、軸部材が多重に積層して軸支嵌合された多筒軸支構
造が採用されている。このような、多筒軸支構造のシー
ル構造部において、一般に、軸部材と該軸部材に同軸に
て摺接回転して軸支される筒部材との間に形成された環
状溝にオイルシールが配置されて潤滑を効果的にするの
と同時に、多筒軸支構造における系を異にする潤滑系間
での潤滑油の漏れを有効に防止することが行われてい
る。図4は、このような多筒軸支構造における従来技術
の1例として特公平5−10246号公報に開示された
もので、四輪駆動車両用のトランスファーにおける動力
伝達装置に関するもので、これを簡単に説明すると、図
示外の変速機からの動力が中間軸23を介してピニオン
キャリヤ22に伝達され、ピニオンギヤ26、リングギ
ヤ25およびサンギヤ27よりなるセンターデフ30に
よって差動分配される。サンギヤ27から取り出された
駆動力はフロントデフ20のデフケースに、リングギヤ
25から取り出された駆動力はへベルギヤ28を介して
後輪側にそれぞれ伝達される。このような複雑に重合さ
れた軸支構造の多筒軸支構造を備えるトランスファー装
置等において、各軸支部には系を異にする潤滑系間での
潤滑油の漏れを有効に防止して各潤滑系内での潤滑を効
果的になすためにオイルシール24等が設置されてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このような
従来の多筒軸支構造を備える軸支部においては、オイル
シール自体の複雑な多筒軸支構造内部への組付性や分解
性は良好でなく、また多筒軸支構造では軸部材と筒部材
とが同軸にて直接に摺接回転して軸支されることから、
潤滑油が各部に充分に行き渡らずに潤滑性能が低下しが
ちであった。特にオイルシール自体への潤滑油の供給が
充分でないと、シール部が破損して系を異にする潤滑系
間での潤滑油の漏れが発生する虞れもあった。しかも、
前述したように多筒軸支構造では軸部材と筒部材とが同
軸にて直接に摺接回転する部分が多いことから、それら
の軸受摺動面を高周波焼入れ等により耐磨耗性能を向上
させる必要があり、焼入れのための処理工程を必要とし
てコストアップにつながった。
従来の多筒軸支構造を備える軸支部においては、オイル
シール自体の複雑な多筒軸支構造内部への組付性や分解
性は良好でなく、また多筒軸支構造では軸部材と筒部材
とが同軸にて直接に摺接回転して軸支されることから、
潤滑油が各部に充分に行き渡らずに潤滑性能が低下しが
ちであった。特にオイルシール自体への潤滑油の供給が
充分でないと、シール部が破損して系を異にする潤滑系
間での潤滑油の漏れが発生する虞れもあった。しかも、
前述したように多筒軸支構造では軸部材と筒部材とが同
軸にて直接に摺接回転する部分が多いことから、それら
の軸受摺動面を高周波焼入れ等により耐磨耗性能を向上
させる必要があり、焼入れのための処理工程を必要とし
てコストアップにつながった。
【0004】そこで本発明では、上記従来のシール構造
における課題を解決して、オイルシール部における潤滑
性能を向上させることを可能にするとともに、分解組付
性にも優れて、充分な軸支強度をも確保できる簡素な構
造のシール構造を提供することを目的とするものであ
る。
における課題を解決して、オイルシール部における潤滑
性能を向上させることを可能にするとともに、分解組付
性にも優れて、充分な軸支強度をも確保できる簡素な構
造のシール構造を提供することを目的とするものであ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】そこで本発明は、軸部材
と該軸部材に同軸にて摺接回転して軸支される筒部材と
の間に形成された環状溝にオイルシールが配置されたシ
ール構造において、前記オイルシールが前記筒部材の内
周部に圧入された筒状リテーナの内周部に装着されたこ
とを特徴とするものである。また本発明は、前記筒状リ
テーナの外周部に螺旋溝を刻設し、該螺旋溝の適宜部位
に内外に貫通する多数の潤滑孔を穿設するとともに、螺
旋溝に対応する前記筒部材の内周部にオイルダムを設置
したことを特徴とするものである。また本発明は、前記
筒状リテーナの一部が前記軸部材と筒部材との間の軸受
部を構成することを特徴とするものである。また本発明
は、前記シール構造を四輪駆動車両用トランスファーに
おける多筒軸支構造部に採用したことを特徴とするもの
で、これらを課題解決のための手段とするものである。
と該軸部材に同軸にて摺接回転して軸支される筒部材と
の間に形成された環状溝にオイルシールが配置されたシ
