JPH1024496A - Uv硬化樹脂を用いた繊維強化複合材料およびその製造方法 - Google Patents

Uv硬化樹脂を用いた繊維強化複合材料およびその製造方法

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JPH1024496A
JPH1024496A JP8180294A JP18029496A JPH1024496A JP H1024496 A JPH1024496 A JP H1024496A JP 8180294 A JP8180294 A JP 8180294A JP 18029496 A JP18029496 A JP 18029496A JP H1024496 A JPH1024496 A JP H1024496A
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resin
fiber
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reinforced composite
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JP8180294A
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Noriya Hayashi
宣也 林
Shunichi Hayashi
林  俊一
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 硬化が短時間で加工コストが低く、成形に長
時間を要する大型の繊維強化複合材料にも使用でき、含
浸状態の保持が容易で、ボイドの発生による成形品の品
質が低下することがなく、硬化の際に加熱工程を必要と
しない繊維強化複合材料及びその製造方法を提供する。 【解決手段】 カチオン性重合物質とルイス酸のスルホ
ニウム塩(I)の有効量とからなる熱硬化性及びエネル
ギー線硬化性を兼備したカチオン重合性樹脂組成物をマ
トリクス樹脂とし、この樹脂を強化繊維に含浸させた
後、UVなどのエネルギー線にて硬化させてなる繊維強
化複合材料及びその製造方法による。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カチオン重合性樹
脂組成物をマトリクス樹脂とし、この樹脂を強化繊維に
含浸させた後、UVなどのエネルギー線にて硬化させ製
造してなる繊維強化複合材料およびその製造方法に関す
る。この樹脂硬化方法は、クロス材や連続繊維に限らず
短繊維や充填材を使用した複合材にも有効である。
【0002】
【従来の技術】繊維強化複合材は種々の加工方法・製造
方法が用いられているが、マトリクス樹脂としては熱可
塑性あるいは熱硬化性樹脂が大部分を占める。これら樹
脂をマトリクス樹脂として繊維複合材を成形する場合、
問題点として、温度制御が複雑で硬化に長時間を要する
ため加工コストが高いこと、温度制御不要で短時間硬化
可能な常温硬化樹脂の場合は成形に長時間を要する大型
の繊維強化複合材に使用できないこと、樹脂粘度の温度
変化により樹脂含浸状態が変化し含浸状態の保持が難し
く成形が困難であること、残留溶剤により樹脂硬化時に
ボイドが発生し成形品の品質が低下すること等がある。
【0003】一方、前述の問題点を考慮して最近マトリ
クス樹脂の様々な硬化方法が検討されている。その代表
的な例としては、特にロックタイト社のUV硬化と加熱
硬化を併用したフィラメントワインディング成形法(特
表平7−507836)を例示することができる。しか
しこの組成物を用いた繊維強化複合材料の成形法は、樹
脂を含浸した未硬化の繊維強化材料に対してUVを照射
して表面を硬化並びに内部を極度に増粘(ゲル化)さ
せ、形状並びに含浸状態の保持をある程度可能とさせた
後、加熱により完全に硬化させるものである。従って従
来の熱可塑性あるいは熱硬化性樹脂による製造方法と比
