JPH10245650A - 溶接用Al−Mg−Si系合金 - Google Patents
溶接用Al−Mg−Si系合金Info
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- JPH10245650A JPH10245650A JP6540097A JP6540097A JPH10245650A JP H10245650 A JPH10245650 A JP H10245650A JP 6540097 A JP6540097 A JP 6540097A JP 6540097 A JP6540097 A JP 6540097A JP H10245650 A JPH10245650 A JP H10245650A
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Abstract
接用Al−Mg−Si系合金を得る。 【解決手段】 Mg0.4〜0.8重量%、Si0.4
〜1.0重量%、Cu0.15〜0.5重量%、Ti
0.005〜0.2重量%を含有し、残部Al及び不可
避不純物からなり、さらにMg含有重量%をX、Si含
有重量%をYとしたときY≧(1/1.73)X+0.
15の関係を満たすAl−Mg−Si系合金。必要に応
じてMn0.05〜0.6重量%、Cr0.05〜0.
3重量%、Zr0.05〜0.3重量%のうち1種以上
を合計で0.9重量%以下含有してもよい。
Description
品に使用される溶接用Al−Mg−Si系合金に関す
る。
/3と軽量であるため、鉄からアルミニウム合金に材料
を置換し、軽量化を計る例が数多くある。自動車のフレ
ームをはじめ、近年では、ドーム等の大型建築構造体に
もアルミニウム合金が採用され、その軽さと、断面形状
の自由度の高さから需要が伸びてきている。又、このよ
うな構造材として使用される場合、部材同士の接合法と
して、溶接は避けて通れないものである。
ニウム合金は鉄に比べ溶接が困難であり、熟練の技能が
要求されていた。このため、溶接性に優れるアルミニウ
ム合金の開発が強く望まれている。本発明はかかる問題
点に鑑みてなされたものであり、継手強度が高く、溶接
割れの起こりにくい溶接用Al−Mg−Si系合金を提
供するものである。
l−Mg−Si系合金を開発すべく、種々の研究を行
い、その結果、Mg/Si比が溶接性に大きく影響する
こと、そしてMg2Siの化学量論比よりSiリッチ側
の特定の組成領域で溶接性が大きく向上することを見い
だした。また、Cuの添加はMg2Siの分布を均一微
細にして強度を向上させる効果があるが、反面過剰の添
加は溶接性を阻害することを見いだし、本発明の溶接用
Al−Mg−Si系合金を完成した。
−Si系合金は、Mg0.4〜0.8重量%、Si0.
4〜1.0重量%、Cu0.15〜0.5重量%、Ti
0.005〜0.2重量%を含有し、残部Al及び不可
避不純物であり、さらにMg含有重量%をX、Si含有
重量%をYとしたときY≧(1/1.73)X+0.1
5の関係を満たすことを特徴とする。また、この溶接用
Al−Mg−Si系合金は、強度、延性及び溶接性の向
上のため必要に応じてMn0.05〜0.6重量%、C
r0.05〜0.3重量%、Zr0.05〜0.3重量
%のうち1種以上を合計で0.9%以下含有することが
できる。なお、本発明において、不可避不純物としては
Fe0.35重量%以下、その他の不純物は単体で0.
05重量%以下でかつ総量で0.15重量%以下に規制
する。
Mg−Si系合金の成分添加理由及び組成限定理由につ
いて説明する。
iを相当量過剰に添加したとき溶接性が向上する。その
Mg、Siの割合は、Mg含有重量%をX、Si含有重
量%をYとしたときY≧(1/1.73)X+0.15
を満たす範囲である。これよりMgリッチ側、すなわち
Y<(1/1.73)X+0.15では、Siによる溶
接性の向上効果が不十分となる。
成することにより合金強度を向上させる。この効果を発
揮するには、Mgの添加量は0.4重量%以上が必要で
ある。しかし、Mgの含有量が0.8重量%を越えると
上記の範囲を満たしていても溶接性を低下させる。従っ
て、Mgの含有量は0.4重量%以上、0.8重量%以
下とする。また、Siは、上述したようにMg2Siを
形成して合金強度を向上させる効果がある。しかし、S
iの添加量が0.4重量%未満では材料の強度を向上さ
せることができず、1.0重量%を超えると材料の延性
を阻害するとともに溶接性を低下させる。従って、Si
の含有量は0.4重量%以上、1.0重量%以下とす
る。
の方が優れた溶接性が得られ、また、熱間加工性もよく
なり、複雑な形状の加工が可能で、例えば自動車用部材
としての適用範囲が増す。従って、Mg含有量は好まし
くは0.65重量%以下であり、この範囲内で際だって
優れた溶接性を示す。より好ましくはMg含有量は0.