ール構造において、前記オイルシールが前記筒部材の内
周部に圧入された筒状リテーナの内周部に装着されたこ
とを特徴とするものである。また本発明は、前記筒状リ
テーナの外周部に螺旋溝を刻設し、該螺旋溝の適宜部位
に内外に貫通する多数の潤滑孔を穿設するとともに、螺
旋溝に対応する前記筒部材の内周部にオイルダムを設置
したことを特徴とするものである。また本発明は、前記
筒状リテーナの一部が前記軸部材と筒部材との間の軸受
部を構成することを特徴とするものである。また本発明
は、前記シール構造を四輪駆動車両用トランスファーに
おける多筒軸支構造部に採用したことを特徴とするもの
で、これらを課題解決のための手段とするものである。
【0006】
【実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面に基づ
いて説明する。図1〜図3は、本発明の1実施の形態を
示すもので、図1は軸部材と筒部材との間に装着された
本発明のシール構造の要部およびオイルシールを示し、
図2はオイルシールの筒部材側への組付け、分解の様子
を示し、図3は本発明のオイルシール構造がトランスフ
ァーに採用された例を示す断面図である。図3により四
輪駆動車両用トランスファーに採用された本発明のオイ
ルシール構造を概略にて説明すると、図示外の変速機か
らの駆動力が入力軸5に入力される。入力軸5の拡径部
である筒部5Aは、サンギヤ7、ピニオンギヤ6ととも
にトランスファーの主要部であるセンターデフを構成す
るところのリングギヤを形成する。かくして、センター
デフにより差動配分された駆動力はピニオンキャリヤ2
を介して図面左方の図示外のフロントデフに伝達されて
さらに差動配分され、図示外の左前輪駆動軸および右前
輪駆動軸1にそれぞれトルク配分される。他方、センタ
ーデフにより差動配分された駆動力の一部はサンギヤ7
を介してリヤ出力軸筒部8Aからリヤ出力軸8に伝達さ
れ、リングギヤ13を介して後輪側に伝達される。
いて説明する。図1〜図3は、本発明の1実施の形態を
示すもので、図1は軸部材と筒部材との間に装着された
本発明のシール構造の要部およびオイルシールを示し、
図2はオイルシールの筒部材側への組付け、分解の様子
を示し、図3は本発明のオイルシール構造がトランスフ
ァーに採用された例を示す断面図である。図3により四
輪駆動車両用トランスファーに採用された本発明のオイ
ルシール構造を概略にて説明すると、図示外の変速機か
らの駆動力が入力軸5に入力される。入力軸5の拡径部
である筒部5Aは、サンギヤ7、ピニオンギヤ6ととも
にトランスファーの主要部であるセンターデフを構成す
るところのリングギヤを形成する。かくして、センター
デフにより差動配分された駆動力はピニオンキャリヤ2
を介して図面左方の図示外のフロントデフに伝達されて
さらに差動配分され、図示外の左前輪駆動軸および右前
輪駆動軸1にそれぞれトルク配分される。他方、センタ
ーデフにより差動配分された駆動力の一部はサンギヤ7
を介してリヤ出力軸筒部8Aからリヤ出力軸8に伝達さ
れ、リングギヤ13を介して後輪側に伝達される。
【0007】本発明は、このような駆動軸1やピニオン
キャリヤ2あるいは入力軸5等の各軸部材が互いに多重
に積層して軸支嵌合された多筒軸支構造に適したシール
構造を採用するもので、図1(A)に示すような、軸部
材を構成する駆動軸1と該駆動軸1に同軸にて摺接回転
して軸支される筒部材を構成するピニオンキャリヤ2と
の間に形成された環状溝12に2つのシール部4Aを形
成した2液型のオイルシール4が配置されたシール構造
において、前記オイルシール4が前記筒部材であるピニ
オンキャリヤ2の内周部に圧入された筒状リテーナ3の
内周部に装着されるものである。図1(B)(C)に示
すように、ゴム等よりなる2液型のオイルシール4は一
対のシール部4A、4Aを有してそれらの係止筒部4B
が金属等よりなる筒状リテーナ3の軸方向の一端部を折
り返して形成された折返し筒部3Eに圧入等により挿入
して装着される。また筒状リテーナ3の他端部には半径
方向のフランジ部3Cが起立形成されている。そして、
筒状リテーナ3の外周部には螺旋溝3Aが刻設され、該
螺旋溝3Aの適宜部位には内外に貫通する多数の潤滑孔
3B・・・が穿設され、さらに前記螺旋溝3Aに対応す
る前記筒部材であるピニオンキャリヤ2の内周部の環状
の周溝2Aにはオイルダム10が設置されるものであ
る。なお、符号9にて示されるものはオイルガータで、
トランスファー部においてかき上げられた潤滑油を集め
て矢印AからBの経路にて供給するものである。