較して樹脂粘度の温度変化が極めて微小で且つ含浸後の
ハンドリングが容易であるが、完全硬化には加熱硬化過
程が必要であるため、加熱硬化に要する光熱費や作業時
間等による加工コストの問題や硬化完了に長時間を要す
る問題は未解決であり、また加熱により熱残留歪みの問
題も発生する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らはかかる従
来技術の欠点に鑑み、繊維強化複合材料の製造方法とし
て硬化が短時間で加工コストが低く、成形に長時間を要
する大型の繊維強化複合材料にも使用でき、含浸状態の
保持が容易で、ボイドの発生による成形品の品質が低下
することがなく、硬化の際に加熱工程を必要としない繊
維強化複合材料の製造方法について鋭意研究した結果、
本発明に到達した。
【0005】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、カチ
オン性重合物質と下記一般式(I)で示されるルイス酸
のスルホニウム塩の有効量とからなる熱硬化性及びエネ
ルギー線硬化性を兼備したカチオン重合性樹脂組成物を
マトリクス樹脂とし、この樹脂を強化繊維に含浸させた
後、UVなどのエネルギー線にて硬化させてなる繊維強
化複合材料及びその製造方法に関する。
【化5】 [上式中、Xは、一般式
【化6】 (式中、R1 は、炭素数1〜18の脂肪族基、R2 は、
炭素数1〜18の脂肪族基または炭素数6〜18の置換
または非置換芳香族基であり、R1 とR2 は互いに結合
して環を形成してもよい。)で示されるスルホニオ基で
ある。上式中、Yは、一般式
【化7】 (式中、R3 は、炭素数1〜18の脂肪族基、R4 は、
炭素数1〜18の脂肪族基または炭素数6〜18の置換
または非置換芳香族基であり、R3 とR4 は互いに結合
して環を形成してもよい。)で示されるスルホニオ基で
あるか、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、アルコキ
シ基、炭素数1〜18の脂肪族基、または炭素数炭素数
6〜18の置換または非置換フェニル基、フェノキシ基
またはチオフェノキシ基である。上式中、nおよびm
は、それぞれ独立に1または2である。上式中、Zは、
一般式
【化8】 (式中、Mは、B、P、AsまたはSbであり、Qは、
ハロゲン原子であり、iは、4または6である。)で示
される陰イオンである。]
【0006】
【発明の実施の形態】本発明者らは、繊維強化複合材料
を製造する際、加工コストが高いのは樹脂の硬化に加熱
工程を要すること、短時間に硬化可能な樹脂を成形に長
時間を要する大型の繊維強化複合材に使用できないのは
硬化開始時間を任意にコントロールできないためである
こと、含浸状態の保持が難しく成形が困難であるのは製
造過程で加熱を必要とするため樹脂温度により樹脂粘度
が変化するためであること、樹脂硬化時にボイドが発生
し成形品の品質を低下させるのは残留溶剤に起因するこ
とに着目した。そして樹脂の硬化に加熱工程が不要で、
短時間で硬化し、樹脂硬化開始時間を任意にコントロー
ルでき、溶媒を必要としない繊維強化複合材料の製造方
法について鋭意研究した結果、マトリクス樹脂を強化繊
維に含浸させた後、UVなどのエネルギー線にて硬化さ
せる方法が繊維強化複合材料の簡便な製造方法として理
に適っていると考えた。この製造方法を可能とするため
に強化繊維に含浸させた状態にて厚膜硬化を可能とする
樹脂材料についてさらに鋭意研究した結果、カチオン性
重合物質とルイス酸のスルホニウム塩の有効量とからな
る熱硬化性及びエネルギー線硬化性を兼備したカチオン
重合性樹脂組成物がこの製造方法に用いるマトリクス樹
脂として優れていることを見出た。そしてこのマトリク
ス樹脂を強化繊維に含浸後、UVなどのエネルギー線に
て硬化させ簡便に繊維強化複合材料を製造した。
【0007】本発明に用いるカチオン性重合物質として
は、エポキシ配合物、ビニルエーテル類、環状のエーテ
ル類とケトン類、ラクトン類、オキセタン類、スチレン
