JPH10245263A - 低温焼結磁器組成物 - Google Patents

低温焼結磁器組成物

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Publication number
JPH10245263A
JPH10245263A JP9049197A JP4919797A JPH10245263A JP H10245263 A JPH10245263 A JP H10245263A JP 9049197 A JP9049197 A JP 9049197A JP 4919797 A JP4919797 A JP 4919797A JP H10245263 A JPH10245263 A JP H10245263A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
low
weight
glass
temperature
porcelain composition
Prior art date
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Pending
Application number
JP9049197A
Other languages
English (en)
Inventor
Yasutaka Sugimoto
安隆 杉本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Murata Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Murata Manufacturing Co Ltd
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Publication date
Application filed by Murata Manufacturing Co Ltd filed Critical Murata Manufacturing Co Ltd
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  • Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)
  • Inorganic Insulating Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】比較的低温で焼結が可能であり、熱膨張係数及
び誘電率が小さく、かつ機械的強度の高い多層セラミッ
ク基板用の低温焼結磁器組成物を提供する。 【解決手段】ムライトが60〜85重量%と、ガラス成
分が15〜40重量%とからなる。前記ガラス成分は、
SiO2が20〜60重量%、B23が30〜50量
%、MgOが5〜30重量%、Al23 が0〜15重
量%、R2Oが1〜5重量%(但し、Rはアルカリ金
属)が好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は低温焼結磁器組成
物、特に多層セラミック基板用に適した低温焼結磁器組
成物に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、電子機器の小型化に伴い、電子
機器を構成する各種電子部品を実装するのにセラミック
基板が汎用されている。最近では、このセラミック基板
への電子部品の実装密度をさらに高めるため、セラミッ
クグリーンシートの表面に導電材料のペーストで回路パ
ターンを形成したものを複数枚積層し、これを焼成して
一体化した多層セラミック基板が開発されている。そし
て、従来、このような多層セラミック基板の材料として
はアルミナが用いられてきた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、多層セ
ラミック基板の材料としてアルミナを用いた場合には、
以下のような問題点を有していた。
【0004】アルミナの焼結温度が1500〜160
0℃と高温であるため、焼成に多量のエネルギーが必要
となりコスト高となる。
【0005】多層基板内部に形成される内部回路の導
電材料は、高温の焼成温度に耐えうるWやMoなどの高
融点金属に限定されているが、比抵抗が高いため、回路
パターンそのものの抵抗値が高くなる。
【0006】アルミナの熱膨張係数がアルミナ基板の
上に搭載される半導体を構成するシリコンチップよりも
大きいため、シリコンチップに熱ストレスが加わりそれ
によりクラックを発生させる原因となる。
【0007】アルミナそのものの誘電率が約10と高
いため、回路内部を伝搬する信号の遅延時間が大きくな
る。
【0008】そこで、本発明の目的は、比較的低温で焼
結が可能であり、熱膨張係数及び誘電率が小さく、かつ
機械的強度の高い多層セラミック基板用の低温焼結磁器
組成物を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の低温焼結磁器組成物は、ムライトが60〜
85重量%と、ガラス成分が15〜40重量%とからな
ることを特徴とする。
【0010】又、前記ガラス成分は、SiO2が20〜
60重量%、B23が30〜50量%、MgOが5〜3
0重量%、Al23 が0〜15重量%、R2Oが1〜5
重量%(但し、Rはアルカリ金属)で構成されているこ
とを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の低温焼結磁器組成
物の実施の形態を、実施例に基づき説明する。
【0012】(実施例)まず始めに、ガラスを作製する
ため、ガラスの原料粉末として、SiO2、B23、M
gCO3、Al23及びLi2CO3を準備した。
【0013】その後、表1に示す各ガラス組成になるよ
うに、各原料粉末を秤量した。なお、表1中、ガラス組
成(wt%)は、低温焼結磁器組成物全体からムライト
成分を除いた残部のガラスを100重量%としたときの
各割合である。
【0014】そして、これらを1450〜1550℃で
1〜4時間加熱溶融し、急冷してガラス化した。得られ
た各ガラス片をジルコニアボールミルで微粉砕し、平均
粒径0.5〜3μmのガラス粉末を得た。
【0015】一方、ムライト粉末として、粉砕して平均
粒径1〜3μmの微粉末としたものを準備した。
【0016】
【表1】
【0017】次に、先に得られた各ガラス粉末に対し、
前記ムライト粉末を、表1に示すように全体量の55〜
90重量%となるように配合し、ジルコニアボールミル
等で3〜4時間湿式混合するなどしてガラス粉末とセラ
ミックス粉末との均質な混合粉末を得た。その後、これ
ら混合粉末に有機バインダー及び溶媒のトルエンを添加
混合して、ボールミルで十分混練して均一に分散させた
後、減圧下で脱泡処理してスラリーを調節した。なお、
バインダー、溶媒、可塑剤などの有機ビヒクル類は、通
常用いられるもので十分であり、その成分については特
別の限定を要しない。
【0018】そしてこのスラリーから、ドクターブレー
ドを用いたキャスティング法により、フィルム上に0.
2mm厚のセラミックグリーンシートを作製した。その
後、このセラミックグリーンシートを乾燥した後、フィ
ルムから剥がし、これを打ち抜いて所定の大きさのセラ
ミックグリーンシートとした。
【0019】その後、このセラミックグリーンシートを
複数枚積層し、プレス成形してセラミック成形体とした
後、これらのセラミック成形体を200℃/時間の速度
で昇温し、980℃で2時間焼成し、セラミック焼結体
を得た。
【0020】次に、これらのセラミック焼結体につい
て、熱膨張係数、誘電率、誘電損失を測定した。その結
果を焼結状態とともに表2に示す。なお、表1及び表2
中、試料番号に*印を付したものは本発明の範囲外のも
のである。
【0021】
【表2】
【0022】表2から明らかなように、本発明のムライ
トが60〜85重量%とガラス成分が15〜40重量%
とからなる低温焼結無機組成物は、例えば試料番号2、
試料番号3及び試料番号6に示すように、980℃という
比較的低い温度で焼成しても、焼結性が良く、かつアル
ミナと比較して誘電率が5.8〜6.1と小さく、又熱
膨張係数も4.8〜5.3ppm/℃と小さく、誘電損
失の小さいセラミック基板を得ることができる。これに
対して、試料番号1に示すようにムライトが60重量%
未満では、焼成温度が低くなり過ぎて焼成時に溶解する
ことがあり、又、ガラス成分が多くなるため強度が弱く
なる。又、試料番号4に示すように、ムライトが85重
量%を超えると1000℃以下では十分に焼結しない。
【0023】又、ガラス成分としては、SiO2、B2
3、MgO、Al23及びR2O (但し、Rはアルカリ
金属)からなり、これら成分の割合が以下の量であるこ
とが好ましい。
【0024】即ち、試料番号5及び試料番号8に示すよ
うに、SiO2が20重量%未満では、ガラスの粘度が
下がりすぎてセラミック粒子間で発泡する。一方、試料
番号7に示すように、SiO2が60重量%を超えると
ガラスの粘度が上がり、焼結性が低下する。したがっ
て、SiO2量は20〜60重量%が好ましい。
【0025】又、試料番号7に示すように、B23が3
0重量%未満ではガラスの粘度が上昇して、焼結性が低
下する。一方、試料番号8に示すように、B23が50
重量%を超えるとガラスの化学的安定性が低下し、発泡
する。したがって、B23は30〜50重量%が好まし
い。
【0026】又、試料番号9に示すように、MgOが5
重量%未満では、ガラスの粘度が上がりすぎて焼結せ
ず、一方、試料番号10に示すように、MgOが30重
量%を超えるとムライトと反応し発泡する。したがっ
て、MgOは5〜30重量%が好ましい。
【0027】又、Al2O3はガラスの化学的安定性を
向上させるために添加するものであるが、試料番号12
に示すように、15重量%を超えるとガラスの粘度が上
がりすぎ焼結しない。したがって、Al23は0〜15
重量%が好ましい。
【0028】さらに、R2O(但し、Rはアルカリ金
属)は、試料番号13に示すようにLi2Oが1重量%未
満では焼結せず、一方、試料番号14に示すように、5
重量%を超えると発泡する。したがって、R2Oは1〜
5重量%が好ましい。
【0029】なお、上記実施例ではガラスの原料粉末と
して、酸化物又は炭酸塩を用いたが、これ以外に水酸化
物などを適宜用いることができる。
【0030】又、又上記実施例では、アルカリ金属がL
iの場合について説明したが、Li以外のアルカリ金
属、すなわち、Na、K、Rb、Cs及びFrのいずれ
を用いても同様の効果が得られる。
【0031】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明に
よれば、1000℃以下の焼成温度で緻密であって、熱
膨張係数及び誘電率が小さく、かつ機械的強度の高い低
温焼結磁器組成物を得ることができる。
【0032】したがって、この低温焼結磁器組成物を用
いて多層回路基板を作製することにより、アルミナ基板
を用いた場合よりも優れた性能を有するものが得られ
る。
【0033】即ち、膨張係数が小さく、基板とシリコン
チップの熱膨張係数の違いから生ずるクラック等が抑制
されるため、湿度などによる劣化が抑えられた信頼性の
高い多層回路基板を得ることができる。又、誘電率が低
いため、信号伝播速度の速い多層回路基板を得ることが
できる。さらに、1000℃以下で焼結するため、導電
材料としてCu、Ag/Pdなどの低融点であって抵抗
値の低い材料を用いることができ、回路の導電抵抗を低
減させた多層回路基板を得ることができる。
【0034】