キャリヤ2あるいは入力軸5等の各軸部材が互いに多重
に積層して軸支嵌合された多筒軸支構造に適したシール
構造を採用するもので、図1(A)に示すような、軸部
材を構成する駆動軸1と該駆動軸1に同軸にて摺接回転
して軸支される筒部材を構成するピニオンキャリヤ2と
の間に形成された環状溝12に2つのシール部4Aを形
成した2液型のオイルシール4が配置されたシール構造
において、前記オイルシール4が前記筒部材であるピニ
オンキャリヤ2の内周部に圧入された筒状リテーナ3の
内周部に装着されるものである。図1(B)(C)に示
すように、ゴム等よりなる2液型のオイルシール4は一
対のシール部4A、4Aを有してそれらの係止筒部4B
が金属等よりなる筒状リテーナ3の軸方向の一端部を折
り返して形成された折返し筒部3Eに圧入等により挿入
して装着される。また筒状リテーナ3の他端部には半径
方向のフランジ部3Cが起立形成されている。そして、
筒状リテーナ3の外周部には螺旋溝3Aが刻設され、該
螺旋溝3Aの適宜部位には内外に貫通する多数の潤滑孔
3B・・・が穿設され、さらに前記螺旋溝3Aに対応す
る前記筒部材であるピニオンキャリヤ2の内周部の環状
の周溝2Aにはオイルダム10が設置されるものであ
る。なお、符号9にて示されるものはオイルガータで、
トランスファー部においてかき上げられた潤滑油を集め
て矢印AからBの経路にて供給するものである。
【0008】このように構成したことにより、図2に示
すように、内周部にオイルシール4が圧入装着された筒
状リテーナ3の筒部3Dを筒部材であるピニオンキャリ
ヤ2の内周部に圧入して、金属製の比較的長尺で剛性の
高い筒状リテーナ3によってオイルシール4を簡単でか
つ確実に、多重に積層して軸支嵌合された多筒軸支構造
の奥深くに装着することができる。その際、前記筒状リ
テーナ3の他端部に起立形成した半径方向のフランジ部
3Cを用いて、工具11等による圧入あるいは引き出し
ての分解を容易に行うことができる。しかも本発明の筒
状リテーナ3は、オイルシール4の装着を容易に行うこ
とができると同時に、その素材として耐磨耗性金属を選
定するならば該筒状リテーナ3の一部が前記軸部材であ
る駆動軸1と筒部材であるピニオンキャリヤ2との間に
介在されて軸受部を構成することになるので、駆動軸1
やピニオンキャリヤ2における摺接部に高周波焼入れ等
の処理を施す必要がなく、安価に軸部材や筒部材を製造
することができる。
すように、内周部にオイルシール4が圧入装着された筒
状リテーナ3の筒部3Dを筒部材であるピニオンキャリ
ヤ2の内周部に圧入して、金属製の比較的長尺で剛性の
高い筒状リテーナ3によってオイルシール4を簡単でか
つ確実に、多重に積層して軸支嵌合された多筒軸支構造
の奥深くに装着することができる。その際、前記筒状リ
テーナ3の他端部に起立形成した半径方向のフランジ部
3Cを用いて、工具11等による圧入あるいは引き出し
ての分解を容易に行うことができる。しかも本発明の筒
状リテーナ3は、オイルシール4の装着を容易に行うこ
とができると同時に、その素材として耐磨耗性金属を選
定するならば該筒状リテーナ3の一部が前記軸部材であ
る駆動軸1と筒部材であるピニオンキャリヤ2との間に
介在されて軸受部を構成することになるので、駆動軸1
やピニオンキャリヤ2における摺接部に高周波焼入れ等
の処理を施す必要がなく、安価に軸部材や筒部材を製造
することができる。
【0009】また、筒状リテーナ3の外周部に螺旋溝3
Aを刻設し、該螺旋溝3Aの適宜部位に内外に貫通する
多数の潤滑孔3B・・を穿設するとともに、螺旋溝3A
に対応する前記筒部材であるピニオンキャリヤ2の内周
部の環状の周溝2Aにオイルダム10を設置したことに
より、オイルダム10からの潤滑油を螺旋溝3Aによっ
て確実かつ速やかに移動させ、多数の潤滑孔3B・・を
通じてオイルシール4への潤滑を充分に行って、潤滑性
能の向上を図ることができる。その上、これらの潤滑促
進機能を有する筒状リテーナ3、オイルシール4等を一
体に構成することができて部品点数が少なく、組付けが
容易で安価となる。さらに、筒状リテーナ3における螺
旋溝3Aや多数の潤滑孔3Bは、オイルシール4を含む
筒状リテーナ3を引き出して分解する際に、工具等の引
っ掛け部として利用することができるものである。
Aを刻設し、該螺旋溝3Aの適宜部位に内外に貫通する
多数の潤滑孔3B・・を穿設するとともに、螺旋溝3A
に対応する前記筒部材であるピニオンキャリヤ2の内周
部の環状の周溝2Aにオイルダム10を設置したことに