類、アクロレイン、4−ビニルビフェニルのようなビニ
ルアレーン類、ビニルシクロヘキセンのような脂環式ビ
ニル化合物、スピロオルソエステル類、スピロオルソカ
ーボネイト類、ビシクロオルソエステル類、イソブチレ
ン、ブタジエンやイソプレンなどのジエン類、フェノー
ル/ホルムアルデヒド樹脂などのカチオン重合性モノマ
ーまたはプレポリマー等が挙げられるが、なかでもエポ
キシ樹脂を用いることが好ましい。
【0008】本発明に用いるエポキシ樹脂としては、従
来公知の芳香族エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、脂
肪族エポキシ樹脂が挙げられる。
【0009】芳香族エポキシ樹脂として特に好ましいも
のは、少なくとも一つの芳香族核を有する多価フェノー
ル又はそのアルキレンオキサイド付加体のポリグリシジ
ルエーテルである。例えば、ビスフェノールA又はその
アルキレンオキサイド付加体とエピクロルヒドリンとの
反応によって製造されるグリシジルエーテル、エポキシ
ノボラック樹脂が挙げられる。
【0010】脂環式エポキシ樹脂として特に好ましいも
のは、少なくとも一つの脂環を有する多価アルコールの
ポリグリシジルエーテル又はシクロヘキセン又はシクロ
ペンテン環含有化合物を過酸化水素、過酸等の適当な酸
化剤でエポキシ化することによって得られるシクロヘキ
センオキサイド又はシクロペンテンオキサイド含有化合
物がある。ポリグリシジルエーテルの代表例としては、
水素添加ビスフェノールA又はそのアルキレンオキサイ
ド付加体とエピクロルヒドリンとの反応によって製造さ
れるグリシジルエーテルが挙げられる。
【0011】脂肪族エポキシ樹脂として特に好ましいも
のは、脂肪族多価アルコール又はそのアルキレンオキサ
イド付加物のポリグリシジルエーテルがある。その代表
例は、1,6−ヘキサンジオールのジグリシジルエーテ
ル、グリセリンのトリグリシジルエーテル、ポリエチレ
ングリコールのジグリシジルエーテル、ポリプロピレン
グリコールのジグリシジルエーテル、エチレングリコー
ル、プロピレングリコール、グリセリン等の脂肪族多価
アルコールに1種又は2種以上のアルキレンオキサイド
(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド)を付加
することにより得られるポリエーテルポリオールのポリ
グリシジルエーテルが挙げられる。さらに脂肪族高級ア
ルコールのモノグリシジルエーテルやフェノール、クレ
ゾール又はこれらにアルキレンオキサイドを付加するこ
とにより得られるポリエーテルアルコールのモノグリシ
ジルエーテル等も希釈剤として配合する事ができる。
【0012】本発明の硬化性組成物は、これらの芳香族
エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂または脂肪族エポキ
シ樹脂を単独でも使用することができるが、所望の性能
に応じて適当に配合することが望ましい。
【0013】本発明に用いるもう一つの必須成分である
ルイス酸のスルホニウム塩は、下記一般式(I)で示さ
れる。
【化9】 式中、Xは、下記一般式(II)で表わされるスルホニオ
基である。
【化10】 式(II)中、R1 は、炭素数1〜18の脂肪族基であ
り、CH3 −,C2 5−,(CH3 2 CH−,CH
2 =CH−CH2 −,シクロヘキシル、シクロペンチル
などの置換または非置換の直鎖又は環状炭化水素基、
【化11】 などのヘテロ原子を主鎖または置換基として有する脂肪
族基を含む。式(II)中、R2 は、上記で定義される脂
肪族基かまたは炭素数6〜18の置換または非置換の芳
香族基から選択することができる。ここでいう置換基
は、幅広い範囲から選択することができるがアミノ基な
どのように塩基性の高い基は重合を阻害することがある
ので好ましくない。好ましい置換基には、ニトロ基、ハ
ロゲン原子(F,Cl,Br,I)、アルコキシ基、脂
肪族基、フェノキシ基、チオフェノキシ基などの基から