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ムライトが60〜85重量%と、ガラス
    成分が15〜40重量%とからなることを特徴とする、
    低温焼結磁器組成物。
  2. 【請求項2】 前記ガラス成分は、 SiO2 20〜60重量% B23 30〜50重量% MgO 5〜30重量% Al23 0〜15重量% R2O 1〜 5重量% (但し、Rはアルカ
    リ金属)で構成されていることを特徴とする、請求項1
    記載の低温焼結磁器組成物。
JP9049197A 1997-03-04 1997-03-04 低温焼結磁器組成物 Pending JPH10245263A (ja)

Priority Applications (1)

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JP9049197A JPH10245263A (ja) 1997-03-04 1997-03-04 低温焼結磁器組成物

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JP9049197A JPH10245263A (ja) 1997-03-04 1997-03-04 低温焼結磁器組成物

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JPH10245263A true JPH10245263A (ja) 1998-09-14

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ID=12824288

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JP9049197A Pending JPH10245263A (ja) 1997-03-04 1997-03-04 低温焼結磁器組成物

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JP (1) JPH10245263A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6592945B2 (en) 2000-03-03 2003-07-15 Dow Corning Asia, Ltd. Nanoparticle dispersed structure and laminate thereof
US6835682B2 (en) 2002-06-04 2004-12-28 E. I. Du Pont De Nemours And Company High thermal expansion glass and tape composition

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6592945B2 (en) 2000-03-03 2003-07-15 Dow Corning Asia, Ltd. Nanoparticle dispersed structure and laminate thereof
US6835682B2 (en) 2002-06-04 2004-12-28 E. I. Du Pont De Nemours And Company High thermal expansion glass and tape composition

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