より、オイルダム10からの潤滑油を螺旋溝3Aによっ
て確実かつ速やかに移動させ、多数の潤滑孔3B・・を
通じてオイルシール4への潤滑を充分に行って、潤滑性
能の向上を図ることができる。その上、これらの潤滑促
進機能を有する筒状リテーナ3、オイルシール4等を一
体に構成することができて部品点数が少なく、組付けが
容易で安価となる。さらに、筒状リテーナ3における螺
旋溝3Aや多数の潤滑孔3Bは、オイルシール4を含む
筒状リテーナ3を引き出して分解する際に、工具等の引
っ掛け部として利用することができるものである。
【0010】以上、本発明の実施の形態について説明し
てきたが、本発明の趣旨の範囲内で筒部材と軸部材との
嵌合軸支形態、筒状リテーナの形状、材質、オイルシー
ルの形式、筒状リテーナとオイルシールとの関連構成、
筒状リテーナにおける螺旋溝の幅、深さ、ピッチ、潤滑
孔の大きさ、数、間隔、筒部材におけるオイルダムの形
状等については適宜採用され得る。
てきたが、本発明の趣旨の範囲内で筒部材と軸部材との
嵌合軸支形態、筒状リテーナの形状、材質、オイルシー
ルの形式、筒状リテーナとオイルシールとの関連構成、
筒状リテーナにおける螺旋溝の幅、深さ、ピッチ、潤滑
孔の大きさ、数、間隔、筒部材におけるオイルダムの形
状等については適宜採用され得る。
【0011】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
れば、金属製の比較的長尺で剛性の高い筒状リテーナに
よって軟質で取扱いが面倒なオイルシールを簡単かつ確
実に、多重に積層して軸支嵌合された多筒軸支構造にお
ける奥深くの筒部材の内周部に圧入して装着することが
できる。しかも前記筒状リテーナは、オイルシールの装
着を容易に行うことができると同時に、その素材として
耐磨耗性金属を選定することで、装着後には該筒状リテ
ーナの一部を前記軸部材と筒部材との間の軸受摺接部と
して構成することができるので、前記軸部材と筒部材に
おける摺接部に高周波焼入れ等の処理を施す必要がな
く、安価に軸部材や筒部材を製造することができる。
れば、金属製の比較的長尺で剛性の高い筒状リテーナに
よって軟質で取扱いが面倒なオイルシールを簡単かつ確
実に、多重に積層して軸支嵌合された多筒軸支構造にお
ける奥深くの筒部材の内周部に圧入して装着することが
できる。しかも前記筒状リテーナは、オイルシールの装
着を容易に行うことができると同時に、その素材として
耐磨耗性金属を選定することで、装着後には該筒状リテ
ーナの一部を前記軸部材と筒部材との間の軸受摺接部と
して構成することができるので、前記軸部材と筒部材に
おける摺接部に高周波焼入れ等の処理を施す必要がな
く、安価に軸部材や筒部材を製造することができる。
【0012】また、筒状リテーナの外周部に螺旋溝を刻
設し、該螺旋溝の適宜部位に内外に貫通する多数の潤滑
孔を穿設するとともに、螺旋溝に対応する前記筒部材の
内周部の環状の周溝にオイルダムを設置したことによ
り、オイルダムからの潤滑油を螺旋溝によって確実かつ
速やかに移動させ、多数の潤滑孔を通じてオイルシール
への潤滑を充分に行って、潤滑性能の向上を図ることが
できる。その上、これらの潤滑促進機能を有する筒状リ
テーナ、オイルシール等を一体に構成することができて
部品点数が少なく、組付けが容易で安価となる。さら
に、筒状リテーナにおける螺旋溝や多数の潤滑孔は、オ
イルシールを含む筒状リテーナを引き出して分解する際
に、工具等の引っ掛け部として利用することも可能とな
る。このように本発明のシール構造によって、オイルシ
ール部における潤滑性能を向上させることを可能にする
とともに、分解組付性にも優れて、充分な軸支強度をも
確保できる簡素な構造のシール構造が提供されることと
なった。
設し、該螺旋溝の適宜部位に内外に貫通する多数の潤滑
孔を穿設するとともに、螺旋溝に対応する前記筒部材の
内周部の環状の周溝にオイルダムを設置したことによ
り、オイルダムからの潤滑油を螺旋溝によって確実かつ
速やかに移動させ、多数の潤滑孔を通じてオイルシール
への潤滑を充分に行って、潤滑性能の向上を図ることが
できる。その上、これらの潤滑促進機能を有する筒状リ
テーナ、オイルシール等を一体に構成することができて
部品点数が少なく、組付けが容易で安価となる。さら
に、筒状リテーナにおける螺旋溝や多数の潤滑孔は、オ
イルシールを含む筒状リテーナを引き出して分解する際
に、工具等の引っ掛け部として利用することも可能とな
る。このように本発明のシール構造によって、オイルシ
