JPH10244367A - 溶接ロボットシステム - Google Patents

溶接ロボットシステム

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JPH10244367A
JPH10244367A JP6175997A JP6175997A JPH10244367A JP H10244367 A JPH10244367 A JP H10244367A JP 6175997 A JP6175997 A JP 6175997A JP 6175997 A JP6175997 A JP 6175997A JP H10244367 A JPH10244367 A JP H10244367A
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JP
Japan
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robot
weaving
welding
sensor
gap length
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Withdrawn
Application number
JP6175997A
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English (en)
Inventor
Akihiro Terada
彰弘 寺田
Mitsuhiro Okuda
満廣 奥田
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Fanuc Corp
Original Assignee
Fanuc Corp
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Publication date
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B23MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B23KSOLDERING OR UNSOLDERING; WELDING; CLADDING OR PLATING BY SOLDERING OR WELDING; CUTTING BY APPLYING HEAT LOCALLY, e.g. FLAME CUTTING; WORKING BY LASER BEAM
    • B23K9/00Arc welding or cutting
    • B23K9/12Automatic feeding or moving of electrodes or work for spot or seam welding or cutting
    • B23K9/127Means for tracking lines during arc welding or cutting
    • B23K9/1272Geometry oriented, e.g. beam optical trading
    • B23K9/1274Using non-contact, optical means, e.g. laser means

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
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  • Mechanical Engineering (AREA)
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  • Numerical Control (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 溶接ロボットにギャップ長に適応した条件の
ウィービングとトラッキングを行なわせること。 【解決手段】 ロボット手先部1にレーザセンサ2と溶
接トーチ3を取り付けて継ぎ手A,Bの溶接を行なう。
レーザセンサ2はレーザビーム5で継ぎ手面上を走査
(6A,6B)し、溶接線位置検出とギャップ長検出を
周期的に行なう。ロボットからセンサにタイムスタンプ
付のセンサ現在位置データが周期的に出力され、溶接線
位置がロボットデータとして求められる。検出されたギ
ャップ長g(x)のレンジに応じたウィービング条件が
選択され、トーチ先端4は、トラッキングとウィービン