選択することができる。R1 とR2 は、たとえば
【化12】 のように互いに結合して硫黄原子を含む環を形成してい
てもよい。式(I)中、Yは下記の一般式(III)で表わ
れるスルホニル基であるか、または水素原子、ハロゲン
原子、ニトロ基、アルコキシ基、炭素数1〜18の脂肪
族基、炭素数6〜18の置換または非置換のフェニル
基、フェノキシ基、またはチオフェノキシ基である。
【化13】 式(III)中、R3 、R4 は、炭素数1〜18の脂肪族
基、または炭素数6〜18の置換または非置換の芳香族
基であり、R3 、R4 は、互いに結合して環を形成して
もよい。nは、1または2である。mは、1または2で
あり、Yがスルホニオ基である場合は2である。Zは、
式(IV)または(V)で示され、
【化14】 Mは、B、P、As 、またはSbであり、Qはハロゲン
原子であり、好ましくはCl 、Fから選択される。iは
4または6である。Zの具体例としては、BF4、PF
6 、As F6 、Sb F6 、Sb F5 OHなどが挙げられ
る。本発明に用いるスルホニウム塩は、たとえばジフェ
ニルスルフィドとジアルキルスルホキシドを硫酸中で混
合後、所望のアニオン構造を有する無機化合物(代表的
にはKPF6 、KAs F6 、Na Sb F6 など)と水中
で混合することによって容易に得ることができる。
【0014】上記一般式(I)で示されるルイス酸のス
ルホニウム塩としては、
【化15】 などが挙げられる。
【0015】本発明に用いる強化繊維としては、炭素繊
維、ガラス繊維、有機繊維など通常の繊維強化複合材料
の強化繊維として使用されているものはいずれの繊維も
使用することができる。また、繊維の形態も、一方向に
揃えたもの及び織物及び編み物などいかなる形態のもの
であっても差し支えない。さらに炭素繊維とガラス繊維
あるいは炭素繊維とこれらのハイブリッドでも良く、特
に制限されるものではない。
【0016】本発明を主に強化繊維について述べるが、
本発明は通常の複合材料の充填材を用いる場合にも有効
である。充填材の例としては、アルミニウム、銅等の金
属フィラー、カーボン、カルシウム塩等の無機フィラ
ー、テフロン、ゴム等の有機フィラー、顔料、およびこ
れらの混合物が挙げられる。すなわち、本発明は、強化
繊維に限定されず、一般的に樹脂に使用されるフィラー
は使用でき、また、その作用も同様である。
【0017】本発明の組成物には、さらにカチオン重合
を損なわない範囲で希釈のための溶剤や、改質のための
非反応性の樹脂やプレポリマーを配合することができ
る。また例えば電気特性を改良する目的などのため有機
カルボン酸や酸無水物を使用したり、あるいはゴム弾性
をもたせるなどの目的でポリオールやその他の可撓性プ
レポリマーを混合するのもよい。
【0018】本発明の組成物は、エネルギー線の照射ま
たは80〜200℃程度の加熱のどちらにも敏感に反応
し、短時間に物性に優れた硬化物を与えることができ
る。適当なエネルギー線としては、一般式(I)で示さ
れるスルホニウム塩の分解を誘発するエネルギーを有す
る限りいかなるものであってもよい。好ましくは、高・
低圧水銀ランプ、キセノンランプ、殺菌灯、レーザー光
などから得られる200nm〜700nmの波長を有す
る電磁波エネルギーや電子線、X線放射線等の高エネル
ギー線を使用する。
【0019】エネルギー線への暴露は、エネルギー線の
強度によるが、通常は1/2から10秒程度で十分であ
る。しかし比較的厚い塗装物についてはそれ以上の時間
をかけるのが好ましいことがある。エネルギー線照射後
0.1秒〜数分後にはほとんどの組成物はカチオン重合
により指触乾燥するが、カチオン重合性反応を促進する
ために40℃〜100℃の加熱を並用することも場合に
よっては好ましい。本発明の組成物の硬化に際し、加熱
のみで硬化を行うことも可能であり、エネルギー線のあ
たらない部分も硬化することができることからその応用
範囲は広い。加熱を単独に行う場合は50〜200℃の