ール部における潤滑性能を向上させることを可能にする
とともに、分解組付性にも優れて、充分な軸支強度をも
確保できる簡素な構造のシール構造が提供されることと
なった。
【図1】本発明のシール構造の1実施の形態を示すもの
で、図1(A)はオイルシールが軸部材と筒部材との間
に装着された要部断面図、図1(B)はオイルシールが
装着された筒状リテーナの断面図、図1(C)はその平
面図である。
で、図1(A)はオイルシールが軸部材と筒部材との間
に装着された要部断面図、図1(B)はオイルシールが
装着された筒状リテーナの断面図、図1(C)はその平
面図である。
【図2】本発明のシール構造の1実施の形態を示すもの
で、オイルシールが装着された筒状リテーナの筒部材側
への組付け、分解の様子を示す断面図である。
で、オイルシールが装着された筒状リテーナの筒部材側
への組付け、分解の様子を示す断面図である。
【図3】本発明のシール構造が四輪駆動車両用のトラン
スファーに採用された例を示す要部断面図である。
スファーに採用された例を示す要部断面図である。
【図4】四輪駆動車両用のトランスファーに採用された
従来のシール構造を示す要部断面図である。
従来のシール構造を示す要部断面図である。
1 駆動軸(軸部材) 2 ピニオンキャリヤ(筒部材) 2A 周溝 3 筒状リテーナ 3A 螺旋溝 3B 潤滑孔 4 オイルシール 5 入力軸 6 ピニオンギヤ 7 サンギヤ 8 リヤ出力軸 10 オイルダム 11 工具 12 環状溝
Claims (4)
- 【請求項1】 軸部材と該軸部材に同軸にて摺接回転し
て軸支される筒部材との間に形成された環状溝にオイル
シールが配置されたシール構造において、前記オイルシ
ールが前記筒部材の内周部に圧入された筒状リテーナの
内周部に装着されたことを特徴とするシール構造 - 【請求項2】 前記筒状リテーナの外周部に螺旋溝を刻
設し、該螺旋溝の適宜部位に内外に貫通する多数の潤滑
孔を穿設するとともに、螺旋溝に対応する前記筒部材の
内周部にオイルダムを設置したことを特徴とする請求項
1に記載のシール構造。 - 【請求項3】 前記筒状リテーナの一部が前記軸部材と
筒部材との間の軸受部を構成することを特徴とする請求
項1または2に記載のシール構造。 - 【請求項4】 前記シール構造を四輪駆動車両用トラン
スファーにおける多筒軸支構造部に採用したことを特徴
とする請求項1ないし3のいずれかに記載のシール構
造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9052727A JPH10246336A (ja) | 1997-03-07 | 1997-03-07 | シール構造 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9052727A JPH10246336A (ja) | 1997-03-07 | 1997-03-07 | シール構造 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10246336A true JPH10246336A (ja) | 1998-09-14 |
Family
ID=12922966
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9052727A Pending JPH10246336A (ja) | 1997-03-07 | 1997-03-07 | シール構造 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10246336A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1267105A1 (en) * | 2001-05-29 | 2002-12-18 | Rossi Motoriduttori S.p.A. | Dynamic sealing device |
-
1997
- 1997-03-07 JP JP9052727A patent/JPH10246336A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1267105A1 (en) * | 2001-05-29 | 2002-12-18 | Rossi Motoriduttori S.p.A. | Dynamic sealing device |
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