6重量%以下であり、同時にSiを0.5〜0.7重量
%の範囲とすることにより、優れた強度と伸び、及び溶
接性を示す押出材、圧延材等を得ることができる。図1
に本発明のMg及びSiの組成範囲を図示する。なお、
Y=(1/1.73)XのラインはMg2Siの化学量
論比のラインである。
料の延性を向上させる。また、Cuを添加することによ
り、Mg、Siによって生成される析出物Mg2Siを
均一微細に分布させる効果がある。しかし、Cuの添加
量が0.15重量%未満では前記効果を発揮することが
できない。一方、0.5重量%を超えると焼入れ性を低
下させ、かつ溶接性を悪化させる。従って、Cuの含有
量は0.15重量%以上、0.5重量%以下とする。
細な金属間化合物として析出し、結晶粒を微細化させる
ことにより、強度、延性及び溶接性を向上させる。しか
し、これらの元素は添加量が増えるとともに焼入れ感受
性を鋭くし、焼入れ性を低下させる。Mn、Cr、Zr
の添加量がそれぞれ0.05重量%未満では前記効果を
発揮し得ない。一方、Mn、Cr、Zrの添加量がそれ
ぞれ0.6重量%、0.3重量%、0.3重量%を超え
るか、これらの合計が0.9重量%を超えると、粗大な
金属間化合物が晶出してしまうとともに焼入れ感受性を
鋭くし、所定の合金強度の向上が計れない。従って、M
n、Cr、Zrを添加する場合は、Mn0.05〜0.
6重量%、Cr0.05〜0.3重量%、Zr0.05
〜0.3重量%のうち1種以上を0.9重量%以下とす
る。
合金強度を向上させるとともに溶接性を向上させる。こ
の効果を発揮させるにはTi添加量は0.005重量%
以上とすることが必要である。一方、Ti添加量が0.
2重量%を超えると前記効果が飽和してしまい、また粗
大な金属間化合物が晶出し所定の合金強度が得られな
い。従って、Tiの含有量は0.005〜0.2重量%
とする。
り、0.35重量%を超えて合金中に存在すると鋳造時
に粗大な金属間化合物を晶出し、合金の機械的性質を損
なう。従って、Feの含有量は0.35重量%以下に規
制する。 その他 アルミニウム合金を鋳造する際には地金、添加元素の中
間合金等様々な経路より不純物が混入する。また、混入
する元素も様々であるが、Fe以外の不純物は単体で
0.05重量%以下、総量で0.15%以下であれば合
金の特性にほとんど影響を及ぼさない。従って、これら
の不純物は単体で0.05重量%以下、かつ総量で0.