グを重ね合わせた軌跡WVを描く。ウィービング条件切
換は、軌道の乱れを防止したタイミングで行なわれる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アーク溶接トーチ
とレーザセンサを搭載した溶接ロボットシステムに関
し、更に詳しく言えば、溶接継ぎ手のギャップ長(ギャ
ップの大きさ)の変動に適応させながらウィービング動
作とリアルタイムトラッキング(溶接線追従)を併行実
施するようにした前記溶接ロボットシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】アーク溶接トーチを手先部に取り付けた
ロボット(溶接ロボット)にレーザセンサを搭載し、溶
接線位置を先行的にセンシングしながらロボットを溶接
線に沿って移動させる技術は、溶接ロボットにおけるリ
アルタイムトラッキング(溶接線追従)と呼ばれてい
る。この技術を適用すれば、個々の溶接対象継ぎ手の位
置決めが正確になされていない場合であってもロボット
を実際の溶接線に沿って移動させるることが可能となる
ため、溶接品質を高める手段として広く利用されてい
る。
【0003】一方、厚板に対する溶接やギャップの存在
が予測されるような継ぎ手に対する溶接を行なう溶接ロ
ボットについては、ウィービング動作を行なわせる必要
がある。ウィービング動作は、ロボットの移動経路を基
準経路(ウィービング量が“0”に対応する経路)から
側方に周期的にずらせる動作である。従って、上記のリ
アルタイムトラッキングを適用した溶接ロボットにウィ
ービング動作を行なわせる場合には、レーザセンサによ
って検出された溶接線位置を基準(ウィービング量
“0”の位置)にウィービング量を上乗せした移動経路
を実現させる必要がある。
【0004】また、溶接経路に沿って継ぎ手のギャップ
長に変動がある場合には、ウィービング動作の条件(ウ
ィービング振幅、ウィービング周期、ウィービング形−
サインカーブ形、8の字形、ジグザグ形等−、ウィービ
ングの有無など)を移動途中で切り換えることが望まれ
る。
【0005】例えば、ギャップ長が大きな移動区間(教
示点間の区間とは限らないことに注意)では大きなウィ
ービング振幅でウィービング動作を行ない、ギャップ長
が小さな移動区間では小さなウィービング振幅でウィー
ビング動作を行なう(場合によっては、ウィービング動
作無しとする)ことで、溶接の品質を向上させることが
出来る。
【0006】このように、トラッキングとウィービング
の併用時に継ぎ手のギャップ長に応じてウィービング条
件を切り換えるという考え方自体は、従来より提案され
ていなかった訳ではない。しかしながら、現実の溶接ロ
ボットにこのような複合的な動作を行なわせることは容
易ではなく、実際的な技術は知られていないのが現状で
ある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】実際に正確なトラッキ
ングとウィービングを併用しながらギャップ長に応じた
ウィービング条件の切り換えを行なうためには、溶接線
の位置やギャップ長を定めるための基礎データとなる客
観的なプロファイル情報(ロボット座標系上で表現され
たプロファイル情報)を精度良く得る必要がある。
【0008】しかし、レーザセンサの検出出力から得ら
れるのは、ウィービング動作中のロボットと一体的に移
動するセンサ座標系上での継ぎ手のプロファイル情報を
表現するセンサデータであり、それのみからは客観的な
(ロボット座標系上での)溶接線の位置やギャップを割
り出すことは出来ない。そこで、レーザセンサの検出出
力とその検出出力に対応するセンシングが行なわれた時
点におけるロボット位置とを適正に対応付けて客観的な
プロファイル情報に基づいて溶接線の位置やギャップ長
を定める必要がある。
【0009】また、ギャップ長の変動を検出してウィー
ビング条件を切り換える際には、ウィービング条件切換
に伴ってロボットの軌道が乱れないように配慮する必要
がある。
【0010】そこで、本発明の基本的な目的は、溶接線
のトラッキングを正確に行いながらギャップ長に応じた
ウィービング条件の下でウィービング動作を併行実施出
来るようにした溶接ロボットを提供することにある。
【0011】また、本発明は、ウィービング動作時にも
溶接線の位置やギャップ長を正確に定めることが出来る
ようにし、その事を通して、正確なトラッキングにウィ
ービングを併用しながらギャップ長に応じたウィービン
グ条件の切り換えを行なうことが出来る溶接ロボットを
提供しようとするものである。
【0012】更に、本発明は上記溶接ロボットについ