温度範囲で数秒から数分の間に硬化することができる。
【0020】本発明の組成物は、100重量部のカチオ
ン性重合物質に対して0.1〜15重量部、より好まし
くは0.2〜8重量部の一般式(I)で示されるスルホ
ニウム塩を必須の成分とするが、適当な割合はカチオン
性重合物質の種類、エネルギー線の種類、照射量、加熱
の温度、所望の硬化時間、塗膜の厚みなどさまざまな要
因を考慮することによって決定される。
【0021】本発明の繊維強化複合材料の製造方法、加
工方法は、不連続な繊維を含む繊維/樹脂マトリクスを
形成するのに用いる方法を含み、幅広い種類の繊維/樹
脂複合材料形成方法のいずれかにより製造しうる。例え
ば、レイアップ技術、シート成形、樹脂トランスファー
成形等、並びにフィラメント巻き、編組、及び引出成形
のような連続フィラメントの使用に適合しうる方法を使
用しうる。更に、繊維/樹脂複合材料製品は、固体棒材
を引出成形により形成し、次いでフィラメント巻きのコ
ア物体として使用するようなこれらの方法の組み合わせ
によっても形成しうる。
【0022】本発明の樹脂組成物を強化繊維に含浸させ
てプリプレグを製造することができる。含浸させる方法
としては、一般的なFRPの製造の際に用いられる方法
であるなら特に問題なく使用できる。具体的には、樹脂
槽にクロス材を浸漬させて含浸させる方法、スプレー等
でふきつける方法等があるが、これに限定されるもので
はない。つまり、本発明の樹脂組成物は、数時間程度で
は太陽光レベルでは硬化しないため、含浸の方法につい
ては特に限定されない。
【0023】本発明のプリプレグは、積層してUVなど
のエネルギー線にて硬化させ繊維複合材料を生じること
がでる。UVを使用する場合、積層したプリプレグにU
Vを数分(1分以上)照射することで簡単にFRPを得
ることができる。さらに、積層済みプリプレグをバクフ
ィルム等で包み、内部を真空にしたり加圧したりするこ
とで繊維密度が高く密着性のよいFRPを得ることがで
きる。また、フィラメントワインディングの様な巻き製
法の場合、UVを照射しながら巻くことで巻き終わりと
硬化終了が同時であり、さらに経済的である。これら
は、EB等の他のエネルギー線を使用する場合にも同様
である。つまり、現在のFRPの様々の製法に応用可能
である。
【0024】本発明の樹脂組成物を三次元織物に含浸
後、UVなどのエネルギー線にて硬化させて繊維強化複
合材料を生ずることができる。三次元織物の場合も従来
の熱硬化樹脂と同様に射出等によって樹脂を含浸させ
る。ここで熱硬化樹脂との相違は、熱硬化樹脂は含浸後
熱にて硬化させるため、樹脂粘度が低下し、樹脂量が少
ない不良なFRPができたり、熱伝導により射出管内の
樹脂まで硬化し機械に不具合があるが、UVを用いれば
目的の箇所だけ一瞬で硬化させるためこれらの問題が発
生しない点である。UV等のエネルギー線による硬化方
法は特に前記と変わるものではない。
【0025】次に、本発明の樹脂組成物は、UVなどの
エネルギー線にて硬化できるため、本発明の繊維強化複
合材料に限らず、複合材料一般または樹脂加工品の補修
に用いることができる。例えば、航空機の主翼や船体対
して補修を行うことがてきる。従来の熱硬化樹脂のかわ
りに本発明である樹脂を用いる他は、熱硬化樹脂のとき
と同様にして補修箇所を処理する。具体的には、補修箇
所にプリプレグをはり合わせたり、樹脂を注入したり、
または、繊維材含有樹脂を注入したりして処理する。次
に樹脂の硬化についてであるが、熱硬化樹脂の場合、機
体を解体してパーツごとオーブンで加熱したり、熱風ド
ライヤーまたはウォームマット等で広範囲を加熱する必
要がある。これは残留熱歪の局所分布を極力さけるため
であるが、本開発樹脂の場合このような熱歪を生まない
ため、懐中電灯のような小型のUV照射装置でも簡単に
硬化させることができ、ハンドリング、熱歪レスの観点
から非常に優れている。さらに、大型の配線、建造物の
接合部等、一般に移動困難な二つの物体の合わせ面の密
着接合に好適である。