15%以下とする。
に優れているため、本発明合金の平均結晶粒径は好まし
くは50μm以下とする。本発明に係るAl−Mg−S
i系合金は、押出材、圧延材、鋳造材、鍛造材等、いず
れの形態であっても優れた溶接性を示す。その製造方法
は、従来のAl−Mg−Si合金とほぼ同様でよく、例
えば押出材の場合、500〜600℃×2〜10hrの
均質化処理を施し、次いで440〜560℃に再加熱し
た鋳塊を押出加工し、押出直後にファン空冷によるプレ
ス焼入れを施し、その後180〜190℃×3hr〜8
hrの時効処理という製造プロセスが例示できる。
いた溶接構造体は、継手効率が高く全体の剛性が増し、
また、ミクロクラックが発生しにくく溶接条件の管理幅
を広くとることができ、工程管理を容易にすることがで
きる。従って、例えば、溶接を用いて接合する自動車用
のフレーム、具体的には例えばスペースフレーム等の構
成材として好適に利用できる。
S6061、JIS6063)と比較して説明する。表
1に示す組成の160mmφ×150mmhのアルミニ
ウム合金ビレットに580℃×2hrの均質化処理を行
った。そのビレットを再加熱し、ビレット温度500
℃、押出速度5m/minで押し出した。このとき、プ
レス焼入れをJIS6061のみ水冷を用いその他につ
いてはファン空冷にて行った。押出材の断面形状は11
0mmw×4mmtの平板形状にて押し出した。
効処理を施し(T5材)、続いて押出材を切断し同種の
押出材同士を押出方向に垂直な方向を溶接方向として溶
接した。溶接条件は溶接金属にJIS5356の1.2
φのワイヤーを用い、溶接電流210A、溶接電圧30
V、シールドガスにはArガスを27l/minの噴出
量で用い、溶接速度は700mm/min、開先形状に
はIバットを使用し母材間のギャップは0〜1mmにて
MIG溶接を行った。
組織を観察した(観察部位を図5に示す)。その結果、
No.6(JIS6061)、No.7(JIS606
3)では、溶接金属との境界周辺の母材の結晶粒界に溶
接により発生したミクロ的な割れが観察されたのに対
し、No.1〜5の本発明品ではミクロ割れが無く健全
な状態であった。図2〜4に、それぞれNo.1、6、
7の光学顕微鏡組織写真(同倍率)を示す。
っ張り試験片の平行部の中央に引っ張り方向と垂直にな
るようにJIS5号引張試験片を採取し、時効処理を施
した母材(T5材)からもJIS5号引張試験片を採取
した。それらの引張試験片を用いて引張試験を行った結
果を表2に示す。表2に示すように、JIS6061、
JIS6063では継ぎ手効率(溶接材部の引張強さ/
母材の引張強さ)が60%前後なのに対し、本発明品は
67〜69%と継ぎ手効率が向上していることが分か
る。
ルミニウム合金を用いることにより、継手強度が高く、
溶接割れの起こりにくい溶接用Al−Mg−Si系合金
を得ることができる。そして、これを構造部材として用
いることにより、溶接欠陥のない継ぎ手効率の高い溶接
構造体を得ることが可能になる。
1のNo.1に対応する。
り、表1のNo.6に対応する。
り、表1のNo.7に対応する。
位を説明する図である。
Claims (3)
- 【請求項1】 Mg0.4〜0.8重量%、Si0.4
〜1.0重量%、Cu0.15〜0.5重量%、Ti
0.005〜0.2重量%を含有し、残部Al及び不可
避不純物からなり、さらにMg含有重量%をX、Si含
有重量%をYとしたときY≧(1/1.73)X+0.
15の関係を満たすことを特徴とする溶接用Al−Mg
−Si系合金。 - 【請求項2】 Mn0.05〜0.6重量%、Cr0.
05〜0.3重量%、Zr0.05〜0.3重量%のう
ち1種以上を合計で0.9重量%以下含有することを特
徴とする請求項1に記載された溶接用Al−Mg−Si
系合金。 - 【請求項3】 請求項1又は請求項2に記載された溶接
用Al−Mg−Si合金を用い溶接接合で組み立てられ
た自動車用フレーム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6540097A JPH10245650A (ja) | 1997-03-03 | 1997-03-03 | 溶接用Al−Mg−Si系合金 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6540097A JPH10245650A (ja) | 1997-03-03 | 1997-03-03 | 溶接用Al−Mg−Si系合金 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10245650A true JPH10245650A (ja) | 1998-09-14 |
Family
ID=13285935
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6540097A Pending JPH10245650A (ja) | 1997-03-03 | 1997-03-03 | 溶接用Al−Mg−Si系合金 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10245650A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004534152A (ja) * | 2001-07-09 | 2004-11-11 | コラス・アルミニウム・バルツプロドウクテ・ゲーエムベーハー | 熔接可能な高強度Al−Mg−Si合金 |
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WO2015129304A1 (ja) * | 2014-02-28 | 2015-09-03 | アイシン軽金属株式会社 | 成形性に優れた高強度アルミニウム合金押出材 |
JP2016040053A (ja) * | 2015-11-18 | 2016-03-24 | 旭化成ケミカルズ株式会社 | 溶接用継手材 |
-
1997
- 1997-03-03 JP JP6540097A patent/JPH10245650A/ja active Pending
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