て、ウィービング条件の切換に伴う軌道の変更が円滑に
行なわれるようにすることをも企図している。そして、
本発明はこれらのことを通して、ギャップ長が一定でな
いような継ぎ手に対する溶接の品質室を向上させること
を目指している。
【0013】
【問題点を解決するための手段】本発明は、溶接トーチ
を取り付けたロボットと、溶接トーチに対してロボット
進行方向領域をセンシングするように前記ロボットに本
体部を取り付けられたレーザセンサと、ロボットの制御
手段とを備えた溶接ロボットシステムを改良して前記目
的を達成するものである。
【0014】即ち、ロボットの制御手段はレーザセンサ
にタイムスタンプでラベリングされたレーザセンサの位
置データをロボットデータで出力する手段を有する一
方、レーザセンサは、ラベリングされたレーザセンサの
位置データとセンシング結果とに基づいて、溶接対象継
ぎ手のプロファイルを検出する手段と、検出されたプロ
ファイルに基づいて溶接線位置とギャップ長を算出して
記憶する手段を有している。
【0015】そして、ロボットの制御手段は更に、記憶
された溶接線位置に基づいて溶接線のトラッキングのた
めの補正量を求める手段と、記憶されたギャップ長に応
じて選択されたウィービング条件に従ってウィービング
量を求める手段と、求められたトラッキングのための補
正量とウィービング量と、教示経路上の補間位置に基づ
いてロボットの移動目標位置を求める手段を備えてい
る。
【0016】本発明の好ましい実施形態においては、ロ
ボットの制御手段は更に、検出されたギャップ長に応じ
て選択されたウィービング条件が切り換えられる際に、
ロボットの位置が急変しないようにウィービング量を定
める手段を備えている。
【0017】本発明の溶接ロボットシステムによれば、
ギャップ長の変動が予測される溶接継ぎ手について、線
に沿った正確なリアルタイムトラッキングと、ギャップ
長の変化に応じて制御されたウィービング条件の下での
ウィービングを併行的に実施することが出来る。また、
ウィービング条件の切換に際しては、溶接点の滑らかな
移動を保証することも出来る。
【0018】
【発明の実施の形態】図1は、本発明を適用した溶接ロ
ボットシステムを用いて溶接を実行する際の配置の概要
と、ギャップ長の検出について説明する図である。同図
において、継ぎ手を構成するワークA,Bは、ワークテ
ーブルWT上に治具(図示省略)を用いて位置決めされ
ている。継ぎ手A,Bは、ロボットに設定済みのワーク
座標系のX軸方向にほぼ沿って延びるY方向ギャップG
を有している。X軸座標値がxである位置(位置x)に
おけるギャップ幅をg(x)で表わすことにする。g
(x)の値は一定ではなく、“0”(ギャップなし)の
個所も有り得る。
【0019】本体部の大半を省略して示したロボットの
ロボット手先部1には、適当な装着機構を介してレーザ
センサ2及び溶接トーチ3が取り付けられている。符号
4はロボットのツール先端点として設定された溶接トー
チ先端位置で、溶接点とも言う。符号WVは、図示され
た位置までのウィービングとトラッキングによる軌道の
ぶれを表わしている。
【0020】レーザセンサ2の走査ビーム5は、ロボッ
ト進行方向に関して溶接点4よりも先行した領域を走査
する。走査ビーム5によってワークA,Bやワークテー
ブルWTの表面上に形成される輝点の軌跡6A,6B
は、レーザセンサ3の光検出部で検出され、それに基づ
いて溶接線の位置とギャップ幅g(x)が求められる。
【0021】図2は、図1に示した配置で使用される溶
接ロボットシステムのシステム構成の大要を示したブロ
ック図である。本実施形態のシステムは、レーザセンサ
2を構成するセンサ本体部10とセンサボード20、シ
ステム全体の制御部を兼ねるロボット制御ボード30、
ロボット本体(機構部)40及び溶接部(電源装置)5
0からなる。センサボード20とロボット制御ボード3
0はバス結合されている。システム各部の構成は周知で
あるが、図3〜図5を参照して簡単に説明しておく。
【0022】先ず図4は、レーザセンサ2の概略構成を
例示したもので、センサ本体部10とセンサボード20
から構成されている。センサ本体部10はレーザ発振器
11とビーム走査用の揺動ミラー(ガルバノメータ)1
2を備えている。また、光検出部は、結像用の光学系1
3と受光素子14を備えている。
【0023】一方、センサボード20はマイクロプロセ
ッサからなるCPU21を備え、CPU21には、バス
29を介して入出力装置28及びROM、RAM等から
なるメモリ25が接続されている。
【0024】入出力装置28には、レーザ発振器11を