【0026】
【実施例】以下、本発明を実施例1〜3、比較例1〜3
により説明するが、本発明はこれに限定するものではな
い。 実施例1 ビス〔4−(ジメチルスルホニオ)フェニル〕スルフィ
ドビス−ヘキサフルオロホスフェート2.0gを100
gのERL−4221(ユニオンカーバイド社製:脂環
式エポキシ樹脂)に溶解したものをマトリクス樹脂と
し、これをガラスクロスに含浸させてプリプレグとした
ものを10枚積層(板厚3mm)したのち120W/cm
のハロゲンランプを60秒照射して繊維強化複合材料を
得た。
【0027】実施例2 ビス〔4−(ジメチルスルホニオ)フェニル〕スルフィ
ドビス−ヘキサフルオロホスフェート2.0gを100
gのERL−4221(ユニオンカーバイド社製:脂環
式エポキシ樹脂)に溶解したものをマトリクス樹脂と
し、巻き付け速度30cm/秒にてフィラメントワインデ
ィング法により成形(板厚3mm)し、120W/cmのハ
ロゲンランプを60秒照射して繊維強化複合材料を得
た。
【0028】実施例3 ビス〔4−(ジメチルスルホニオ)フェニル〕スルフィ
ドビス−ヘキサフルオロホスフェート2.0gを100
gのERL−4221(ユニオンカーバイド社製:脂環
式エポキシ樹脂)に溶解したものをマトリクス樹脂と
し、これをカーボンクロスに含浸させてプリプレグとし
たものを8枚積層(板厚2mm)したのちエキシマ光を6
0秒照射して繊維強化複合材料を得た。
【0029】比較例1 公知のラジカル性重合物質(エポキシアクリレート)を
マトリクス樹脂として使用すること以外は、実施例1と
同様にして繊維強化複合材料を得た。
【0030】比較例2 アミン硬化組成物(ビスフェノールAのジグリシジルエ
ーテル75wt%、ネオペンチルグリコールジアクリレ
ート15wt%、ヒドロキシメチルフェニルプロパン3
wt%、ラクロイルペルオキシド(10時間分解半減期
64℃)0.8wt%、脱泡剤0.5wt%、湿潤剤
0.1wt%、エチルメチルイミダゾール5.8wt
%、ロックタイト社製のフィラメントワインディング用
マトリクス組成物)をマトリクス樹脂に用いること以外
は実施例2と同様にして繊維強化複合材料を得た。
【0031】比較例3 公知のラジカル性重合物質(エポキシアクリレート)を
マトリクス樹脂として使用すること以外は、比較例3と
同様にして繊維強化複合材料を得た。
【0032】実施例1〜3及び比較例1〜3の製造結果
を表1に示す。表1から明らかなように、本発明の組成
をマトリクス樹脂に用いる本発明の方法により、UVな
どのエネルギー線のみにて繊維強化複合材料を得ること
ができた。
【表1】
【0033】
【発明の効果】本発明の繊維強化複合材料及びその製造
方法は以下の長所を有する。 1)短時間に硬化できるため加工コストを削減できる。 2)硬化時間を任意にコントロールできるため成形に長
時間を要する大型の繊維強化複合材料にも使用できる。 3)樹脂の硬化に加熱が不要であるため樹脂粘度の変化
が発生せず、含浸状態の保持が容易となり成形が容易と
なる。 4)溶媒を必要としないため残留溶媒に起因するボイド
の発生による成形品の品質が低下という問題を生じな
い。 5)熱硬化に必要な加熱を必要としないため、残留熱歪
の心配がない(特に大型部品では熱歪レスは重要であ
る。) 6)部品の解体や広範囲の温度コントロールを必要とし
ないため、補修が容易である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D06M 10/10 D06M 15/55 13/252 D06M 13/28 15/55 10/00 K // B29K 101:10 105:08

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カチオン性重合物質と下記一般式(I)
    で示されるルイス酸のスルホニウム塩の有効量とからな
    る熱硬化性及びエネルギー線硬化性を兼備したカチオン
    重合性樹脂組成物をマトリクス樹脂とし、この樹脂を強