駆動してレーザビームを発生させるレーザ駆動部22、
揺動ミラー12を揺動させるミラー走査部23、受光素
子14で受光した位置から、走査ビームの反射点Sの位
置を検出する信号検出部24が接続されている。バス2
9はロボット制御ボード30(図5参照)に設けられた
CPUと接続され、センサボード20とロボット制御ボ
ード30とをバス結合している。
【0025】ロボット制御ボード30からレーザセンサ
起動指令を受けると、CPU21はメモリ25に格納さ
れたレーザセンサ駆動プログラムを起動し、レーザ駆動
部22にレーザ駆動指令を送るととみにミラー走査部2
3にミラー走査指令を送る。これにより、レーザビーム
5で被検対象物が走査される。
【0026】対象物面上の反射点Sで拡散反射したレー
ザビームは光学系13により、反射位置Sに応じて、受
光素子14上に像を作る。該受光素子には、分割型素子
のCCD(Charge Coupled Devic
e)、非分割型・積分型素子のPSD(Positio
n Sensitive Detector)などが使
用される。ここでは、受光素子14として、レーザセン
サの1次元CCDアレイが使用されている(2次元アレ
イを用いることも出来る)。
【0027】受光素子14の受光面に入射した光(反射
光の像)は光電子に変換され、そのセルに蓄えられる。
セルに蓄積された電荷は、信号検出部24からのCCD
走査信号に従って所定周期毎1番端から順に出力され、
信号検出部24、入出力装置28を介し、AD変換等の
処理を受けて最新のデータがメモリ25に順次蓄積され
る。
【0028】CCDの走査周期は、搖動ミラー12の走
査周期よりも十分短く設定(例えば、数100分の1)
されており、搖動ミラー12の搖動角度の推移とCCD
素子出力状態の推移は、随時把握可能となっている。C
CD素子の出力状態は出力最大のセル位置(セル番号)
で把握され、反射点Sからの反射光が当たったセル位置
が検出される。この位置から、センサから反射点Sの位
置が算出される。
【0029】図3は、受光素子14で検出した位置xa
により、センサからの反射点Sの座標位置(Xs ,Ys
)を求める原理を説明する図である。光学系の中心と
受光素子14の中央点とを結ぶ線上にセンサ原点(0,
0)があり、この線をYs 軸、このYs 軸に直交する軸
をXs 軸とする。
【0030】また、原点から光学系の中心までの距離を
L1 、光学系の中心から受光素子14の中央点までの距
離をL2 、センサ原点からXs 軸方向への揺動ミラー1
2の揺動中心までの距離をD、センサ原点から揺動ミラ
ーの揺動中心までのYs 軸距離をL0 、揺動ミラー12
によるレーザビームの反射光のYs 軸方向に対する角度
をθ、受光素子14上の受光位置をxa とする。すす
と、レーザビーム5の反射点Sのセンサ座標系上の座標
位置(xs ,ys )は次の各式(1),(2)の演算で
求めることが出来る。 xs =xa ・[(L1 −L0 )・tan θ+D]/(xa +L2 ・tan θ) ・・・(1) Ys =[L1 ・xa +L2 ・(L0 ・tan θ−D)]/(xa +L2 ・tan θ) ・・・(2) センサボード20のCPU21は、ロボット制御ボード
からの指令に従ってメモリ25に格納された位置計算プ
ログラムを起動させ、所定周期で上記(1),(2)式
の計算に相当する処理を実行する。計算結果は、タイム
スタンプとともにメモリ25に一旦逐次蓄積される。一
方、ロボット制御ボード30からはタイムスタンプ付の
センサ位置データがバス29を介して所定周期で送られ
ており、両データ(反射点Sの位置を表わすセンサデー
タとセンサ位置データ)はタイムスタンプの比較・照合
により対応付けられ、反射点Sのロボット座標系上の位
置が計算される。求められた結果は、メモリ25に逐次
蓄積される。
【0031】次に図5は、ロボット制御ボード30の要
部構成並びにロボット本体40、溶接部を構成する電源
装置50との接続関係をブロック図で示したものある。
同図に示したように、ロボット制御ボード30はマイク
ロプロセッサからなるCPU31を有し、CPU31は
バス29を介して前述したセンサボード20のCPU2
1とバス結合されている、また、CPU31は同じくバ
ス29を介して、ROMからなるメモリ32、RAMか
らなるメモリ33、不揮発性メモリ34、液晶表示部3
7を備えた教示操作盤38、サーボ回路36を経て溶接
ロボット(本体機構部)40に接続された軸制御部3
5、並びに、溶接用の電源装置50に接続された汎用イ
ンターフェイス39が接続されている。
【0032】ROM32には、センサ制御ボード20、
ロボット制御ボード30の各部、ロボット本体40、電
源装置50を含むシステム全体を制御するためのシステ
ムプログラムが格納されている。RAM33はデ−タの
一時記憶や演算の為に利用されるメモリである。不揮発
性メモリ34には、各種パラメータ設定値やロボット本
体40を含むシステムの動作を命令するプログラムが格
納される。
【0033】本実施形態におけるパラメータ設定値に
は、複数のウィービング条件を記述するパラメータ、ギ
ャップ長レンジと選択されるべきウィービング条件の関
係(ウィービング条件選択基準)を規定するテーブルデ
ータ等が含まれる。これらはロボット制御ボード30の
教示操作盤38に付設された液晶ディスプレイ37上で
画面設定される。図6、図7はそれらの例を示したもの
である。
【0034】図6中、左端の番号1〜11及び99は設
定条件番号を表わしており、各番号の条件内容がオペレ
ータによって入力される。但し、条件番号99はギャッ
プが許容値を越えている場合に備えるもので、アラーム
信号の出力と緊急停止を伴うものである。
【0035】各条件1〜11の設定内容には、ウィービ
ングのパターン、ウィービング周波数f(周期Tw の逆
数1/Tw )、ウィービングの振幅aが含まれる。ま
た、ウィービング軌跡の左端と右端における停止時間を
指定出来るようになっている。
【0036】ウィービングパターンには種々のものが知
られているが、ここでは図8に示したような3種(ウィ
ービングパターン1〜3)とする。各パターンの要点は
次の通りである。なお、図8のパターンは、ウィービン
グに直線移動を重畳した形で描示されており、記号λは
一周期Tw 当りのロボット移動量を表わしている。
【0037】ウィービングパターン1:ロボットにプロ
グラム教示されている進行方向に垂直な方向に、振幅
a、周波数f(=1/Tw )の正弦波形の変位(ウィー
ビング量)を与える。但し、ウィービング軌跡の左端と
右端では停止時間Tsr,Tslの間だけ、ウィービング量
は一定値(±a)に保持される。
【0038】時間t=0で、ウィービング量w(0)=
0の条件で考えると、例えばウィービングパターン1の
一周期内の時間tにおけるウィービング量w(t)は、
次のようになる。なお、後述するように、ウィービング
量を計算するための時間tは、ロボット制御ボード内に
設定されたウィービングタイマから定められる。ウィー
ビングタイマは、ウィービング動作開始時及び切換時に
スタート乃至リセットされる。
【0039】 ・0≦t≦Tw /4: w(t)=asin (2πt/Tw ) ・・・(1) ・Tw /4<t≦(Tw /4)+Tsr w(t)=a ・・・(2) ・(Tw /4)+Trs<t≦(3Tw /4)+Tsr w(t)=asin (2π[t−Tsr]/Tw ) ・・・(3) ・(3Tw /4)+Tsr<t≦(3Tw /4)+Tsr+Tsl w(t)=−a ・・・(4) ・(3Tw /4)+Tsr+Tsl<t<Tw +Tsr+Tsl w(t)=asin (2π[t−Tsr−Tsl]/Tw ) ・・・(5) 同様に、正弦関数asin (2πt/Tw )の代わりに他
の振幅a、周期Tw の周期関数u(t)で表現されるウ
ィービング(パターン2では円弧、パターン3では折れ
線)であれば、一周期内の時間tにおけるウィービング
量w(t)は、次のようになる。 ・0≦t≦Tw /4: w(t)=u(t) ・・・(6) ・Tw /4<t≦(Tw /4)+Tsr w(t)=a ・・・(7) ・(Tw /4)+Trs<t≦(3Tw /4)+Tsr w(t)=u(t−Tsr) ・・・(8) ・(3Tw /4)+Tsr<t≦(3Tw /4)+Tsr+Tsl w(t)=−a ・・・(9) ・(3Tw /4)+Tsr+Tsl<t<Tw +Tsr+Tsl w(t)=u(t−Tsr−Tsl) ・・・(10) 以上の事項を前提に、ロボットにウィービング動作を伴
うトラッキングを実行させる為の処理について、図9〜
図12のフローチャートを参照して説明する。センサボ
ード(図2、図4参照)内で処理1(図9)並びに処理
2(図10)が所定周期のタスクで繰り返し実行される
一方、ロボット制御ボード(図2、図5参照)内では処
理3(図11)並びに処理4(図12)が同じく所定周
期のタスクで繰り返し実行される。
【0040】処理1〜処理4の各ステップの要点は次の
通りである。なお、本明細書において、「センサ現在位
置データ」とは、任意のある時点におけるロボットの
「現在位置データ」から計算されるセンサ座標系の位置