    化繊維に含浸させた後、UVなどのエネルギー線にて硬
    化させてなる繊維強化複合材料。 【化1】 [上式中、Xは、一般式 【化2】 (式中、R1 は、炭素数1〜18の脂肪族基、R2 は、
    炭素数1〜18の脂肪族基または炭素数6〜18の置換
    または非置換芳香族基であり、R1 とR2 は互いに結合
    して環を形成してもよい。)で示されるスルホニオ基で
    ある。上式中、Yは、一般式 【化3】 (式中、R3 は、炭素数1〜18の脂肪族基、R4 は、
    炭素数1〜18の脂肪族基または炭素数6〜18の置換
    または非置換芳香族基であり、R3 とR4 は互いに結合
    して環を形成してもよい。)で示されるスルホニオ基で
    あるか、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、アルコキ
    シ基、炭素数1〜18の脂肪族基、または炭素数炭素数
    6〜18の置換または非置換フェニル基、フェノキシ基
    またはチオフェノキシ基である。上式中、nおよびm
    は、それぞれ独立に1または2である。上式中、Zは、
    一般式 【化4】 (式中、Mは、B、P、AsまたはSbであり、Qは、
    ハロゲン原子であり、iは、4または6である。)で示
    される陰イオンである。]
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のカチオン重合性樹脂組
    成物をマトリクス樹脂とし、これを強化繊維に含浸させ
    てなるプリプレグ。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載のプリプレグを積層して
    UVなどのエネルギー線にて硬化させてなる繊維強化複
    合材料。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載のカチオン重合性樹脂組
    成物をマトリクス樹脂とし、これを三次元織物に樹脂を
    含浸後、UVなどのエネルギー線にて硬化させてなる繊
    維強化複合材料。
  5. 【請求項5】 カチオン性重合物質と請求項1に記載の
    ルイス酸のスルホニウム塩の有効量とからなる熱硬化性
    及びエネルギー線硬化性を兼備したカチオン重合性樹脂
    組成物をマトリクス樹脂とし、この樹脂を強化繊維に含
    浸させた後、UVなどのエネルギー線にて硬化させる繊
    維強化複合材料の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項1に記載のカチオン重合性樹脂組
    成物をマトリクス樹脂とし、これを強化繊維に含浸させ
    て製造するプリプレグ製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項2に記載のプリプレグを積層して
    UVなどのエネルギー線にて硬化させる繊維強化複合材
    料の製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項1に記載のカチオン重合性樹脂組
    成物をマトリクス樹脂とし、これを三次元織物に樹脂を
    含浸後、UVなどのエネルギー線にて硬化させる繊維強
    化複合材料の製造方法。
  9. 【請求項9】 請求項1に記載のカチオン重合性樹脂組
    成物をマトリクス樹脂とし、これを繊維強化複合材料の
    補修箇所に充填後、UVなどのエネルギー線にて硬化さ
    せる繊維強化複合材料の補修方法。
  10. 【請求項10】 請求項2に記載のプリプレグを繊維強
    化複合材料の補修箇所に張り付けた後、UVなどのエネ
    ルギー線にて硬化させる繊維強化複合材料の補修方法。
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