(姿勢を含む)を表わすデータのことである。 −処理1− [ステップS101];ロボット制御ボードから、タイ
ムスタンプ付のセンサ現在位置データが受け取るのを待
つ。タイムスタンプ付のセンサ現在位置データは、後述
するように、ロボット制御ボード内で周期的に計算さ
れ、センサボードに出力される。 [ステップS102];ロボット制御ボードから受け取
ったタイムスタンプ付のセンサ現在位置データをメモリ
25(図4参照)内に設定したバッファ1に格納してス
テップS103へ進む。
【0041】[ステップS103];ロボット制御ボー
ドからシステムの処理終了指令が出力されない限り、ス
テップS101へ戻り、次のタイムスタンプ付のセンサ
現在位置データの出力に備える。
【0042】このように、処理1によって、バッファ1
にタイムスタンプ付のセンサ現在位置データが蓄積され
ていく。なお、バッファ1は、リングメモリ形式でデー
タを記憶するもので、容量の制限内でより新しいデータ
を優先的に記憶される。 −処理2− [ステップS201];ロボット制御ボードから、セン
シング開始指令が出力されるのを待つ。出力があったら
ステップS202へ進む。 [ステップS202];レーザセンサにレーザビームの
スキャンを行なわせ、検出データをメモリ25内に蓄積
する。 [ステップS203];バッファ1から、最新のタイム
スタンプが付されたセンサ現在位置データを読み出し、
メモリ25内に設定したバッファ2に格納(転記)して
ステップS204へ進む。 [ステップS204];ステップS202によりメモリ
25内に蓄積されたデータに基づいて、継ぎ手のプロフ
ァイルデータ(センサデータ)を求める。
【0043】[ステップS205];ステップS204
で求められた継ぎ手のプロファイルデータ(センサデー
タ)を、バッファ2に転記されたデータを用いて客観的
な空間座標系上でのプロファイルデータ(ロボットデー
タ)に変換する。
【0044】[ステップS206];ステップS205
で求められた継ぎ手のプロファイルデータ(ロボットデ
ータ)に基づいて、溶接線の位置Q(xq ,yq ,zq
)とギャップ長g(x)を求める。図1、図4に示し
た例で言えば、溶接線の位置Qは例えば継ぎ手A,Bの
エッジEA ,EB の中点として計算される。また、ギャ
ップ長g(x)はエッジEA ,EB 間の距離として計算
される。 [ステップS207];ステップS206で求められた
溶接線の位置Q(xq ,yq ,zq )とギャップ長g
(x)をタイムスタンプ(ステップS203で読みだし
たものと同じもの)と対応付けて(ラベリングして)バ
ッファ3に格納する。
【0045】[ステップS208];ロボット制御ボー
ドからシステムの処理終了指令が出力されない限り、ス
テップS202へ戻り、再度ステップS202以下のセ
ンシングの処理を実行する。
【0046】このように、処理2によって、タイムスタ
ンプでラベリングされた溶接線の位置Qのデータ、並び
にギャップ長g(x)がバッファ3に蓄積されていく。
なお、バッファ3も、リングメモリ形式でデータを記憶
するもので、容量の制限内でより新しいデータを優先的
に記憶される。 −処理3− [ステップS301];ロボット制御ボードから、セン
シング開始指令をセンサボードへ出力する。 [ステップS302];ロボットの現在位置をセンサ現
在位置に変換する。周知の通り、この変換はセンサ座標
系とロボット座標系の相対的な位置・姿勢関係を表わす
同次変換行列データを用いて行なうことが出来る。この
ような同次変換行列データは、センサのキャリブレーシ
ョンによって取得され、ロボット制御ボードの不揮発性
メモリ34に記憶されている。
【0047】[ステップS303];ステップS302
で計算されたセンサ現在位置のデータにタイムスタンプ
を付してセンサボードへ出力(転送)する。 [ステップS304];システムの処理終了指令が出力
されない限り、ステップS302へ戻り、次の処理周期
(ITP)におけるセンサ現在位置データの計算・出力
処理を実行する。このように、処理3によって、タイム
スタンプでラベリングされたセンサ現在位置データが、
所定の周期でセンサボードへ出力される。 −処理4− [ステップS401];動作プログラムの1ブロックを
読み込む。 [ステップS402];ウィービング動作の位相を制御
するためのタイマ(ウィービングタイマ)をオンする。
なお、ウィービングタイマの初期値はt=0である。 [ステップS403];周知の処理に従って立てられた
軌道計画に基づいて、(最初または次の)補間点位置r
を求める。補間点位置rは教示経路上の点であり、もし
トラッキングのための補正とウィービング量がともに0
であれば、ロボットの移動目標位置となる点である。
【0048】[ステップS404];バッファ3から溶
接線の位置Qとギャップ長g(x)のデータを読み出
す。但し、読み出されるのは、一般には最新のデータで
はなく、レーザセンサのスキャニング位置とツール先端
点4(図1参照)の距離を時間した量だけ遡及した時刻
に最も近いタイムスタンプでラベリングされたデータを
選ぶ。レーザセンサのスキャニング位置とツール先端点
4(図1参照)の距離をd(一定値)、指令速度をv
(プログラムで指定)とすれば、遡ぼるべき時間は、t
v =d/vとなる。従って、ステップS404実行時の
時刻から、d/vだけ遡った時刻に最も近いタイムスタ
ンプでラベリングされた位置Qとギャップ長g(x)の
データを選べば良い。
【0049】[ステップS405];位置Qと補間点位
置rを比較し、トラッキングのための補正量Δtrを計算
する。 [ステップS406];ステップS404で読み出され
たギャップ長g(x)に適合したウィービング条件をウ
ィービング条件選択基準の設定データ(図7参照)に基
づいて定める。 [ステップS407];ステップS406で定められた
ウィービング条件が現在のウィービング条件と比較し
て、変更の必要があるか否かを判断する。なお、初期設
定されるウィービング条件は番号1(ウィービングな
し)とする。もし、「変更不要(ギャップレンジ不
変)」であればステップS408へ進み、「要変更(ギ
ャップレンジ変化あり)」であればステップS409へ
進む。
【0050】[ステップS408];現在のウィービン
グ条件を変更せずに、トラッキングのための補正Δtrと
ウィービング量w(t)を合算したシフトを教示経路上
の補正位置rに施した位置を計算する。ウィービング量
w(t)の計算は、ウィービング条件番号に対応する設
定データ(図6参照)とウィービングタイマの現在値か
ら算出される。 [ステップS409];前回の計算処理周期で計算され
たウィービング量が基準値εより小さいか否かをチェッ
クする。基準値εはロボット軌道(従ってトーチ先端の
軌道)がウィービング条件の切換によって急変する(不
連続に飛ぶこと)を防止するためのパラメータで、適当
な小値(例えば1.0mm)に設定される。もし、前回
のウィービング量が基準値ε以上であれば、ステップS
408へ進む。即ち、ウィービング量が小さな状態が到
来するまではウィービング条件の切換を回避する。ま
た、前回のウィービング量が基準値ε未満であれば、ス
テップS410へ進む。
【0051】[ステップS410];ウィービング条件
の切換に応じてウィービングの位相を調整するために、
ウィービングタイマをリセットする(t=0にする)。 [ステップS411];ステップS406で定められた
ウィービング条件の下で、トラッキングのための補正Δ
trとウィービング量w(t)を合算したシフトを教示経
路上の補正位置rに施した位置を計算する。ウィービン
グ量w(t)の計算は、ステップS406で定められた
ウィービング条件番号に対応する設定データ(図6参
照)とウィービングタイマの現在値(ステップS411
でリセット)から算出される。 [ステップS412];ステップS408またはステッ
プS411で計算された位置を移動目標点として、周知
の演算(逆変換)によりロボット各軸のための移動指令
を作成し、各軸のサーボに渡す。 [ステップS413];ステップS401で読み出した
1ブロック分の移動処理が完了したら、ステップS41
4へ進む。未完了であれば、ステップS403以下の処
理を再度実行する。 [ステップS414];全ブロック分の移動処理が完了
したら、ステップS415へ進む。未完了であれば、ス
テップS401戻り、次の移動区間(教示区間)のため
の移動処理を開始する。 [ステップS415];システムの終了指令を出力して
処理を終了する。
【0052】以上の説明した処理1〜処理4により、溶
接線に沿ったリアルタイムトラッキングとウィービング
を併行的に実施される。そして、ウィービング条件がギ
ャプ長の変化に自動的に適応されていく。また、ウィー
ビング条件の切換に際しては、溶接点の滑らかな移動を
保証することが出来る。
【0053】なお、本実施形態では突合せ継ぎ手の溶接
を例にとったが、本発明はギャッップ長に変動が予測さ
れる他の形態の継ぎ手(例えば、ギャッップが存在する
隅部溶接継ぎ手)の溶接を行なう溶接ロボットシステム
一般に適用出来ることは明らかである。
【0054】
【発明の効果】本発明によれば、ウィービング動作時に
も溶接線の位置やギャップ長を正確に定めることが出来
るので、正確なトラッキングにウィービングを併用しな
がらギャップ長に応じたウィービング条件の切り換えを
行なうことが出来る。また、ウィービング条件の切換に
伴う軌道の急変(飛び乃至乱れ)を防止することも可能
になる。従って、本発明の溶接ロボットシウテムを用い
て、ギャップ長が一定でないような継ぎ手に対する溶接
の品質室を向上させることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した溶接ロボットシステムを用い
て溶接を実行する際の配置の概要と、ギャップ長の検出
について説明する図である。
【図2】図1に示した配置で使用される溶接ロボットシ
ステムのシステム構成の大要を示したブロック図であ
る。
【図3】レーザセンサの位置計測原理を説明する図であ
る。
【図4】レーザセンサの概略構成を例示した図である。
【図5】ロボット制御ボードの要部構成並びにロボット
本体、溶接部を構成する電源装置との接続関係をブロッ
ク図で示したものある。
【図6】ウィービング条件の設定を行なう画面を例示し
たものである。
【図7】ギャップ長レンジに関連したウィービング条件
の選択基準の設定を行なう画面を例示したものである。
【図8】ウィービングパターンを例示した図である。
【図9】本発明の実施形態において、センサボード内で
行なわれる処理1の概略を記したフローチャートであ
る。
【図10】本発明の実施形態において、センサボード内
で行なわれる処理2の概略を記したフローチャートであ
る。
【図11】本発明の実施形態において、ロボット制御ボ
ード内で行なわれる処理3の概略を記したフローチャー
トである。
【図12】本発明の実施形態において、ロボット制御ボ
ード内で行なわれる処理4の概略を記したフローチャー
トである。
【符号の説明】
1 ロボットの手先部 2 レーザセンサ 3 溶接トーチ 4 溶接トーチ先端(ツール先端点) 5 レーザビーム 6A,6B 輝点の軌跡 10 センサ本体部 11 レーザ発振器 12 揺動ミラー(ガルバノメータ) 13 結像用の光学系 14 受光素子 20 センサボード 21,31 CPU 22 レーザ駆動部 23 ミラー走査部 24 信号検出部 25 メモリ 28 入出力装置 29 バス 30 ロボット制御ボード 40 ロボット本体(機構部) 50 溶接部(電源装置) 32 ROM 33 RAM 34 不揮発性メモリ 35 軸制御部 36 サーボ回路 37 LCD 38 教示操作盤 39 汎用インターフェイス WV 溶接トーチ先端の軌跡 S 反射点
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B25J 19/04 B25J 19/04

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶接トーチを取り付けたロボットと、前
    記溶接トーチに対してロボット進行方向領域をセンシン
    グするように前記ロボットに本体部を取り付けられたレ
    ーザセンサと、前記ロボットの制御手段とを備えた溶接
    ロボットシステムであって、 前記ロボットの制御手段は前記レーザセンサにタイムス
    タンプでラベリングされた前記レーザセンサの位置デー
    タをロボットデータで出力する手段を有し、 前記レーザセンサは、前記ラベリングされた前記レーザ
    センサの位置データと前記センシング結果とに基づい
    て、溶接対象継ぎ手のプロファイルを検出する手段と、
    前記検出されたプロファイルに基づいて溶接線位置とギ
    ャップ長を算出して記憶する手段を有し、 前記ロボットの制御手段は更に、前記記憶された溶接線
    位置に基づいて溶接線のトラッキングのための補正量を
    求める手段と、前記記憶されたギャップ長に応じて選択
    されたウィービング条件に従ってウィービング量を求め
    る手段と、 前記求められたトラッキングのための補正量とウィービ
    ング量と、教示経路上の補間位置に基づいて前記ロボッ
    トの移動目標位置を求める手段を備えている、前記溶接
    ロボットシステム。
  2. 【請求項2】 前記ロボットの制御手段は更に、前記検
    出されたギャップ長に応じて選択されたウィービング条
    件が切り換えられる際に、前記ロボットの位置が急変し
    ないようにウィービング量を定める手段を備えている、
    請求項1に記載された溶接ロボットシステム。
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